熟年の手習い

熟年老い易くチェロなり難し

弦楽四重奏 マスタークラス見学

2009年03月29日 | コンサート
1時から5時半まで、ベートーヴェン弦楽四重奏4番、5番、11番のマスタークラスを聴講して参りました。

去年から、ベートーヴェン弦楽四重奏にお近づきになっていたので(いずみホールとかアルバン・ベルクのお陰)ドシロウトながら、有意義な興味深いひとときでした
何より、まだお若い参加者の演奏がすばらく、感服してばかり。

審査で選ばれた四重奏団8組は、ほとんどが大学生、大学院生。
そのうち5組が京芸大でした。
京芸大といえば、上村教授!(今回の先生ではございません)
ベートーヴェン弦楽四重奏曲は学生さんへの‘特命’でしょうか。

指導されるのは、ジャパン・ストリングス・クヮルテットの先生方。

公開マスタークラスは40人が定員ですが、余裕で入れました。
周りを見ると、楽譜を見ながらの方もチラホラ。

その楽譜も大いに論議を呼ぶテーマでした。
時代と共に、ペーター版、ヘンレ版、ベーレンライター版と変遷の歴史だそうです。
ベートーヴェンの意図を想像する。
彼独特の音楽用語の使い方を知る。
名曲探偵アマデウスの世界です。
先生方の講評も意見が分かれることもありました。

弦楽器共通の課題は、参考になります。
さすがに右手の重さを乗せて大きな音を出そう!なんて話は登場しませんでしたが。

上級者はフォルテよりも、断然、ピアノp、ppが問題なのですね。
p,ppで音楽性豊かに自在に弾くということは至難の業。
表現するにも、まず豊な音が出にくい。
11番セリオーソ2楽章、チェロの下降テーマで始まるのですが、これが難しそう。
楽器固有の特性もあるでしょうし。
先生が弾いてみられて、ヴィブラートを工夫することで響きを増すように!
言われた通り、すぐに改善する優秀な受講生。
技巧的難所よりも、シンプルな音の並びにどれだけ音楽性を込められるかのアドバイスが多いようでした。
そのために、弦、運指、ボウイング、ヴィブラートのかけ方、が深く追求されます。
特にヴィブラートは重要課題のようですね。

個別にヒソヒソ指導されている場面もありました。
もっとベートーヴェンの凄さを熱く語って、奏者の若い情熱を掻き立てるような場面も期待していたのですが。。。ちょっと残念。

(ザ・フェニックス)ホールとリハーサル室で両方見学しましたが、こじんまりした場所なので音もよく響いて迫力ありました。
これらの曲は、クラシックと付き合いの長い年配好みのようですが、受講生は実にお若いのに見上げたものです。
まさにライフワークとして、彼らは一生弾きがいがありそうです。

卒業されてプロの方もいらしゃいましたが、私にとっては皆さんプロに見えました。
ただチェロが有名人の演奏会で聴きなれたオールド楽器でないので若い音。
(チェロだけではないのかも。)
師匠の楽器で弾いたら、彼らもスゴイのでは。

彼らって書きましが、男性はわずかに2名。
音大はきっと女子大みたいなのですね。
それから、お名前を眺めていると、響さん、佳音さん、郁音さん、美歌さん
音楽にピッタリのお名前ですね。
音楽一家のご出身で、小さい時から基礎をみっちり勉強されているのではと想像しました。
修行中の皆さんがまぶしかったです。
大いに刺激を受けて帰ってきました。


尺八 ピアノ チェロ

2009年03月28日 | コンサート
昨日も風が強くて寒かったですね。

初めての古武道さん。

ミュージック・サプリというサブタイトルがついていました。
リラックスして聴けて元気になれる音楽なのですね。
さわやかで口当たりのよいコンサート。あっという間の2時間でした。
めでたく満員御礼。

尺八の演奏を聴いたのは初めてです。
本来の奏法とは全く違って、フルートみたいな音を出されてました。
ブルースハープのように、キーごとに何種類も楽器を持ち替えます。
7本もスタンバイしてありました。

クラシック専門のこの‘いずみホール’はとてもいい音。
(今度は行くのはイッサーリスだ!)
マイクがあるのですが、とても自然。
今時の譜面台、初めて見ました。
液晶画面で、足でクリックするんですね。便利!

古川さんの十八番が出来ましたね。
「おくりびと」
何気に受けたスタジオ録音の仕事がこんなことになって、と話されてました。
ロイヤリティも何もないけど、世界中で聴いてもらえるだけでうれしいと。

妹尾さんと古川さんは関西出身。
古川さんの提案で大阪なんやから、関西弁でMC話そうということに。
大拍手!
でも逆に不慣れなようですぐ標準語になってました。

関西でも京都弁を話す男性は、個人的にとてもユニークな印象です。
「あかんにやわ」など「~にやわ」って言うのが独特。
何の話。

京都と言えば、4月にはこんなイベントもあって、先日のデュオもご出演。
(MY先生は出ません。)
夜桜見ながら、チェロがたっぷり聴けますね。


平安神宮 紅しだれコンサート
(1)ライトアップ(東神苑と南神苑の紅しだれ桜、社殿など)
(2)コンサート(東神苑貴賓館)
▽9日(木)KOBUDO ‐古武道‐(チェロ/ピアノ/尺八)
▽10日(金)溝口 肇(チェロ)
▽11日(土)ジュスカ・グランペール(ギター/バイオリン)
▽12日(日)ロビン・ロイド(尺八・カリンバほか)



ご近所

2009年03月26日 | 日常
仕事場の周辺、いえ最寄駅全域、お店の栄枯盛衰が激しいです。
ここんちもスペースを縮小してしまった喫茶店。
でも、外回りは春爛漫で、その努力がうれしいですね。
携帯画面は明るすぎて見えなかったけど写っていたのでアップです。

感動体験

2009年03月25日 | アート
用があって近くに行くわ、と友人から電話。
知り合いの方がプロデュースしたギャラリーの催しを見に来るのだとか。
ついては、お昼に抜けて来ない?と。

ランチの後、地図を頼りに行くと、マンションというか古びたアパート?の一室。
ここで合ってる?こんなところまで誰が来るの?と半信半疑な我々。

ところが1歩入ると別世界。
20畳くらいのスペースに、様々な名陶があちこちに。
それにお花があしらってあったり、書や絵画とコラボさせたり。
古い中国家具に配されていたり。

食べ物もコーディネートしてあれば完璧ですね、と言いそうになりました。
(備前のお皿が、やけにおいしそうに見えたワタシ)

作品の存在感で生き生きとした空間が生まれます。
とてもモダンにも見えますね。
インテリアのしつらえに即参考になります。
芸術とインテリアを一緒くたにしてはいけないのかもしれませんけど。

でも、コーディネーターの狙いもそこだったのです。
何よりアピールなさりたかったのは、作品は美術館のガラス越しだけで観賞するものではないということだそう。
身近なところで見てもらいたい。
そして、さわってみないと良さがわからないとまでおっしゃる。

で、唐九郎の大皿を両手で持たせていただきました。
焼く前のグニャリとした粘土の重みを感じます。
作家の手の大きさもわかるのです。
思わぬ感触と印象に驚き。

ほか魯山人、寛次郎、濱田庄司、清水卯一、金重陶陽など生出演!でした。

出品していないけれど寛次郎は他にあるので見て行って下さいと、特別に木箱を出して来られました。
大昔、何度か京都の記念館(旧宅)に行ったことがあります。
高潔な芸術家であり職人である彼のストイックな生活ぶりに触れると、何だか元気が出たものです。

まさか、彼の小鉢(6個セット)や玉手鉢(って初耳だけど)を手にとって撫でられるとは。
小鉢は茶系のいろんな色が溶け合い美しく滑らかな感じ。
触ると、ざらっとした部分もあって均一ではないんです。
ふっくらとして人間臭い手触りと言いますか。
よく仕事しているしっかりとした手と握手したような気がしました。

お宝に触るのは、この年になってもビクビクでお恥ずかしい。
お茶の心得もないので、お茶碗を眺めて愛でるなんて不調法。
唯一指輪をしていなかったのは正解。
値打ちのあるものを大切に扱う、使い続ける、こんな習慣が薄れていく危機感を感じます。

寛次郎は‘用の美’を唱えた方ですが、お値段が‘用’には全然向きませんねえ。
ついでに、土物は電子レンジも食洗い機にも不向きです。(あたりまえ)

でも小鉢1つは、展示されていた抹茶茶碗の10分の1のお値段で一番お安い品です。
ここで突如、とあるチェロ弓の値段が頭によぎる。
抹茶茶碗も楽々買える、グランドピアノも買える!
弓は使うものであって、美術品ではない!
美術品より高い弓、おそるべし!

あ~、作品に触れ、作家の心に触れる感動を味わっていたはずなのに…
落ち着きのないワタシの頭が情けない。


先生の個性

2009年03月22日 | チェロ

昨日の先生の演奏で何を思ったかというと、上手に個性を生かして演奏家としてプロの道を歩んでおられるのだということ。
とってもスリムで小柄な方なのでチェロを運搬するだけでも荷が重いはず。
でも、クロスオーバーというジャンルで、そんな力まずとも他の楽器とセッションできる音楽センス、その個性が強み。
というわけで、さっき、アレクサンダーテクニークのことをネットで読んでいたら、こんな文章にピピッ!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
真の演奏技術を発揮するには、自身の心体の機能と能力を自在に活かすことが大切です。『こう演奏しなければ』と既成概念が心身を支配してしまうと、「頭脳-身体-楽器間の良きコミュニケーション」が崩れてしまい、せっかくの個性が発揮できないことに。頭に描く音楽が、体と楽器にダイレクトに伝わってはじめて、真の音楽が生まれ演奏技術が高まります。
あなたの演奏技術は、あなた自信の心身にかくされています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ただねぇ。

「 正確できれいなだけの音を出すロボットになっていませんか? 」
というのがその文のタイトルですが、ロボットにもなれないドシロウトはどうすりゃいいの?なんですよね。
やはり稚拙美の追求しかありませんわ。

ライブのチェロ

2009年03月21日 | コンサート


↑ヴァイオリンとギターの知る人知るデュオ。

心斎橋そごう劇場でチェロの先生がゲスト出演のライブを拝見。
(バックバンドはなしで、3名様のみ)

オリジナル曲の他、黒い瞳、チャールダッシュ、リベルタンゴ、春よ来い、なども彼ら風アレンジで。
ヴァイオリンでハカセさんを思い出し、ギターでゴンチチさんを思い出しました。
先生はカシワギさんのイメージではありませんでした。
ポップスの女性チェリストは珍しいですね。
キュートだけど、音は渋め。
とってもお若いけど、大人の雰囲気ありました。

やはり、リズムが命ですね。
観客の手拍子にもダメ出しがあり、面白かったです。
ボッテボッテした手拍手でなく、切り込むようなリズム、スタッカートな手拍手でないとね。
そういえば初対面のチェロレッスンで言われたのはポップス的リズムのノリでした。
とにかくリズムに乗ってピアノと仲良く最後まで!

ムード、流れ、間を読み取りながら、多くを即興で弾いておられる先生。
クラシックとは違った妙味です。
あんなリズムでも苦労したワタシ、お三方のチームワークがすごい事に感じます。

京都出身のデュオのせいか、まったり和める、誰でもリラックスして楽しめるコンサートでした。
京都弁で話をするような優しいヴァイオリンが聞けます。
かと思うとエキサイティングに熱唱もします。
達者なデュオだと感心しました。

小さいホールなので、マイクはいらないと思ってしまいます。
どんな場所でも、ポップスの歌手はマイクを使うのと同じことなんでしょうね。
ステージに上がって先ず各自すべきことはコードを繋ぐことなんですね。
最近クラシックばかり聴きに行っているのでステージ上の品々が珍しいです。
先生の演奏が聴けたのが何よりでした。
(レッスンでは余り弾かれません)

お隣の女性達がチェロっていい音やねぇと話してました。
そうでしょう!と言いたいっ!
MCでも言われてました。
おくりびとでもチェロがでてくるし、
今日のお客さんの半分はチェロを習いたくなったでしょう?と。



PS:近くの桜並木が本日?開花!
今回のライブのテーマも‘さくら’でした。
吉野山のさくらエイド活動もなさっています。

米寿プレイヤー

2009年03月15日 | 日常
久々の快晴。
高3担任の趣味はテニス。
教え子とテニス大会、という企画が初めて実現。
たまたま近所のテニスコートだったので夕方散歩がてら見学。
ワタシ、テニスできないのが残念無念。
87才の先生が一番上手かった。
クラブハウスでのお茶に参加。
ミニミニクラス会ですね。
ミッシェルバッハのロールケーキが登場しました。
なかなか手に入りにくいケーキだそうです。
へ~~!知らなかった。

先月、米寿を祝う会で手作りCDを差し上げました。
平原綾香のノクターン、カンパニュラの恋。
ピアノ、チェロのノクターンは手持ちCDから。
鳥の歌も入れました。(溝口さんのですがバックのストリングスが平原綾香と同じ)
もう、それは喜んで下さってカザルスの話とかいろいろ尋ねられました。
CDをプレゼントして、こんなにvividな反応をして下さったのは先生が最高ですね。
若さの秘訣かな。

へバーデン結節

2009年03月14日 | 健康
オババへの道へまた1歩、2歩。

両人差し指に痛み。
小指に徴候。
関節がいびつに節くれだって痛む疾患。
高齢者に多いのです。
カッターナイフで厚紙を切ったら人差し指がかなり痛かった。
整形外科へ行こう。

奥歯1本グラグラで抜歯しかないと言われております。
そのためには内科で健康診断書が必要ですって。
未だに、風邪やインフルエンザが流行っていて内科には近づきたくありません。
白血球激減の母がいるので、本当に健康には気を使います。
この前いつひいたかしら、というくらい風邪とはご無沙汰。
若い頃、誰よりも頻繁に長くひいていたのにありがたいことです。

チェロの先生も発熱でレッスンがお休み。
完全に治って下さるまで待ちます。

ペレーニのドヴォコン、録画して見ました。
聴き惚れました。
ちなみに指の節はキレイでした。
テールピースが私のチェロと似たチープな感じ。
こんど(17日)ハイビジョンでもあるのでまた見よう、聴こう。


バロックチェロコンサート

2009年03月09日 | コンサート
今春‘いかなご’は不漁でも花粉は大量。
ホールに着くまでにクシャミ連発でマスクを1枚ダメにした。

発表会以来のお馴染みホール。
クラシック好きの古くて新しい友人が遠路聴きに来ると知り、それじゃとチケットを買おうを思ったら、早々に完売で買えず。
古楽ってマニアックで地味なのに完売とは意外。

ラッキーなことに某チェロ好きアナウンサー様が良い席を譲って下さった。
(鈴太郎さんとWブッキングだったのですね)

バロックチェロの演奏は初めて。
ピリオド楽器っていうのですか。
エンドピン、アジャスターがない。大きさは同じ?
6番で使った5弦のピッコロチェロは文字通り小さくて音もヴィオラ寄り。
ガット弦。流線型のバロック弓。

まずペグだけの調弦が大変そう。

ワタクシも股に挟んで(他に言い方あるのかしらん)演奏するのを帰って真似しました。
見た目よりずっと重労働。コリャ大変。
同じ楽器でも鳴らないね~。

もっと長い足が必要。
ふくらはぎが辛い。楽器が前後に揺れて不安定。
下にずってくる。

演奏を聴いている時も感じたけど、人と楽器との一体感には感激。
大切にだっこして仲良きことは美しきこと。

自然にゆったりした演奏になりそう。
現に、そうでありました。

もの静かで、マットな感じの音色。
ちょっと眠くなったりもしたけど(花粉症の薬のせいもある)心洗われるひとときでした。

PS
演奏前にホールのお姉さんから、携帯電源オフはもちろんバリバリ音のするものは座席の下に等のお願い。
静かに聴かねばならぬ無伴奏!が伝わり、静かでした。
私もくしゃみ連発の発作が出なくてよかった。
それから、藤森氏のモノローグで写真入りでホールを褒めていらして嬉かったです。

アンコール・2番サラバンド

励ます会

2009年03月06日 | 番外
政治家パーティーなるものに初参加。
元ご近所だったIさん、あれよあれよという間に県政から国政にジャンプ!
すごいなぁ。。
育児真っ最中だった彼女。
5番目のお子様もとっくに乳幼児期は過ぎました。
早いものです。

政治家諸氏が気炎を上げてエイエイオーなので、余り深いお話はなし。
小沢氏の件で、街頭演説を妨害されるかと思ったら逆に今まで以上に励ましの声をかけられたとか。

あふれんばかりの人で、知人は見当たりません。
壇上から、Iさんが会釈して下さった。(ように思った)
立食タイムになって、私は退散。

今は彼女の選挙区ではなくなったけど、初心を忘れず生活者の視点で活躍して下さることを信じています。
彼女のあったかさが好きです。

:追記:
Iさんから電話あり。義理堅い方!
途中で無言で抜けて悪かったのかな。
やはり壇上から合図を送って下さってたとは・・・すごい視力。←そこかい
何のバックボーンも力もないワタクシとはホンにピュアでプア?な関係。
大親分はじめ政治家先生達は数千万もらっても元はどこからか知らぬとな。
空々しい。その金銭感覚もいまいましい。
政治献金っていったい何?
よっしゃ、よっしゃで持ちつ持たれつ授受するモノと誰でも思ってる。




帰り道、携帯で撮影。
上は、会場のホテルから。
下は海岸ビルヂング。
亡き父は元町で育ったのですが、子供時代の遊び場がこういうビルと港。
当時から水洗トイレでエレベーターにも乗って遊んだと言ってたな~。
ただしこのビルはエレベーターはなし。