熟年の手習い

熟年老い易くチェロなり難し

レクチャー三昧 その1 ベートーヴェン

2008年04月29日 | コンサート
26日、大阪駅まで暴睡。乗り換えて環状線で大阪城公園下車。
でも「星空コンサート」に行かなかったす。

いずみホールで半年間にわたり、ベートーヴェン弦楽四重奏全曲演奏会(全8回)のシブイ企画。
そのプレイベントで、その魅力や聴きどころについての講演会へ参ったのであります。
四重奏なんて知らんのに、無料につられてしもーた。
講義中は眠る覚悟。不謹慎。

チェリスト上村昇氏も出られるので、あの深い音色が一番の目的。
と、と、ところが彼の演奏はナシ。
レクチャーの合間の演奏は、東京芸大の若いOG達の「くゎるてっと」でした。
みなさん、くゎる・・・と発音なさる。
上村氏が、「前に観客、横には専門家3名がいて、緊張したでしょうに、すばらしかったです。」と最後に大拍手。
思えば最初に上村氏を知ったのも、アンサンブルコンサート+アフタートークでのお話タイムでした。
その時はとっても無口でいらっしゃいました。
だから、お話より演奏かなって。
それにしても、あのアフタートーク、今聞いたらもっと理解できたのに。。。

話をもどします。
意外なことに、2時間全編起きていました。
ト長調メヌエットしかお付き合いがなく、特に関心のないべト氏ですけど、聞けば面白いお方です。
同郷のチェリスト嬢もチェロソナタで‘ベートーヴェンの面白さ発見’と書いてはりましたっけ。
MANZAI de ベートーヴェン

やっぱり、後世に残る芸術家って、とても革新的で前衛的なんですね。
今は古典と言われているけど、当時にしたら次々トレンドを変えていった人。
ハイドンやモーツァルトを長い時間をかけて徹底研究した後、彼の独創性を見事に開花させたのですね。
その萌芽が初期からしっかり見受けられるのですって。
「女装の源七」。。。。すごい聞き方してる。
東京芸大、楽理の先生、用語が専門的で…
ゲンシチの意味がわからなかった。
1番の序奏が、減七和音の多用されているところが象徴的。
不協和音なので、現代音楽っぽく聞こえた。
確かモーツァルトもこんなんありましたね。
じゃあ、彼の独創性とは言いがたい?
どっちやねん。

後期になるにつれ、難解になるそうですが初めて聴いた印象は、モダン。
ロシア貴族の要請で書いたそうですが、ゴージャスなサロンのイメージなんかなくて、なんだか訳わかんない感じ。
アートで言えばマニエリズムとかそんな雰囲気もした。

お姉さん達の演奏で、タリラリラ!とチェロが1人で激しくツッコミを入れるところがありました。
こちとら、単純に、チェロが目立ったらそれだけで記憶に残るんです。

なんと、上村氏のお話は、やはりここがキモでした!
14番Op131の第6変奏2??小節からが、何度弾いても一番感動して涙ぐまれると!
ロマン・ロランもその部分に宗教的陶酔を感じると書いているとか。
それを思いながら再度演奏してもらうと、エラクありがたいものに聞こえてきました。
本番のコンサートで14番聴かずしてどうすると、チラシを見たら、ハーゲン!
チェリストは遠藤真理さんの先生?!
ひみゆさんのコメントで知ったばかりだわ~。

チラシの中に、他にもベートーヴェンのレクチャーがありました。
5月10日大阪音大で、「チェロソナタ3番」辻本玲氏の演奏付き。
チェロソナタの最高傑作なんですか。存じませんでした。

わからなかったこと。
教授達からの質問で、上村氏にベートーヴェンのどんな部分がお好きですかの問いに「かんじょうがくしょう」とのお答えでした。
検索しても???でした。

帰りにちゃんとアルティのチケット買いました。
レクチャーの宣伝効果バッチリ。
通しチケットまでは…まだ修行が足りません。

68回目のレッスン(通算85回目)

2008年04月26日 | チェロレッスン
●音階
わからないところがあったので、
自主練したC-dur4オクターブ、開放弦を使わない音階をみていただく。
先生には馴染みのない指使いでコメントが…?

出された課題に切替↓

●重音
重音のポジション移動が、瞬間の点移動になっている。
準備してスムーズな線移動を。


仕事上で面倒なことが続き、運悪くメヌエット気分ではないのですが…
↓この曲って、気持ち良く弾くのが特に大切。

●ト長調メヌエット ベートーベン鈴木3の5
案の定、かなり不調。
振り出しに戻ったような、基本的なダメ出し。

スラーで2度押ししない。
付点が短い。
8小節目の音程と移動の滑らかさ。
スラースタッカート、弓の配分。加速、テンポの乱れ。
焦りすぎ、必死すぎ、などなど。

こってり絞られ、できるまで繰り返し。
もちろん、出来ないところもありますけど。

全部、忘れてますね!と先生。
それはないですよ。
弾けるようになったところもあるじゃないですか。

確かに、この曲、3ヶ月のブランクです。
練習は細々ながら継続していましたが、変なクセがついたりしたのでしょうか?
1月の時点では、だいぶ出来てきたので次回仕上げ、のはずでした。
なので、単調にならないよう歌うことにこだわって練習したつもり。

先生は各生徒の進行状況は記憶にないと睨みました。
先生がワタシの上達ぶりに気が付かなくても、ワタシは録音でビビたる上達も聞き逃していません。
いつも録音を聞いて悲観しているばかりではないのです。
それが、大きな勘違い?

1. 先生には過去の記憶がなく、いつも一定の基準で判断されているのなら、本当に前より悪くなり、仕上げどころではなくなっている?

2. 記憶がおありで「全部忘れてる!」と言われているなら、やはり、前より悪くなっている?

ひゃ~、どっちにころんでも、悪くなっている?

頭グルグル。
「自信喪失」「劣等感」とかの文字が脳裏をウロウロ。
ストレスがかかったせいか、体の動きも固くなる。

そこで、長丁場の経過を報告。
16分音符も去年の9月から練習して、や~っと出来るようになったことも。
毎日練習しても、これくらいかかる生徒もいるのです。
それがどうした?なのですけど、一応。

基本的な右手だけの反復練習も、ありがたく受け入れる健気なワタシ?!
実際、事細かに基本を指導して下さるのは、大歓迎。
でも、そんなに悪くなったのかと、何だか釈然としない。

「先生の中で、一定の評価基準があって(絶対評価)、それが高すぎるとワタシなんか、この曲もエンドレスですね。」

「???」

「ボッケリーニのメヌエットの時は、お情けの終了の後も、まだ物足りなくて再レッスンをお願いしました。
今回は、もう今のレベルでは精一杯。」

「指摘すればレッスン中に良くなったので、技術の問題だけではない。
出来ている時は、完成度高いですよ。
自分の演奏に対して、客観的にどれだけチェック機能が働くかが大切。
練習していることは認めます。
言われたことにもっと気をつけて弾いてほしい。」

「悪いとわかっていても、弾けないところもあります!」
とまあ、しばし押し問答。

『いつまでたっても直ってないのは練習の仕方が悪いか、忘れているか。』
う~~~~ぅ、真摯に受け止めさせて戴きます。

褒められるとノボセるタイプなので、厳しいのはOK。
でも、言い方、進め方によっては、意外にデリケートなもので演奏が萎縮してしまいます。
なぜ年の功の図太さが発揮できないっ!

最後に通して弾いて、何とか終了に。
「直ったところもあるし、16分音符も最初1回コケただけだから。」

ということは、2回コケたら継続とは、やっぱりキビシイ。
よっし! いつか七転び十起きじゃ~~~!!!

ドキッ!

2008年04月21日 | チェロ
『人間にとって最大の危険は、
高い目標を設定して達成できないことではなく、
低い目標を設定して達成し、満足してしまうことである。』

ミケランジェロ

毎月曜朝一、友人の友人が発信する名言が届く。
わが敬愛するミケ様がこんなことをホンマに仰せなのか?
検索すると、一番に出てきた。
危険な女になるワタシかな。

いや、満足はゼッタイしないから違うか…(自問自答)
んん~、でも、高い目標っていったい何?

今の、腐ってもベートーベン「ト長調のメヌエット」、
優雅な名曲に聴こえるよう弾くことは、高い目標以外何物でもないような。
やっぱり危険な女ではない。

萌え

2008年04月20日 | チェロ
生命の息吹ってんですか、この春はヤケにまぶしく神々しく感じます。
千の風かぁ。。。
窓から一望できる朝日を浴びた六甲山、どこの景色より有難く眺めたり。
双眼鏡を持ち出して(アヤシイ人!)グルグル見たら、たった2日間の観察なのに、変化に目を奪われます。
名残の桜色が一気に減って、黄緑色がムクムク萌えて。
身近にこんな感動的なパノラマが広がっていたとは。
双眼鏡にモエ~。

そして、チェロにも一段とモエ~。いい季節です!
まず鈴木さんがんばる!
ピアノデュオ、チェロデュオ、チェロアンサンブル、広がる喜び、がんばる!
足を引っ張ること必至なのですが、1年前に比べたらずっとマシ(腕より気分的に)。
ヤル気になっています。
他にシワ寄せが来たりで、チェロ熱さまシートがほしいくらい。

それにしても、チェロ(楽器)の趣味って、ペーペーの初心者は、およそ人の役に立ちません。
役に立つどころか、音に迷惑がられ、乗り物では物量に迷惑がられ。

母の抗がん剤をワケあって変えたのですが、奈良とは別人になって臥せっています。
同じ手指を使うにしても、マッサージとかが出来た方が、世のため人のためだと思ってしまいました。
マッサージが趣味の人も珍しいと思うけど。
おいしいものが作れたり、ステキなものが作れる趣味は、もっと肩身が広い?!

何の因果かこの趣味が、自分にとって最高の薬のうちはやめられません。
薬の効果がなくなったら、燃え(というかモエですな)尽きてやめる時なのかな。

何着る?

2008年04月19日 | ファッション
薄着の季節になると、加齢とともに年々着るものに悩みます。
近頃、ネックラインが大きく開いた服が多いけど、
胸元はおろか、首を出すのも紫外線がこわい。

チェロのせいで、腕を冷やすとたちまち肘を痛めるので長袖がいい。
それに揺れる二の腕は隠さなアカン。
暑くなってもノースリーブなんて着なくなりそう。
もしヴィブラートが出来たら激しくブルンブルンです。
只今、倉田先生の揺れ方を研究中。

お腹もパンツ姿で弾く時は気になります。
その点流行りのチュニックorワンピ+パンツは、すべてカバーできて重宝みたい。
でもまだ持っていません。
マタニティかナイティのようなデザインは若い人に一巡して、中高年に波及中。
メタボ人口が増えるのは間違いなしやね。

奈良その3

2008年04月18日 | 紀行
またまた奈良ニュース
☆高松塚壁画 来月31日公開

本当は吉野山へ行きたかったのですが、車では限界があり諦めました。
この時期、奈良といえば吉野でしょう、とばかりに集中します。
渋滞です。
それに、吉野山は、やはり歩かないといけません。

3万本の山桜、いつか見てみたいです。
吉野なのに、ソメイヨシノにあらず。
ソメイヨシノは近代になって観賞用に作られた品種。
いにしえ人が指す桜ではないのです。

神戸に、桜で名を馳せたユニークな御仁が住んでいました。
近くなので、旧居跡の小さな公園に行ったことがあります。
笹部新太郎氏です。
小林さん、白州さん、大佛さん、水上さん、いろんな方が訪ねてこられたようです。
その昔、阪神間には、いろんな変わった偉人達がいて興味をひかれます。

結局、桜の中の長谷寺へ行きました。
あいにくのお天気でも、かなりの人出。
でも京都に比べたら、楽々。

かなりの数の階段を休み休み登り、本堂まで。
絶景かな。
季節ごとの美しい花々と自然とが同化する長谷寺。
悠久の時を越えたこの優美さは必見です。
維持するのも、並大抵ではないでょうね。

とまあ、ゆるゆると奈良を徘徊してきました。
古寺探訪や歴史は、年を重ねるほど楽しめるのですね。
国宝や世界遺産がワンサカあるので、はまるとスゴイことになりそう。
大満足の母は、長谷寺階段の後遺症に耐えています。



すべて長谷寺。鎌倉の長谷寺は支店みたいなものです。

奈良その2

2008年04月17日 | 紀行
ちょっと奈良へ行っただけで、奈良のニュースが目にとまる今日この頃。
勝手なものです。
昨日はこんなビッグニュース!

☆日本最古の寺院とされる飛鳥寺(奈良県明日香村)のモデルが韓国の王興寺ではないかとの見方が強まってきた。

前置おわり。

秋篠寺の技芸天に会ってきました!

日本の数ある仏像の中で、芸術の女神・ミューズはここだけ。
諸技諸芸の神様です。

柔和なお姿に見とれ、お賽銭だけでお守りを買ってくるのを忘れました。←アホ
後でウィキさん見たら、「容姿端麗で器楽の技芸が群を抜いていた」ですと?
こうなったら、チェロの神頼み。
また行かなくては!

雨上がりの苔のお庭が艶やかで、木漏れ日に若草色がキラキラしていました。
小さなお寺ですが、静謐な佇まいが心を落ち着かせてくれます。

高円山そして秋篠寺、ロイヤルファミリーの名前のルーツですね。
なかなか渋くて奥ゆかしい名所ばかりだと納得。

この後、法隆寺へ行き、百済観音に会いました。
以前、国立博物館で単独で展示されていた時の方が吸い寄せられるように見入ってしまいました。
照明の加減でしょうか、頬が黒くで髭面みたいだったのが悲しい。。。

法隆寺もそうですが、桜の少ない所は人もまばらで爽快です。



秋篠寺

奈良その1

2008年04月16日 | 紀行
先週、休みを取って母の病気発覚以来、初めて旅行に連れ出しました。

何かと話題の奈良です。
名前も決まったそうですね。「せんとくん」

母は、終わりのない分子標的薬+抗がん剤治療を続けています。
幸運にも今のところ目覚しい効果が続行中。
その代償は手足のシビレ、痛みの副作用。
辛そうですけど元気です。

奈良ホテル2泊でのんびり。
古くて質素。皇室御用達。
フレンチのメニューまで時代が止まったみたいでした。
コーヒーもなんとかしてほしい味と香りです。

奈良は1時間半で行けるので、それなりに何度も行ったことがあります。
でも宿泊となると、え~~~っと大昔で二十歳にもならない子供?のころ。
大学の恩師が先祖代々奈良人で、学生十数人集められ、かの「日吉館」に放り込まれました。
男女雑魚寝に大騒ぎ。
仏教美術に詳しい先生でしたが、学生達はあくまでもミーハー観光。
お馬鹿で鹿とたわむれるばかりでした。

今回、法隆寺でギャル達に遭遇。
大声で釈迦三尊像とか釈迦シャンソン歌手とか言って大はしゃぎ。
昔のおバカぶりを再現してもらった気分でした。

(授業ではなく)先生のご好意で奈良を案内して下さったのに、仏教美術は何も覚えていません。←ワタシだけかも
覚えているのは、仏像を見るにはペンライトとオペラグラスを持っていくとよい、くらい。

注:先生はお寺の方と懇意だったからペンライト使用可だったのかも。
保護のためにも、どこも暗いわけで…
皆で、いえ1人でも携帯のライトを照らしたら、たぶん注意されるでしょうね。


先生は真剣な眼差しで仏像をいろんな角度で眺めておられましたっけ。
でも、日吉館での強烈な印象など、未だに語り草になっている楽しい旅行でした。
2年前に亡くなられたT先生を懐かしく思い出しました。

いけない!近い思い出は次回に。

写真上は、高円山から臨む奈良市。京都と違って広々とした田園風景です。

下は法隆寺。

67回目のレッスン(通算84回目)

2008年04月13日 | チェロレッスン
30分も前から行って、ペグでの調弦に孤軍奮闘。
教室の室温がかなり高く、どんどん弦が伸びてくる。
開放弦を思いっきり鳴らしてスタンバイ。

レッスン開始。
先日のアンサンブルで、‘楽譜が読めない人’というレッテルがワタクシに?!
クレンゲル賛歌の初見パートでは、音もリズムもハズシっぱなしでした。
「個人レッスンでいつも同じ曲ばかり弾いていると、楽譜を読むチャンスがないですね」
子供用のソルフェージュの本を、さりげなく薦められました。
ガ~ン!!!たぶん小学生低学年に遡れば簡単にクリアできた内容。
ピアノを習っていましたから。
当時(演奏はダメでも)楽譜がよく読めると褒められた経験もあるのがウソみたい。
三つ子の魂百までと言いますが、自分の過去はまったく信用できません。

○Ave Maria (Bach-Gounod-Kunmmer)

cello2パート
途中で力尽きてギブアップしていたパート。
ようやく最後まで弾けるようになったことが大きな喜び。
そのことをグダグダしゃべっていたことを反省。
無駄話よりも、先生の効果的なコメントを引き出さないと。

持久力が出てきたので、ドッツァウアーを自分で練習したらよいとのこと。
さっき、1から3まで少し弾いてみたら、以前より断然楽になっていた。
あえてエチュードをしなくても、バッハで練習すれば一石二鳥とも言えそう。

cello2はクンマーの練習曲とバッハ無伴奏1番プレリュードで構成。

無伴奏プレリュードの時のように、音符によってテンポを変えては伴奏にならない。
(16部音符の)和音の流れを感じさせるように弾く。

グノーのアヴェ・マリアはバッハ平均律クラヴィーア1番プレリュードにメロディをつけたもの。

疑問というか、ちょっと感じたこと。
全然詳しくないのですが、平均律プレリュードはチェロ無伴奏プレリュードみたいに変則的なテンポで弾くイメージがありません。
分散和音が共通なのですが、チェロの場合は、よりメロディアスに聞こえるようにアレンジされるているのでは。
アレンジされ過ぎるのはやっぱりイヤですね。


それにしても、2パートを弾いている時、必死すぎて1パートが聞けない。
息バラバラでしたが、録音ではやはり先生が合わせて下さっていて、思ったほどでもなかった。
最後に1パートも弾いて、先生と合わせてみましたが、2パートばかり練習していたら、途端に1パートのミスが増えた。
今回でこの曲とお別れなのに、残念無念。
現状維持をするためには、どれも常に弾いていなくてはダメということ。

次回、鈴木さんにもどる。