熟年の手習い

熟年老い易くチェロなり難し

横揺れ

2010年10月31日 | チェロ
友人が神戸のとあるコンサートで遭遇した話。

ソプラノ歌手が朗々と歌っている最中、バッタ~~ンと大音響。
前方の席で、派手に船を漕いでいた年配の男性が、椅子から倒れ落ちたそうな。
はて?椅子ごと倒れたと言ったかも。
多目的ホールで椅子はビルトインではありません。

ステージ近くのアクシデントに目もくれず、顔色も変えず歌い続けた彼女にいたく驚嘆・感服する友人。

一方、全然別のことをイメージしたワタシ。
横揺れで思い出すのは、某チェリスト氏。
演奏中ものすごく傾いて、そのまま転倒なさらないか心配です。

今まで気がつきませんでした

2010年10月26日 | チェロ

80円台!豪ドルか米ドルかわからん!

ではなくて。

チェロの調弦で開放弦を弾き、その後指板と駒の間を上中下3箇所に分けてボウイング。
最近、上中下で、同じ音を弾く準備運動をしているのですが。。。
な、なんと開放弦でチューナーを見ながら弾いていると、駒寄りになると音が高くなる!
かと言って、指板上を弾いても低くはならかった。
駒寄りで音が高くなってもいいの?
チューナーがおかしいん?
音質が硬くなって変化するせい?
気がつかなかったなぁ。。。

36回目のレッスン

2010年10月24日 | チェロレッスン
鳴かず飛ばずの状態。
曲をネタにあれこれ悪い癖を洗い出すレッスンは当分続きます。
よくもまあ次から次と、多彩、多様な失敗が出てくるものです。

今回のぶっつけは、あまり張り切らず、余裕を持って弾いてみた。
悲しみの曲ゆえ哀愁を出さねばならん、と思って。
本人は脱力のつもり。

そしたら「今日は元気ないですね。音が小さいですね。」ですと。

ああ弾けばこう言う。

前からの注意をリピート。
プラス左手問題を厳しく追及。
左手の正しい形をキープするには、持久力いりますね。

出来るまでヤルというスタンスなので、しょーもない所で時間ばかりかかってしまった。

注意された事を1つずつクリアし、最後2,3項目同時に気をつけながら弾くと、パニックに。
まったく別のところでとんでもない間違い。

話はそれるけど、こないだのクロ現で、アクセルとブレーキを踏み間違える事故が多いという特集があり、
原因を探っていました。

人間、とっさの場合、すべき動作ではなく慣れた動作をするという習性があって、
ブレーキと思っても、焦ってアクセルを踏むらしい。

まさにレッスンのワタシだ、人間だもの。
パニックになったらアカン!







珍しい説

2010年10月19日 | チェロ
内田氏のブログから抜粋

・・・・・・
素人がお稽古することの目的は、驚かれるかもしれないが、その技芸そのものに上達することではない。
私たち「素人」がお稽古ごとにおいて目指している「できるだけ多彩で多様な失敗を経験することを通じて、おのれの未熟と不能さの構造について学ぶ」ことである。
それは玄人と目指すところが違う。
・・・・・・

ココの素人というのは、ある種社会的な成功者を指すのであろうか。
未熟と不能さは、凡人には背後霊のように付きまとっているので、
あえてお稽古でダメ押ししてもらう必要はないような。
その構造は、どないやねんと言われたらようわかりませんが。


練習

2010年10月18日 | チェロ
痛いレッスンの録音を何度も何度も聴きました。
懲りないヤツじゃ。

きびしい事ばかり言われているのですが、
最近、湿度が低いせいもあって、音自体は意外にキレイに響いているのにはご機嫌。

ガダ兄の調子はいいのです。
いつもキレイに磨いています。
考えたら手垢と汗と油がドンドン染み込んでいくわけです。
せめて、埃くらい取り去ってあげないと。
洗浄も出来ないわけだし。

いつだったか、涼しくなって大々的に調弦した時に、
駒の角度が鈍角になっていたので駒の角度を変え、チェロの密着度を高めました。
そしたら、良く鳴るようになってちょっとビックリ。
そんなに顕著に感じたのは初めてだったので、気のせいかとも思いました。
某ブログ様のコメントで、駒の角度は音に大変影響するということを知り、やっぱり!と納得。

楽器が快調でも、小指はダメダメ。
A線、Gisをアップダウンで弾き続けるよう命じられております。
チューナーも付けて時々チェックする。
フラフラするのです。小指もチューナーも。右手も?
同じ音を正確に出し続けるのは難しい。
杭を打つように、1点で押さえ続けるのは、難しい。


捨聖(すてひじり)

2010年10月17日 | 番外
私が作ったパンツスーツを着て尊敬する方に会いに行ったら、お尻が破れそうになった。新しいパンツが欲しいという友人からの可笑し嬉しいメール。

藤沢のお寺で梅原猛氏の講演を聴きに行き、正座をしていたらしいのです。
梅原氏のお名前とお顔くらい知っていますが、とんと疎いです。
京都在住では?
何と85歳!お元気!
大勢のファンがつめかけたそう。

どんなお話?とたずねたら、
「をのづから相あふ時も別れてもひとりはいつもひとりなりけり・・・一遍上人」
とだけ。

といわれても何のイメージもわかぬ。
古文と日本史は先生が苦手で捨ててました。
昔だったら、フーン、とそのままですが、今は便利なモンがある。
一応、ぐぐりました。

鎌倉仏教の坊さんで、神戸で亡くなっているではありませんか。
諸々の事、捨てるのがモットーで捨聖(すてひじり)と呼ばれたそうな。
断捨離のルーツか?



チェロアンサンブル

2010年10月13日 | コンサート
日が経ってしまいましたが、神戸・元町ミュージックウィークっていうイベントがありました。
1週間、プロアマ問わず、路上や小ホールでライブやコンサート。

もう6回目の出演だそうですが、チェロアンサンブル♯&♭公演だけ雨にも負けず参りました。

今まで聴きに行ってなかったのが悔やまれます。
リーダーが編曲もなさるので、目新しい企画、意欲作が目白押し。
今回は、未完成の曲ばかり集めて、12人のチェロアンサンブルに仕立ててありました。

バッハの絶筆の曲、はじめて聴きました。
フレーズの曼荼羅という感じで荘厳。
フーガは詰将棋みたいなもんですと言われた方がいましたっけ。

昔のレトロな銀行がホールになっていて、残響が長いので、驚くほどソロの音が響きます。
皆さん、ソロがまわってきても見事な演奏で感服です。

グループの紹介には、学生オーケストラを経験しているチェロ弾きで結成、と書かれていましたが、さすがに思春期から弾いている方は違いますね。

無料コンサートでしたが、このイベントの有料コンサートのプロ演奏家は油断大敵かもしれません。

*雨で内部しか写真を写せなくて残念。右のは拝借したもの。

    

震災でも生き残った歴史的建物。
昔の元町、栄町界隈はこんな建物が多かったので、子供の頃を懐かしく思いました。






35回目のレッスン

2010年10月12日 | チェロレッスン
完全な足ふみ状態。
もぐらたたき。

今回の想定外の不具合は、まずトリル。
今まで問題なかったのに、指が素早く回らない。
遅いトリルはトリルではない。

相変わらずリズムが怪しい箇所。
ぽこりっと(お腹ではない)決めるぞ~!とがんばったつもりが、
何故かリズムを間違ったように聴こえるとな。

一番しぼられたのは、ポジション移動。
A線レからソ♯。
まず音程。
自分の練習でインプットされたGisの音程が低いと言われビックリ。

ためらいを払拭する移動を心がけていたところ、突進自爆系に。
当たれば突出した音を出し、はずすと大惨事。
どちらにしても良いはずがない。
(この音を出すセンスを疑う)

同時に問題なのが右手。
難しい音にはエイッと弓を使ってしまう癖。
難所には両手が突撃態勢なのだ。
ppだというのに。

癖という話が出たので、他にも悪い癖を指摘していただいた。
ほとんど右手問題。
バタンと移弦するとか、いろいろ。
ビギナー弾きがなかなか抜けないと、先生も話すうちに厳しい調子に。
「何度も何度も注意してきましたが・・・」と。

いつもは「すぐ出来るものではありませんよ。音大生でもマズイ人いますよ。」のフォローが入るのですが、今回は逆。
「習いはじめて、すぐ身につけるべきことなんですけど・・・」なんて。

そして結論は「あ、前の先生のせいじゃないですよ、フルさんの耳のせいです。
音程やリズムしか真剣に聞いていなかったのでは?」

私「悪い癖だらけで、大変!!!この曲、チェロの苦しみ、ですよ~、先生!」

痛いレッスンになりましたが、闘志満々、シャキッと練習できます。



ガン検診

2010年10月08日 | 健康
8月上旬の話です。
保険所で受けたガン検診の返事が届きました。
食事前でしたが開封。
えらいものですね、空腹だったのに一気に食欲減退。

文面は、異常なし又は要精密検査の2択で、後者にチェックが入っているだけ。
詳細が何もわかりません。

親子でガン患者か!?
チェロもしばらく弾けなくなる!?とお先真っ暗。

医療機関あて親展の封書が同封されてましたが、それを開封して診断書を見てしまいました。
判定3みたいなことが書いてあったので、ネットで調べたら、統計的にそのうちの一割がガン。
確率が低いので、ずいぶん気が楽になりました。

猛暑だったし、万が一のことも考えて、姪っ子の結婚式の後に精密検査をしたのですが、
まあ、時間と費用のかかること。

念のための検査が2種類あって、異常なしと断定されました。
大丈夫だと信じていましたが、最後の検査で、看護婦さんが「所見もここに入れておきますからね」と写真の封筒をバチバチっとホチキスで留めたので急に胸騒ぎが。
すぐそこまで持って行くだけなのに、厳重すぎはしないか、何か悪いことが書かれているかも?
取り越し苦労して損しました。

先生は寡黙なタイプ。特に説明もなし。
また1年後に検査するように言われたので、それは普通の人の倍も被爆することになるんですね、と尋ねましたら、それくらい大丈夫ですと。
また今回みたいにその再検査とかもあったら。。。
個人的にリスクの高いガンなので仕方ないか。。。

同世代、ガン検診にひっかかる友人知人増えました。
たたけばホコリが出る50代。

病院に慣れ親しむ練習みたいなものですね。
ちょっと免疫つきました。

あ~、これでちゃんと秋冬の予定がたてられるぞ!


純粋に絵を描く人 純粋に集める人

2010年10月06日 | アート
若い頃、神戸のヒト気のない名画座(博物館の地下にあった)で見た「ピロスマニ」という画家の伝記映画が妙に記憶に残っています。
グルジアの画家で、「百万本のバラ」という歌の画家のモデルだと、ずっと後で知りました。

藤原帰一さんが映画「セラフィーヌの庭」が「ピロスマニ」以来の傑作のように評されていたので、これは必見と思って行きました。

フランスでは大ヒットだそうですが、関西では梅田の一館のみ。
地味な映画です。
正直、期待を膨らませ過ぎました。

もっとも「ピロスマニ」のように、地味でしたが、ずっと記憶の底で生きているものもあるので、今後どうなりますことやら。
主人公の女優さんは、実にはまり役でリアリティあり。
ところが私の見る目がないのか、肝心の絵に魅力を感じなかったのが残念。
絵というより図案に見えてしまう。
アンリ・ルソーを発掘した有名は画商に見出されるのですが、画家として売り出そうとするのは辛いものがあると思いながら見るのは、いけませんね。

いわゆるアール・ブリュットのジャンルの人でしょう。
最近知ったのですが、美術にはこんな世界があるのかと驚嘆と感嘆です。
ブリュットって生という意味だそうですが、作家達はまさに生モノのように純粋でデリケートなはず。
セラフィーヌの画商も、その辺がわかっていればよかったのに。
俗にまみれることは命取りです。

映画が終わり、外の景色にゲンナリ。
森や川、自然あふれる風景を見た後、増殖するコンクリートジャングルの梅田はきつかった。
人間がだめになりそう。

それから、ユニークなドキュメンタリー映画の予告編を見ました。
「ハーブ&ドロシー」
狭いアパート住まいでつつましく暮らしながら、コツコツお小遣いで現代アート作品を買い集めて、すごいことになった老夫婦の話です。
すごいことになったというのは、作品の値が上がって大富豪になったという意味ではありません。
価値が膨れ上がっても手放さず手元に置いて楽しみ、最後は美術館にコレクションを寄付したのです。
(本編見てないからわかりませんが、これからするのかな?)
俗にまみれず純粋に作品達への愛を貫いたのですね。

日本では配給に乗らないこの手の映画を上映するまでに、また別のドラマがありました。
さなメモより