熟年の手習い

熟年老い易くチェロなり難し

無我夢中

2015年06月17日 | コンサート
地元の有名ホールでの本番は無事終わりました。

楽屋に入った途端、これぞチェロ!という豊かな音色群にビビリました。
プログラムは大曲ぞろい(小品は私だけ)、練習もすごい迫力です。

わ~!華やかなドレスも自前?
ほんとにアマチュア???

目にも耳にも異色のワタクシとの、この猛烈な落差をお客様はどう思われるか。。。
なんて頭をかすめたけど、朝からまたA線が裏返ってそっちが気になる。

リハーサルでは途中で指使いがしどろもどろになり、一部崩壊。

本番前は極度の緊張で、深呼吸もできない。
手も冷たい。カチンコチンの体。
心配なさったピアニストさん、懸命に励ましてくださる。

恐怖にひきつる顔を無理やり笑顔にして(できたかどうかわからんが)肝試し。
ステージに出るとスポットライトが、、、まぶしい。

弾きはじめはショボくてオロオロでしたが、次第に落ち着きを取り戻す。
終盤では、ウルッと感動しながら弾けるまでに。
今こうして弾けるありがたさ、感無量のうちに終了。

ちなみにA線の裏返りビャ~ンは、鳴りかけたところで、かわしたつもり。

そうそう、姿勢をよくして退場するのを忘れてました。

リハの大失敗でご心配かけたようで、いろんな方によかったですねと言っていただいた。
逆だったら本当に悲しい。

チェロは未熟で年だけ断トツに重ねた私に対して皆さんお優しいこと。(泣)

ルビンシテインという馴染みのない作曲家の短い曲(原曲、ヘ長調のメロディ)を弾きました。
音符の多い曲は指が回らないし、かといってこの曲のように少ないと音の精度と音楽性が問われます。
チェロは難しくない曲がないと痛感です。

刺激的な今回の体験で、練習や選曲のアイデアがいくつか浮かんできました。

大変お世話になったオシャレなスゴ腕発起人さま、関係者の方々に、ただただ感謝です。


ジタバタ

2015年06月13日 | チェロ
先日、2ヶ月ぶりに主治医的先生のレッスン。

姿勢が悪くなっていて、うなだれ弾きを指摘されました。
本番前なので自由に弾いてみてと言われると、そうなってしまいます。
やっぱり、気合入れて姿勢を正さないと。。。
かつ、体は柔軟に、、、が難しい。

録画してみると、かなり見苦しい。

思い切ってエンドピンを長くすることに。
前よりチェロに覆いかぶさりにくくなりました。
リスキーですが、見た目優先?

指の痛みが和らいだのはいいけど、弾き方が用心深すぎて、幼稚っぽくなってます。

それから開放A線のビャ~ンという裏返りが、本日連発。
調整、弦交換、毛替え、一気にしてから、裏返りが気になっていたけど、
今日はどうして?
黄砂の関係?←まさか

よけい用心深く、こわごわ。

困った、困った!
たまたま友人の弓を預かったままになっていて、それを出してきて弾いてみる。
100%ではなかったけど、ほとんど裏返らない!!!
ちょっと私には重く感じるので好ましい弓ではなかったのですが、
急に良い弓に思えてきた。
ビャ~ン連発の非常時、借りる方が良いのか散々悩む。

結局、やめました。
やっぱり自分の弓で弾けるようにならないとねぇ。

前日になってのジタバタ。
何が起こるかわからないのも楽しみのうちかも。
ドタキャンせずに元気で参加できるのはありがたいこと。
聴いて下さる方にはごめんなさい、です。





90歳越えて

2015年06月07日 | アート

先週テレビをつけてみたらスゴイお婆さんが写っていて思わず途中から録画。
書道家、篠田紅桃さんでした。
その前の辰巳芳子さんと川瀬敏郎さんの対談は録画予約していました。

川瀬さんの「一日一花」が欲しくなって、密林に行ったら売り切れ。
テレビの力ですね。
あとで考えたら、今は「捨て活」中で衝動的にポチするのは慎むこと、のはず。

90歳で手間隙かけたスープを作られる辰巳さん、ただただ頭が下がります。
先に102歳の方の録画を見たので、すごくお若く見えましたけど。
篠田紅桃さんは、ちょっと幽霊みたいで怖かった。

昔、とあるモダンな作品を見て(書とは思っていなかったかも)
画面構成とかに衝撃を受けて、スケッチブックに写し取ったことがありました。

それが今頃彼女の作品とわかって超ビックリ。

昨日、堀文子展へ行きました。

1918年生まれ!

お美しい!お若い時より柔和で美しいと個人的感想。

69歳で単身イタリアに住んでみたり、82歳で青いケシを探しにヒマラヤに登ったり。
ここまで好奇心旺盛で勇敢な女性がいるでしょうか。

篠田さんとも共通する名言がいくつかあって、アラ百芸術家の本音に触れた気分です。

70年以上の画業が一覧できるのですが、同時に日本画自体の揺らぎみたいなのも感じました。
欧米では歴史的に活発な美術の動きがあったので、心穏やかではなかったことでしょう。

意外なジャンルにもご活躍されていたとは存じませんでした。

思わず声を上げたくなるほどステキな絵本の挿絵の数々。

ちょうど私が3歳くらいから発行された絵本シリーズです。
くるみ割り人形は音楽も聴けるセットになっています。
こんな水準の高い絵本が、当時の貧しい日本に存在していたとは!

今見ても全然古臭くないのに驚きです。
(なんと復刻版が出ていましたが、さすがに手が出ません)

我が家では、ダッサーい絵のついた桃太郎くらいしか記憶にありません。

さて、この日ミュージアムコンサートがあり、ソプラノ・チェロ・ピアノのトリオでした。
珍しいトリオですが、はやり楽譜はオリジナルでご苦労されたようです。
しいていえばソプラノが主役ですが、歌の力に圧倒されグイグイ引き込まれます。
すごいですね、やっぱり歌える“人間”の生の声の力というのは。

90歳以上最後のとどめは、寂聴さん。
図書館から予約の本が用意できてますと連絡が。

ものすごく前に予約した「死に支度」
びっしり文字がある!!!

シツレイながらご高齢の方の著書は、文字がスカスカしている場合が多いけど、
若い作家の本となんら変わりません。

まだまだ死に支度は先のお話ではないでしょうか。


追記
名前がすっと出てこない昨今。
美術館で絵を見ていて「あ、あの画家!?フロッタージュとかデカルコマニーの。。。」
「このお花の色合いも、え~~っと誰だっかな?デュフィではないし。。。」
2人の名前が思い出せなくて、や~~~っと思い出したのでメモしとこ。
エルンストとルドンでした。


踊り

2015年06月01日 | コンサート
友人のお伴で、フラメンコの発表会へ行きました。
甘くみてました。
友人は前の方の席でお知り合いの踊りをじっくり見るつもりだったのに、
ちょっと遅れて着いたら400人くらいのホールが満席。
しばし立ち見で我慢。
暗い中、目をこらして空席をかろうじて見つけてヤレヤレ。

あまり期待しないでついて行ったのですが、退屈せずに最後の盛り上がりまで楽しめました。
ピンからキリまで、いろんなレベルの人が踊っているのが、面白い。
ドレスもとっかえひっかえ華やか、同じ衣装を着ても個人差すごいです。
バレエなどと違って、年齢層がゆるいのがいいですね。
フラメンコの雰囲気ムンムンで目を引く、太めのかなりのおばちゃんがいました。
先生クラスより貫禄と凄みがあって目が離せません。

未熟な方々は、何のダンスかわからない、ぼんやりしている、体が固い、姿勢悪い、などいろいろ目について、
自分のチェロと重なってしまいます。

帰ったら、自然に足を踏み鳴らしていました。
あのたたみかけるようなリズム、どんどん高揚していって会場も一体感。
師匠格になると、即興で次々と踊るのが見せ場。
小学生でも師匠格がいて、一身に注目を浴びてました。

歌もギターも踊りも情熱的な発表会、しっかり有料ですが大盛況で何よりです。


さて、チェロの練習を2日休んでみましたが痛みそのまま。