ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

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発表!極私的2004ベストムービー!!

2004-12-30 23:29:46 | 新作映画
-------2004年もあと少し。
こんなとこでパソコンに向かってていいの?
「だいじょうぶ。お雑煮もおせちも準備万端。
あとはゆっくり1年を映画で振り返るだけさ」
-------おっ、いよいよベスト10が出るなりか?
「10本を厳密に選ぶのはなかなか難しいから、
まあ、気に入った10本プラスαという感じで、気楽に聞いてよ。
とはいうものの、どこから始めようかな?
月別か、国別か、それともジャンル別か.....う~ん、悩むなあ」
-------1月から順に観た映画の中で気に入ったのをあげていったら?
ここも、ジャンルとか関係なく喋ってるんだし。
「なるほど確かに。そうしよう。
でも1月公開の映画は前の年に観ているし、
それでは2003年12月から始めることにするかな」
------パチパチパチ。
「って、拍手してるのフォーンだけじゃん。
●さて12月。ここで2004年一番の号泣映画が早くも現れる。
12月26日に観たイタリア映画『ぼくは怖くない』
配給会社の宣伝マンいわく「私が関わった映画の中で一番よかった」。
そんなまた大袈裟な....と思ったら見事にやられた。
ある秘密を知った少年の決断と実行が、
思いもよらない事態を巻き起こす。
あのラスト10分間のたたみかける展開は映画的興奮の極致だね。
音楽はパッヘルベルのカノン。
映画『夫婦』以来、よく使われる曲だけど、
この映画の使用法がベストだろうね。
●1月。楽天での日記のタイトルにも使っている
『きょうのできごと a day on the planet』
この映画は京都に引っ越してきた一人の若者と、
その手伝いにやってきた仲間たち、彼らの一夜の物語。
これは京都の下宿の特徴なんだろうけど、
マンションとは違う古い民家が効果的に使われ、
大森一樹の『ヒポクラテスたち』を思い出したな。
いま注目株の妻夫木聡より柏原収史の方が印象に残ったね。
こういう奴、いるいるという感じ。
あっ、そうだ『69 sixty-nine』も柏原収史がやったら
まだよかったかも。
ただ、ふたりも含め若手男優のアンサンブルが見事なのに対して
田中麗奈をはじめ女の子たちの演技がわざとらしいのは頂けなかったな。
●1月はもう1本『殺人の追憶』
この映画の出現は衝撃!
最初、犯人捜しのミステリーかと思って観てると、
コメディ風になったり、ホラー風になったり、
果ては社会ドラマにもなっていく。
もっとも息を呑んだのが、
刑事3人が犯人とおぼしき男を追いかけて無人の町を走り回るシーン。
そのチェイスの一部始終を、カメラはあらゆるアングルから捉える。
ところが、あるカットが次のカットに移った瞬間、
いきなり工事現場が現れる。
しかもそこには徹夜で働く男たちがうようよ。
何か狐につままれたような感じ。
そう、ここで映画は一瞬にして今までとまったく別の<顔>を見せるんだ。
●2月は『ロスト・イン・トランスレーション』
これはビル・マーレイ抜きではありえなかった映画だね。
彼はまるでジャック・レモンのよう。
それにしても、日本、そして東京の不可思議さを
あそこまで客観的かつ緻密に見せてくれた外国映画はあまり記憶にない。
一見、風刺たっぷりの映画に見えるけど、ぼくはそうじゃないと思う。
この映画が嫌みにならなかったのは、監督が東京という街を愛しているからなんだ。
●3月は『子猫をお願い』
これも韓国映画。
高校を卒業して1年。
かつての仲間たちは....?という
いわば韓国版『セント・エルモス・ファイヤー』。
携帯電話のメールの文字をスクリーンに映し出したりするなど
その手法も斬新だけど、
なんと言ってもこの映画はぺ・ドゥナの魅力に負うところが大きかった。
『殺人の追憶』の監督のデビュー作
『吠える犬はかまない』ですでに頭角を現してはいたけどね。
●3月はもう1本『下妻物語』
映像で遊びに遊んでる映画だけど、
だからって悪ふざけになってないんだ。
最近のCMやビデオクリップ上がりの若手監督は
映像で遊ぶものの、肝心の映画にはなってないことが多い。
ただただ長いビデオクリップを見せられている感じで、
いい加減途中で飽きがきちゃう。
ところがこの映画ではロリータとヤンキー、
主人公二人のキャラがきちんと描き分けられ、
さらに深田恭子と土屋アンナもそれに応えてる。
-------ふう、ここでまだ6本か。
そろそろおなかいっぱいになってきたにゃあ。
「ちょっとブレイクしようか........?
でもそうすると続きは年明けになるから一気に行こう。
●4月は試写じゃないけど『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』
第1作目の時から思ってたことだけど、
映画の技術、特にSFXはこの映画を作るために
発展してきたんじゃないかと...。
しかもぼくがこの映画を好きなのはサムの存在。
そう、ラストでも明らかなようにこのシリーズはサムの物語なんだ。
監督はサムの生きざまに託す形で
真のヒーローとは何かを訴えているような気がする。
●5月は『ぼくセザール、10歳半1メートル39cm』
もともと子供の映画は好きなんだけど、
これってまるで『トリュフォーの思春期』みたい。
子供同士の友情とほのかな恋の芽生え、そして冒険。
それがレノ・イザークの音楽に乗ってリリカルに紡がれる。
子供の視線1メートル39cmからのカメラで描いているのも嬉しいね。
●6月は『らくだの涙』
これはモンゴルの遊牧民とらくだを描いたドキュメンタリー。
難産で生まれた赤ちゃんらくだに対して邪険な母らくだ。
困った大人たちは、母らくだの頑なな心を音楽療法で溶かそうと
子供たちに演奏家を呼びに行かせる。
シンプルなお話なんだけど、
その演奏が始まると、なんと母らくだの目には大きな涙が...。
しかもこんな奇跡とでも呼びたくなる瞬間に立ち会いながら
遊牧民の家族は『よかったよかった』で、別に驚きもしない。
いやあ世界の広さを感じたね。
ぼくらには驚きでも彼らには当然なんだから。
しかしこれってほんとうにドキュメンタリーなんだろうか?
あまりにもできすぎていて信じられないのは、
こちらが文明社会の常識に囚われているからなのかも。
●少し飛んで8月が『オールド・ボーイ』
これは確かそのとき喋ってるからいいよね。
ふう~っ、これで10本だ。
------思った以上に趣味的だにゃ。惜しくも漏れたのは?
『パピヨンの贈りもの』『ワイルドフラワーズ』『花とアリス』
『天国の本屋~恋火』『スパイダーマン2』『誰も知らない』
『いま、会いにゆきます』『ベルヴィル・ランデブー』
『マッハ!』『スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー』

あたりが次点の10本かな。
ここは思い出したら、また追加するかも。
さっそく『ラブ・アクチュアリー』『パッション』を追加」
------ところで、えいの「いい映画」の規準って何なの?
「単純だよ。見ていて退屈しない、あくびが出ない。
なによりも眠くならないこと(笑)」

※極私的2004度


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書かなかった理由(わけ)

2004-12-29 01:14:15 | 新作映画
------ブログを始めて早いものでもう半年。
最初の頃は、確かぼくフォーンがえいのことを
話すはずじゃなかったっけ。
「そうなんだよね。
でもいつしか映画の話ばかりになっちゃった」

----------毎日毎日、どんな映画も観たのは必ず書いてたもんね。
でも、すべて書くようになったここ2~3ヶ月の中でも
いくつか書かなかったのがあったよね。
それって理由あるの?
「うん。今日はそれを喋ろう。
まず1本目は『犬夜叉 紅蓮の蓬莱島』。
こういうアニメは、そのファンが楽しむためのものだから、
一般の映画とは違う気がする。
たとえば、それぞれのキャラクターをどれだけ
ファンが納得いく形で見せてるか....?
ぼくのような門外漢が入り込む余地はないということさ」

--------でも同じアニメでも『名探偵コナン』とか
『クレヨンしんちゃん』のことはいつもよく喋ってるよね。
「うん。コナンは毎回、プロローグの後に、
状況設定とキャラの説明をしてくれる。
これは一部のファンだけでなく
広く一般の人にも観てもらいたいという証だと思う。
あと、しんちゃん。
あの映画は人気キャラクターを利用して、
自分たちのやりたい世界をやろうとしている-----
きわめてメッセージ色の強いものなんだ」

-------にゃるほど。次は『プロジェクトY』
「これは大分湯布院町で行われた
町議会議員選挙を描いたドキュメンタリー。
でもスポットを当てているのは
ほとんど若手候補の3人だけ。
くしくも撮影を断った一人の候補が言ってるように、
若いというだけの理由で選んだみたいで、
3人それぞれの主張の違いも浮かび上がらないし、
旧勢力との差もはっきりとは伝わらない。
ただ、<ぼくらは頑張ってるよ>っていうのを見せられるだけ。
つまんないドキュメンタリーだったね。
選挙に落ちるのも候補者10数人のうち一人だけだし」

------最後は『1リットルの涙』だっけ。
「これは、ある実話に基づいている。
主人公の女性は徐々に体が動かなくなってゆき、
やがて体の全機能が停止してしまう
<脊髄小脳変性症>という難病にかかっている----。
う~ん。こういう映画は語りにくいな。
演出がどうのとか、演技がどうのとかいう以前の問題。
ひとりの失われた命の重みの前には
なにも喋れなくなってしまう」

-------次回はいよいよ2004ベスト10かな?

※気分はくもり度


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『恋は五・七・五!』

2004-12-27 23:32:01 | 新作映画
-----五・七・五って俳句のことだよにゃ。
そんなものが映画になるの?
「鋭い!....ってあたりまえか.....。
この映画は『バーバー吉野』で話題になった
女性監督・萩上直子の新作。
舞台は2年後に迫った統廃合に揺れる、とある高校。
我が校の名を残したいと願う校長は悲観してばかりいられないと、
俳句甲子園への出場を決める。
ところが急ごしらえの俳句部に集まったのは
なかば強制的に入ることとなった帰国子女の女子高生・治子、
彼女に憧れるウクレレ少女P子、寡黙な写真部員ツッチー、
外見重視のチアガールをクビになったマコ、
万年補欠部員の山岸の5人......。」

------ちょっと待った!どこかで聞いたことあるぞ。
わかった『ロボコン』だ。
「そう正解(笑)。
最近はこの手の話が多すぎる。
まったく才能がない連中が初回戦では負けるものの、
悔しさをバネに一生懸命がんばり最後は勝つ。
それでも『ロボコン』は、そのバトルに動きがあった。
ところが.....。」

-------この映画にはにゃいの?
「そう。俳句というのは、また難しい題材を選んだもの。
そのチャレンジ精神は買うけど、
結果、できた映画は、俳句の解説に終始している。
この俳句甲子園というのは
5人編成の2チームが赤白に分かれ、
1対1の対戦形式で試合を行うもの。
こういう文科系スポコン・バトルムービーの場合、観る方が期待するのは、
部員5人の日々の喜び、悩みが俳句として昇華され、
それが試合の中で読み上げられ、感動へつながるという形。
ところが、その完成した俳句をを聞いても
対戦相手の高校生と同じく、観ているぼくらも『ハァ~ッ?』。
で、なぜこの俳句が生まれたか、
その背景を登場人物が説明しはじめるばかりか、
伝わらない相手に向かって『あんたたちには分からないわよ』とまで言う。
だからって、そこまで深く相手チームのことを描いてはいない。
俳句の感動を説明し、分からない人に悪態つくんじゃ、
真の感動からはほど遠い。
笑いもはじけないし、がっかりしたな」


※少しがんばる度


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『エターナル・サンシャイン』

2004-12-24 23:47:47 | 新作映画
------今日は楽しみにしていた『エターナル・サンシャイン』だね。
「そう。チャーリー・カウフマンと、
このしっとりラブのビジュアルの組み合わせが意外でね」

-------結果、どうだったの?
「やはり一筋縄ではいかなかったね。
別れた恋人クレメンタインが自分に関する記憶を
一切消してしまったことを知った主人公ジョエルが、
自分もその記憶を消そうと、彼女が施術を受けたのと同じ医院に出向く。
最初は新しい方の記憶から消されるため、
破局寸前のぎすぎすした感じが呈示されるんだけど、
記憶をさかのぼるに従って、かつての楽しい日々が甦ってくる。
で、これを消すわけにはいかないとジョエルは思い始めるんだけど、
なにせこの施術は睡眠中に行われるため、彼に止めることはできない。
で、夢と記憶の混在した中でジョエルはどうにかして
この記憶を消されないようにと逃げ回る....というお話さ」

------これはオモシロそうだ。
「そうなんだよね。彼が眠っている横では
施術を施す人々が無責任に遊びほうけたりしている。
一方、ジョエルは記憶を見つけられないように、
だれにも話していない恥ずかしい自分の過去に逃げ込んだりする。
そのあたりのシュールな映像が見応え十分。
周囲の人々や壁が消えたり崩壊したり。
また、記憶の中、人の顔ものっぺらぼうになったりとかするんだ」

-------でも、物語としてはワンアイデアにすぎない気がするにゃ。
「ここで終わったら。確かにそう。
ところが、その医院のひとりパトリックがクレメンタインに一目惚れ。
ジョエルとの過去が消されたことをいいことに、
自分がジョエルと同じ方法で彼女にアプローチしていくのさ。
で、なにがカウフマンらしいかって、
これら、過去、現在、記憶が、説明なしに同じレベルで語られる。
そのため、観ている方は緊張を強いられっぱなし。
時制や現実と記憶の差異を
カセットテープなどの小道具、
そしてクレメンタインの髪の色などで表しているんだけど、
正直言って、一度ですべて分かる人がいたとしたら、脱帽モノだね」

------話変わるけど、そろそろ今年の総括やってよ。
「うん、ちょっと趣向を考えてはいるんだけどね」
        (byえいwithフォーン)

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『カナリア』

2004-12-23 00:43:49 | 新作映画
-------『カナリア』って、あの鳥の?
「そうだよ。これは95年に起きた地下鉄サリン事件の直後に、
サティアンに強制捜査に入った警官隊が先頭に掲げていた
鳥かごの中のカナリアから来ている」

------ということはオウムと関係あるの?
「教団の名前はニルヴァーナになってるけど、そう考えて間違いないね。
この映画では、そのときサティアンの中にいた子供の<その後>を描いている。
主人公は12歳の少年・光一。彼は、警察に保護され児童相談所に預けられる。
ところが祖父は妹だけを引き取り、
いまだに教団の教えを信奉している彼の引き取りは拒否する。
そこで光一は相談所を脱走し、
妹を連れ戻し、同じく信者の母親と一緒に住もうと東京まで旅に出るんだ」

------えっ、その母親はどうしてるの?
「彼女はあるワークについたまま、行方不明。
で、脱走した光一は、ひとりの少女・由希と出会う。
彼女は援交オヤジの魔の手から抜け出したばかり。
実は由希も母親を亡くし、父親のひどい仕打ちに遭っていたことから、
光一について東京へ行くことになる。
ここからこの映画はロードムービーの色合いを帯びてくるんだ。
途中、ふたりはレズ的光景を目の前で繰り広げる女性カップルに出逢う。
演じているのは、りょうとつぐみ。
で、その翌朝のシーンが印象的。
霧が一面にかかりミルクのように真っ白に.....。
ほとんど何も見えなくなるんだけど、それがなぜか観る者の目を引きつけてしまう」

------ちょっと待って。
じゃあ、サティアンでの生活とかは描かれないの?
「ぼくも途中まではそうかと思った。
しかし、それも虐待に近い修行シーンも含めて、
きっちりと収められている」

-------ふうん。プレスには<衝撃のラスト>と書いてあるけど?
「う~ん、衝撃というのはどこを指してるんだろう?
えっ、という驚きはあるけど....。
どちらかというと、そのラスト直前の方が胸を打ったね。
音楽の使い方が実にうまい。
これから観る人のために、その曲は言えないけど...」

------撮影もよかったんだって?
「うん。この映画は、常識を信条に生きる普通の大人と、
自分たちが変わることで社会も変わると信じた信者たち、
そして、そんな大人たちの勝手によって
自分の生き方を強制的に決められてしまった子供の姿を描いているわけだけど、
子供の視線で描くため、通常の映画よりカメラポジションが低い。
そのため、他の映画とは違う独特の映像的視界を獲得しているんだ」

------オウムのことなんて自分には関係ないという人も
たくさんいるのでは?
「でも、連合赤軍事件が『光の雨』として映画化されるまでの
長い長い歳月を考えれば、今回はわずか10年なんだよ。
まだまだ事件は風化していないはずだ」

-------でも、そこから出た答はにゃんなの?
「彼らの教育係であった元信者が少年・光一に言う
『おまえは、おまえ自身がなにものであるかを、
おまえ自身で決めなくちゃいけない』じゃないかな。
その言葉を受けて少年が、そこから先、自分自身にどう向き合うか、
それがこの映画の核心と言えるだろうね」


(byえいwithフォーン)

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『ハサミ男』

2004-12-22 00:54:59 | 新作映画
------『ハサミ男』ってタイトルからして猟奇的。
「そうだね。この映画ではタイトルどおりに、
ハサミによる連続殺人事件が起こる。
しかも犠牲者は頭が良くて可愛い女の子ばかり…。
殺人犯は豊川悦司と麻生久美子という奇妙な二人連れ。
ところが、ふたりが次のターゲットを下見中に、
その女の子がハサミ男の手口を模倣した方法によって
殺されてしまうんだ。
で、第一発見者となったふたりは
自分たちが持っていたハサミを投げ捨て、
疑惑が自分たちの身に降り懸かることを避けようとする」

------ふむふむ。そういうストーリーだったわけね。
で、映画としてはどうだったの?
久しぶりの池田敏春だよね。
「終わった後、知人が言ってたのは、<ユルい映画>だったということ。
確かに、警察側の描き方など
最近の映画から見れば緊迫感がない。
夕刻の空の色などは、いかにも池田敏春らしいんだけど、
その絵画的な分だけシャープさに欠けていた。
あと、音楽の使い方も古めかしい。
『マルサの女』などでいい仕事をした本多俊之なんだけど、
即興でつけたとか言う音がとにかくうるさい。
ジャズ喫茶に迷いこんだかのよう。
映画に、一つの色を与えすぎてると思ったな」

------で、模倣犯はすぐ分かった?
「いや、これはやられたね。
ちょっと思いつかなかった。
ただ、その意外な犯人が最後に麻生久美子の前に
姿を現すんだけど、
その前に、彼がその犯人であると気づいた所轄の刑事たちが
合同会議中に騒ぎ出す。
これは順序は逆の方が観客に与えるショックは
大きかったと思う。
映画は途中冗長に流れるんだけど、ここから回復」

------というと?
「事件は一応の結末を見る。
でも結局、刑事たちは真相を完全には把握していない。
真実は闇の中に眠ってしまう。
それでも、主人公の心が闇から抜けだせたんだから
この物語は終わりでいいんじゃないかという監督の大胆さ。
それがこの映画の新しいところのような気がする」

------ことの真相は観客だけが知ってるってことか。
「ハサミを十字架に見立てて終わるところも、
贖罪の映画だと言うことを暗示しているしね。
犯人を見つけて一件落着のカタルシスを求めてたら
“なにこれ?”でスッキリはしないだろうけど…」


       (byえいwithフォーン)

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『サスペクト・ゼロ』

2004-12-21 00:36:22 | 新作映画
------『サスペクト・ゼロ』ってどういう意味?
「特定の犯行手口やパタ-ンがなく、
捜査線上に決して浮かび上がらない、犯罪者のことなんだって」

------ふうん、それで物語は?
「舞台はニューメキシコ州の片田舎アルバカーキ。
そこで不可解な殺人事件が起こるところから始まる。
で、その捜査に当たるのが
以前に連続殺人犯の不当逮捕を行ったことが原因で、
この地に左遷されてきたFBI捜査官のトム・マッケルウェイ。
そんな彼の前に、犯行を予言するかのような
不気味なスケッチが次々と送られてくるんだ。
これを送っているのが最初出てきた犯人と言うことは、
すぐ分かる仕組みになってるし、
映画の中でもトムたちはすぐに
犯人のベンジャミン・オライアンにたどり着く」

------それじゃ、もう話は終わりじゃにゃいの?
「いや。オライアンはなぜかトムの行く先行く先が見えてるかのように、
そこにFAXを送りつけてくる。
しかも踏み込んだオライアンの部屋にはトムに関する新聞記事が貼ってある。
さあ、このオライオンの真の狙いは?
ということで、これ以上喋ると
ミステリーとして成り立たなくなるから、やめるけどね」

-------でも、それだけの情報じゃあ映画の宣伝は難しそう。
「そうだよね。ぼくもそう思う。
ただ、プレスには『本編鑑賞前読解禁止!!』と書かれたページがあって、
そこには<メタ超心理学>とやらを研究している某大学教授による
<米国陸軍およびCIA内に、かつて実在した遠隔透視諜報プロジェクト>の
解説が掲載されている。
ま、このタイトルから中身を推測してもらえるといいかな」

-------おっと、<本編をご覧になってない>人に、それ言っちゃっていいの?
「だってこれぐらい言わないと、
この映画の特徴は説明できないと思うよ。
それより、最近はよくいろんな専門家を見つけてくるなって感心。
実際、近頃のプレスやパンフは、映画評論家による解説よりも、
その映画が取り上げている題材に関するプロの寄稿が多い」

-------そりゃ、そうだよにゃ。
映画なんて所詮はその人の好みにあうかあわないかだし、
他人にいいの悪いの言われるより、
映画のバックグラウンドの方を知りたいもんね。
あれっ、えいがふてくされちゃった。
おい、しっかりしろよニャあ。
じゃあ、フォーンがかわりに.......
この映画はアーロン・エッカート、
ベン・キングズレー、
それにキャリー=アン・モスも出ています。
『セブン』みたいなサスペンス・ミステリーのようです。
 
   (byえいwithフォーン)

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『オーシャンズ12』

2004-12-19 17:18:19 | 新作映画
----------いよいよ、お待ちかねの『オーシャンズ12』。
11から12、つまりこれは一人増えるということ?
「そう、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ。
あと、敵の方もヴァンサン・カッセルが増えてるけど...」

----------増えてるけど、にゃによ?
「うん。言っちゃおうかな。
これって米国版『木更津キャッツアイ』だ!」

----------それはまた大胆な!
「だって、<泥棒>という犯罪をいつのまにか実行して、
えっいつの間に?------------と思うと、
時制をバックさせて、
『実はこのときこういうことがありました』とタネを明かしちゃう。
これって、いいの?掟破りじゃないのかな?」

----------もう少し分かりやすく言ってよにゃ。
「お話は簡単。
前作で自分がだまされてたことを知ったアンディ・ガルシアが
ジョージ・クルーニーたち一人一人のところにやってきて
期限までに金を返さなければ全員を殺すと脅すわけだ。
で、オーシャンズはいったいだれが密告したのか、
そしてその理由は-------と調べるうちに、
ヨーロッパの大物泥棒ヴァンサン・カッセルが
オーシャンズの盗みに自分のプライドを傷つけられたことから
この密告に及んだことが分かる。
で、ヴァンサン・カッセルはオーシャンズ11に
一騎打ちの盗みあいを仕掛けるというワケだ」

----------で、キャサリン・ゼタ=ジョーンズの役は?
「彼女はユーロポールの捜査官。
ブラッド・ピットのかつての恋人だ。
もちろん、ここにも男と女の一つのドラマが作ってある。
それはさておき、物語の主軸は
オーシャンズがいかにしてヴァンサンを出し抜いて
盗みに成功するかということになる。
ところが、この映画はヴァンサンをだますよりも、
もっぱら観客をだまそうと考えてるフシがあるんだね。
そのため最後に『実はこうでした』というのを見せるんだけど、
それがあまりにも唐突。
じゃあ、いままで見せてきた2時間はなんだったんだ、となったわけさ。

※少しネタバレ注
あっ、あと某ビッグスターが自分自身の役でカメオ出演。
さらにジュリア・ロバーツも『えっ、ホントにいいの?』という役を演じちゃう。
コメディ色が強くなりすぎていて、
そのテイストをみんなが受け入れるかどうかが、
この映画がヒットするか否かの分かれ目だろうな。
それと、映画をひとときも気を抜かず集中して観ていないと、
話が途中で分からなくなってしまうから、それも注意だな」

---------それって単に、えいの頭が老化してるだけじゃ?
「Mmmmmmmmmm----------」

                     (byえいwithフォーン)

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『パッチギ!』再び

2004-12-17 22:38:39 | 新作映画
-----あれっ、『カナリア』は行かなかったの?
「うん。急にインタビューの仕事が入って
もう一度「パッチギ!」を観ておいた方が
いいだろうということになったんだ。
この映画は一回紹介してるので、
改めて喋るのは止めるけど、
こんどはディテールまでじっくり観た。
すると、
現代を生きる若者へのメッセージを早めに出して
それを伏線にクライマックスを作ってることとか、
当時の流行や風俗も比較的前半に出して早めに観客をつかみ、
あとはドラマに集中させてることとか、
いろんなことが分かってくる。
同じ映画の試写に2回行ったのは
『がんばっていきまっしょい』以来だけど、
その甲斐あったね」

--------まるで『パッチギ!』応援隊だね。
『オーシャンズ12』のお話は?
「近いうちやるよ」

   (byえいwithフォーン)

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『東京タワー tokyo tower』

2004-12-16 23:14:09 | 新作映画
--------これまた話題の映画だね。
おや、なんとなくふきげん。
岡田准一のオールヌードがまぶしすぎたの?
「バカ言ってるんじゃないよ。
映画に頭にきたの。
『恋はするものでなく落ちるもの』
そのテーマは、まあいいとしよう。
だけど、だからと言って、
恋に落ちたところから始めて
あとはただずっと「会いたい会いたい」と
言ってるだけじゃ、何これと思うじゃない。
相手のどこがどうして好きなのか、まったく伝わらない
というか描いてない」

--------確か、これは二組の恋の話。
その<心>を描いてないのはどっちの方?
「岡田准一と黒木瞳のカップル。
で、もうひとつの<恋?>がまたひどい。
松本潤が演じている役なんて、
年上の女性、特に主婦を馬鹿にしている。
「人妻を落とすのなんて簡単....」って、あんたそれ
自分が美形なのを鼻にかけてるとしか思えない。
そのフテブテしい傲慢さは
まるで、そこらの黒服のキャッチみたいで、
観ていて不愉快だったね」

--------そんなこと言うと、
松本潤ファンから苦情がどっと来るよ。
「いや、本人がどうのじゃなくて役の問題だから。
思うに、これは最近のオバサマたちが引き起こした
『韓流』ブームを勘違いした企画としか思えない。
韓国の純愛映画は、
恋の障壁を<時制>だの<死>だのにおくことでファンタジーとしている。
ところが、ここではその障壁を<既婚>におき、
それゆえにどろどろとした展開となっていく。
で、さっきも言ったように
この映画は年下の男が自信過剰なものだからよけい始末が悪い。
かつては、このような<年上の女性>ものは
まだ世間慣れしていない年下の少年が
慣れぬ恋にひとり身を焦がしているものだった。
その人を愛する気持ちは、彼女の恋人や夫より勝ってるのに、
悲しいかなまだ世の中のことを知らず、
手も足も出なかったものなんだね。
岡田准一の方には少しそれは残ってたけど、松本潤は皆無。
ま、それが時代なのかも知れないけど....」

-------でも彼の相手役・寺島しのぶはよかったんでしょ。
「そう。彼女はスゴかった。真の役者だね。
とても『ヴァイブレーター』と同じ人とは思えない。
体重なんか明らかに増やしてるね。
顔つきらして変わってた。
『あっ、こんな人いそう』という生々しさがあったよ」

--------あれっ、そういうの嫌いって
いま言ってなかった?
「Zzzzzzzzzzzzz..........]

       (byえいwithフォーン)
※どろどろ度


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『雨よりせつなく』

2004-12-15 23:16:00 | 新作映画
------これってモデルの田波涼子って人が主演だよね?
「う~ん。困ったちゃんだったね」
------どういうこと?
「いやあ、きれいな人なんだけど、演技がね。
歩く姿がとても不自然。
肩に力が入ってるのが後ろから見てもわかっちゃう。
と、その前にストーリーを説明してしまおう。
主人公は27歳のOL・綾美。
恋人と別れてまもない彼女は同じ職場の男性・倉沢と知り合い、
次第に恋へと発展していく。
ところが彼は、自分の運転が元で
交通事故にあって死んでしまった恋人のことが頭から離れず、
いまだ心に傷を背負ってる」

-------ふうん。シンプルなストーリーだにゃ。 
「そう。時間も87分と短い。
ところがエレベーターで一緒になった女性評論家の人は
『87分と聞いて喜んでたのに、長かった~』だって。
監督が当摩寿史。『うつつ』『最後の恋、初めての恋』と、
しっとりした恋愛映画はお手のもの。
かつては伊丹十三監督の助監督だっただけあって、
ロケハンもしっかりしてるし、
雨の情感を中心とした映像もなかなかいいんだけどね。
でも、それも田波涼子の演技が台無しにしてる。
たとえば、倉沢が辛い自分の過去についてその重い口を開くとき、
それを喋るように強要したはずの綾美は
その衝撃の話を聞いても表情一つ変えない。
強要して悪かったという素振りも見せないんだ。
いやあ、本当にきれいなお人形みたい」

--------ちょっと言い過ぎだよ。他には何かないの?
「あっ、またまたオフィスの設定として
映画美学校の入ってる片倉ビルを使ってた...ってことぐらいかな」

--------それだけかい。

        (byえいwithフォーン)
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『レイクサイドマーダーケース』

2004-12-14 23:53:39 | 新作映画
※ネタバレ注

-----------この映画の監督ってカンヌで話題となった人だよね。
「『EUREKA/ユリイカ』だね。
あの映画は目の前で殺人事件を目撃した3人が、
疑似家族を築くことで自己回復する過程を
抑制のきいた演出で描いていた。
ところがこの作品は本格ミステリー。
『秘密』『@game』の東野圭吾の原作だけに、
またどんでん返しがあるのではと、
それを気にしながら観てたんだけど...」

-----------なかったってわけ?
「いや、あるにはあったのかなあ。
謎が解けてからの説明が長すぎて
これは今までの彼の映画化作品とは全く感触が違ったね。
物語はほとんど別荘の中で進む。
受験合宿で湖畔の別荘にやってきた3人の家族。
その中の一人のお父さんが
実は別居しているんだけど、
そこに彼の愛人がやってくる」

------------わかった。その愛人が殺されるんだ。
「そう。で、彼の妻が殺したのは自分だと名乗り出る。
しかし、こんなことが世間に知れたら、
名門校の受験なんて夢のまた夢。
一大スキャンダルだからね。
彼らは申し合わせて死体を始末。
しかし真相は思わぬところにあったというわけさ」

------------でも、キャスティングがオモシロいよね。
「役所広司が主人公。で、その妻に薬師丸ひろ子。
彼女が熱演だったね。ちょっと怖いくらい。
でも、この熱演というのがくせ者で、
それがみんなに伝播した感じ。
あの柄本明でさえ、怒鳴り声がスゴすぎて聞き取れない。
あっ、鶴見辰吾と杉田かおるが夫婦役。
実は『ON THE AIR/オン・ジ・エアー』でも夫婦役やってるけどね」

------------肝心の中身はどうなのさ?
「う~ん。会話が多くてまるで芝居を観てるみたい。
でも監督の青山真治は、家族や、親のあり方について
真っ正面から取り組んでるんだね。
これを言うとネタばらしになるから
あまり突っ込んでは言えないけど、
『EUREKA/ユリイカ』の頃からの彼のテーマといえるかも」


        (byえいwithフォーン)
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『ビヨンドtheシー~夢見るように歌えば~』

2004-12-13 22:25:39 | 新作映画
-----この映画ってボビー・ダーリンという人の
伝記みたいなものなんだって?
そんな名前の人、知らないにゃあ。
「そうだね。彼は1973年に亡くなってるし。
でもタイトルになってる『ビヨンド・ザ・シー』とか
『マック・ザ・ナイフ』とかを聞けば、わかると思うよ。
すごくポピュラーな曲だもの」

-----この前もコール・ポーターって人の
伝記音楽映画『五線譜のラブレター』があった。
「うん。この『ビヨンドtheシー~夢見るように歌えば~』も
最初はちょっと凝った作りになってる。
オープニングはボビー・ダーリンのステージ。
おっ、のっけから歌いまくるのねと思ったら、
途中で彼は歌を止めて、周りはブーブー。
なんとこれは、ボビーが自分で自分の映画を作っているという設定。
彼はどこから始めようかと迷っているというわけなんだ。
そこに自分の子供時代を演じる<子役>の子が現れて
「ここからでしょ」と、ボビーが病気で苦しんでる少年時代を思い出させる。
ま、その後はこの少年はときどき現れるだけで、
そこからは、この虚実の境界のようなあまり気を衒った表現はない。
せいぜい、大ミュージカル・シーンが現れたりする程度」

-----踊ってるのはケヴィン・スペイシー自身だよね。
「うん。この映画は彼の10年来の構想だったらしい。
そのため主演はおろか監督も兼ねている。
そのダンス・パフォーマンスも圧倒されるけど、
何よりも驚くのは自分で歌を歌っていること」

-----えっ、吹替えじゃにゃいの?
「そうなんだ。
歌のパフォーマンスとしてケヴィン・スペイシーの名が
しっかりエンドクレジットされてた。
あと、サンドラ・ディー。
いやあ、懐かしい名前だったね『避暑地の出来事』のヒロイン役。
彼女がボビー・ダーリンと結婚してたとは...。
恥ずかしながら知らなかったな。
で、ボビーがサンドラを口説くところがうまい。
あんな歯の浮いたセリフ、なかなか言えないよ」

-----と言うと、見どころはそこ?
「いや。人気が凋落したボビーにサンドラがある言葉をかけて、
それがきっかけとなり、
自信を取り戻した彼がラスベガスで再起のステージを行なうところ。
ボビーの人気の失墜の原因のひとつでもある“反戦フォーク”を
<ある演出>によって感動のステージにしてしまう。
そのステージでは<ある告白>もなされ、
観ている方の涙腺も思わず緩んでしまう。
ここのサンドラのセリフはお楽しみにと言うことで
あえて言わないけど、
その他にも『思い出は月光』とか
印象的なセリフが多いよ」


(byえいwithフォーン)
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『北の零年』

2004-12-11 00:55:11 | 新作映画
----この『北の零年』は行定勲監督なんだって?
「うん、『GO』を撮ったとき、
次回の東映作品は大作を、と言うことになったらしい。
それにしても大抜擢だ。なんと2時間48分!
これほどのスケールの大きな作品を
いわゆる巨匠ではなく、現代的感覚が売りの監督に任せるんだから」

-----でも、今年は「セカチュー」もヒットさせたわけだし、
行定監督ももうベテランのうちに入るのかもよ。
「確かにそうも言えなくはないけど、彼は器用だよね。
作品に応じた撮り方ができる。
この作品の場合は比較的オーソドックス。
でも一つ一つの画を観ていると、
力が入ってるなと感じずには入られないね。
たとえば初めて北海道に上陸するところなんか、
思いっきりカメラを引いてまるで『ライアンの娘』。
もちろん、デビッド・リーンとまではいかないけどね」

-----じゃあ、雪は『ドクトル・ジバゴ』だ(笑)。
でもどんな話なの?
「明治の初め。徳島藩から分離独立しようとして、
藩から襲撃を受けた淡路の稲田家は
明治政府の命令で主従546名が北海道へ渡ることに。
新しい土地に自分たちの国を作ろうと希望に燃える元武士たちは
慣れぬ農作業に勤しむ。
ところが第二陣の乗った船が難破した上に、
廃藩置県で、彼らの開墾した土地は政府管轄になってしまう。
失望の中、自らマゲを切ってこの地に踏み止まる家臣たち。
しかしこの北の土地では稲が育たず、生活が困窮してしまう。
そこで渡辺謙扮する小松原が
ここでも育つ稲を探しに札幌に行くわけだ」

-----ほほう。それじゃ豊川悦司は?
「まあ、待って。実は、主人公はこの小松原の妻・志乃。
演じているのは吉永小百合で、ちなみにこれは彼女の映画出演111作目にあたる。
で、その小松原がいない間に
彼らに近づき食い物にしようとするのが香川照之演じる商人の倉蔵。
彼は美しい志乃にも言い寄ってくる。
そんな彼女を救ったのがアイヌとともに暮らすアシリカで、
この謎の男を演じているのが豊川悦司。

※ネタバレ注
で、この後、映画は思わぬ展開を見せていく。
なかなか町から帰ってこない小松原。
いったい彼はどこで何をしていて、そしてなぜ帰ってこないのか?
映画はこのことへの興味で観る者を引きつけていく。
で、最大の危機にあらわれるのが…」

-----ああ。それ以上言わないで。
「でも一つだけ。
豊川悦司がとにかくカッコよくキメル。
彼こそ“ラストサムライ”だ」

-----あ~あ、言っちゃった。

(byえいwithフォーン)
※雪深い度


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『荒野の七人』

2004-12-08 23:26:37 | 映画
--------いまごろなんでこの映画なのさ?
「最近のはやりで、よく昔の名画をニュープリントでリバイバル公開してるわけ。
『荒野の七人』はTVばかりで
まともに観たことがなかったからちょうどいいかなって....」

--------で、どうだった?
かつての記憶と比べて。
「うん、ジョン・スタージェスってやっぱり
他のアメリカ西部劇の監督とは違ったんだなって、再確認したよ。
すでにいろんな人が喋ってるだろうから
ぼくが改めて言うこともないんだけど、
これはイタリアのセルジオ・レオーネにも影響与えてたんだね。
まず大平原や保安官やバッファローといった
アメリカ西部劇お約束のアイテムがまったく出てこない。
村の人々はメキシコ人ということもありみんな白い服。
その中に主人公の一人ユル・ブリンナーが黒ずくめ。
黒って本来なら悪人の衣装のはず。
『シェーン』のジャック・パランスのようにね。
でもそれを正義の味方(?)が着ている」

-------なるほど着眼点はマカロニウエスタンそっくりだ。
「そう。ああいった残虐さはないけど。
現実にはあり得ない超人的劇画チック必殺ガンプレイも
どんどん飛び出すし、それってここに原点がありそうだ。
で、野盗の首領がイーライ・ウォーラック。
彼はレオーネの『続夕陽のガンマン』の<醜い奴>役なのは知ってるよね。
そうそう、これはプレスに書いてあったけど、
最近ではタランティーノも使っている
銃撃戦の乾いた効果音もここに元があるんだってさ。
あ、あとホルスト・ブッフホルツが敵を馬から引きずりおろし
自分が代わりにその馬に乗るシーンはすごかった。
特撮なしのワンカット撮影。
あれはスタントなしだと思うけど...」


(byえいwithフォーン)

※ブッフホルツ驚き度


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