まほろば日記

fujioの日常の出来事、記録等を思いつくままに書いた日記です

春山安全登山講習会で雪崩事故とは・・・

2017-03-28 22:38:49 | 日常
平成29年3月28日
昨日27日午前8時30分ごろ 、栃木県那須町のスキー場で雪崩が発生し栃木県高体連主催の登山講習会中の高校生達が巻き込まれ8人がなくなりました。
この講習会は7校の高校生51人、教員11名が参加し2泊3日の日程で行われていました。
安全な登山技術を習得する講習会で事故とは信じられません。
実はわたくしの孫も広島の私立高校の1年生で日本一を競う常連校の山岳部に所属しています。
小学生の時、我会の夏季キャンプにつれていったことがありました。
一人っ子でわがままでどうにもしょうがない性格で仲間ともなじめませんでした。
今の私立高校の中学部に入学し、こともあろうに山岳部に入部したがすぐに辞めるのではと案じていましたがよい仲間を得て、先輩たちにも指導、鍛えられ変身を遂げ、たくましく頼りがいもあり人間的にも大きく成長しました。
私も人間を育てる登山のすばらしさを改めて実感していたところです。
この孫と同じ世代の高校生を突然亡くした家族の嘆きは察するのあまりあります。
おそらく、孫の母親だったら愛する一人息子を亡くせば気が狂いとても立ち直ることができないのではと思います。
この登山講習会のリーダーの方はこの家族の無念さ。悲惨さ、自らの責任の重さをいかに考えておられるのでしょうか。

私が常に後輩たちに言っていることは「事故の原因は常に人間の側にある。自然は人間に活動の場を提供しているだけである。自然の与えた課題に対し細心の注意を払い困難を克服して頂上に立つ。力が及ばなければ素直に引き下がりまた学習して挑戦すればよい。安全が第一、安全はすべてに優先する。命は何物にも代えられないのだからすべてを犠牲にしても安全に帰還してこそ楽しい登山である。」

今回の事故については報道される以外にはわからないけれど自分なりに考える。

雪崩警報が発令され、新雪が30から50㎝という季節外れの大雪の直後になぜ雪崩の危険のある斜面に入ったのか。
降雪の直後、新雪の斜面は表層雪崩の危険があることは常識である。
登る前に雪質の弱層テストを行えば積雪の状態が不安定なことは明白であろうに(安全登山の講習会だから当然実施されたと思いますが)
この第二ゲレンデはスキー場の営業中でも雪崩の危険があり年に数回は閉鎖される危険地帯であった。

登山の予定が降雪のため変更になったというから、急遽ラッセル訓練になり準備不足ではなかったか。
指導者は参加者に感動を与える極限まで行動させ、それを克服した喜びを味わせたがります。
前よりも進歩、上達したことを感じれば参加者に満足感を与えます。
豪雪の斜面のラッセル。これは苦しいですよ。死に物狂いでしょう。だから強豪校の生徒が先頭に立ち犠牲になった。
この見極めが難しく安全が軽視されることになった。

全般的に言えることは初めの春山訓練の予定が天候が急変し冬山の訓練になったため事故になった。
遭難された生徒は山岳競技の常連校とのことでしたが公立高校ですから経験も浅く冬山には対応できていない。
冬山には雪崩はつきものですからその対策は考えるべきですが考えているようには思えません。
ゾンデ棒、ビーコン、スコップは冬山には必携です。
持参していましたか。
その使い方は講習されたのでしょうか。
雪崩の危険を考えれば見張り役を置くべきです。
雪崩はありますからその直後に直ちに捜索活動に入れば救助できます。今回はそれらの用具があれば埋没地点は特定できるから助けることもできたのでは。
今回はそのような行動がとられたとは聞きません。
生徒の証言で突如雪崩の襲われたとありました。風もあり、雪が舞い見通しが悪かったので雪崩の発生に気付くのが遅れ逃げられなかったのでしょう。
このような状況でなぜ登ったのでしょうか。
また「伏せろ」との指示があつたとか。
これは間違いです。伏せれば雪崩に巻き込まれます。
雪は石のように固く身動きできず窒息死します。
埋もれないように、転倒したら雪崩に巻き込まれますから上に浮き上がるように、転倒しないように保持すれば上半身が出て助かります。

残念なことに今回の事故により高校生には冬山は危険なものとして敬遠され、禁止になるかもしれません。
若者に挑戦する勇気 冒険する気概、困難を克服し頂点に立つ喜びが失われることは誠に残念です。
今回のリーダーの決断において「すべての責任は私が持つ」という確固たる自覚と強い責任感があればこのような安全を軽視した行動はされなかったでしょう。
無事に下山して初めて楽しい登山。安全はすべてに優先する。
前途ある亡くなった生徒たちのご無念さ、これまで育てられたご遺族の皆様方のやるせない心情、怒り、嘆きを思えば心が張り裂ける思いでかけるべき言葉もありません。
心よりご冥福をお祈りいたします。
合掌。

追記
翌日の報道によれば遭難者の位置を知らせるビーコンは持参していなかったとのこと。
それなら遭難者の位置を探索するゾンデ棒、掘り出すスコップ、スノーソ―も持参されてないでしょう。
要するに雪崩の講習、対策はされなかったということです。
責任者の会見では次のような発言がありました。
「大雪警報、雪崩警報が出ていることは知っていた。
この場所が雪崩の危険地帯であることも知っていた。
大丈夫と思ったので実施した。
事故があったのでは反省しなければならないでしょう。」
謝罪の言葉はありませんでした。
自身の単独事故なら反省しますでかたずけられますが生徒を巻き込んだ死亡事故で反省しますではあまりにも無責任ではないでしょうか。
そのようにならないよう細心の注意、予想される危険はすべて排除して行うべきではありませんか
この責任者の無知、無自覚、無責任な記者会見の対応は当事者能力の欠如をあらわすものとして後日、有罪の有力な証拠となるでしょう。

この場所はスキー営業中の2月25日から3月1日まで雪崩の危険があり閉鎖されていたとの報道がありました。
いったい何を基準に安全と判断されたのでしょう。
自分の判断ミスにより8人の仲間が亡くなったことをどのように感じておられるのでしょうか
雪崩の危険を予知しながらなぜ実行されたのでしょう。
ビーコン、ゾンデ棒、スコップの冬山の三種の神器を持っていないので事故の対応の方法がありません。
どのように対応するつもりだったのでしょうか
安全を軽視した姿勢には強い怒りを感じます。万死に値する行為です。家族の嘆きを思うなら反省ではなく死を以って償うべきです。
責任者なら先頭に立ち、困難を率先して立ち向かい状況を判断すべきではなかったか。
春山だから雪も少なく硬く締まり、天候も安定して快適な登山が出来ると安易な気持ちがあったのでは、春でも雪が降り、嵐となれば冬山となります。
恒例行事と言えどもいつも同じ条件とは限りません山は刻々と代わり同じではありません。
大量の積雪があったのだから冬山と考えそれに対応した行動をとるべきです。

私なら仲間を死なせておめおめ生き残ることなど考えられません。
北方稜線の縦走の時、雪渓横断する時万一スリップしたとき下部に断崖やクレバスがあり、命の危険があるときはためらわずザイルをだし安全を確保しました。
危険を予知しその対策を事前に考え、必要な装備等を準備し安全を図り危険な行動はとらない。
そのため時間がかかりビバークとなりましたが安全には代えられません。
無事に終われば苦労も楽しい思い出となりますが万一事故でも起こせばその山行は封印され思い出したもありません。
無事に帰還して。こそ楽しい登山です。
今回の事故は人災です。責任を取らせるべきです。そうでなければ亡くなった人に対し申し訳がありません。
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1 コメント

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雪崩 (まっちゃん)
2017-03-31 22:23:38
今週は山々の日々でした。
そんな時に事故が起こりました。
東京方面の山も、例年になく雪が残っていました。
ガイドの決断で、9合目あたりで下山しました。
登る決断より中止する決断が、どれだけの勇気が必要かを知るに至りました。
そのガイドさんは高校生の事故を📺で放映した時のコメンテイターとして出演されてた人です。
高校生の事故も、難しい事は解りませんが、大雪、雪崩警報が出てたにも係わらず、何故実行されたのか?中止する勇気があったらと・・・・残念です。
ご冥福をお祈りします。
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