ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『三銃士・王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』

2011-09-28 23:59:42 | 新作映画
(原題:The Three Muskteers)



----この映画、久しぶりにオーランド・ブルームが出ているんだよね。
数あるオファーの中からこの役を選んだのだとか…。
「それは確かにそうなんだけどね。
これが、なぜか悪役。
でも、それが一つの問題。
彼が演じると、
そんなに悪人に見えない。
おそらく、ブルーム本人は自分のイメージが固まるのを避けようと、
こういう役をあえて選んだんだろうけど、
映画全体の中でも彼が演じるバッキンガム侯爵は脇役にすぎないし、
もうしばらくは、
そのカッコよさをいかして
ヒーロー路線で行ってもよかったんじゃないかな。
しかもこの映画は
他にも悪役が目立っていて、彼はちょっと損している感じ。
二重スパイの女ミレディにミラ・ジョヴォヴィッチ
リシュリュー枢機卿にクリストフ・ヴァルツ
枢機卿の手下ロシュフォール隊長にマッツ・ミケルセン




----ふうん。でも悪役が魅力的な映画って、
それだけでオモシロそう。
「それは言えているね。
正直、三銃士を演じる3人は、
かつてのリチャード・レスター監督版に比べて
かなり見劣りする。
もっともあれは凄かったからなあ。
アトスにオリヴァー・リード
ポルトスにフランク・フィンレー
アラミスにリチャード・チェンバレン
悪役も
リシュリュー枢機卿にチャールトン・ヘストン
ロシュフォール伯爵にクリストファー・リー
ミレディはフェイ・ダナウェイ

----ほんと、オールスターだったんだニャあ。
ところで主人公のダルタニアンは?
そもそも、お話は前と同じニャの?



「ダルタニアンはね、
あの『3時10分、決断のとき』で鮮烈な印象を残したローガン・ラーマン
レスター版ではマイケル・ヨークがやっていたけど、
こちらは彼に比べても見劣りしなかったね。
この『三銃士』の物語は、
元銃士の一人の息子であるダルタニアンが
自分もその仲間入りしようと故郷を後にパリへ。
そこで知り合った三銃士たちと共に
リシュリュ―枢機卿の陰謀と戦うというもの。
いわゆるダルタニアンが冒険を通して大人の仲間入りしていく。
その未知の世界に入っていくワクワクドキドキ感が、
ローガン・ラーマンの期待に満ちた光る目によく表れていて、
なんか共鳴しちゃったな。
あ~、こういう映画、昔よくあったよな…って感じ」

----あらあら遠い目(笑)。
これは自分に置き換えてるニャ。
過ぎ去った日々…(笑)
「いかんいかん。
さて、お話に戻すと…
当時、フランスは幼きルイ13世の治世下。
彼はままごとのような夫婦生活を送っていて、
政治には疎いというか無知な上に無関心。
イギリスのバッキンガム侯爵の着る服の色のことくらいしか興味がない。
枢機卿はそれに乗じて実権を握ろうとしているんだ。
あっ、ここの比較もするなら
レスター版ではルイ13世を
ヴァンサン・カッセルの父親、ジャン=ピエール・カッセルが演じていたけど、
今回はフレディ・フォックス
彼は、なんと懐かしやエドワード・フォックスの息子なんだね。
レスター版では彼が愛するアンヌ王妃にジュラルディン・チャップリン
そしてダルタニアンが一目ぼれするコンスタンスをラクエル・ウェルチ
今回はアンヌ王妃をジュリアン・テンプルの娘ジュノー・テンプル
コンスタンスは新鋭ガブリエラ・ワイルドだ。
と、これじゃ俳優の話だけで終っちゃうな…(汗)。
物語の方は、さっきも言ったように
枢機卿の張りめぐらした罠が軸で、
まあ、語るほどのモノじゃないからね」

----じゃあ、映像の方は?
今回は3Dでしょ。
その効果あったの?
「3Dカメラはなんと8台も使っている。
これって3D映画史上初めてのことなのだとか…。
技術も進歩していて
ステディカムまで使用しているらしい。
ロケーションの方も話題となっていて
舞台はフランスとイギリスなのに、あえてドイツで撮影。
これは、17世紀ヨーロッパの雰囲気が残っているという理由からのようだね。
そしてもうひとつの見どころが
日本語の副題にもなっているダ・ヴィンチの飛行船。
これも一艘ではなく複数機登場。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』を彷彿とさせる
空中バトルを展開する。
とはいえ、オーランド・ブルームは
そこではまったく活躍しないんだけどね。
と、このことひとつを取っても彼が出演する必然性があまり感じられない。
いちばんのもうけ役は
この映画の監督ポール・W・S・アンダーソンの妻でもある
ミラ・ジョヴォヴィッチのアクロバティックなアクションかな。
その均整の取れた肢体の柔軟性もさることながら、
肌の美しさには目が点になってしまった。
やはり、美しいものは隠さず見せた方がいいね」




----変な結論。
これはロマンポルノの仕事の後遺症だニャ。

                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「続編も作られそうな雰囲気なのニャ」気持ちいいニャ

※オーランド・ブルーム、このままだとティモシー・ダルトンになっちゃう度

コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

画像はドイツ・オフィシャル・ダウンロード・サイトより。

『ハラがコレなんで』

2011-09-24 22:27:11 | 新作映画

----これは観る前から期待していた映画だよね。
「うん。
監督がいま注目の石井裕也
で、タイトルが『ハラがコレなんで』。
で、ヒロインが仲里依紗とくれば、
もう、これは観たくならない方がオカシイ」

----だけど、普通のコメディとどう違うの?
「今回、観てみて再確認したんだけど、
この石井裕也監督というのは、
時代の捉え方、
そしてその中でどう生きていくか、
この二つに対しての
自分の立ち位置が実にはっきりしている。
この映画、
ヒロインは仲里依紗演じる光子。
妊娠9ヶ月でお腹の父親と別れ、
金もなければ家もない。
ある意味ギリギリの状態の彼女がどう生きていくか…
簡単に言うと、その生きざまと周囲の関係を描いたもの」

----ニャるほど。そういえば
『川の底からこんにちは』ではヒロインが“中の下”だったよね。
この監督と、都会のトレンディな生活は無縁みたい?
「うん。そういう意味でも作家性のある監督だね。
おそらくたとえば、T社あたりから頼まれたとしても
彼は、都会を舞台にしたベストセラーの映画化なんぞには手を出さない、
そんな気がする。
今回、ここで描かれるヒロインも、
“流れる雲を追いかけて”
子どもの頃に暮らしていた“長屋”にたどり着く。
口癖は『OK、大丈夫。私がなんとかする』。
ものごとが上手くいかないときには“とりあえず昼寝”。
で、“そのういちいい風がきっと吹く”」

----そんなにうまくいくわけないんじゃニャいの?
「実際はそうなんだろうけど、
彼女は、じたばた、あたふた焦ったりするのはみっともないと思っている。
光子の生き方の底にあるのは“粋かどうか”ということ。
これで思い出したのが、
この監督の前作『あぜ道のダンディ』
あそこでも主人公は常に
自分の生き方に対する美学を持っていた。
今回のこの映画は、
頑張る女性がヒロイン。
つまり、『川の底からこんにちは』+『あぜ道のダンディ』で成り立っている。
これからの彼の長い(であろう)監督人生を考えると、
これはその到達点であり総決算、そんな気がするな」


                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「
中村蒼
も出ているのニャ」ぼくも観たい

『いい風が吹いてないときは、昼寝が一番。
大丈夫、風向きが変わったら、
そん時ど~んと行けばいいんだから』

座右の銘にしたい言葉だ度』

コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

『孔子の教え』

2011-09-21 23:31:33 | 新作映画
(原題:孔子)


----孔子って「論語」の人だよね。
そんなの映画にニャるの?
これまで聞いたことないけど…。
「だよね。
実を言うと、中国で孔子が映画化されるのは今回が初めてのことらしい。
文化大革命の時が、そのいい例で、
中国で思想家をまつり上げるのはご法度。
そのせいか、彼のことは中国人よりも
日本人の方がよく知っているんだって。
と言っても、ぼくは知らなかったわけで
もし、“この映画が史実に忠実だとすれば…”の注釈付きだけど、
見どころはいっぱい」

----で、どうだったの?
史実に基づいていたの?
あっ、知らないんだからわからニャいか…。
「いや。どうもそうでもないらしく、
映画としてオモシロく仕上げているみたい。
でも、ぼくはそこが気に入ったんだけどね」

----う~ん。どういうこと?
「たとえば、彼の有名な言葉、
『義を見てせざるは勇なきことなり』
『道が違えば共には進めぬ』
『己の欲せざる所は人に施すなかれ』
『朝に道を聴かば夕べに死すとも可なり』
『非礼なものは 見ず 聞かず 言わず 行わず』
などが、
なるほどここか、というところで登場するんだ。
このエピソードと言葉を結びつけるやり方は、
シーンの“キメ”のセリフとなって
観る方に分かりやすく伝わってくる。
ただ、
最初に語られるエピソード、
殉葬のシーンを見て、
あ~、これは地味な映画だなと…」

----ところが、そうでもなかったワケだね。
「うん。
まさか、ここまでスペクタクルシーンが多い映画とは思わなかった。
まあ、それぞれのエピソードは、めいめい確認してもらうとして、
この映画では、
孔子に軍師としての才能があったという描き方もなされている。
たとえば領土返還のため、
兵士の数を多く見せて相手を欺く。
かと思えば、周囲国の脅威を取り除くべく
城壁をぶっ壊すという実力行使にも出る。
これら“戦”のシーンがいくつも映像として出てくるんだからビックリ。
しかもそれらは実際には特殊撮影を駆使して描かれているにもかかわらず。
中国の雄大な景色の中でのロケであるかのように見せてしまうんだから…
この点でも、感心させられたね」

----ニャるほど。
確か孔子を演じているのはチョウ・ユンファだよね。
「これもビックリだね。
チョウ・ユンファと言えば、
やはり香港ノワールのイメージが強いし…。
これって、ジェイソン・ステイサムがキリストを演じているようなもの
あっ、中身に少しふれちゃうと、
ぼくの中でもっとも印象に残ったのは
ジョウ・シュンが演じた衛の霊公夫人・南子のエピソード。
彼女は司馬遷の『史記』では
そっけなく扱われているということらしいんだけど、
この映画では、孔子を尊敬していて、しかも彼を誘惑しようとまでする。
そしてとんでもない一言を発するんだ。
それは
『先生の苦を理解する人がいても、
その苦から得たものを会得する人はいませんね』

----それはスゴい。
「これを聞いた孔子は、
あわててその国・衛を立ち去る。
孔子も自分を見抜いた彼女に一目置いちゃったわけだ。
このままだと自分も骨抜きにされるかもしれないという
一種の防御的姿勢。
この描き方は、映画としてほんとうにオモシロかった。
それと、これは監督フー・メイの言葉なんだけど、
『ヨーロッパの哲学思想は人間の自由、個性、自己が大切にする。
一方、東洋、特に儒教の教えはあくまで他人との関係、
他人への思いやりを非常に大切にする。
たとえば“仁”という感じ。これは二人の人間関係を表している』

これは、とても印象に残った。
3.11以降、
左右の両陣営みたいな感じで、原発推進派と、反対派があるけど、
どちらも“自分とあなた”を軸に置いていないように見える。
“大事なのは自分と家族だけ”でもなく、
“個人よりも国が先”というのでもなく、
一人ひとりがそれぞれに、あなたと生きる…
こう考えたら、おのずと答は出てくる気がするんだけどね」


                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「スペクタクルと聞いたら観たくなったニャ」ぼくも観たい

※孔子の生涯が見られるだけでも貴重な体験だ度

コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

『モテキ』

2011-09-20 22:38:36 | 新作映画
----“モテキ”ってどういう意味?
ポスターとか見ると、
森山未來が嬉しそうに女神輿に乗って
はしゃいでるけど?
「いやあ。これはぼくも知らなかったけど、
どうやら“モテ期”、
つまりモテル時期ということみたい。
観る前までは、
主人公の男がモテてモテてどうしようもないという、
カサノバ状態の話かなと…。
ところが全然そうじゃなかった。
主人公の名は藤本幸世。
これまで派遣社員の暮らしを送ってきた彼は、
自分がモテないことに悲嘆と焦りを抱いている。
ちょっといいなと思う女の人と出会っても、
あれこれすべて悪い方に考え、
どうせ上手くいくわけはないと、自分から身を引いちゃう…
というのが、テレビでのシリーズのパターンだったみたい」

----それってニャんだか、寅さんみたいだね。
「(笑)そうだね。
ただ、これは今回の映画版で変化を見せる。
エンターテイメントのニュースサイトの会社『matalie(ナタリー)』に入った藤本は、
自分から一歩足を踏み込んでいく。
そのために傷ついてじまうことも多々あるんだけどね」

----その相手はだれ?たくさん女性が出ているけど…。
長澤まさみ演じる松尾みゆき。
藤本が彼女と知り合うきっかけはツイッター。
今回、このツイッターがいろいろと使われていて、
ツイッターやっている人が見たら、
ちょっと恥ずかしくなるかもしれない。
フォローの数とフォロワーの数だとか、
つぶやいた数だとか…。
他の女性は、そのみゆきの友だち・るみ子(麻生久美子)、
藤本の悩みをやさしく(?)聞くガールズ・バーの愛(仲里依紗)、
そして彼の会社の同僚で・唐木(真木よう子)。」

----その中で恋のさや当てがあるわけじゃないんだね?
「おっ。古い言葉知っているね。
そう言うことになるのかなと思ったら、
これがならない。
せいぜい、るみ子が藤本を好きになるだけ。
ただ、このるみ子ってのが、あまりにイタすぎ。
重いんだね。
たとえば、みゆきだったら、どんなサブカルな話にもついていくけど、
彼女の趣味は、一人カラオケ。
それもB’zの熱唱
で、自分がフラれると追いすがって
『重くならないように、
私、神聖かまってちゃんも聞くようにする』」

----あらら…。
「まあ、ストーリーはこれくらいにしておこうかな。
この映画、めちゃくちゃオモシロいんだけど、
後で考えるとストーリー自体は信じられないくらい古い。
これまで何度も描かれてきたことの繰り返し。
好きになった女には彼がいて、その彼は妻子持ち。
で、主人公を慕う女性も出てくるけど、
彼女を好きにはなれない」

----でも、ストーリーは古くても
映画は気に入ったんでしょ?
「そこなんだよね。
この監督の大根仁という人、堤幸彦監督のADだったらしい。
冒頭から、映像の遊びで飛ばす飛ばす。
主人公がフラれると大江千里の『格好悪いふられ方』が流れる。
これだけだったらよくあることだけど、
ご丁寧にも字幕が流れ、まるでカラオケ模様。
他にも、ちょっとハッピーな気分になると、
街はステージに。主人公は踊り始める。
このあたりは『(500)日のサマー』のノリだね。
かつてクレージーキャッツ映画にはよくあったけどね。
最初のうちは、その過剰な演出が鼻について…。
たとえば、主人公の心の内を全部言葉に出すとか、
うるさいなと思ったんだけど、
いつの間にか、そのテンポに入りこんでしまっていた。
とにかく声出して笑って、涙まで出ちゃったもの。
キスシーンは、やたらとリアルだし
『ソーシャル・ネットワーク』の話は出てくるし、
カラオケでリリー・フランキー
レミオロメンの『粉雪』歌うしと、
もう見どころいっぱい。
『ばらばら(星の源)』とか『東京(くるり)』とか
選曲もバッチシ。
あと、エンドクレジット。
ここまで凝ったものをぼくは観たことがないね」


                    (byえいwithフォーン)

※追加情報:
いまプレス見たら、やはりあのミュージカルシーンの元ネタは『(500)日のサマー』でした。


フォーンの一言「有名人がいっぱい出ているみたいなのニャ。」おっ、これは
※森山未來もスチャダラパーとライブでノリノリだ度

コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

『カウボーイ&エイリアン』

2011-09-19 22:32:44 | 新作映画
※ちょっとだけネタバレありです。



(原題:Cowboys and Aliens)


----この映画、タイトルからして惹かれるんだけど、
どういうお話?
そのエイリアンというのは友好的なの?
それとも侵略者ニャの?
「う~ん。
主人公を演じるのがダニエル・クレイグ
街を牛耳る強権的な大佐がハリソン・フォード
この顔ぶれで想像つきそうなんだけどな。
これは、れっきとしたSFアクション。
地球を襲うエイリアンに
西部の荒くれカウボーイたちが立ち向かうというお話だ」

----それはよく考えたよね。
普通、エイリアンが出てくるとよくて未来のお話。
ほとんどは現代だもの。
「これはずいぶん前だけど、
小説の『真・幻魔大戦』で、
江戸時代を舞台に戦うというのは読んだことがある気がする。
ただ、今回、観て思ったのは、
この西武時代に宇宙人という設定にはかなり無理があるし、
ここでの疑問をさらに進めていくと、
宇宙侵略モノすべてに無理があることに気づかざるを得なくなる。
まあ、そのことを教えてくれただけでも
この映画の意味は十分にあるわけだけど…」

----ん?どういうこと??
「あまり、ツッコミはしたくないんだけど、
地球が滅びるタイプの映画でもない限り、
最後に勝つのは人類というのはお約束だよね。
でも、普通に考えたら相手は銀河を渡って地球までやってくるほどの
進んだ文明の持ち主。
西部開拓時代の武器で勝てるワケがない。
でも、勝っちゃう。
じゃあ、そのためにはどうすればいいか?
エイリアンの攻撃力、防御力にアナを作っちゃえばいい。
ここからは少しネタバレチックになるけど、
主人公たちは、
エイリアンの宇宙船の心臓部に侵入してダメージを与えようとするわけだけど、
普通ならあって当たり前のバリアがない」

----それは大きいニャ。
「うん。
で、このことに、
えっ?と思ってしまうと、
他の“エイリアン侵略映画”も、
その時代の地球人の進歩に合わせた戦いにしか見えず、
設定の無理を感じてしまう。
たとえば核兵器が生まれる前と後だけでも
随分違うはずだし…。
その意味でも
さっきの例を出すと、
最初に描かれた『少年マガジン』の『幻魔大戦』
そのラストは凄かった」

----えっ、ニャが起こるの?
「なんと、
月が膨張。
つまり敵は、月を地球にぶつけようとする」

----うわあ。それじゃ勝てるはずないや。

                    (byえいwithフォーン)



フォーンの一言「あの手に光るのはなんなのニャ。」小首ニャ
※それはこの映画の肝。主人公が記憶喪失というのはユニークだ度

コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

画像はオフィシャル・ダウンロード・サイトより。

『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』

2011-09-18 18:26:36 | 新作映画
(原題:Captain America : The First Avenger)



----これって、何年も前から話題に上っている
『アベンジャーズ』の一人だよね。
どういう人ニャの?
「そうだね。
たとえば『アイアンマン』『マイティ・ソー』みたいに、
特別な能力を持っていたり、他の星から来たりってわけじゃない。
超人並みにパワーアップした人間と思った方がいいかもね。
ぼくもキャプテン・アメリカという、
その名前だけは子どもの頃から知っていて、
でも、中身が分からず、
いったいどんな人だろうと思っていたんだけど、
この映画観て、なるほどって感じ。
主人公は、ひ弱な青年スティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)。
時は1941年、第二次大戦の真っ最中。
やせ細って小柄な彼は、軍隊に入って
正義のために戦いたいけど、
いつも落とされてしまう。
だが、そんな彼に目を付けたのが謎の軍医アースキン博士(スタンリー・トゥッチ)。
彼は、スティーブに
『スーパーソルジャー計画』という軍の秘密実験に参加しないかと持ちかける」

----ニャるほど。それで彼は生まれ変わるわけだね。
でも、なぜひ弱なスティーブが?
「そこがユニーク。
超人兵士になるためには“超人血清”というのを用いる必要があるんだけど、
このアースキン博士は昔、
ナチの中でもカルト集団として知られる
極秘化学部門ヒドラ党の幹部ヨハン・シューミット(ヒューゴ・ウィーヴィング)を
“超人血清”の実験体として使い、
結果的に、彼の邪悪な心をより凶悪な人物にしてしまっているんだ。
アメリカに亡命してきた彼は、その過ちを繰り返すまいと、
今度は、誰よりも純粋な心と本物の勇気を持つ男を選んだというわけだ」

----そうか。その“超人血清”とやらは
人の本質をパワーアップさせるんだニャ。
「そういうことだね。
さて、極限の苦しみに耐え抜き、無事実験には成功。
スティーブの背は高くなるわ、パワー、跳躍力は付くわ。
その高い能力は、この薬を狙って入りこんでいたスパイを彼が追いかけるシーンでさっそく発揮される。
もう、ここからが、手塚治虫の昔の漫画にジュール・ヴェルヌをかけ合わせたみたい。
スパイを追うスティーブは最後、彼を小型潜水艇まで追いつめて捕まえる。
ただ、その最中、博士は死亡。
この『スーパーソルジャー計画』は頓挫してしまう」

----あらら。じゃあスティーブは?
「彼を待ち受けていたのは、軍の広告塔。
星条旗の派手なコスチュームを着て
軍のマスコット“キャプテン・アメリカ”として全国を歩きまわる。
それも後ろにはダンシング・ガールを引っ提げてのミュージカル風レビュー。
これによって軍の人気はエスカレートし、志願者は殺到。
スティ-ブの人気もうなぎ昇りで、コミックや映画にもなる」

----コミックや映画?
オモシロい設定だニャあ(笑)。
「だよね。
さて、あるキャンプ施設でブーイングを浴び、
自分の人気が作られたものであることをいやというほど気づかされた彼は、
親友が所属する107連隊がヒドラ党に攻撃されて全滅という話を聞きつけ、
単身、彼らを助けに敵地に乗り込む。
映画はここから、戦争活劇のノリ。
無事、救出に成功した彼は、
107連隊を率いて、さまざまな任務に携わる…」




----ニャるほど。
「この映画、一言で言えば
頭をからっぽにして観るには、けっこう楽しめる映画。
ただ、ちょっと冷めた目で観ちゃうと、
あまりにもアメリカ愛国主義的なところとか、
冒頭に、北極で起こるミステリアスな発見のエピソードとか、
気になるところもないでもない。
とりわけ、冒頭のエピソードについては
オチを言ってしまうようなものだから
ない方がいいかもね…。
まあ、しかしいずれにしろ、
これは思った以上にポップな漫画の世界。
監督のジョー・ジョンストンは、
あの『ロケッティア』に続いてレトロな世界を巧く再現。
けっこう楽しめると思うよ」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「こんな人が戦場にいたら、ちょっと変だニャ。」小首ニャ
※そうえいばトミー・リー・ジョーンズも出てる度

コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

画像はオフィシャル・ダウンロード・サイトより。

『ワイルド・スピードMEGA MAX』

2011-09-17 22:17:48 | 新作映画
(原題:Rise of The Planet of the Apes)



----へぇ~っ。
まさか、再開第一弾がこの映画とは?
あまり好きそうに見えないけど…。
カ―アクションが売りの映画でしょ?
「いや。
実はもう、来週から先行上映らしいので、
早く喋らなくてはと…。
この映画、確かにカ―アクション・ムービーだけど、
それがまあ、実にオモシロい。
ぼくはアクションにはエモーショナルがなければ…と思っている方だけど、
ここまで新しいアクションを作ろうとしているのを見ると、
少々のことは目を瞑ってもいいかなと…」

----どういうところが新しいの?
「たとえば冒頭、
いきなり始まる大カ―アクション。
それは砂漠の中を爆走する列車と並走してのモノ。
狙うターゲットは列車で運ばれている車。
車から列車に飛び乗るなんてのは当たり前。
盗んだ車を横付けにした車を使って
列車から地上に着地させ、そのままぶっ飛ばしちゃう。
クライマックスなんて、
巨大金庫を二台の車で街中を引きずって
追手のパトカーとの大カーチェイス」

----確かにスゴそうではあるけど、
そんなの捕まらない方がおかしいよ。
逃げ切れるなんてマンガみたい。
「そこが今回のオモシロさ。
なんと言うか
『黄金の七人』をアクションでパワーアップしたノリ。
まんまと、警察を欺いちゃうんだ。
で、この警察の中にザ・ロックことドウェイン・ジョンソンがいるのもポイント。
舞台であるリオで壊れそうなトタン屋根の上を
主人公を演じるヴィン・ディーゼル/strong>と重量級の追っかけっこを見せてくれる」

----ニャるほど。それは見ごたえありそう。
ポール・ウォーカーも出てるんだよね。
いったい、どんなお話。
「うん。
ストーリーはあまり意味がない。
一言で言えば、
おたずねものとして世界中から追われ、
リオの浦さやかに身を隠していた前科者のドミニク(ヴィン・ディーゼル)と、
彼を脱獄させた元FBIブライアン(ポール・ウォーカー)が、
逃亡生活から抜け出し永遠の自由を得るために、
リオを牛耳る犯罪王から10億円強奪することを計画。
そのため、昔からのなじみのドライバーを集め、
史上最強のチームを編成。
そんな彼らをFBI特別捜査官・ホブス(°ウェイン・ジョンソン)が追うというもの」




----分かりやすいお話。
「でも、ラストにえっ?と思うワンシーンが
ある人と共に出てくるから、
絶対最後まで観てね」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「けっこう楽しめそうだニャ。」おっ、これは
※話しているうちに、この映画、だんだん甦ってきた度

コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

画像はイタリアのオフィシャル・ダウンロード・サイトより。

まだ終わらないのかニャ。(怒るフォーン)

2011-09-14 01:01:50 | Weblog
  ということで、フォーンの写真。                 





フォーンの一言「次は、いつ話してくれるのかニャ」
ご不満




コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー


『リミットレス』

2011-09-07 12:25:46 | 新作映画
(原題:Infestation)



----いやあ、ほんと久しぶりだニャあ。
ずっと、デスクに向かっていたみたいだけど。
「うん。
ある、映画のムックスに取り掛かっていて、それが2冊。
担当ページが計96ページ。
一ページ当たり、大体1,000文字で、
もう、寝食惜しまざるを得なかったってわけ。
とてもブログまでには…。
どれだけNZT48があればいいなと思ったことか…」

----ニャんニャの?
そのNZT48というのは?
「映画『リミットレス』に出てくる新薬。
ブラッドリー・クーパー演じる主人公エディは、
冴えない作家志望の男。
出版契約を交わしたのに、一行も書けず、
ヒッピーというよりもホームレスみたいな身なり。
ついに恋人のリンディ(アビー・コーニッシュ)にも別れを告げられる。
絶望を抱える彼は街角で
元妻メリッサの弟ヴァーノン(ジョニー・ホイットワース)と再会。
薬品会社のコンサルタントを自称する彼は、エディの窮状を聞いて
開発されたばかりの新薬を差し出す」

----それがNTZ48ってわけだね。
「そういうこと。
疑いながらその薬を飲んだ彼に信じられないことが起こる。
脳に埋もれていた過去の全ての記憶が覚醒。
それらが結びついて価値ある情報に変わる。
ほんの数秒で傑作小説を書きあげるエディ。
金の返済を迫る若い女性の大家に対しても、
その姿を一瞥しただけで、
彼女の置かれている状況を把握。
相談に乗って、
あっという間にベッドインへと持ち込む(笑)。
ところが、その薬の効果は長く続かない。
翌日、元のエディに戻った彼は、
アップグレードするためにヴァーノンを訪ねるが…」

----ニャるほど。そこから事件が起こるわけだ。
「そう。
ヴァーノンは何者かに殺され、
でも、うまいこと、NTZ48を手に入れるエディ。
彼はカジノで連勝、外国語も習得でき、可能性はリミットレス。
作家なんかバカバカしいとばかりに証券会社へ。
あっという間に大金持ちになるが、
そんな彼の才能を周囲は放っておくはずもなく、
大物投資家カール(ロバート・デ・ニーロ)は
彼に史上最大規模の会社合併話を持ちかける」

----ふむふむ。
そして、ヴァーノンを狙った連中もエディを放ってはおかないというわけだね。
「そういうこと。
そして、ここからいくつものサスペンスが生まれてくる。
何者かに狙われているという恐怖、
大きな取引をしているときに、突然薬の効果が消えてしまうという焦り、
そして彼の持っていた薬をたまたま飲んだことから、
それを彼から奪おうとする男も現れる。
そしてもう一つ問題なのは、
薬が切れている間、実は彼の記憶が飛んでいること。
もしかしたら彼は殺人を犯したのかもしれない…」

----ニャるほど。オモシロそうだ。
「よくできている本だと思うよ。
でも、ぼくがこの映画を気に入ってるのは、
それを<画>として魅せていること。
エディが周囲の情報を瞬く間に吸収していくさまは、
360度見渡しているような感じを
カメラワークによってまとめてフレームに収めている。
まるで後頭部にも目があるかのよう。
こういう手法って、いいなと思う。
いわゆるVFXに頼っていない。
まるでブライアン・デ・パルマが映像の魔術師と言われた時のよう。
単純な発想なんだけど、映像になると
スゴイ吸いつけられる力がある。
それを頭の中で情報処理しているところなんかは、
もちろんVFXが入っているけど、
導入部にこの映像があることで、
すんなり受け入れることができる
また、落ちこぼれたときのエディと成功したエディも
一方は照明を暗くして望遠レンズで少し汚く見せ、
もう一方は賞目をソフトにして広角レンズ。
これによってクリアになった感じが出せる。
そのカメラの使い分けに応じて役作りした
ブラッドリー・クーパーの演技力もスゴイけどね」

----ふうん。でも、えいが飲んでもあまり効果なさそうだニャ。
監督は誰ニャの?
『幻影師アイゼンハイム』ニール・バーガー
ハンバーガーなじゃないから、間違えないでね」

----あららら…。

                   (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「次は、いつ話してくれるのかニャ」
ご不満

※オチもなかなか決まってただ度


コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

※画像はスペインのオフィシャル・ダウンロード・サイトより。