熟年の手習い

熟年老い易くチェロなり難し

篠田桃紅展

2016年10月17日 | アート
テレビのドキュメンタリーで凄みのある超老女っぷりが衝撃でした。
作品展ははじめて。

ご高齢芸術家の作品展の記憶は堀文子さんのものが鮮烈です。
その時、時間をかけて描かれたであろう緻密な作風を見て、
ドローイングや抽象などの体に楽そうな制作に移行されないことに感服でした。

桃紅さんの作品はまさに、その楽そうと勝手に思っていた作風。
但しお若い時から一貫されています。

それにしても100歳であんな揺るぎのない線を引けますか?
一本一本が超絶技巧に見えました。
作品を見ただけで近作か旧作かまったくわからない不変な筆致です。

勝手な思い込みをお許しください。
凡人は中高年から次第に字に線に、勢いなくなることを実感中。
(ボウイングもヨロヨロしてくる気がしています。)

線をひくだけなら単に職人芸ですが、あんな早い時代に独自の抽象芸術に高めらたことは凄すぎます。
建築家との仕事も多く、関係者も歴史に残る面々ばかり。
ほんとうに長く生きられてこられたのだと実感します。
ずっと和服で通されていることといい「ひとり」ということといい延々首尾一貫の極みです。

彼女の芸術は先にアメリカで評価されました。
1950年代ボストンでの初個展に、なんとヴァルター・グロピウスが訪れ、彼女を自宅にまで招いたというエピソードが、とある本の抜粋記事として展示されていました。
グロピウス夫人のことも何やら書いてありますが、会場では落ち着いて読めません。

ちなみに若きグロピウスは、マーラー夫人アルマと熱愛関係に陥り、悩んだマーラーはフロイトに診てもらうという話は有名です。

前述のグロピウス夫人はアルマではありません。

帰って本のタイトル「風土から文学への空間」を図書館で調べたら「ありません」と。
買うしかない?と調べたら激安の古書がヒット。
桃紅さんの甥に当たる建築家が書かれた本でした。

いろんな知らない世界が興味深いです。

展覧会に行ってよかった!

最新の画像もっと見る

コメントを投稿