ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

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『濡れた赫い糸』

2005-06-29 18:57:40 | 新作映画
-----望月六郎監督の映画って、あまりタイプじゃないでしょ?
「う~ん。確かに。
陽に当ててない布団のような感触。湿気でじと~っとしている。
おそらくは、そこに生身の男と女の肉体、
そして感情の“距離のない”交歓を描こうとしてるんだとは思うけど、
あまりにも直截的な猥語が使われたり、血糊がたくさん出てきたりして、
観ていてとても気持ちよいとは言えない。
でも、今回の作品はいつもと少し毛色が違ってたよ」

-----と言うと?
「その前に物語のアウトラインを。
舞台は“忍山”という架空の町。
茂は色町で生きる一美という女に運命的な出会いを感じる。
町を出て一緒に暮らそうと彼女を誘う茂。
住み込みでボイラーの仕事に汗を流すふたりだが、
ある日、一美は茂の前から行方をくらましてしまう。
彼女にはなんとヤクザの夫がいて、
その夫が出所したため一緒に付いていってしまったんだね。
一美を取り戻そうとする茂は、周りからボコボコにされてしまう。
一年後、茂は大阪で恵理という女に出会う。
ところがこの恵理がとんでもない女だった.......。
と、これくらいにしておこう。
茂に北村一輝、一美に高岡早紀、そして恵理に吉井怜。
これに“忍山”で女たちに愛され、
彼女らの面倒を見る中沢と言う男が絡むんだけど、
この中沢を奥田瑛二が演じている」

-----らしい、キャスティングだね。
牡と牝って感じだ。フォーンが言うのもニャんだけど(笑)。
「うん、観ている間、70年代後半に戻った感じになったよ。
フィルムから発する匂いがあの頃の昭和。
しかも学生映画と日活ロマンポルノを行き来してる感じ」

-----日活ロマンポルノはいいにしても、学生映画はないんじゃニャい?
「いや、これは悪い意味でなく、ロケ地の選択、風景の切り取り方が、
学生運動が終わった後の時代のやるせなさと秋風を感じさせるんだ。
それでいて、前半は特に原色を散りばめてどぎつい空間を造型している。
北村一輝の服も、青や赤の原色。
それが逆に背後の風景の寒々しさを際立たせるんだ」

----ふうん。そんな見方もあるのかニャあ?
「それに加えてこの映画は、もしかしたら“入れ子構造”と思わせる
とんでもない<作り>となっている。
前半で、茂はトラックに轢かれそうになる。
ところが運転しているのは魚の運搬をしている茂。
開かずの踏切の前。
彼は大きな魚を手に早く運ばなくてはと焦りまくり、他のドライバーに絡まれる。
と、これは彼の悪夢。
夢から覚めた茂、しかしそこにまた別の悪夢が...。
そう、“夢のまた夢”ってヤツだ。
ところが映画は、
この二つ目の夢から覚めるシーンを映さないまま次のエピソードへ。
つまり、その後もずっと夢の可能性があるわけだ」

----えっ、さすがにそれはニャいでしょ?
「なぜ、そう思うかと言えば、以後、話があまりにも突拍子なくなるから。
まず、前半は茂と一美の話だったのに、
途中から完全に話の中心は恵理に移っていく。
しかもこの恵理の出現で、茂の人生は大きく狂わせられていく。

※ネタバレ注(今回はあえて全部書いてます)
病気で血を吐いている彼女を裏社会に売った自責の念から
彼女の面倒を見ていた茂は、
その病気が恵理の嘘と知り、彼女を追い出す。
しかし恵理はそこで引き下がりなんかはしない。
執念で追い回し、ある作戦により“忍山”を窮地に追い込む。
そこで中沢が恵理の背後で糸を引く男の元へ乗り込んでいく。
ここも不思議な描き方で、主人公は茂から中沢に移ったかのよう。
しかしその中沢は兇弾に倒れ、今度は茂が包丁を持って乗り込む。
ところが茂は魔性の女=恵理の返り討ちにあい。
その持っていった包丁で自分の指を切られてしまう」

-----あらら。ホラーじみてきた。
「なのに、次のシークエンスでは茂の指は繋がっている。
どう考えてもつじつまが合わない。
あのトラックのシーンで、もしかしたら茂はすでに死んでたのかも」

-----いや、それはニャいと思うよ。
「mmmmm・・・・・・・」
           (byえいwithフォーン)

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『スクラップ・ヘブン』

2005-06-28 20:02:18 | 新作映画
-----これって『69 sixty-nine』の李相日監督の作品だよね。
確か、あの映画はあまり高く買っていなかったようだけど...。
「うん。あれは“69年ごっこ”にしか見えない。
世代が違う青春像を描くわけだから、
もう少し下調べが必要----というのが、
あの映画へのぼくの持論」

-----でも、これは監督と同世代の青春映画だ。
「そうだね。主人公の一人、シンゴを演じる加瀬亮は同じ年。
テツ役のオダギリジョーは2つほど若いのかな。
そこに栗山千明扮するサキが絡む」

-----なかなか旬の顔合わせだ。どんなお話。
「簡単だよ。
デスクワークばかりで毎日がうんざりの刑事シンゴ、
便所掃除のプロを自認するテツ、
そして自室で秘密の実験を続ける薬剤師サキ。
3人が乗り合わせたバスがジャックされる。
シンゴにとっては願ってもない活躍のチャンスのはずだった...」

-----はずだった?
「でもシンゴは怖くて何もできず、
逆にそれが軽いトラウマとなってしまう。
そんなある日、彼は偶然テツを見かける。
黒服集団に絡み、取り囲まれてしまったテツを
へっぴり腰ながら刑事手帳をかざして助け出すシンゴ」

-----ほほう、話が動いてきたニャ。オモシロそうだ。
「シンゴはテツに心を許し、日頃の鬱憤を話す。
それを聞いたテツは彼を<復讐の代行業>に誘う、というストーリーさ」

-----あれっ、栗山千明のサキは?
「まあ、待って待って。
シンゴはバスの中でサキを助けられなかったという負い目があり、
何か手伝えないかと、足しげく彼女の元へ通ってた。
そんな中、彼女が依頼に現れる....という設定」

-----ん、ニャんだか、取って付けたみたい。
「そうなんだ。このチラシのビジュアルがそれをよく表している。
シンゴとテツは肩を並べて写ってるけど、
サキはひとり距離を置いて写っている。
彼女はふたりの関係の奥深くに入り込んでこないんだ。
そのため、『突然炎のごとく』や『冒険者たち』、
あるいは『明日に向かって撃て!』のような
男ふたり+女ひとりから生まれる高揚感は望むべくもない。
そうそう、冒頭のバスジャックでサキの右目が義眼であることが分かる。
そのときキャメラは、あえてホラー風にじらしながら
彼女の右目を捉える。
これって、映画の伏線になっても良さそうなのに、
それもあまり生かされてないし...」

-----ニャるほど、えいには合いそうにないな。
「復讐の依頼は汚れた公衆便所の落書きで行なわれる。
で、それに呼応するかのようにテツは
やたらと『クソ』という言葉を使う。
こういうのって、観ていてあまり気持ちよくないね。

※ネタバレ注
ラストも『気狂いピエロ』を逆でいくオチ。
こういうところに、
いまの時代の空気感を出しているのだとは思うけど、
どうもすっきりしない。
でも監督や俳優と同世代の人たちが観たら、
また違う発展的な意見・感想が出てくるのかもね」

(byえいwithフォーン)

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『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』

2005-06-26 12:28:07 | 新作映画
------隣にいたカップルの女性の方の人がずっと泣いてたんだって?
「うん、アナキンとオビ=ワンが
火山と溶岩の星ムスタファーで戦うあたりから
もう止まらなくなったみたい」

------アメリカでの公開時から
今度の『スター・ウォーズ』は“泣ける”と言われていて、
どういうことかなと思っていたけど、前評判に嘘はなかったわけだ。
「この『シスの復讐』は
『スター・ウォーズ』の中でも特別な位置にある作品。
だれもがアナキン・スカイウォーカーがダーク・サイドに落ちて
ダース・ベイダーになることを知っている。
でも結末を知りながらも、だれもその詳細は知らない。
それを確認する映画なんて、これまで観たことがない」

-----なるほどね。
「この映画は語り始めるときりがない。
すでに先々行ロードショーも始まり、
少しブログを観ただけでも、
素晴らしく詳しい紹介をしている人がいっぱい。
なかでも『0120Blog』さんのところのは読みごたえあるよ。
と言うわけで、それはそちらを見てもらうことにして、
ここではぼくが印象に残ったポイントを
いくつかあげるだけにとどめておこうと思う。
もともとぼくがこの映画(旧シリーズ)が好きなのは、
宇宙でのバトルを映した映像よりも、
だれも観たことがない銀河宇宙で起こる
さまざまな愛と葛藤のドラマにある。
もちろん、ルークがダース・ベイダーの息子であることが
明らかになるのは『帝国の逆襲』からだけどね」

-----そういえば、最初の頃はルーク、レイア、
そしてハン・ソロとの三角関係も話題になってたよね。
「そう、ところが『帝国の逆襲』で
宿敵ダース・ベイダーがルークの父と分かり、
だれもがショックを受ける」

-----ルークとレイアも姉弟だったしね。
「これも驚きだったよね。
さて『新たなる希望』から始まる旧三部作は
ルークの精神の成長史という側面を持っていた。
で、この旧三部作を先に観ているぼくなんかは
ダース・ベイダーと言えば悪の権化。
最初は、彼が人間かどうかさえ分からないんだからね。
ところが『ファントム・メナス』では幼い少年=アナキンとして登場。
この少年と悪の権化がどう結びつくのかが、
新シリーズの最も大きなポイントだった」

------で、それがピタッ....というわけだニャ。
「そう。新シリーズはそこがハイライト。
さっき話したクライマックスの戦いもそうだけど、
アナキンがダークサイドに陥るシーンが見応え十分。
メイスにサミュエル・L・ジャクソンを起用した理由がやっと分かったよ。
もちろんこれ以外にも数々の疑問を一つひとつ
パズルをはめるようにピタッと解き明かしてくれる。
たとえばトルーパーがなぜ帝国軍についてるのか?と言うようにね。
新シリーズでは、これまで姿を見せなかったチューバッカも
惑星キャッシークでついに登場。
このキャッシークを始め、
登場する惑星の数も今までで最高に多く、こちらの面でもまた大満足」

------と言うことはクリーチャーも多いんだ?
「うん。ウータパウという惑星では
オビ=ワンがトカゲのような生物ポーガに乗って
グリーバス将軍を追うしね。
そうそう、このグリーバス将軍というのが変に咳き込むんだけど、
それがまたダース・ベイダーの声の伏線になってる。
いやあ、このあたりは話し出すときりがない」

-----でも新シリーズって、CGが前面に出すぎていて機械的。
旧シリーズのような手作り感がなかった気がしたけど?
「うん。でもこの『シスの復讐』は色調的にも旧シリーズに近い。
どちらかというとSF文庫の扉絵のような絵画的な感じがしたな。
しかもそれはラストに近づくにつれてさらに濃くなってくる。
デス・スターは建設されるし、
ルークがタトゥイーンで養父母に預けられるところなんて、
『新たなる希望』そのもの。
あの沈み行く二つの太陽は、音楽とも相まって
観る者に深い感慨を与える。
いやあ、話していたらなんだかぼくも泣けてきちゃったよ。
だれもが共通の話題で語り合えるこのシリーズに
ついに終止符が打たれたんだもの」

------そうか、この映画を観た子供たちは、
何十年か後に同じ話題で盛り上がれる。
そういう共通体験で語れる映画って、
こんどはいつ生まれるんだろうニャ。
フォーンもしみじみしちゃったよ。
     (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ニャんとなくしんみり」悲しい

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『ハービー 機械じかけのキューピッド』

2005-06-24 23:02:42 | 新作映画
-----この映画の車、どこかで見たことある。
もしかして何かのリメイクでしょ?
「実はそうだったんだよね。
邦題があまりにもすっとぼけてたから考えもしなかったけど、
これはシリーズ化するほどヒットした『ラブ・バッグ』、
その21世紀版だったのさ」

-----その『ラブ・バッグ』って、
よく聞くタイトルだけど、いまいちクエスチョン。
もしかして車が喋ったりするの?
「いや、そこまではしないけど、感情を持っていて、
ドライバーの思惑をよそに、勝手に走っちゃう。
この映画では、かつてレースで活躍したフォルクス・ワーゲンのハービーが
スクラップ場でヒロインに拾われ、紆余曲折ありながらも
アメリカのモータースポーツの最高峰NASCARに出て大活躍するって話さ」

-----ちょ、ちょっと紆余曲折って?
それはしょりすぎじゃないの?
「ごめんごめん(笑)。でも悪い意味じゃなくて
こういう映画は細かいストーリーはあまり関係ない。
いかに楽しませてくれるかがポイントだ。
ヒロイン役は『ミーン・ガールズ』も記憶に新しいリンジー・ローハン。
彼女のライバルとなるイヤミなスター・ドライバーにマット・ディロン。
彼はロードレースでハービーに負けたことが悔しくてならない」

-----あれっ、マット・ディロンは俳優でしょ?役名は?
「いや、これで十分。
この映画は俳優で説明した方が映画のイメージが出しやすい」

-----ということはキャスティングがハマってるんだ?
「そう。そのとおり。
マット・ディロンはハービーが普通の車でないことに気づき、
リンジー・ローハンに、レースでそれぞれの車を賭けることを提案。
それに抗議してハービーはレース中にエンストを起こしちゃうのさ」

-----えっ、ハービーって人が喋ってることが分かるんだ?
「そういうこと。それだけじゃなく
イヤな相手にはガソリンやオイルを吹きかけたり、
ボンネットでアッパーパンチまで食らわしちゃう。
さて、負けたハービーはマット・ディロンに連れて行かれ、
クラッシュ&スピンの見世物ショーで、
あわれモンスター・トラックの餌食にされそうになるが...」

-----分かった分かった。もういいよ。
つまり話はベタだけど、楽しい映画ってわけだ。
新しい要素とかもあるの?
「うん。オリジナルの『ラブ・バッグ』が作られたのって1969年。
その年はアメリカン・ニュー・シネマ全盛で
『イージー・ライダー』なんかが生まれている。
でも全米で最高の興行収入を挙げたのは、この『ラブ・バッグ』だったんだ。
それを意識してか最初のレースシーンでは、
『ボーン・トゥ・ビー・ワイルド』、
なんと『イージー・ライダー』の挿入曲が流れる」

-----おっ、カッコいいな。
「他にもT.Rexの『メタル・グルー』とかも使われていて、
年配の人の郷愁を誘うようにも作られている。
でも基本はポップ&キュート。
ハービーはヘッドライトを使ってウインクしたり、
バンパーを曲げて笑顔を作ったり。
さらにはニュー・ビートルをナンパまでしたりと、ユーモアもいっぱい。
場面転換のワイプがハービーの形というのもウケる。
それでいてレース・シーンは迫力満点。
クライマックスではスケボーにヒントを得た
スーパー・ミラクル走行を見せてくれる。
これぞみんなが楽しめる、ほんとうのポップコーン・ムービーだ」

-----でも、この邦題はないよね?
「うん。ぼくもそう思う」
     (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「まさか、一年後にリンジー・ローハンが…」悲しい

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『クレールの刺繍』

2005-06-23 00:01:04 | 新作映画
------これってタイトルやチラシの絵柄からして、
むか~しの時代の話って気がするんだけど、
ニャんと現代なんだって?
「そうなんだよね。フェルメールの絵をモチーフにした
『真珠の耳飾りの少女』なんてのもあったし、
ぼくもその頃の話かと思ったら、まるで違っていた。
主人公はまだ17歳の少女クレール。
刺繍が好きな彼女は、妊娠を隠すために
親友の勧めもあって刺繍職人メリキアン夫人のアトリエで働くことに。
ところが夫人は息子を亡くしたばかり。
生きる希望を見出せないでいた。
一方、クレールも医者から“匿名出産”を勧められていた」

-----“匿名出産”?聞き慣れない言葉だけど...。
「これは産みの親が子供の出生を届け出ず
親権を放棄するフランスの合法出産制度。
1789年のフランス革命以前から
捨て子や子殺しの予防手段として定着していたらしい」

-----ふうん。
「この映画は、クレールとメリキアン夫人、
それぞれに悩みを抱えるふたりが
アトリエで寡黙に黙々と糸を縫っていく姿が軸となって進んでいく。
そのとき、ふたりは仕事に集中しているのか、
それとも手だけで、頭の方は他のことを考えているのかは、
だれにも分からない。
でもふたりは同じ<空間>の中で同じ<時間>を共有。
それによってお互いの心が少しずつ近づいていく。
これって、普通の人生でもよく見られること。
ただ、この映画が巧いのはそこに刺繍を介在させたこと。
一つ一つの縫い目に思いが込められ、
その糸が世代の異なるふたりの間を繋ぐ。
もちろん、監督はそんなことを言葉で語ってるわけじゃない。
しかし、ふたりが並んで仕事してる端正な姿、
極端なアップで映し出される刺繍。
その丁寧な映像の紡ぎが、
ふたりの間の空気を密にしていくさまを
観客は観ることができるというわけだ」

-----ふうん。でもフォーンはそんなのどうでもいいや。
「あらら・・・・・・・・」
     (byえいwithフォーン)

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『NANA ーナナー』

2005-06-22 00:15:13 | 新作映画
------おっ、今日は迷いが見えるニャ。
確かこれって、原作がベストセラーでは?
「矢沢あい。
う~ん、何が困ったかって、
自分の映画へのスタンス上、
原作のある物語をえんえんと書くわけにもいかない。
映画を観る限り、これは宮崎あおい扮する小松奈々の回想。
しかも回想の現実の中、さらにナナの回想が入ってくるばかりか、
『あのときナナは...』って、
まるでもう彼女がいないかのような語り口。
何かに似てるな.....って思ったら、
これは野島伸司がTV版「高校教師」でやった手法。
だからって大崎ナナ(中島美嘉)が死んでるわけもなく、
現に、原作の漫画はまだまだ続いているし...」

-----歯切れ悪いなあ。で、結局何が言いたいの?
「つまり脚色については、この脚本がよく練られたものか、
それとも原作どおりのものなのかが、ぼくには分からず、
なんとも判断ができなかったってこと。
ま、これについては、もしかしたら原作を読んでからまた書くかも。
いまこの時点でぼくが強く感じたのはふたりの<女優>、
その<資質>の違い」

-----おっ、そっちの方がオモシロそう。
「いや、そうでもないからあまり期待しないで(笑)。
中島美嘉演じるナナは、
一緒にバンドを組んでいた好きな男が
引き抜かれて上京すると聞いてもあとを追わない。
そこには彼女の自立心とプライドがあり、
やがてはナナ自らも音楽の道へヴォーカリストとして舞い戻ってくる。
中島美嘉はいまでも女性に人気あるけど
これをきっかけにさらに人気が出そう。
クールでアツい。奈々のナナへの言葉を借りれば『男の人みたい』。
だけど、これって彼女の地なのかも。
そう、中島美嘉の演技って『偶然にも最悪な少年』の時と、
ほとんど変わらないって気がする」

------ニャるほどね。一方の宮崎あおいは?
「宮崎あおいは『EUREKA・ユリイカ』を始め、これまで暗めの役が多かった。
ところがこの映画の奈々というのは男を追って上京。
恋を最優先とする普通の女の子。
しかも自分の思いに一途なあまり、周囲がまったく見えてなく、
いわゆる、かわいいけど“めんどうくさい”と思われる、
これまでとは正反対の役だ。
でも、そんな奈々に扮する宮崎あおいの演技プランがスゴい。
舌っ足らずな甘い声で(天然ぶりっ子)奈々をキュートに演じ、
こんな女の子って同性に嫌われるんじゃ...と思わせるスレスレの演技を
なりきりでやっているんだ。
確かに“映画に愛された少女”と言われるほどのことはあるね」

-----他に見どころは?
「監督が『とらばいゆ』の大谷健太郎。
もともと独特の会話劇スタイルには定評ある彼だけど、
ふたりの女優の<声質>の違いを生かした
テンポのいい映画に仕上げている。
ふたりが住む707号室も室内の造作がユニークなのも
『とらばいゆ』を思わせる」

-----肝心の音楽はどうニャの?
「これは、人それぞれ好みがあるからね。
でもライヴ・シーンは、ホール・コンサートも含め、
臨場感はたっぷりだったよ」

     (byえいwithフォーン)

『NANA』 image flower suported by haljion

原作も読みました

ナナとフォーン イチゴのコップも買いました

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『霊ーリョンー』

2005-06-20 19:49:39 | 新作映画
-----これはタイトルですぐ分かる。コリアン・ホラーだね。
おや、顔色がすぐれないけど...。
「ふぅ~っ、怖かったあ。
途中で3人も退席者が出たほど。
うん、あれはこのまま観ていられなかったに違いない」

-----おやおや、『コックリさん』のときとは正反対だ。
ということは、演出が相当にうまかったんだね。
「そういうこと。あの映画の時、
なぜ怖くないか、その理由をいくつか挙げたけど、
これはそれをすべてクリアしている。
まず、霊は動かないで“そこにいる”。
さらに霊のアップも見せすぎたりしない。
長い髪の奥の目をチラリ見せるだけ」

-----ニャんだ。それじゃ『リング』じゃない。
「結局はそうなんだけどね。
心霊現象が起こる前に、
不安感を煽るシンプルな音を流すところまで似ている。
ただそれで思い出したのがダリオ・アルジェントの『サスペリア』。
これはさらにそれを一歩進めた演出法だったけどね」

-----どういう意味?
「戦慄と恐怖の前に決まって流れるのがゴブリンの旋律。
その手法が何度も繰り返され、
観客も慣れてきて、くるぞくるぞと身構えていると、
何も起こらず肩すかしを食らわせる。
そこでホッとしたところに、突然超弩級の恐怖が舞い降りるというわけだ。
まさしく観客との心理合戦----」

-----ちょちょっと。遠い目になってるけど、話がそれてません。
「あっ、ごめんごめん。
さてこの映画では、
現像室のように狭い密室的空間で呪い殺される恐怖を出すかと思えば、
人気のない邸宅=広い空間における恐怖も見せきる。
いやあ、この監督キム・テギョンはとても新人とは思えない。
ホラー映画のツボをよく知ってるよ」

-----でも、物語はありふれてるんでしょ。
すぐに、因縁話の<奥>が分かりそう。
「そうでもないよ。じゃあ、少し話を整理してみよう。
ヒロインのジウォンは記憶喪失の女子大生。
その彼女の周りで高校時代の友人たちが次々と変死したり、
精神に異常をきたしたりする。
ジウォンを演じているのは『彼女を信じないでください』が
今年公開されたキム・ハヌル。
その明るく愛くるしい顔の裏に実は....というのがまずうまい」

-----あれっ、ネタバレにならない?
「いや。これは大丈夫。
だって観ているうちにすぐ分かるからね。
さて、実は彼女は、かつてイジメっ子のリーダー格。
この欠落した過去がジウォンの記憶の甦りとともに、
観る方にも徐々に明らかになっていく。
やがてジウォンと友人たちに起こる奇怪現象は、
彼女らがいじめていたスインという女性の行方不明に関係あることが分かる。
そこで、その決定的なことが起こった場所へ、
ジウォンは自分の過去を求めて向かうわけだ」

-----なるほど分かった。それでチラシに
『あなたの恐怖を涙に変える』なんて書いてあるわけだ。
(※若干のネタバレありかも)
「確かに、クライマックスは感涙モノ。
ところが真の恐怖は、一件落着と見えたその後から始まってゆく。
しかも、全ての真実が明らかになった後でさえも、
製作サイドは観客に挑戦してるかのような演出法を見せる。
『果たしてこの話の恐怖の<着地点>はどこなのか?』
それこそネタバレになるから詳しくは話せないけど、
後で考えてみると、けっこうこの映画が抱えているものは深い。
人が持って生まれた本質=心は、たとえ死んでも変わらないのか?
ある体に、体を失った人の魂が入った場合、それはだれなのか?
それにしても、このラストショットは強烈。
ちょっと読めないだろうなあ。
細かいこと言えば、突っ込みどころは多いんだけどもね」

(byえいwithフォーン)

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『シンデレラマン』

2005-06-19 16:37:46 | 新作映画
-----なになに?まだ6月というのに、
アカデミー賞最有力候補だって?
「いくらなんでも気が早すぎるよね。
ロン・ハワード&ラッセル・クロウ、
そしてレニー・ゼルウィガーとくれば、
確かに何かやってくれそうだけど」

-----可能性あるの?
「まず難しいだろうね」
----そりゃまた、あまりにもあっさり(笑)。
「一番の理由が、主人公がボクサーと言うこと。
『ミリオンダラー・ベイビー』に続いてこれでオスカー取ったら、
『ハリウッドはそれしかないのか?』になっちゃう。
もちろんテーマはまったく違うけど...」

-----この映画の主人公って、どんな人なの?
実話とかも聞いたけど...。
「前途有望なボクサー,ジム・ブラドック。
彼はタイトル奪取を目前にして、右手の故障に見舞われてしまう。
時は1929年。折しも全米に吹き荒れた大恐慌の嵐により、
彼の生活はどん底に陥ってしまう。
そのため手の骨折も申告せず、ファイトを続けていたんだけど、
ついにそれを知られてしまい、
ボクサーのライセンスを取り上げられてしまう」

-----うわあ。立ち上がれないなあ。
でも『シンデレラマン』というからには、
彼、きっと再起するよね。
「うん。その前に、この貧窮生活の描き方が凄まじい。
自分のプライドを捨てて生活保護の列に並び、
さらにはボクシング委員会へ赴き、金銭的援助を乞う。
しかし、ある時、ランキング2位の選手の対戦相手が見つからず、
元マネージャーのジョー・グールドが彼に話を持ってくる。
一夜限りのカムバック。
ところがそれこそはアメリカ中を希望で包み込む、奇蹟の序章だった.......
という、お話さ」

-----えっ、ずっと困窮生活なのになぜそんなことが可能なの?
「それはね。骨折した右の利き腕をかばって肉体労働を続けるうちに、
左の腕に強烈な左パンチを与えていたと言うことなんだ」

-----う~ん。これってタイトルそのまま。
みんなが思ってた『ミリオンダラー・ベイビー』みたい。
「そういう先入観をもたれちゃうところが、
この映画の損している部分。
本当は彼のシンデレラ・ストーリーを取り巻く人間模様、
そして彼がずっと胸に抱いている信条が泣かせる」

-----たとえば?
(※少しネタバレ注)
「彼に復活をもたらす話を持ち込むジョー・グールド。
彼は、いつもきちっとした身なりをして、
自分では手を汚さない勝ち組のように見せているけど、
それは仕事のためで、実は彼の家の中は空っぽ。
このジョー・グールドを演じているのが『サイドウェイ』のポール・ジアマッティ。
今度こそ、彼にオスカーあげたいと誰もが思うほどの魅力的な演技だ。
また主人公のジム・ブラドックは何のために闘うのか問われて....」

----問われて?
「ただ一言『ミルク』と答えるんだ。
普通は、もっとカッコつけた言葉が出てきそうだよね。
でも彼にとって最も大事なのは<家族>。
その家族を苦しめたくないというのが、ジムが闘う最大の理由なんだ。
途中、彼がプライドを捨てた行為に出るのも、
風邪のためよそに預けた子供を取り戻すため、
まずはストップされた電気を再開させようというわけだ」

-----う~ん。確かに感動的なお話だけど、映画としてはどうなの。
「その軸に<家族愛>を置いたことで、
サクセス・ストーリーに深みが出たと思う。
自分の一番身近なモノを守ろうとした男ジム・ブラドック。
それがアメリカ中を感動させる結果を招き寄せた。
演じるラッセル・クロウも往年のハリウッドスター、
たとえばロバート・ミッチャムあたりを彷彿させる面構えになってきた。
レニー・ゼルウィガーもその強気なところが
昔ながらのハリウッド女優っぽい。
この映画は、観る前の印象とは異なり、
キャスティングの勝利の映画だと、そうぼくは思うな」

     (byえいwithフォーン)

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『コーチ・カーター』

2005-06-18 11:02:31 | 新作映画
------アメリカ映画ってコーチの映画多いよね。
この前も『プライド・栄光への絆』があったばかりだ。
「これまた全米初登場No.1を記録したというから、
やはり人気は高いんだろうね。
そのほとんどが、
バラバラのチームを一人のコーチがその統率力によって
最後は州大会に出場するまでにまとめ上げていくというお話が多い」

------この映画はバスケットボールだっけ?
「うん。ドキュメンタリーの『フープ・ドリームス』にも描かれているけど、
バスケットボールは貧しい家庭環境にある黒人の少年たちが
サクセスを掴むためのスポーツという側面を持っている。
ただ、この映画では
それによって将来を切り開くという術さえ知らなかった高校生たち...
というのが少し目新しいかも知れない。
しかもこの映画の最大の特徴は、彼らが試合に勝利するだけでは終わらないことにある」

------えっ?普通は、試合の高揚感の中でクライマックスは訪れるよね。
「うん。でも、このコーチ、カーターはその目標をプレイの向上には置いていない。
若者たちに生きていく力を身につけたいという信念で
安い給料でのコーチ就任を引き受けているんだ。
というのも、このリッチモンド高校では
大学への進学率が一桁くらいしかないのに犯罪率は高く
多くの卒業生が逮捕を経験。
そこでカーターは彼らと3つの契約を交わす。
「学業で、決められた点数以上の成績を収めること」
「授業にはすべて出席し、一番前の席に座ること」
「試合の陽には上着とネクタイを着用すること」
しかし、それが守られなかったということで、
彼は体育館をロックアウトし、試合を放棄するんだ」

-----うわあ。それは周囲の反発もスゴいだろうな。
よく、こんなストーリー、考えついたニャあ。
「ところがこれは99年、アメリカ中に波紋を投げかけた
トゥルー・ストーリーに基づいた映画。
カーター本人は、彼らが落ちこぼれる可能性を少なくし、
自分の将来とチームメイトに対する責任を持たせようとしたわけだ。
つまりこの契約書は、彼らが人生を変えるための
『ロードマップ』ということなんだね。
だが学校側では、進学なんか気にせず、コーチに専念しろと言う」

-------mmmmm
「コーチ、カーターにはサミュエル・L・ジャクソン。
『187』でも信念を貫く教師をやってたけど、
今回もそのアツい演技は圧倒的だったね」

-----となると、見どころはその演技?
肝心の試合の方はどうニャの?
「バスケってフィールドが狭いから、
ある意味ごまかしがききにくいと思うんだ。
カメラが中に入ると、プレイのじゃまになるしね。
そのためどうしても引き絵が多くなる。
すると、今度はプレイのごまかしがきかない。
たとえば、このシュートで試合が決まるというときに、
プレイヤー(俳優)はきちんとそれを決めなくてはならない...」

-----確かにそれは野球やゴルフなんかの
映画化と違って難しそうだ。
「それだけに選手たちの選考には時間と手間をかけている。
高校でバスケットボールを経験していることはもちろん、
オール・コンファレンス、またはオールスター・プレイヤーだったことが
絶対条件となったらしいよ。
音楽はヒップホップ/R&B。
これもスピード感ある映像にピッタリとハマってた
あ、アシャンティの出演も話題となってるけど、
彼女の音楽は使われていないからガッカリしないようにね」

(byえいwithフォーン)

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『ボブ・ディランの頭のなか』

2005-06-16 18:51:10 | 新作映画
------これは絶対に違うね。絶対に違う。
「なにアツくなってんの?」
-----このタイトルだよ。『ボブ・ディランの頭のなか』?
そんなのあるわけないじゃニャい。日本で勝手に付けたに決まってる。
「そりゃ、そうだ(笑)。あのマルコヴィッチが当たったからね。
その線を狙ったんだろうけど、まんざら嘘でもなかったよ。
だって脚本を監督のラリー・チャールズと
ボブ・ディランの共同で執筆してるんだから」

-----ありゃりゃ。
だけど、どんな映画も「脚本家の頭のなか」じゃニャい。
でも『タクシー・ドライバー』をだれも
『ポール・シュレイダーの頭のなか』とは言わない。
「まあまあ、この件はそのくらいで...」
-----じゃあ、どんな「頭のなか」か言ってよ。
「うん。舞台は近未来、内戦が続き混沌とした某国。
獄中にいたミュージシャン、ジャック・フェイト(ボブ・ディラン)は
かつてのマネージャー、アンクル・スウィートハート(ジョン・グッドマン)が企画する
チャリティーコンサートにソロ出演するために釈放される。
スウィートハートは多額の借金を抱えており、
これで大きく当てて返そうと思ったわけだ。
一方、国では大統領(リチャード・サラフィアン)が死の床に伏し、
彼の息子・エドムンド(ミッキー・ローク)が政権を掌握。
ところがなんと、ジャックは彼の兄弟。
つまりは大統領の息子だった!」

-----(唖然)
ぷっ。笑っちゃいけないニャ。
でも、ホラ話のようなストーリーだ。
「実はこの映画には、彼ら以外にも多くのスターが出ている。
ジェフ・ブリッジス、ペネロペ・クルス、ジェシカ・ラング、
ルーク・ウィルソン、アンジェラ・バセット、スティーブン・バウアー、
ブルース・ダーン、ヴァル・キルマー、エド・ハリス、
チーチ・マリン、クリスチャン・スレーター、
クリス・ペン、ジョヴァンニ・リビシ.....」

-----うわあ豪華。それじゃ、出演料だけでもスゴくなってしまう。
でも見どころありそうだ。ちょっと偏ってる気もするけど...。
「制作費予算は400万ドルという驚くべき安さ。
でもほとんどの俳優たちは通常のギャラではなく
組合の規定である最低金額で出演を申し出たんだって。
つまりはディランの吸引力ってわけだ。
だけど肝心のディランがねえ...。
足取りがおぼつかなく、映画に力がみなぎらない。
周囲の俳優たちの演技もそれにあわせたかのように脱力気味。
言葉が浮ついている感じで、尻がむずがゆくなってくる。
彼らはいずれもヒッピー・ジェネレーションを演じるには
ピッタリの顔ぶれなんだけどね。
あの時代がそうだったということで、
これも計算された演技なのかも知れないけど」

-----厳しいなあ。音楽の方はどうだったの?
「これは驚いたね。チラシで売りにしてるから
喋ってもいいとは思うけど、冒頭を飾るのは日本人アーチストの歌」

-----えっ、だれだれ?
「再活動を開始したことでも話題となっている
真心ブラザーズの『マイ・バック・ページ』。
しかも日本語訳で。これはゾクゾクきたね。
YO-KINGは「たまげた。いきなりオレの声が聴こえて。
日本語っておもろいのかもね。あっちの人からしたら」だって。
他にも世界各国のさまざまなミュージシャンが
彼らなりの解釈でカヴァーしたディランの歌が使われている。
ただ、ディランのファンでない人をどこまで巻き込めるか、
それがこういう音楽を前面に出した映画の難しさだと思う」

-----あれっ。えいって、確か最初の日本武道館公演に行ってなかった?
「うん。だからかどうか、ぼくはけっこう楽しめた方だね。
でも、まったく違う音楽だったらどうだったかなあ...」

     (byえいwithフォーン)

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『理想の女』

2005-06-15 18:47:23 | 新作映画
------これまた時代色豊かな映画だね。
原作がオスカー・ワイルドなんだって?
彼って確か「唯美主義者」と言われてるよね。
「うん。彼のセリフに
『私は生きた時代の芸術と文化において象徴的な存在だった』
と言うのがある」

------かっこいいニャあ。
「実際にオスカー・ワイルドが活躍したのは19世紀後半。
原作の『ウィンダミア卿夫人の扇』も
19世紀末のロンドン、二つの客間を舞台に書かれている。
ところが映画ではそれをあえて1930年、
南イタリアのアマルフィという避暑地に置き換えている」

------へぇ~っ、なぜだろう?
「監督のマイク・パーカーによれば
原作どおりに映画化したら、
映画がこぢんまりなって、映像的な魅力に乏しいものになっただろうと、
まあこういうことなんだね。
そこで、暗くじめじめしたロンドンのテラスとは対照的な
温かいイタリアの海岸を選んだということのようだ。
こういう映像と言う観点からの
柔軟な発想ができる監督の作品って期待できるよね」

------で、これはどういうお話なの? 
周りの話ばかりで、中身をまったく話してないじゃニャい。
「ごめん、ごめん。でも映画を語るのに、
原作のストーリーを喋ってもなあ。
ま、いいか。
ニューヨーク社交界の華として知られている
若いメグ・ウィンダミア(スカーレット・ヨハンソン)と夫ロバートは、
イタリアの避暑地で魅惑的なアメリカ人女性アーリン(ヘレン・ハント)と出会う。
ところが、ほどなくアーリンと夫の噂が社交界で囁かれ始める。
混乱するメグ。そこにプレイボーイのダーリントン卿が言い寄る、という話さ」

------なんだか、ありふれてるな。結局はダブル不倫の物語かあ....。
「いやいや、そうと見せかけて実は全然違う。
途中から話は思わぬ方向に転がってゆき、
結末を知らないぼくとしては息を潜めて成りゆきを見守ったね。
しかし、これを観る限り(未読だから想像だけど)、
オスカー・ワイルドと言う人は、そうとうな物語の達人。
“できごと”と“心理”が絶妙に絡み合ってまったく飽きさせない」

------ニャるほど。原作がしっかりしていると、
あとはそのテーマをどう見せるか、
いわゆる語り口が監督の手腕となってくるよね。
「うん。時代と場所を移し替えたのもその一つ。
冒頭は、なんとニューヨークから始まる。
そこでは、いろんな男たちとつきあったことから、
“悪い女”の噂が立ったアーリン夫人がレストランや宿の支払いに苦しみ
金策に走るエピソードが
まるでフィルム・ノワールを思わせる沈んだトーンで描かれる」

------ふうん、けっこうヘビーなんだ。
でも、それってどういう意味があるの?
「この前年、アメリカは大恐慌に見舞われている。
その“空気”を出すと言うこともあるんだろうけど、
アーリン夫人=ファム・ファタルの効果を出す役割も果たしている。
果たしていまから、何が始まるのか?
それこそミステリー映画を観ているかのよう」

------『理想の女』ならぬ『運命の女』だね(笑)。
「で、次のエピソードで、映画は一挙にイタリアへ飛ぶ。
そこは青い海、切り立った崖、絶壁に点在する白いヴィラと、
陰鬱なアメリカとは正反対の陽光眩しい風景が開ける。
これでぼくは一気にこの映画にノレたね。
人によっては、物語の古めかしさにシラケる人がいるかも知れないけど、
ぼくとしては、まあ満足の部類かな」

(byえいwithフォーン)

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『愛についてのキンゼイ・レポート』

2005-06-14 18:46:30 | 新作映画
-------「キンゼイ・レポート」って言葉、
なんかどこかで聞いたことあるような....?
「うん。懐かしい言葉だね。でもフォーンはもちろん、
ぼくもリアルタイムで知るわけはない。
だってこれって1948年に初めて発表されたレポートだもの」

------なんのレポート?
「『性』の実態の発表レポート。
350の質問項目を1万8000人にインタビュー。
当時、アメリカを一大センセーションに巻き込んだらしい」

------じゃあ、この映画はそのレポートを再現してるの?
「そう思っちゃうよね。でもこれは生涯をかけてそのリサーチにあたった
科学者キンゼイと、彼と苦楽を共にした妻クララの話。
原題も主人公の名前を取ってシンプルに『KINSEY』と言うんだ。
日本でこのタイトルになったワケは映画のテーマにも関係してる。
これは後で話すけど...」

------ということは人間ドラマにスポットを当ててるんだね。
そうなると、キャスティングが重要ポイントとなりそうだ。
「キンゼイにはリーアム・ニーソン。
彼はロサンゼルス映画批評協会賞主演男優賞を受賞。
そしてクララ役にローラ・リニー。
彼女は受賞こそ逃したものの、アカデミー賞助演女優賞にノミネート。
他にもナショナル・ボード・オブ・レビュー賞優秀助演女優賞などを受賞している」

------で、観てみてどうだった? こういう実話を基にした映画の場合、
これまでその物語の中身よりアプローチの仕方に力点を置いて喋ってたけど...。
「なかなか、オモシロい構成だったね。
キンゼイ・レポートというのは個人個人へのインタヴューによって行なわれるらしい。
この映画でまず映し出されるのは
キンゼイが助手たちにそのインタヴュー方法を教えるシーン。
彼らにキンゼイ自身へインタヴューをさせ、彼が細かいところをチェック。
自慰、婚前交渉、初夜と言った質問にキンゼイが答える形で、
映画では彼の生い立ちが語られていくんだ。
このインタヴューは映画の背骨となっていて、
後年、キンゼイと対立関係にあった父親との再会シーンでも用いられる。
日曜学校の教師も務め、不道徳な行為を戒める厳格な父。
そのインタヴューで、彼の父が生涯語ったことのないある事柄を口にするシーンは、
ジョン・リスゴウの名演もあって実に感動的。
リスゴウの言葉を語るまでもなく、
真実が人間を解放する---というこの映画のテーマを最も強く語っている」

------真実が人間を解放する。なるほどね。
「センセーショナルなテーマをレポートにしたため、
アメリカン・カルチャー史の中でも
冷静な考察には長い時間が必要だったんだろうけど、
『性』をモチーフにした人としては、
ラリー・フリントなどと並ぶ大物という気がするな。
だって、このレポートの中で語られていることは、
現代では、そう珍しくないことばかり。
もし、このキンゼイのレポートがなかったら、
いまの人々の性意識はどうなってたか、ちょっと予測がつかない。
もちろん、違う形で現れた可能性もあるけどね。
ただ、映画としては今にも通用する内容として、
後半は時代を感じさせない普遍的映像にしたということらしい」

------そろそろタイトルの秘密教えてよ?
※ネタバレ注
「映画の中では、性を調査する過程で
キンゼイはホモも体験するし、クララもまたその相手と関係を持つ。
このレポートで次第に明らかになるのは、
人がいればその数だけの性があり、
そこには多数派か少数派かはあっても、
ノーマル、アブノーマルというものはないということ。
と、これはどんな性もありという、
後のフリーセックスに繋がる開けた性意識を提示する。
ところが、その空気はスタッフ間にも広まり、
それは婚外交渉、つまり不倫関係をも生み出してしまう。
となると、そこには当然、愛の問題が絡んでくる。
だが、それはキンゼイにも測定不能。そう、科学ではないからだ。
つまり、この映画の到着点、それは科学の限界。
そのことにスタッフたちから指摘されたキンゼイが悩みを抱えながら、
それでも自分のやってきたことは意味があったと、
これもやはりインタヴューの中で、
その相手から教えられるエピソードは、
予測がついたとは言え、
心優しいシーンになっていたよ」

(byえいwithフォーン)

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『アバウト・ラブ/関 於 愛』

2005-06-11 14:19:16 | 新作映画
------これはちょっと変わったオムニバスだニャあ。
「そうだね。東京、台北、そして上海を舞台に、
それぞれの国の監督が<about love>をテーマに
映画を撮っている。
『東京編』(下山天監督)が『?好(ニイハオ)』、
『台北編』(イー・ツーイェン監督)が『謝謝(シェイシェイ)』、
『上海編』(チャン・イーバイ監督)が『再見(ツァイツェン)』だ」

------どれか気に入ったのあった?
「野心的なのが『台北編』、よくまとまってるのが『上海編』かな」
------おやおや、日本のは?
「う~ん、残念だけど、これはまるでテレビドラマ。
台北から漫画家を目指して日本に来た青年ヤオ(チェン・ボーリン)が
そこで画家の美智子(伊東美咲)と出会う。
と言ってもすれ違いざまに、画材を落とした彼女に目が釘付けに。
次に見かけたときは彼女の目に涙。
さて、とある店の中、彼女が描いていた絵が寂しげに変化しているのを見た彼は
その店のガラス戸に彼女の似顔絵をそっと貼っていく。
もう、後は言わなくてもいいね。だれもが想像するとおりの展開。
これがつまらないのは他の2作と比べるとよく分かる」

------どういうこと?
「ふたりとも超美形。これは、まだいいとしよう。
しかし、そこに生活臭が全くなく、
伊東美咲なんて、『はいモデルさんね』というファッション。
その彼女が恋人に振られたことで泣いて、
それを見知らぬ男が元気づけて....。
もう、どうでもいいやって感じだ」

------じゃあ次行って。
「『台北編』は、そのチェン・ボーリンを主人公に
『藍色夏恋』を撮ったイー・ツーイェン監督の作品。
『東京編』が監督が今の東京の空気感を伝えるために
渋谷にこだわったのに対して、
彼はランドマーク的なロケ地をあえて選んでいない。
物語の方も、深夜にマンションの一室で
本棚を作っている女性アスー(メイビス・ファン)から始まる。
住人たちにうるさいと怒鳴られながらもどうにか完成。
ところが大きすぎて持ち上がらず、
会ったばかりの日本人の男の子・鉄ちゃん(加瀬亮)を呼び出す。
期待に胸を膨らませて部屋に向かった鉄ちゃんは事情を知ってガックリ。
それでもふたりは、ペンキを塗ったりしているうちに距離が近づく。
ところがいざとなるとアスーは拒否。
『ごめんなさい、私はあなたの身体を借りて、彼のことを想っただけ』。
それに対して
『ぼくも以前、ある人の体を借りて、他の人を想ったことがある。
だから、構わないさ』と答える鉄ちゃんがやさしい。
で、鉄ちゃんはアスーに頼まれて、元彼のところへ
彼女の『会いたい』という言葉を伝えに行く。
最大の見どころはここだね。
鉄ちゃんは元彼の返事を、一生懸命アスーに伝えようとするけど、
付け焼き刃の中国語のため、まったく伝わらない。
アドリブもあるんだろうけど、ここの加瀬亮の演技が秀逸。
あっ、セミ・ミュージカルのシーンもあるよ」

------ニャるほどオモシロそうだ。
でも『上海編』が一番好きなんだって?
「これまた、上海と言っても、よくイメージされる
近未来的な場所はまったく使っていない。
上海の下町の一角。日本人留学生・修平(塚本高史)が
ある雑貨屋に下宿にやってくる。
そこでは大学受験勉強中のユン(リー・シャオルー)が店番を。
ある日、日本の恋人からの小包をあけた修平は
同梱されていたスペインのポストカードを読むうちにみるみる顔色が変わる。
翌朝、その手紙が破られているのを見たユンは、こっそり紙片をつなぎ合わせ、
そこに書かれた日本語の単語の意味を、
日本語の勉強と言いながら、何日かに分けて修平に聞く....というお話。
これの何が素晴らしいかって、
監督の言葉を借りれば
『すぐ近くの街角で起こる、小さな一つの恋。
日常生活にひっそりと存在する想い』にスポットを当てたこと。
さらに監督の言葉を続ければ、
『ぼくが描きたかったのは、こんな上海みたいな大都市の、
その片隅には小さな物語があること。
何かが起こるわけでもなく、それどころか何も起こらない。
時間とか、青春とか、情感とか、それらがこの上海の、
この横町で、静かにゆっくりと“風とともに去ってゆく”。
その中でどれだけの動きが人知れずひっそりと生まれ、
さびしく枯れていくのだろうか...。』
この“人知れずひっそり生まれ、さびしく枯れて”が
ほんとうに、情感としてフィルムに焼き付いている。
そう、これは“想い”の映画、それも特別ではない普通の人の。
そこが『東京編』との根本的な違いだね」

(byえいwithフォーン)

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『兜王ビートル』

2005-06-09 18:44:55 | 新作映画
「いやあ、あきれたね。
ここまでバカバカしいと、かえって小気味がいいくらい」

-----ほほう、そうきましたか。
これって『いかレスラー』の河崎実監督。
宣伝にあの人も絡んでるし、いわゆる二匹目のなんとかじゃニャいの?
「確かに、それが大きいんだろうね。
監督も小学生の間で『ムシキング』がブームになろうとしてるので、
それに便乗したことを認めてる。
ただこのキャラ、元々は永井豪デザインの実在のプロレスラーらしいけど...」

-----どんな話なの?
「これがたった70分の映画とは思えないほどに、波瀾万丈の凝りに凝った話。
全宇宙的支配をもくろむ昆虫怪人軍団・外宇宙軍がプロレス会場に乱入。
その場に居合わせた女性記者・星川百合は絶体絶命の危機に陥る。
と、そこに現れたのが兜王ビートル。
実はこの兜王ビートルは元・外宇宙軍の一員。
ボスの魔蠱王はビートルのフィギュアを全宇宙で販売することで
その利権を我がモノにしようとしていた」

-----ぷ、ぷっ。ニャんだそれ?
「そんな外宇宙軍に嫌気がさしたビートルは正義に目覚めて脱走し、
ゴキアブラーたち昆虫怪人軍団に追われてたというわけだ。
さて、映画はこの後、兜王の宿命のライバル、
クワガタの形をした破壊王ディザスターが登場。
彼ら二人が外宇宙軍に入った過程が、
蝶の怪人ラ・マリポッサをめぐる恋の因縁話などを
絡めて描かれる......なあんてのはどうでもいいんだけどね」

-----どうでもいいって?それはないでしょ。
じゃあ見どころはどこよ。特撮、CG?
「いや、そんなのは最初からチープと分かりきっている。
この映画が『あきれ』を通り越して、
感嘆(というのも大げさだけど)させられるのは、その開き直り。
観ていて、7~80年代の学生映画を思い出したね」

-----それ、どういう意味よ?
「学生映画って、もちろん作家性に富んだ作品もあるけど、
もう片方では、乏しい資金をやりくりして、
それでもその中で自分が好きな映画のジャンル
ヒーロー・アクションや怪獣SFを、
どうにか再現しようとしているエンターテイメント志向の映画もある。
これってそんな映画への偏愛がプンプン匂うんだ。
潤沢な予算はないけど、その中でどうにかしてやろうって感じ。
たとえば予定外の記録的な雪に見舞われた。
だったら撮影を順延するかと言えば、そうはしない。
当初は森の中だった設定を、日本アルプスに変えてしまうんだ。
このあたりの柔軟性が効果的に作用している。
一方で、マスク御殿とかいう酒池肉林のパラダイスは
きっちり見せてくれる。
ラ・マリポッサ役・大原かおりの豊胸強調衣装も含め、
学生映画じゃ、こういうお色気演出はまず無理(笑)。
ディザスター役の斉藤工、星川百合役の中川翔子らの
突っ込み会話も、日本じゃないとできない演出。
逆に言うと、世界で通用するのは難しいということだけどね」

-----なんとなく分かる気がするけど、
それでもやっぱりバカバカしそう。
第一、チラシの「超巨大昆虫軍団VS人間!!」とは、
まったく違うお話だ(笑)。
         (byえいwithフォーン)

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『マラソン』

2005-06-07 18:32:52 | 新作映画
------この映画って実際のモデルがいるんだって?
その人、自閉症という障害があるにも関わらず
健常者でも困難なマラソンのフルコースを
2時間台で完走したというんでしょ。すごいよね。
「うん。映画の中で使われている言葉を借りれば
『100万ドルの足』となるわけだけど、
でもこの映画のキーワードは、
<足>ではなくむしろ<手>だね。
と思って改めてプレスを見てみたら表1にも表4にも
その<手>の写真が出ている?」

------どういうこと?
「その前に、簡単にストーリーをおさらいしよう。
主人公は5才の心を持つ19才のチョウォン(チョ・スンウ)。
母親のキョンスク(キム・ミスク)はそんなチョウォンから目が離せず、
息子より一日だけ長生きしたいと思っている。
何とか息子の自立心を育てようとする母親は、
走るときだけは、他の人と同じものが見えるのではないかと、
マラソンを選択。
チョウォンの才能も開花してハーフマラソンに入賞。
これを機に彼女は、息子をフルマラソンに挑戦させるべく、
かつてボストン・マラソンランで優勝した経歴を持つ
ソン・チョンウク(イ・ギヨン)にコーチを依頼。
最初は煩わしく思っていたチョンウクだが、
実直なチョウォンに心動かされて......というお話だ」

------う~ん。なんだか思った通りの話という気がするけど...。
「ところが、この映画ではこのコーチを通して、
母親の行動がエゴなのでは?......と言う批判がなされる。
これって、なかなかできることじゃないよね。
だって、そういう子供を抱えた親の苦労は
それこそ常人の想像を絶するもので、そんなこと簡単に口にはできない」

------それはそうだね。
「さらには次男(ペク・ソンヒョン)の
母親への痛烈な批判の言葉も飛び出す。
かくして映画は、彼女の内面深くに切り込んでいくんだ」

------ビターと言うかシビアと言うか。
さすが話題になっただけのことはあるね。
「話が脇にそれてしまったけど、
いったん走り出すと、
ペース配分なんて関係なしのチョウォンに、
コーチのチョンウクが手を差し伸べ並走。
チョウォンのもう一方の手は、道ばたの草をすっと撫でていく。
ふたりの心を初めて繋ぐ<手>。
その姿に静かに寄り添う旋律も効果的。
観る者の心に最初のさざ波を起こす名シーンだね」

------なるほどね。<手>って人間ならではの
コミュニケートの手段だものね。
(※注:ネタバレに繋がる部分あり)
「初期のスピルバーグ映画も<手>が印象的だったな。
ま、それはともかく、
チラシにまたまた『秘密』の文字が踊っているんだけど、
その『秘密』はやはり、この<手>と関係あるエピソードに。
ほんとうは、そこを詳説したいけど、
そうなると完全ネタバレになっちゃうからなあ。
ただ、その<秘密>が明らかになってからの<手>は、
この映画をより美しいものにする。
レースを走るチョウォンに差し伸べられる観客たちの声援の<手>。
あの日の草のように、彼はそれらの<手>と軽くタッチしながら
自分の幻想の中の歓喜の渦の中を走り抜けていく。
映画はセリフで語るものでなく<画>で語るもの。
そのことを示してくれた、まさに感動のクライマックスだったね」

(byえいwithフォーン)

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