ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『オデッセイ』

2016-02-22 22:15:53 | 映画

「こんなに星が写らない宇宙ものも珍しい『オデッセイ』。
よく引き合いに出される『ゼロ・グラビティ』よりは好きかな。
主人公に悲愴感があまり漂わないところが、
なるほど宇宙飛行士になる人は器が違うわと…。
あとよく問題となる邦題。付けた人の気持ちも分かる。
救出クルーからすればあれはまさしく。」(観た直後のTwitterより)

(原題:The Martian)

----ほほ~っ。噂の『オデッセイ』
これって、あれでしょ。
火星に一人置き去りにされた男が
救助が来るまでの間を
いかにして生き延びるかという…。
「そう。
これがTwitterではやたらと評判いいんだ。
否定的な意見は、ひとつふたつだけ。
他はもう大絶賛の嵐」

----どういうところが人気あるの?
「ちらちらと目に入ってくる情報からすると、
『元気が出る』。
『悪い人がいない』。
なかには
『こんなすがすがしい気分で映画館を出たのはいつ以来だろう?』
なんてのもある。
まあ、これを目にしただけでも
映画の中身は想像ついちゃうけど、
ほんとそのとおりのポジティブな映画」

----でも、ちょっと信じられないニャ。
どうやって火星でひとり生き抜いたんだろう?
「そのポイントの一つは、
主人公が植物学者ということ。
自分の持てる科学的な知識を総動員して
この危機を切り抜けていくんだ」

----ニャるほど。
でもそうは言っても
未知の世界に一人っきり。
しかも酸素や水もないわけでしょ。
パニックに落ちらないのが不思議。
「そこなんだよね。
この映画を高く評価する人の中には、
日本映画みたいに、
大声をあげての怒鳴りあいもなければ、
パニックでおかしくなる人もいない…
ということを指摘する人もいる」

---実際はどうだったんだろう?
「この映画、
リドリー・スコット監督の頭の中には
おそらく
観た人が気持ちよく映画館を後にできる映画を作ろう』という
強い意志があったのではないかという気がする。
冷静に考えたら、
この状況で、正常でいられることは難しい。
たとえそれが
宇宙飛行士として
常人の想像もつかない厳しいトレーニングを受けていたにしてもね。
マット・デイモン演じるこの主人公だって
何度も絶望に落ちいったに違いない。
でも、監督はあえてそこは見せない。
観客の鑑賞後の気持ちまで考えて作っているんだ

---で、それは成功したということだニャ?
「うん。
たとえば外壁を取り払ってテープ補修した火星脱出のロケット。
漫画チックなこの設定にしても
それはやりすぎなんじゃないの?
と、だれもツッコんだりはしない。
その後の
ジェシカ・チャスティンの手を掴みぐるぐる宇宙空間を回るシーンなど、
まるでダンスを踊っているかのよう。
映画を観ることで心を幸せな気持ちで観たす。
これは、そのことを念頭に作られた映画、
ぼくはそんな感じがしたな」


フォーンの一言「しかし、日本では宇宙の映画はなぜか当たるニャ」身を乗り出す

※それはやはり夢があるからだ度
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『スティーブ・ジョブズ』(ダニー・ボイル監督版)

2016-02-14 17:47:24 | 映画

(原題:Steve Jobs)




『スティーブ・ジョブズ』。始まったので一言。
この映画、第三幕目=クライマックスに訪れる、ある感動のショットは1秒あるかないか。
きっちりと伏線の回収がなされます。くれぐれもお見逃しなきよう。(Twitterより)


----『スティーブ・ジョブズ』
もう始まっちゃってるよね。
「うん。
最近の映画って、
核心を喋ろうとすると、
人によっては
『それネタバレ!』となっちゃうことが多くって、
かえってこの映画のような公開後のタイミングがいいのかなって…。
ただ、この映画に限って言えば、
興行的な苦戦を強いられていると聞いたこともあるかな」

----でもそれは仕方ないんじゃニャいの?
同じタイトルの映画が
2~3年前に公開されたばかり。
「ジョブズをアシュトン・カッチャーが演じたヤツだね。
他の題材ならともかく、
同一人物にスポットを当てているわけだし、
ぼくも正直、
はて、どんなもんだろうと…」

----でも、オスカー作品賞にこそノミネートはされなかったものの、
アメリカでの評判はすこぶるよかったような…。
こうやって喋っているのも
その2本に違いはあったってことでしょ?
「うん。
観た直後にぼくがTwitterで呟いたのがこう。

『まるで会話舞台劇。
マイケル・ファスベンダー版「スティーブ・ジョブズ」。
ダニー・ボイルは、
ジョブズがプレゼンを行なった3大製品の発表直前40分の舞台裏に絞って、
その特異な個性の秘密に迫る。
ジョブズの退社、
復帰のくだりに詳しくない人は
アシュトン・カッチャー版で予習することをお勧め」


ぼく自身、この映画、
もしアシュトン・カッチャー版を観ていなかったら
よく分からなかったと思う。
彼の昔からの仲間ウォズアニック(セス・ローゲン)や
部下のアンディ(マイケル・スタールバーグ)あたりとの関係ならともかくとして、
外部から迎えたCEOスカリー(ジェフ・ダニエルズ)のくだりは
少し分かりづらいと思う。
ジョブズという人は
アメリカン・ドリームを実現させた
本国では知らない人はいないような偉人。
とはいえ、一般の日本人はどこまでそのアップダウンを知っているか…」

----アップダウン?
「うん。
ジョブズは自分が創立したアップル社を一回追われている。
しかも自分が招いたスカリーにね。
そこで新たにNextを立ち上げるんだけど、
今度はスカリーが失脚し、
アップルがNextを買収するという形で戻ってくるんだ。
さて、この映画はその大きな2つの転機を
いずれも製品発表会の当日に絞って、
しかも自分の娘リサとの関係を大きくフィーチャーしながら描く」

---ニャるほど。
それは脚本の妙というヤツだニャ。
「そう。
Twitterではこの脚本化についての評判がすこぶる高い。
さすがアーロン・ソーキンというようにね」

---だれ、その人?
『ソーシャル・ネットワーク』でアカデミー賞脚本賞を受賞した人。
続く『マネーボール』でもやはりオスカー・ノミネートされるなど、
いま注目の人ではあるんだ。
もっともショービズ界で注目されたのは意外に古く
トム・クルーズ主演で映画化された『ア・フュー・グッドメン』
ブロードウェイ戯曲から。
オールドファンには
『アメリカン・プレジデント』『冷たい月を抱く女』なんてのもある。
確かに、会話だけで構成された200ページの脚本なんて聞くと、
話題になるのもうなずける。
でも、不思議なことに
ほとんどの人が
この映画がダニー・ボイル監督作品ということをスルーしている」

---ダニ^・ボイル監督って、
『スラムドッグ$ミリオネア』でオスカーを取っているよね。
「うん。
続く『127時間』でもノミネートされた。
オモシロいのは、この2作品に限らず
彼の映画は作劇法が一策ごとに異なっているということなんだ。
もとより『シャロウ・グレイブ』『トレインスポッティング』という
インディーズ映画で注目を集めた彼だけど、
その後、コメディからゾンビ、SFまで、
ジャンルや手法にとらわれうことなく描いている。
映画研究家から見たら、
『あっ、これはダニー・ボイル』という断言はできないと思うな。
実は、そういうレビューを読んでみたい、
そのこともあって、今回、この作品にしてみたんだけどね」

---ニャるほどね。

フォーンの一言「それにしても『口先ひとつで、世界を変えた男』はないよニャ」身を乗り出す

※まあ、昔の仲間からも「君は何もできない」みたいに言われていたけ度

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