ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝』

2012-11-29 21:22:24 | 新作映画
(原題:龍門飛甲)




----これって中国映画だったんだ。
タイトルだけ聞くと、
子供向けのアドベンチャー映画かと…。
「(笑)。
“ドラゴン”に“剣”に“秘宝”だものね。
ところがこれは、
ファンなら泣いて喜ぶ
ツイ・ハーク監督、ジェット・リー主演のファンタジー・アドベンチャー
ツイ・ハーク映画らしく
ワイヤーワークがふんだんに取り入れられ、
しかもそれがジェット・リーのフィジカル・アクション、
そしてCGと見事なハーモニーを奏でる。
そのどれかひとつが浮き上がっているというところがないのが
この映画のいいところだね。
そしてこれは忘れてはならないのは、
なんと“3D”だということ。
ここもまた、強調しておきたいんだけど、
3Dであることを忘れさせてくれるんだ」

----どういうこと?
「剣がこちらに向かってきたり、
竜巻が起こったりという
動きのある絵ばかりでなく、
主たる舞台となっている砂漠の中の宿屋のセットや
砂漠の下に掘られた地下空間などの造型にも細かい神経が生き届いている。
そう、最初から映画世界が3D。
だから、目が疲れることなく自然に観ることができるんだ」

----その砂嵐って?
これ、どういうお話ニャの?
「では、
オフィシャルを参考にしつつ…。
時代は明。
辺境の地の宿屋《龍門》には、
60年に一度の恐るべき砂嵐が迫っていた。
言い伝えでは、その天変地異の影響により、
砂漠の下に眠る幻の財宝都市が地上に姿を現すという。
折しもこの宿屋には、悪の宦官ユー(チェン・クン)が率いる武装集団、
秘宝をせしめようともくろむ
チャン(グイ・ルンメイ)率いる韃靼人たち、
スゴ腕の女剣客グー(リー・ユーチュン)らが集結。
さらに打倒ユーに執念を燃やすジャオ(ジェット・リー)も駆けつけ、
“龍門”には一触即発の殺気が張りつめる。
ついに大決戦の火蓋が切られたまさにそのとき、
想像を絶する巨大竜巻が襲来。
果たして、大地が揺れる激闘の果てに、
誰が最後まで生き残るのか。
そしてこの伝説の秘宝を手中に収めるのは誰なのか……。
いやあ、さすがにオフィシャルは説明が巧い。
ちょっと変えるだけですんだ」

----確かに、聞いているだけで興奮するよね。
「うん。
ただ、物語はこれですべてというわけではなく、
ここに、時の皇帝の子を身ごもったことから都から逃げ出し、
謎めいた美しき女侠客リン(ジョウ・シュン)と、
彼女に助けられたスー(メイヴィス・ファン)の物語も絡む」

----ちょ、ちょっと待って。
それだけ女性が出てくると
誰が誰か分からなくなるのでは?
「それが
まったく問題なし。
みんな揃いも揃って美女なのに、
それぞれの美しさを湛えているんだね。
観終わって、
どの女性が自分のタイプかを話し合う楽しみもある。
というのも、
この4人の女性、
全員、アクションを見せてくれるんだ。
ある意味、これはヒロイン武侠映画だね。
もちろん、いちばんの活躍はジェット・リー。
クライマックスでは『ツイスター』顔負けの大竜巻の中で
ユーと戦い続けるんだから。
物語の方も
ねじれたロマンスあり、
思いもよらぬ、どんでん返しありで、
あっという間の2時間であることは保証するよ」


※本作はツイ・ハークが製作&脚本を担当した香港映画『ドラゴン・イン』(92)の後日譚
また『ドラゴン・イン』は、巨匠キン・フーの『残酷ドラゴン・血斗!竜門の宿』(67)のリメイク




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フォーンも3Dメガネで観たら立体に見えるのかニャ」小首ニャ


※3Dもこれくらいやってくれれば文句ない度

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『きいろいゾウ』

2012-11-26 22:55:31 | 新作映画

----“きいろいゾウ”?
そんなゾウさんなんて、ほんとにいるの?
「いや、これはね。
幼いころ、入院生活を送っていた妻利愛子“つま”(宮あおい)
孤独な日々をいやすかのように読んでいた絵本のこと。
空想の世界で自由に旅をしながら絵本と対話するようになったツマは、
木々や動物たちの声が聴こえるようになった。
この映画では、その動植物を
大杉蓮、柄本佑、安藤サクラ、高良健吾という
当代きっての名優たちが演じている
それがあまりにも当たり前のように描かれていて、
そのファンタジーというよりも
メルヘンチックな世界にテレずについていけるかどうかが
この映画にノレルか否かの境目になるだろうね」

----ニャるほどね。
じゃあ、物語も寓話的ニャの?
「イヤ、そっちの方は
かなりシビアー。
ツマが暮らしている相手は小説家の無辜歩“ムコ”(向井理)
なぜか、背中に大きな鳥のタトゥーを入れている彼はツマの夫。
お互いに“秘密”を抱えながらも、
田舎で、穏やかで幸せな日々を過ごしているふたり。
だが、ムコ宛に届いた差出人のない一通の手紙をきっかけに、
ふたりの関係は大きく揺らぎ始める…」

----ニャるほど、秘密がいよいよヴェールを脱ぐんだニャ。
「そういうこと。
この映画、西加奈子の原作小説が人気を集めたとかで、
宮あおいは、『いつかこの小説の「ツマ」役を演じてみたいです。』
と帯にコメントを寄せていたとか。
一方の向井理も雑誌「ダ・ヴィンチ」でおススメの一冊として
本作を紹介していたらしい。
ぼくは読んでいないから何とも言えないけど、
これはその話もさることながら、
それを構成する設定やエピソードなど、
ディテールのほうに
多くの人が共感する部分があったのではないかという気がする」

----たとえば?
「そうだね。
ツマは、満月が近くなると体調不良を訴える。
これって、周りでもよく聞く話。
一見スピリチュアルとも取れるけど、
意外とうなずく人が多いんじゃないかな?
また、ムコは夜中に日記を書いているんだけど、
それについて話そうとはしない。
で、ツマはそのことを聞き出そうとするわけだけど、
ムコは相手にせず他の話ばかり。
ついに爆発するツマ。
ここは海へ向う車中のシーンなんだけど、
自分の話を聞いていないという妻に対し、
聞いているよとそムコ。
だが、ツマには
それは単なるオウム返しにすぎない。
このイライラ感もリアルだったね。
あと、
ムコが東京へ行くという話が出た後、
ツマがムコの手をグラスで叩くシーンもスゴい。
映画は全体に固定カメラで落ちついて語られるんだけど、
ここで急にカメラはアップの手持ちとなるんだ。
激しい感情の揺れを映像の変化で見せる。
よくあると言えば、確かによくある手だけど、
ここは実に効果的だったね」

----監督はだれニャの?
「廣木隆一。
ぼくは彼の『800 TWO LAP RUNNERS』がお気に入り。
あの映画でもそうだったけど、
彼は音楽の使い方が巧い。
『君といつまでも』早川義夫『ヴァイブレータ』はっぴいえんど
本作では、かの昭和歌謡『グッド・ナイト・ベイビー』を元憂歌団木村充揮が歌っている。
ここは映像も幻想的。
原作ではくたびれたおじさんらしいけど、
ここはこの映画の白眉。
このシーンを観るだけでもぼくは満足だったね」




フォーンの一言「フォーンも喋りたいニャ」気持ちいいニャ

※木村充揮の天使のだみ声にはやられた度


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『007 スカイフォール』

2012-11-25 18:39:04 | 新作映画
(原題:Skyfall)



----あらら、今日は『007/スカイフォール』
観てから中途半端に時間が経っているよね。
「そうだね。
今日はお仕事モードだったんだけど、
その関連のサーバーがダウンしちゃって、
さて、じゃあブログでも書くか…となったわけ。
で、書いていない作品をあれこれ思い出していたら…」

----長い前ふりだニャあ。
こういうときは、逆に話が短いんだよね(笑)。
「よく分かっているなあ。(笑)
さてこの映画、なぜここまで喋らなかったか…なんだけど、
あまりにも世間の注目を浴びていることもあり、
どこまで喋っていいのかと…。
人によっては、
ちょっとした情報も“ネタバレ”と捕えられかねない。
というわけで、今回はいつもとは違うお話をしよう」

----ちょっと待って。その前に…。
最近、
『007』は“ゼロゼロセブン”か“ダブルオーセブン”かという話をよく聞くけど、
いったい、どっちニャの?
一方では“ゼロゼロナナ”というのもあるみたい…。
「最初、
ユナイト配給で『007は殺しの番号』(現『007/ドクター・ノオ』が公開された頃は
確かに“ゼロゼロ”だった。
ところが、パラマウント、20世紀フォックス、そしてソニー・ピクチャーズ…と日本の配給が次々と変わり、
いつからか、その呼び名も映画の中にあわせて“ダブルオー”に。
『キネマ旬報』の年鑑をチェックしたら、どこから変わったかも分かるかもね。
ただ、おおざっぱに言って
ぼくは“ゼロゼロセブン”、
ショーン・コネリーロジャー・ムーアの頃のジェームズ・ボンドが好きだな」

----ダニエル・クレイグとは、どう違うの?
「最初は金髪がイメージが違うと言われたけど、
添え以前に彼は渋すぎる。
ユーモアがあまりないんだね。
まあ、内容がハードになったこともあるだろうけど…。
なにせ、彼の第一作目『007/カジノ・ロワイヤル』で、
その悲劇の過去まで明かされるし…。
もとより007というのは、少年の頃のぼくらにとっては憧れの存在。
世界を股に駆け回り、カッコいいスポーツカーに乗り、
タキシードを着こなし、いくつもの秘密兵器を持ち、
マティーニを飲み、美しい女性とベッドイン。
そう、
“ダンディ”という言葉がピッタリ理想の大人の男だったんだ。
で、フォーンも知ってのとおり
このボンド役は、コネリーの後、
何人もの俳優にとって代わられる。
同時に、内容の方もイアン・フレミング原作のタイトルだけ借りて、
その中身は小説とはまったく違うものとなってくるんだ。
細かいことは省くとして、
初期の007では、『ゴールドフィンガー』に代表されるように悪役が漫画チックなのが特徴。
さらにはタイトルを連呼する主題歌、銃、車、酒、世界各地へのロケ
ぼくは、007のプロではないけど、
今回の『スカイフォール』では、
これら、子供のころに覗き見ていた大人の世界が展開されたのには大満足。
今回の『スカイフォール』は、
この『ゴールドフィンガー』へのオマージュがたっぷり
監督のサム・メンデスは、
やはり、相当に007の大ファンだったんだろうね」

----でも、それだけだと、
現代のアクション映画ファンにはものたりなくない?
「もちろん、そこもぬかりはない。
バイク・チェイス(『007/オクトパシー』、列車の屋根の上(『007/オクトパシー』)での格闘など、
シリーズで出てきた有名なシーンを引用しつつも、
いまの時代にふさわしいアクション・エンターテイメントに仕上げている。
ただ、ぼくはそっちの方は
そんなに興味はなかったけどね。
潜水艇に変形するボンドカー(『007/私を愛したスパイ』)だとか、
『007は二度死ぬ』のオートジャイロだとか、
漫画チックなボンドの方が好きだな。
できれば、ラストも海の中のボートでボンドガールといちゃいちゃ。
やはり、これが欲しいね」




フォーンの一言身を乗り出すお正月映画の本命なのニャ。

だからこそ、もう少しお色気もほしい。(そういえば、試写の後若い女性たちが『エロが足りない』と言っていた)度


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『砂漠でサーモン・フィッシング』

2012-11-22 00:33:39 | 新作映画
(原題:Salmon Fishing In The Yemen)



----ん?このタイトル、どういう意味?
そのまま“砂漠で鮭を釣る”ってとらえていいの?
ニャんだか、ありえない気がするけど…。
「うん。
普通、ありえないと思うよね。
日本でも、鮭といえば北海道のような涼しい気候のところが有名。
しかも、鮭は川上りをするわけで、
この映画の舞台となる暑い砂漠のイエメンでその鮭を育てて
釣りまでやっちゃうなんて、
とても考えられない。
でも、そんな普通にはありえないことを映画にするくらいだから
これはきっと“実話”からう安れた奇跡と感動のお話…
と、そう思ったら、まったくの的外れ。
実はこの物語には
イギリスで一大ブームを巻き起こした“原作”があるらしい」

----ニャんだ、フィクションか…・
「ところが、
ぼくはそのことに気づかず
へぇ~っと思って観ていたんだから
ほんとバカだよね。
いや、それだけ映画がよくできていて
ぼくを騙してくれた、そう言うべきか…」




----どういうお話ニャの?
「砂漠の国イエメンで、鮭釣りがしたい――
そんなバカげた仕事を依頼された水産学者のジョーンズ博士(ユアン・マクレガー)。
持ちこんだのははイエメンの大富豪シャイフの代理人、コンサルタントのハリエット(エミリー・ブラント)。
そんなのは不可能!と一蹴した彼だが、
折しも中東情勢が悪化。
首相広報官マクスウェル(クリスティン・スコット・トーマス)は、
英国への批判をかわすための明るい話題作りに
“イエメンで鮭釣り”の支援を決定。
かくして荒唐無稽な企画が
立派な国家プロジェクトに急展開…
と、こういうお話なんだ」

----ニャるほど。
よくできた話だニャあ。
「うん。
しかも映画は、
科学的裏付けを出しながら、
もしかしたら、こんなこともありうるかも…
と、観る者を納得させつつ進んでいく。
ところが『あれれ、これはおかしいぞ。
実話にしては話があまりにもできすぎている』と…」

----どこでおかしいと気づいたの?
「実は、ハリエットには付き合い始めて間もない彼がいた。
ロバートという名のその彼は軍人で、
中東に派兵されたまま消息不明に。
周りのみんなは、
戦死したと、そう思っていたのだが…」

----だが、生きていた!?
「うん。
マクスウェルは、そのことさえも宣伝に使おうと、
鮭を川に放つまさにその日に彼を現地に呼び寄せる。
ロバートは戦死したと思っているハリエットとの感動の対面をマスコミに流し、
劇的効果を狙ったワケだね。
ところが、その頃にはすでにジョーンズはハリエットに
ビジネスパートナー以上の思いを抱いていた。
さあ、ここにラブロマンスの行方という
もう一つの話の流れが生まれる。
その一方、イエメンでは
シャイフは国を西欧化しているという非難の声が…。
過激派の一味は、プロジェクトを阻止するべく
ダムの爆破という実力行使に出る…」

----へぇ~っ。話がそこまで広がるとは…。
「でしょ。
ここまでくるとさすがに嘘っぽい。
見せ方も少し劇画チックだしね。
でも、ぼくは
だからこそこの映画はオモシロイと、
そう思ったワケ。
実は、この映画の脚本は
『フル・モンティ』『スラムドッグ$ミリオネア』のサイモン・ビューフォイ
一見、ありえそうな題材を基に、
それをちょっとずらして“寓話”的な広がりを持たせる。
このさじ加減がほんとうに巧い。
映画は、所詮、つくりものの世界――。
このことをビューフォイはよく知っている。
監督は、『ギルバート・グレイプ』『サイダーハウス・ルール』など、
ヒューマンドラマの名作を生み出してきたラッセ・ハルストレム
彼のビューフォイの脚本への言及が、
映画というものの本質を見事に言い表している。
『奇想天外な要素もありながら、
実生活に根付いた感情や人間関係もあり、
それらが混在しているところに良さがある。
真実を描くには、
ドラマとコメディの両方が必要なんだ』。

で、このことを演技で体現しているのがユアン・マクレガー。
エミリー・ブラントの魅力はもちろんのこと、
クリスティン・スコット・トーマスのコミカルな味わいも捨てがたい。
首相とメールのやり取りをするときの
アイコンなんて、ちょっとやりすぎの感もないではなかったけどね」





フォーンの一言「ジョーンズとシャイフとの友情もいいらしいのニャ」小首ニャ
※シャイフには“中東のジョージ・クルーニー”エジプト№1スター、アマール・ワケドだ度

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『ルビー・スパークス』

2012-11-20 00:16:32 | 新作映画
(原題:Ruby Sparks)




----この映画、『リトル・ミス・サンシャイン』
ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス監督の作品だよね。
6年ぶりニャんだって?
「そう。
『リトル・ミス・サンシャイン』は、
あの年のベスト1に推したほどのぼくのお気に入りの作品。
それだけにとても待ち遠しかったんだ」

----でも、今回はファンタジーだとか。
ちょっと、テイストが違いすぎるんじゃニャい?
「う~ん。
ぼくもそこは懸念したところ。
試写状のビジュアルからは
『エターナル・サンシャイン』のようなイメージを受けていたんだけど、
どちらかと言うと『(500)日のサマー』の感じかな。
ヒロインのルビー(ゾーイ・カザン)が、少し前の言葉で言えば“不思議ちゃん”。
それもそのはず、このルビーは、
カルヴィン(ポール・ダノ)が書いた小説から飛び出してきた子、
カルヴィンは天才作家として華々しくデビューしたにもかかわらず、
いまは大スランプに陥っているという設定」

----それまた、無茶な話だニャあ。
ルビーは、そのことを意識しているの?
「いや、まったく知らない。
彼女の生みの親でもある
カルヴィンにしても途中から気づくありさま」

----でも、自分が書いた小説の子だったら、
それこそ理想どおりの子になっちゃうよね。
「そう。
それがこの映画の肝。
他人との付き合いをしないカルヴィンに対して、
ルビーは自分の世界を広げようとしていく。
それがオモシロくないカルヴィンは、
彼女の性格までも変えてしまう。
カルヴィンにべったりの、
女、女した子になっちゃうんだ」

----う~ん。少し複雑かも…。
「そうなんだよね。
相手がひとりの自立した女性だからこそ、
その子が自分を好きになってくれることが嬉しいのであって、
自分の思いのままになるんだったら、ロボットと変わりなし。
ていうかそれ以前に、
ひとりの人間として魅力がなくなってしまう」

----ニャるほど。
ところで、ルビーは
自分が作られた存在だということには
最後まで気づかないの?
「いやいや。
実はそこがクライマックス。
あることがきっかけで、
カルヴィンはルビーに
その<事実>を伝えてしまう。
もちろん、ルビーはそんなこと信じるはずはない。
だけど、
カルヴィンの手によって
本来ならありえないはずの自分が次々飛び出すんだから、
信じないわけにはいかなくなる」

----どういうこと?
「突然、自分が知る由もないフランス語を喋り出したり、
手足が自分の意志とは違う動きをしたり…。
ある意味、ここはホラー。
そして本作のハイライトとも言える。
ポール・ダノの狂気じみた演技、
そしてそれに呼応して
意志に反したさまざまな姿を見せるゾーイ・カザン…」

----それは観てみたいニャあ。
「着想だけで引っ張っていこうとする映画だと、
途中で息切れしてしまい、
物語が凝っている割には退屈しちゃうことが多いんだけど、
この映画は逆。
ぐいぐい観る者を引っ張っていく。
実は、本作はゾーイ・カザンが脚本も担当している。
彼女は、あのエリア・カザンの孫娘なのだとか。
やはり才能があるね。
オチもこの手の映画の定石を外さないだけの節度は持っているし…。
『(500)日のサマー』が好きな人にはおススメだね」




フォーンの一言「それにしても、ゾーイ・カザン、きれいな人だニャ」ぼくも観たい

※久しぶりの正統派ハリウッド美人女優だ度

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『フリーランサー NY捜査線』

2012-11-17 00:10:54 | 新作映画
(原題:Casare deve morire)


----これって、どっかで聴いたようなタイトルだニャあ。
「“捜査線”なんてついちゃうとね。
日本では『踊る大捜査線』が有名だけど、
元をたどればアカデミー作品賞受賞『夜の大捜査線』かな。
あの映画主はロッド・スタイガーがアカデミー主演男優賞を受賞。
でもほんとうの主演はシドニー・ポワチエじゃないか?
人種差別だ…
なんて論争が起こったことでも有名。
と、それはさておき、
この映画、
フォーンが言った、その“どこかで”は
内容の方にも当てはまっちゃうんだ。
主人公は、
15年前に警官だった父親を目の前で何者かに殺されたトラウマを引きずる
青年ジョナス(カーティス“50セント”ジャクソン)。
かつてストリート・ギャングの一員だった彼は、
夫が検事補だったリディアという女性の助力により更生。
警察学校を卒業し、
幼なじみの同期生と共にNYPDの同じ分署に配属される。
ところが…」

----そこは思ったような“正義”の場所でなかった?
「そういうことだね。
仲間と祝杯をあげているところに近づいてきた一人の男。
それは、父親の元相棒サルコーネ警部(ロバート・デ・ニーロ)。
彼は、ジョナスに対して
自分の配下となり、闇仕事をするよう誘いをかける。
その出勤初日。
教育係に就いてパトカーに乗った3人が見たのは、
私欲と不正にまみれた悪徳警官たちの姿であった…」

----確かにどこかで聞いたことがあるような話だニャあ。
アル・パチーノ『セルピコ』、
リチャード・ギア『背徳の囁き』
など、
悪徳警官を描いた映画は
これまでにも多く作られているけど、
この“教育係”というエピソードでいけば、
デンゼル・ワシントンがオスカーを受賞した『トレ―ニング・デイ』が有名だね。
ただ、あの映画が、
物語を“最初の一日”に絞っていたのに対して、
この映画は、その後、
主人公がこの悪の巣の中で
どう自分の道を切り開いていくかに重きを置いている。
と、ここまででもう想像がつくだろうけど、
ジョナスの父の死に大きく関与しているのが…」

----サルコーネ。
「これは、もう決まりだよね。
一方で、ジョナスの恩人であるリディアにもある目論見があった…
など、伏線の方も巧く張ってある。
また、ジョナスの教育係に
これまたオスカー俳優のフォレスト・ウィテカーを配したのも効いている」

----彼に睨まれたら
それだけでもビビりそう。
「だよね。ただ、ちょっと苦言を呈するとすれば
女性陣の描き方かな。
ジョナスの元恋人シン(アナベル・アコスタ)はともかく、
サルコーネが仕切る警官専用のクラブで働く
女子バーテン、ジョーイ(ボー・ガレット)。
彼女がジョナスとどういう関係か、
イマイチ、よく分からない。
というより、あえて登場させる必要あったのかな…。
この手の映画に欠かせない女性ヌードもけっこう出てくるし、
“お色気班”としてもあまり意味がなかった気がするな」



フォーンの一言「ラストが意外らしいのニャ」ご不満
※これが現実かもだ度

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『人生の特等席』

2012-11-13 00:24:50 | 新作映画

(原題:Trouble with Curve)




----あれっ、クリント・イースト・ウッドって
もう俳優は辞めたんじゃなかったけ?
「そのはずだったんだけどね。
本人いわく“オモシロい役が回ってきたからやってみた”とのこと。
とにかくストーリーが気にいったらしい」

----どんなストーリー?
「主人公はイーストウッド演じるガス・ロベル。
メジャーリーグ最高のスカウトマンと言われた彼も、
今や、老いぼれの烙印を押されようとしていた。
コンピュータもメールも使わず自分のやり方を貫く彼を、
もはや用済みと考える球団幹部もいた。
球団との契約はあと3ヶ月。
一方、ガスは、自分の視力が衰えているのを意識しながらも
今年の目玉とされる天才スラッガーの実力を見極めるべく、キャリア最後の旅に出る。
そんなガスの窮状を知ったひとり娘のミッキー(エイミー・アダムス)は、
彼の旅に同行することになるが…」

----ニャるほど。
父と娘の関係を描いた映画ってワケだニャ。
そうなると、ふたりの間には
巧くいっていない“何か”があるのが
この手の映画のパターン…。
「正解。
妻を早く亡くしたガスは、
幼い娘のミッキーを一年で手放している。
6歳で親戚に預けられ、
13歳で寄宿舎に入れられたミッキーは
自分が父に嫌われているのだ…と、そう思いこんでいる。
そのミッキーは弁護士としてキャりアを積み、
法律事務所での昇格も目前。
そんな彼女にとって父の旅に同行することは、
チャンスを潰しかねない暴挙」

----でも、それでも行っちゃうワケだ。
「うん。
セリフにも出てくるけど、
やはり見捨てるわけにはいかない。
肉親の情だね。
さて、この映画、
冒頭は、ガスが見る夢から始まる。
それは馬が迫ってくるという不思議なもの。
実は、これが伏線になっているんだけどね。
続いて、トイレで巧く用が足せないガス。
彼はテーブルにつまずき、苛立ちからそれを蹴ってしまう…。
始まって、わずか3分で彼の状況を全部言い表す脚本の妙。
しかも、それが名優イーストウッドのひとり芝居で観られるものだから
もう、目はスクリーンに釘付け。
観る人の心を掴んだまま
映画は、中期イーストウッドのイメージ、
一ヶ所に留まらず旅をする男を描いていく。
『ダーティファイター』『ブロンコ・ビリー』
なかでもぼくはこの映画に
『センチメンタル・アドベンチャー』の面影を見たね。
もっともあれは、甥っ子という設定だったけどね」

----ふむふむ。
これは確かにイーストウッドの十八番だ。
「もうひとつ話題となっているのが
『マディソン郡の橋』で助監督として関わって以来、
多くのイーストウッド作品で製作、製作総指揮を務めてきた
ロバート・ロレンツが監督を手掛けていること。
常にイーストウッドの側にいただけに、
変えの世界を知り尽くしていると言っても過言ではない。
この映画、何も知らなければイーストウッド監督作と言っても
ぼくは騙されていたかも」

----イーストウッドが俳優だけに徹したのも久しぶりだよね。
ウォルフガング・ペーターゼン監督の『ザ・シークレット・サービス』以来じゃないかな。
あの映画の製作は1993年だから実に20年ぶりのこと。
先ほど、彼が脚本を気に入ったという話はしたけれど、
それに加えて、
長年自分を支えてくれたビジネス・パートナーの監督デビューに
協力したという意味合いもあるんだろうな」






フォーンの一言「いい話だとは思うけど、この邦題、どうにかならないのかニャ」複雑だニャ
※でも劇中でちゃんと出てくる度
ジャスティン・ティンバーレイク、ジョン・グッドマン、mシュー・イラード、ロバート・パトリック
役者も揃っています。

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「EXTRA BASS」重低音ダンスを“踊ってみた!”

2012-11-10 00:51:28 | Weblog


今注目の【ヘッドホン女子47】とは?



「EXTRA BASS」

-----今日は、フォーンが喋っちゃいます。
みなさん、近年“ヘッドホン”を身に付けた“女子”、
通称「ヘッドホン女子」が注目を集めていることをご存じですか?!

上の画像は、いま巷で話題のソニー 「ヘッドホン女子47 meets EXTRA BASS」のYouTube動画。

さて、なぜ「47」か!?
それは
全国47都道府県のヘッドホン女子の中からえりすぐりの総勢47組が選抜されたから。
この動画はご当地ネタを織り交ぜながら、その47名の「ヘッドホン女子」たちが
世界的コレオグラファー仲宗根梨乃さんの
「EXTRA BASS」重低音ダンスを“踊ってみた!”という構成。

彼女たちのダンスをフルバージョンで観たいという人は、
「The Headphones Park」の 「ヘッドホン女子47」のスペシャルサイト、
【ヘッドホン女子47 meets EXTRA BASS】をいますぐチェック!
全国から集まった動画にはヘッドホン女子のプロフィールや コメントも紹介。
彼女たちが話す方言や、名物・名所の紹介も見どころの一つ!

ちなみに、えいの出身地・福岡県のヘッドホン女子は眞島左紀さん
背景の大濠公園は子供のころから慣れ親しんだ場所だとか…。
浮見堂」の下をよくボートでくぐっていたらしいよ。


    (byフォーン)

フォーンの一言「大濠公園が写っていたのが、このCMを載せた決定打になったらしいのニャ」身を乗り出す

※えいより一言※眞島さんが来ているのは日本三大絣の「久留米絣」だ度

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『東ベルリンから来た女』

2012-11-09 00:23:20 | 新作映画
(原題:Casare deve morire)




「来年のことを言うと鬼がなんとやらだけど、
これは少なくともベスト10には入れたい映画だね」

----またまた気が早い。
この映画って、
今年2012年のベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)受賞の話題作。
厳しい監視の目を盗んで西側社会への逃亡を画策するヒロインの話だよね。
「そう。
物語としては、
かつてよく聞いたようなお話。
でも、これが実に巧い。
さすが監督賞を受賞しただけのことはある。
オープニングは電車に揺られるヒロイン、バルバラ(ニーナ・ホス)のバストショット。
見るからに意志が強く誇り高そうな彼女は、
勤務初日にもかかわらず赴任先の病院でも
同僚に対して冷淡なまでの態度をとる。
果たしてなぜ?
映画は、観る者の痛覚をも刺激する少年への施術を挟み、
バルバラの上司アンドレ(ロナルト・ツェアフェルト)が車で彼女を家に送り届けるシーンへと繋がっていく。
ふたりは初めて会ったはずなのに、
彼はバルバラの家への道をなぜかよく知っている」




----えっ、なぜ?
「そう思うよね。
ぼくも一瞬、これってミステリーかと思ったもの。
実は彼女、バルバラは
かつては東ベルリンの大きな慈善病院に勤務。
しかし、西ドイツへの移住申請を行なったことから、
危険分子とみなされ、
この地に“左遷”されてきたわけだ。
そういう苛酷な体験を経てきた直後だけに、
彼女の目には周囲のだれもが怪しく映る。
みんなが自分を監視しているのではないかと…。
このあたりは『裏切りのサーカス』におけるブダペストのカフェのシーンを思い出してもらうといいかも」

----ニャるほど。
サスペンスの要素もあるワケだニャ
「実際、彼女は
西ドイツ在住の恋人ヨルク(マルク・ヴァシュケ)の手はずにより
東ドイツからの逃亡を企てていた。
マルクは、仕事の関係からか
東への出入りも認められていて、
ふたりは森や外国人専用ホテルで密会を重ねている。
このときのニーナ・ホスの演技がまた巧い。
いつもは毅然とした彼女がヨルクの前では
女であること、そして自分の弱さを素直にさらけ出す」




----サスペンスにロマンスも加わるワケだ。
ん?となると、アンドレもこの中に入って気そうだニャ。
分かった。
やがて、バルバラはアンドレのやさしさに気づき、
彼に好意を抱くようになる。
そこで西へ逃げることへのためらいが…。
「う~ん。
少しは当たっているけど、
それだと、やはりまだ“どこかで観た”お話になってしまう。
さっきも言ったように、
バルバラは周囲に対して猜疑的。
アンドレのこともなかなか信用しようとはしない。
じゃあ、何がこの物語を動かすか?
それはバルバラの医師としての使命。
この病院に送られてくるのは、
矯正収容施設から逃げ出してきた少女だったり、
自殺を試みた少年だったり…。
医師としての誇りあればこそ、
これまでの辛い人生を生き抜いてこれた彼女が、
彼らの生死に関わるこれらの事態に直面したとき、
果たしてどうするのか?」





----それは助けるに決まっているじゃニャい。

「でも、それが彼女の逃亡日に起こったとしたら? 」

----そ、それは…。
「監督クリスティアン・ペッツォルトは、
脚本を書く段階で
おそらく、その目に映像も浮かんでいたんだろうね。
詳述は避けるけど、
逃亡の日目前に起こった
少年の緊急手術をめぐるバルバラとアンドレの会話は、この映画のハイライト。
秘密警察≪シュタージ≫とのサスペンスフルな攻防同様、極限の緊張を伴う。
これは、よくあるシンプルなプロットを映画として膨らませたあるひとつの理想形。
ぼくにはそう思えたね」




フォーンの一言「道端には花が咲き乱れているのに、バルバラの心は重いのニャ」ご不満
※不安と恐怖と猜疑の奥から立ち上がるこの官能。脱帽だ度


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『マリー・アントワネットに別れをつげて』

2012-11-06 23:31:28 | 新作映画

(原題:Les adieux a la reine)



----この映画、いま人気のレア・セドゥが出ているんだよね。
彼女がマリー・アントワネットを演じるの?
「いや、
レア・セドゥはマリー・アントワネットの朗読係シドニーの役。
この、王妃に“朗読係”がいたというのは、どうやらは史実らしい」

----マリー・アントワネットって
ソフィア・コッポラ監督の映画『マリー・アントワネット』も話題になったよね。
「そうだね。
ただ、この映画はシドニーが主役。
フランス革命が勃発した
バスティーユ陥落の1789年7月14日から3日間のヴェルサイユ。
286名のギロチンリストに震え上がるヴェルサイユを内部から見つめていくんだ」

----そのとき、ヴェルサイユで何が起こっていたか?
ニャるほど。
これは新しい視点だニャ。
興味津々。
「ヴェルサイユでは、召使いが逃げ、物乞いが侵入し、衛兵までも逃亡。
そんな混乱の極みの中、
侯爵や神父までが夜蔭にまぎれて逃亡。
アントワネット(ダイアン・クルーガ―)は
蝶愛するポリニャック夫人(ヴィルジニー・ルドワイヤン)にも家族と共に逃げるよう告げる。
だが、あり余る富と特権を享受し、
人々のやっかみの対象となっているポリニャック夫人は、道すがら捕まる可能性が高い。
そこでアントワネットは、
あろうことか自分に心酔する朗読係のシドニーに、
ポリニャック夫人の身代わりになるよう命じる…」

----へぇ~っ。スゴイ話。
「もちろん、
この部分は創作。
でも、もしかしたら、
実際にそんなこともあったかもね。
さて、この映画、
史実を基にしたそのストーリーのオモシロさもさることながら
映画としても見どころ十分。
観ながら、ぼくの頭をよぎったのは
キューブリック『バリー・リンドン』とドイツ映画『ヒトラー~最期の12日間~』

----『バリー・リンドン』の舞台は18世紀。
こちらは分かる気がするけど…?
「キューブリックは『バリー・リンドン』の時代の雰囲気を忠実に再現するべく、
ロウソクの光だけで撮影することを目指し、
NASA用に開発されたレンズを使用したというのは有名な話。
この映画でも暗闇の中で揺らめくロウソクが
迫りくる死の恐怖に眠れぬ夜を過ごす彼らのおののく姿を照らしだす。
そしてそれが、
やはり死を目前にしたヒトラーたちナチスの総統地下壕での混乱、悲劇を思い起こさせたわけだ」

----ニャるほど。
「さてこの映画、
撮影だけでなく
王妃アントワネット、シドニー、ポリニャック夫人の三角関係もその見どころの一つ。
アントワネットを慕うシドニー。
その気持ちを知ってか知らずか、
ポリニャックへの情熱的な恋心をシドニーに打ち明けるアントワネット。
実は“王妃”アントワネットを利用しているだけで
内心はそれほどでもないポリニャック。
一方、アントワネットを喜ばせようと、
王妃の呼び出しを無視しているポリニャック夫人の説得に向かうシドニー。
だが、夫人は睡眠薬で熟睡。
その美しい裸体を嫉妬と羨望の眼差しで眺めるシドニー。
翌日、ようやく現れたポリニャックに王妃が告げた一言。
ところがポリニャックは……。
ここは言わない方がいいだろうね」

----ふむ。それは気になる。
観てみたいニャあ。
「あと、
これは本筋とは関係ないけど、
シドニーがゴンドラ漕ぎのプレイボーイに一目ぼれというエピソードもオモシロい。
会ってすぐ…という男女の関係は、
昔から変わらないんだなと…」

----それは、この映画の中だけのことでしょ。
なんだかニャあ。


フォーンの一言「シドニー。最後どうなるのかニャ」複雑だニャ
※そのときのレア・セドゥの表情も見モノだ度

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※画像はオリジナル・ポスター
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『シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~』

2012-11-03 14:44:13 | 新作映画
(原題:Comme un chef)

----『シェフ!』
これは料理の映画ってことか…。
しかもジャン・レノが出ているってことは
フランス料理だニャ…。
「うん。
この20年ほど、
ぐっと増えてきたのが
この“料理”をモチーフとした映画。
その中には、シェフたちが腕を競うものもあれば、
レシピを紹介するもの、
食を通して人生を描くものと、
数え上げればキリがない。
日本でも『かもめ食堂』の大ヒット以来、
忘れた頃に、
この“料理”、“食”の映画は現れる。
なかでも人気が高かったのは『南極料理人』
普通なら、ここで例を挙げるところだけど、
それをしないのもあまりに数が多すぎるから…」

----じゃあ、いい加減、食傷気味?
「そうだね。
正直、あまり期待せずに観に行ったんだ。
ところがこれが実にユニークな視点。
一種のバディムービーでもあり、
師弟映画でもある。
しかも基本はフレンチ・コメディ。
ストーリー自体はありふれているんだけど、
その併せ技で最後まで一気に観られちゃう。
ランニングタイムも85分と気楽」

----でも、どんなお話かくらい教えてよ。
「いいよ。
とにかくシンプルだから。
パリ有数の超高級三ツ星レストランの
ベテランシェフ、アレクサンドル(ジャン・レノ)は、
次の審査会に向けてアイデアがひらめかず大ピンチ。
オーナーは、そんな彼をここぞとばかりに切ろうとしている。
そんな折に彼が出会ったのが、
老人ホームのペンキ塗りをしていたジャッキー・ボノ(ミカエル・ユーン)。
ジャッキーは天才的な舌と嗅覚を持っているだけでなく
アレクサンドルの大ファン。
彼の料理はアレクサンドル自身より知っているくらい。
しかし、生意気なことが仇になり、
どこでも長続きはしない」

----ニャるほど。それだけで全部読めちゃう。
ふたりで、新メニューを開発…(笑)。
「そういうこと。
ただ、その過程が山あり谷あり。
ボノは妻に、
猛料理とは縁を切ったと宣言している手前、
隠れて勤めなくてはならない。
というのも、最初のうちは無給」

----うわあ、それは厳しい。
「でしょ。
それでも好きな料理のためなら…
伝統料理よりもアヴァンギャルドな分子料理が人気と、
ふたりはスペインのシェフのレクチャーを受けたり、
有名レストランにお忍びで出かけたり…。
そのときのふたりの変装が笑える。
なんと、彼らが扮するのは日本人夫婦。
日本人に化けるだけでも無理があるのに、
ちょんまげ侍と芸者と言ったようないでたち」

----それって、悪ふざけがすぎてニャい?
「普通だったらね。
でも、このふたりが
怪しい日本語を操っているのを観ると、
それだけでもう大爆笑」

----つまりはおバカ・ムービーということだニャ。
「そうだね。
それでも一発逆転を目指して
初めはボノに反感を持っていた他のシェフたちも
一致団結してゆくところは
すがすがしい感動がある。
なかで出てくるメニューも本物だし、
こういうさじ加減の映画は
ぼくは好きだね」

----おいしくいただきました…ってとこかニャ。

フォーンの一言「ジャン・レノと日本と言うと、『WASABI』で、あまりいいイメージがないのニャ」
ご不満
※分子料理らしきものはドキュメンタリー映画ファイティング・シェフ 美食オリンピックへの道』にいっぱい出てくる度



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『任侠ヘルパー』

2012-11-02 22:54:02 | 新作映画
----この映画、
『任侠ヘルパー』って、
草剛主演の連続ドラマを映画化したものだよね。
「うん。
相変わらず、テレビや芸能界に疎いもので、
なぜ、東宝の映画に“任侠”?って、
もうそれだけでビックリ。
観てみて分かったけど、
これは、“介護ビジネス”に携わる裏社会の男、翼彦一(草剛)が、
その仕事に携わる中で
介護の在り方に対して目覚めていくというもの。
もっと、ヒューマンでほんわかした作品だと思っていただけに、
そのギャップは大きかったね」

----へぇ~っ。
その介護ビジネスって?
「自分で判断ができなくなった、
いわゆる認知症の(あるいはそれに近い)老人を騙しての闇金稼業。
しかも、その闇金で破産した老人たちを
最悪の老人介護施設に入れ、
生活保護や年金をせしめるんだ」

----そ、それは…。
いくらなんでも、主人公がそんなあくどいことやるなんて?
「でしょ。
ほんと、東宝映画らしくない。
しかも、ご丁寧にも彼に憧れる成次(風間俊介)は、
カラオケで『唐獅子牡丹』を歌う。
主人公は、その老人から
『あんた、市川雷蔵に似ているね』と言われる」

----。東映、大映、両方を織り込んじゃってる(笑)。
「そう。
それだけじゃないんだ。
この映画が、東宝にしては珍しいと思ったのは、
いわゆるスターを中心に押し出した映画ながら、
ここに出てくる施設が
冗談抜きに、スクリーンのこちらまで臭ってきそうなほど
不潔に描かれていること」

----リアリティに徹しているんだニャ。
「そういうこと。
なんでもここの撮影のために
熱海郊外の空き地にオープンセットを作り上げたらしい。
普通なら、外観だけを外で撮って
部屋の中はスタジオにセットを作り撮影…ということが多いんだけど、
これは、最近の映画では異例と言えるだろうね」

----でもそれ分かるニャ。
感情の流れが途切れないですむもの。
「ただそれに引き換え
施設の改革に彦一が目覚めてからが
あまりにも巧くいきすぎているというのは
どうかと思うけどね。
なにせ、主人公は
それまでほとんど寝たきりだった老人たちを動かし、
彼ら自身の手で施設を作り変えちゃうんだから。
とは言っても
この映画、認知症、虐待、施設不足といった
現代の“高齢化”日本が抱えている問題を
このようなエンターテイメントの形で打ち出したのは
評価されてもいいんじゃないかと思う。
映画の舞台となるこの街を
『観光福祉都市』に変えようと提唱する
市議会議員・八代(香川照之)の絡み方もオモシロい。
彼は弁護士ながら
父の地盤を受け継ぐためにやむなく議員に立候補。
その土地をしきる極朋会と対立している。
で、その極朋会を頼ってきたのが彦一。
彼は、
コンビニで働いているとき、
コンビニ強盗の蔦井雄三(堺正章)と出会う。
彼、蔦井は極朋会の元組員幹部。
一方、八代は
その蔦井の娘・葉子(安田成美)に
昔から片思いしているという構造」

----ニャるほど。
このふたりが物語に大きく関与してくるんだニャ。
「そう。
極道は人の弱いところを見つけ、
そこを巧みに突いてくるからね。
蔦井が口利きで葉子の母親を
優先的に特別養護老人ホームに入れたことから
話はスリリングにふくらみ始める。
監督は。
『県庁の星』『容疑者Xの献身』など手堅い演出が魅力の西谷弘。
今回は、夏帆、杉本哲太、宇崎竜童など
キャスティングもよかったと思うよ」


フォーンの一言「ラストがいいらしいのニャ」身を乗り出す
※映画的カタルシスに満ちた、このシーンを撮ろうとしたその熱意だけでも星ひとつアップする度


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『塀の中のジュリアス・シーザー』

2012-11-01 23:27:26 | 新作映画
(原題:Casare deve morire)




----『塀の中のジュリアス・シーザー』
これまた意味深なタイトル。
「そうだね。
実はこれ、
イタリアのパオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ兄弟の作品。
ベルリン映画祭では金熊賞を受賞。
イタリアのアカデミー賞に当たるダヴィッド・ディ・ドナテッロでも
作品賞を始め主要5部門を受賞している話題の作品なんだ」

----ふうん。
どういうお話ニャの?
「イタリア、ローマ郊外にあるレビッビア刑務所。
ここでは囚人たちによる演劇実習が行なわれている。
毎年、さまざまな演目を囚人たちが演じて
所内劇場で練習の成果たる舞台を
一般の観客に観てもらうんだ。
指導しているのは演出家ファビオ・カヴァッリ。
この映画では、
今年の演目であるシェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』の
公演が終わったところからスタート。
囚人たちによるオーディションに始まり、
所内の稽古風景が写しだされていく。
しかも、所内の劇場が工事中ということで、
あらゆる場所を使って稽古は行なわれる。
そう、刑務所自体がローマ帝国へと変貌していくんだ」

----ニャるほど。
ということはドキュメンタリー。
「ぼくもずっとそう思っていたんだ。
ところが、やがておかしなことに気づく。
稽古中に役者同士が
芝居を離れたところの個人的ないさかいを始める。
あるいは、面会のあとで、
芝居に戻ることはできない…。
まあ、それだけならありえる話なんだけど、
それがあまりにもタイミング良く写しだされるものだから、
徐々に疑問が湧いてくる。
『これって、やらせじゃないのか?…』ってね。
その疑惑を増幅させるのが
あまりにもベストのポジションにカメラが置かれていること。
いさかいであれ、落ち込む役者であれ、
それらの場面は、
これ以上ないアングルで捉えられているんだ。
ということで、観ているうちにさらに混乱。
これは虚なのか?実なのか?ってね」

----う~ん。
「さて観終わって分かったのは、
この映画には<脚本>があったってこと。
つまり芝居を演じる彼らは、
また、演じている自分を演じていたワケだ。
演出家ファビオ・カヴァッリもね。
『だから何?』と言いたくなる人もいるかもしれないけど、
これはほんとうにゾクゾクする体験。
オモシロい映画、感動する映画、興奮する映画、泣ける映画…
そういうのはいくつもあるけど、
虚と実の間をゆらゆらと彷徨う、
そういうこれまで味わったことがない体験をさせてもらえると、
もう、それ以上のものは求めようと思わなくなる。
まあ、そこがぼくの弱点でもあるけどね」


フォーンの一言「そういえば、精神病院患者に演じさせる映画というのもあったニャ」ご不満

※それは『マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者によって演じられたジャン・ポール・マラーの迫害と暗殺』のことだ度

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