ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『スカーレット・レター』

2005-04-22 23:41:42 | 新作映画
------この映画って、問題の作品だよね。
「うん。韓国のイ・ウンジュが亡くなった原因とまで言われている。
プレス見て初めて知ったんだけど、監督がピョン・ヒョクなんだね。
アジア初のドグマ認定作『Interview』を撮った人」

------ドグマ?ニャンだそれ?
「1995年にデンマークのコペンハーゲンにて、
ラース・フォン・トリアーとトマス・ヴィンターベアが『純潔の誓い』を立てたんだ。
これは作家性を重視したモノで、
いわく撮影はロケーション、小道具やセットは持ち込み不可、
カメラは手持ち、カラー、ジャンル映画は認めない、
オプティカル処理やフィルター使用は禁止....など10の誓いからなっている。
で、その後、世界各国から趣旨賛同の監督による作品が続いたってわけ」

------つまんなそう?
「いいねぇ(笑)素直な反応。
でも、それだけ厳しい姿勢を貫こうという人たちだけあって、
作家性の徹底ぶりはすごい。
そんな監督が作ったというんだから、
やはりすごいやね」

------どんな映画なの?
「『スカーレット・レター』というくらいだから、
デミ・ムーア主演で映画にもなった
有名なアメリカ文学の古典と関係あるかと思ったら、
それはあまりなかったね」

-----前ふりが長いなあ~。
「じゃあ、話すかな。
主人公はハン・ソッキュ扮する自信家の刑事ギフン。
彼は妊娠中の妻ギョンヒがいるにも関わらず、
彼女の音大時代の同級生カヒと付き合っている。
その不倫話と並行して、
彼が担当する殺人事件の物語が語られる。
それは写真館の店主が殺されたという事件で、
第一発見者の妻が疑われるというモノ」

-----ニャンだ。ありふれてるじゃない。
「そう思うだろう?
ところが、だれもが思いもよらなかった事実が
次々と明らかになっていき、
そしておぞましい驚愕のクライマックスへ向かう」

-----おぞましい?
「うん。少なくともこれを後味がいいと思う人は誰もいないに違いない。
いくつかブログ回ってみたけど『エグイ』『ショック受けた!』
といった言葉が並んでた。
あの悪夢というか、生と死のはざまの地獄のシーンを演じたら、
精根尽き果てること間違いない。
人間を信じられなくなるだろうし、
自分が一生ひとりの人を愛しきるという確信も持てなくなる」

-----な、なんかすごそう。
「うん。イ・ウンジュのセックスシーンも確かにあるけど、
彼女はそんなことよりこのクライマックスで
一気に厭世観を持ってしまったような気がするな。
鬱とも言われたけど、それも分かる気がする。
最初の登場シーンで『only when I sleep』を歌ってるけど、
その声が聞けるのが救いかな」


※改めてイ・ウンジュさんのご冥福をお祈りします。

※寝覚め悪い度

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