(あと少し、目の前のピークが赤岳山頂だ。でもその間には深いキレットがあり、一度降りてまた昇らねばなりませんね。右の白い雲に覆われた建物が頂上小屋です。直ぐ近くです。)
令和5年8月5日から7日
この度、八ケ岳連峰の南側を占める赤岳(2899m)を中心とする南八ヶ岳の峰々を会員3名で縦走しました。
はじめは4名の予定でしたが直前1名のコロナ感染が判明し不参加となりました。何が起きるかわかりませんね。
いつも赤岳に行くには赤岳鉱泉を起点に行動していましたので赤岳より南方には行ったことがありませんでした。
(観音平の樹林帯を歩く。さわやかです。)
(編笠山を下ると青年小屋の屋根が見えます。小屋の手前は岩塊に覆われ歩きにくい。小屋に着くと水が提供できないので、受付前に「ここから5分くらい歩いて水を汲みに行くよう」に言われました。)
高齢のため最後に行きたいところは・・・八ヶ岳「青年小屋」だ。
「青年小屋」という名前にあこがれ、初めての観音平から赤岳・夏沢峠を経て夏沢鉱泉まで18㌔を縦走、夢がかなった2泊3日の山行でした。
実にすべてが素晴らしい、私の長い登山経歴においても記憶に残る素晴らしい山行でした。
このような幸運は通常は「ラッキー」というのですが、いまはみんな「観音様のお陰」といってくれます。
またお礼参りに岩谷観音様に来られることでしょう。
まず第一の幸運は「天候に恵まれました。一度も雨に会いませんでした。」
台風6号が直撃するはずが沖縄地方を迷走しこちらに来ませんでした。
この時期よくある夕立の雷雨にも会いませんでした。
(権現岳をすぎると最初の階段、61段もあります。この山の岩はもろいが梯子や鎖の安全施設はどこの山よりもしっかりと工事されていますので安心です。
しかし、登山道は小石や浮石だらけですべりやすい。岩塊や岩を飛び越えるようなところもありバランスが悪い人は要注意なところも多い。
事故が多い理由もわかります。)
(赤岳の雄姿。目の前に数々の岩峰が立ちはだかります。左の高峰が山頂です。)
(赤岳縦走の核心部。ガラ場を登ります。下りの登山者もあり落石注意です。
白い丸印を確認して登ります。
登っても登っても頂上は遠いです。)
第2の幸運は「赤岳は素晴らしい岩峰でした。」
赤岳鉱泉側から登ると赤岳は稜線上の最高地点にすぎませんが観音平から登ると、急峻な天を衝く岩峰をよじ登ってもよじ登っても頂上に着かない。
まだ登るとようやくその先に先端のそびえたつ王様のような威厳に満ちた突先のピークがある。
このよう見事な岩峰、登りごたえのある岩峰は他にはありません。
大キレットの登りか、西穂高岳から奥穂高岳間にある天狗のコルからの急峻な岩峰登りが記憶にありますがここはそれ以上な厳しさでした。
登りごたえがありました。
(迷いやすい所。左に行くと文三郎尾根ですから迷わぬように。何も考えずそれに行き、15分余りロスしました。右の尾根を直登すると真教寺分岐を経て頂上に至る。地形を頭に入れておかねばなりません。)
第3の幸運は「硫黄岳山荘は素晴らしい山荘でした。」
また泊まりたい山小屋です。
今日の予定は4時青年小屋発。15時夏沢鉱泉着の予定でしたが私の膝の故障のためペースが上がらず赤岳到着が11時35分と予定より1時間40分遅れている。
このままでは予定した夏沢鉱泉着は3から4時間余り遅れる。
到着時間が遅くなるため小屋に連絡して、予定を変更、系列のこの山小屋に宿泊することにする。遅れは早立ちすればカバーできる。
ほっと一安心だ。
この山小屋は比較的新しい建物ですが稜線上にありながらお水が制限なしで使用でき、シャワーもありました。
料理も若い女性の責任者らしい洋風なもので、野菜たっぷりのサラダも美味でデザートもありました。
(頂上からの眺め、下の小屋が赤岳天望山荘、かなり下になります。次の険しいピークが横岳、その先の平らな山が硫黄岳です。頂上小屋でラーメンを食べ今12時45分、今日の泊りの硫黄岳山荘まで約4時間かかりました。
(仲間が事故を起こした「地蔵の頭」付近の登山道。
左側の斜面に落ちたようですが何故でしょうか。理解できませんね。気のゆるみでもあったのでしょう。事故とはこのようなものでしょうか)
硫黄岳山荘の部屋はカプセルルーム風で個人ごとの個室のようなもので落ち着きます。
20時消灯ですがその直前洗面に行くと若い従業員の方が洗面所のシンクタンクの水礫をタオルできれいにふき取っておられましたので声をかけて使わせていただきました。
こんな光景は初めてです。心の行き届いた気持ちの良い山小屋でした。
この硫黄岳山荘だけでなく、オーレン小屋も夏沢鉱泉の方も皆さん親切で感じよかった。
第4の幸運は「何よりも素晴らしいチームワークでした。」
長年苦労を共にしてきた仲間、言わなくても以心伝心で気持ちが伝わります。
小屋変更の理由もすぐに理解いただきました。
最近わたくしの膝の状態が悪く治療中です。
今回はさらに寝不足と食事がとれず最低の体調でした。
反省することが多くつくづく年齢を感じました。
6月の大万木山縦走の訓練山行の時も傷めていましたが、距離14キロで速さは110、で歩けましたのでそのスピードで計画しました。
しかし、今回は18㌔で速度は70のややゆッくりのスピードでした。
そのスピードの遅れにより、お昼前には宿泊地予定地を稜線上の硫黄岳山荘に変更し、翌朝は4時と早く出発し対応しました。
最後まで歩けたのは私のわがままを聞いてくれた仲間のご理解の賜物でしょう。
(麓の豊かな樹林帯を歩いても楽しいですね。)
元気な若い登山者も多く見られましたが高齢登山者の中にはピークを目指すより、森を楽しむ、豊かな自然の中に身をおくことを楽しむ人の姿もありました。
余裕のある日程の組み方、今後の高齢者登山の在り方の参考になりました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます