ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『小野寺の弟・小野寺の姉』

2014-09-30 13:37:58 | 新作映画
※注:もしかして一部ネタバレになっているかも。


----この映画、
ちょっと楽しみにしていたヤツだよね。
似たようなタイトルの“家族系”邦画が多くて、
フォーンには、どれがどれやら…。
「確かに。
そのすべてはとても押さえられそうにないけど、
これには食指が動いちゃった」

----それって、やっぱりキャスティング?
「そうだね。
片桐はいり向井理が姉弟だなんて、
予告観たときから
そのありえない組み合わせにときめいてしまった」

----ときめくってのは、また大げさな(笑)。
で、観てみてどうだった?
「一言で言えば『小野寺はつらいよ』
初めは『小野寺の姉はつらいよ』かなと。
次に『小野寺の姉弟はつらいよ』
しかし、これだとゴロがよくない」

----もう、そんなことどうだっていいから(笑)。
結局、モテない姉の話ってことなのかニャ。
顔も渥美清みたいに四角いし…。
「おっ、そういやあ、
顔も似ているかな。
ぼくが言っているのは内容ではあるんだけどね。
そこに弟の姉への“想い”が大きく関わるところも
構造としては似ている。
ということで、まずは簡単に物語を…。
小野寺進33歳と姉のより子40歳。
早くに両親を亡くしたふたりは、
年季の入った一軒家でずっと一緒に暮らしている。
姉は、家にこもりがちでの弟を
何かと言うと外に連れ出す。
実は、進にはかつて同棲まで考えた彼女(麻生久美子)がいた。
彼女に振られて傷心の弟を
より子は励まそうとしていたんだ」

----進はどうして振られたのかニャ(笑)。
「ここがこの映画の根底に関わる大きな問題。
どちらの家に住むかをめぐってふたりは対立したんだね。
結果、進は振られていまに至る」

----そうか、姉が一緒ではいやってことだニャ。
「うん。
ところが、進には姉と別れられないある理由があった。
この映画は、その過去を解き明かしつつ、
いま、ふたりに訪れようとしている
新しい恋の予感、その行方を描いてゆくんだ」

----ニャるほど。
でも『男はつらいよ』に似ているということは、
結局、振られちゃうのかニャ。
「あらら。
そうか、これはネタバレになるね。
まあ、軽く読み飛ばしてもらうとして、
弟の進が惹かれていく女性に山本美月
姉のより子が想いを寄せる相手に及川光博。
このあたりが、また絶妙のキャスティングなんだ。
“もしかして”…と、恋の成就を匂わせないでもない。
ところどころに散りばめられた“笑い”も
“女の意地”が入っていて、ちょっぴり切ない」

----ニャるほど『男はつらいよ』だ。
監督は誰ニャの?
「これが初監督となる西田征史。
これまでTV『怪物くん』『妖怪人間ベム』などの脚本を書いていて
試写前の挨拶では『今回は小さなお話』と謙遜されていたけど、
確かに描いている世界の半径は小さくても、
多くの人の心に届くお話。
そういう意味では大きいお話だと思う。
そうそう、これはその西田監督の原作脚本。
舞台にもなっているんだ。
これまでいろんな映画の監督オファーがあったらしいけど、
最初の作品はオリジナルがいいなと思っていたらしい。
ぼくは、これが功を奏していたと思う。
自分が作った物語だけに、
映画用に心ゆくまで改訂できる。
このオープニングもそうだったね。
偶然だけどいま話題の『フランシス・ハ』
ラストと少しかぶる。
そういう意味でも、彼は
グローバルな遊びのセンスを持ちあわせているということだろうね」




フォーンの一言「これ3作ぐらいシリーズ化するといいと、フォーンは思うのニャ」ちょっと怒るニャ

※ワイルドストロベリーが巧くいかされている度

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『猿の惑星:新世紀<ライジング>』

2014-09-21 19:10:48 | 映画
(原題:Dawn of the Planet of the Apes)



----これって、フォーンも
こそっと隠れて一緒に観た映画。
ニャんだか、スゴく評判いいよね。
「そうだね。
個人的には前作『猿の惑星・創世記<ジェネシス>』の方が好きだけど、
今回の作品は、
堂々たる風格を備えた
文句のつけようのない作品」

----ふうん。そんなによかったかニャ。
あまり目新しさは感じなかったけど…。
「うん。
いま考えると、確かに。
でも、日を追うごとに心にのしかかってくるんだ。
それは、ここで描かれている“戦争の始まりの構図”が、
現代の世界、とりわけいまの日本とは無縁ではないからだろうね」

----“戦争のはじまりの構図”か…。
それって、でも一言で言えば“憎しみ”だよね。
ありふれていなかった?
「う~ん。
ここは後で詳しく話すかな。
その前に物語を振り返ってみよう。
舞台は、
天性のリーダーシップを備えた猿のシーザー(アンディ・サーキス)が
仲間を率いて人類への叛乱を起こして10年後。
彼ら猿たちは、森の奥に文明的なコロニーを築いていた。
一方、約90%が絶滅した人類のわずかな生存者グループは、
荒れ果てた都市の一角に身を潜めて暮らしていた。
シーザーは、自分たちのコロニーを守り、
人類とはそれぞれの棲む領域を分けることで互いに共存しようとしている」

----いわゆる“平和主義者”ってことだよね。
「そうだね。
ところが、そこに人間の足音が聞こえてくる。
と言っても、彼らは初めから猿と戦おうと思っていたワケじゃない。
自分たちの暮らしを維持するために必要な電力を確保するため、
猿の棲む領域内にある水力発電所を修理して動かそうと、
こう考えたワケだ」

----電気がないと、
世界のどこかにまだ生きている可能性がある
他の人々との連絡さえも取れなくなるからだったよね。
それにしても、原子力発電所が壊滅というのがリアルだったニャあ。
「う~ん。
それはリアルかどうか…。
原子力発電所がすべて壊滅していたら、
こんな形で、猿も人間も生き残れてはいるとは
とても思えないもの。
と、まあ、このことに関わらず、
細かいアラはまだいくつもある。
たとえば
猿に不信感と怨みを持っている男を、
二度目もまた同行させることもそう」

----これは、もう絶対に無事には済まない。
フォーンだって、すぐに分っちゃたもの。
「で、想像した通りやはり問題が起こる。
映画がまだ封切られたばかりで未見の人も多いから、
これ以上は詳しくは言えないけど、
この新たな人類と猿の戦争勃発の影には、
過去の怨念>からくる相手への<根強い不信>がある」




----しかも、それは<裏切り>の形をとって表面化するんだよね。
「そう、こここからはもう一気呵成。
大スペクタクル・アクション。
人類の棲むコミューンを、馬に乗った猿が襲撃。
まるで、かつての西部劇によくあったインディアン襲撃のように…」




----そう、あそこはスゴかったニャあ。
旧シリーズの方は、
いま観ると、まだのどかというか…。
「うん。
ここがいわゆる技術の進歩というヤツ。
さて最初の話に戻そう。
フォーンが言うように
ここに描かれている、怨念、不信、裏切りといった
一部の人(猿)の悪意から戦争へなだれ込むという構図は、
確かに、そう目新しいものではない。
でも、日本を含む今の世界は
そういう危うい状況の中、
バランスが崩れないように必死に保とうとしている人たちと、
隙あらば、それを壊してしまおうという者がいる。
シーザーは、
いったん均衡が崩れてしまうともう終わりだと考えている。
なぜって
いったん仕掛けられたら最後、
決して許さず報復に出るのが人間だということを知っているからだ」

----つまり人類が平和を維持するには
細かい神経と努力がが必要ということだニャ。
「そうだね。
あるときは忍耐も…。
シンプルだけど、力強いこのメッセージ。
それを寓話の中に描く。
こノ映画はまさしく
元祖『猿の惑星』のDNAを受け継いだ作品と言えるね」




フォーンの一言「『新』であると同時に『真・猿の惑星』でもあるのニャ」身を乗り出す
※このシリーズ、どこまでいいくのか期待は大だ度


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画像はオリジナル・ポスターより。

『ジャージー・ボーイズ』

2014-09-14 17:49:49 | 新作映画
(原題:Jersey Boys)


「さて、
今日はぼくの中で、
本年度の一、二位を争う作品『ジャージー・ボーイズ』のお話」

----えっ、“ジャージー”…
“ジャージ”じゃニャいの?
「フォーン、とぼけているでしょ。
それは『ジャージの二人』、日本映画の方。
こちらは、ブロードウェイでロングランヒットを記録したミュージカルを
大御所クリント・イーストウッドが映画化した超話題作」

----へぇ~っ。
イーストウッドがミュージカル?
ちょっと想像つかないニャあ。
「うん。ぼくもご多分にもれず
子どもの頃にTVで『ローハイド』を見ていたクチだけど、
まさか彼が将来、
アカデミー作品賞受賞作を2本も監督した上に、
80歳を超えてミュージカルを作るなんて夢にも思わなかった。
いや、このことを想像した人は、
当時皆無と言ってもいいんじゃないかな」

----しかし、どうしていまミュージカル?
「う~ん。
正直言って、ぼくもそれを正しく言いあてることはできない。
ただ、この作品を観て感じたのは、
イーストウッドは、
映画で何かを言うということよりも、
“映画そのもの”が好きで、観る人にそれを楽しんでほしいのではないかということ。
振りかえってみれば『ローハイド』以降、
イタリアに渡り、セルジオ・レオーネの下でマカロニウエスタンに主演。
アメリカに凱旋後は、ドン・シーゲルの下で刑事映画への出演でその活躍の場を広げていく。
そして、監督第一作『恐怖のメロディ』がサイコホラー。
以後、ロードムービー、SF、サスペンスと、
ほとんどのジャンルムービーを手掛けた彼にとって、
残っていた監督領域はミュージカルだった…と、
こういうことじゃないかな…と。
そんな中、
ザ・フォー・シーズンズ『シェリー』の大ヒットを飛ばし、
グループの崩壊後も名曲『君の瞳に恋してる』を放ったフランキー・ヴァリの半生を描いたこのミュージカルは
願ってもない出会いだったんじゃないかなと…。
なにせそこには夢あり、仲間との絆あり、
栄光と挫折、そして再起あり。
もちろん、恋もあれば家族の葛藤もある。
で、その中心にはファルセットボイスの天才歌手がいる」

----ニャるほど。
ドラマがいっぱい詰まっているワケだ。
「そう。
そして名曲の数々がね。
歌の入るタイミングなんかも、
映画のだいご味を知り尽くした彼だけあって、
ここぞというところでビシっと決まる。
そして何よりも嬉しいのは、
60年代ゴダール、あるいは今でもウディ・アレンが時折見せる
第四の壁を破る”手法を
オリジナルのミュージカルそのままに、
映画に取り入れていること」

----ニャに、そのニャんとかの壁って?
「ほら、演劇とか映画って
観客とドラマの間には、
ここからは別世界ですよという見えない壁があるでしょ。
で、観客はそのことを暗黙の約束として観ている。
ところが、これをたとえば表現サイドが
登場人物が観客に向かって喋ることなどによって破っちゃうワケだ。
これって、さっきのゴダールやウディ・アレンだから活きる大技。
下手にやるとしらけちゃう」

----それ、
オーソドックスな映画では
確かに観ないよね。
「でしょ。
製作当時83歳のイーストウッドが
この手法を自作に取り入れちゃう。
ぼくは、このしなやかさにとにかく驚いた。
で、それを冒険としてではなく、
映画を楽しむための一手段にしている。
そして訪れる圧倒的フィナーレ。
最近は“シネフィル”なんて言葉がはやっているけど、
彼にこそ、それはふさわしいと、心底思ったね」




フォーンの一言「ジョー・ペシが変わった出演の仕方をしているらしいのニャ」身を乗り出す

「ローハイド」もだ度

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『ミリオンダラー・アーム』

2014-09-09 15:13:01 | 新作映画
(原題:MILLION DOLLAR ARM)

----いつの間にか、
火曜日がブログ更新のようになっちゃったニャあ。
で、今日はニャんにのお話?
「うん。
『ミリオンダラー・アーム』
意外と言っては映画に失礼だけど、
これはなかなか楽しめる一作」

----それって
“ミュージカルじゃないインド映画”ということで
話題になっているヤツ?
「う~ん。
半分は当たっているけど、
根本的なところに間違いがある。
これは、確かにインドもその舞台になるし、
インドの俳優も出てはいるけど、
れっきとしたハリウッド映画。
なにせ、ディズニー配給…」

----へぇ~っ。
どういうお話ニャの?
「では、まずそこから。
主人公はスポーツ・エージェントのJB・バーンスタイン(ジョン・ハム)。
自分の小さな会社に莫大な利益をもたらしてくれるはずだったクライアントを失い、
いまや失意のどん底の彼は、
自宅で何気なく回していたチャンネルの中に、
スーザン・ボイルの歌に熱狂する観衆、
さらにはクリケットの試合の番組を見て、
突然、天啓がひらめく。
クリケットが盛んなインドには
剛速球を投げる逸材が埋もれているのではないか?
しかもインドの人口は約12億。
ここでメジャーリーグを目指すコンテスト形式の番組『ミリオンダラー・アーム』を開催すれば、
注目度もアップするし、一石二鳥だと…。
かくして彼はインドへ飛ぶが…」

----ニャんだか、嘘みたいなお話。
「ところが、これが実話。
この手の作品の恒例となった
映画のモデルの人たちの紹介もエンドクレジットできちんと行なわれるしね。
さて、そのインド人初のメジャーリーガーを目指すのが、
リンク(『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』のスラージ・シャルマ)と
ディネシュ(『スラムドッグ$ミリオネア』のマドゥル・ミッタル)のふたり」

----ニャるほど。
それじゃあ、演技の方は申し分なしだね。
「そう。
しかも、彼ら演じる青年ふたりのサクセスストーリー以外にも
インドのカオス的な熱気あり、主人公の人生のアップダウンあり。
さらには、それまでビジネスにしか目がいかなかった彼の生き方を変えさせる
ひとりの女性ブレンダ(レイク・ベル)との愛の深まりありと、
見どころはいっぱい」

----でもほんとうに全部が実話ニャの?
「さあ、どうだろう?
JBがふたりのことを
家族のように思いやるようになる過程を映画に取り入れると言うのは、
この手の作品の王道だからね。
でも、ぼくがこの映画でとにかく驚いたのは、
アメリカにはとんでもないことを考えつく人がいるんだなという、
映画以前の部分。
で、それをきちっと一本のエンタテインメントに仕上げるハリウッドの企画力。
こういうのが日本でもどんどん生まれると、
もっと映画も楽しくなるんだろうけどね」




フォーンの一言「そう言えば、大物俳優がひとり出ているらしいのニャ」身を乗り出す

アラン・アーキン。その存在だけで映画が引き締まる度

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画像はオフィシャル(壁紙ダウンロードサイト)より。

『エクススペンダブルズ3 ワールドミッション』

2014-09-02 14:25:25 | 新作映画
(原題:EXPENDABLES3 )

「さて、今日は話題のアクション巨編第3弾」
----あっ、『エクスペンダブルズ3』だ。
この映画、
アメリカではあんまりヒットしていないって聞いたけど…。
でも観た人の評判はいいみたいだよね。
「いやあ、みんなが褒めるのは分るね。
このシリーズ、基本は1960年代に量産された戦争活劇
それを、80年代にブームを巻き起こしたマッスル系のアクションスター、
その代表とも言えるシルベスター・スタローン
一団を率いて21世紀風に作りなおしたもの。
怒涛の展開の中、
細かいところなんてまったく気にする必要はない。
そう、これは“ありえない”こと自体を楽しむ映画なんだ」

----だけど、
ここまでたくさんのスターが出ちゃうと、
収拾がつかなくなるんじゃニャいの?
やはり、それぞれに見せ場は必要だし…。
「いやあ。
そこがまた巧く考えてある。
これまでのシュワルツェネッガー、ジェイソン・ステイサム、
ドルフ・ラングレン、ジェット・リー
らに加えて
今回はメル・ギブソン、ハリソン・フォード、ウェズリー・スナイプス
そしてアントニオ・バンデラスと、大物だけでも4人も参加。
さらには『トワイライト』シリーズのケラン・ラッツら若手も加わる。
世代的にもまったく違うし、普通だったら、とっちらかってしまいそう。
ところがそれを物語に見事に取り込んでいるんだ」

----どういう風に?
「まあ、よくあると言えば、よくある話なんだけどね。
バーニー(スタローン)に下されたCIAの作戦担当ドラマ―(ハリソン・フォード)からのミッション。
それはかつて共にエクスペンダブルズを結成した仲間であり、
現在は悪に染まったストーンバンクス(メル・ギブソン)の捕獲作戦。
エクスペンダブルズの弱点を知り尽くしたストーンバンクスの前に、
決して若くないチームの仲間たちの身を案じたバーニーは、
チームを解散し、若いメンバーと新たにチームを組んで挑むのだが…」

----でも、それじゃあ、
旧メンバーの活躍は前半で終ってしまうじゃニャい。
観ている方もそうだけど、
第一プライドが高い彼らが納得するはずがニャいよ。
「そういうこと。
もちろん、彼らが再び戦地に赴くキメの瞬間が用意されている。
横一列にズラリ並ぶ勇者たち。
そのキメの構図がもたらす映画的興奮。
この作品は、ストーリーと<画>がこのように渾然一体となり
至福の時を紡ぎだしていくんだ」

----ニャるほど。
その話だと、
ハリソン・フォードは裏方のようだけど、
アクション・シーンはあるの?
「嬉しいことに、これがあるんだな。
彼自身、飛行機操縦の免許を持っている。
映画の中ではそれをいかし、
窮地に陥ったエクスペンダブルズの支援に向かう。
実は、このシーンは『スター・ウォーズ』ハン・ソロへのオマージュがある。
後にはチューバッカに最も近い(失礼)俳優が乗っているよ。
オマージュと言えば、これはどちらかといとイメージ・パロディに近いけど、
シュワルツェネッガージェット・リーのコンビは『ツインズ』を思い出したね。
他にも俳優の生かし方ひねりを聞かせている。
冒頭のドクター・デス(ウェズリー・スナイプス)の救出シーンでは、
実生活でも脱税で収監されていたスナイプスの実話を織り込んでいる。
一方、バンデラス演じるガルゴはやんちゃ。
自分をどうにかしてエクスペンダブルズに入れてもらおうと
口八丁で売り込む。
と、これもバンデラスの本作出演に至るバックステージと重なる。
とは言え、やはり見どころはメル・ギブソン
『ブレイブハート』で作品賞、監督賞も受賞し、
実力・実績共に申し分ない彼だけど、
ここでは出世作『マッドマックス』を思わせるギラギラした男の魅力を振りまいてくれる。
しかも寸分も妥協しない<悪>そのもののね。
本人も楽しんでいたんじゃないかな。
ともあれ、彼の演技がこの映画に厚みを持たせている。
そして21世紀、まさに今のSFXを駆使した
大スペクタクルシーンがクライマックスに。
ここはスタローン『クリフハンガー』が頭をよぎったね」

----ニャんだ、結局
オールドパワーが頑張って言ってことじゃん。
「そう。
だから最後に流れるのが
ニール・ヤング
おっと、これは言っちゃいけなかったかな」




フォーンの一言「オールドファン大満足なの映画なのニャ」身を乗り出す
※西部劇を思わせる、スタローンの腰撃ちも見モノだ度

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