まほろば日記

fujioの日常の出来事、記録等を思いつくままに書いた日記です

富士山滑落事故に思う

2016-11-24 13:20:17 | 日常
平成28年11月22日
11月20日、富士山で滑落事故があり2名の方がお亡くなりになりました。
それが広島の地元の日本山岳会広島支部の方と地元の広島工業大学の学生さんであり驚きました。私も後継者の育成に力を注いでありますがこの方も若者のご指導にご尽力されその訓練の山行中の事故ということで余計に関心が高まりその原因は何かということを考えてみました。
登山の目的は知りませんが富士山は日本最高峰であり、初冬とはいえ雪山の素晴らしさを体験させようとされたのでしょう。
ご本人とは面識もありませんし計画内容もわかりませんので一般的な山岳事故として原因を検討してみたい。
事故には当然原因があります。不可抗力が原因というのは稀なことです。自然には責任はありません。人間の側のミスに原因があります。それも一つのミスが原因といこともありません。幾つかののミスが重なり大きな事故となります。
またそのミスも新人だからとか、ベテランだから難しいことが原因ということもありません。ミスは単純な初歩的なことであり、ありふれたことが原因です。
ベテランはあらゆるトラブルに対する方策は熟知していますが、知っていることと実際に行うことは別問題です。ベテランといえど決められたことをやっていないので事故が起きるのです。
初冬の富士山とはいえ、気温は―6℃、凍結しアイスバーンとなっています、強風も吹くでしょう。独立峰である富士山の強風は場所により吹く方向が異なります。風が回っているので下から吹き上げられることもあります。メンバーの実力に合った計画を立てることも重要です。夏道ルートであれば危険はありませんが沢筋ルートであれば距離も短く楽に登れますが登れば登るほど傾斜もきつくなり、高度感も増して、恐怖心に行動が制約され、平常心で行動できなくなることもあるでしょう
ミスして転倒して滑落することもありますが、その時は直ちにピッケルで制動をかければ停止できます。停止できない何らかの致命的なミスがあったのでしょう。
ザイルを結んでいれば、たとえ滑落しても止めることが出来たのにそのタイミングを失ったのも大きなミスです。
残念なことは、学生さんは一度は停止され、滑落したことを携帯電話で話された後再度滑落されたとのこと。その場にとどまり仲間の救助を待つなど何故されなかったのでしょう。経験不足のなせる業で誠に残念でなりません。

我々人間の力は自然の猛威に比べればか弱いものです。
私は厳しい山に行くときは何時も死を意識しています。
人間、安全な町にあっても事故や病気で亡くなることもあります。
それなら、限りある命をいつくしみ、厳しい山に挑戦し、今この時に全力を尽くし、命を燃やし、それがだめなら死もやむを得ないと思ってます。だからそれを乗り越えた感激があるのです。
今回の事故は残念なことですが、若者を鍛え、自然の素晴らしさを伝えようと全力をつくされた崇高な行動の結果です、その最中にたとえなくなったとしても自分のミスであり、悔いはないものと思っています。
全力を挙げて、大自然に立ち向かう最高に幸せな時に、たとえ命を失うとも山男にとってこれほどのことはない。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 篁山例会山行 | トップ | うちのおばぁちゃん »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日常」カテゴリの最新記事