ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

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『死霊館 エンフィールド事件』

2016-06-29 14:27:35 | 新作映画
(原題:The Conjuring 2)


『死霊館2』。
ホラーに限らずハリウッドのジャンルムービーのベースには家族の絆と夫婦愛がある。
舞台をロンドンに移した本編はその二つが悪魔と対決。
『エクソシスト』ばりのショック映像の連打なれども、
その「想い」の強さが観客にも伝わり恐怖は和らぐ。
パワフルすぎる演出と共にこれは誤算か?
(6月17日のTweetより)

----えっ? 『死霊館』 に続編ができたの?
最近はあまり、映画のお話してくれなくなったのに、
これを選ぶなんて、ほんと好きだニャあ。
「そうだね。
他にもホラーはいろんな作品が公開が待機しているけど、
なぜかこれは見逃せないなって…。
でも、ほんと観てよかった、
そう思うよ」

---怖い映画は苦手なはずのなのに
ちょっと不思議。
「うん。
決め手となったのは監督がジェイムズ・ワンということかな。
前作『ワイルド・スピード SKY MISSION』
これがまたとてつもなく面白く、
ああ、この監督はホラーだけじゃないんだなと…。
タイトルがタイトルだけにB級映画と思われがちだけど、
この『死霊館 エンフィールド事件』
なかなかの風格を兼ね備えた映画」

----確か、これって<実話>が基になっているんだよね?
「そう。
1977年に、ロンドン北部で起きた心霊現象がね。
そしてそれは報道機関が撮影した写真と映像によって
世界中に広まった…と、こういうことらしい。
この映画、何が珍しいかって、
普通、こういった超常現象は
人里離れた民家で起こることが多いのに、
これは何の変哲もない住宅街の中の一軒で発生。
ということで町の人々は、みなそれを目撃」

----うわあ。それは心強い。
いや待てよ。
周りから嫌がられるのでは…。
「さすがフォーン。
この映画はそのどちらもきちんと描き分けている。
救われるのは向かいの家の住人が
彼ら“狙われた家族”を自分の家に迎え入れ、
そして宿泊までさせていること」

----狙われた家族って?
「シングルマザー、ホギー(フランシス・オコナー)と
4人の子供たち。
その中の末娘、次女のジャネット(マディソン・ウルフ)が、
いわゆる悪魔憑き状態になるんだ。
しかも椅子やタンスが部屋を動き回り家族を攻撃。
そして、その話は前作『死霊館』 の主人公でもある
エド(パトリック・ウィルソン)とロレイン(ベラ・ファーミガ)のウォーレン夫妻の耳に届く。
しかし、ロレインはこの事件の<解決>に現地に向かうことは及び腰」

----どうして?
「それはね。
この映画の冒頭にも出てくるアミティビル事件の交霊会、
そこで有名になった夫妻に対する世間の冷たい目がある。
彼らは、いわゆる詐欺師呼ばわりされていたんだね。
そんなこんなでふたりは心身ともに疲弊している。
そんな中、ロレインは夫エドが死ぬという悪夢を見る。
これを予知夢と思ったロレインは
もう第一線を退こう、そう思っていたわけだ。
しかし<解決>ではなく<調査>だけ…というエドに押し切られてふたりはロンドンへ。
そしてそこで彼らが遭遇したのは…?
と、これは実はプロローグなんだけどね。
話を端折ってしまうけど、
この映画のクライマックスは、ロレインが見た悪夢と同じ光景が起こる。
そのまま館に足を踏み込むと夫の命が危ない。
妻としては彼を死なせるわけにはいかない。
でも、エドは目の前で苦しんでいる少女を見捨てることができない。
ただでさえ恐怖が渦巻く館に
身の危険を顧みずに踏み込んでいくエド。
それを必死で止めようとする妻。
これはアメリカン・ヒーローの物語であり
夫婦愛の物語。
ハリウッド映画らしい大感動作。
列車のシーンもあり
ぼくは『エクソシスト2』を思いだしたね」


「時代背景もよく考えられているらしいのニャ」身を乗り出す

※プレスリーをギターで奏でるパトリック・ウィルソンに涙だ度

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『セトウツミ』

2016-06-15 14:33:59 | 新作映画


喋っているだけの映画なのに、なぜこんなにも胸に刺さるのだろう。
『セトウツミ』。池松壮亮、菅田将暉。他に代替のきかない見事なキャスティングが、
帰りこぬあの頃を暖色の中に甦らせる。
しかも猫のエピソード…。
これはズルい。つい泣かされてしまったじゃないか。
(6月14日のTweetより)

----ニャに。
珍しく観てすぐ(と言っても翌日だけど)のお喋り。
よっぽど気に入ったのかニャ。
「最近の反省として、
ブログを長く放置し、結局そのままに。
たまに喋っても。
観た直後の感動を再現できていなかったからね」

---それはそうだけど、
確かこの映画の予告編を観たときは、
『こんな映画、オモシロくなるはずがない』とまで
言っていたような…。
「いやあ、浅はかだったね。
これはほんとうに
胸に刺さる映画。
なにがそんなにいいんだろうと思ったら、
Twitterでも呟いたように、
池松壮亮、菅田将暉
この若手実力派ふたりが演じていることにある。
なにせ、ほぼ会話だけで話が進むのだから、
これは相当な演技力が要求される。
言葉のアクセント、会話の間はもちろんのこと、
微妙な、それこそ
細かい目線、口角の上げ下げによって作られる表情が
重要なファクターとなってくる。
それを観客に見せきるには
客席から遠いお芝居では無理。
アップという表現手段を持つ映画でなくてはね。
そういう意味でも、全8話からなるオムニバスの第一話に
“神妙な面持ち”を持ってきたのは正解だったと思う。
ここでまず池松壮亮の演技の幅を堪能できる」

----ニャるほど。
監督はだれだっけ?
大森立嗣
『まほろ駅前多田便利軒』がそうだったように、
彼は異なるふたつの個性をぶつけ合わせるのがほんとうにうまい」

----でもあれは、
ある程度の年齢に達した男たちの話だったよね。
これは高校生の話「うん。
逆に言えば『まほろ駅前・ビギニング』ともいえるかも。
この映画は、舞台となるのは放課後。
その中には、花火など“夜”のシーンもあるけど、
ほとんどは“夕景”。
オレンジががった暖色で画を染め上げるんだ
だからそこにおのずと
“いつかこんなことあったな”という郷愁がにじんでくる。
それが、いまは大人になった大森立嗣監督の視座なんだろうな。
音楽も、普通、この手の映画には用いられないようなタンゴ。
また、彼らの会話を常に自動車が通っているのもリアル。
で、それがほとんど軽自動車であるところが
この地域の特性を際立たせている。
なんて、こんな細かいことを喋られるのも
観た直後だから」

----ニャるほど。
ところで“猫さん”が出てくるというのは?
「ああっ、
それは言えない…」


「猫さんが出てくるだけで点数が高くなっているのニャ」身を乗り出す

※この時間にいつまでも浸っていたい度

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『日本で一番悪い奴ら』(一部『ヒメアノ~ル』)

2016-06-10 18:59:02 | 新作映画

『日本で一番悪い奴ら』。これまた最高!
ある意味『64-ロクヨン-』とは対照的、東映ならではの作品。
綾野剛という稀代の俳優に、オールスターではなく、
スクリーンだからこそ輝きを放つ異形の役者をぶつける。
製作陣が目指したという『ウルフ・オブ・ストリート』も納得の、これは悪漢コメディ。

(5月13日のTweetより)

----続くニャ。
最近の日本映画ってバイオレンスばっかり。
「確かに。
でもどの作品も、
それぞれの監督の個性を出しながら
映画にぶつかっていくから
“あれもいいけど、これはこれでオモシロい”、
そんな感じになるんだ」

---そういえば『ヒメアノ~ル』について
話してなかったよね。
確か、あの映画も「『ディストラクション・ベイビーズ』とは対極だ」とか言ってなかった?
「うん。
参考までに、『ヒメアノ~ル』を見た直後のtweetを。

『ヒメアノール』。
日本映画界はなぜ今までこんな逸材を放っておいたんだ?
森田剛。バイオレンスものに出た時のビートたけしと肩を並べる異常犯罪者ぶり。
一方、こちらは安定の(?)危うさ、佐津川愛美。声かけをためらわせる愛らしさが、
一皮剥けば経験豊富、生っぽい普通の子に。これはたまらない。

(4月26日のTweetより)

一言で言えば、その“動機”も含めて主人公の“内面”に切り込むことなく、
彼が引き起こす“理由なき暴力”をスクリーンに映し出し、
それによって観客を挑発しているのが『ディストラクション・ベイビーズ』。

対して、『ヒメアノ~ル』は、
主人公の心の闇と正対する。
その闇が生まれた背景、
それを個人の資質のみでなく背景の社会が抱える問題にまで広げてゆく。

そういう意味では、こちらはオーソドックスなつくり。
もちろん、巷間でよく言われているように、
前半の青春ラブコメ的ルックが、
後半には心も凍りつくようなホラーへと旋回するという
その構成は、真ん中にタイトルを出すギミックも含めて
ユニークではあるけどね。
でもたとえば、あの韓国映画の名作『息もできない』を引き合いに出すんだったら、
心に重くのしかかるエンディングも含めて
『ディストラクション・ベイビーズ』よりも
それはむしろ『ヒメアノ~ル』の方だと思う」

----あらあら、
いつの間にか『ヒメアノ~ル』の話になっている。
今日の本題は『日本で一番悪い奴ら』でしょ?
「ごめんごめん。
まあ、これはTwitterで呟いたことに凝縮されるんだけどね。
『64-ロクヨン-』は東宝でなくてはできない
潤沢な製作費によるオールスタームービー。
しかし東映にそれを望むのは難しい(ごめんなさい)。
でも、それならそれで他のつくり方があるのではないか?
そこから生まれたのがこの映画(なんて勝手に決めつけています)。
カメレオン俳優・綾野剛を軸に置き、
その周囲を、ユニークな個性を発揮する俳優たちで固める。
そこから生まれるケミカル。
それこそがこの映画最大の魅力。
彼ら脇役の風貌は東宝の格調高い世界とは相いれない。
ヤクザ映画やVシネの伝統を持つ東映だからこそ作り出すことのできた世界。
言葉も汚くやることなすこと欲望にまみれ下品。
しかし、それはあるエネルギーの塊となって映画を熱くさせる
もちろんそこには
上から下まで「富める者こそが善」という
金満日本への痛烈な風刺と批判もある。
でも、ぼくはそれ以前に、
彼らが金の匂いを求めて
蠢き回るその姿がとてつもなく面白かったね」

----ニャるほど。
テーマ主義ではない
えいの好みそうな観方だニャ。

綾野剛のベストの声も高いのニャ」身を乗り出す

白石和彌監督、ぼくは前作『凶悪』よりこっちを買う度

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