グァタパラ農事文化体育協会の事務所に入ると
小泉首相が「感動」と書いた色紙が飾られている。
そう、ここは彼はヘリコプターに乗り、
上空から視察するだけの予定だったのだが
地面に歓迎の文字を書き、
入植者全員で通過するのを出迎えていたら、
首相は感動して、強制着陸させ、降り立ったところ。
ここは第1回の日本人移民が入植したところのそばにある。
荒れたところを整理していたらお墓があって、
遺骨かぞろぞろ出てきた。
そこで「拓魂碑」を建て、遺骨をまとめて納めている。
私たちもお線香をあげ、手を合わせてきた。
ここは「感動」が似合うところだ。
ここも含めたサンパウロ州は、
今年3月から雨の降らない異常気象が続いていた。
断水しているところもあるという。
あまりに雨がないので、種蒔きを1か月遅らしていると言っていた。
ところが
公演中、母親おはまと忠太郎のせめぎ合い、
芝居が佳境に入ったところで雷が鳴りだし、
忠太郎の心を読んでいたかのように
雨が激しく降り出した。
余りにも合い過ぎていた。
芝居が終わって、ここの人たちは口々に言った。
「あんたたちが、雨を運んでくれた」