ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

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『ディア・ウェンディ』

2005-09-29 22:25:11 | 新作映画
※結末に触れる部分もあります。ご覧になってから読まれることをおススメします。

「ふうむ、こういうのを才能と言うんだろうな?」
----おっ、いきなりだニャ。これって女性への愛を謳った映画?
ウェンディって女性の名前だよね。
「いやそうではなくて、これは主人公のディックが<銃>に付けた愛称なんだ。
小さな炭坑町。炭坑で働けない人間は男じゃないと言われるこの町で、
繊細な神経と頑強とは言えない身体を持つディックは、
自分を<負け犬>と思いながら暮らしていた。
そんな彼がひょんなことから、このウェンディに出会う。
最初はオモチャだと思っていたその銃がホンモノだと知り、
試し撃ちをした時から、彼の中に自信が満ち、世界が違って見えてくる。
ディックは<銃による平和主義>を掲げ、
かつての自分と同じような<負け犬>たちとともに、
廃坑で<ダンディーズ>と言う5人グループを結成する。ところが…」

----あっ、これは読めちゃうね。
銃を持ったからには<映画>としてそれを使わないわけはない。
絶対に、銃による事件が起こるに決まっている。
「そうなんだよね。脚本がラース・フォン・トリアーと言うこともあり、
その先に主人公の望みとは逆に逆にと物語が転がっていくのは自明の理だ。
しかもそれが大きな悲劇を生むこともね」

----あっ、いま気づいた。それってアメリカ銃社会への告発にもなっている。
『ボウリング・フォー・コロンバイン』のドラマ版ってことか…。
となると、その悲劇の中身もおおよそ想像がつくニャあ。
「おそらく当たっていると思うよ。
しかもサム・ペキンパーやアーサー・ペンを思い起こさせる大銃撃戦。
この前、「マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾」を紹介したけど、
これはあんなおとぎ話の世界と違う。
生命が断たれて骸(モノ)として横たわる姿は死の本質をついて実に衝撃的だ」

-----先ほど言っていた<才能>というのは、そのこと?
「それもあるけど、何より優れているのは
無機質であるはずの銃ウェンディに命を通わせたことだろうね。
<ダンディーズ>に翳りが見えるのは、
メンバーの中に殺人を犯した過去を持つセバスチャンが加わったことから。
彼がウェンディーを手にして『キュートな女だ』と口にしたことで、
ディックの中にめらめらと嫉妬の炎が芽生える。
実際、このときのウェンディは手の中で嬉しそうに見える」

-----へぇ~っ、そんなことってあるんだ。
「さらには、その銃撃戦も秀逸。
敵味方が、ただ激しく撃ちあうというのではなく、
刻一刻と事態が移りゆくその間に、
勇気から恐怖まで、さまざまな感情がディックの表情に浮かぶ。
主演は『リトル・ダンサー』のジェイミー・ベルだけど、まあ成長したもんだ。
ついでに言えば紅一点のスーザンに「エイプリルの七面鳥」
ケイティ・ホームズ演じるヒロインの妹ベスに扮したアリソン・ヒル。
胸まで披露する大胆演技が息を呑む」

----と言うことは、彼らの間にロマンスが生まれるんだね。
「いや。各自<銃>に恋しているんだからそれはない。
彼らダンディーズのメンバーは、それぞれの愛銃を手に決闘に臨むんだけど、
その最期は、いずれもそれまでに紹介されたキャラクターのエピソードとリンク。
その時の彼らのコスチュームもユニオンソルジャーのコートや
革命戦争時のシルクハットと言った寓話的なもの。
ところどころマンガチックな表現も入れたりで、そのブラックなユーモアがまた嬉しい」

----久々に褒めちぎってるニャあ。
「あと目を引くのはその撮影。
テレンス・マリックの『天国の日々』は日没後20分だったかな、
まだ撮影可能なそのマジックアワーだけで撮ったことで知られるけど、
はて、この映画はどうしたんだろう?
屋内、そして夜のシーン以外は日没前30分とでも言う感じで常に濃い夕陽の色だ。
それがゾンビーズの音楽と重なりあう時、
背筋がゾクゾクする新感覚のウエスタンが現出する。
いやあトマス・ヴィンターベア、恐るべし監督だ」

      (byえいwithフォーン)

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『銀色の髪のアギト』

2005-09-28 22:29:17 | 新作映画
----これってアニメでしょ?原作のコミックとかあるの?
「いやいや、これが久しぶりのオリジナルものなんだ。
ただ、ストーリーラインはどこかで聞いたことのあるようなものなんだけどね」

----どういうお話なの?
「舞台は300年後の地球。
そこでは人間の遺伝子操作の失敗によって
“森”が意思を持って人を襲うようになっていた。
人類は、森と共生しようとする人々と、
森と敵対する人々とに分かれて生き延びていた。
そんなある日、森との共生を模索する中立都市に住む少年アギトは
禁断の泉で不思議な光を放つ機械を発見。
その中からは、300年もの間眠りについていた美しい少女トゥーラが現れる。
ビルが崩壊し、水道も電気もない社会に困惑する彼女の前に、
同じく過去から来たという男シュナックが出現。
この荒廃した社会を元に戻すべく、彼女を連れ去る……こういうところかな」

----あれっ、森と敵対、自然との共生……。
これって『風の谷のナウシカ』と同じじゃニャい。
「うん。そうなんだよね。
すぐ分かってしまうのに、なぜ、同じテーマを取り上げたんだろう?
原案の飯田馬之介という人は
『風の谷のナウシカ』で動画を担当しているようだけど、それにしてもね。
映画自体もあまりにマンガチック」

----マンガチックって?アニメだからマンガチックなのは当たり前じゃニャいの?
「設定がSFだから、それでいいと言ってしまえばそれまでなんだけど、
それでもあまりにも“ありえねぇ~”ところから、映画は始まってしまう。
怒り狂った植物が月からぐんぐん伸びて地球を襲い、焼き払う。
あげくの果ては、月が割れてしまう。
ここで『うわあスゴい!』と言えるか、
『あれっ、宇宙空間の無酸素、大気圏突入時の高温は?』になるかで
この映画にノレるか否かが決まるだろうね」

----えいは、どうだったの?
「ここはまだいいんだけど、
地下の大激流の中、
アギトがトゥーラと共に地上へ脱出する過程で『あれっ?』と思ったな。
アギトは後に、森と契約して禁断の力を手に入れる。
でも、最初から“超人”的な活躍をするんじゃ、
この“禁断の力”というのが生きてこない。
クドいようだけど、あるルールの下だったら、
どんな“ありえねぇ~”設定でもいいと思うんだ。
それがSFやファンタジーの特権でもあるし。
でも、この時点ではまだ普通の男の子のはずだからね」

----分かった分かった。もう、その話はいいから
なにか他のポイントを話してよ。声優とかはどうなの?
「あっ、これは驚いたね。
アギト役が『亡国のイージス』の勝地涼。トゥーラが宮崎あおい。
しかも大杉漣や古手川祐子と、いわゆる俳優で固めている。
まるでハリウッドのアニメみたい。
特筆すべきはシュナック役の遠藤憲一。
『マトリックス』の予告ナレーション再び!って感じだったね」

            (byえいwithフォーン)

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※そう言えば宮崎アニメには必ず「の」という文字が入って、名詞と名詞をつないでますね。
『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『魔女の宅急便』『紅の豚』『千と千尋の神隠し』
『ハウルの動く城』…『カリオストロの城』もそう。例外は『もののけ姫』。それでも「の」は入ってますが…。
この映画のタイトル『銀色の髪のアギト』もそれを意識しているのかな?


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『マダムと奇人と殺人と』

2005-09-27 19:21:43 | 新作映画
----このタイトルって、ピーター・グリーナウェイの映画を連想させるよね。
「そうなんだよね。『コックと泥棒、その妻と愛人』。
しかも以前、送られてきた資料の中に
某ベルギービールの専門店が映画とのコラボで作った
オリジナル料理が紹介されていたため、
てっきりビストロの中で起こった殺人事件を描いた映画かと思っていた」

----と言うことは、それとは違ったわけだね。
「ビストロの下宿人が事件に巻き込まれると言うようなことはあるけど、
事件そのものがビストロで起こるわけではない。
ただ、このビストロの名前が“突然死”というふざけたもの。
ベルギーにそう言う名のビアカフェが実在するばかりか、
ベルギービールにもその名称のビールがあるらしい」

----でもタイトルがタイトルだけに殺人は起こるわけだよね。
「うん。物語をかいつまんで言うと、
美大生連続殺人事件が発生。
死体はそれぞれ名画収集家の墓の後ろに隠されていて、
一様に右の腕が切断されている。
この事件を、男性にはちょっと珍しい趣味を持つレオン警視が助手の刑事ボルネオと、
ぼやいてばかりいる愛犬のバブリュットを連れて捜査にあたる」

----ちょちょっと待った!犬がぼやく!?
「そう(笑)。この犬パブリュットの心の中がセリフとして現れる。
監督・脚本がこの映画の原作となった小説『レオン警視』シリーズの原作者
ナディーヌ・モンフィスと言うこともあって、
好きに脚色できているんだと思うよ。
映画はこの後、毒を含んだユーモアを基軸に、
原色バリバリの映像の中を奇想天外な人間模様を綴っていく」

----ニャるほどね。それにしてもその“珍しい趣味”って?
「うん。これは実際に見てもらった方がいいかもね。
ゆらゆら漂うシャボン玉から始まるオープニング。
そのシャボン玉が止まりはじけると、その向こうにはイカツイ一人の男。
ところが彼が机の下でヤッているのは…?」

----ふうん。知らない方がいいわけだ。
「しかし、一時期こういうタイトルの映画流行ったなあ。
『セックスと嘘とビデオテープ』、
これはビデオだけどアルモドバル監督で
『グロリアの憂鬱/セックスとドラッグと殺人』。
あっ『セックスと嘘とインターネット』なんてのもある」

----そういうタイトルって、日本で付けるの?
「原題の直訳もあれば、日本で勝手に付けるケースもある。
まあ、後者の場合は話題性を出すための苦肉の策の場合が多いけどね」

-----この映画はどうなの?
「さあ、どうでしょう?」
      (byえいwithフォーン)

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『カミュなんて知らない』

2005-09-26 18:45:40 | 新作映画
-----『カミュなんて知らない』……。ぼくも知らないニャあ。
「ふうん、そういうもんかなあ。
ぼくらの頃には、カミュとサルトルは必読書だったんだけどね(遠い目)」

-----だからそれ、何なの?人の名前?
「そう。実存主義の作家の一人。
もっとも有名なのが『きょう、ママンが死んだ。』で始まる小説『異邦人』。
あのルキノ・ビスコンティも映画化しているよ」

-----それとこの映画とどう関係があるわけ?
「いまの学生にとって、実存主義なんて遠い昔のお話。
自分たちにはまったくと言っていいほど関係ない。
そう言えば80年代には構造主義なんてのも流行ったけど、
これもいまの若い人には関係ないんだろうなあ…」

-----話がそれてるよ。
「あっ、ごめんごめん。『異邦人』では主人公ムルソーはアラブ人を射殺して、
その動機を『太陽が眩しかったから』と答える。
一方、この映画はと言うと、
2000年5月に愛知県豊川市で起きた高校生による老婆殺人刺殺事件を、
その犯人の証言を手がかりに、
都心のキャンパスに通う学生たちが映画化する様子を描いたものなんだ」

-----その事件の犯人の動機は何だったの?
「彼はこう証言している。
『人を殺したらどうなるか実験してみたかった』……」

-----もしかして彼、狂ってる?
「ポイントはそこなんだ。
果たして殺人を犯したとき彼は正常だったのか、それとも異常だったのか?
ここで犯人と世代が近い撮影クルーたち、
とりわけ監督・松川(柏原収史)と助監督・久田(前田愛)の間に
決定的な意見の相違が生まれる」

-----ふむ。ドラマとしては見応えありそうだね。
監督は柳町光男だっけ?彼の映画にしては構成が凝ってない?
「彼は92年の『愛について東京』以来、10年以上も劇映画を撮っていない。
でも、2001年度から03年度まで、早稲田大学で客員教授をやっているんだ。
映像ワークショップと言われるそこでの経験がこの映画を生んだようだね。
もともと映像関係の世界を志す学生たちが主人公となっているだけあって、
彼ら学生たちの会話には、さまざまな映画のタイトルが飛び出す。
映画ファンならそれだけで嬉しいところだけど、
もっと楽しませてくれるのは、そういった会話ばかりでなく、
キャラクター設定や撮影手法まで、
かつての名画を大胆に取り入れているところなんだ」

-----それはたまらないね。もっと具体的に教えてよ。
「まず冒頭だね。
映画は、学生たちが<トップシーンをワンカットで撮った映画>の話をしているところからスタート。
ところがこの映画そのものもワンカット6分半の長回し。
しかもロバート・アルトマンが『ザ・プレイヤー』でやったのと同じに、
そのワンカットの中で、登場人物すべてを紹介してしまうんだ。
あの映画『ザ・プレイヤー』ではオーソン・ウェルズの『黒い罠』の話をしていたけど、
この『カミュなんって知らない』では
『黒い罠』と『ザ・プレイヤー』について話している」

-----うわあ、凝ってるなあ。そんな撮影大変そうだね。セットなの?
「いやいや、これがオールロケ。
しかも9割以上は、立教大学のキャンパスを使っている。
このトップシーンだけでゾクゾクくること間違いないよ。
さて、この中の主人公の一人、監督役の松川は
ユカリ(吉川ひなの)という女性にしつこくつきまとわれている。
あまりにも執拗で狂気の色を帯びてくる彼女を、
周りはある映画のヒロインに例えるんだ。
さあ、フォーンには分かるかな?」

-----はい。『アデルの恋の物語』。
「おおっ、正解。なかなかスゴいじゃない。
また一方では、
映画を教えている中條教授(本田博太郎)が、
ひとりの美人女子大生・レイ(黒木メイサ)に心奪われるエピソードもある。
彼はなんと白塗りのお化粧をして、彼女との会食に向かうんだ」

-----これは簡単。『ベニスに死す』だね。
「その通り。で、話はそのような教授・学生たちのエピソードを
いくつも紡ぎながら進んでいくんだけど、
やがて近年の日本映画屈指と言ってもいい衝撃の映像が現れる」

-----ちょっと待って。ぼくは聞いてもいいけど、
ここからは※ネタバレ注意だよね。
「そういうこと。
この『カミュなんて知らない』は、学生たちが撮っている劇中劇の映画
『タイクツな殺人者』の殺人シーンでクライマックスを迎える。
ここでは池田(中泉英雄)演じる犯人の高校生が老婆を殴打した後、
刺殺するわけだけど、
その撮影法が、観る者を混乱に陥れてしまう」

-----どういうこと?
「劇と劇中劇の境界線、あるいは虚と実の壁が壊れて、
自分が今観ているものが、何か分からなくなってくるんだ。
ここで今起こっているのは、劇中劇なのか?
いや、<監督・柳町光男>による新たな映画なのか?
それとも、劇中劇を演じていた池田が演じているうちに暴走していったのか?」

-----それはまたとんでもない体験をしたね。で、結果は分かるの?
「うん。エンドクレジットのバックの映像でね。
さすがにそれが何かは明かせないけど、
この殺人シーンは長谷川和彦『青春の殺人者』の<母親殺し>以来の衝撃だね」

      (byえいwithフォーン)

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『奇談』

2005-09-21 20:40:04 | 新作映画
----諸星大二郎か。この人の出現は衝撃だったよね。
「(笑)。おいおいフォーン、お前はいくつなんだ?」
------ありゃリャ、出だしから突っ込まないでよ(笑)。
「まあ、それはともかく、
彼の描くコミックはとても少年誌のものとは思えなかった。
博識に裏付けられたその世界は圧倒的スケールで、
物語自体の持つ難解性さえも飲み込んでしまう」

----これって伝奇SFとは違うの?
「その言葉でくくってしまうのは危険だろうね。
たとえば、この『奇談』の元となっている『生命の木』など、
東北のキリスト墓伝説を扱い、
我が国における“聖書異伝ミステリー”の最高傑作と言われている」

----聖書異伝って?
「分かりやすく言うと“もうひとつの聖書”。
たとえば『旧約聖書』『創世記』では
アダムが<知恵の木の実>を食べ、エデンの園を追放されたとなっているけど、
この物語ではそれとは別の『世界開始の科の御伝え』というものが存在し、
“じゅすへる”が<生命の木の実>を食べたため永遠の生命を手に入れたとなっている」

----すごい話だね。
「いやいや、まだまだこんなものじゃない。
地上が不死身の体を持つ彼ら“じゅすへる”で溢れることを恐れた神は、
彼らを“いんへるの”に引き入れ、呪いをかけた。
その子孫に当たる“はなれ”の住人たちは、
“いんへるの”で“彼らのキリスト”による救済を待っている----というわけだ」

----!!!!!
「しかもこの映画『奇談』(生命の木)は、この聖書異伝をベースに
もうひとつ別の物語がミステリーとして語られる。
主人公は大学院生・佐伯里美(藤澤恵麻)。
彼女は子供の頃の記憶が一部欠けている。
実は彼女は、東北の山奥にある「隠れキリシタンの村」で
神隠しに遭ったことがあるんだ。
その失われた記憶を求めて村にやってきた里美の前に現れるのが、
異端の考古学者・稗田礼次郎(阿部寛)。
真実を求める二人の前に、やがて異世界が口をあけて現れる
…と、こういう構図になっているんだ」

----しかし、これは映像化が難しそうだね。
「そうなんだよ。これだけのスケールの話なんだから、
大手が制作費をたっぷりかけて大作として作らないと……
と最初は、そう考えていたんだけど、途中で考えを変えたね」

----と言うと?
「物語そのものが“超”がつくほどの暗黒神話。
これはメジャーと言う<陽のあたる映画>の<作り>には向かない。
伝奇ものの映画化を見てみると、なかには成功した例もあるけど、
もともとは<裏>の話であるはずのものが、
有名スターや大仰なセットなどとともに<表>に出てきたことで、
その本質であるはずの<陰>が<陽>に転化している」

----『魔界転生』『陰陽師』『阿修羅城の瞳』……。
そう言われてみると、みんなきらびやかになっているよね。
本来は、ひんやり、じめ~っとしたもののはずなのに。
「うん。潤沢な制作費・オールスター・全国チェーンと三拍子揃ったことで力が入り、
どうしてもやりすぎてしまうんだね。
しかも興行上、ある程度の<ファミリー向け>を意識しなくてはならない。
そのため映画の空気も自ずと華々しいものになってしまい、
物語の持つ<異形性>が薄められてゆく」

----ニャるほど。そう言う意味ではこれは巧くハマっていると言うわけだ?
「時代を1972年に設定したのも成功していると思う。
髪型、服装の古めかしさが、このコミックが書かれた時代の空気と合っていた。
大学のキャンパスには、丁寧に学生運動の立看まであったよ。
ただ、昭和20年代に写されたと言う家庭用16ミリフィルムが
なぜかビスタサイズになっているのは興ざめだったな」

      (byえいwithフォーン)

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『ティム・バートンのコープスブライド』

2005-09-20 19:10:46 | 新作映画
----これって『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』以来の
ティム・バートンのストップモーション・アニメだよね?
「それはそうなんだけど、
正確に言えば彼にとっては初監督作品。
『ナイトメアー』の監督はヘレン・セリックで、
バートンは原案・製作のみの担当なんだ」

----そう言えば、そうだったね。
バートンと言えば『チャーリーとチョコレート工場』が公開されたばかり。
精力的だよね。あれっ、そうは言ってもこの映画77分しかない…。
「それは仕方ないだろうね。
このストップモーション・アニメ方式だと、
1、2秒撮影するのに12時間を要するらしい」

----実写でもなくCGでもなく、
そのストップモーション・アニメを選んだ理由ってあるのかな?
「バートンは『コンピュータやCGでは作り出せない味わいがある』と言っている。
セットが作られ、演出が施され、照明が当てられ、カメラに収められる…
この過程だけ見ると、実写と変わりはない。
でも、自分の描きたいイメージに忠実に再現するには、
実写より、このストップモーション・アニメの方が勝ってるのかも。
特にそれがファンタジーである場合は、
背景となる世界観やキャラクターも創り出しやすい」

----たとえば?
「縦に二つに割れた胴体の間を人が通り抜けたりとか、
頭の中に生息するウジ虫が喋ったリとか、
微妙に開いた頭蓋骨の蓋をポリポリ掻いたりとか…ね」

----うわあ、強烈。お話はどういうものなの。
トレーラー観ても、イマイチ分からニャイんだけど。
「舞台は19世紀ヨーロッパのとある村。
親同士が欲得ずくで決めた結婚に戸惑いながらも、
初めて出会った瞬間に惹かれあった
富豪の息子ビクターと、落ちぶれ貴族の娘ビクトリア。
結婚式の前日、森の中で式の練習をしていたビクターは、
誓いの言葉とともに結婚指輪を枯れ枝にはめてしまう。
ところがそれは、地中深く埋もれながら
花婿の訪れをずっと待ち続けていた“コープス ブライド(死体の花嫁)”の
朽ちかけた薬指だった。
かくして、生者と死者の三角関係が始まる...」

----ニャるほど。そういう話か。
あっ『チョコレート工場』に引き続き、
ジョニー・デップが主人公をやっている。
「この映画の場合、日本のアニメによく見られるようなアフレコ方式じゃない。
パペットが作られるよりも前に俳優たちのセリフを収録。
つまり、俳優の声の演技がキャラクターの性格を形成していくわけだ。
『ナイトメアー』では、いくつもの交換用の頭部を作って
それを繋げることによって
キャラクターの感情と表情を引き出したらしい。
でも、この『コープス ブライド』では頭部に複雑なギア装置を埋め込み、
いろいろなアクセス・ポイントから動かし、表情を微妙に変化させたんだって」

----へぇ~っ。ストップモーション・アニメなんて
すっかり過去の遺物と思っていた。
「撮影はデジタル・スチール・カメラを使っているし、
自分の表現したい世界を生み出すには、
こだわりを捨てて、いいところは積極的に取り入れていこうと言うことだろうね」

----そのバートンの表現したい世界って?
「一言で言えばダークファンタジーとなるんだろうけど、
そこには、ある<価値の逆転>が横たわっている気がする。
生者の世界は生気がなく陰鬱なのに対し、死者の世界は活気に溢れて陽気。
そのため前者はモノトーン、後者はカラフルと言う形で表現される。
まあ、このあたりはまだ想像つかないでもないけど、
ビクター、ビクトリア、コープスブライドの3人が、
いずれもやさしい善人であるのにはまいったね」

----それはまたどうして?
「ビクターがどっちと結ばれるのか、いや結ばれた方がいいのか?
観客の思いは、ビクトリア、コープスブライド
どちらにも幸せになってほしいと言う方向へと向かっていく---。
こんな映画もなかなかないと思う。
三角関係だと、観客が感情移入しやすいように、
登場人物の間に優劣が作られているのが普通だからね。
そうそう、骨だけになった、かつての子犬が出てくるんだけど、
これが実にキュート。
死んだ後も、あんな形で会えるんだったらいいだろうな。
あそこは少し、グッときたね…」

----いやだなあ。変な目で見ないでよ。
      (byえいwithフォーン)

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『メゾン・ド・ヒミコ』

2005-09-19 00:25:36 | 映画
(※注:けっこう辛口です。犬童監督や『メゾン・ド・ヒミコ』をお好きな方は
お読みにならない方がいいかも)


------今日は、立川のシネマシティ2に行ったんだよね。
映画は『メゾン・ド・ヒミコ』だっけ?
おや、なんかイライラしてニャい?
「う~ん。どこから喋ろうか?
先日、『タッチ』を観て思ったことにもつながるんだけど…」

------確か、あのときは「『死に花』は犬童監督向きではなかった…とか?
「うん。でも覚えてるかな。
『悪く言えばサプライズに乏しい』みたいなことも言ったんだけど…
今回『メゾン・ド・ヒミコ』観てみて
『タッチ』がものたりなかった理由が見えてきた気がするんだ」

------どういうこと?
「誤解を恐れずに言えば、
犬童一心監督にはデヴィッド・クローネンバーグのようなところがある。
大ヒットした『ジョゼと虎と魚たち』の
<せつない純愛>に思わず目がいきがちだけど、
犬童監督が取りあげる素材はいつも、ある種の不全さを伴っている。
『金髪の草原』の主人公、日暮里は自分が20歳だと思っている80歳の老人。
『ジョゼと虎と魚たち』のジョゼは脚の不自由な少女。
そしてこの『メゾン・ド・ヒミコ』は同性しか愛せない老人たちだ」

-----あれれ大丈夫?それって差別で言ってるんじゃないよね?
「もちろん。そういうつもりじゃない。
むしろ、犬童監督はそのような
日常ならざるものを持ってくることで、
視覚芸術である映画における
自分の世界の個性を造形しようとしている。
そこには、そういったいわばマイノリティ、
社会から阻害されている人々への共感さえ感じ取れる」

-----あ~あ、そういうことか。
「つまり、『タッチ』がなぜものたりなかったかと言えば、
あのような明朗青春映画は、彼の描く世界とは真逆の世界。
心の悩みはさておき、社会から欠損と観られる要素は全くない。
むしろ『死に花』ではなく
『タッチ』こそ、彼向きではなかったわけだ」

-----なかなか大胆な意見だね。
確かに『死に花』も老人たちが主人公だったけど…。
でも、今回の映画にも不満があるとか?
「うん。彼の描く世界をクローネンバーグに例えて敬意を表しても、
それでもどうもあの監督の描き方、
<予定された感動に向かって言葉で結論を出す手法>には納得がいかない」

-----と言うと?
「たとえば、
ゲイのみんなが街に繰り出し、クラブで踊るシーンで、
女装したゲイの一人が酔っぱらった昔の知人に会い、絡まれ侮辱を受ける。
そこで沙織(柴崎コウ)は「あやまれ!」と食い下がる。
『えっ、なぜ?昨日まであんた自身が差別してたじゃない...』と思ってしまった。
また、やはりゲイの一人が不治の病となり、
何も知らない実家に送り返された後のシーン。
そのみんなのやり方を見た沙織がゲイたちに意見すると、
彼女をここに連れてきた春彦は
『ここはゲイが幸せになるところだ。あんたには関係ない。帰ってくれ』と言い放つ。
これも、『でも、あんたが連れてきたんだろうに…』と
思わずスクリーンに向かって言いたくなってしまった。
こういった、本来なら感動的であるはずのシーンが、
途中の感情の動きの説明なしに突然出てくるため、かえってしらけてしまう。
クライマックスであるはずの父親(田中)の『あなたが、好きよ』もそう。
このセリフは、あたりまえすぎて読めてしまう。
それでいながら映画を観る限り
『でもいつ、そんな気になったの?』との疑問が拭えない。
いずれも<感動>のために作ったシーンという感じなんだ」

-----なんか、言い過ぎじゃない?
「それに、ぼくがこの監督を苦手なのは、その性愛シーン。
『金髪の草原』の初体験の後の朝、
『ジョゼ虎』のラブホに行く前のジョゼの台詞、
『死に花』の(かつての日活アイドル)松原智恵子のセックス...。
今回は台詞、キスを始め、生々しすぎてとても書けない」

-----でも、この映画、なかなか評判いいようだね。
「うん。そういう評判のいい映画について書くのは勇気がいる。
好きな人はそんな悪評、目にするのもいやだろうしね。
だから最初に断り書きを書いたわけだ。
ただ、試写で観ていたんだったらスルーするんだけど、
今回は映画館で公開後。思い切って書いてみたわけさ」


(ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
この作品はきついこと書きましたのでこちらからTBはいたしません。
TBをいただいた方のみ、こちらからもお返しをさせていただきたく思います)

       (byえいwithフォーン)

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『親切なクムジャさん』

2005-09-15 20:42:16 | 新作映画
※<ネタバレ注>ご覧になってから読まれることをお勧めします。

----チラシの裏に「最後の復讐が、一番哀しく、美しい」って
書いてあるけど、これってどういうこと?
「これは『復讐者に憐れみを』『オールド・ボーイ』に続く
監督パク・チャヌクの<復讐三部作>の最後の作品と言う意味なんだ。
物語は13年間無実の罪で刑務所に入れられたクムジャが出所する場面から始まる。
服役中、彼女は誰に対してもやさしい微笑を絶やさなかったことから
<親切なクムジャさん>と呼ばれていた。
でも、その奥では自分を陥れた男に対する復讐の炎が…という話だ」

----えっ、それだけ?意外とシンプルだね。
「うん。ぼくは観る前は、
刑務所内で善行を積んで周囲を欺いていたヒロインが、
シャバに出て豹変…というのをイメージしていたんだけど、
なんと彼女は<復讐>のために刑務所内で同房者を仲間に引き入れるばかりか、
その一環として殺人まで犯している」

----ニャんだ、<親切>には裏があるわけだ。
前作『オールド・ボーイ』のように、実は…という語り口じゃないんだね。
「そうなんだ。もう少し謎めかせてもよかったと思う。
最後にナレーションとして語られる言葉を借りれば、
この映画は
『人の力を借りて<復讐>という自分の目的を達成したけど魂は救われなかった』
女性の話。
あと、ナレーションが多用されているんだけど、
それがシーンごとに変えてあり、
だれが語っているのか、どうもはっきりしない」

----ふうん。『ライフ・イズ・ビューティフル』で
ラストに大人になった子供のナレーションが入ってきたことで、
映画が彼の回想として語られていたことが分かった時のような…
あの衝撃に乏しいんだね。
「でも、ビジュアルはあいかわらずがんばっているよ。
刑務所内は杏色を基調に温かみのある空間。
出所した後、彼女が泊まる部屋の壁紙は赤と黒のストライプ。
刑務所内の“天使のような”クムジャさんの顔からは光が放たれ、
出所した彼女には真っ赤なアイシャドウが塗られている。
また、編集も『アメリ』のような意表をつくカットつなぎを見せてくれる」

----ニャるほどね。そういえば、出演者がスゴいんだって?
「主演は監督とはすでに『JSA』でも組んでいるイ・ヨンエ。
彼女の復讐のターゲットが『オールド・ボーイ』のチェ・ミンシク。
さらにカメオで、ソン・ガンホやユ・ジテまで出ている。
特にユ・ジテのワンショットには驚いたな」

      (byえいwithフォーン)

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『ロード・オブ・ドッグタウン』

2005-09-14 22:49:27 | 新作映画
----これって確か横文字で似たようなタイトルの映画がなかったっけ?
「ドキュメンタリー『DOGTOWN &Z-BOYS』のことだね。
実はこの『ロード・オブ・ドッグタウン』は、
あのドキュメンタリーを監督したステイシー・ぺラルタが脚本を書いている。
しかも主人公の一人はベラルタ自身だ」

----えっ、それってどういうこと?
「この"Z-BOYS"と言うのは実在したスケートチーム。
彼らは、それまでスピードやスタイルとは無縁だったスケートボードに、
後にZ-BOYSスタイルと呼ばれる革命をもたらしてゆく」

----革命的って?
「一番の特徴としてあげられるのは危険な空中技かな。
彼らが生み出した“バート・スタイル(垂直に飛び上がる)”は、
現在世界中のエクストリーム・スポーツに取り入れられているんだ」

----でもどうして、そんな技を考えついたんだろう?
「『一つには天候。
アメリカ西海岸のプールの水を涸らしてしまったほどの日照りによって、
彼ら"Z-BOYS"はその空になったプールで
スケートボードの曲芸的な練習ができるようになった。
さらに、彼らが住んでいたのが
ヴェニスビーチというサーフィンのメッカだったことも関係している。
つまりサーフィンの技がスケートボードに取り入れられているんだ。
しかも彼らの先輩であるスキップ(ヒース・レジャー)が
経営するサーフショップに、
ウレタン製のスケートボード用車輪が持ち込まれたことから、
スケートボード革命の準備は整っていく」

----で、映画はどうなの?チラシを見ると『ビッグ・ウェンズデー』みたい。
<青春の光と影>って感じだけど?
「(笑)サーフボードの代わりにスケートボードを持っているしね。      
でもあそこまでウェットじゃない。
というのも、エミール・ハーシュらが扮する、
この映画の主人公3人はそれぞれに成功を収めた。
先ほどのステイシー・ぺラルタ(ジョン・ロビンソン)は
スケートボード会社を設立。
また、トニー・アルヴァ(ヴィクター・ラサック)も
自分の名前をブランドとして売り込み、やはりオーナーとなっている。
過ぎ去った青春を惜しみ慈しむと言うわけではない。
それだけに映画もT.レックスやディープ・パープル、
ブラック・サバスといった当時のロックに乗って歯切れよく進んでゆく。
ただ、あまりにも点描をつなぎ合わせた感じになっているため、
彼らの重要な人生の転機、
Z-BOYSを辞めるに至るまでの悩みや野心といった
個の想いが十分に伝わってこない恨みはある。
でも、プールを使ったスケーティングは圧巻!
とりわけラストでリピートされるその走りは、
幻想的な美しさで観る者を酔わせてくれる。
まあ、マニアにはたまらないだろうね」

       (byえいwithフォーン)

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『CUBE ZERO』

2005-09-13 19:51:32 | 新作映画
----このタイトルのゼロってどういう意味?
「うん。殺人トラップが仕掛けられた立方体からの脱出を描き、
世界的ヒットとなった心理サスペンス『CUBE』。
この映画『CUBE ZERO』はいわばその序章。
時間設定で言うと『CUBE』より前に当たり、
なぜこの“殺戮の迷宮”が作られたかが明らかになる」

----ということは、CUBEのデザインとかも違うのかな?
「そういうこと。
前作(第2作)はクリーンで真っ白。
それがまた逆に怖かったりもしたんだけど、
今回はゴツゴツした金属むき出しの手触り。
『未来世紀ブラジル』あたりのセットに通じるものがあったな。
とは言え、CUBEの仕組みは同じ。
肉を切り裂くワイヤーや体を溶かすウィルスなど、
目を背けたくなる映像は、あいかわらずふんだんに出てくる」

----物語は脱出だけじゃないんだね?
「ネタバレになるから詳しくは明かせないけど、
CUBE内のサバイバルと平行して、
それを監視する者たち二人の姿も描かれる。
そのうちの一人が、
陰謀によってCUBEに放り込まれた女性活動家を見ているうちに、
彼女を助けようと、中に入り込むんだ。
“殺戮の迷宮”からの脱出ばかりじゃさすがにもたないと思って、
今回、このような新たなエピソードを取り入れたんだろうね」

----そのエピソードは効果的に作用していたの?
「『CUBE』の強烈さは、シンプルゆえに生まれたものだと思う。
それと比較すると緊迫感が劣るのは、これはもう仕方がない。
それでも、ふたりの監視者の描き方は興味深いモノがあったな。
組織からの指令が来るのを待つのが仕事の二人は、普段は何もやることがない。
一人はチェスに夢中で、一人は絵を描いてばかり。
第二次世界大戦中、その残虐さの持つ意味に気づかず
言われるがままにスイッチを入れていたという
ガス室の執行人と重なるイメージ。
ある意味、衝撃的だった一作目と比較しなければ、
これはこれで及第点の映画だと思うよ」

      (byえいwithフォーン)

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『ALWAYS 三丁目の夕日』

2005-09-12 21:05:43 | 新作映画
----うわあ、なにこれ?東京タワーが壊れている。
しかもその前を路面電車が走っている?
「(笑)これはね。いまだに根強い人気を持つコミック
『三丁目の夕日』を実写映画化したものなんだ。
舞台が昭和33年。というわけでこれは建設中の東京タワー」

----それって撮影が難しくない?
パリやロンドンと違って、
東京にはそんなに古い街並や建物は残っていないし。
「いいところに気づいたね。
監督が『ジュナイブル』『リターナー』の山崎貴。
この映画当時をCGやミニチュアなどのSFXで再現しようと言う
壮大な試みの映画なんだ」

----それにしてもよくできているね。
でもこれはプレスだからなあ。映画はどうだったの?
「上野駅や銀座と言った大きな街から、
映画の中心となる三丁目界隈に至るまで、
出来過ぎと言っていいくらい。
逆にできすぎてるところが嘘っぽく感じさせてしまうほどだ。
小道具も、駄菓子から看板、キッチンの備品に至るまで
それぞれのコレクターたちの協力で集めたんだとか。
しかも映画には映らないところまで作り込んだり、
匂いまで演出したりと、まるで完璧・黒澤明のエピソードを思い起こさせる」

----そう言えば、髪型も今とは全然違うね。
「うん。でも彼らの多くはデジタルキャラクターらしいよ」
----で、肝心の映画は楽しめたの?山崎貴監督ってこれまでSFばかりじゃない?
「でも彼の『ジュブナイル』なんて、ノスタルジー色強かったからね。
これは意外とマッチしていたと思うよ。まず、驚いたのがそのオープニング。
……男の子たちが、プロペラの紙飛行機を飛ばす。
カメラはその飛行機を追って空へ。
飛行機は屋根を越え、別の路地に。
それを追って走る少年たち。
やがて飛行機が飛んでいった先には、
都電が走る大通りが見えてくる....
これをワンショットでやるんだから、
どこからどこまでが実写でどこからがCGなのか?
その手法の是非はともかく、胸躍る体験だったね」

----手法の是非って?手放しで褒めているわけじゃないんだ?
「たとえば『スカイキャプテン』『シン・シティ』なんかでもそうだけど、
今回も俳優が演じているのは、ある意味舞台と同じ。
鈴木オート・則文役の堤真一も、
上野駅前の撮影では、ブルーバックの前を歩くだけで、
『何やってるんだろう?』という感じだったと言っている。
これで、本当に感情の入った演技ができるのだろうかと、
少し気になってしまった。
やはり周囲の実体があった方がやりやすいのではないかとね」

----ニャるほど、それは分かる気がするな。
「それでも、則文が息子の一平をぶんぶん振り回すシーンで
ワイヤーを使ったりしているのを見ると、
それぞれの表現に応じた映画手法を採用しているのが分かる。
映画というものの作り方が、明らかに変わってきているんだね」

----他の俳優はどうなの?お母さん役は薬師丸ひろ子だよね…。
「彼女は一皮剥けた気がするね。
アイドルだった時代からはサヨナラして、日本のお母さんって感じ。
あと、意外によかったのが吉岡秀隆だね。
これまでどの役を演じても同じようにしか見えなかった彼だけど、
ここで吉岡が演じているのは、文学崩れの茶川竜之介。
本作の泣かせどころは、そのほとんどが彼に絡むわけだけど、
ユーモアも混じえて、いやみなしに演じていたよ」

-----物語の方は?
「この映画の場合、それ、あんまり言う必要ないと思うけどな。
原作の中のエピソードをいくつかつないでいるんだろうし。
実を言うと、だいぶ前に読んだ漫画なので、
そんなに詳しくは覚えていないんだけどね」

-----でも、こんな話、今映画化する意味あるの?
「ぼくも最初はそう思ったんだ。
確かに昭和のイメージが、完璧に近く再現されていて、
まるで当時の映画を観ているような気にさせられてしまう。
色調までそんな感じなんだ。
でも、それならまだ
『クレヨンしんちゃん・嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』の方が
作者の言いたいことが映像として結実していた気がする...と。
しかし、最後にキメてくれたね。

(※注:ネタバレあり)
「ラストシーンは、鈴木オートの親子3人が夕日を見るシーン。
一平の両親が『きれいな夕日・・・』と言うのに対し、
一平はこう継ぐ。
『明日だって明後日だって。
10年先だって、50年先だって、ずっと夕日はきれいだよ』。
これは痛烈だったね。そうだろうか、
こんなきれいな夕日なんて、
いまのぼくたちは本当に目にしているんだろうかとね」

      (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「泣けるニャ」悲しい

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『ゲス・フー 招かれざる恋人』

2005-09-11 15:26:51 | 新作映画
-----なんか不思議なタイトルだニャあ。
「その昔、Guess Who(ゲス・フー)っていう名前のグループもいたしね。
でも、これって『Guess Who's Coming to Dinner』という映画からきてるんだ」

-----それってどんな映画なの?
「スタンリー・クレイマーの名作『招かれざる客』のこと。
これは、人種差別がまだ激しかった時代、
娘が婚約者として連れ帰ってきた男が黒人だったことから起こる
不協和音を描いた社会派ドラマ。
キャサリーン・ヘプバーンが2度目のオスカーを受賞し、
スペンサー・トレイシーの遺作となった。
黒人スターにスポットを当てたシドニー・ポワチエの代表作だ。
この新作『ゲス・フー・・・』では、その設定を逆にしているところがミソ」

-----と言うと?
「銀婚式を目前にした夫婦のところへ娘のテレサが
恋人サイモンを伴って帰ってくる。
ところが、デンゼル・ワシントンのような逞しい黒人を予想していた
父親の前に現れたのはスマートボーイの白人。
前作が
『Guess Who's Coming to Dinner(夕食に招かれたのは誰?)』だったように、
ここでも夕食時の会話をハイライトに、人種差別の裏と表が描かれていく」

-----裏と表ってどういうこと?
「たとえば、いまどき自分は差別主義者だなどと公言する人は、そうはいない。
でも、実は白人社会では<黒人ジョーク>なるものが存在している。
これらのジョークは、この映画では、けっこう黒人に受けたりもするんだけど
やはり中には琴線に触れるものもあって、逆鱗を招いたりもする。
それともう一つ、サイモンはある理由で会社を解雇されていたというのもポイント」

-----それはなぜなの?
「会社のイメージのために、黒人女性との結婚はまかり通らぬというんだ。
自分がクビになったと言うという事実もそうだけど、
テレサとその家族を傷つけるその理由については、
サイモンは口が裂けても言えない」

-----ふうん。タイトルやメインビジュアルと違ってまじめな映画なんだ。
「いやいや。基本はハートフル・コメディ。
父と娘の恋人が同じ車に乗り、
ラジオをつけると、<黒と白>にからんだ歌ばかり流れてくるところなんて、
日本のお笑いのギャグみたいにベタだけど、なかなか笑える」

-------で、物語はどのように発展してゆくの?
「テレサはサイモンがクビの事実を隠していたこと、
テレサの母は夫が銀婚式の<誓いの言葉>を
参考書から写そうとしていたことに怒り、家を飛び出してしまう。
寂しく取り残された父親と娘の恋人。
その夜、バーニー・マニックとアシュトン・カッチャー、
二人の男が心を通い合わせるきっかけになるのはその夜から。
彼らが踊るダンス・シーンもけっこう楽しいよ」

          (byえいwithフォーン)

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『狼少女』

2005-09-09 18:50:15 | 新作映画
---また、ホラーなの。日本映画もよく飽きないよね。
「タイトルを見た時はぼくもそう思ったんだけど、
なんとこれは狼に育てられた少女の話...でもなくて、
見せ物小屋がやってきた、ある地方の町の小学生たちのお話」

----見世物小屋って、ニャんなの?
「ろくろ首や口裂け女、タコ女、
あるいは火吹き男といった想像上の生き物を見せて回っている興行...
ん、これで間違いないのかな。
でも狼少年や狼少女と言うのは実際にいたと言われているからなあ。
トリュフォーが『野性の少年』で描いているし…」

----でも<見せ物>というくらいだから、
これはニセモノなんだね。
「そういうこと。でもいまのように情報化が進んでなかった頃は、
子供たちはそれがホンモノかどうか知りたがったものなんだ」

----ということは、この映画の時代は古いんだ。
「そう、昭和となっている。
主人公は太田明という小学4年生。
彼の住む町に、見せ物小屋がやってきて
彼は、チラシに書かれた狼少女が見たくてたまらない。
一方、明のクラスには、家が貧しい小室秀子と言う少女がいて、
みんなにイジメにあっていた。
髪もぼうぼうの彼女は、その風貌から
狼少女ではないかと言う噂が立ってしまう。
そんな頃、彼のクラスに都会の香りに満ちた手塚留美子と言う転校生がやってくる。
彼女は、明や秀子と仲良くなる一方で、
秀子をイジメるガキ大将の光一たちへの仕返しを企む…というお話だ」

----なんだか、懐かしいストーリーだね。
「この映画の原案は大見全という人。
函館港イルミナシオン映画祭でシナリオ大賞を受賞したんだって。
脚本はシナリオ作家協会理事の小川智子。
彼女の脚色がどこまで及んでいるのか分からないけど、
なるほどよくできた話で、
ぼくなんかはその意外な結末には驚いた方だったね
途中まで、少年特有の恐怖幻想とイジメの話としか思ってなかったからね」

----監督はどうなの?深川栄洋という人初めて聞くけど…。
「最初はもたついている気がしたけど、
途中からは少年少女たちの演技もかみ合って、
なかなか見せてくれたよ。
くすぐるような笑いも随所に散りばめられているしね。
ただ、あまりにも漠然と<昭和>となっているのが残念。
一口に<昭和>と言っても60年以上あるんだし…。
なぎら健一扮する怪しげな行商にとどまらず、
もう少し時代の香りを再現してほしかったな」

----って、いつも言いたい放題言ってるね。
「それは言わない約束」
       (byえいwithフォーン)

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『不滅の男 エンケン対日本武道館』

2005-09-08 19:55:55 | 新作映画
----今夜の映画はドキュメンタリー。
しかもライヴものだ。そういうのって最近敬遠してなかったっけ。
「そうなんだけどね。
遠藤賢司が武道館で、しかも無観客ライヴを…と聞けば、
どうしてもやらないわけにはいかない」

----誰?そのエンドウケンジってのは…。
「1969年のデビュー以来、
36年も歌い続けている、いわばシンガーソングライターのハシリ。
『中津川フォークジャンボリー』や『春一番コンサート』を
知っている世代には懐かしいだろうね。
当時は和製ニール・ヤングなんて言われて、
『満足できるかな』『カレーライス』などのヒット曲も生まれた。
漫画『20世紀少年』の主人公の名前も、
おそらくここから来ていると思われる」

----あっ、そういえば確かに同じだ。
「ただ、その後、フォークが吉田拓郎や井上陽水、ユーミンらを中心に
ポップにメジャー化する流れの中、
彼はミュージシャンからリスペクトされながらも、
いわゆる表舞台に出る方のシンガーにはなりえなかった」

----そうか、この前映画になった高田渡と同じだね。
「うん。ただ遠藤賢司は、
生ギターのホールにピンマイクを付けアンプでフィードバックさせ、
轟音を轟かせるなどロック的アプローチを
早くから取り入れていた。
しかも、パンクやテクノ、歌謡曲までを呑み込み、
ついには自分の表現する音楽を<純音楽>と呼び、
自らを<純音楽家>と称するようになったんだ」

----ほほう、スゴい自信家だ。
「でもね。この映画を観たらそれも分かるよ。
1947年1月13日の生まれだから、もう58歳。
しかし、ここでのパフォーマンスはとてもそうは思えない。
声の張りは昔のままだし、ギタープレイはさらに過激になっている。
終始、イッちゃってるとしか思えない激しさで観る者全てを圧倒。
映画が終わっても、しばらくだれも席を立たなかったもんね。
彼はこの映画の話が来たとき、
国立協競技場か、武道館か東京ドームを提案。
しかも自分で監督することを申し出たらしい」

----だって、ライヴでしょ。監督の意味なんてあるの?
「うん。クレジットを見て分かったけど、
編集もやっているんだ。
そのため、音に合わせて彼のギターテクニックの細かいところも
観ることができる」

----舞台イメージはどんな感じ?
「富士山の麓に家があって、近くにあぜ道やバス停や
円形のドラムステージ、コタツまである…。
いかにも昭和のイメージだ。
ま、それはともかく、この映画の何がスゴいかって、
無観客だから、演奏が終わっても拍手がないわけだけど、
なぜか、拍手が聞こえてくるような気がすること。
観る前は、武道館で無観客なんてシラケるに違いないと思っていただけに、
これはほんとうに驚きだった」

----しかし、こんな映画、人が入るのかなあ?
「だけど、あの『タカダワタル的』も大ヒットしたんだからね。
昔の仲間も言っていたけど、音楽はぐるり一周回ったのかも知れない。
80年代には『ネクラ』の一言で片付けられ敬遠されていた
1970年前後の音楽が復権を果たしている。
音楽の趣味が多様化してきたからこそ、こういう映画も生まれてきたんだろうね。
次は、日本各地をギターとともに歌って回っている加川良か、
子育てを終えて音楽のフィールドに舞い戻ってきた中山ラビあたりを
若い世代の監督が撮った映画が観てみたいな」

           (byえいwithフォーン)

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『旅するジーンズと16歳の夏』

2005-09-07 19:26:08 | 新作映画
----この映画、原作がベストセラーなんだって?
「うん、30カ国以上で翻訳されている『トラベリング・パンツ』。
映画化の方も、全米のマスコミ評がすこぶるいい」

----チラシを見たところ、4人の若い女性の友情物語みたいだけど…。
「そう考えて間違いないと思うよ。
でも『Dearフレンズ』にしても『ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密』にしても
アメリカの女性友情物語ってなぜか4人。
『ザ・クラフト』『ミーン・ガールズ』でも
最初3人組だったところに、ひとり加わり4人になる。
う~ん、それってなぜだろう?」

----なんか、話それていない?映画の話に戻ってよ。
「ごめんごめん。この4人は、生まれる前から同じ場所で同じ時間を過ごしていた」
----?????
「つまり、母親たちが同じマタニティ教室に通っていたんだね。
リーナ、カルメン、ブリジット、ティビー。
16歳の夏、彼女らはある不思議なジーンズと出会う。
体型がまったく違う4人なのに、このジーンズはなぜかみんなにぴったり合うんだ。
このジーンズはきっと幸運をもたらしてくれるはずと、
離ればなれの夏の間、彼女らは4人で一本のジーンズを順番にはくことを決める」

----えっ、これってファンタジーなの?
「いや、始まりこそ、そうだけど、後は胸キュンのホロ苦青春映画。
内気なリーナはギリシャで初めての恋に落ちる。
両親が別れたカルメンは父親を訪ね、
新しい家族と暮らす父を見て怒りと寂しさをぶつける。
幼い頃に自殺した母の影を引きずるブリジットは、
メキシコのサッカーキャンプ場で誰よりも陽気に振る舞う。
ひとり地元のメリーランドに残ったティビーは、
生涯忘れることのできない小さな友と出逢う…。
つまり、これは昔からよくあった、
ひと夏の体験が、少女たちを大人に変えてゆく…という映画だ」

----それってロスト・バージンのこと?
「おっ、大胆な。でもちょっと違う。
この映画のいいところは、そういった下半身に話が偏らないところ。
劇中のティビーの言葉を借りれば、
『世の中には、親の再婚よりもっと悪いことがあるのよ』。
この4人は、それぞれ違うことが理由で傷つくものの、
それがきっかけで自分の本当の姿と向き合い、さらにはそれを乗り越えてゆく」

----そのセリフも素敵だけど、映像も美しそうだね。
「リーナのエピソードの舞台となるギリシャ、サントリニ島なんて
港そのものは現代的になっているため、
メインを漁村で行い、昔ながらの網や魚罠を装備させたのだとか。
音楽もどこかで聴いたことがあると思ったら『その男ゾルバ』。
他にも女声スキャットをフィーチャーするなど、
旅とロマンスが青春映画たりえた70年頃のテイスト。
4人それぞれの物語が、ジーンズの<旅>によって描かれ、
あたかも4本分の映画を観ているような充足感も得られる...
と言ったら、ちょっとほめすぎかな」

       (byえいwithフォーン)

ガーベラ1 image flower suported by haljion

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