「チェロアンサンブルの愉しみ」は京都府の舞台芸術振興・次世代体験事業でもあった。
事前に応募すれば中高生はレクチャー、リハ見学、公演後のアフタートークに参加できるのだ。
自分が中高生だったら絶対行くのに、と指をくわえて諦めていた。
と、ところがっ!
もったいないことに、中高生が定員に満たなかったようで、アフタートークに20名のみ大人でも参加できるとのお知らせがあった。
次世代ではなくて‘手遅れ世代’でホント申し訳ないんだけど申し込んだ。
30分の予定だったけど、5名の皆様は和気あいあいな感じで1時間もお話下さった。
こんな風に身近にお話を聴けるのは初めてで大感激だった。
(演奏後お疲れだし、早く飲みにいらっしゃりたかったでしょうに)
茂木大輔さんの「楽器別人間学」にあるチェリスト像を彷彿とさせる方々にお見受けしました。
包容力とバランス感覚に優れた博識者。
ユーモラスでシニカル。表裏がなく誠実。頼まれるとイヤとは言えないお人よし。(本より)
それとたいへん謙虚で恐れ入ってしまいました。
会話は標準語だったのですが、意外にもほとんどの方が京都か京都の学校ご出身だった。
師弟、先輩後輩関係の方も。それぞれ大活躍の方ばかり。
近々コンサートがある古川展生さんも京都だし、やっぱり京都は層が厚いです。
Q&Aもまじえたお話は身を乗り出して聞きました。
列挙いたします。(上級者向きのお話は忘れてますよ)
●練習および演奏についてのアドバイス。
・耳が大切
方法論、技術論より耳を鍛える方が大切。by河野氏
弾いている時にどれだけ自分の音、人の音が聴けるか。
自分の録音を聴くのも効果的。
自分の録音を聴くことは自分の声を聴く時のようにガッカリする。by藤森氏
えっ、名人でも?
ただ…
手遅れ世代に関して言えば、してはいけない体に悪い奏法、指使いとかは最初に必修、と思った。(想定外の受講者のつぶやき)
・練習のテーマを決める。
音程、音の流れ、etcアプローチの方法はいろいろあるので、意識して今は何を問題にしているか考えて練習する。
一度に何もかも出来ない。漫然と練習しない。
目的を持てば嫌いな曲も弾きやすくなる。
・呼吸は大切
全員大きく頷かれたけど、呼吸法の学び方には言及されなかった。
歌うように右手を動かすために太極拳が役立った。by藤森氏
メニューインはヨガをしていた。
・体全体で弾く
体が小さいので地に足をしっかりつけて体全体で弾くことをドイツで学んだ。by林氏
@番外
自発的に弾きたい好きな曲の練習は「遊び」になってます。笑
ストレスがないのでドンドン弾ける。そんな状況に練習をもっていきたい。
練習は時間の長さではない。集中力だ!!!以上by上森氏
●編曲について
今回の肝。ラヴェルのクープランの墓、チェロ編曲の裏話。
難しそうと思ったらやっぱり「超、超、超、難しかった。」とか。
●恩師の思い出
正反対の教え方を国内外で経験して今日がある。
黒沼先生、徳永先生のユニークなエピソード。
●楽器について
いい楽器が欲しい。
今の楽器は3年目だけど、楽器のいい音がまだ出し切れてない気がする。
●音
もっといい音が出したい。強くて深い音!
@番外
熊蜂を弾いて、指をいっぱい刺されました。by上村氏
などなど、とっても楽しくて親しみを感じるお話ばかりだった。
(中高年ではなく中高生対象。しつこく)
仲良しの5人だからこそ、すばらしいチームワークでアンサンブルができるのでしょう。
参加者の中高生のみなさんも、すごい先輩めざして頑張ってください!
手遅れ世代だけど、練習がおもしろくなりそう!
今のワタシには願ってもないひとときのプレゼント。
大感謝でございました。