ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ビフォア・サンセット』

2005-01-15 10:57:34 | 新作映画
--------これって前にも言ってた
『恋人までの距離<ディスタンス>』の続編だよね。
「そう。前作はウイーンで一夜だけをともに過ごし、
別れの時、半年後の再会を約束した
アメリカ人ジェシーとフランス人セリーヌふたりの
夕方から夜明けまでの14時間を描き、
公開当時、けっこう話題になったんだ。
監督のリチャード・リンクレイターはその後、
『テープ』『ウェイキング・ライフ』『スクール・オブ・ロック』と、
一作ごとに趣向を変えた映画を作っている」

-------そういえば『ウェイキング・ライフ』にも
『恋人までの距離<ディスタンス>』そっくりのシーン出てたよね。
「うん。そこで監督、イーサン・ホーク、ジュリー・デルピーの3人が
再会したことがこの映画の企画のきっかけとなったらしい。
で、今回はそれから9年後のお話。
かつての出会いと別れ。
そのいきさつを書いたジェシーの本を読んだセリーヌが
パリの本屋で行われたジェシーのサイン会に現れるところから物語は始まる。
映画のランニングタイムはわずか82分。
物語もその時間に沿ってリアルタイムで進んでいく」

-------まるで『24 TWENTY-FOUR』みたいだにゃ。
でもなぜ85分?
「うん。ジェシーの飛行機がニューヨークに発つのは今夜。
空港に向かう時間が85分しかないんだね。
リアルタイムで進行する映画は多いけど、
ほとんどがサスペンスがらみ。
このようなラブストーリーでこの手法は珍しいよね。
で、ふたりはカフェや街角、ボートの上で、
かつての想い出を基調にこの数年間のことを語り合っていく。
そこがとてもリアル。
最初はジョークを交えながら、次第に本音が出てくる。
それぞれお互いの気持ちを探り合ってるわけだ。
しかも、沈黙が怖いからかふたりの会話はとぎれることがない」

------ふうん。脚本が上手いんだ。
「監督が出したテーマにホークとデルピーが
それぞれダイアローグを考え、
最終的には、デルピーが考えたダイアローグをたたき台に、
ホークが脚本の一部を書いたらしい。
映画には信じられないほど素晴らしいダイアローグがいっぱい。
なかでも『結婚してるくせに少年の心でパリに来た。最低よ。』には
思わず熱いものがグッとこみ上げてきたね。
映像も、サンセットまでの凝縮された時間で展開するため
最初から最後までほんのり赤みがかった夕景の色。
いやあ、満たされた時間を過ごしたね」

------今日は、久しぶりにストーリー以外のことを喋ったね(笑)。
「それ、言うなって。気にしてたんだから」

(byえいwithフォーン)

※カップル最適度


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