漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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老人施設の区別がわからない(その2)の続き

2009-03-07 | 介護
前回に続いて。

老人介護施設が「生活の場」としてあることの問題。

実際に利用してみなければ、各施設の詳しい事情はわかりませんが、
入所できればそれで何があっても将来は安心というわけではないのです。

生活するための最低限の面倒はみてくれても、医療については完全ではありません。
施設内に、医師、看護師、医療設備が整っていませんから。
つまり医療的処置が必要になったら、住みなれたその場所ではなく病院に入らなければならないのです。
病院に入ってしまうと、いつもの行き届いた介護サービスを受けることができません。

   

 グループホームに入所している私の母が入院することになったときのこと。
病院から誓約書にいくつかサインさせられました。
たとえば認知症であればベッドに縛る必要性も発生するのでこれを容認することとか。
母の現実を知っている私にとってみればそれも仕方がないことだと思いました。

というより、
認知症患者がこの知らない場所で
無事に入院なんてことを
成し遂げることができるんだろうか???

 まずいつものホームから連絡が入り、私が病院につくまでホームの介護員が付き添ってくれました。
入院に必要なものは母の持ち物の中からすべて用意してくれていました。
本当に頼りになります

その後は私が付き添い・・・。
つまりここからはホームのテリトリーではなく、病院に任せることになります。

見慣れぬ場所で母は入院という事実を理解するはずもなく、スキあらば点滴を引き抜こうとし、ベッドを出ようとします。
「もう帰ろう」といいます。
一瞬たりとも目が離せません。
私が着替えのために1時間ほど席を外したら、看護師にお願いしたにもかかわらず、点滴をひきはがしベッドを抜け出したため、車いすに「確保」されていました

 病室は5人で皆高齢者、ナースステーションのすぐ隣。
だけど、ちょっとみている間にも、看護師を呼びたそうにしている人、点滴を引き抜いて腕から出血している人、トイレに行きたがってる人・・・
とても一定時間の見回り看護では追いつきそうもありません。

しかし病院はホームと違って入院患者全員が具合が悪いわけで、看護師や医師は大忙し。
とてもひとりの認知症患者の機嫌を取ってる暇などありません。

 このときは幸い一晩のお泊りで住み慣れたホームに戻り、母もほっとした様子でしたが、
何日も続いたらとても付添の体力は持つはずがない。
入院中の不慮の事故などで最期を迎えたりすることも多くなるんじゃないだろうか。

あくまでもこれは母の入院時に思ったことですが。

今後どんどん高齢者は増えていく。
体や精神の病気に困る人がどんどん増える。
その中に私もいる。あなたもいるかも。
いったいどうしたら老後を安心して過ごせるのだろう・・・


介護施設を探すときも大変でしたが・・・次回はこの話題を