漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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トリカブト(附子ぶし)

2008-10-14 | 薬草・生薬
泉自然公園で遊歩道のわきに、なにげに咲いていました。

有毒(アコニチンなどが含まれている)です。昔トリカブト殺人事件などがあったので恐れられていますが、大事な漢方生薬です。


トリカブトのつぼみ

トリカブトはいくつか種類があるようですがどれも毒があります。
そんなあぶないものを漢方薬は、使っているのか!と責められそうですが、

この根っこ(子根)が生薬として用いられ(母根はもっと毒が強い)
毒を除くために1時間以上煎じてせんじ液をなめてもしびれないかどうか確認するそう。
通常日本の製品では、高圧加熱によって減毒した「加工附子」を用いています。

昔の人は毒のある植物でもちゃんと処理して薬にしてしまうのだからすごいと思います。
体を温める作用にとても優れているのです。

作用:回陽救逆、補陽益火、温陽利水、散寒止痛
八味地黄丸、牛車腎気丸、真武湯、麻黄附子細辛湯などに含まれ、
体の特に下半身を温めるので、お腹が冷えて慢性下痢だったり足腰が冷えてむくみやすいなどの状態をよく改善してくれます。

TVでよく宣伝している、頻尿にハルンケア。
あれの中身は八味地黄丸なので、同じ頻尿でも、体が冷えて夜間何度も小水に起きるというタイプに向いています。
決してどんなタイプの頻尿にもハルンケアというわけではありません。



こちらも毒があるヨウシュヤマゴボウ。
秋色の実がたくさんついています。(ヨウシュヤマゴボウの花
この紫色の実に毒はありません。
葉まで赤くなって秋の日が滲んでいました。