ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

『ヒミズ』

2011-11-29 23:11:32 | 新作映画

----この映画、観る前からかなり期待していた映画だよね。
「うん。でも最初は違ったんだ。
このニュースに触れたのは
まだ、園子音監督の前作『恋の罪』
東電OL殺人事件をモチーフにしたと話題になっていた頃。
いまじゃや、“東電”のトの字も出ないけどね。
ところが次が青春映画っぽい題材。
なんか、『愛のむきだし』の後の『ちゃんと伝える 』みたいな気がしていたんだ。
ところが、それに前後して3.11が起こる。
その頃から、漏れ伝わってくるのは、
監督が発する『東日本大震災以降の日本は、不安定であることを前提に』とか
『現地に行って希望の力に負けた』などの言葉。
つまり、この映画は、撮影準備中に3.11が起こったことで
設定を“震災後の日本”に変更し、脚本を書き直しているんだ。
ぼくは、そのことにまず敬意を表する。
『僕たちはもはや『ブレードランナー』のようなSFの世界に住んでいる』
これはけだし名言。
その自覚を持つか否か?」

----日本に住む監督を試すリトマス紙ということかニャ。
「そう。これも監督の言葉を借りれば
『ぼくらは終りなき非日常に突入した』
この、3.11以前とはまったく違う空気を
どう映画に取り込むか?
それを最初にやったのが、園子温というところが興味深い」

----そこを詳しく…。
「だって、前作『恋の罪』を観たら、
この映画のラストがこんなことになるなんて
いったい誰が想像しただろう?
これまで、闇の引力を描いてきた監督だけに、
このラストは実に強烈」

----やはり、映画は続けて観なくては…ということかニャ?
「うん。一本で決めつけちゃいけない。
ぼくだって、この監督、
『自殺サークル』を観たときは、なんだこれ?って思っていたモノ。
『エクステ』あたりから、その評価は変わっていったんだけどね。
さて、ラストばかり言ってもしょうがない。
この映画の主人公・住田祐一(染谷将太)。
借金を作り蒸発した父、中年男と駆け落ちした母親という悲惨な状況の中、
彼の願いは“普通”の大人になること。
震災を経験した彼らを励まそうとする教師の
『君たちは世界でたった一つの花』という言葉も冷ややかに見ている。
その彼を慕うのが茶沢景子(二階堂ふみ)。
そして、将太の周りには震災で家をなくした人々が
掘立小屋の生活を送っている。
このビジュアルがまるでクストリッツア『黒猫・白猫』を思わせる。
そして川の中に沈みかかっている廃屋はどこかタルコフスキー。
これだけでも、映像は危うさををはらみ、
3.11との断絶を強く感じさせずにはおかない」

----そういえば、染谷将太と二階堂ふみって
ヴェネチア国際映画祭で最優秀新人賞をW 受賞したんだよね。
「そう、どんな演技かなと思ったら、なるほど納得?
『指輪をはめたい』では、
ただきれいな人として見つめる対象にすぎなかった
二階堂ふみが、ここまで血の通った役を演じるとは…?
さて、最後になったけど、
園子温、今回もオープニングが見せてくれる。
そしてそれに続く、震災の風景。
ここで使われる効果音が身震いモノ。
これは、“今も続いている恐怖”を
改めて教えてくれるきわめて挑発的な映画だね」







                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「これは本来なら今年公開されるべき映画なのニャ」ぱっちり

※この衝撃はいつまでも忘れられない度

コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー
コメント (9)   トラックバック (27)

『ドライヴ』

2011-11-26 23:37:37 | 新作映画
(原題:Drive)



「たまに使う言葉を使わせてもらうけど、
これはほんとうの“拾いもの”。
いまのアメリカ映画にこんなアクションが作れるとは…!?
途中で、もしかしてこれオリジナルは韓国映画?なんて考えが
頭をよぎったほど…」

----それはまた過激な言い方だニャあ。
これって、確かカンヌ国際映画祭で監督賞を取った作品でしょ?
「いやあ。
恥ずかしながら
ぼくは観終わるまでその事実を知らなかったんだ。
ただ、いま人気のライアン・ゴズリング主演の映画だとしか…。
しかも、このライアン・ゴズリングってのが、
これまで“やさ男”のイメージしかないものだから、
たいした期待もせずに…(汗)。
ところがふたを開けてみると、
まあ、彼がハンフリー・ボガート並にストイックでダンディ。
と言っても分からないと思うから少し説明すると、
この映画での彼は、
整備工場で働きながら
そのドライヴ・テクを飼われて映画のスタントマンもバイトでやっているという設定。
しかし、そんな彼にはもう一つの顔がある。
実は裏社会との繋がりを持ち、
強盗を車で逃がす仕事を請け負っているんだね。
そこにはちょっとしたルールがあって、
まずその強盗自体に、彼は加わらない、
5分以上は待たない…など。
そんな彼がアパートの隣室に暮らす子持ちの女性アイリーンとエレベーターで出会い、
恋に落ちる。
このアイリーンを演じているのが、なんとキャリー・マリガン

----へぇ~っ。あの、あどけない顔で、
夫ばかりか子どもまでいる役ニャの?
「そう、ちょっとビックリ。
さて、彼女の夫スタンダード(オスカー・アイザック)はいまムショ暮らし。
普通だったら、ここでふたりの関係性が発展して
物語は、それを軸に展開しそうなものだけど、
まったくそうはならない。
それどころか、このドライバーは、
スタンダードの窮地を救うべく立ちまわるんだ」

----ニャにをするの?
「う~ん。そこを言うと、
物語の軸を話してしまうことになるからなあ。
ということで見どころの方に…。
この映画、最初の強盗と逃走においては、
派手なカーアクションは皆無。
このドライバーが、いかに巧く
現場から消えるかを見せる」

----ニャるほど。
派手な立ち回りを演じると、
目を付けられちゃうものね。
でも、そんな静かなままじゃ
いまの映画ファンは退屈しちゃうよ。
「うん。
そこで、この監督
ニコラス・ウインディング・レフン
スタイリッシュな映像と
サム・ペキンパーばりの過激なバイオレンスによって
映画にさらなる見どころを付加していく。
スタイリッシュと言っても、
何もカメラワークが凝っているとか、
そういうことじゃない。
時制がどちらにあるのか分からない
不思議な語り口を映画の中で見せていくんだ」

----う~ん。意味分からないニャあ。
「じゃあ、簡単に説明を。
この映画、カットバックが多用されているんだけど、
主となっているのがどちらの方なのか、
ちょっと見には分からないんだ。
時制的に後の方が現在となると、
前のシーンは回想になるし、
逆に前の方が現在だったら、
後のシーンは主人公の願望、あるいは予測となる。
これを、
それみよがしにやらないところが
またカッコいいんだ。
あるいは、ドライバー、アイリーンと
彼を狙う殺し屋が乗り合わせた緊迫のシーンで
なぜかライティングが明るく、
しかもスローモーションとなって
ふたりの初めてのキスが行われる。
あっ、これは話しすぎたかな…。
と、まあ、見どころは本当に豊富」

----へぇ~っ。
フォーンも観たくなってきたニャあ。
いつ公開ニャの?
「実はこれも、後で知ったことだけど、
来年の3月31日。
その頃には、スゴい話題になっている気がするなあ」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「残酷なシーンも多いらしいのニャ」小首ニャ


※あれは、ちょっとやりすぎだ度

コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

画像はオフィシャル(壁紙ダウンロードサイト)より。

コメント (10)   トラックバック (27)

『デビルズ・ダブル-ある影武者の物語-』

2011-11-23 18:39:29 | 新作映画
(原題:The Devil's Double)



----これって、どういう意味?
『ボディ・ダブル』なら聞いたことあるけど…。
「うん。『ボディ・ダブル』はブライアン・デ・パルマ監督の映画のタイトルにもなったからね。
その意味は、“代役”。
映画では、ヌードシーンやスタントシーンなど、
俳優本人が演じにくいときに他の人がその代わりを務める。
さて、この作品の場合は
副題にもあるように、
ある有名人の“影武者”。
代役を務める人自身が主人公となっている。
洋の東西を問わず、
命が狙われるような立場にある権力者は、
昔からこの“影武者”を使ってきた」

----だけど、これ“デビル”ってなっている。
悪魔の代役ってどういうこと?
「(笑)。
悪魔というのは、あくまでも(あっ、ダジャレ)比喩。
これはね、サダム・フセインの息子の影武者なんだ。
ウダイ・フセインという名の彼は、
自分と顔が似ている、かつての同級生ラティフを
影武者に仕立て上げる。
ところがこのウダイ、
“狂気の申し子”“ブラック・プリンセス”と呼ばれたほどの悪の権化。
莫大な資産と権力を元手に、
連日連夜、パーティで遊び呆けている。
しかも、気に入らないことがあれば、
すぐ頭に血が上って、
ところかまわず相手を傷つける蛮行に及ぶ。
そればかりか、
街で気に入った女性を見かけると、
相手がまだ年端が行かなくても
自分の車に乗せてモノにしてしまう」

----酷いニャあ。
そんな人の代役なんて、絶対断りたいよね。
「うん。できるものならね。
でも、そうもできない事情があるんだ。
影武者として指名されたラティフはウダイとは正反対の性格。
できることなら逃げだしたいけど、
そうすると家族に害が及ぶ。
このあたり、どこぞの独裁国と似ているね。
ところが、
結婚式中の女性までモノにするなど、
ウダイの欲望と狂気はとどまることを知らない。
そんな中、彼の最もお気に入りの女性サラブと
危ない関係になってしまったウダイは、
自らの命と引き換えに息子を救おうとする父の忠告で
ついに、国を飛び出すが…」

----スゴい話だニャあ。
フセインというのは実在の人だけど、
これって実話ニャの?
「どうも、そうらしいね。
原作者で、実際にウダイ・フセインの影武者を務めたラティフ・ヤヒア氏本人が
11月27日~29日にかけて来日することになっているからね。
ただ、ウダイの愛人で、ラティフの禁断の恋の相手でもあるサラブの件はどうなんだろう。
これって、あまりにも危なすぎる。
いくら、ふたりが似たような境遇(逃げ出せない。でもう大のお気に入り)にいるからって、
ウダイの狂気をそばで見聞きしていたら、
とても怖くって手が出せないはず。
もしかして、映画用に脚色したのかもね」

----でも、それって
この映画においてはマイナスにはならないんでしょ?
「うん。
これはなにも
悪を告発したり権力は腐敗するものだ…ということを
声高に言うような映画じゃない。
監督が『007/ダイ・アナザー・デイ』リー・タマホリ
アクションもたっぷりに織り込んだ
エンターテイメントの要素が強い。
もし、これを史実通りにすべて鵜呑みにしちゃうと、
『ほら、ブッシュの判断は正しかった』と、
アメリカの保守派を喜ばせるだけ。
さて、その“フィクションありき”を前提でこの映画を観ると、
本作最大の見どころは
ウダイとラティフ、正反対のキャラを演じたドミニク・クーパー。
ぼくなんか、途中まで、それぞれ別の俳優が
ふたりを演じていると思ったほど。
ドミニク自身も
このウダイを嫌悪し、理解できる要素はなかったと語る。
ところがスクリーンの前のウダイは喜々として
暴君の限りを尽くしている。
まあ、こういうケレン味たっぷりの演技は
評価されにくいのが常だけど、
ぼくはオスカーの主演男優賞候補に推したいくらいだったね」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「だからポスターもゴールド、金まみれニャんだ」ちょっと怒るニャ


※けっこう引き込まれる度

コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー
コメント (2)   トラックバック (17)

『宇宙人ポール』

2011-11-19 23:23:58 | 新作映画
(原題:PAUL)


「いやあ。これは聞きしに勝るオモシロさ。
70年代SF、とりわけ『未知との遭遇』に心を奪われた人は必見の作品だね。
冒頭から、あの映画そっくりの風景が、そのまんまの雰囲気で出てくるし、
しかも今年公開された『SUPER8 スーパーエイト』と同じくブルーを基調に、
カメラは煽り気味で人物を捉える。
それ以後も、『未知との遭遇』のワンシーンがジオラマで再現されたり、
なんとスピルバーグ御大まで本人役でカメオ出演。
宇宙人ポールを相手に
『E.T.』のアイデアを生み出すというのだから、
ファンにはたまらない」

----ニャるほど。
SFへのオマージュってワケだニャ。
でも、ストーリーくらい
簡単に教えてよ。
「アメリカで行われているコミックの祭典『コミコン』に出席した
SFオタクのイギリス人青年、クライブ(ニック・フロスト)とグレアム(サイモン・ペッグ)。
二人は、アメリカ中西部のUFOスポットを巡る旅を楽しんでいた。
その途中、彼らは、ネバダ州の『エリア51』でポールと名乗る宇宙人と遭遇。
お人好しで根アカのこの宇宙人、地球に事故で不時着して以降、
政府にあれやこれやと情報提供。
しかし、これ以上、教えることがなくなった今、
残っているのは、人間には身についていない超能力の秘密。
自分が解剖されるということを知ったポールは、
これはたまらぬと逃げ出したってワケ。
その事情を知ったクライブとグレアムは、
彼を生まれ故郷の星に返すべく
謎の組織の追跡を交わし、目的地へ急ぐ…と、
まあ、こういうお話」

----分かりやすいニャあ。
で、その目的地って…。
「ポールの言葉じゃないけど、
これは“見てみれば分かる”(笑)。
ヒントは、ぼくも一度は行ってみたい
映画史上の有名な場所。
さて、この映画、
『ホット・ファズ ー俺たちスーパーポリスメン!ー』の迷コンビ、
サイモン・ペッグとニック・フロストが主演と脚本を務めているだけあって、
シンプルなストーリーとは裏腹に、
ディテールで笑わせ、泣かせ、しんみりさせる。
笑わせるのは、まず、映画の引用部分。
それはSFだけではなく
たとえば『イージーライダー』の焚き火シーンから
『ブラインド・フューリー』『ダーティハリー』に至るまで多岐にわたる。
一方の泣かせるシーン。
これも
『未知との遭遇』を観ていると想像つくと思うよ」

----ニャるほど。
悲喜劇両方ってワケだニャ
でも、しんみりというのが想像つかないニャあ…。
「これはね。
クライブとグレアムのホモではないけど、
ふたりの深い友情にある。
クライブよりも先にグレアムがポールと仲よくというか、
彼のことをいろいろ知り、
しかも道すがら、グレアムにはルースという恋人(クリスティン・ウィグ)までできちゃう。
そこから生まれる嫉妬。
もとよりお笑い系で明るい二人組だけに、
これが、映画に微妙な影を落とすというか、
ペーソスを加えるんだ。
さて、このルースが敬虔なクリスチャン。
彼女を連れていくことになったことから
その父親モーゼス(ジョン・キャロル・リンチ)まで猟銃片手に追跡に加わっちゃう。
そうそう、追跡と言えばゾイル(ジェイソン・ペイトマン)なる政府の捜査官に、
いいように使われているハガード(ビル・へイダー)と
オライリー(ジョー・ロートルグリオ)の新米捜査官も笑わせてくれる」

----あんまり馴染みのない俳優ばかりだニャあ。
「確かに。
でも、最後にはエイリアンSF映画には欠かせない大物女優が満を持して登場。
ポールの声はセス・ローゲンだし、
これは本当に楽しめる映画。
ポールのキャラに好き嫌いはあるかもしれないけど、
観ているうちに、
そのアクの強さも可愛らしさに代ること間違いなし。
観た後にSFファンといろいろ語り合いたい、
そういう手合いの映画だね」。




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「よーく目を凝らして観るのニャ」ぱっちり

※手元に置いて何度も繰り返し観てみたくなる度

コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー
コメント (10)   トラックバック (39)

『灼熱の魂』

2011-11-17 12:21:48 | 新作映画
(原題:Incendies)



----これは、スゴく
評判の高い作品だよね。
画像を観ていると、とてもカナダ・フランス製作には見えないけど…。
「そうだね。
タイトルもタイトルだし、
土っぽい感じがして
観る前は少し身構えたんだけど、
いやあ、これは壮絶なお話。
物語はこういうもの。
母親ナワル(ルブナ・アザバル)の遺言で
自分たちの父親と、
それまでその存在さえ知らなかった兄に手紙を渡すべく、
双子の姉弟ジャンヌ(メリッサ・デゾルモー=プーラン)とシモン(マキシム・ゴーデット)は、
母親の生まれ故郷である、とある中東の国へ向う。
そこで、ふたりは
想像もしなかった母親の過酷な人生と、
そして衝撃の事実に向かい合うことになる」

----へぇ~っ。
そうやって聞くと、
なんてことないように思えるけど…。
「う~ん。
でも、そこで描かれる、そのふたつのことが、
あまりにも想像を絶するからね。
で、先に話を進めると、
この映画は、双子が住む現在と母親の時代を交互に描きながら
クライマックスへとたどり着く手法を取る」

----そこが映画的ってわけ?
「うん。
これって
レバノン出身の劇作家ワジ・ムアワッドの原作を映画化したらしいんだけど、
その元の芝居ってどうなっているんだろう?
空間の広がりと時間の構成、
そして、その事実が分かる時のキャメラ・アイなどを考えると、
映画用に書かれたとしか思えないほど、
映画として見せてくれるんだ。
その吸引力たるや、まずは観てみるべしだね。
もとより、原作ものだから、
この映画のストーリーを語っても
それは映画を語ることにはならない。
いったい、どのように映画として再構築したのか?
久しぶりにオリジナルの芝居を観たくなった映画だったね」


                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ほんとうに、衝撃的な話らしいのニャ」悲しい

※監督は『渦』ドゥニ・ヴィルヌーヴだ度

コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー



コメント (8)   トラックバック (16)

『風にそよぐ草』

2011-11-14 22:17:27 | 新作映画

(原題:Les herbes folles)




----アラン・レネって、フランスのヌーヴェル・ヴァーグの監督だよね?
「うん。
それもセーヌ左岸派
アンリ・コルピ、アニュエス・ヴァルダ、クリス・マルケルなんかもそうじゃなかったかな。
彼らは、ぼくの勝手なイメージで
ゴダールやトリュフォー、シャブロルカイエ派よりも
知的なイメージを抱いていた。
というのも、このアラン・レネ『去年マリエンバートで』を筆頭に、
理知的で難解な映画を作っていたから。
ところが、今回、この『風にそよぐ草』を観て、もうビックリ。
しなやかで、したたか」

----へぇ~っ。どういう映画ニャの?
「物語自体は、
一言で言えるほど単純。
ある“偶然”によって、
初老の男が見知らぬ女性に恋焦がれてしまうというもの」

----どうして、見知らぬ女性を好きになれるの?
「うん。それがいま言った“偶然”。
じゃあ、簡単に物語を…。
歯科医のマルグリット(サビーヌ・アゼマ)は、
靴を買った帰りに引ったくりに遭い、
財布ごとバッグを持ちされれてしまう。
その財布を拾ったのがジョルジュ(アンドレ・デュソリエ)。
中に入っていたマルグリットの小型飛行操縦免許の写真を見た彼は、
心の中の何かが弾け、
ついにはストーカーまがいの行動に出る…」

----どうして彼は理性を失ったの?
「う~ん。
もとより、自分も飛行機を操縦することが夢だったから…。
なあんて、そんな言い方もできはするけど、
実のところは、はっきりとは分からないというのが正解であって、
また、それこそがこの映画の魅力だろうね。
恋の炎が燃えるのに理由はないわけだし…。
この映画は、その“恋=不条理”を前提に描いているからオモシロい。
つまり、何がどう転がっていくのか、
一寸先がまったく読めないんだ。
これは、誰しも経験あるかもしれないけど、
いったん恋してしまうと、そこではすべてが混乱してしまう」

----でも、ジョルジュの場合は大人でしょ?
「うん。
でもこの映画では、
大人はそれ(恋の炎)を理性で抑えるもの…などという理論はまったく通用しない。
ある意味、恋愛至上主義。
そういう意味では、トリュフォーの映画に通じるところもある。
たとえば『柔らかい肌』、あるいは『私のように美しい娘』『隣の女』
ディテールを説明すると、
この映画を観る楽しみを奪うことになるから割愛するけど、
ジョルジュは、次々と常識では考えられないような言動を取り、
しかもまったく悪びれるところがない。
それは、ぼくらから観ると、とてもおかしな行動なんだけど、
本人は微塵もそうは思っていないんだね。
で、映画は、その彼の異常な言動を
まるで初恋を描くかのように、
瑞々しいタッチで追っていくんだ。
ときに、彼の心の中が同じ画面の片隅に写されるかと思えば、
丁寧にナレーションまで入ってくる。
こういう、決まった枠に捕われない柔軟さも
トリュフォーを思い出させるところだね」

----へぇ~っ。
でも、最後はどうなるんだろう?
「これもまったく予想だにしなかった展開。
しかし、後でヌーヴェルヴァーグの諸作を思い出してみて納得。
なんて、ぼくがこれ以上喋るより、まあ、とにかく観てみてよ。
ほんと、これはファン心理をくすぐらずにはおかない映画だから…」


                    (byえいwithフォーン)



フォーンの一言「90歳近い監督とは思えないのニャ」身を乗り出す

※まさか、アラン・レネ映画に20世紀フォックス・ファンファーレが出てくるとは思いもしなかった度

コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

画像はフランス・オフィシャル・ギャラリー、及びイタリア版ポスターより。
コメント   トラックバック (4)

『サヨナラから始まること-DODA 』

2011-11-10 22:48:33 | Weblog
けっこう、胸にくるものが…。
ということで、とりあえず、ご紹介。
感想やフォーンの意見など、詳しくは後日。

サヨナラCOLOR
『サヨナラCOLOR』DODA


         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「人間はセンチメンタルな生き物なののニャ」悲しい




※それはそうだけ度…。


コトリ・ロゴお花屋さんもよろしく。もうすぐ新タイアップ開始です。

噂のtwitterを始めてみました。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー
コメント (2)

『タンタンの冒険・ユニコーン号の秘密』

2011-11-09 19:14:42 | 新作映画
(原題:The Adventures of Tintin : The Secret of the Unicorn)



----これは話題の大作だね。
スピルバーグが、少年と犬の冒険物語
『タンタンの冒険』を映画化したんだよね。
スピルバーグにとっては初の3Dニャんだって?
「うん。
でも正直言って、
その3Dの効果はあまり感じなかったな。
こっちがそろそろ慣れてきたのかもしれないけど、
3Dは飛び出すとかいうよりも
奥行きをしっかり出すことで、
映像をクリアにするという方に働いているって感じ。
まあ、逆に言えば、その分、目が疲れず、
自然な感じではあったけどね」

----でも、そうだとすると見どころは?
これって、原作ものだし、
物語をいろいろ言ってもしょうがないでしょ?
「うん。
ピーター・ジャクソン率いるウェタ・デジタルが絡んだことで
フルCGに切り替わったことかな」

----どういうこと?
「つまり、アニメのような、
実際にはありえないアクションが次々と飛び出すんだ。
たとえば、ぼくが苦手としている 『トランスフォーマー』
これもアクションとしては、かなりありえないもので、
それをリアルな人間が演じているから、
あまりにも嘘っぽすぎて、
その世界に入っていけない。
ところが、今回のように
俳優が演じつつも、今回のように明らかに作られた顔だと、
“それはそれ、別の世界”として、
頭を切り替えて楽しむことができる。
その中で、繰り広げられるモロッコでの
巻物をめぐるハヤブサとの争奪戦は、もうワクワクの一言」

----へぇ~っ。
ところで、この映画、
『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』との関係が囁かれているみたいだけど…?
「やっぱりそうだったんだね。
ぼくは、そのことは映画を観るまで知らなかったんだけど、
観ながら、えっ、これって『レイダース』じゃん…と思ったシーンが随所に登場。
おそらく、公開されたらその話で持ちきりになるだろうね」



         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「また、猫が災難らしいのニャ」ちょっと怒るニャ



※でも、黒猫さんじゃないけ度…。


コトリ・ロゴお花屋さんもよろしく。もうすぐ新タイアップ開始です。

噂のtwitterを始めてみました。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

画像はオフィシャル(壁紙ダウンロードサイト)より。
コメント (4)   トラックバック (33)

『マネーボール』

2011-11-08 10:00:43 | 新作映画

(原題:Moneyball)




----これって、これまでの野球映画とはまったく違うって聞いたけど…?
「う~ん。
それほど違うとは思わなかったな。
基本は同じという気がする。
野球やアメフトなどのチームで戦うスポーツ・ムービーって、
コーチが弱いチームを一つ見まとめて建て直す、
あるいは、一人のプレイヤーの成長の記録。
このふたつに分けられることが多い。
そのいずれも、物語の流れは、
弱小球団が紆余曲折ありながらも
最後は強い球団に生まれ変わるというもの。
で、この映画の場合は、
そのコーチがゼネラルマネージャーに代わっただけ」

----じゃあ、どこが新しいと言われているの?
「そのチームの立て直しに
“マネーボール理論”というのがあるから。
お金持ちの球団相手に、いい戦いを繰り広げても
結果的に、その選手は高額で相手球団に奪われてしまう。
この繰り返しだったら、
いつまでたっても弱小球団は勝てない。
ならば、どうするか?」

----ほんとだ。
それって打開策はなさそうに見えるニャ。
「そう思えてもしかたないよね。
じゃあ、
映画のストーリーを…。
かつては、鳴り物入りでニューヨーク・メッツに入団したものの、
予想に反し、低迷の日々を送り、
ついにプロ生活に終止符を打ったビリー・ビーン(ブラッド・ピット)が
この映画の主人公。
以後、スカウトマンに転身した彼は、
オークランド・アスレチックスの若きGMに。
その年も、スター選手を競合軍団、及びその巨額の年棒に奪われた彼は、
野球界の外に目を向け、
イェール大学経済学部の秀才ピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)を引き抜く。
ふたりは、これまで無視されてきたコンピュータによる統計分析を武器に、
後に“マネーボール理論”と呼ばれる
“低予算でいかに強いチームを作り上げるか”という独自の理論を展開。
“年棒が高い”“故障を抱えている”“トラブルメーカーである”といった理由で
他球団から解雇されたり、評価されていなかった選手たちを次々に集める。
分かりやすい例で言えば、出塁率の高い選手を起用。
なにはともあれ、出塁しなければ点には繋がらないわけだからね。
物語は、その前代未聞の手法に、
古いスカウトマンたちやメディア、ファンにバカにされながらも、
次第に勝ちを収めていくビリーとピーター、
そしてアスレチックスの姿を描く」

----それって、現場でも反発買うんじゃニャいの?
特に監督とか…。
「そう、そこも見どころの一つ。
アート・ハウ監督との衝突は、
フィリップ・シーモア・ホフマンの好演もあって
観る者を楽しませてくれる。
ホフマンは、この映画の監督ベネット・ミラー『カポーティ』で組み、
お互いをよく知りつくした仲。
アカデミー賞を始め、数々の男優賞を獲得している。
さて、映画のクライマックスは、
このアスレチックスが奇跡とも思える連勝を重ね、
ついに前人未到の20連勝へと王手をかける。
だが、その最後の一戦が、
これで夢はついえたかとも思えるほどの大苦戦。
事実は小説より…というけど、
このハラハラドキドキ感は、
やはり野球映画の伝統。
9回裏まで観客を引っ張っていく。
ここも、これまでの映画とはあまり違わないと感じたところ。
でも、もちろん、ぼくはそれを悪い意味で言っているんじゃない」

----うん、分かる。
野球理論は新しくても、
野球映画の作り方はオーソドックスで
逆に安心して楽しめたってことだね。


                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「最後は興奮しそうだニャ」身を乗り出す

※若き日のロバート・レッドフォード『ナチュラル』を思い出した度

コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

画像はオフィシャル・ダウンロードサイトより。
コメント (4)   トラックバック (45)

『幕末太陽傳<デジタル修復版>』

2011-11-05 23:25:39 | 新作映画
----これって、川島雄三監督が撮った、昔の日本映画だよね?
「うん。太陽族が話題なった頃に作られた。
『2009年キネマ旬報のオールタイム・ベスト映画遺産200 日本映画篇』
なんと第4位に輝いている。
ちなみに1位が『東京物語』、2位が『7人の侍』、3位が『浮雲』

----それはスゴい。
でも、この映画についてはあまり聞かなかった気がする。
「いやあ。
少なくとも映画ファンを自認するんだったら、
これくらいは観ていなければ…という作品。
ただ、そんなにも強くは言えないところも
この作品の場合にはあったんだ」

----どういうこと?
「実は、ぼくも以前はビデオでの鑑賞だったんだけど、
フィルムがあまりにも劣化。
映像が暗いだけでなく音がこもっていて、
何を喋っているのかが、よく分からない。」

----しかし、そんな状態でも4位にランクインしたってことは、
よほど、最初に観た印象が強烈だったってことだよね。
「そういうことだろうね。
この映画、冒頭から意表を突く。
物語の主要舞台は幕末。
なのに、現代(と言っても作られた当時)の品川からスタート。
古典落語の『居残り佐平次』を軸に、
『品川心中』『三枚起請』など、
さまざまな噺が一本の物語に紡ぎあげられている。
簡単に物語を説明しようか…。
品川宿の遊女屋相模屋。
そこに佐平次(フランキー堺)の一行がやってくる。
さんざ遊んだ挙句に懐は無一文。
さて、どうするかと思いきや彼は行燈部屋に籠城。
いつの間にやら、玄関へ飛び出して番頭みたいな仕事を始めるが…。
で、何がオモシロいかって、
この創作上の人物に、
幕末の著名人、たとえば高杉晋作(石原裕次郎)らが絡み、
彼らの目論む公使館焼き打ちにも、
この佐平次が一役買ってしまうところ。
佐平次はそれだけではなく、
遊女屋で起こるもめ事を次々と解決していくんだ…。
キャスティングも超豪華で、
岡田真澄、二谷英明ら、当時の新進スターから
芦川いづみ、南田洋子、左幸子といった美人女優、
そして、金子信雄、山岡久乃、西村晃、熊倉一雄、小沢昭一、殿山泰司、市村俊幸など、
実力派のベテランがずらり勢揃い。
そうそう、小林旭も出演。
彼が裕次郎と顔を合わせているのはこの映画と『錆びたナイフ』、
それに浜田光夫復帰のオールスター友情出演ムービー、『君は恋人』くらい」

----ニャるほど。
それだけでもオモシロい映画になりそう…。
「うん、ただ、
ぼくが今回喋りたいのは映画の内容よりも
日活創立100周年記念の一環として行なわれた
“デジタル修復” について。
そこでは、これまでもごもご状態だったセリフがクリアーに。
そのことによって、“観る”行為に集中ができるように。
そこで、改めて分かる
フランキー堺の天才的な演技。
なかでも、
石原裕次郎扮する高杉晋作に
“悪い咳”を指摘された時の佐平次の顔に浮かぶ
聞いてはいけないものを聞いてしまったという怯えの表情は圧巻。
映画はここから
まるで「死相」が世界を覆ったかのように一転。
その隠喩として “墓場” まで登場。
しかし、最後には…。
いやあ、ほんとうに見事な幕切れだわ」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「結局、映画の魅力を語っているのニャ」身を乗り出す

※ストレスフリーは映画にも重要。これからもこの試み、増えて欲しい度

コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー
コメント (2)   トラックバック (1)

『50/50 フィフティ・フィフティ』

2011-11-04 23:16:11 | 新作映画
(原題:50/50)


----「50/50」ってどういう意味?
「文字どおり“フィフティ・フィフティ”。
可能性は半々ってこと。
じゃあ、簡単にストーリーを…。
アダム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、酒もたばこもやらない普通の青年。
なのに、ある日、ガンを宣告されてしまう。
5年後の生存確率は50%。
映画は、以降、彼とその周囲の人々との関係を描いていく」

----ニャんだか、最近どこかで聞いたような話だニャあ。
あっ、そうだ。
『私だけのハッピー・エンディング』だ。
似たような映画が続いているよね。
確か、『ラブ&ドラッグ』も不治の病の話だったし…。
「そうだね。
でも、個人的にはこの映画がいちばん。
ただ、ジョセフ・ゴードン=レヴィットが
自ら髪にバリカンを入れているビジュアルはどうかと思うけどね。
この映画のテイストを読めなくさせてしまっている」

----あれはどういうシーン?
「ガンの治療が始まると
副作用で髪が抜けていくことが多いのは
フォーンも知っているよね。
そうなるんだったらいっそ…
ということでアダムは自らスキンヘッドに。
それを後ろで“え~っ。ほんとうにやっちゃうの?”という顔で見つめているのは、
同じ職場の同僚で親友のカイル。
演じるセス・ローゲンは、本作の製作も兼ねている」

----ユニークな顔合わせだね。
「うん。この映画の魅力の一つは、
そのキャスティングにある。
カイルは、友人アダムの身に起こった突然のできごとに
どう、接していいのか分からない。
もとより、女とヤルことしか頭にない彼は、
その姿勢(?)を崩さず、病気をネタにナンパ(汗)」

----そりゃ、また大胆な…。
「まあ、これも彼なりの思いやりってワケだね。
日常の生活を崩さず、病気を笑い飛ばす…。
そんな中、カイルは元より自分と犬猿の仲だったアダムの恋人(ブライス・ダラス・ハワード)が浮気に走る現場を目撃。、
アダムに彼女と別れるように進言する。
このエピソードは、なかなかオモシロかったね」

----へぇ~っ。じゃあ、アナ・ケンドリックの役は?
「彼女が演じるのは新米セラピストのキャサリン。
『』でも、固さの取れない新入社員を
演技とは思えない自然さで演じていたけど、
ここの役柄も、ある意味、その延長線上。
相手の気持ちを落ち着かせようと、
マニュアルどおりアダムの体に手をおいては、
逆に嫌がられてしまうなど、
天然な笑いを振りまいてくれる。
あっ、アダムの母親役にベテラン、アンジェリカ・ヒューストンというのも見逃せない。
いつもはミステリアスなイメージが強い彼女だけど、
ここでは彼女のトレードマークでもある長い黒髪をバッサリ切ってシルバーのショートに。
ごく普通に、日常の中の人を演じている」

----ニャるほど。
キャスティングだけでも映画はオモシロくニャるんだね。
「うん。
でも、ぼくがこの映画が好きな理由はそれだけじゃない。
いちばんの決め手は、その流れるような語り口。
恋人の浮気発覚、仲間の死と葬儀、手術を前に気づく親友の真意…。
これら、物語が次の段階へと移る重要なシーンの後は、
時間の経過をロングに引いた映像だけで見せ、一切の会話を排してしまう。
その代わりに用いられるのは音楽。
主人公の気持ちを作り手が声高に言うのではなく、
観る側の心に委ねていく…。
ムーディに流れすぎているという批判もあるかもしれないけど、
こういう手合いの演出、ぼくはたまらなく好きだな」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「あのビジュアルからは、どんな映画か、想像がつかなかったのニャ」小首ニャ


※ほんとうに観てよかったと言える映画だ度

コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー
コメント (2)   トラックバック (20)

『家族の庭』

2011-11-03 22:27:39 | 新作映画

(原題:Another Year)




----明後日公開の映画ってけっこう多いよね。
まだ、『1911』『ラビットホール』もあるのに、
なんでこんな地味そうな映画を…?
「うん。好き嫌いはともかくとして、
やはりマイク・リー監督の新作だし、
これは触れておかないわけにはいかない」

----好き嫌いはともかく…?
ということは絶賛ってわけじゃなさそうだニャ。
キャッチコピーが
ここに集まると、喜びは倍に悲しみは半分になる 」
ニャンだか、ハートウォーミングな映画のようだけど?
「いやいや。
それがまさかまさかの映画。
ちょっと奥歯にものの挟まったような言い方をしちゃうけど、
この映画、
キャッチコピーはおろか、
邦題からして
なぜこんな至福に満ちたものになったのか分からない。
まず“庭”はあまり出てこない。
確かに、劇中で一度、みんなで集まることもあるけど…」

----えっ、そうニャの?
日本のキー・ビジュアルでは
夫婦で庭を耕しているみたいだけど…。
「そうなんだよね。
まずそれが間違った先入観を与えてしまう。
あそこは、休みの日とかに、そこに耕しに行くという
いわゆる市民農園。
さてこの物語は、ある初老の夫婦、トムとジェリーを軸に進んでいく。
トムとジェリーは、それぞれに打ち込める仕事を持ち、
休日は野菜作りを楽しみ、美味しい手料理とワインを味わう。
ふたりには、親思いの弁護士の息子ジョーがいる。
まあ、幸せいっぱいの曇り一点もなしの家族。
一方、そんな彼らの家を訪れる友人たちは、
それぞれに孤独を抱えている。
なかでもジェリーの同僚・メアリーは、
男運に恵まれない自分と幸福なジェリーを比べては落ち込み、
タバコとワインが手放せない」

----ニャるほど。
トムとジェリーは、
そのメアリーをやさしく“家族の庭”に迎え入れるってワケだね。
「いや、それがそうじゃないんだね。
初めこそ、彼女を歓待したものの、
メアリーはそれに甘えて、
徐々に図に乗り始める。
自分で男運のなさを嘆きながら、
彼女に気があるそぶりを見せる男には、
その見てくれや
スマートではない人との接し方に
嫌悪感をむき出しにし、
けんもほろろに冷たくあしらう。
一方で、自分より遥か年下のジョーには色目を使う」

----それは、かなりの自己中。
「そういうこと。
で、一回家に呼ばれたのをいいことに、
以後、トムとジェリー夫婦の都合も聞かずに、
自分がそうしたいという
強い思いだけで勝手に上がりこんじゃう。
そんなメアリーに、
トムとジェリーは、春、夏、秋、冬と
季節が進むにつれ、
次第次第に冷たい態度をとるようになる」

----ニャるほど。
それじゃあ、映画もヘビーになっていくニャ。
「そうなんだ。
映画は、次第にとげとげしい雰囲気を持ってくるんだ。
なかでも、ジェリーの彼女に対するそっけない態度は
メアリーが悪いとはいえ、あまりにもキツイ。
ぼくは、裏目読みで『家族の庭』というのは、そのことを自覚し、
そんなに気やすく足を踏み入れるな!
という意味のタイトルかと(笑)」

----それ、言いすぎ(笑)。
でも、そんな映画ってラストどうなるんだろう?
「そこが最大の見モノ。、
この映画、
いわゆる大人になれないまま歳を重ねたメアリーが
周囲の空気を読めず
自分の思いのままふるまって
最終的には観ているこちらが辛くなるほどの疎外感を味わう。
現実にこういう人いるよな…っていうか、
自分にもそういう部分が多々にあるだけに、
マイク・リーに叱られているような気になったね」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「なんか怖そうな映画だニャ」なにこれ?


※人に迷惑かけちゃダメだ度

コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー
コメント (2)   トラックバック (3)

『コンテイジョン』

2011-11-02 22:47:01 | 新作映画
(原題:Contagion)



「う~ん。これは少し複雑な映画だなあ」
----へぇ~っ。そうニャの?
何年か前、日本でも作られた
『感染列島』みたいな感じじゃニャいの?
「扱っている題材はパンデミックだし、
確かにそうなんだけど、
3.11を経験した日本で、
いまこれを観ると、ちょっとね…」

----地震や津波、
それとも原発に関係あるってこと?
「じゃあ、それを話す前に簡単にあらすじを。
物語は感染2日前から始まる。
この2日前という時点で、ラストシーンは
感染の最初の瞬間を描くんだなというのは、
まあ、これは誰にも想像が付くんだけど…。
香港出張からアメリカに帰国したベス(グウィネス・パルトロウ)が
体調を崩して2日後に亡くなる。
香港で青年が、ロンドンでモデル、
東京ではビジネスマンが突然倒れる。
全世界に新型ウィルスが広がっていっているわけだね。
そんな中、
米国疾病対策センター(CDC)は危険を承知で
感染地帯にドクター・ミアーズ(ケイト・ウィンスレット)を送りこみ、
世界保健機構(WHO)でも
ドクター・オランテス(マリアン・コティヤール)らが
ウィルスの期限を突き止めようとする。
一方では、ブログで人気を集めるフリーのジャーナリスト、アラン(ジュード・ロウ)は、
政府が事態の真相とワクチンを隠していると告発する…。
さて、問題はココなんだけど、
この映画では、このジャーナリストの実相を最後に暴くことで、
“ウィルスよりも、その恐怖を煽ることから起こるパニックの方が怖い”という
結論を導き出してくる」




----ニャるほど。
つまり、国家や政府の言うことを信じなさいってことだニャ。
「少なくともこの映画を観る限りでは、
監督のスティーブン・ソダーバーグはそういう立場をとっているね。
先ほど話に出た『感染列島』との演出の違いからもそれは感じられる。
これだけの非常事態なのに、
ことにあたるCDCやWHOの職員たちは不思議なくらいに冷静。
決してアツくならない。
まあ、常に冷静でいる訓練を受けている、
あるいは、もとより常に平常心でいられる人間にしか
こういう仕事は務まらないのかもしれないけど…。
一方で、パニックを起こす群衆の狂態、
あるいはそれによって生じる街中のゴミの散乱など、
衆愚という言葉に象徴される部分は
いやになるほど
ドキュメンタリータッチでリアルに描かれる」

----普通の人々が、いかに自己保身的なのかが
そのプロの崇高(?)な行為と対比されるってわけだね。
「そういうことだね。
もちろん、それだけではなく、
この生死ギリギリの事態の中、
身内を守ろうとして
その情報を極秘裏に流す当局の人なんかも描かれはするけど、
それはごく一部」

----そういえば、原発事故の時、
家族を海外に避難させて、
テレビでは安全性を言っている政治家がいたと聞いたけど…。
「まあ、そう言う意味ではこの映画はタイムリーかもね。
もちろん、他にも見どころはないわけじゃなく、
ウィルス発生によるクスリ業界の動き、
さらには、同時に病気にかかることによる不倫の発覚とか、
ソダーバーグは、視点をさまざまな方面に広げている」

----ケイト・ウィンスレットにしてもグウィネス・パルトロウにしても自然な感じ。
これもソダーバーグ演出?
「そういうことだね。
彼の手にかかると、みんな、その道のプロに見えてしまう。
なかでも感心したのはマット・デイモン
ここまで自然な、普通の男を演じているのを観たのはぼくは初めて。
今後、彼にこういう役が増えていくといいな」





                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「それにしても豪華なキャスティングだニャ」気持ちいいニャ

ローレンス・フィッシュバーンも出ている度

コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

画像はオフィシャル・ダウンロードサイトより。

コメント (8)   トラックバック (42)