熟年の手習い

熟年老い易くチェロなり難し

寒中見舞い

2011年01月31日 | 日常
昨年末、喪中欠礼のハガキが多かったです。
奥様に先立たれたご高齢の恩師が気になっています。
何十年とご無沙汰ですが、私の人生で密かに「いい人ナンバー1」に輝く方。
若い時にお会いした奥様も素晴らしい方で、仲睦まじいご夫妻でした。
年賀状には、いつもご一家の動向が記されていてドラマチックな家族史が自然にインプットされています。
近年は癌闘病の奥様を懸命に支えておられたことも。

寒中見舞いを差し上げようと思うのですが、あっという間に立春が近くなってきました。
最近、漢字も忘れ、字も汚くなって。。。
美しい手紙を書けたら、こんな時どれだけいいかと思います。
そこで、手作りカードにしようと思い立ったのですが、結構、その辺ゴミだらけになりますね。
こんなことを書いている間があったら、さっさと仕上げて送りましょう。



ハーブ&ドロシー

2011年01月27日 | アート


前に書きましたように、見てもいないうちから京都の現代アートのギャラリーで宣伝してしまいました。
予告編見ただけで感激して本編を見るのを忘れてはいけません。

見てよかった!
なんだかホッと救われる気持ちがして、こういうドキュメンタリーは精神衛生上いいもんですね。

途中、インタビュー場面が続いて少しウトウトして、周りの笑い声で目が覚めたりなんか。。。
熱心なお客さんが結構多いのに、自分の集中力のなさが情けない。

別荘はもちろん車も持たず、狭いアパートに住む名アートコレクター。
天然記念物的な仲良しカップルの潔い人生。

世界一リッチな都会で拝金主義に背を向け、アートと友人達と心豊かに暮らせるなんて!
彼らは、何よりアート、そしてアーティストも熱狂的に好きなだけなのです。

純粋で無邪気で屈託のない二人に見えますが、実は実技も含めて美術に関して非常に高い教養を身につけていたことを知りました。
知性的で聡明な二人だからこそ、だと思いました。
ひとつ間違えば、アート買い物依存症で生活も夫婦も破綻に至ったかもしれません。

それに、なんと謙虚で慎ましい人達なんでしょう。
金欲とか自己顕示欲とは無縁で、人知れず、貪欲にもくもくと集めるだけ。
そして最後は、それをナショナルギャラリーに全部寄贈。
(ナショナルギャラリー側のエピソードも、面白かった。)

映画の最後は、それまでコンピューターを嫌っていたドロシーさんが、Macのノートパソコンを買うシーンで終わります。
スティーブ・ジョブズの有名なスピーチを思い出しました。
まさに、この言葉の通りに生きてきた二人で、すごいシンクロニシティ?!
ていうかそういう狙いでしたでしょうか。

You've got to find what you love.
Stay Hungry. Stay Foolish.



基礎レッスン1

2011年01月23日 | チェロレッスン
最終レッスンが先生のご都合でキャンセルになり、新しい先生のレッスンも日が変更に。
今までの先生は、意外と早くレッスン再開出来るそうです。
「真剣にレッスンに取り組んで頂き、しっかり指導が出来るように頑張らねばと刺激を頂いてました。これからもよろしく・・・」と身に余るメールを頂戴してしまいました。
自分が教える立場だったら、絶対イラつく自信があるので恐縮至極です。

さて新規のレッスンはじまりはじまり。
録音はダメ。日本はこういうことがルーズだそう。
個人の声や演奏、指導も所有権があるということです。
地味なビギナーレッスンより英語を聞き直したかったので残念。
ここにレッスン記録を書くのもホントはご法度なんですかね。

最初なのでいろいろ観察されました。

サポジ教本を最初から弾いてみる。
先生のお顔が曇ったような。
(超簡単な旋律がこんなレベルでどうする?)

スカスカした上滑りな音色と言われてしまった!
(以前はもっとスカスカ。これでもマシになったのですよ。)
全弓の指定ばかりなので、余計そうなりました。
本には全弓と書いてありますが、先生は読めません。
全弓でなくてもOK。一番よい音が出る分量で。

一音一音独立したような弾き方。
(得意のブザー弾き再発か?)
最後まで楽譜を見通して、音楽的内容を理解すべし。
(簡単な楽譜なのでどうしてもナメてかかります)

一番気になるのが右手。

そんな弓の持ち方でちゃんとした音が出るわけがない。
(ガ~~ン!)

指に力が入り、関節をロックしていて音が固い。
指全体が弓先方向に行き過ぎ。
(トゥルトリエでさえも指が前に行って、指のお散歩で戻ってくるのだよ)
ふんわりと自然な手の形。もっと深く持つ。
何もしない、と言われても。。。弓落ちそう。

注意事項を実行しようとするも、なかなか結果が出ない。
何度もトライしているとやっと手応えありで少し音が変わってきた。
弦をしっかり引っ掛けた摩擦の感触と、その時の音を確認し、それを忘れない。

チューニングは442より441の方がいい音がする。
本当は440が好み。
シャープの音程を高いめに取る癖がある。

性格が諸に出たのが恥ずかしい。
おっちょこちょい。せっかち。
(愚図の大忙し)
楽譜が簡単なので、つい早くセカセカ弾いてしまって、おまけにミスをする。
出だしを何度も弾き直すもの私の悪癖ですが、その習慣はゼッタイavoidして下さいと。
落ち着いて準備完了してから弾き始める。
そうしないと、ミスの悪循環というのもあるそう。

目指す音が出るまでゆっくり練習。

左手についてもリラックス。
指板を押さえ込もうとしなくて良い。
拡張の形を無理にキープしたまま、頑張りすぎ。

要するに脱力した自然体でチェロ本来の良い音を知るレッスンでしたが、
実際、先生も教え方に苦慮されます。
自分で気づいて体得するもんなんですね。
それが出来るのを待たず次のステップに行ってしまう日本の教え方に、異議ありの先生。
一般的には、曲を習いながら習得するものだと私も思ってましたが。

宿題として。
教本は次々たくさん見てこなくても良い。
重音もまだ弾かなくて良い。
量より質。
クオリティを最重要視してゆっくり練習して下さい。。

先生ご夫妻、演奏で大変お忙しそうなのに、こんな鈍いオバサン相手に恐れ多く、ビクビクものでした。
でも、基礎チェロ力をアップしないと始まらないという先生の意図が伝わり、ショック療法レッスンは大正解。
ピリ辛レッスン痛気持ちいいい。

先生は英語ですが、奥様が素晴らしい通訳ぶりで、ついそちらの方を向いてしまいます。
英語も少しは話せるようになりたいものです。
英語の上達の秘訣は、やはりその必要性ですね。
チェロと共に英語にも耳を澄ます1時間、アラ還には刺激的。


スティングはチェロ好き!?

2011年01月18日 | チェロ
チェロの地震対策がまったく手薄。
チェロケースは寝かすより立てて置いておきたいのですが。。。

さて、スティングがチェロも弾けるとは知らなかった。
チェリスト三宅さんがスティングツアーのメンバー!
ブログの記事を読んで驚きました。
スティングはバッハ無伴奏6番サラバンドが好きだとか。
渋いやん!

三宅さんが黛敏郎の「文楽」を練習していると、異国のメンバーが反応してきたとは。
皆さん好奇心旺盛で、何でもよく知っているんですねぇ。

そうでした!
チェロの名曲「文楽」何度も聴いているのに、本物の「文楽」で眠りこけるアホな日本人。←ワタシ
そういえば熱心に文楽を鑑賞している外人がいました。

それにしてもスティングって、長い間がんばってますね。
うぃきによると最近はクラシックに傾倒ですって。
ポップスも、元を辿ればクラシック。

20代の頃(30年前!)、仕事で知り合ったドイツ人にクラシックは好きかと聞かれて、
「クラシックはアレルギー。」と答えてシラケたことを覚えています。
その頃、まったく興味なかったような。

なんちゅう惜しいことを。
そのドイツ人達の趣味はクラシック音楽でした。

ポリスとか好きそうと言われ、イエス。

人は変化します。

30年後、文楽にはまっていないとは限らない。


基本

2011年01月14日 | チェロ
忘れないうちに書いておきます。
お正月早々、生まれて初めて、国立文楽劇場で文楽を見ました。
3つの演目のうち2つは、瞬時に意識混濁。
正直辛くて、3つ目どうなることかと思ったら、
小鍛冶という演目はヴィジュアル、サウンド共に動きがあって
賑やかで楽しめました。
人形、生きてまっせ~。

タイムリーに文楽についての新聞2面の大特集があり、面白いことが書いてありました。
人間国宝の文楽大夫さんの関西弁のトークは漫才みたいです。
勝手に要約すると。
「50、60、70才になって苔が生え、花が咲き情が伝えられるようになる。
私はね、まだ芸に迷ってまんねん。(80代後半)」
「もっともっと稽古せなあきまへんねん。うまくなれと指導してまへんねん。
基本に忠実に素直にやれ、と言ってます。
一生懸命それをやっているとお客に伝わる。」

人生賭けたプロのお話で、参考にするのも恐れ多いですが。。。
素人チェロにも通じるお話やおまへんか。

勇敢に難曲にチャレンジするのもよくあるケースでいいと思うけど、
陰ではきっちり難しい稽古もしておいて、人様には身の丈の曲を完成度上げてお届けするのも粋ってもんじゃ焼き。
こちとら、江戸っ子でい。←うそ

ステージ雑感

2011年01月10日 | 音楽
昨日のコンサートは、前に通った教室の発表会のアトラクション。
(地元のすごいホールにて。)

その前に講師陣の演奏があり、そこから拝聴しました。
元師匠は、難曲チャイコフスキーのロココ風を暗譜で奮闘しておられて、
親世代としては息子の成長を見るような心境・・・
出だしの音が素晴らしかったです。

発表会では「背伸び」が大切と説いていらしたが、そんな感じの演奏。
(どんな感じ?)
私も当時ビギナーなのに、レッスンでもずいぶん背伸びしていましたねぇ。
曲の難易度が上がると、単純に喜んでいた頃。
あぁ、なつかしい!
今という未来は予測できていなかったわ。

元師匠の優れたところは、ピアニストにちゃんと会釈して退場されたこと。
他の講師陣は、終わった後の放心なのか、ピアニストの存在がまったく目に入らなかった模様。

最近ピアノにも関心が出てきて、ピアノ奏者の音の差とかも気がつくようになりました。

とても優美な音を出されるピアニストがおられ、元師匠の時も先の久保さんの時も担当されていました。
久保さんのテンションの高い無伴奏ヴァイオリンが続いた後で、アンコール1曲目はピアノ伴奏でタイスの瞑想曲。
終わると、久保さんはピアニストを褒め称えました。
あ~、やっぱり。
相乗効果も美しく、息ぴったりの共演でしたもの。

ちょっとしたステージ上のコミュニケーションって、意外と印象に残るのは私だけかしらん。

バッハとパガニーニ

2011年01月09日 | コンサート
ひょんなことでスゴイ演奏を聴かせていただき、ガツンと活が入りました。
世界的なヴァイオリニストの久保陽子さんです。

実はバッハのシャコンヌにはトラウマがありまして。
(チェロアンサンブル編は平気ですけど)
まだクラシックを聴き慣れない頃。
年配のとある大学教授のストラディバリの演奏が初耳でした。
どこが名器なのさっぱりわからん耳障りな音に閉口。
バッハは、何て曲を作るんだろうとも思いました。
過去の輝かしい経歴も、年を取ると無残だと偏見が残りました。

今回、失礼ながら演奏者を存知上げなくて、ステージに立たれた時にこの記憶が頭をかすめましたが。。。

トンでもない思い過ごし。
長い難曲を、濃厚な表現力と卓越したテクニックで見事に弾ききり、ホールの空気が一変しました。
一気にウルウルのワタシ。

なんとアラ還ではなく、もはやアラセブだったとは!

お話も面白かったです。
ふたつのエベレスト、バッハとパガニーニ。
持久力と瞬発力、交互に練習すると効果が上がったそう。

年の功で表現力は深くなるけど、テクニック的に老化現象の影響を受けるのが大変。
しかし!60歳過ぎても努力すればパガニーニのカプリース全24曲弾けます。
CDが出せてうれしかったです、と。

1番、5番、24番披露して下さいました。
パガニーニの原典通りで、まさに超絶技巧。
神技を維持なさっているのを目の当たりにさせていただき、拝みたい気持ち。

精進の賜物ですね。
酷使に耐えるゴッドハンドだと思いました。

アンコールはお馴染み、タイスの瞑想曲とユーモレスク。
ユーモレスクは、さすがに楽譜が違って、和音が多用されていました。
どちらも、熟成した深い味わいでした。
一味も二味も違います。


帰って、甘やかし放題の自分の手をサポジさんでちょっと鍛えてみました。






41回目のレッスン

2011年01月08日 | チェロレッスン

今回で最後の予定でしたが、あともう一回見ていただけることになりました。
忍耐がいる生徒でしょうに、先生に敬遠されていないみたいでうれしいです。

多くの注意事項を念頭に弾きましたが、まだまだ次の課題はいくらでも出てきます。
前は、楽譜の指示を理解して、忠実に守るというのが、ポイントでした。

今回は、バリアフリーに大変手間取りました。
一音一音「音程ちゃんと合ってますからねっ、」みたいな弾き方。
それにシフトや移弦が、バレバレ。

おまけに、日々サポジさんの本で全弓バリバリやってるのがアダになっているようで。
何が何でも全部使ったら元に返すという練習なので、かなりのスピードになることも。
弓に勢いがあり過ぎるけど、この曲はそうじゃないと先生。

左手も右手も勢いを抜くと、スムーズに流れます。
でも下手すると音が出ない。

A>B>C>D>E>F  A<B<C<D<E<F
こんな風になだらかな起伏が作れない。
自己都合でCとかDとかきつい音色になったり飛び出たり。
弓を抑制するのが難しい。
こらえるのにもパワーがいりますね。

cresc.やdim.やrit.が唐突。
指定範囲の中で徐々に。
単に音の長さだけ延びるのではなく小節の長さが伸びる。

vib.も何とか少しずつかけられるようになってきました。
長い音符の頭だけでなく、次の音まで繋いでかけるのが課題でしたが・・・
練習の結果は意外。
がんばり過ぎてvib.は早くなり、テンションが上がっていくので変ですと。
これなら、vib.が消え入る方がマシとな。
自分で弾いていてわからんか?と心の中で自分につっこむ。

一筋縄ではいきません。

優しくやわらかい音を取りそろえて、流れるように繋いでいくのは難しい。
それから、ちゃんと切るのも難しい。

まずは焦らず落ち着いて、ゆっくり弾く練習が大切。

2011謹賀新年

2011年01月03日 | チェロ
のんびりと静かなお正月。
元旦からガダ兄さんを磨き倒しました。
スクロールの箱?の中、何で言うのでしょうか。
ペグの“糸を巻き巻き”が収まっている箇所、
綿棒でホコリを取ったら、結構汚れてました。
今年はもっといい音引き出せるようにがんばるからね。