ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ヒックとドラゴン』

2010-06-30 00:30:15 | 新作映画
(原題:How to Train Your Dragon)

----- 「今夜はワールドカップを見てるからフォーンが喋るように」だって。
う~ん。どこから話しちゃおうかな。
まずは、この映画にフォーンがついていくことになった理由から。
それは監督が
『リロ&スティッチ』クリス・サンダースだから。
えいが『リロ&スティッチ』を観たのは、
フォーンがまだこの家に来て間もないころ。
狂暴なスティッチがある夜、本を読んでしんみりしちゃう。
その姿がスティッチにダブったんだって。
で、これはフォーンはまったく覚えていないんだけど、
そのころ、フォーンはいつもえいの足首に噛みついていていたんだって。

「いまでも噛むじゃない」

----- あらら(汗)。
そんなある日、フォーンはえいの膝の上にぽん。
それがとても嬉しかったんだって…。
あれっ。この映画の話、まだ全然していないニャあ。
その『リロ&スティッチ』の監督が撮るドラゴン、
ニャんと顔がフォーンにそっくり。特に目がね。
さてお話は…。
遠い遠い昔。
はるかかなたの海の向こうのバーク島では、
村を守るため、人間はドラゴンたちと長年に渡り戦いを繰り広げていた。
族長の息子なのに、ちょっと弱虫なバイキングの少年ヒックは
傷ついたドラゴンのトゥースに、
大好物の魚をあげたことから仲良しに。
それがきっかけで、
ドラゴンたちを手なずけることができるようになったヒックは、
一躍、村人たちから尊敬を集めるようになるが……というもの。
観てみて納得。
確かに、このトゥース、フォーンにそっくり。
あっ、顔だけのこと言っているんじゃニャいよ。
おでこや喉をなぜられてウットリ。
体を草むらにこすりつけてゴロゴロ。
お餌を観るときの目付きも似ていたニャあ。
後で聞いたら、トゥースのモデルは
オオカミや猫ニャんだって。
ヒックを乗せて空を飛ぶシーンはフォーンも興奮。
だって、フォーンは空を飛べニャいもの。
実は観る雨は、悲しい別れで涙ボロボロになるんでは…と
心配していたんだけど、
とてもハッピーなエンディング。
こういうところはさすが、ハリウッドだね。
少年ヒックの成長、仲間との友情、
そして父親との関係修復など
ヒックとドラゴン以外のサイドストーリーも見モノ。
この夏のフォーンのおススメだよ。

     (byフォーン)

フォーンの一言「トゥースの目がいいのニャ」ぱっちり

※いやいや、フォーンには負ける度


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猫ニュー

画像はアメリカ・オフィシャル(ダウンロードサイト)より。


『ちょんまげぷりん』

2010-06-26 11:42:35 | 新作映画
----“ちょんまげ”と“ぷりん”?
時代がまったく違うじゃニャい。
「いやあ、ぼくも知らなかったけど、
これは(荒木源『ふしぎの国の安兵衛』)の映画化らしい。
主演が錦戸亮ということもあって、
巷ではけっこう話題になっているんだ」

----どういうお話ニャの?
「これはもう一言で説明できる。
江戸時代から、ひとりのお侍さん・安兵衛が現代の巣鴨へ。
そこで、シングルマザーのひろ子(ともさかりえ)と出会った彼は、
最初、戸惑いながらも、ケーキ作り職人としての腕を発揮。
ケーキコンテストで認められた彼は、
自由が丘の有名ケーキ店アントワーヌに誘われ、
人気パティシエとして忙しい日々を送るようになるが…」

----ニャるほど、一種のタイムスリップ・ファンタジーってわけだニャ。
そういえば、30年ほど前にH・G・ウェルズが現代に現れる映画があったよね。
マルコム・マクドウェル主演『タイム・アフター・タイム』のことだね。
この映画も、現代に住む女性と<時を超えた愛>が芽生える。
さてその行方は~というところで興味を引き付けるのは
同じ構成だけど、
この映画の場合は、ヒロインがシングルマザーというのがミソ。
彼女が夫と別れた理由、そして子供を抱えて働いているという、
その生きざまが物語に大きく左右してくる」

----どういうこと?
「最初は“奥”の仕事、
つまり主婦的なことを一手に引き受けていた安兵衛が
忙しくなるにつれて、それができなくなり、
ついにはひろ子の元夫と同じセリフを吐いてしまうんだ。
余談だけど、彼をアントワーヌに誘う殿間知治には井上順
同じ元スパイダースでも堺正章にしないところがミソ。
『チューボーですよ!』を意識してのキャスティングだね、これは」

---(笑)ニャに言ってんの?
へぇ~っ。監督は誰ニャの?
「いま、ノリにノッている『ゴールデンスランバー』中村義洋
すでに『ルート225』で異世界に迷い込む話は経験済みだけに手堅い。
隣の男の人なんか泣いていたしね。
そうそう、キングオブコメディ・今野浩喜が演じた
“オタク系デザイナー”のヤサグレぶりもオモシロかった。
あのオチもなかなか。江戸埠凛が食べたくなったしね」

---江戸埠凛?ニャんだそれ?

                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「なんで巣鴨なのニャ」もう寝る
※ワケはお地蔵さんに聞くだ度


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猫ニュー

『東京島』

2010-06-23 22:59:00 | 新作映画
----“東京島”?
それって大島とか三宅島のこと?
あっ、もしかして東京湾の無人島、猿島のことかニャ。
「もう、フォーンったらしているくせにとぼけて。
これは桐野夏生の問題作。
無人島に男23人、たったひとりの女。
さあ、どうなるという刺激的な話」

----あらら。バレたニャ。
でもあの話って、あまりにも刺激的で
ちょっと映画になりにくい気がしたけど…
「うん。ぼくも本屋さんの店頭でパラパラとめくってみただけだけど、
男としては、観るのが怖い世界。
さすがに手に取ってじっくり読むことはなかった」

----ということは、原作との比較はできないわけだニャ。
でも、これはイメージだけだけど、
かなりエロチックそう。
「ところが意外なことに、
エロ&グロは押さえてあった。
もしかしてエルメスがタイアップで付いているからかな?とも
ちらっと頭をよぎったけど、
どうやら、これは監督の意向によるものらしい。
性欲の代わりに食欲を打ち出しているんだ。
でも確かに、そっちの方が女性は入りやすいかも」

----男としては残念ってことかニャ(笑)。
「あらら言うね。
でもその分、ブラックユーモアが効いていた。
この映画は笑う映画だね。
なかでも忘れられないのが
『ショウロンポウ、マーボードウフ、チンジャオロース』
そして『ケンタッキー』」

---ニャんだ、それ?
「まあ、それは観てのお楽しみ。
あと、妊娠してお腹が大きくなっているヒロイン・清子(木村多江)が起き上がろうとした瞬間、
『あっ、こむらがえり』。
これはおそらく
いままで誰も映画にしたことがないんじゃないかな」

----それは確かに聞いたことないニャあ(笑)。



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「で、この映画ニャにが言いたいのかニャご不満

※それは草食男子と肉食女子の物語。現代の縮図いっぱいだ度


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『パラレルライフ』

2010-06-18 23:00:54 | 新作映画
(英題:Parallel Life)


----“パラレルライフ”?
“パラレルワールド”なら聞いたことがあるけど…。
「そうだね。確かにあまり聞かない言葉だよね。
実はこれは、エイブラハム・リンカーンと
ジョン・F ・ケネディがあまりにも似た一生をたどったことに想を得て
作られた映画なんだ」

----ふたりってそんなに似ていたの?
顔とかは全然違うけど…。
「うん。リンカーンは議員当選が1846年、大統領当選が1860年。
そして金曜日にフォード劇場で1839年生まれの男に暗殺されている。
片やケネディは議員当選が1946年、大統領当選が1960年。
そして同じく金曜日にフォード車で1939年生まれの男に暗殺されている。
で、そのときの副大統領が共にジョンソン」

----ぶるる。よくできた話だニャあ。
「おおっ。フォーンでも怖がるか(笑)。
さて、この映画に移ろう。
最年少部長判事に任命されたソクヒョン(チ・ジニ)は、
妻が殺され容疑者が逃走する事件を経験する。
彼はまったく同じ悲劇が30年前に
最年少部長判事だったハン・サンジュンにも起きたという事実を知る。
ケネディとリンカーンが100年の時を経て同じ運命をたどったように、
違う時代を生きるふたりの運命が同じパターンに展開される
"パラレルライフ"に巻き込まれたと知った彼は、
6日後に起きると予見された自分と娘の死を防ぐために
"パラレルライフ"の秘密を掘り下げていく」

----いわゆる『アンビリバボー』ってヤツだね。
でも、この運命論的な映画って
最近のハリウッド映画にも多いよ。
『シャッフル』とか『ダイアナの選択』とか…。
「鋭いね。
ただ、この映画の場合、話が少し凝りすぎ。
どんでん返しに次ぐどんでん返しで、
少々疲れてしまうんだ。
観客に、犯人をA→B→Cというように思わせながら、
最後にとんでもない事実を明らかにする。
途中、どの結末で終わってもよさそうなのに、
『いやいや、こんなもんじゃありません。
まだまだ、続きがありまっせ』と、さらに転がしていくんだ。
もう、おなかいっぱい。
しかもこの映画は30年前をカットバックしながら進んでいく。
正直、頭の整理が難しかったね。
『じゃあ、あの電話の主は?』など、
ツッコミたくなる箇所もちらほら。
『チェイサー』(ナ・ホンジン監督版)でブレイクしたハ・ジョンウをはじめ、
役者もなかなか揃っているのに、
これはちょっと欲張りすぎて
裏目に出たような気がしないでもないな」




                (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「それにしても、韓国のミステリー・スリラーは子供がよく絡んでくるニャあ」うららかフォーン

※主演のチ・ジニはテレビの『宮廷女官チャングムの誓い』で有名だ度


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『ベスト・キッド』(2010年版)

2010-06-15 23:34:39 | 新作映画
(原題:The Karate Kid)


----これも全米初登場第1位の映画だよね。
確かリメイクのはずだけど…。
「うん。1984年のオリジナルがそれほど歴史に残る映画というわけでもないし、
なぜリメイクしたのか不思議な上に、この大ヒット。
ほんとアメリカって分からないなあ…と。
でもオリジナルのお話が
いじめられっ子が猛レッスンにより強くなって、
カラテ大会で勝っちゃうという単純なものだし、
これはサクッと観られるかと、そう思いきや、
なんとランニングタイム140分!」

----サクッとはいかなかったわけだね。
「そういうこと。
でも、なるほど、
これはヒットする要素はいっぱい。
まず舞台が大きく変更されている。
それえを説明する前に、まずキャスティング。
前回、オスカー・ノミネートの高い評価を受けた
ノリユキ・パット・モリタ
彼が演じた“ミヤギさん”には、
ジャッキー・チェン

----えっ、ジャッキーが?
それじゃあ、“カラテ・キッド”じゃなく“クンフー・キッド”だ。
「しっ。それは言わないの。
彼の持ち味であるユーモアを封印。
髭まではやしてのシリアス演技を見せてくれてるんだから…。
で、ジャッキーが出るということで
カラテではなくクンフーに。
(タイトルに偽りありだけどね)
そしてその出演に合わせるかのようにオール中国ロケ。
なんと『ラストエンペラー』以来という、
紫禁城での映画撮影。
さらには万里の長城、
そして中国武術の聖地、世界遺産・武当山での撮影を敢行している」

----ふうん。で、お話はどうニャの?
オリジナルから変えてあるの?
「いや。大筋は同じ。
ただ、
師であるミスター・ハン(ジャッキー・チェン)の悲しい過去とか、
親しくなる同級生の親のエピソードとかは初めて観たような…。
まあ、ずいぶん昔の記憶だからはっきりとは言えないけど…」

---確か、あのときのクライマックスは
空手大会で見せた
「鶴の構え」だったような…。
「うん。こちらも似たようなものが出てくる。
前作を観ている人は武当山で
ひとりの女性がコブラ相手に構えている姿を観てすぐにピンと来ると思うよ。
で、その使われ方は、
日本の某首相が『感動した』と叫んだ大相撲の千秋楽優勝決定戦と同じ」

---ニャに言ってるの?
「主人公が大怪我を負っていて勝ち目がないのに、
ライバルに立ち向かうってこと。
ここはなかなか感動的で、
実際、周囲では『泣いた』との男性の声もちらほら。
女性が主人公ドレを演じる主演のジェイデン・スミスのことを
『安室奈美江みたい』と言っているのとは対照的だったね」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ジャッキーの最後の笑顔がいいらしいのニャ」
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※今回はNG集はない度


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『ゾンビランド』

2010-06-12 22:44:33 | 新作映画
(原題:Zombieland)


----ゾンビ映画って、
『サバイバル・オブ・ザ・デッド』とか『ザ・ホード 死霊の大群』とか
次々に日本に来ているけど、
苦手なこともあってほとんどスルー。
でも、この映画だけは行くと決めていたんだよね?
「うん。なにせ全米初登場第1位。
ゾンビ映画というだけで“観客限定”のイメージがあるだけに、
これはよほどオモシロいに違いないと…」

----で、どうだった?
「もう大満足だね。
設定としては、監督ルーベン・フライシャーが唯一観ているゾンビ映画という
『28日後…』と、そう変わりがあるわけじゃない。
新型ウィルスの爆発感染(ここが『28日後…』)で
人類の大半が人喰いゾンビとなってしまった世界の中、
引きこもりの青年コロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)が
“生き残るための32のルール”を作り、
それを実践していくというもの。
その彼が、両親の住むコロンバス州オハイオに向かう途中で出会ったのが、
屈強な腕力と抜群の射撃テクニックで
ゾンビ地獄を生き延びてきた男タラハシー(ウディ・ハレルソン)。
オモシロさの最初のポイントはまずここ。
片やニート、片やマッチョのバディムービー。
当然のように、映画はロードムービーの色彩を帯びてくる。
そんなふたりが旅の途中で出会うのが美人詐欺師姉妹
ウィチタ(エマ・ストーン)と
リトルロック(アビゲイル・ブレスリン)。
コロンバスは彼女たちからオハイオが壊滅状態にあると聞き、
ゾンビとは無縁の天国があるという噂の遊園地、
ロサンゼルス郊外のパシフィックランドに向かうことに…」

----ちょ、ちょっと待って。
ウソみたいに豪華な顔ぶれだね。
「まだまだ、こんなもんじゃないよ。
途中、ハリウッドでそれこそビッグネームのスターが出演」

----えっ、誰だろう?
「。彼の大邸宅でコロンバスたちが観る映画が『ゴーストバスターズ』
こう言えば、もう誰だかわかるよね。
さて、この大物俳優の映画からの消え方も含めて、
全篇、爆笑に次ぐ爆笑。
当然のように、コロンバスは童貞という設定になっていて、
青春ラブストーリーの要素も絡んでくる。
ゾンビには強くても女には弱いため、
いざというところで危機また危機の繰り返し」

----ニャるほどね。
娯楽映画の要素をいろいろ詰め込んでいるわけだ。
ところで、その32のルールとやらには、
どんなものがあるの?
「う~ん。
それは観てのお楽しみ。
でも、一つだけ教えるとすれば、やはりルール1.『有酸素運動』。
ゾンビを前に、
走って走って逃げ回らなくちゃだめだからね」

---体力勝負か。
それはニートには厳しいニャあ。
「あっ、それとこれが笑える。
ルール4.『シートベルトをしろ』。
一見、ゾンビ対策とは関係ないように見えて、
笑いのツボとして巧く生かされている。
うん。このシートベルトに
他の映画にはない、
この映画の魅力が集約されていると言ってもいいかも…」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「続編も決定。でも3Dらしいのニャ」複雑だニャ

※ウディ・ハレルソンは『ナチュラル・ボーン・ゾンビキラーズ』だ度


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猫ニュー

画像はアメリカのティーザーポスター。

『おのぼり物語』

2010-06-08 23:10:50 | 新作映画
----この映画、原作がマンガなんだって?
「うん。
コミック作家・カラヤス・サトシという人の自伝的4コマ漫画。
お話はシンプルで、
一本だけレギュラーを持っている
売れない漫画家・カラヤスサトシこと片桐聰が、
ある朝、ふと思い立って大阪から上京。
ところが、あっという間にその雑誌が廃刊。
貧乏な漫画家から、ただマンガを夢見る無職の男になってしまう…」

----うわあ、キツイ話だね。
「うん。で、彼が住んでいるのが3万円台のぼろアパート。
このアパートがなんとも懐かしく、
2階建てで外に階段が付いている」

----そういうのって、映画じゃよく出てくるよ。
「それはそうなんだけど、
彼が住むのが東伏見。
これを聞いて、えっ?
実はぼくは10代から20代にかけて7~8年ほど、
この東伏見の似たようなアパートに住んでいたんだ。
もっとも、家賃は1万8千円だったけど…。
それでも、ここを舞台にした映画って、
これまで観たことがなかったこともあり、
東伏見とは名ばかりで架空の場所かと…。
なにせ主人公の聰は電話で親に『東京タワーが見える』」

----それ、変だよ。あそこからじゃ遠すぎる。
「だよね。
実はこれは田無タワーのこと。
もちろん、ぼくが住んでいた頃は
そんなのは影も形もなかったけど…。
でもなじみの深い場所が出てくるのも善し悪しだね。
ごまかしているのがバレバレ。
たとえば、聰が東京で再会する同級生・由美子と
自転車にふたり乗りするシーンなんて、
青梅街道の東伏見坂下を何度も右から左へ。
それをずっと長い距離を乗っているかのように編集でごまかしている。
まあ、そんなこと言っては身も蓋もないし、
目をつぶらなきゃいけないんだけどね。
ということで懐かしさに浸った映画だったのでした。
おしまい」

----あれっ。これで終わり?
「う~ん。
まあ、お話としてはたいしたものじゃないし、
アパートの住人がちょっと変わっている割には
事件が起こるでもなし。
でも、そのだらだらグダグダ感が
あの土地にあっている。
いや、あくまでそこで過ごした自分の思い出なんだけどね。
まるで1970年代の青春を描いたような…。
その空気感はぼくは好きだったな」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「俳優は誰が出ているのニャ」気持ちいいニャ


※主演はミュージカル界を代表する井上芳雄だ度

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『フェアウェル さらば、哀しみのスパイ』

2010-06-02 20:54:10 | 新作映画
(原題:L'affaire Farewell)


----“さらば、哀しみのスパイ”か…。
『さらばベルリンの灯』を連想しちゃったけど、
どういうお話ニャの?
「う~ん。どこから説明しようかな。
これは、実話に基づいた物語。
フォーンは、かつて東西冷戦というのが存在していたことは知っているよね」

----う~ん。ニャんだったっけ?
「第二次世界大戦後、
世界はアメリカを中心とする自由主義陣営と
ソ連を中心とする共産主義陣営のふたつに分かれたんだ。
この二大国は直接ぶつかりあうことはなかったものの、
それぞれに核兵器を有して、にらみ合っていた。
つまり、ちょっと間違うと、とんでもないことになったわけだ」

----でも、いまは共産主義国ってあまりないよね。
「そう。共産主義体制は次々と消滅。
その象徴的なものがベルリンの壁とソ連の崩壊。
で、この映画は、その中のソ連の崩壊にスポットを当てているんだ。
1980年代初頭ブレジネフ政権下。
KGBのグリゴリエフ大佐は自国の極秘情報を敵陣営であるフランスに渡す。
この超大物スパイが提供した莫大な資料には、
ソ連が長年調べ上げたアメリカの軍事機密や
西側諸国に潜むソ連のスパイリストなどが含まれていた…」

----それはオモシロそうだ。
でも、それって国家機密でしょ。
いくら、その冷戦とやらが終わったからって、
映画にできるほど詳しい情報は出てくるの?
「そこなんだ。
ぼくがこの映画を好きな理由は。
いま、話したことは、それこそ事実。
だけど、そのグリゴリエフの私生活や、
彼が資料を渡した相手、
ましてやそのときグリゴリエフが何を考えていたかなんてことまでは、
すでに彼が処刑された今となっては分るすべは少ない。
だけど、それだからこそ逆に
映画としての<想像>と<創造>が入る余地が生まれてくる。
この映画では、
<フェアウェル>の妻が彼の上司と不倫をしているという設定に。
また、<フェアウェル>の息子がクイーンなど西側のロックが好きで、
ウォークマンを欲しがっているなど、
いくつものプライベートなエピソードで肉付けをしているんだ。
それは資料を受け取るフランス人技師ピエールにしてもそう。
彼は、上司からその受け渡しを頼まれただけの一般人。
やはり妻子を抱えていて、
このスリリングな“仕事”を最初は恐れながら、
次第にハマって行き、やがては“フェアウェル”との間に
絆のようなものが結ばれていく」

----ニャるほど。
「なかでも、見どころは
それまで父親を軽蔑していた<フェアウェル>の息子が
スパイ行為の発覚から拘束された父の面会に来るシーン。
これは、『ミッドナイト・エクスプレス』以来の感動の面会シーン。
ラストの思いもかけぬ展開と共に、
観る者の目を釘づけにすること間違いないよ」

----ふうん。監督は誰ニャの?
『戦場のアリア』クリスチャン・カリオン
<フェアウェル>を演じているのは、
なんとエミール・クストリッツァ
監督としての彼は、他の追随を許さぬ独自の世界を作り上げているけど、
いやあ、演技の方も息をのむ見事さ。
さっき話した面会シーンなんて、涙なくしては観られない。
一方、スパイ活動にのめり込んでいくピエールを好演しているのは
『戦場のアリア』のギョーム・カネ
実は彼もまた映画監督でもあるんだ。
いつもはキャメラの向こう側に立つ者同士の演技での共演。
こちらも見モノだよ」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フランス人なのに英語のコードネームというのも理由があるのニャ」ぱっちり


※スパイ映画はこういうのが好きだ度

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