福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

粘液嚢胞

2010-05-12 | 口の中の問題
最近粘液嚢胞が出来ている患者さんがたまたま続きましたので、ブログでアップします。
唇の内側に大きさには色々ありますが、ぷっくりポリープ状のものが出来るものです。これは腫瘍的なものではなく、お口の中の粘膜にも小唾液腺という唾液腺があって、この出口が唇を噛んだなどの原因で詰まって、唾液が出にくくなって袋状に溜まるものです。ですから脹らみの中身は唾液が濃縮されたオイル状のものが溜まっているわけで、膨らみ部分は紫っぽい半透明色をしていることが一般的です。
そのうち袋が破れて消失することもありますが、消失しない場合、気になって歯でいじるなどしていると線維化がおこって硬くなってしまい、消失しなくなります。
粘液嚢胞は教科書的にはメスやレーザーで小唾液腺ごと除去するとなっていますが、膨らみ部分に表面麻酔をして切開することで消失する場合も結構ありますので、当院では特に低年齢の場合はまず切開して様子を見るようにしています。
ある患者さんは、口内炎と思って口内炎の薬を使用しても退かないので当院に来院されました。
粘液嚢胞は自然に破れて消失することも少なくないので暫くは様子見でOKですが、繊維化すると消えませんので、例えば1か月くらい変わらないようでしたら、歯科受診をお奨めします。






ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam/
                           http://www.futatsuki-dental.com/
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むし歯と歯並び

2010-05-12 | 歯並び、矯正の話

乳歯のむし歯がひどいと永久歯の歯並びに影響するという話を聞いたことがあると思います。
どういうことかというと、乳歯は将来の永久歯のための場所を確保しているという役割もあるわけです。例えば歯間のむし歯で歯が欠けていくと、特に奥歯では後ろの歯が前に寄って来ます。またよりむし歯が重症で早めに抜けてしまう、または抜かなければならなくなった場合、よりダイナミックに抜いた部分のスペースが無くなってしまいます。
スペースが無くなると、将来その場所に出で来るべき歯がずれて出てきたり、出て来れない場合もありえます。ですからむし歯治療で歯を元の形に戻すこと、歯が無くなった場合に、後の永久歯が出てくるまでそのスペースを確保しておくことが重要になります。
もともと永久歯が大きいとか、歯並びが小さいという個人差もありますので、処置を行って歯並びが良くなることを保障するものではありませんが、歯を失うことのデメリットを最小限にくい留めるものです。
専門用語では「保隙装置」と呼んでいて、どのような時期にどのような欠損があるかで装置の種類は異なります。前歯の場合は入歯状の装置が一般的で、永久歯が出始めたら外す時期になります。

この装置はリンガルアーチといって奥歯部分が生え変わる時期に使用します。
装置の技工は技工所での作製は一般的ではありませんので、私自身が合間に作製しています。石膏模型から外して研磨すれば出来上がりです。
この患者さんの場合、下の5番目の歯(第2小臼歯)がもうしばらくは出て来そうにありません。乳歯時代は多数の重症むし歯でしたが、永久歯は全くむし歯なしで現在に至っています。




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