ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『あやしい彼女』

2016-03-17 17:46:56 | 新作映画

多部未華子が熱唱!映画『あやしい彼女』特別映像


----えっ?ニャにニャに。
どうしてこの映画に、
あのアニメの大傑作『クレヨンしんちゃん・嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』が重なるの?
「確かに分かりにくいよね。
この映画『あやしい彼女』は、
日本でもヒットして話題になった韓国映画『怪しい彼女』のリメイク。
73歳の今なお意気軒昂な毒舌おばあちゃん瀬山カツ(倍賞美津子)が、
ある日、町の不思議な写真館で写真を撮ってもらったところ、
突然20歳に若返るという、そういうお話なんだ」

----へぇ~っ。
それっていかにも韓国映画っぽい。
その20歳を多部未華子がやるってわけだね。
あの国の映画って
バイオレンス・アクションも多いけど、
ロマンチックなファンタジーもまた多いし…。
これは、やはり若返ってロマンスが生まれるの?
「うん。それなりにね。
しかし眼目はそこにはないんだ。
カツは大島節子と名を変え、孫・翼(北村匠海)のバンドに
なんとヴォーカルとして入っちゃうんだ」

----ええっ⁉
いきなり飛んだニャあ。
その大島節子だっけ?
いくら気持ちは若くても、
さすがに現代の音楽には
ついていけないんじゃニャいの。
なんたってアイドルならぬ、なんたって73歳!(笑)
「もちろん。
でも、そこが上手く作ってあって、
彼女は、みどり(金井克子)という女性へのライバル心から
町内で行われているのど自慢に参加。
そこで『見上げてごらん夜の星を』を朗々と歌い上げ、周りを魅了。
それがたまたま近くを取り掛かった音楽プロデューサー(要潤)の耳に入る…
と、こういうわけなんだ。
さらに、その孫・翼のバンドの前で『真っ赤な太陽』を歌い、
ついにはテレビで『悲しくてやりきれない』を涙を流しながら
感情たっぷりに歌う」

----流れは分かったけど、
なぜ、涙まで流すの?
「そこがこの映画のポイント。
彼女は女手一つで娘・幸恵(小林聡美)を育てあげてきた。
そのことで、何かと恩着せがましい物言いをするため、
当の娘からは敬遠されていたんだ。
でも、カツ(節子)にとってはそのことこそが
自分が生きてきた意味でもある。
娘が生まれてからの彼女の回想が自分が歌う歌とともに甦る…
こういうわけだ」

----ニャるほど。
確かにそれは『ヒロシの回想』だ。
でも、そんな年齢の女性を演じるなんて
多部未華子には荷が重かったのでは?
倍賞美津子を見ながら研究したみたいだね。
正直言って、
声は若いのに歳のいったおばあちゃんの口調、
これには無理があった気もしたけど、
なにせ、その歌声が素晴らしい。
思わず聴きほれてしまう」

----そういえば昔から多部未華子好きだったものね。
「うん。
なんと言っても『HINOKIO』。
彼女の名が知れ渡る前にあの映画を観れたことは
ほんとうに幸運だったお思う。
(※ネタバレ注)男の子と思いこんで観ていたら
なんと女の子だったという、あの衝撃。
彼女が後に中学生になったときのロングヘアの制服姿も美しかった。
後の『青空のゆくえ』『夜のピクニック』といった青春学園モノも
その時代の彼女を刻印していた。
最近では『ピース オブ ケイク』
ちょっとここでは書きにくいようなラブシーンや
きわどいセリフまでこなしていた。
その前の『深夜食堂』も難役だったし…」

----ニャんか多部未華子の話ばかりしているけど、
監督は誰よ?
「これが観終わるまで気づかなかったんだけど、水田伸生
スラップスティックコメディのノリの銭湯のシーンとか、
なんか、これに近いのあったぞと、
偶然、『なくもんか』を思い出していたんだけど、
これで納得。
全編に、『ローマの休日』の引用が散りばめられているなど、
映画ファンの心をくすぐる遊びも満載。
久々に楽しい映画を観たって感じだったね」


おまけ*『オトナ帝国の逆襲 』ひろし回想シーン


「大島節子の名前にも意味があるらしいのニャ」身を乗り出す

オードリー・ヘプバーン+原節子だ度

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『リップヴァンウィンクルの花嫁』

2016-03-12 15:01:25 | 新作映画

----へぇ~っ。
『リップヴァンウィンクルの花嫁』
これって岩井俊二監督が
久しぶりに日本で撮ったゲキ映画ということで話題になっている作品だよね。
「9.11以降の日本が凝縮されている」とかで、
監督自身も精力的なプロモーションを行なっているよね。
主演が黒木華だっけ?
ちょっと蒼井優に似ている気がしないでもないけど…。
「そうだね。
そのタイトルやキービジュアルから受ける印象で、
これは『花とアリス』の路線かなと思って観に行ったら、
どうしてどうして、
これは黒木華演じるヒロイン、七海の地獄めぐり

----“地獄めぐり”?
それはまた穏やかじゃないニャあ。
ということは、
ヒロインにいろんな試練が襲いかかるんだニャ。
「そう。
次から次へと休む間もなくね。
なにせランニングタイムが3時間もあるからね。
でも、まったく飽きることない。
こちらもTwitterから。

『リップヴァンウィンクルの花嫁』。
ありふれた言葉だけど、長さはまったく気にならない。
気がつくと、3時間が過ぎていた。
『ロード・オブ・ザ・リング』のように、
映画を観たという充足感と引き換えの、ドッと疲れるというようなこともないし…。
『ハッピーアワー』に比べれば短い短い

----ニャるほどね。
じゃあ、そのさわりだけでも教えてよ。
「物語は、
派遣教員の七海(黒木華)がSNSでひとりの男と知り合うところから始まる。
ふたりの交際は順調に進み結婚へと話は進む。
ところが七海はある大きな悩みを抱えていた。
彼女の両親はすでに離婚。おまけに親族も少ない。
そんな七海に、助け舟を出してきたのが安室(綾野剛)。
SNSでその呟きを見た彼は代理出席という手段があると持ちかけるが…」

----ニャによ。その代理出席というのは?
「うん。
ちょっと分かりにくいよね。
実は彼はネットを利用して『なんでも屋』をやっているんだ」

----「なんでも屋」?
「まほろ駅前」シリーズのふたりみたいなもの?
あれ、儲かりそうにないよニャ。
「いやいや。
これがまったく正反対。
その代理出席で知り合った人たちの間をうまく泳ぎ、
次から次へと新しい仕事を紹介。
服装も今っぽいし、
悠々と高級自動車なんかを乗り回している。
ところが、ぼくらでさえも
そんな商売のこと初めて知るくらいだし、
ましてや苦境に陥っている七海に
冷静に彼のことを見れるはずもない。
次々と彼女を襲う“不幸なできごと”に対して、
タイミングよく現れては助け舟を出す安室に
七海は次第に心を預けてゆくが…。
と、ここまでにしえおこうかな」

----あれっ。Coccoは?
「うん。
その代理出席のグループの中のひとり。
後半は、彼女との関係が中心となってくる」

----そういえば、
りりィも出ていたんだよね。
「うん。
小林政広監督が、彼女の歌を引用して
『私は泣いています』とTwitterで激賞したほどの圧巻の演技。
これについてぼくもやはりTwitterで

『リップヴァンウィンクルの花嫁』。
これはまさに「現代」の映画だ。綾野剛の役どころなど少し前では考えられない。
しかし、最後に場をさらうのは、りりィ。
その覚悟を決めた気魄の演技には思わず目頭が熱くなる。
ハスキーヴォイスを出すために酒で喉を潰したという歌姫時代の武勇伝を思い出した。


と呟いた。
まあ、このことも含めてこの映画は、
観るまでは伏せておいたほうがいいことばかり。
ある意味、書きにくい映画だね。
ただ言えるのは、役者たちがみんな素晴らしいということ
これもTwitterからになるけど。

『リップヴァンウィンクルの花嫁』。
一夜明けて考えるに、あの綾野剛は現代のメフィストフェレスみたいなものかなと…。
そして黒木華。これは今の時点における彼女の集大成と言ってもいいのでは…。
恐るべき俳優です

---ニャるほど。
岩井俊二映画といえば、
その美しい映像も高い人気を誇る理由のひとつだけど、
今回、そっちはどうにゃの?
「これは
美しいというより、安定の映像だね。
オープニング。
行きかう人々の向こうに見え隠れする黒木華
携帯で会話する彼女が待ち合わせ相手に自分を知らせるべく
片手をゆっくりあげてサインする。
そのシーンだけでグッと引き込まれたもの。
人混みの中なのにまったく構図が乱れない。
物語の進展によって
キャメラがフィックスから手持ち中心へと変わっていっても、
その安定感だけは変わらない」

---ニャるほど、
それも3時間、飽きさせない理由の一つだニャ。

<追補>
現代のメフィストフェレスで思いだした。
オダギリジョーの映画出演第2作目にあたる『プラトニック・セックス』。
飯島愛の自伝に基づくこの映画で阿部寛が演じた男がやはり得体が知れず、
社会の深い闇を感じさせた。
『リップヴァンウィンクルの花嫁』の綾野剛はその系譜なのかなとも…。
(Twitterより)


フォーンの一言「Twitterといえば『シェル・コレクター』との共通点も呟いていたよニャ」身を乗り出す

※どちらもイモガイの毒が出てくる度
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