ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR』

2006-01-31 20:54:44 | 新作映画
----ニキータ・ミハルコフがこの映画の監督のことを、
「我が国のタランティーノ」と呼んでいるんだって?
これってつまりロシア映画っぽくないってこと?
「他の言い方では、
『まるでタルコフスキーがウォシャウスキーと出会ったかのよう』
なんてのもある(笑)。
確かに、この映画はこれまでのロシア映画とは一線を画する。
旧ソ連映画を見慣れた人にとっては驚きだろうね。
でも考えてみたら、旧体制が崩壊してずいぶん経つわけだし
自由化されてからのロシアで育った若者たちにとっては、
これぞ自分たちの映画と言う感じなのかもね

----だからこそロシア興行史上No.1にもなったわけだ。
そうそう、プレスには『マトリックス』の名前も出ていたけど?
「う~ん。
どちらかと言うと「コンスタンティン」の世界に近いという気がする」

----えっ、天使だの悪魔だの
ハーフブリードだのが出てくるわけ?
「いや、そういうわけじゃないんだけどね。
この映画は“異種(アザーズ)”と呼ばれる
特殊な超能力に目覚めた人間同士の戦い。
“光”と“闇”の両勢力に分かれ長年戦争してきた彼らは、
キリのない争いを終わらせるために
お互いを監視する協定を結ぶ。
闇の異種を監視する光の者を“ナイト・ウォッチ”、
一方、光の異種を監視する闇の者を“デイ・ウォッチ”とし、
以来、世界はそのデリケートなバランスの上で成り立っていたわけだ。
このシーンはいわばプロローグとして描かれ、
中世風の鎧に身を包んだ男たちの血なまぐさい戦いとして描かれる」

----で、話は現代に飛ぶんだね。
「そういうこと。
ここはよかったね。
それこそ『マトリックス』の予言者じゃないけど、
普通っぽいおばちゃんが出てくる。
いったい何が始まるのかと思ったね。
そうそう、ここでは蜘蛛の足のようなものが生えた人形(?)も出てくるよ」

----それは楽しみだ。
「さて本篇に入って、
主人公はナイト・ウォッチのメンバーである一人の男。
映画は、
彼が地下鉄で見た頭上に空気の渦が巻いていた女性、
いにしえの予言が告げていた
光と闇の戦いを最終的に終わらせる者の出現をめぐる謎。
そして、地下鉄にいた12歳の少年を闇の勢力がつけ狙う理由などを
並行的に描いてゆく」

----そして、それがスタイリッシュなんだ?
「う~ん。それはどうだろう。
確かにCGエフェクトは多用されているし、
監督もロシアでトップクラスのCM&ミュージックビデオの監督らしいけれど、
あまりにもショッキングなシーンが多すぎる。
いくら主人公たちがヴァンパイヤ並みに血をエネルギー源(?)にするとは言え、
出血シーンが多すぎて、血に弱いボクにはちょっと厳しかった。
実際、それが理由で最初は一般公開が危ぶまれていたらしい。
映像も話が“ナイト・ウォッチ”だけあって、夜のシーンばかり。
それをスクリーンに映し出そうと言うのだから、
勢い暗闇に光を当てて映し出すと言った手法が多く、
正直目が少し疲れてしまった。
でも次作は『デイ・ウォッチ』らしいから、
これがどう変わっているか興味深いね。
そうそう、最終作は『ダスク・ウォッチ』とか。
これも楽しみだな」

          (byえいwithフォーン)

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『博士の愛した数式』

2006-01-30 00:19:47 | 映画
----「ぼくの記憶は80分しかもたない」。
これってどういうこと?
「正直、ぼくにもよく分からないんだ。
この映画では家政婦としてやってきた女性(深津絵里)と
その記憶障害を持つ博士(寺尾聡)、
そして√ルートと呼ばれるその女性の息子が過ごした大切な時間を
成長して数学教師になった√ルート(吉岡秀隆)の回想で描いてゆく。
最初、このプロットを聞いたときには、
80分経ったら、会った時のことまで忘れて
最初の挨拶からやり直すのか…と思った。
しかしよくよく考えると、
80分しかもたないということは、
80分前のことは忘れたとしても、
新しい80分は覚えていると言うことになるし…。
前提が<80分しかもたない>だから
その意味だけはクリアにしてくれないと」

----翌朝になったら前のことを80分だけしか覚えていないとか?
「いや、そういうのでもなかった。
これがまったく覚えていないだと、
『50回目のファースト・キス』になるんだけどね」

----あ~、そうか。
じゃあ、お話は、その記憶を持続させようとする
家政婦さんの奮闘を描くわけ。
「(笑)それも違うな。
むしろ博士の家政婦への数学の説明、
あるいはそれを教室で生徒に話す√ルートの話の中から、
数字の持つオモシロさが浮かび上がる映画となっている。
そういう意味では、
(これは本を読んだだけだけど)『ダヴィンチ・コード』を思い出したな。
もっとも、あちらはサスペンスミステリー。
この映画はそれとは対極ののどかな作品になっているけどね」

----キャスティングもそんな感じだよね。
「監督が晩年の黒澤明に助監督としてついていた小泉尭史。
しかも出演が寺尾聡、吉岡秀隆。
映像のテイストもどことなく昭和的で懐かしい感じがした。
よかったのは季節が春に限定されていること。
早春の淡い日だまり的なあたたかさを感じる。
たとえ記憶は続かなくとも
その時間その時間を慈しむように生きる…
こういうことなのかな…」

----そう言えば浅丘ルリ子も出ているんだよね?
「あっ、これは少し違和感を感じたね。
彼女は博士の義理の姉の役で、
博士と過去に関係を持っている。
その描き方がなぜかメロドラマ風なんだ。
なかでも不思議なのは彼女が川面を見つめるシーンで
彼女の奥にあるはずの水面のさざ波が
頬の上に映っていること。
これって合成したとしか思えない。
浅丘ルリ子の持つ日活ムードアクションの記憶が、
このようなメロドラマ的手法になったのかも知れないけど、
全体の流れには合わなかった気がするな」

               (byえいwithフォーン)

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『ヒストリー・オブ・バイオレンス』

2006-01-27 19:03:25 | 新作映画
※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。



----この映画も今年の賞レースに絡んでいるよね。
監督はデヴィッド・クローネンバーグだっけ」
「うん。彼にしては珍しい家族ドラマと言われているけど、
いやいやどうして。
トリッキーな映像や彼の十八番とも言うべき肉体の変貌こそないものの、
これはいかにもクローネンバーグらしい映画だ」

----ふうん。どういうところが?
「“日常を脅かす不穏な空気”、
そしてその中にいったん取り込まれると
そこは“逃れられない迷宮”に変わるというところかな。
『ヴィデオドローム』のSM暴力ヴィデオしかり、
『イグジステンズ』の仮想ゲーム世界しかり。
もっと言えば『ザ・フライ』だって
物質移動と遺伝子組み換えの研究という世界に、
深く入り込みすぎてしまって抜けられなくなった男の悲劇。
『スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする』も
記憶と妄想の迷宮から抜け出れなくなった男の話だ。
この『ヒストリー~』はその取り込まれ抜けられないものを
過去に自らが犯した<暴力>と置き換えると分かりやすい」

-----ニャるほどね。まずは物語を話してよ。
「インディアナ州の小さな田舎町で静かに暮らす
トム(ヴィゴ・モーテンセン)とその家族。
ところが夫トムが営むダイナーが
二人組の男に襲われたことからすべてが変わる。
突然銃を突きつけられた彼は、一瞬の隙をつき逆襲。
強盗二人を射殺し、店の客や従業員を救う」

----うわ~っ。大活躍。ヒーローだね。
でも、なぜ彼はそんなスゴい銃の腕前ニャの?
「そこなんだよね。
その危機一髪のときにトムが見せる身のこなしに、
観客はだれしもが『あれっ?』。
でも実はここが重要なポイント。
この事件でトムはヒーローとして
メディアで祭り上げられるんだけど、
彼のことをジョーイと呼ぶ黒づくめの謎の訪問者(エド・ハリス)が出現。
男は『なぜ、あんなにも人を殺すのがうまいのか、
ジョーイに聞いてみろ』と妻エディ(マリア・ベル)にけしかける。
果たして夫の過去に何があったのか?
信頼と不安の間で揺れ始めるエディ。
かくして静かな生活は音を立てて崩れはじめてゆく…」

----そうかミステリー的な要素もあるんだね。
これはオモシロそうだ。
「ぼくがこの映画をいいなと思うのは、
主人公の家族をきっちり描いているところ。
トムの息子ジャックは学校で虐められているんだけど、
いつも言葉で交わして暴力事態になることを避けようとする。
この彼の身の処し方に<平和>を重んじるトムの教育方針が伺える。
ところがそんなジャックが
ガールフレンドの名誉を傷つけられたことから暴発。
相手を容赦なく叩きのめす。
それまで彼はいかにも弱虫であるかのように描いていただけに、
ここは事態を見守るクラスメートのみならず
観客にも強いインパクトを与えずにはおかない」

----mmmm。
「このシーンは、
トムが強盗を射殺して以降の時制に配置。
つまり父親の暴力が<連鎖>したってことだね。
しかしこの息子の正義の鉄槌に対しても
トムは非暴力を主張して彼の行為を諌める。
このあたりは、
訪問者とトムの関係についての観客の混乱を誘う巧い筋書きだ。
謎野訪問者は人違いしているのではないか……とね」

----ふうむ。お話の方は分かったけど、
映像はどうなの?
クローネンバーグらしさってあった?
「映画のテーマとなっている暴力の描き方かな。
全ての暴力は突発的に起こり、
しかも銃が発射された瞬間、ピクリともしないで死んでしまう。
これはいままで多くの映画の中で
撃たれて苦しむ姿をイヤと言うほど見てきた目にとっては衝撃。
だって生命が絶たれ、
一瞬にしてモノと化してしまうんだもの」

----俳優の演技も話題になっているよね。
「エディを演じたマリア・ベルの評価が高い。
トムと『10代の頃に知り合いたかった』と
無邪気にベッドでじゃれていたのに、
夫の暴力的本質が分かってからは
そのセックスは、拒否しながらも応じてしまう荒々しいものへと変わる。
片目をつぶされ顔に傷のある男を演じるエド・ハリス、
見るからにエキセントリックなウィリアム・ハート。
俳優たちもその異様な風貌によって
映画の<異形性>を際立たせている」

----あれっ?トム役のヴィゴ・モーテンセンは?
「彼はカーク・ダグラスに似てきたね」
----誰それ?
「マイケル・ダグラスのお父さんだよ」
----よく知らないけどスゴそう。
それも<異形性>?
       (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「いびつだニャあ」なにこれ?

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※画像はアメリカのオフィシャルwallpaperより


『ルート225』

2006-01-25 23:59:53 | 新作映画
----この映画、青梅街道の練馬区関町が舞台だよね。
でもあれって国道411号線じゃなかった?
「いや、それは撮影場所の話」。
この場合の『ルート225』には別の意味があるんだ。
ルート225=15。
つまり14歳の主人公の15歳へのルート、
それと映画のストーリーと絡んでくる“家へのルート”。
このダブル・ミーニングになっているんだ」

----ふうん。家へのルートって?
迷子にでもなるの?
「いいところに気づいたね。
この映画では主人公の中学生・田中エリ子と
その弟・ダイゴのふたりが
パラレルワールドに迷い込んでしまうんだ。
傘を持ってダイゴを迎えに行ったエリ子は、
公園のブランコでランニングシャツ姿の弟に会う。
シャツに落書きされた弟を気遣いながら家へ帰る姉と弟。
ところがあるはずの国道はなくなり、
なんと二人は海に出てしまう。
気合いを入れてどうにか家へ帰れたものの、
今度は両親がいなくなっている。
果たして彼らは………?というお話だ」

----ふうん。オモシロそうじゃない。
「そうだね。
SFジュブナイルって感じ。
ちょっと『NHK少年ドラマシリーズ』を思わせる。
ただ、この映画の主人公たちはもっと現代的。
多部未華子(『HINOKIO(ヒノキオ)』)演じるエリ子が実にいい。
弟・ダイゴをいたわる気持ちがありながらも、
逆にツッコミ、いじってしまう。
いわゆるありきたりな
<やさしいお姉さん>には描かれていないんだ」

----へぇ~っ、珍しいね。
「でも、それはそうだよなと思った。
この年頃って、友達との関係や、
クラスの中での生き方など、自分のことで精一杯のはず」

-----だけど年下の弟からしてみると、それって不安だよね。
「そう、年上の人の気持ちなんてまだ推し量れない。
この映画のオモシロさは、
そんな二人が力を合わせて元の世界に戻ろうとするところにあるんだ」

----本来ならばこんな状況に追い込まれたわけだから、
もっとパニックになってもいいはずだけど
「う~ん。でも両親がいないこと以外は、
友だちの自分たちへの接し方が少し違うくらいで大きくは変わらない。
ただ、もう死んでいるはずの女の子が生きていたりとかはあるけどね」

----それってゾクっだね。
「うん。
でも二人はその新しい環境を通して自分たちを見つめなおす。
その中にとても印象的なセリフがあった。
『どこにいても誰かいないんじゃないかって気がする』-------
これはエリ子が言うんだけどね」

----それはまた深い言葉だね。
「監督の中村義洋は
『空気を撮るのか。創るのか。』で悩んだらしい。
こういうことを考える監督ってぼくは好きなんだけど、
結果、彼は『空気を創ろうとして、撮った』と見るね」

----どういう意味?
「それはキャスティングに、そしてロケに表れている。
主演の二人とも監督いわく<まぶたが重い>少年少女。
つまり監督は<特別な空気を創る>ことを狙ったのだと思う。
そしてそんな彼らを映画ずれしていない街中に放ったとき、
さらに濃い映画的な空気が立ち上がってきたんだと思う。
そう、この映画はキャスティングの勝利と言う気がするな」

          (byえいwithフォーン)

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『リトル・イタリーの恋』

2006-01-24 22:29:32 | 新作映画
----『リトル・イタリーの恋』というから、
子供の映画かと思ったら違うんだね。
「うん。オーストラリアのイタリア人街“リトル・イタリー”に住む
兄弟の恋の物語。
ちょっと特殊な設定に見えるけど、
徹底してクラシックな映画だったね。
色調もノスタルジックで、
まるで50年代の映画みたいだ。
そうそう、舞台も50年代だしね」

----どんなところがクラシックなの?
「この映画が描くのは
一言で言うと、美男美女の恋物語。
6~70年代以降、
映画は、スターらしからぬ人たちを主人公とする
内省的な作品が増えてきた。
フランスだとヌーヴェルヴァーグ、
アメリカだとニューシネマと言うようにね。
でも、それ以前のハリウッドは夢工場。
恋愛映画では、
スターがスイートな恋を見せてくれるのが常だった」

----ふうん。そうなんだ。
でも講釈はそれくらいでいいから
映画のストーリーを話してよ。
「はいはい。
この映画が描く50年代、
オーストラリアの“リトル・イタリー”には、
イタリア人女性が少なく、
写真と手紙でお互いを知り、そして結ばれるというのが一般的。
ところがこれまでアンジェロ(ジョヴァンニ・リビシ)は
ことごとくプロポーズに失敗。
その原因が自分の容姿にあると思った彼は、
明るくてハンサムな弟ジーノ(アダム・ガルシア)の写真を
南イタリアに住むロゼッタ(アメリア・ワーナー)に送ってしまう。
さて、その写真を見たロゼッタはアンジェロ(実はジーノ)に一目惚れ。
未来の二人の愛の日々を
日記に物語風に綴るほどに燃え上がる」

----あちゃあ~っ。これは大変だ。
「でしょ。
でもこのジーノが兄思いのいいヤツで、
オーストラリアにわたってきたロゼッタを、
心の奥底では意識していながら
徹底して避けようとする。
しかし、すでにジーノに恋してしまったロゼッタは
そんなことでは引き下がらない。
自分の思いを綴った日記をジーノに渡し…」

----ちょ、ちょっと待った!
これアンジェロの話じゃなくなっている。
「そういうこと。
この映画は途中から、
ジーノとロゼッタ、
彼ら美男美女は果たして結ばれるのか?
という風に変わってゆく。
だからクラシックと言ったんだ。
昨今ではすっかり珍しくなってしまった恋のおとぎ話。
監督・脚本がジャン・サルディ。
これまた大時代的だった「きみに読む物語」
脚本を書いた人だと聞けば、
この展開も納得かも」

----と言うことは、
美男美女の恋物語に酔いたい人向きってわけだ。
「うん。
確かにデートムービーとも言えるけど、
現実に戻った後、
横にいる自分を見て
ため息つかないような相手と観に行くことだね(笑)」

        (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フォーンはため息でなく寝息」もう寝る

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『シムソンズ』

2006-01-23 21:53:02 | 新作映画
----シムソンズ? これまたバンドか何かの映画?
「いやそうじゃないんだ。
知っているかな、カーリングって?
長野オリンピックで正式種目になった、
“氷上のチェス”と呼ばれるゲーム。
一見、派手さはないけど、
実はとても頭脳を要求されるスポーツなんだ」

----あ~、あのブラシで氷の上を掃除しているみたいなヤツね。
これはそのドキュメンタリーなの?
「いやいや。主演が加藤ローサだもの。それはないよ。
本当にあった青春友情スポーツドラマだよ」

----つまり『ウォーターズボーイ』の
女性&ウィンター版ってわけだ。
「監督の佐藤祐市は
TV版の『ウォーターボーイズ』を演出しているし、
それ、あながち間違っているとも言えないかも。
でも、テレビが中心の監督とは言え
けっこう映画的な記憶をくすぐる作品になっていたな」

----ふうん。たとえば?
「こういったマイナーなスポーツをテーマとした場合、
観客にとっては競技の内容を知らないことがネックとなる。
ということは、それを知らしめることから始めなくてはならないわけだ。
この映画では、伊丹十三『お葬式』のように、
まずビデオを使ってルールを教えてくれる。
そう、一種のマニュアル映画にもなっているんだね」

----う~ん。だけどそれだけを取り上げて
持ち上げるのは過大評価じゃない?
「それはそうだね。
でもたとえば、主人公伊藤和子(加藤ローサ)の
いま置かれている状況
『……何もない』を短いカットバックで誇張して描写。
ここなんか『下妻物語』を彷彿とさせたね」

----最後までそのタッチ?
「いやいや、後は青春ストーリーの王道。
メンバー集め、最初の試合での無惨な敗退、
悔しさの中での練習、次の試合での辛勝、喧嘩別れ、
解散の危機を乗り越えて固い絆が結ばれる」

----あれっ『がんばっていきまっしょい』に似ているね。
「う~ん。
あの映画のような“青春の一瞬の輝き”を
捉えたかと言うと、
さすがにそれはないなあ。
でも代わりに生き生きとした青春の躍動感と爽やかさがある。
ノスタルジーが全面に出た『がんばって~』と異なり、
あくまでも現在進行形として描いたからかも。
シムソンズは実際に
ソルトレークシティ冬季オリンピックに参戦している。
そんなモデルがありながらも
映画の中での試合の日付は平成17年になっていたしね」

----ニャるほどね。
「コーチ役の大泉洋も
熱血とは正反対。
『六本木での合コン』が口癖。
これもとぼけたいい味を出していたよ」

----ふうん。なかなか評価高いじゃん。
「青春映画だから
ぼくが甘くなるのは仕方がない(笑)」

----スポーツ映画としてはどうなの?
「この手の試合につきものの
手に汗握る試合の行方、
カーリングならではの頭脳戦の醍醐味というのは、
決勝戦の最後の一投以外はあまり感じられなかったな。
それでもカーリングをやってみたくなった。
やはりこの映画、
ベタでありながらも、うまくできていたと思うよ」

        (byえいwithフォーン)


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『美しき野獣』

2006-01-22 12:27:11 | 新作映画
----人気急上昇中のクォン・サンウの新作だね。
韓国初の本格刑事アクション・ドラマとしても
話題になっているんだって?
「共演がユ・ジテというのも嬉しいね。
韓流ブームが起こる以前に
時を超えるファンタジー『リメンバー・ミー』に主演。
ぼくの彼への思い入れもひとしおなんだ。
そのユ・ジテと、
これまたお気に入りの『マルチュク青春通り』のクォン・サンウ。
これは期待するなと言うのが無理」

----どんなお話なの?
「クォン・サンウの役は野性的な刑事チョン・ドヨン。
彼は弟を殺した黒幕を追う。
しかしその操作方法は本能に基づき腕力で悪を制しようと言うもの。
自らの身の危険などは全く顧みない。
一方、ユ・ジテが演じるのは、
法の力を信じて冷静に立ち回ろうとする理性的な検事オ・ジヌ。
ふたりが追うその巨悪は政界をはじめとする権力と深く結びつき、
最後にはふたりを罠にハメてしまう。
この黒幕ユ・ガンジンを演じるソン・ビョンホが
カリスマ的な悪を好演。
その非情さは北野武映画を思わせる」

----ふうん。思ったよりシンプルなストーリーだね。
「いや、2時間を超える映画だけあって
実は肉付けがたくさんなされている。
見慣れない俳優の顔もたくさん出てくるし、
入り組んだ人間関係の中で混乱しかねないけど、
この基本ラインを押さえておけば大丈夫だと思う。
でもこの映画の魅力は
やはり主演ふたりの演技だね。
クォン・サンウは、ちょっと松田優作を現代風にした感じ。
ハリー・キャラハンよりワイルドで
身なりもダーティだ。
それを受けて立つユ・ジテは損な役回りかと言うとそうでもない。
スーツをビシッと着こなした冷徹な検事。
常にクールさを崩さないその姿勢が
クォン・サンウ演じるホットな刑事によって次第に崩れ、
熱いものに変わってゆく。
窓から夜景を眺め自分の真情を語るユ・ジテ。
それに珍しくウイット混じりで応じるクォン・サンウ。
二人の心が通い合うこのシーンは
窓外へカメラが引いていく撮影の見事さと相まって
深い余韻を残す。
いつまでも忘れられない名シーンの一つとなるだろうね。
それにしても今さらながらにして
ユ・ジテの演技力には感心したね。
さすがスターから性格派俳優への転身を目指しているだけある。
ユ・ジテ人気が再燃しそうだな」

----でもキー・ビジュアルにはクォン・サンウ。
しかも涙を流しているね。
「彼の涙は天下一品。
『クォン・サンウー涙のゆくえ』なんて本もあるしね(笑)。
彼がこの映画でさらに人気を増すことは間違いない。
そうそう、周囲ではすすり泣いている人が結構いたよ。
クォン・サンウのキャラは超強烈。
いかにも映画的。
外伝とかでもいいから、
いろんな形でシリーズ化が考えられないかな」

               (byえいwithフォーン)

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『うつせみ』

2006-01-21 00:39:20 | 新作映画
※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。



----あれっ?キツネの映画はどこに行ったのよ…。
「う~~ん。あれはむにゃむにゃ。
ま、それよりほら『うつせみ』。こっちは蝉のぬけがら。
監督が話題のキム・ギドク。
いやギドクというだけあって毒の強い監督だわ」

----よくそんなアホなこと言えるね。
もともとはこれ『空き屋』とかいうタイトルじゃなかったっけ?
「そう。よく知っているね」
----だってキム・ギドクと言えばいま世界の注目株。
確か一年でベルリン、ベネチアの二つの映画祭で受賞しなかったっけ。
「ベルリンが『サマリア』。
この『うつせみ』はベネチアだね。
いずれも最優秀監督賞。
つまりは演出力を高く買われたと言うこと。
なるほど、それはこの映画を観てよく分かったよ。
お話自体はシンプルだけに、
よけいに演出力が勝負となってくる」

----どんなお話なの?
「ミステリアスな青年テソク。
彼は留守宅に忍び込んでは
食事を作ったり入浴を楽しんだり洗濯したり。
しかも、記念撮影や壊れたものの修理までやってしまう。
そんなある日、テソクは夫によって家に閉じ込められた女ソナと出会う。
テソクはゴルフボールでこの暴力夫を懲らしめ、ソナを連れて旅へ。
ふたりは留守宅に忍び込む日々を続けるが…」

----ふうん。アメリカのアンチ・ヒーローものみたい。
「そうだね。
『俺たちに明日はない』などの
アウトロー・ムービーがベースにある気もする。
しかしそれらの映画と大きく違うのは、
主人公の二人がまったく言葉を交わさないこと。
映画史上まれに見る静謐なカップルの登場だ。
しかもそれどころかテソクは
留置所の係官相手に自分の気配さえも消してしまおうとする。
この本当の目的が分かったときにはさすがに驚いたね」

----えっ、留置所?
ふたりは捕まっちゃうんだ。
「うん。病死していた老人のところに忍び込んだのがきっかけでね。
でも彼らは何も盗んでもいない。
逆に死んだ老人を手厚く葬っている。
そのため微罪で釈放されるわけだけど…」

----でも常識にとらわれる警察、
そしてソナをさらわれた夫はそれでは収まらないよね。
これは凄絶なラストが待ち受けていそうだ。
『スカーレット・レター』
とかだとそうなるけど、
その凄絶さを回避するのがテソクの今回の手法。
修羅場になることなく
ふたりが一緒にいられる方法とは……?
ほんとこれにはやられたって感じ。
まさに現代の寓話だね」

        (byえいwithフォーン)

※『子ぎつねヘレン』は別の形で書きました。
随想っぽくなっていて少し恥ずかしいですが、
興味がある方は『子ぎつねヘレン』で思い出した最初の犬エルのこと。
をご覧になってください。

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※画像はイタリア・オフィシャルのwallpaperより

『ホテル・ルワンダ』

2006-01-18 23:13:35 | 映画
「憎しみからは何も生まれない」

----これってインターネットの署名運動によって
日本公開が実現した映画だよね。
「そう。昨年度のアカデミー賞で
ドン・チードルの主演男優賞ほか
全3部門でノミネートされた話題作だ」

----そんな映画なのに
なぜオクラ入りしそうになったの?
「まず一つは
遠いアフリカ大陸での
フツ族によるツチ族への虐殺と言う
きわめてヘビーな内容だったこと、
さらには主演がビッグネームではないこと、
そして賞レースに名乗りをあげたことで
権利料が跳ね上がったことなどがあげられる」

----そうか、ドン・チードルって初主演だっけ?
「うん。ハリウッドのメジャースタジオは、
デンゼル・ワシントンやウィル・スミス、
またはウェズリー・スナイプスといったビッグネームを希望。
しかし監督のテリー・ジョージは
ドン・チードルにこだわったらしい。
今こうして出来上がった映画を見ても
その選択眼はさすがという他はないね」

----さっき、少し話していたけど、
この映画は遠いアフリカのお話だよね。
虐殺って何があったの?
「1994年。多数派のフツ族と少数派のツチ族が
長年争ってきたルワンダでは、
内戦がようやく終結し、
フツ族大統領が和平協定に応じようとしていた。
しかしフツ族のラジオからは公然とツチ族非難が流され、
ついには「フツ族大統領がツチ族に殺された」という
ショッキングなニュースが飛び出す。
ラジオの報道を鵜呑みにしたフツ族は武器を手に、
ツチ族を一人残らず抹殺しようと大虐殺を開始するんだ」

----そんな…………。
「ぼくは当時この大虐殺を報じた新聞記事を
たまたま目にして、
スゴいショックを受けたものだった。
というのもその記事では犠牲者の数もさることながら、
虐殺の中身が詳しく報じられていたんだ。
しかしそれも後になって分かったこと。
国連は平和維持軍であり仲裁はしないという立場を取っていて
ほとんど何もしなかったという。
この映画はそんな中にあって、
ルワンダの高級ホテルに勤めていた一人の男が、
ホテルマンとして培ってきたスキルによって
1200人もの命を救った姿が描かれる」

----それがドン・チードルが演じている役だね。
「うん。実際にモデルになった人は、
もっと体格もよくて
ある意味『この人なら…』って感じらしいけど、
彼が演じる支配人ポールはごく普通の男。
ただ機転はきくし、ときには賄賂も辞さない。
でも、久しぶりに真のヒーローを見た気がしたね。
あ~、だけどこの映画は語りだすときりがないな。
すべてのシーンに怒りと悲しみを感じて
久々に号泣しそうになったよ」

----あまり、えいのタイプの映画ではなさそうだけど?
「確かにぼくは、映画は楽しみたいタイプ。
しかも映画を観る時は
映画である必然性、
また、どれだけ映像で語っているかなどに重きを置いている。
でも、こういう作者の強い思いが込められた力強い作品に出会うと、
その<映画であらねば>という構えが後退するんだね。
心の琴線に触れてぼろぼろになってしまう。
たとえば、
事態が切迫して外国人たちがホテルを去るとき、
ホアキン・フェニックス演じる記者が
仲良くなったツチ族の女性と別れるシーンがある。
行かないでくれと泣き叫ぶその女性に
彼はお金を握らせることしかできない」

----それってひどいよ。
「でもその後、彼は振り向きもせず一言
『恥ずかしい』と自嘲して吐き捨てるんだ。
ここでぼくの感情の壁は崩れたね。
あとは、もう涙腺が緩むのを押さえるのが大変」

----そう言えば主題歌も話題になったね。
「 05年度ゴールデン・グローブ賞オリジナル主題歌賞にノミネートされた
ワイクリフ・ジーンの「ミリオン・ヴォイセズ」。
その中に次のような一節がある。
『アメリカがアメリカ合衆国ならば
なぜアフリカはアフリカ合衆国でないのか?』
もう、ここでは嗚咽が出そうになったよ。
いまはただただ、この映画の日本上映を実現させてくれた
すべての人に感謝したい気持ちでいっぱい。
今日、観に行ったシアターN渋谷では上映スクリーンを追加。
それでも毎回立ち見が出ていてスゴい混雑だった。
それだけでうれし涙が出そうになったよ」

               (byえいwithフォーン)

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猫ニュー

『マンダレイ』

2006-01-17 19:21:46 | 新作映画
※映画の核に触れる部分もあります。鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも

----これって『ドッグヴィル』に続く
ラース・フォン・トリアー監督の
アメリカをテーマとした三部作の第2弾なんだよね。
あれ?ニコール・キッドマンがいないね。
「うん。彼女は降板したらしい。
代ってグレースを演じるのがブライス・ダース・ハワード。
ロン・ハワード監督の娘だね。
最初ドクターを演じていた
ジョン・C・ライリーも途中で降板したらしい」

----ラース・フォン・トリアーの現場は大変らしいものね。
前作のときにも話題になった<手法>は
今回も使われいるの?
「うん。
床に引かれた線でそれぞれの建物が区切られ壁はない……。
いわゆる舞台形式は今回も健在。
ただ、前回ほど効果的には見えなかったな」

----えっ?それってどうして?
「前作『ドッグヴィル』では
ヒロイン、グレースがレイプされている側で
日常生活が営まれているのを
ワンフレームに収めて見せるという、
この<壁なし>手法を生かした映像が随所に見受けられた。
ポール・ベタニー演じるトムが窮地に陥り、
グレースをどうするか逡巡する時も、
集会所で待つ村人たちやベッドに横たわったグレースを
緩やかなカメラ移動の中、切り返しなしで映し出し、
その成りゆきを見守る観客の胸をざわつかせる。
ところが今回はこのような
映像的に高揚するシーンがあまりない。
舞台となる農園の女主人(ママ)の邸宅は2階建てだし、
高さが加わったことによって
全体のイメージが変わってきているのかも」

-----でもお話は、奴隷制度がとっくに終わっているにも拘らず
いまだに白人が黒人を奴隷として支配している農園の話でしょ。
それだけでも衝撃的に見えるけど……。
「確かに物語の方はスゴいよ。
グレースと父親とギャングたちは、
新たな居住地を求めるうちに、
アメリカ南部の奥深く、荒野に広がるマンダレイ農園へ。
そこで白人が黒人を鞭打つという非人道的な行為を見たグレースは
マンダレイの黒人たちを独立させ、
彼らが自らの手で収穫を果たすまで、
ここに残り彼らを助けようとする」

----なぜ、彼女はそんなに使命感に燃えているの?
「奴隷を作りあげたのは自分たち白人。
だから責任を取らなくては…というわけだね。
そんな娘に父親は
彼女が子供の頃、自分の忠告を無視して
カゴの小鳥を空に放した結果、
鳥は、翌朝窓辺で凍死していたことを思い出させる」

----う~~ん。それってフォーンもいやだな。
今年は特に寒いし。いまさらこの家、出て行けないや。
「そう、そこなんだよ。この映画のポイントは。
彼ら黒人たちも奴隷という立場から解放されても
どうやって生きていったらいいか分からない。
なにせ彼らは差別的な『ママの法律』に沿って生きていて、
それを守ってさえいれば
食事にもお金にも
不自由はしなかったのだから…。
しかし、そんな彼らにグレースは自由を与えたばかりか
<民主主義>教育をしようとする」

----ちょっと待って。
それって今のアメリカとイラクの関係じゃ?
「そうなんだね。
この映画は、ブッシュ批判が強烈に織り込まれている」

----と言うことはグレースがブッシュ(爆)…。
「いやいや笑いごとじゃないんだね。
この『マンダレイ』を観ていると、
ブッシュは別に悪意があるんじゃなくて、
心底、自分がヤッていることを正しいと思っているのでは?
という気になってくる」

----でもアメリカ嫌いで知られるラース・フォン・トリアー。
グレースの試みは、おそらく失敗に終わりそうだ。
「そう言うこと。
しかもその結末、
最後に明かされる農園の<秘密>はかなり衝撃的。
ただ、さっきも話したように
その<秘密>がビジュアルとして立ち上がるのではなく、
ストーリーとして語られるだけだから
波状的に感情が揺さぶられるというところまではいかない。
前作からそんなに時間も経っていないし、
ラース・フォン・トリアー、少し疲れたのかな?
ただ次の『WASHINGTON』は脚本に時間をかけているみたいだし、
これはそれへの橋渡しと考えた方がいいかも」

----ニャるほど。でも次のグレースはだれだろう?
ブライス・ダース・ハワードが引き続きやるのかな?
「ローレン・バコールはケイト・ブランシェットを推したとか。
もしかしたらニコールとブライスのWキャストかもよ」

----それじゃ「おわらない物語・アビバの場合」だ(笑)。 

       (byえいwithフォーン)

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※画像はポーランド・オフィシャルのティーザー・ポスターより


『最終兵器彼女』

2006-01-16 19:26:11 | 新作映画
----これ知っているよ。
「ビッグコミックスピリッツ」に載ってたんだよね。
確か「最彼(さいかの)」とか呼ばれていなかったっけ?
「うん。ただぼく自身は原作にはノレなかったし、
途中で読むのも止めたから
あまり詳しくは知らないんだ」

----でもスゴく人気あるんだよね。
アニメやゲームにもなったし…。
どういうところがダメなの?
「一言で言えば合わないんだね。
『いいひと。』もそうだったけど、
原作者の高橋しんという人の作り出すキャラクターが
どうも自分にしっくりこない」

----目が細くて優しい感じのキャラでしょ。
それが合わないなんてひねくれているなあ(笑)。
「しかも今回は物語がねぇ。
小樽に住む高校3年生のシュウジは、
同級生のちせから突然の告白をされる。
ある日、札幌でシュウジたちは
無数の飛行機が飛来するのを目撃。
激しい爆撃の中、
間一髪で彼を救ったのは背中から翼を生やしたちせ。
なんと、彼は国土防衛のために開発された最終兵器だったのだ!」

-----スゴいストーリーじゃない?
意味はよく分かんないけど……。
「なぜ彼女は最終兵器にされたのか?
なぜ戦争が起き、どこの国と戦っているのか?
最初、この漫画が描かれた頃はまったく分からず、
こんな風に戦争を扱っていいのかだろうか……
と、まずそれがぼくにはダメだったね。
でもこの漫画、
数ある『ポスト・エヴァンゲリオン症候群』作品の中でも
とりわけ優れた『セカイ系』の作品
と見られているらしい」

----『ポスト・エヴァンゲリオン症候群』?
『セカイ系』?またまた、分かんない言葉ばかり」
「ぼくだってそうだよ(笑)。
今回、いろいろと調べなかったら
ずっと分からないままだったと思うよ。
この『セカイ系』というのは、
主人公の個人的な資質や葛藤などが
世界そのものの存続をも左右するということのようだ。
それも特に主人公二人の恋愛が関わることが多いらしい。
だからなのかな。
原作のラストはシュウジとちせが宇宙に昇天することを暗示。
一方アニメでは
シュウジ以外何もなくなり真っ白な状態になるらしい」

----映画はどうなのよ?
「言えるわけないじゃない(笑)。
ただ、どっちでもないけどね」

----なんか、今日のお話は<映画>になっていないなあ。
「おっ、鋭い。気づいたか。
じゃあ、話を映画よりに戻そう。
こういう前知識なしに観ていて
ぼくが思い出したのは
デヴィッド・クローネンバーグ『ザ・フライ』」

----ま、また、とんでもない映画を…。
「映画では、ちせが敵を殺してしまった現場をシュウジが目撃。
彼は恐れおののき、ちせへの愛情が引いてゆく。
一緒に戦っている自衛隊内にも
彼女を怪物のように観ている者もいるくらいだから、
平和な暮らしを送っている彼のショックは仕方ない。
しかし、その葛藤の後、シュウジの中にちせへの
本当の愛が目覚めてくる。
しかし、彼女の体はどんどん進化してゆく」

----ニャるほど。
人が人を愛する基準とは?……だニャ。
目の前にいるその人が、
人間の体ではなくなってもあなたは彼女を愛せるのか…?
ん、これは「きみに読む物語」
『私の頭の中の消しゴム』にも通じるテーマだね。
「そう言うこと。
その2本の映画では、相手が自分を認識しなくなるわけだけど、
同様の問題は、記憶だけではなく、他のケースでも起こりうる。
病気で人格が変わってしまったりとか、
事故で美しい容貌が損なわれたりとか…。
『ザ・フライ』や『最終兵器彼女』は極端だけど
『愛と死を見つめて』なんかもそうだね」

----ニャるほど。分かってきた気がする。
「映画としてはテンポがゆるくて、
間延びしていた気もするけど、
これはもしかしたら原作のテイストにあわせているのかも。
自分が『最彼』ファンじゃないから、
断定はできないけどね。
あ、あと東映アニメーションが参加しているからか
CGシーンは、あの那須監督の遺作にそっくりだよ。
特に廃墟の感じとかね」

        (byえいwithフォーン)

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猫ニュー

『エミリー・ローズ』

2006-01-14 10:54:19 | 新作映画
----「この映画はホラーではない。実話である」……
これどういうこと?ホラーじゃニャいの?
「うん。ぼくも以前、だれかにそう言ったら、
『いや、宗教をめぐる法廷サスペンスです』と返されて
『えっ?』と思ったことがある。
そのため、これはキツい映画かな、と思って身構えていたんだけど…。
やはりオカルト・ホラーでもあったね。
原題も『THE EXORCIZM OF EMILY ROSE』だし、
テーマは深遠でも、キリスト教に縁遠い我々から見ると
ホラーに映るのは仕方ないかもね」

----そのタイトルからすると、
エミリーと言う女性から悪魔祓いをする話なのかニャ?
「そう。エミリーという女性が悪魔に取り憑かれて、
ムーア神父(トム・ウィルキンソン)がエクソシズム、
つまり悪魔祓いの儀式を行うんだけど、
失敗して結局は死んでしまう。
しかもその途中、
神父はエミリーに薬を与えることを止めたことから、
過失致死罪で起訴され、法廷で裁かれることになってしまう。
そこで敏腕弁護士エリン(ローラ・リニー)が弁護に当たる。
エリンの上司はカールは、
大切な顧客であるカトリック教会の意向を汲んで
神父に証言をさせないよう彼女に命じる。
しかし神父は、自分はエミリーについて何が起こったかを
彼女のために法廷で証言したいと、
自らの信念を貫こうとする…」

----ニャるほど。法廷サスペンスだ。
でも『エクソシスト』のような怖いシーンはあるんでしょ?
「もちろん。
スパイダー・ウォークとまではいかないけど、
取り憑かれたエミリーの異様な姿がかなり丁寧に描き込まれる。
ただ、効果音を大きくしたり、
エミリーから見える人の顔が化け物風だったりと、
このあたりの恐怖描写は、ジャパニーズ・ホラーを見慣れた後では、
あまり新味はなかったね。
そうそう、この映画で悪魔が現れるのは
夜中の3時が多いと言うことが分かった」

----えっ、なぜ?
「一つは<三位一体>を否定するため。
そしてもう一つがキリストが死んだ午後3時の
ちょうど反対の時間だからと言うことらしい」

----だから、昨夜は珍しく夜中に起きなかったんだ(笑)。
「・…………・」
----ごめんごめん。
でも、こういう話聞くと、
いつも不思議に思うんだけど、
なぜ取り憑かれる人とそうでない人がいるの?
「取り憑かれるのは感覚過敏症の人に多いらしい」
----ふうん。でもなぜ神は彼女を助けないの?
「それこそがこの映画の重要なテーマ。
全米初登場でNo.1を獲得した理由も
その辺りにあるかも。
あっ、それと裁判の行方も、ちょっと驚くかもね…」

          (byえいwithフォーン)

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※画像はフランス・オフィシャルのwallpaperより

『ナルニア国物語 第1章・ライオンと魔女』

2006-01-12 19:23:55 | 新作映画
----この映画のこと、すごく心配していたよね。
予告編とかだと、戦いのシーンなどスゴそうだったけど…。
「そこなんだ。もっとも不安だったのは…。
思うにこの映画の不幸は『ロード・オブ・ザ・リング』が
すでに映画化され、
しかも高い評価を受けた後に
生まれてきたことにある気がする。
『ナルニア国物語』の原作ファンだったら
まずそんなことはないと思うけど
もしも『ロード~』と比較されてしまったらやりにくい」

----でもよく世界3大ファンタジー文学として
この2作と「ゲド戦記」があげられているよね。
「それはそうなんだけど…。
『ナルニア国物語』って、
『指輪物語』に比べてファンタジー色が濃い。
しかもそれは子供を意識したファンタジー。
ビーバーや狼、狐が喋ったりするわけだから、
下手すると安っぽくなる恐れがある。
だからと言って、リアリスティックにやってしまうと、
それはそれで原作の持つイメージが損なわれてしまう」

----そう言えば、以前BBCで放映された作品を
DVDで観ていたよね。
「あれは作られたのが1989年。
テレビ映画だったこともありSFXもチープだった。
ビーバーなんか着ぐるみだったからね。
でもその手作り感が、
この物語の世界観に意外とあっている部分もある。
と言うのもこの物語は主人公が4人の子供たち。
彼らが白い魔女に支配されたナルニアに行って
サンタクロースからプレゼントされた武器を手に、
伝説の王アスラン(ライオン)たちと共に戦う。
簡単に言えばこういうものなんだ」

-----ニャるほど。
確かに深い思想性に満ちた『指輪物語』とは違うや。
こちらは分かりやすい善と悪の戦い。
子供たちにはとっつきやすそうだね。
「実を言うと、
トールキンの『指輪物語』は
その昔、何度も読もうと思っては断念。
ぼくはまだ読んでないんだ。
緻密に書かれている分、ボリュームもスゴいしね。
でもこの『ナルニア国物語』(原作)は
すぐにハマってしまった。
それは監督のアンドリュー・アダムソンが言うように、
『たくさんのことを読者の想像力に託した』からかも知れないね」

----『ハリポタ』とも違うの?
あれも子供たちが主人公だけど…。
「う~ん。あんなにダークじゃないしね。
『ナルニア(ライオンと魔女)』で描かれるのは兄弟姉妹4人の関係。
末の妹が喋る空想としか思えないようなお話に、
兄や姉はどう接するのが正しいのか?
また、弟が適切でない対応をしたときに
長兄はどう収めればいいのか?
映画の冒頭ではこのあたりがかなり重きを置いて描かれる。
そういう意味では教訓的意味を含んだ物語とも言えるね」

----そうか。ところでこれ第一章となっているけど?
「この原作『ナルニア国物語』は全7話。
<年代記>として書かれているんだ。
どの話(年代)も決まってこの世界の少年少女が
衣装だんすの中や絵画の中からナルニアへ旅をする。
ところが、この世界とナルニアでは時間の流れ方が違っていて
こちらでは先の時代に生まれた少年たちが
ナルニアでは後の年代で活躍したりするんだ。

こちらでは違う時代の少年少女が
ナルニアでは一緒になったりするんだ。
ナルニア国が生まれるエピソードは
6番目に書かれた『魔術師のおい』に出てくる」

----えっ、『ライオンと魔女』が“始まり”じゃニャいの?
「そうなんだね。
この『ライオンと魔女』で森の中の街灯が出てくるけど、
なぜその街灯がそこにあるかも
6冊目で初めて分かる仕組みになっている。
そういう意味ではこの映画に日本で<第1章>と付けたのは、
少し混乱を招くんじゃないかな。
それと個人的にはこの『ライオンと魔女』は
それほど好きなエピソードじゃないんだ。
あっ、でもフォーンにはちょうどいいかも」

----えっ、それどういうこと?
「だって、この映画にはフォーンがたくさん登場。
なかでもタムナスさんは大活躍」

----えっ、猫ちゃんが出てくるの?????
「出ないよ(笑)。
アスランは魔女に<大猫>呼ばわりされるけどね」

----どういうことだろう?
気になって、今夜は眠れそうにないや。
        (byえいwithフォーン)

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猫ニュー


※画像はイギリス・オフィシャルのwallpaperより。
※抹消線部分は私の勘違い。ももママさんのご指摘です。
ありがとうございました。

『燃ゆるとき THE EXCELLENT COMPANY』

2006-01-10 19:09:22 | 新作映画
「『守りたいんだ!信じてくれた人たちを…。』」
----おっ、リキ入ってるニャ。
これ、なんの映画?
「経済小説の名手・高杉良のベストセラーの映画化。
東洋水産のアメリカ進出がモデルになっているらしい」

----高杉良って前にも映画化されたよね?
「うん。『金融腐蝕列島[呪縛]』ね。
あれは原田監督のハリウッド仕込みとも言うべき凝った映像が話題に。
これまでにはなかった<経済エンターテイメント>として
いつもは映画館に足を運ばない人をも集め大ヒット。
今回も東映はその線を狙っているんじゃないかな。
『男たちの大和 YAMATO』の次にこれをもってきたことを見ても
ある程度の高い年齢の観客層を意識していることが窺われる」

----あっ、だからキャッチコピーにも
“守る”が入っているのか…。
確か『男たちの大和』のコピーが…。
「『もう会えない君を、守る』。」
----で、この『燃ゆるとき』も
いわゆるハリウッド・エンターテイメントになっているの?
「いや、意外にオーソドックスな作りだったね。
まずオープニングショットが
『冗談だろ?』と思わせるほど平板な作り。
社長他重役数人が正面を向いてのバストショット。
まったく緊張感のない映像の中、
しかしそこで語られるのはアメリカにおける自社の危機的状況。
でも、これも一種の計算かなと言う気がしたね。
トップは慌てず騒がず、
実際にコトに当たって活躍するのは企業戦士たち…」

----ふうん。具体的にはどんな事件が起こるの?
「じゃあ、簡単にストーリーを。
即席麺を主力商品とする大企業に成長した東輝水産は
アメリカ大陸にも進出。
しかし、アメリカでのカップ麺の売り上げは、
安価なアジア企業に押され頭打ち。
そこで工場の再生の切り札として
資材担当の営業マン・川森潔(中井貴一)が送り込まれる。
現地従業員の一時的なレイオフ。大幅なコストカット。
そして工場のスピードアップ化や新規オイルの導入を果たし、
アメリカ人の嗜好に合う新たな安くておいしいカップ麺を開発する…」

----ニャんだ。あまり新味がないなあ。
でも、事実なんだから仕方ないか?
「いやいや、そうでもないよ。
この映画は、日本の企業がどのような形で
狙われるかを分かりやすく教えてくれる」

----狙うって、買収とかのこと?
「うん。しかもその手口が凄まじい。
セクハラをでっち上げたり、
ユニオンを結成したり。
つまり企業の価値を下げることで
安価で乗っ取ろうと言うわけだ。
映画はその中で翻弄されながらも活路を見出す川森の姿を描くことで、
東輝水産という日本企業の特殊性を浮きぼりにする」

----主題歌も小田和正だし、
これはやはり企業でがんばる
お父さんたちの応援歌ってことかニャ?
「うん、そうだね。
しかしそれにしても
ひと昔前と比べて
企業が好意的に描かれるようになったものだ。
ここで語られるのは社員と経営者の信頼関係が
働く者の<生活>にどういう影響を与えるのかと言うこと。
労使対決なんて、いつの時代の話って感じ。
まずは自分の働く場所を確保するために
従業員も共に会社を守ろうと言う、
これはまさにいまの時代を象徴した映画だね」

        (byえいwithフォーン)

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2005年ベスト10 B面(「これは楽しめた編」)

2006-01-05 19:13:23 | 映画
----あれっ。もうB面、発表しちゃうの?
「うん。三が日のうちにと思っていたけど、
さすがにそれは難しかった。で、せめて松の内に(笑)」

----「このセレクトは“おススメはしにくいけど、でもぼくはこれが好き”」
だったよね。
「そう。いわば<裏>ベスト10。
最後まで、時間を忘れて観ていたと言うのがポイント。



●その無視はないんじゃないの?
『アビエイター』

(one comment)これってディカプリオ版『ジャイアンツ』と
思ったんだけどなあ。
そう言えばリドリー・スコット『キングダム・オブ・ヘブン』
だれも何も言わなくなりました。


●大好きな60~70年代テイスト
『フライト・オブ・フェニックス』

(one comment)まだSFXなんて言葉が普及していなかったあの頃。
アクションは映画の華でした。
『フォー・ブラザーズ 狼たちの誓い』のアクションもゾクゾク。
ホラーだと『蝋人形の館』
コメディだと『ディック&ジェーン/復讐は最高!』あたりがその匂い。
みんな大好きです。


●映像テクニックに酔った作品
『シン・シティ』

(one comment)これこそ今の時代の映画なんでしょうね。
そう言えば、これもだれも何も言わなくなったけど
『コンスタンティン』なんてのもありました(笑)。


●もっとも涙した映画
『Shall we Dance?/シャル・ウィ・ダンス?』

(one comment)涙もろいので、暗闇の中、すぐ涙ぽろぽろ。
『HINOKIO(ヒノキオ)』 『狼少女』 『ALWAYS 三丁目の夕日』
あっ、ルール違反だけど「いぬのえいが」もヤバかった。
日本映画が多いなあ。やはり子供と動物には弱いです。


●もっとも胸に刺さった青春映画
『マルチュク青春通り』

(one comment)男の失恋映画、最近はなかなかないですね。
ハン・ガインを見つめるクォン・サンウの目がたまりません。
女性版『スタンド・バイ・ミー』と言われた
『旅するジーンズと16歳の夏』も忘れられない一本。
あっ、『サイドウェイ』も遅れてきた青春映画と言えるかも。


●もっともゾクゾクしたエロス
『秘密のかけら』

(one comment)エロチック・サスペンスならぬエロチック・ミステリー。
イスラム社会との融和をさぐった二本の映画
サリー・ポッター『愛をつづる詩』 ケン・ローチ『やさしくキスをして』
その重いテーマとは別にかなりエロチック。
アトム・エゴヤンはもちろん、鬼才たちが作ると、そのエロスも濃いです。


●もっとも想像とは違っていた映画
『スパングリッシュ 太陽の国から来たママのこと』

(one comment)邦題から想像するのは、希望に満ちあふれた母と子の映画。
でもその実…。
そうそう『大いなる休暇』
タイトルやメインビジュアルから受けた印象とは違って、
けっこうヒネリが…。


●もっとも心やさしくなれた映画
『50回目のファースト・キス』

(one comment)このラストに驚かなかった人は、まずいないでしょう。
そう言えば『ビフォア・サンセット』も観ている間、頬が緩んでいました。
(ただしハラハラしながらですが…)。


●もっとも腹を抱えた映画
『ドッジボール』
(one comment)よく「女を捨てている」という言葉がありますが、
この映画のベン・スティラーは「スターであること」を捨てています(笑)。



※これは番外特別編

●もっとも度肝抜かれたオープニング
『ブレイキング・ニュース』
(one comment)7分間、クレーン&スレディカムのワンショット。
これはほとんど神業に近いです。

●もっとも鮮烈だったラストシーン
『ディア・ウェンディ』
(one comment)まさかラストであの曲が流れるなんて!?

●もっとも余韻のあるラストシーン
『蝉しぐれ』

●もっとも恐るべき子供たち
「カナリア」 『ある子供』

●もっとも体を張っていた映画
『7人のマッハ!!!!!!!』

----結局、10本には絞れなかったわけだニャ(笑)。
「ごめんなさい」A面(ベスト10「これはいいよ編」)もよろしく

               (byえいwithフォーン)

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