福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

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2010-05-18 | 歯並び、矯正の話
乳歯が永久歯と生え変わる時期、すなわち6歳から12歳くらいの間ですが、生え変わりがスムーズにいかないとか、歯並びが気になるなどの問題が出てくることが少なくありません。
乳歯むし歯が重症な場合、乳歯の外傷で神経が死んでいる場合など、生え変わりにくい確率が高くなります。
この患者さんの場合、むし歯が重症で上の両側乳犬歯は神経の処置が必要でした。その後の経過観察で右上(向かって左側)は乳歯の根が早めに溶けて永久歯も早めに生え変わろうとしています。一方左上は殆ど乳歯の根が溶けず、後に生えて来るべき永久歯がはるか上の方にあって出にくい状態です。
そのまま気づかないでいると乳歯がなかなか抜けない、永久歯が埋まってしまうという問題が起こるでしょう。このような問題を早めに発見して適時に対応する、この患者さんの場合は乳歯を適時に抜くということで永久歯が出るのを誘導することができます。
乳歯抜歯後、2か月、4か月後の経過観察で犬歯は順調に出てきつつあります。4か月後には犬歯の膨らみが触れるようになりましたので、後は時間的問題だけで、待てば出てくるでしょう。
この患者さんは近い将来的には歯列矯正治療が必要になりますが、まずはその前に、デコボコでもいいから生えるべき歯がとりあえず出てくることが最初ですね。出てくれば殆どの場合、歯並び噛み合わせは矯正治療で何とかなりますので。
業界ではこのような処置を萌出誘導とか咬合誘導とか呼んでいます。広い意味では矯正治療の中に含まれるものでしょう。




丸で囲んだ部分を比較すると、向かって右側が上方にあって永久歯の方向も下ではなく、前方を向いて傾斜しています。



乳歯抜歯後2か月です。犬歯が下に向かって降りて来ています。いい感じです。




4か月後、さらに降りてきました。出るスペースが不足していますのでいわゆる八重歯で出てくるでしょう。その後の矯正治療が望ましいと思われます。




ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam/
                           http://www.futatsuki-dental.com/
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