3階のバルコニー席は、結構な見晴らし。
お隣の年配のおばちゃん達、席につくなり、
「え~、満席ちゃうやん!!!なんでや~~!?世界いっちやで~~~~~!」
特等席クラスがチラホラ空席だったりするので、確かに意外でした。
招待券が無駄になっているのでしょうか?
「こんな立派なプログラムやのに、タダやて!」
確かに紙も印刷も豪華版です。
スポンサー企業のお陰ですね。
「わ~~!見て!この福福しい手!」
私もどれどれと表紙の写真を見て、心の中で「ほんまや~~!」
小さなヴァイオリンを、こんなぶっとい指先で弾くのは至難の業ではなかろうかとステージの見どころが増えました。
Click!
いよいよ開演ギリギリ間際で、やはり年配のおばちゃんが私の前の席に息せき切って到着。
座るなり「わ~っ!ええ席やん!!」とちょっと騒いでしまい、周りに謝る仕草をなさってた。
私もホールに入ってから一番遠い辺鄙なドアまでの間、席に対する期待がどんどん薄れました。
でも着いてみれば、奏者との高低差は大きいけど距離感は思ったより少なくラッキーという気分。
しかし前の席が埋まると、前に乗り出さないと演奏は見えないのでありました。
が、しかし、おばちゃんが寝静まって頭が下がるとよく見えます。
隣のおばちゃんも寝てしまったのか、膝の上のパンフを全部バシャ~ンと演奏中に落としてしまいました。
大阪のおばちゃん観察記になってしまってすみません。
全体的にはヴァイオリン持参の子どもさんから高齢者までのお客さんが目立ちました。
で、演奏ですが、美しい旋律を歌い上げる場面になると、一気に心が震えるというか、すごい反応に自分でも驚き。
心に入りこんで歌えるって素晴らしい。
あと目が点になりそうな手指の動き、そのしなやかさ軽やかさ。
軟体動物か、はたまた海藻かのような。
類まれな名人芸を見せて頂きました。
「悪魔のトリル」では弓の毛が切れていました。
大きな乗り物のような電動イスに座って演奏されるのですが、
驚天したのは、それが少し左右に動くのです。
あの軽やかさの源は、マグマのようにエネルギーが燃えたぎって電動イスまで動かしていたとは。
超絶技巧の曲では、ものすごく体使ってらっしゃるんですねぇ。
他の曲では、イスは動きません。
動いたら弾きにくいでしょう。
巨匠の感想は書きにくいですね。
スタンディングオベーションもあって盛り上がっていましたが、
私には猫に小判だったかもしれません。
まだ夏が続いていて体調もイマイチだったのも残念。
ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ1番
グリーグ ヴァイオリンソナタ 3番
タルティーニ ヴァイオリンソナタ ト短調 悪魔のトリル
(クライスラー編曲)
休憩
~名曲集~
チャイコフスキー 無言歌
フィオッコ アレグロ(スズキの曲とコメントあり)
フォーレ 子守唄
クライスラー 愛の喜び
ファリャ スペイン舞曲第一番
ヴィエニャフスキ エチュード・カプリースより イ短調
Vn イツァーク・パールマン
Pf ロテン・デ・シルヴァ
シンフォニーホール