この患者さんは、かかりつけの歯科で、右上(向かって左側)の前歯(中切歯)が前向きに水平方向に埋まっていて自然には出て来れない状況であることを指摘されました。そこでは処置ができないということで、当院に来院されることになりました。
外科的に歯ぐき部分を開けて(開窓といいます)、埋まっている歯にボタン状の引っ掛けを接着します。上の歯並びの裏側に矯正装置を付けて、ゴムの力を利用してゆっくりと歯が降りて来るように力をかけます。歯がどれくらい埋まっているかにもよりますが、半年から1年で歯が出てきます。
この患者さんの場合は順調に半年少しで出てきました。埋まっている状況によっては、歯の頭部分に対して根が屈曲していたり、隣の歯が傾斜して出てくるために埋まった歯を出すためのスペースが不足して、引っ張る処置に期間がかかることがあります。
この患者さんではそのような悪条件がなかったので早めに出てきたのでしょう。引っ張った歯も含め、上の前歯は4本ともまだ出て来る途上の歯です。まだ出て来たばかりですので、そのままで並びや歯ぐきの状態の改善が期待できる時期です。暫くは装置を外して自然に生えるのを待つことにしました。
自然に程ほどの歯並びになって満足すればそれも良し。もう少しどうかしたほうが良いと思われれば、その段階で仕上げの矯正処置をすることになるかも知れません。
成長発育期の矯正治療の場合、自然力をうまく利用しつつ、必要な部分を助けてあげるというのが無理がないように思います。
このような問題は患者さんや保護者の方にとっては当然困りごとにはなるわけですが、小児歯科&矯正歯科をやっている当院のようなところでやらなきゃね! とある種の自負というか義務感というものもあります。
ちょっとコマーシャルになっちゃいましたかね~?
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam/
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