ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

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『リサイクルー死界ー』

2007-05-31 23:54:39 | 新作映画
※カンの鋭い人は注意。※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。


(原題:Re-cycle)

----この監督、確か双子だよね。
サム・ライミに気に入られて
ハリウッドでも作ったとか…。
まるで清水崇みたいだ。
「うん。『ゴースト・ハウス』ね。
でも、こちらの方が圧倒的にオモシロいと言う人がいて、
観る前から、ちょっと期待していたんだ」

----タイトルからすると、
霊界ものみたいだけど?
「そうだね。
実はぼくはこの監督パン・ブラザースの作品って
いつも欠伸が出るほど退屈で、正直言って苦手。
この『リサイクルー死界ー』も初めのうちはやはり凡庸。
『やはりホラーは日本に限る』なんて
斜に構えて観ていたんだけど、
まさか最後に泣かされるとは思わなかった」

----えっ?泣けたの?
「(汗)恥ずかしながら……。
そこの説明の前に
まずは簡単にストーリーを喋っちゃおう。
主人公は人気女流作家のティンイン(アンジェリカ・リー)。
霊体験をテーマにした新作『鬼域』を書く彼女の前に、
自分の書いていることと同じ奇怪な現象が起こり始める。
ある夜、エレベーターに乗った彼女は、
死人のような顔をした老婆と少女に出会う。
しかもふたりはあるはずのない地下へと沈んでいくんだ。
恐怖のあまり、駆け出した彼女は、
そこから悪夢のような死の世界に入り込んでしまう」

----へぇ~っ。
と言うことはその死の世界が見どころなワケだニャ。
「うん。なんとこの死の世界の彷徨が
延々と1時間以上も続く。
果たしてこれで最後までもつのかなと思ったけど、
まあ、よく頑張ったと言うしかないだろうね。
至るところに貞子やゾンビがいる---
と言うと、バカにしてるように見えるかもしれないけど、
本作独自の悪夢ビジュアルが次々と出てくるんだ。
香港映画にもそういう肩書きがあるのかどうか、
これはハリウッドで言うところの
プロダクション・デザイナー的立場の人の力に負うところが大きいだろうな」

----たとえばどういうところ?
「赤錆色した観覧車、棄てられたブリキ人形、空から墜落する亡者の群れ、
そして口にするのもおぞましい、さまざまな水子たち。
日本の<地獄>のイメージとはかなり違う」

----う~む。確かにスゴそうだ。
でもそれで泣けるって分からないニャあ。?
「実はこの世界は、ティンインが忘れたり棄てたりした世界から成り立っている。
そんな彼女を元の世界に戻すべく
あるひとりの少女が手助けをするわけだ」

----ははあ~っ。分かってきた。
そこに泣かせる<秘密>が隠されているワケだニャ。
つまりこの映画は、そんなに怖くはないけど、
よくできたお話ってワケだ。
でもそれじゃホラーとしてはもの足りなくない?
「そうだね。
作る方としては
さすがにそれだけじゃまずいと思ったんだろうね。
最後の最後で、もうひとヒネリがしてある。
そこも少しドキッかな。
ただ、この監督『レイン』の頃からそうだけど、
音が少しうるさすぎる。
こういう霊界モノはそれこそ
無音の方が怖さが増すと思うんだけど……。
無音バージョンでもう一回作ってくれないかな」

----それは無理でしょう(笑)。

    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「だから怖いの、苦手ニャ」悲しい

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『夕凪の街 桜の国』

2007-05-28 17:52:21 | 新作映画
----この映画、変わったタイトルだよね。
原作ものニャんだって?
「そう。
平成16年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞・
第9回手塚治虫文化賞新生賞を受賞した
こうの史代と言う人の原作。
過去と現在の二つの物語からなる連作なんだ」

----ふうん。と言うことは
二つの物語の主人公たちには
関係とかあるのかな?
「うん。
『夕凪の街』は原爆投下から13年後の広島が舞台。
いつ原爆症が発症するかもしれない恐怖を抱えながら生きる女性・
平野皆実(麻生久美子)の物語。
もう一つの『桜の国』は現代。
家族に内緒で広島へ向かう皆実の弟・旭(堺正章)。
その後を付けた七波(田中麗奈)が
自分のルーツを見つめ直していく物語だ」

----監督は誰ニャの?
「最近、精力的な活動を続けている佐々部清。
これはいかにも彼らしい、情感にあふれた作品となっていたね。
ただ、この映画に関しては語るのがとても難しい。
原作を読んでいる人はともかくとして
何も知らずに観た方がいいと思う。
そのセリフの一つひとつが
現在、恣意的に歴史の向こうに追いやられようとしている過去----
それを抑止する力を持つきわめて現代的な作品となっている」

----つまり「あの日を忘れてはならない」という
強いメッセージがあるんだね。
「そう。しかもそれは決して過去のことではなく、
現在もまだ続いている物語。
『夕凪の街』が戦後13年、『桜の国』が現代だからね。
つまり被爆二世・三世のことに言及しているわけだ。
原爆投下直後に関しては
当時の写真や絵画が使用され、
生温いところは微塵もない」

----そう言えば、
原爆投下直後を描いた映画って
あまりないよね。
「新藤兼人監督が
その<直後>の映画化を望んでいるという話は聞いたことあるけどね。
今の時代、そういう話に資金を提供してくれるスポンサーは
なかなかいないだろうね。
この話だって、メジャーからは地味で売りにくいと拒否されたと言うくらいだから」

----そう言えば田中麗奈がよかったんだって?
「うん。彼女は久しぶりに自分の持ち味を十二分に発揮したと思う。
原作者・こうの史代も言うように
彼女は何をやっても『田中麗奈』。
なのに、これまであまりにも周囲は彼女に役を演じさせようとしていて、
それが巧く言っていなかった気がするんだ。
田中麗奈の持ち味、それは“仏頂面、不機嫌”」

----それって言いすぎ。
デビュー作『がんばっていきまっしょい』が
あまりにも鮮烈だったからじゃニャい?
「あらら。
それはそうだけどね。
実は、今回『桜の国』のクライマックスで、
彼女はある感動的なセリフを口にする。
これをもし、他の女優が喋ったら、
ここまで感動的なシーンにはならなかったと思う。
いつも“仏頂面で不機嫌”な彼女だからこそ、
そのセリフには重みが出てくる。
アップ、しかもスローモーションで映し出された
その表情を観るだけでも
この映画の価値は十分にあると思うよ」



   (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「そのセリフを知りたいニャあ」小首ニャ

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『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』

2007-05-27 02:33:33 | 映画
パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド 

(原題:Pirates of the Caribbean : At World's End)

---ここしばらく、キャストの来日で
日本中が大騒ぎだったけど
どうだった?肝心の中身の方は?
「前作『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』
バスター・キートンかジャッキー・チェンかって感じの
スラップスティックなところがあったじゃない。
今回は、どうするのかなって
それが気になっていたんだけど、
よく言えばアラビアンナイト、
航海もののルーツとも言えるシンドバッドを思い出したね」

----あ~。確かにそういうところあったニャあ。
満天の星空とか、けっこうロマンチックだったよね。
噂のキース・リチャーズはギターをつま弾くし…。
「うん。あと、
デイヴィ・ジョーンズが務めを果たさなかったことに起因する
流れゆく死人たちとか、巨大化した女神カリプソとかも、
これまでとは違うノリだ。
もっとも、最大の違いはタイトルにもなっている
ワールド・エンドだけどね」

----あれはシュールだったよね。
船を動かす蟹なんて、よく考えたよね。
でも、やはり息を飲んだのはクライマックス。
荒れ狂う海の中、
ジャックはマストの上でジョーンズと剣を交えるし、
ロープにつかまり、デッドマンズ・チェストを奪い合う。
「あれはよかったね。
その中で、ウィルとエリザベスが
永遠の愛を誓い合う。
あれっ、それじゃジャックは……?
と思ったら、とんでもないドラマが待ち構えている。
アクションの中で物語が動く-----。
これぞぼくの求めるアクションだね」

----なのに、興奮がいまいち感じられないニャあ。
「うん。
そうなんだよ。
これは土曜日に観たんだけど、
通路を挟んで斜め前にマナーの悪い人がいて、
携帯のメールチェックを何度も繰り返すんだ(怒)。
おかげで大切なところで光が目に入って…。
船が“ワールド・エンド”に突入する瞬間や
ウィルの運命が大きく動くとき、
またウィルがある大切な決断をするときなどなど……。
もう、ほんとうに頭にきた。
よほど注意しようかと思ったけど、
後味悪くなるしね(涙)」

----あっ。あのカップルね。
彼ら、このシリーズ初めて観たんだよ。
ラストにまた後日譚があること知らずに帰ってたもの。
ほらほら。あまり気にしないで。
ジャックみたいに
すべてにおおらかにいったら…。
「でもね。
映画は一期一会。
二度観るときには、
最初の驚きは経験ずみ。
いわゆる“ネタバレあり”で観るわけだからね。
しかし、ジョニー・デップの演技は素晴らしいね。
ジャックときたら、
まるでニューシネマの頃のヒッピー。
いや、もっと本質的なところで彼らよりも自由。
ほんと、彼のように生きられたらいいよね」


     (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「これは4部もありそうだニャ」ぱっちり


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『100万ドルのホームランボール 捕った!盗られた!訴えた!』

2007-05-25 10:54:53 | 新作映画
(原題:Up for Grabs)

----あれっ。これってドキュメンタリーじゃニャい?
珍しいよね、ドラマ以外の話するのって。
「うん。ドキュメンタリーってまったく観ていないってわけじゃないけど、
自分のスタンスが正直、あまり確立されていないんだ。
それでいままであまり話さなかったんだけど、
でも、これは別。
文句なしにオモシロいので紹介したいなと…」

----どういう話ニャの?
「2001年10月7日に、サンフランシスコ・ジャイアンツのバリー・ボンズが、
それまでの年間最多記録を更新する73本目のホームランを放った。
この映画は、そのホームランボールの行方をめぐる狂騒を描いたものなんだ」

----へぇ~っ。それってどれくらいの価値があるの?
「ちなみに98年、
マグワイヤがシーズン70本塁打を記録したときはなんと270万ドル(約3億円)で落札」

----あれっ??それよりこれは3本も多い。
と言うことは71本のときにも騒がれたんじゃニャいの?
「そうなんだよね。おそらく71本目のボールをキャッチした人は
もうこれ以上打たないでくれと祈ったに違いない。
この映画は、そんな彼らも含めて
ついに最後の73本目のボールの行方を描き出す。
この2001年と言うのはアメリカでITバブルが弾け、
その代わりと言う感じで
人々は一攫千金を求めて連日、球場へ押し掛けたわけだ。
9.11があったばかりと言うのに、
彼らにはそれは遠い出来事であるかのよう。
そんな中、この“事件”は起こった」

----ゴクッ。“事件”って?
「最初にホームランボールをキャッチした男アレックス・ポポフに
多くの人々がのしかかっていったんだね。
ボールの行方は杳として見つからない。
そんな中、一人の東洋人パトリック・ハヤシが
にこっとボールを手にカメラに差し出す。
係員がハヤシをガードして事務室へ。
そこへ自分はボールを奪い取られたと主張する男アレックス・ポポフが出現。
偶然にその映像を捕えたカメラは
確かに最初にポポフがボールをキャッチした瞬間を写している」

----それは、ハヤシに分が悪いね。
「う~ん。果たしてそうだろうか?
所有権には占有権が伴うからね。
彼が主張するように手から奪い取ったのか、
それとも転がっていたのを拾ったのか?
ポポフは訴訟を起こすわけだけど、
裁判所もこの壁に突き当たる。
と、そういう法律的なことはおいといても
その周囲の証言とことの成り行きを見ているだけで、
けっこうオモシロい。
最初はハヤシ悪し(駄洒落じゃないよ)と見えたんだけど、
ポポフの行動にも疑惑が…。
しかも証言者たちがもとより喋ることを得意としている
マスコミ関係者が多いものだから、
とにかくにぎやか」

----結末はもちろん言えないよね。
「それはそうだよ。しかもいくつものオチがあるし…」
----そう言われるとよけいに気にニャるなあ(笑)。
「まあまあ。観てみてよ。
とにかく笑える映画だから。
その一つには、当事者ふたりのキャラクターがあるだろうね。
ボールを奪い返そうと、
アグレッシブにメディアに出ては自己アピールを続けるポポフ。
一方のハヤシは
その東洋人特有の自信なさげな表情が
巻き込まれて困惑していると言う感じがよく出てる。
しかし、それさえも最初は“ずる賢い小さな東洋人”の仕草と見えてしまう。
アメリカにおける東洋人の微妙なポジションが窺え、
日本人としてはこちらも興味深かったね」


    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「観たニャ。驚いたニャ」ぱっちり

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『石の微笑』

2007-05-23 20:58:27 | 新作映画
(原題:Le demoiselle d'honneur / The Bridesmaid)

---クロード・シャブロルって、
もうけっこうな年なのに精力的だね?
「うん。プレスにも
“ヌーヴェル・ヴァーグ現役最後の巨匠”という
紹介がされていた。
カイエ派最初の35mm長編作品が
シャブロルの『美しきセルジュ』と言われていることを思えば、
これはなかなか感慨深いな。
『フランス映画の墓掘り人』とまで言われたトリュフォーはもう亡くなったし、
ゴダールはそれこそ遠いところまできてしまった」

----で、この映画はどういう作品なの?
「95年の『沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇』と同じく
ルース・レンデルの小説を翻案。
一言で言えば、愛欲のサスペンス・ミステリーだね。
妹の結婚式で、主人公フィリップ(ブノワ・マジメル)は
花嫁付添い人の一人、センタ(ローラ・スメット)と出会う。
式の終わった夕刻、
雨に濡れた身体でフィリップの家を訪れるセンタ。
そこであっという間に燃え上がる二人。
だが愛が深まるにつれて、
センタは内なる異常性をむき出しにしてくる。
彼女はフィリップに自分を愛しているなら
次の4つのことをして証明してくれと言うんだ。
その内容と言うのが、
1.木を植えて
2.詩を書いて
3.同性の人と寝る
4.誰でもいいから人を殺して
かくして物語は愛と官能をベースに、
殺人事件まで絡むサスペンス・ミステリーへと発展してゆく」

----mmmmm……(汗)。
「まあ、物語は原作があるから、
その中身を詳しく語ってもしょうがないけど、
こういうファムファタールものと言うか、
悪女に支配される男性と言うのは、
ある意味、ヌーヴェル・ヴァーグっぽい話だよね。
トリュフォーにしろゴダールにしろ、
それに近いモノを描いてきたし…」

----う~ん。
物語じゃないとすれば
この映画の見どころは、
やっぱり映像?
「うん。たとえば先ほどのセンタが現れるシーンの匂い立つ官能性。
ここはこの映画の白眉だと思うね。
それと冒頭の長回し。
その先に現れた映像は、
主人公たちが観ているテレビの中の映像と重なり合ってくる。
かなり意味ありげに描かれるこのシーン、
しかし本編が始まると
いつしか置き去りにされてしまう。
でもそれが最後に生きてくるんだね。
まあ、これは脚本の巧さもあるんだろうけど…。
後は俳優だね。
あまり日本人受けはしそうにないけど、
ローラ・スメットには注目だ。
彼女の父親はジョニー・アリデー。
そして母親はなんとナタリー・バイ。
トリュフォー、ゴダールのファンなら
これは決して忘れられない名前。
そのナタリー・バイの娘が胸を見せて
しかもラブシーンを演じているんだから、
ある意味複雑」

----シャブロルでもそんなに激しく写しちゃうわけ?
「いやいや。
そのベッドシーンにしても
ときにはフレームアウトするなど、
ワンパターンにならないように趣向を凝らしていた。
むしろ注目したいのはキスシーン。
ベッドシーンよりも遥かに多い。
これもある意味、いまの“見せすぎる”映画に対する
シャブロルの異議申し立てなのかもね」


     (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「なんて女ニャ、めっ」小首ニャ


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『こわい童謡 表の章・裏の章』

2007-05-22 17:51:41 | 新作映画

---この「表の章」「裏の章」ってどういうこと?
「うん。これはね。
とある女子校の合唱部で童謡に基づいて起こった変死、失踪事件=『表の章』。
その謎を『裏の章』で解くと言う構成になっているわけ」

----つまり『表の章』を観た人は
必然的に『裏の章』を観たくなると言うワケだね。
うまいこと考えたニャあ。
あっ、でもそれにはきちんと作ってないとダメか。
一作で「もういいや」になってしまう。
「そういうことだね。
映画としてはそれほどショッキングだったり、
怖い映像も少なかったけど、
ミステリーとしてはなかなか凝った作りになっていたから、
『表の章』を観た人は『裏の章』も観たくなるんじゃないかな。
ランニングタイムもそれぞれ74分と79分と言う短さだし、
本当は続けて観た方がいいんだけどね」

----えっ、それってどういうこと?
「東京では7月7日に『表の章』、28日に『裏の章」がレイトロードショー。
実は、その間にも『迫間の章』が
アトラクションとして公開されたり、
ウェブ、小説、漫画を絡めたミックスメディア展開をしたりするみたいだけど、
これ以上喋ると宣伝チックになるから
この程度にしておこうかな」

----『表の章』の主演が多部未華子、『裏の章』が安めぐみか…。
あれっ、多部未華子は『裏の章』にも出ているんだね。
えいとしては嬉しかったでしょう?
「う~ん。あまり彼女が恐怖で引きつる顔は観たくなかったな(笑)。
それよりもこの映画の見どころは<音>だね。
『裏の章』では、安めぐみ扮する音響分析官、宇田響子が
『表の章』の事件当時の<音>を再現。
それによってその謎を解いていくんだけど、
音響監修に日本音響研究所所長を迎えただけあって、
これがなかなか説得力がある。
機器にしても実際のものを使用。
低周波がロウソクの炎を揺らすシーンなんかも、
実際に日本音響研究所で撮影したらしい」

----それは見応えありそうだ。
「また一方では、
國學院大学の文学部・准教授が民話監修。
そのためか、科学が入る前に起こった
『表の章』にも気持ちの悪いリアルさがあったね」

----気持ち悪い?
「うん。あまり気持ちよくはないでしょ。
こういうお話。
でも、
一つのものを作るとき、
妥協はしない福谷修監督のこの姿勢は見習いたいな」

----えいは、いつも「この程度でいいや」だもんね(笑)
「mmmmm…」

     (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「怖いのはいやニャ」もう寝る


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『パッチギ! LOVE&PEACE』

2007-05-21 13:31:13 | 映画
----前作が高い評価を受けた『パッチギ!』の続編だね。
えいも、大感激していて2回も喋っていたっけ。
で、今回はフォーンも一緒に観ることに。
あれっ、思ったほど泣いてないニャあ。
「う~ん。だって微妙なんだもん」
----えっ?これまた意外。
主人公アンソンの父親の話も出てきたし、
日本映画とは思えない大スペクタクル・シーンもある。
どういうところが微妙だったの?
「いや。悪くはないんだよ。
ただ、詰め込みすぎって感じがしたんだ。
そのため、前作に観られたような
ディテールへのこだわりが少し後ろに下がっていた。
たとえば藤井隆演じる元国鉄職員・佐藤が口にする
『古いヤツだとお思いでしょうが
古いヤツほど新しいものをほしがるものでございます』の
『傷だらけの人生』にしても1970年の歌。
彼を始めとするキャラクターのファッションも
戯画化と言うか誇張が激しく、
確かにウエスタンシャツはあの時代に流行ったけど、
あそこまでダサくなかったよなあなんて、
まずそこがのめり込めなかったね。
西島秀俊の右前のシャツは、まあいいけどさ(笑)」

----そう言えば、西島秀俊、
また女を食い物にする役だったね(笑)。
「キャストで言えば、
木下ほうかが別の役で出ていたのもオモシロかった。
あと、米倉斉加年も久しぶりと言う気がしたな。
他にも一人ひとりあげだしたらきりがないけど超豪華であることは間違いない」

----だよね。でもまだ引っかかるんだ?
「うん。それはこういうこと。
以前『青春映画が映画だ』という井筒監督の言葉を紹介したけど、
今回は青春映画というよりも家族の映画、
親から子へとつないでゆく命の映画となっている。
この映画では、
筋ジストロフィという難病を患った息子のチャンスを救おうと密輸までする父アンソンの話。
芸能界入りしたキョンジャの前に立ちはだかる<在日朝鮮人への差別>と言う壁。
そして日本軍に徴集されたアンソンの父親ジンソンが南方の島へ脱走し、
生き延びようとする3つの話が軸となっている。
ぼくはこの中では、この戦争シーンが最も熱かった気がした。
と言うのもアンソン、キョンジャともに前作から6年経っていて
<青春>と言うには少し年を重ねすぎているのに対して、
この父親ジンソンが体験した苦難の時代こそが
本人が望まなかったとは言え、
青春時代を描いているからかも…」

----それと、あれでしょ。
えいは難病もの苦手だから……。
「確かにそれもあるけどね(汗)。
本作の構成は前作とある意味似ていて、
クライマックスの乱闘シーンでは
それと並行して別の物語が進行。
前作ではここにチャンスの<誕生>を絡め、
それこそ<命>の物語をも含んだ形となっていた。
しかもその前に、交通事故で死んだアンソンの仲間の葬式のシーンがあるから
より、それは浮き彫りにされていた」

----そう言えば、この映画ではアンソンの妻は亡くなっていたね。
「そこも実はクエスチョン。
もし、彼女が生きていたら、
朝鮮人家族の内部の日本人の目と言うのが描かれ、
映画がより多層的になっていたと言う気がする。
前作では、日本と朝鮮の歴史を初めて知った若者の初恋物語が軸となり、
本来は北と南を隔てるものとして歌われていた「イムジン河」を
日本と朝鮮の関係にオーバーラップさせていた。
こう喋っているだけでも、前作は大傑作だったなと、改めて思うな」

----それでもクライマックスは泣けたよね。
「うん。たまたまだけども
ぼくたちが観に行った映画館で同時刻に隣のスクリーンでかかっていた
『俺は、君のためにこそ死ににいく』のタイトルそのものを
否定する言葉をキョンジャに語らせる。
『生きて戻ってきてほしいです』とね。
いまの時代、これはとても勇気のある映画だし、
井筒監督の熱さは痛いほど伝わる。
だからこそ、あのセリフの後、乱闘に逃げないでほしい気がした。
もうそんなにも若くはないアンソンの乱闘は前作とは意味が違う。
大人としての解決にはならない気がしたな」


    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「でもフォーンはビックリしたニャ」ぱっちり

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『デス・オブ・ア・ダイナスティ HIP HOP は死なないぜ!』

2007-05-19 23:29:48 | 新作映画
(原題:Death of a Dynasty)


「しかし、これほど観る人を選ぶ映画もないだろうな…」
----ん?どういうこと??
「最初、この映画のキービジュアルを観た時は
これはヒップホップのドキュメンタリーに違いないと敬遠。
ところがキャッチが『世紀の大ペテンが始まる!』、
で、リードコピーが
『抗争勃発!史上最大のヒップホップ帝国ロッカフェラの崩壊!?』。
しかもデヴォン青木まで出ているとあれば
これは意外な拾いモノかも知れないなと…」

----しかし、ノレなかったワケだニャ?
「いや、そんなこともないんだけどね。
ただ、最初のうちは
ロッカフェラのパーティが、
ただただうるさく……。
なんだ、これは成功したセレブな奴らの
内幕ものかと……」

----しかし、違った…。
「うん。ストーリーは、一応あったね。
ヒップホップ史上最大の帝国『ロッカフェラ・レコード』に潜入し、
暴露ネタをすっぱ抜いてくると言う任務を与えられた
新人ライター、デイヴ。
彼はキツいジョークの洗礼を受けながらも
ロッカフェラ・ファミリーの一員として溶け込んでゆく。
そんなある日、モデルのピカソ(デヴォン青木)をめぐって
CEOのデイモン・ダッシュと
キング・オブ・ヒップホップ、ジェイ・Zが言い争いをしているのを目撃。
デイヴは、そのスクープを元に出世していくと言うもの」

----ロッカフェラって、確かみんなの結束が固いんだよね。
「らしいね。
この映画ではデイモン・ダッシュは監督に回り、
映画の中では別の俳優が彼を演じている。
それだけビジネスに徹しているということなんだろうけど、
なんとこの映画製作の後、
実際にデイモンとジェイ・Zに亀裂が入ったらしい。
しかし、そんなこと言われてもやはりね…」

----まあ、ロッカフェラが
本当にあると言うことさえ知らなかった
えいには語る資格はないけどね。
「mmmmm……」

     (byえいwithフォーン)

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『鉄板英雄伝説』

2007-05-17 23:27:02 | 新作映画
(原題:Epic Movie)

----これって確か『Epic Movie』とかいうタイトルで
けっこう話題になってたよね。
『最終絶叫計画』でホラーをパロった
ジェイソン・フリードバーグとアーロン・セルツァーの最新作でしょ。
「そう。しかも全米No.1に輝いちゃった」
----このタイトルからすると、
今度はジャンルと言うよりも、
大ヒットした有名な映画をパロっちゃったワケだ。
「うん。それだけに
これまでの作品よりは
日本人でも親しみやすいものとなっている。
ただ、『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』のように
まだ公開されていない作品もあるけどね。
『ボラット』ついでに、ここで先に喋っちゃうけど、
あの映画の中の名セリフの一つ『(一拍おいて)……not』が
『ボラット』と同じ『なんてね』と訳されている。
あれれ、これは?と思っていたら、
最後に“翻訳:林完治”。
『ボラット』と同じ人が訳しているんだ。
日本の配給が同じだからできたことだろうけど、
そう言うことも含めて、この映画を観るんだったら、
先に『ボラット』を観た方がより楽しめる」

----『ボラット』の話ばかりだ(笑)
確か基本プロットは『ナルニア国物語 第1章・ライオンと魔女』でしょ?
「そう、黄金のチケットを手に入れた4人が、
チョコレート工場長のウォン◎に捕まり、
逃げているうちに魔法の洋服ダンスへ。
そこから“Gナルニア”国へ行って魔女と戦うと言うお話だ。
そんな彼らの前に有名な映画のキャラクターそっくりさん(?)が
次々と現れる。
なかでも最も似ていたのはジャック・スワロウズ」

----ニャ、ニャンだ。それ?
他にはどんな映画が出てくるの?
「それはここに載せた画像で
自分で考えてみて。
それ以外ではサミュエル・L・ジャクソン(『スネーク・フライト』)、
オーランド・ブルーム(『ロード・オブ・ザ・リング』)、
さらにはストーム・トルーパー(『スター・ウォーズ』)なんてのもいる。
あっ、それと『XーMEN』は主要キャラ勢揃い」

----ボラットの左となりの人は?
それと右から3番目の人も分からないニャあ?
「ヒントは『ダ・ヴィンチ・コード』
もう一人は老けたハリポタ」

----それはニャいんじゃにゃい(笑)。

    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ニャに。フランスでは『Big Movie』というニャか!?」ぱっちり

※フランスの予告、吹き替えが笑える度
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『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』 

2007-05-16 23:08:28 | 新作映画
『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』 

(原題:Borat : Cultual Learning of Amerca for Make Benefit Glorious Nation of Kazakhstan)

----この映画ってアメリカで連続2週、
興行収入No.1のヒットを飛ばしたんだって?
「うん。しかも主人公ボラットを演じているサシャ・バロン・コーエンは
ゴールデン・グローブ賞のミュージカル・コメディ部門で主演男優賞を獲得。
アカデミー賞の脚色賞にもノミネートされたりしているんだ」

----えっ?だってこれドキュメンタリーなんでしょ?
“脚色”っておかしくない?
「あっ、言っちゃった。
これはね、一種のフェイク・ドキュメンタリー。
まずはその設定から話そうかな。
カザフスタン光栄テレビの看板レポーター、ボラット。
彼はカザフスタン情報省の命令で
偉大なるアメリカ文化を学ぶためまずはニューヨークへ。
たどたどしい英語と気持ち悪いくらいのフレンドリーな態度で突撃インタビューを敢行。
ユーモア指導の先生やフェミニストの女性たちに対しては
カザフの国民性、人種差別、反ユダヤ主義、女性蔑視をむき出しにして衝突。
ところがテレビで一目惚れした
パメラ・アンダーソンがカリフォルニアに住んでいることを知り、
同行のプロデューサーとともにアメリカ横断の旅に出るというもの」

----えっ、カザフスタンってそんなヒドい差別主義の国ニャの?
「そんなわけないだろう(笑)。
第一、このサシャ・バロン・コーエン自身からして
ユダヤ系のイギリス人。
カザフスタンの撮影も実はルーマニアで行なわれている。
でも、旧ソ連の一部だったこの国のことを詳しく知っている人は、
そんなに多くはいない。
そのため、行く先々でボラットが出会う人々は、
一様に彼をホンモノのカザフスタン人で
収録された映像もカザフでのみ放映されると信じてしまうものだから、
いわゆるホンネが次々と出てくる。。
そんな彼らを前に、いよいよもってやりたい放題のボラット。
結果、ガマンの限界に達した人々のさまざまな反応、
困惑、蔑み、怒りなどが見られるってワケだ」

----それはスリリングだね。
でもニャんだかテレビのバラエティにも似てなくない?
「そうだね。
かつてネプチューンがやってた
相手を爆発にまで追い込む緊迫の対談とか、
『電波少年』のアポなし突撃、
さらにはドッキリなどを思い出したな」

----でもさ、肖像権の問題もあるだろうし、
そんなの写しちゃっていいの?
「そう思うよね。
撮影スタッフは逮捕状の発行、州外への退去勧告、
さらには留置場入りとさまざまな危機に見舞われたようだ。
訴訟の数も半端じゃないみたい。
ただ、彼らは放映承諾書や損害保険証書を保持。
おそらく相手に見せたのは撮影直前だろうけどね」

----それじゃあ、観ていてもハラハラだニャ。
「そうなんだ。
なかでもヴァージニア州のロデオ会場のシーンは、
もう一触即発。
ボラットが最初ブッシュを讃え、
イラク戦争支持を高らかに宣言していた頃は
まだ拍手に包まれていたんだけど、
なんとアメリカ国家のメロディに乗せて
めちゃくちゃなカザフの国歌を歌ってしまったものだから大変なブーイングに。
映画には映ってないけど、
激怒したロデオの出場者たちが撮影隊のバンを取り囲み、
リンチを要求したらしいよ」

----それも、わからないでもないニャあ(汗)。
でも、この映画、いったい何を言おうとしてるの?
「結局はアメリカを揶揄して笑い飛ばしているんだね。
世界から見て、アメリカ少しおかしいんじゃないの?ってところを、
さまざまな形でコケにしている。
ときには一種のほめ殺しまでも…。
それと自分が差別主義者になり切ってみせることで、
相手のホンネを白日の下に引きずり出しているんだね。
自分の国では同性愛者狩りをして絞首刑にしていると言うボラットに、
自分たちもそうしようと思っていると答える
ロデオ大会の役員の言葉なんて、
普通の映画ではまず引き出せない」

----それってスゴすぎ!
「でも、本当はこんなこと何も知らないで観た方がこの映画を楽しめる。
ぼくも観終わるまでサシャ・バロン・コーエンはカザフスタン人と思っていたしね(笑)。
あっ、監督は『ボブ・ディランの頭のなか』のラリー・チャールズ。
あれもかなり変な作品だったけど、
これはそれを遥かに上回るね」



     (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「きわどいニャあ」ぱっちり


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『ラッキー・ユー』

2007-05-15 13:58:00 | 新作映画
(原題:Lucky You)

----これってエリック・バナとドリュー・バリモアの共演だよね。
ちょっと変わった顔合わせって気がするけど…。
「うん。そうだね。
まずドリュー・バリモアだけど、
最近の彼女にしては珍しい
ラブコメでもなければアクションでもない生粋のドラマ。
一方のエリック・バナも『トロイ』などのイメージが強いだけに、
べガスのギャンブラー、ハック・チーバーと言うこの役は
意表をついている」

----ふうん。ギャンブラーの物語と言ったら
ジョディ・フォスターとメル・ギブソン『マーヴェリック』が思い浮かぶけど…。
「いや『マーヴェリック』とは違って、
ドリュー演じるビリー・オファーの方はギャンブルとは無縁。
別にふたりの駆け引きがあるわけじゃない。
もっともハックが2003年のポーカー世界選手権に出るための資金欲しさに
ビリーを騙してしまうことから、
彼女に見切りを付けられるなんて言うエピソードはあるけどね」

----確かロバート・デュバルも出てくるんだよね?
「彼が演じるのはハックの父親。
母親を捨てたことでこの父子は決別している。
ライバル同士として激しく火花を散らすふたりの姿も見どころだ」

----でもさ、ポーカーを知らないと
映画が分かりにくいってことニャい?
「うん。最低限のルールは知っておいてから観た方が無難だろうね。
『007/カジノ・ロワイヤル』では少ししか出てこなかったポーカー・シーンが
ここではクライマックスの大半を占めるからね」

----そう言えば、エリック・バナって『007/カジノ・ロワイヤル』の
ニュー・ボンドのオファーを蹴ったんじゃなかったっけ?
それでよかったのかニャあ。
「どっちが正解かは、
難しいところだけど、
この作品も映画としてはよくできていたと思うよ。
オープニング・エピソードも息が詰まるし……。
そうそう。大切なことを忘れていた。
この手の映画には珍しくエンドクレジットの後に、
爆笑エピソードがくっついている。
エンドクレジットではボブ・ディランのテーマ曲(?)も流れるし、
最後まで見届けた方がいいだろうね」




     (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フォーンも一発あてるニャ」フォーン立つ


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『ファウンテン 永遠に続く愛』

2007-05-13 23:56:09 | 新作映画
(原題:The Fountain)

----これって『レクイエム・フォー・ドリーム』の
ダーレン・アロノフスキー監督作品だよね。
特異な作風で知られるだけに、
また何かやってくれそうだ。
「確かに。
この映画はどう解釈したらいいのやら…。
ひとことで言えば、
まったく異なる三つの時代に広がり展開する愛の物語。
一つは病に冒された妻イジー(レイチェル・ワイズ)の命を救いたいとの一心から
治療法の研究に没頭するトミー(ヒュー・ジャックマン)。
二つ目はその妻の描いている『ファウンテン』という物語。
そこでは騎士トマス(ヒュー・ジャックマン)が
女王イザベル(レイチェル・ワイズ)の命を受けて
永遠の命を約束すると信じられている
伝説の<ファウンテン>(生命の泉)を探す旅に出かける…。
と、ここまでだったら、まだ理解可能なんだけど、
そこにマヤの人々が“シバルバ”(黄泉の国)と呼ぶ星へと向かう
(おそらく未来の)巨大なカプセルの物語が出てくるものだから、
話が混沌としてくる」

----ふうん。そのカプセルには何が入っているの??
「イジーの化身と思われる<生命の木>」
----<生命の木>ってニャによ?
「ほら、諸星大二郎原作の『奇談』にも出てきたこと、
フォーンは覚えてないかな?
アダムとイブがその実を食べてしまった<知識の木>と対をなすと言う…」

----そうか、その<生命の木>は
<ファウンテン>(生命の泉)にあるわけだ。
「騎士トマスは、その樹皮をかじるし、
トミーも中南米の植物から採取した物質で
不老不死に近づく薬を完成させる。
つまり、この三つの時代の彼らは
同じ<生命の木>で結ばれていると考えられる」

----と言うことは、このカプセルの中にいる
剃髪した男の人もトマス、
もしくはトミーの可能性があると言うこと?
「うん。同じくヒュー・ジャックマンが演じているからね。
この映画では、
運命を受け入れ、
残された時間を少しでも長く夫と共に過ごそうとした妻と、
妻を死から救うことに没頭するあまり、
その気持ちに気づかない夫。
二人の心の乖離が軸となっている。
ただ、それを描くのに
なぜ、ここまで複雑な構成にしたのかがよく分からない。
<ファウンテン>(生命の泉)と<生命の木>、
このビジュアルはさすがに目を見張るけどね…」


     (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「エレン・バースティンも出ているニャ」ぱっちり


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『インランド・エンパイア』

2007-05-12 23:11:29 | 新作映画
(原題:INLAND EMPIRE)

「うう~む。この映画は何から喋ったらいいのやら。
デイヴィッド・リンチ、もうやりたい放題。
あんたには負けました。
好きにしてちょ~だいって感じ」

----結局、えいの手には負えなかったってわけだ(笑)。
「そう見られても仕方ないね。
この映画、なんと3時間もあって、
しかもその大半は
ローラ・ダーン扮する主人公が夢の回廊をグルグル。
----と、言っては見たものの
彼女がさまよっているのが現実か夢の中か、
それともまったく違う世界なのか、
これは観る人の解釈次第」

----へぇ~っ。
オモシロそうじゃニャい。
ストーリーはどうなっているの?
「ストーリーね。
これだって一応あることにはあるんだけど、
果たしてそれが正しいと言えるのかどうか?-----
主人公はハリウッド女優ニッキー・グレース(ローラ・ダーン)。
ある日、彼女の元に不吉な訪問者が現れ、不気味な予言を言い渡す。
数日後、彼女はデヴォン・パークと言う俳優共演の
映画『暗い明日の空の上で』のヒロインに抜擢される。
ところが、この映画はポーランド映画『47』のリメイクで、
主演の二人が撮影中に殺されたので未完になったと言う
いわくつきの企画。
ニッキーとデヴォンは映画のストーリーとリンクするように、
プライヴェートでも不倫をする……。
と、まあここまでだったらけっこうありがちな話なんだけど、
ニッキーはやがて過去の自分や映画の登場人物と出会い、
ポーランドにまでワープする。
さらに、それに加えてこの映画には
不思議なウサギ人間のエピソード、
そして、それらの一部始終をテレビで涙を流しながら観ている
ロスト・ガールの話もある」

----空間は捩れ、時間は歪む!というわけだね。
「そう、それだけならまだいいんだけど、
リンチの場合、その映像が徐々に色を失っていく。
映画を観ながらにして夢の世界を漂っているような……。
これは他の監督には決してマネできないね。
ぼくは、ここに出てくる謎のロスト・ガールを
未完成映画『47』の主演女優と捉え、
彼女がリメイクされた『暗い明日の空の上で』と、
その舞台裏を観ていると、
勝手な解釈をしてしまったんだけど、
これもおそらく違うだろうね」

----そんな難解な映画、
出演者たちはどう思ったんだろう?
「ローラ・ダーンは
『一体自分が何を演じているのか
まったくわからなかった』だって」

----あらあら(笑)。
「でもそれは仕方ないよね。
デイヴィッド・リンチ自身
『一体どの方向にストーリーが向かっていくのか、
わからないままシーンを撮っていった』というんだから(汗)」

----それじゃあ、
観客サイドも自由な解釈をすることが許されるよね。
「うん。そのリンチは言う。
『どんな映画も未知の領域に誘ってくれるものだ。
だが観る者は、想像力を駆使することを恐れてはいけない。
とにかく感じ続けること。
内にある知識を信じることだ。
(中略)
シネマは言葉を超えたものだ。
シネマと音楽は似ていて、
美しく知的な旅のできる素晴らしいものだ。
言葉なしに語りかける。
だから、違う世界を開き、ぜひ体験してほしい』と」

----う~ん。いい言葉だニャあ。
リンチが、そんなマジメなこと言うとは
<夢>にも思わなかったよ(笑)。

  (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「映画の中で迷子になりそうニャ」悲しい

※まるで妄想のリンチにあったみたいだ度
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『リーピング』

2007-05-11 00:12:02 | 新作映画
(原題:THE REAPING)

----う~っ。気持ち悪い絵だニャ。
川が真っ赤だ。
「うん。これは例のゼメキス&ジョエル・シルバーによる
ホラー・レーベル“ダーク・キャッスル”作品。
このシリーズは普通B級が相場なのに、
なぜかオスカー女優ヒラリー・スワンクが主演。
それに“イナゴ少女”として『チャーリーとチョコレート工場』の美少女子役
アナソフィア・ロブが出演している」

----ぷっ。ニャんなの、その“イナゴ少女”って?
「う~ん。
ある村を怪奇現象が襲うんだけどね。
それが血の川、謎の伝染病、蛙の雨、
ブヨとウジのディナー、人間に襲いかかる家畜、
子供全員シラミ、そしてイナゴの大群…。
このイナゴの大群を操るのが、その問題の少女ってわけ」

----ちょっと待って、それってふざけすぎていない?
「いや、これは全部チラシに書いてあったんだけど……(汗)」
----手抜きすぎ!
「でも、
このチラシが、なかなかぶっ飛んでいて、
ある意味、映画以上のインパクト!
裏面なんて、イナゴの大群の中に大蛇に巻き付かれた少女が
リアルな劇画タッチで描いてある。
キャッチコピーが『イナゴ少女、現る』(笑)。
そして『虫とか出しちゃうよ』(爆)。
もう、これは急遽公開が決まったということで、
裏から勝負に出た宣伝方法だね」

----確かに変だ(笑)。
それはともかくとして、
この少女が諸悪の根源ってわけ?
「そう。でもハリウッド映画で子供を殺すのはタブー。
さて、この<難問>をどう切り抜けるか?
それがこの映画最大のポイントだね。
話をチラシに戻すと
吹き出しで小さく
『「私の娘を殺して」とせがむ母親。』
『果たして12歳の少女を殺すことができるのか?』-----」

----あらら。ところでヒラリー・スワンクの役は?
「かつては聖職者としてスーダンで布教活動をしていた大学教授の役。
そのとき、夫と娘を失ったことから、
いまは無神論者として、
どんな奇跡も超常現象も起こりえないと、
その科学的証明に専念している。
でも、ここで初めて彼女は
自分の“負け”を認めなくてはならなくなる」

----ふうん。科学性が否定されるとなると、
いよいよもってオカルト・チックに見えてくるニャ。
背後には悪魔がいそうだ。
「そうだね。
ハリウッド映画のホラーはやはりオカルトに尽きる。
この映画を観て、ぼくは『エクソシスト2』を思い出したね。
あれもラストはイナゴの大群と少女。
そして彼女を救おうとする神父の愛の物語が
底に流れていた」

----ほんとだ。少し似てる。
ところでタイトル『リーピング』の意味は?
「1.刈り取り。
2.(善悪の)報いを受けること。
3.世界の終末における最後の審判」

----結局、全部チラシだ(笑)。

     (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「えぐいのは苦手ニャ」もう寝る


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『街のあかり』

2007-05-10 00:56:49 | 新作映画
(原題:Laitakaupungin valot)


「……」
----おや、どうしたニャりか?
「う~っ。
ヘビーだった。
よく、ここまでキツい映画作れるな、
このアキ・カウリスマキって人は……」

----でも彼って人気あるよね。
この映画ってチャップリンのタイトルに似ていない?
「うん『街の灯』だね。
あのクラシックな名作と同じく、
主人公コイスティネンはヘルシンキの街をさすらうんだ。
彼は夜警を職業としていて
周囲との付き合いはほとんどない。
でも人生をあきらめているわけではなく
いつか自分の会社を持とうと考え、
株式界者設立の講習会にまで通っている。
ところがそんな彼に、魔の手が忍び寄る」

----魔の手って?
「それはミルヤと言う女性。
監督いわく
『イヴの総て』でアン・バクスターが演じたイヴ以来のファム・ファタール。
実は彼女は、あるマフィアの男の情婦。
彼の命令を受けたミルヤはコイスティネンを誘惑し、
ショッピングセンターの宝石を強奪。
しかも彼に罪をなすり付けてしまうんだね」

----あらららら。コイスティネンはそれに気づかないの?
「うん。ボスの言葉を引用すれば、
彼は『犬のように従順で、ロマンティックで馬鹿』。
いわゆる時代遅れなんだけど、
自分に誠実で、決して裏切った彼女の名を口にしない。
そこがまた一味に利用されて
底なし沼の不幸に引きずり込まれていくわけだ」

----それは観ていてつらそうだニャ。
救いがなさそう。
「いや、チャップリンの『街の灯』を引き合いに出しているくらいだから、
最後、主人公は救われるけだけど、
それは決して劇的に訪れるものではない。
静かに、でもほんわかとあったかいもの。
でもこの映画のような徹底した<孤独>にはその方がいい。
心の交感を示すそのラストショットは
外からの強烈な光よりも
主人公をそして観る者を体の芯から暖めてくれる」

----そう言えば、これ<敗者三部作>と言うんだって?
スゴいネーミングだね。
「どうもフィンランドも格差社会のようだね。
住む場所を失った人たちの共同宿泊所などが出てくる一方で、
贅沢を極めたようなレストランの食事も出てくる。
賭けトランプを楽しむマフィアのボスの部屋には、
高そうなアルコールの瓶がずらり。
そこで情婦とはいえ、ミルヤは電気掃除機をかけている。
このシーンも切なかったな。
あっ、そうそう。
映画のシーン転換はフェイドアウトで統一していたな」

----フェイドアウトと言えば<暗転>。
主人公の人生も<暗転>が連綿と続いてるってわけか。
ニャるほどね。

     (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「犬がポイントニャんだって!?」もう寝る


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