熟年の手習い

熟年老い易くチェロなり難し

ワーグナー、シベリウス、チャイコフスキー

2013年11月25日 | コンサート

「ヨーロッパで旋風を巻き起こした」そうな指揮者が一応目玉のコンサートのようですが、お目当てはヒラリー・ハーン。
ヴァイオリン協奏曲、聞いたことがあると思ったら彼女の演奏で2回目でした。(しっかりせい!)
前のBBC交響楽団の時も3楽章はエキサイティングだった記憶が蘇る。
どうしてシベリウスは続けて英国オケなのでしょう。

やっぱり無伴奏(アンコール)は最高!
泣く子も黙る?彼女の無伴奏!
誰もがハッとなって場内の空気が変わる気がするのは私だけかしらん。
はるか大昔のバッハの曲を、あんなにフレッシュに優雅に饗して響してもらえるなんて。

元々ヴァイオリンの音色が苦手なので、やっぱりチェロがいいなと思うコンサートもありますが、こちらの演奏を聞く度に小さなヴァイオリンという楽器の持つ凄い魅力に嫉妬です。
(前も書いたか?)

今回行けるかどうか危ぶまれた母と鑑賞できたのが、とても嬉しかったです。
超ド素人の母もヒラリーさんにはものすごく驚嘆していました。

そうそう、ドレスはスカートが黒のシフォンのフワフワモコモコでトップスがゴールドのビーズやスパンコール。
バルコニー席だったので右斜め後ろが見えました。
肩甲骨、筋肉があちこち動くのも鑑賞。
足を踏ん張ったり、屈伸したり、上体反ったり前屈したり、リズミカルで躍動感あふれる体の動きも注目でした。

それから、お高いチケットをプレゼントしてくれた妹夫婦に感謝です。

■出演者

指揮 アンドリス・ネルソンス
ヴァイオリン ヒラリー・ハーン
管弦楽 バーミンガム市交響楽団


■プログラム

ワーグナー:歌劇「ローエングリン」より 第1幕への前奏曲
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 (ヴァイオリン:ヒラリー・ハーン)
チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調

●アンコール曲
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番より “ルール”“ジーグ”(ヒラリー・ハーン)
エルガー:朝の歌


この前のケラスさんのアンコールはクルターグ:影でした。
ホールのサイトにちゃんと表示されるんですね。

@芸文大ホール

新レッスン48回目

2013年11月21日 | チェロレッスン
音階ハ長調4オクターブ
曲で使うト短調、ト長調。

前より体を使えるようになっているとのこと。
押しつぶされた音から脱却?

今までは鏡や動画を使って見た目から直してきたけれど、
ここからは何も見ないで耳をすませて内側から良い状態を探って感じてみる。
音と体の関係を精査する。

○曲
手先で弾く癖を相変わらず修正中。

粘って音を繋げる時の肩甲骨の位置。
体でコントロールしたら、音が繋がり歌えるようになることを実感できたのは進歩。
地に足、姿勢、呼吸、視線、そして肩甲骨、トータルに良い循環が出来た時の感覚をつかむ。

右はよくなってきたのに対して、左が足をひっぱっている。
ポジション移動は虹をかけるように。

Vib.の音程が狂わないようにするため押さえすぎるという悲しい現実。
脱力したら音程フラフラ。
Vib.の手、腕の形、再チェック。
小指の時が変らしい。

Vib.は部分練習ではかけられるけど、曲になると手におえません。

右手、良くなったからと油断大敵。
まだまだ左手の分まで歌えるようにならないとね。

無伴奏

2013年11月19日 | コンサート

バッハ1番
ブリテン1番
バッハ6番

アンコール
作曲者メモし忘れ、タイトルはシャドウ
3番サラバント

初めてステージ後ろの席に座りました。

ケラス氏の肩甲骨ばっかり見てました。
ダイナミックな動きをする立派な肩甲骨が、バッハへの愛をドラマチックに歌い上げているのだと勝手に納得。
背中を痛めたために2ヶ月分の公演をキャンセルなさっていたので、来日公演はどうなるのかと心配しておりました。
大切な背中です。

昔は演奏者の腕、手、指先方面にどうしても注意が行っていましたが、
今は屋台骨みたいなところに興味があります。
その意味で非常に有意義でした。

ブリテンの無伴奏は初めてです。
後ろなので奇抜な奏法も見えないのが残念。
現代音楽は疲れる私ですが、ファンタジックで聴き惚れました。

アンコールのシャドウも現代音楽。
テナーサックスのジャズのアドリブみたいでした。
とっても短い。

まさに旬の演奏家ならではのパワー?
前日は東京でバッハ無伴奏全曲。
連日、馴れない異国で移動しながらヘビーな曲を弾きまくっておられるのですね。

疲れなど微塵も見せず、ファンに笑顔でサービスもバッチリ。
端正でチャーミングな、あのお顔でニッコリされたらオバサンはなんぼでもCD買いそう。

客席のオジサン(たぶん)は結構うるさかった。
風邪の季節は無伴奏には厳しいですね。

風邪ではありませんが、私のお隣の紳士は大きな寝息をスースー。
しまいには頭がガクンと後ろに倒れて、バーにあたってゴ~ン。
起きてもらえてよかった。
集中せずにはいられないブリテンの名演奏中になんちゅーこっちゃ、です。

チェロ友さんも来られていて公演の後におしゃべり。
「吐いた人いましたよね?」
「え~~~???」
吐いてないと思うけど曲中確かに嗚咽のような咳が聞こえてビックリでした。

散々経験しているけど、やっぱり馴れませんね。
出来たら邪魔されずに聴きたいと思ってしまいます。


遠来の友5

2013年11月15日 | 日常
突然名古屋から友人来訪。
年賀状のやりとりくらいで、いつから会っていないのかわかりません。
でも10年は経っていないと思う。

お互いバアサンになっているので、顔を直視するのは気が引けますね。
私は数年前に比べたら、かなり(特に顔が)痩せたので、どこか悪いのかと思われることがあるので辛い。

大昔の35年くらい前、大企業に勤務の彼女と、出来たばっかりの零細会社で働く私は、仕事で知り合いました。
大企業での女性差別、セクハラ(当時はこんな言葉もなかった)の怒りをマシンガンのように語っていたのが彼女に対する鮮烈な第一印象。

リベラルな家庭に育ち、親御さんは政界に出たりして女性の社会的地位向上のために貢献されてきたと聞いています。

ああそれなのに今の日本は。。。

彼女はいつのまにか数校の女子大の非常勤講師なのですが、専業主婦が理想の女子学生が増えたとお嘆き。
ところが・・・それもよくわかると。
親にも頼らず育児家事、そして厳しい仕事をしてきた彼女の苦労がそう言わせます。
仕事に関しては、景気の良かった時代を知る我々世代よりもっと今の方が厳しいでしょうし。

でも、専業主婦でいられる年収の男性はごく少ない現実はどうするの?とか、
欧米では経済力がある女性の方が出生率が高くなっているとか、言いたかったけど、
ひたすら聞き役に徹すること6時間!

亡き母上様一族の波乱に満ちた歴史が山崎豊子の小説みたいで圧巻でした。
面白おかしく話されるのもどうかと思うけど、
長命な家系なのですが、100才近くなると医学も通用しないとおっしゃる。
何度もご危篤状態から生還され、医師が数値的には生存できないはずと頭をかかえられたとか。
お身内は万難を排して病院にかけつけては解散。
結局死に目には会えずお気の毒なことです。

さすが大学でしゃべりまくっている人は話術がスゴイ。
人にしゃべるスキを与えないのもスゴかった。

余談

10月から11月にかけて、還暦誕生日あたりに、たまたま遠来の友が多かったのが何とも不思議です。
あと新潟の闘病中の後輩も入退院の経過を突然メールしてくれました。

めったに会えない方々に今度会う時、私だけは何年何ヶ月ぶりかすぐわかります。

天国の親友は、旅立つ3ヶ月前に留守電にお祝いメッセージを残してくれていて、久々に懐かしい声を聞いてみました。

室内楽

2013年11月13日 | コンサート


M子さんのご招待で室内楽。

ショスタコーヴィチ特集。

かの深く語りかけるような音色でチェロソナタを堪能できて大変幸運でした。
ソナタもトリオも、チェロはフラジオが大変多く、難しそう。
チェロの可能性を探っているかのようで、驚きながら拝聴。

アンコールはトリオ1番。
そしてもう1曲、トリオで聞き覚えのある曲を弾いてくださった。

タイトルは聞き漏らしたけど、たしかシューベルトとおっしゃったような。
帰ってシューベルトのトリオをネットですべて試聴。
全部ちがう!
その曲はくるみ割り人形のロシアの踊りに似ている気もした。
チャイコフスキーの間違いだったか?

たまたまシューベルトの曲ばかり集めたyoutubeがあって、聴いたらすぐ同じ曲が出て来た。
ピアノ曲じゃありませんか!
「楽興の時3番」というタイトルでした。
ロシア風というのは当たっていましたけど。

曲名探しにどんだけ時間を割いたかしらん。

それで、何気なく手元のパンフを見たら、室内楽シリーズのタイトルが「楽興の時」。
え~~~!
シューベルトの曲名とわからないほどのクラシック音痴やもん。。。

んん?でも楽興って?使ったことない日本語ですけど。
どゆ意味?音楽に興じるでよろしいの?

ところでM子さんはピアノを習っていますが、2人寄れば相変わらず「拍がない」「調性なんてわからない」「楽理の知識が身につかない」と同病相哀れむ会話がはずむ。
大いに笑えます。救われます。

しかしこの前、仲道さんのピアノコンサートに一緒に行った時、プレイエルピアノを調律している音をM子さんは「あれはソ!」とか言ってました。
私はさっぱりわかりません。
絶対音感で差をつけられました。

あっ、ショスタコーヴィチから例によって話がソレてすみません。

アマチュアチェロアンサンブルコンサート

2013年11月11日 | コンサート
幅広い年代13名が忙しい時間を調整しつつ練習を重ね、結成から初披露までに2年。
ご同慶の至りです。
お元気でそれぞれの役割を全うされた安堵感が伝わってきました。

1曲だけプロ演奏家のソロとアンサンブルがあり、聴く側も気が引き締まりました。

意外だったのはお馴染み「レリジオーソ」なのにで、珍しくグッときてしまいました。
合奏経験に乏しい自分にちょっぴり不甲斐なさを感じたりして。

新レッスン47回目

2013年11月07日 | チェロレッスン
遠来先生のレッスン動画を一緒に鑑賞。
初見の録画なので門外不出が約束ですが、お許し下さいませ。

現先生に見て頂いて、目、耳のつけどころ、観察力が全然違うことにショック。
節穴の目、耳じゃ猫に小判の動画じゃありませんか!

先生も「さすが、プロの演奏家!」とのお言葉。
どちらの先生にも脱帽です。

両先生ともガダ兄さんの秘めた?美声をいかに引き出すか熱心にご指導下さいます。

初動の大切さと振動を邪魔しないボウイング。

いつも言われているのですが、横に弾くなということ。
縦に弾けと言われて、その意図はわかるものの余計な力で押し付けていたり。

昔見たエライ先生のDVD講座でフランス語のボウイングはアップ、ダウンとは言わず、
ティレ、プッセ(引く、押す)と言い、そのイメージの方が良いとのアドバイスがありました。
これが悪い方に効き過ぎたのか、つい横にザーザー引いて?弾いてしまう私。
そうすると弦に重さが乗らず、逃げていく。
どうしても出来ない生徒を前に、ついに先生はアップ、ダウンそれぞれ重さをかける方向を絵に書いて下さった。
弓に矢印を書いてもいいくらいだけど。
意識したら弦をしっかり掴んで手応えがあり、響きもしっかり。
ろしあ人が「弦のレジスタンスを感じて」としつこく言っていたのを思い出す。
無意識でも出来るようになるまでには時間かかりそう。
そのうち忘れてしもた、なんてないように。

それから歌うこと。
音がつながらないのは、第一に歌えていないから。(言われ続けております。)
次に、滑らかな体の動きやバランス感覚の欠如。

呼吸や体の柔軟性を利用した弾き方の例など。

ド素人脱出を目指して課題は増える。

遠来の友4

2013年11月03日 | 日常
ロンドンから友人がお里帰り中。

私ら友人世代3人とアラフォー世代の2人の楽しい食事会。

携帯、IT関連、わからんことになっているのがわかりました。
ガラケーとパソコンしか使わないのは私だけ。
断トツ、オールドスタイルです。

スマホ3名使用、タブレットは何名だったっけ。
アプリの話にはついていけません。
WiFiとかルーター?とか見せっこしてましたが・・・。
転勤族はプロバイダーなんて契約しないのだそうです。

あと、いろんな夫婦の形に時代は変わった!と。
一番若い30代女性のファミリーがスゴイ。
お母様が海外に単身赴任。
ご本人も既婚ですが、30過ぎて大学へ行って資格を取ってから他府県へ就職(単身赴任3年)したり。
やっとめでたく地元勤務にもどり、子どもも欲しいとか。
同時に海外単身赴任もしてみたいとのこと。
お母様の遺伝ですね。
円満な別居夫婦ファミリーに感心しました。

それから詐欺の話。
高齢者ねらいの詐欺の電話って、話に聞くだけだったのですが、親御さんによくかかってくるという方々も。
同世代でもカルチャー教室で知り合った人に騙されそうになった話とか。
儲かる話にはゼッタイのるな!知らない電話はとるな!です。

未体験ゾーンの話題でした。

遠来の友(師)3 チェロレッスン

2013年11月02日 | チェロレッスン
ベルギーから帰国中のプロのチェリスト、しほさん。

たまたま中・高校のずっと後輩でもあります。
女子校にはゼッタイ存在する人気スター的お茶目な生徒だったと勝手に推測。
(間違ってたらすみません)
気取りがなく、ざっくばらんなところは校風でもあり、すごく懐かしく親近感でした。
チェロ友さんも交えて愉快なおしゃべりで、アッという間に時間が過ぎました。

面白い上に、日本人離れした表情の豊かさで聴衆をグイグイ惹きつけます。
チェロも同じでした。

お忙しいスケジュールの中、私のような者にもレッスンをして頂けて本当に光栄です。
いつも無愛想なガダ兄のイメージがぶっとぶドラマチックなお手本演奏をして下さいました。
それも初見で。
未だかつて無いほど別の楽器に聞こえます。
自分の動画を後で見ましたが、静止画像のように固まっておとなしく見えました。

新レッスンの先生もそうですが、上手な励ましで明るい気持ちにさせて下さるのは一番ありがたいです。
そこまでは無理、出来ません、みたいなことをボヤいても、「いいえ、ここまで出来ているから絶対できます!!!」と断言されたらヤル気になりますね。
ベルギーのプロに言われたら千人力です!

虚を突かれたのが右手小指。
大昔、極細短小小指にずいぶん悩みましたが、いつしかもう気にしないことにしてしまい、不便も感じず突っ張っていない思い込んでました。

ところが、小指が突っ張って弓の軌道を邪魔しているとのご指摘。
小指を離してもよいとのお話でした。
弦に重さを乗せる実験で、弓のネジだけ持って弾いたのですが、しっかり音が出て、軌道も正確に動かせるのですね。
余計な手出しをしなくても自然に弓が軌道を進む!?
軌道が狂いやすい弓の持ち方も再考が必要なのでした。

それから、弓元をもっと使うこと。
弓元で弦をハッキリ振動させて、弓の分量を少なくして早く弾く方法がある。
普段弓先まで使う練習(特にシュレーダーは弓先指示が多い)に偏っていた弊害かしらん。

フレーズの取り方。
楽譜の読み方で、フィンガリングも変化。

いつも新レッスンで言われていることも注意されました。
左手が先。肘が先行。音が切れないようにする、など。
弾いていると右肘をツンと押され、スムーズに移弦できていました。

開放弦、右手だけでゆっくり練習のすすめ。

もっと使える右手にしないと、今は左手に負けているようです。
新レッスンの前は逆に左手が負けていましたけどね。

基礎的なこと、音楽的なこと、バランスよく鮮やかにご指導下さいました。

次回来られる時は「楽しく元気になる公開レッスン」「愉快なレクチャー・コンサート」とかいいなぁ。
なんてステキなしほさんにご活躍いただきたいお節介な先輩オバサンなり。