ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

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『あの頃、君を追いかけた』

2013-07-30 14:16:18 | 新作映画
(原題:那些年,我們一起追的女孩)

※カンの鋭い人は注意。
※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。



----これって久しぶりに、えいが泣いたとか言っていた
あの台湾の映画だよね?
「そうだね。
まあ、そのすぐ後に、
フォーンによってもっと泣かされたわけで、
しばらく忘れていたんだ。
でも、やはり話しておきたいなと…」

----台湾の青春映画だと、
『九月に降る風』とかが思い出されるけど……。
「うん。
そのどちらにも共通して出てくるのが
日本の若者文化の影響。
ぼくら日本の若者がアメリカの映画や音楽を好きになることが多いように、
台湾の高校生たちは
アニメからアダルトに至るまで、
日本に目を向けている。
以前に観た台湾のドキュメンタリー『台湾人生』でもそうだけど、
台湾には親日的な人が多いねだね」

----中国や韓国とは違うってこと?
「いや、それはどうだろう。
ぼくが出会った中国・韓国の人たちも
かなり親日的だったけどね。
日本語も龍中に喋るし、日本に憧れている。
それってなぜかを尋ねたことがあるんだけど、
その韓国の彼によれば
アメリカに向かう前に日本がある…というんだね。
この地理的な考え方は初めてで、なるほどと…」

----ふむふむ。
あれれ、この映画から遠ざかっているニャあ。
「ゴメンゴメン。
実はこの映画、そのストーリーは大したことがないんだ。
『九月に降る風』に比べて女性の位置付けが大きくなっていることくらいで…。
どこの国の若者にも共通する
自分たちのマドンナへの憧れ。
さあ、だれが彼女と結ばれるか…って話」

----ということは、これは集団劇だニャ。
「そういうこと。
しかもそのグループを構成するのは、
特にカッコよくもカッコ悪くもない主人公コートンを中心に、
NBA選手のトレーディングカード集めが趣味のナルシスト、
常に下半身が緊張しているむっつりスケベ、
無意識に股間を掻いてしまう困り者、
そしてこの手の映画には欠かせないおデブちゃんら。
そこで起こる事件もたわいもないことばかり」

----たわいもニャいって?
「う~ん。
ここで書くのははばかれるけど
いわゆる性春の悶々ってヤツ。
それが教師に見つかったことから
コートンはヒロイン、チアイーの勉強指導を受けることになるんだ。
でもそれってチアイーにとっては迷惑な話。
ところがある日、
教科書を忘れて教師から叱責を受けそうになったチアイーの身代わりを
コートンが買って出たことから、
ふたりの中は急接近していく」

----できすぎ。
いや、逆だ。
よくある話だニャ。
「まあね。
さて、ところがこれもよくある話で
コートンはチアイーが自分を本当に好きかどうかの自信が持てない。
やがて、ふたりは別々の大学に進み…。
と、どこまで行ってもお定まりのパターンから抜け出せない映画。
ところがこれがラストのラストで突然、突き抜けてしまう」

----それがニャにかは言えないんだよね?
「う~ん。
これは何も知らない方がいいんだけどね…。
実は、この瞬間、
周りでは複数のどよめきが…。
それも男性の…。
あ~、やっぱり言えないな」


「青春は恥と後悔と初恋で作られる」(うまいキャッチコピーだな)

                    (byえいwithフォーン)


フォーンの一言「そう言われると、よけい気になるのニャ」身を乗り出す

※じゃあ、これだけ。それはキス。おそらく映画史に残る名キスシーンだ度

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『キャプテンハ-ロック』

2013-07-28 17:39:23 | 新作映画

※カンの鋭い人は注意。※映画の核に触れる
部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。




----えっ。こんな難しいのやっちゃっていいの?
アニメは鬼門でしょ。
確か、『ベクシル 2077 日本鎖国』のときなんか、
気に入っちゃって
ペラペラ喋ったら、
周りからがっかりされたじゃニャい。
「この人はSFやアニメの知識がない」って…。
「さすが、フォーン。
よく覚えているね。
これだからこのブログのお相手は
フォーンじゃなきゃ務まらない」

----そんなことどうでもいいから、
ぼくの質問に答えてよ。
それでもこの『キャプテンハ-ロック』を喋ろうとするわけを…。
「じゃあ。
まず自分にとっての松本零士から。
それは何はさておき『男おいどん』
もちろん連載漫画の方ね。
あれは辛かったなあ…(遠い目)」

----ガクッ。
ほらほら。
『銀河鉄道999』でさえ、
それほど思い入れがないのに、
どうしてこれにしたの?
「そこがひとつのポイント。
『999』を軸に、
松本零士の世界を語る人には
おそらくこの『キャプテンハ-ロック』は不満だらけかも。
だって、声優をだれがやるかだけでも
発表に際して、
『それは違うだろう』の声が吹き荒れていたもの」

----予告を観たときも
あまり期待していなかったよね。
「そうだね。
あの予告には松本零士作品特有のリリシズムがまったく感じられなかった。
リアルな<画>を追求したことで、
宇宙のロマンは二の次、
ハードなスペースオペラへとなっているのではないか、とね」

----監督が荒巻伸志というのも話題だよね。
確かハリウッドから招かれて
スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン』の監督も務めていなかった?
「そう。
あの映画も、ぼくにはまったく受け付けなかったんだけど、
でもそのとき感じた“あること”だけは覚えている。
それは、ここまで背景がリアルに描かれると、
実写映画において、もうセットなんていらなくなるんじゃないか、
俳優と合成するだけで映画ができちゃうんじゃないか…
ということ。
この『キャプテンハ-ロック』では、
その俳優さえもなくなり
すべて3DCGで描かれていく」

----でも、それはおかしな言い方だよ。
これはオール3DCGアニメだから…。
でもさ、ほら
昔、よく言われた“不気味の谷”はクリアされたの?
「そこがひとつのポイント。
肌の質感さえも感じさせるほどリアルなのに、
不思議とその不気味さがない。
どうやらこの映画にはモーションキャプチャーのさらに先、
俳優のエモーショナルな部分さえもキャプチャーできる
フェイシャルキャプチャーというのが使われているらしい」

----フェイシャルキャプチャーって
これまで聞いたことあったかニャあ。
「プレスによると
『ホビット』シリーズ、そして『猿の惑星・創世記<ジェネシス>』に使われているみたい。
繰り返しになっちゃうけど、
この映画の最大の特徴、
それはフェイシャルキャプチャーかもしれないね。
何度も言っているように、
ぼくはそっちのプロではないし、
こんな技術、ハリウッドに比べれば実は大したことないのかもしれない。
でも、日本のアニメではやはり画期的。
ロバート・ゼメキスのアニメが
内容よりもその革新的技術で目を引き付け、
結果的に、映画としての評価軸の置き場所が難しいように、
この映画も、まずはそこに心奪われてしまう」

----ニャるほど。
それじゃあ、原作ファンは怒るかもニャあ。
<線>=<一次元>が魅力の松本零士が
<三次元>の世界へと変わっちゃうワケだもの
「う~ん。
ファンほど嫌がるかも。
リアルにすればするほど
原作の味から遠ざかるワケだから…
ぼくなんかは、
宇宙でのバトルも重量感が感じられ、
けっこう好きなんだけどね。
とは言え、細かいこと言いだしたらキリはない。
たとえば宇宙での艦から艦への人の移動、
これがよく分からない。
気づいたら敵艦に潜入していたり、
あるいは捕虜になっていたり…。
こういうところは『スター・トレック イントゥ・ダークネス』はさすがに上手いね」

----だって、あれは瞬間移動を使うじゃニャい(笑)。
「" style="line-height:160%;">「確かに。
あと、少しだけ真面目なことを言えば、
これは3.11以降の日本に対する
自分たち一人ひとりの考えを問うている映画でもあるんだ。
あまり言うとネタバレになるけど、
ここで明らかになる地球のほんとうの姿、
それをどうとらえるか…。
元老たちとハ-ロックは真っ向から対立する。
まあ、これについては観てもらってからがいいだろうな

「あいかわらずストーリーは無視なのニャ」ご不満


※だって、それがこのブログ『ラムの大通り』だ度

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『パシフィック・リム』

2013-07-25 22:05:25 | 新作映画
(原題:Pacific Rim)


----おっ、いよいよ再開だニャ。
そういえば、今日、来てくれたんだよね。
「うん。いわゆる初七日だしね。
四十九日まで待つのは
フォーンの性格からしてもイヤかなと…」

----で、最初はやはりあれ?
『パシフィック・リム』
「そう。
延ばし延ばしにしていたからね。
そのうち、フォーンは旅立つし(およよ)。
まあ、リハビリで始めるにはちょうどいいかなと…」

----でもこの映画って、
中途半端なこと喋ったら、
いわゆるロボットのオタク系の人とかに
突っ込まれてしまうんじゃニャいの?
「そうなんだよね。
ぼくはガンダムエヴァンゲリオンもテレビで観てないからね。
でも、それでも興奮したんだ。
さて、それはどの部分かについて喋ってみようかと…」

----この映画って
ストーリーの紹介を読むと、
「2013年、突然未知の巨大生命体が太平洋の深海から現われる…」
書いてあるようだけど…。
「そう。
で、実はそこからして驚き。
これは喋っちゃっていいのかな。
映画は、すでにそこでの戦いが
いったん終了しているんだ。
この始まり方がすでに前例を見ない」

----どういうこと?
「人類はこの事態に対応すべく
一致団結して生命体に対抗可能な人型巨大兵器イェーガーの開発に成功。
その開発過程などは描かれない」

----つまり、もうすでに映画の最初から
戦いが始まっているってワケだね。
ん?
でもそれって『スター・ウォーズ』もそうだったよ。
「あれれ。
あっ、そうだ。
さすがフォーン。
ということはこの映画も
後に『エピソード1』が作られたりするのかな?
まあ、いいや。
つまり、この映画、
物語としては
人類側の大逆襲、巻き返しから始まるんだ。
しかしそれは失敗に終わてしまう。
そしてパイロットの主人公は一線を退き、
別の仕事につくことに。
ところが、あれやこれやあって
人類はもういちど、このイェーガーに賭けてみようと…。
なんて、細かいエピソードは置いといて…。
ぼくがこの映画に引かれたのは
その劇画チックにダークな映像
そこから生まれるホラー映画にも似た恐怖感
ぼくは観ながら、
なんと
『フランケンシュタイン対地底怪獣』
そして『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』を思い出していたんだ」

----それはまた古いニャあ。
「でも、この2本は
数ある東宝怪獣映画の中でも
恐怖感では抜きんでていたからね。
実はぼくは平成ゴジラ以降の怪獣映画が
金子修介監督『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』を除いては好きではない。
平成ゴジラは、
映像がクリアな半面、平ったい。
奥行きが感じられないんだ。
しかも怪獣を撮るキャメラが真横からだったりで
その巨大さに対する畏怖さえもない」

----そういえば
『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』ではバラゴンが出ていたよね。
金子修介監督も
『フランケンシュタイン対地底怪獣』が好きなのかもね。
「そうだと思うよ。
だからぼくは、
今度来日するギレルモ・デル・トロ監督には
金子監督と対談してほしいんだ」

----ロボットの方だけど、
イェーガーってふたり乗りニャんだって?。
「そこもオモシロいんだよね。
乗員ふたりがうまくマッチしないと
力を発揮することはできない。
それどころか、
片方がダメージを受けると
それがもうひとりにも伝わってしまう。
そうそう、こののイェーガーの中に、
『鉄人28号』で見たようなフォルムのロボットが…。
あとで、フライヤーを読んだら、
なんと、
デル・トロ監督が好きな作品に
この『フランケンシュタイン対地底怪獣』『サンダ対ガイラ』
そして『鉄人28号』まであげられていて、
ヤッタネ!って感じだったな。
そうそう、この映画は
本多猪四郎監督とレイ・ハリーハウゼンにも捧げられているんだ」

----えっ、着ぐるみとか
ストップモーション・アニメとかもあるの?
「さあ、それはぼくには見極めつかないけど、
周りでは
『着ぐるみありましたね』なんて会話も交わされていたなあ。
それはさておき、
とにかくぼくがここで強調したいのは
テクニカラーを思わせる色味と、
そこから醸し出される恐怖感。
まあ、このフォルムはなになにだの、
この技はなになにだのと言ったことは、
もっとマニアックに、
たとえば映画秘宝の筆者の方たちが語ってくれると思うから、
そちらに任せるよ」

----なにせ、えいは
イェーガーと聞いて
『ライトスタッフ』のチャック・イェーガー
思い出す、
その程度だものニャ。
「mmmmm……」


「久しぶりに話聞いたら、やっぱりおおざっぱだったニャ」もう寝る


※タイトルは『パシフィック・リム 地底怪獣最後の決戦』がいい度

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『2013年7月18日、フォーン 新たな旅立ち』(2)

2013-07-20 14:21:56 | Weblog

(最後に撮ったツーショット。まさか記念の一枚になるとは…)


「お~い。フォーン、フォーン」
----ニャんだよ。
こんな時間から。
まだ、お昼前じゃニャい?
「あっ、きたきた。
ほら、やっぱ呼べば来る

----ん、そういえば
昨日、お話の続きするんじゃなかった?
「いや、だって
今朝の8時から読経と火葬でしょ。
フォーンも落ち着かないかなあと思って…」

----あっ、そうだった、そうだった。
で、どこまで話したんだっけ。
このブログを始めたあたり?
「そう。ぼくもうっかりしていたんだけど、
実はブログを始めたのは
9年前2004年の7月18日。
10年目を迎えた2013年の同じ7月18日に、
フォーンはお空へ行っちゃった
ってワケ」

----最初の日、覚えているよ。
やはり暑かったよね。
確かタイトルが『今日も暑いにゃあ。(byフォーン)』
「そうなんだ。
最初は、こんな映画ブログにするつもりなくって、
コトリさんの知り合いのお花屋さんが飼っている黒猫さんが
ネットで大活躍しているのを見て、
『フォーンの方が可愛いぞ!』って」

----よく言うよ。
最初はフォーンのこと「みゃん茶!」って呼んで、
コトリさんから「フォーンがかわいそうだ」って。
「いやあ、ほんと悪かった。
まったくキャラが違うのにね。
みゃん茶は今でいうツンデレ。
人見知りが激しく“幻の猫”タイプ。
フォーンは、まったくそんなことなかったものね。
誰にでもなつき、基本的に人間が好きだったよね」

----不憫と言われたりもしたニャあ(笑)。
「みゃん茶がいなくなった後、何が辛かったかって、
トイレのある場所がぽっかり空いちゃったこと。
観葉植物を置いたりしてもみたけど、
かえっていないことを強調してしまう結果に…。
それで今回はそのままにしているんだ」

----トイレか。
ごめんね、おとといは。
せっかく新しいフォーンの砂、買いに行ってくれたのに。
無駄にしちゃって…。
「なに言ってんの。
こっちこそ、もっと早く交換しなくちゃだったよ。
話、元に戻すとさ、
フォーンがぼくの日常を喋るという形で始めた、
この『ラムの大通り』
ところがその日常というのが映画ばかり。
そこで形が会話による映画紹介になってきたんだ。
今確認したら、この9年間で
新作映画が1602本、公開後の映画が 122本。
計1724本の映画を紹介
していた」

----一年に200本近く。
最近は少なくなっていた割には、
ニャかニャかやるじゃん。
途中、会社を辞めたりとか、いろいろあったのに…。
そうそう、始めてすぐの頃、
他の猫さんに入れあげていたでしょ。
確か名前が…。
チップだね。
あれは夜の公園で出会った、やはり黒い猫。
ベンチに座ったら、ひょいと膝の上に。
でも連れて帰るわけにはいかず、
後ろ髪引かれる思いでその場を去って…。
その翌朝も見かけたんだけど、帰りにはもういなかった。
必死で探して、でも見つからない。
ところが4日後、ぼくが通っている総合病院の前で再会。
なんとぼくのこと覚えていて
病院の中まで後をついてくる。
もう、たまらなくなって後先考えず保護したってワケ」

----で、一時預かり先の方のところに。
毎週日曜日、チップに会いに通っていたんだよね。
帰ってきたら、他の猫さんの匂いが付いていたもの…。
「そうだね。
あれもフォーンに謝らなくちゃならいことのひとつだ。
一年後、ようやくチップのもらい先が見つかって…。
それからだね。フォーンをネコ可愛がりするようになったのは。
チップの分までと…」

----う~ん。複雑だけど許してやるかニャ。
「ありがとう(笑)。
そのチップが尿結石でぐったりなっているところを助けてくれたのが
山内アニマルセンターの山内先生。
CTで膀胱に石があるのを確認し、
その場で注射して取り出してくれた。
そのとき、周囲のだれもがチップに『痛くない、痛くない』と言うのに、
先生は『痛いよな。痛いことするんだもの』って。
これぞ名医の言葉だと思ったね。
今回も、こちらの病院に行けば大丈夫と…。
でも休診日だったんだ」

----でも、昨日電話していなかった?
「うん。
なぜ、フォーンがそうなったのか、
今からじゃ遅いかもだけど、どうしても知りたくて…。
もちろん、原因は解剖でもしなくちゃ分からない。
ただ、とても嬉しいことを言ってくれた。
『野生に近い動物ほど、気づいたときはすでに重体』。
自然界で生きる動物は弱みを見せまいとする。
結果、飼い主さんに対しても頑張るって…

----あっ、それ当たっているかも。
ふたりが出かけるまで気を張っていたもの。
フォーンが、えいを最後に見たの覚えている。
「うん。
二階でじっと見ていたよね。
ぼくは階段の陰から、顔を覗かせたり隠したり。
で、フォーンはいつもに比べ神妙な顔。
でも、ちらちらっと、二回コトリさんに目をやったんだ」

----そう。気づかれていたか。
あれは、「この人大丈夫?ぼくがいなくなっても…」の意味。
「えっ。そうだったんだ。
ツンデレみゃん茶のときは、
いつもと違って、その日は仕事に行くぼくを不安げに見て、小さく鳴いて…。
それでコトリさんに電話して
『やはり病院連れて行って』って頼んだんだよ」

----ふうん。
「もっともその二日前に、
家にはないはずの扉をみゃん茶が開けて真っ白な光の方に行く
そんな予知夢みたいなものを見たからってのもあるけど…。
その夢の中でぼくは『お~い、そっちには何もないよ』と。
それで目が覚めた瞬間、
みゃん茶がこの世のものとは思えない『ぎゃ~っ』て声を挙げたんだ」

----その夢の話は、何度も聞いたよ。
で、入院して、
今日は連れて帰れるぞという日に、
自動車事故にあった猫さんを見て、
またまたいやな予感がしたというんでしょ。
「あらら、それも話したっけ。
今回も実は吉祥寺からの帰り、
いつもにもない渋滞に巻きこまれて、
いやな胸騒ぎはしたんだけどね…。
ん、もう一時間もお喋りしている。
新しい世界に慣れないのに疲れたでしょ」

----それはいいけど、
えい、ほんとうに大丈夫?
帽子をかぶっているのをいいことに、
けっこうボロ泣きみたいじゃニャい。
出かけるときも、
フォーンがいつもいたところに
ちらっと目をやったり…。
「亡くなった猫さんに心配されるようじゃ、
もう、人間失格だ」

----(笑)
だから、早く次の猫さんと出会いニャって…。
そして『パシフィック・リム』が始まる前に話してよ。
「おいおい。
そんな冷たいこと言うなよ」

----そうじゃニャいよ。
その中に、フォーンが入るからさ。
そして早く、映画のお話聞かせてよ。
その猫さんに喋れば、
それはフォーンに喋っていることになるし、
その猫さんの質問がフォーンの言葉だよ。
ほら、気づいていなかった?
フォーンの中にも、
みゃん茶が入っていたんだよ。
みゃん茶は、ツンデレで自分から「可愛がって」って言えなかったから
フォーンの中で、その分も可愛がってもらっていたんだよ。

「・・・・・・・・・・。
じゃあ、ひとつだけお願い。
その猫さんにフォーンが入った証拠に、
朝、『お餌ちょうだい!』って、
これまでのように、ぼくの頭を叩いて起こしてよ。
そして顔を見たら『私じゃありませんよ!』と、そっぽを向く、
あの遊びやってよ

----う~ん。難しい注文だニャ。
ま、やってみるか。
まずは布団の中の
えいの足の指を噛むところからだニャ (笑)。

                 
(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「えいは泣き虫だからニャ。抜け毛用の手袋は変えた方がいいニャ」小首ニャ

※指を通した瞬間、感覚が甦る度
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『2013年7月18日、フォーン 新たな旅立ち』(1)

2013-07-18 23:16:52 | Weblog


(もらわれてくる前のフォーン。こんなに小さかった…)


(テーブルの上に手を伸ばすのが好き)



----ニャ、ニャんだよ、この変な匂い?
「これはカリフォルニアセージ
ネイティブ・アメリカンが神聖な儀式のときに使うんだ」

----へぇ~っ。どうしてそんなもの焚いているの。
「えっ。
なぜって、フォーンが旅立ってしまったからだよ。
分かっていて話しているでしょ」

----へへへっ。バレたか。
あまりに急で、ホワイトセージも摘みたて。
乾燥していないんだよね。
全然、燃えないもの。
「まったくフォーンったら。
しかし、今回フォーンの人気にはビックリしたね。
ツイッターで30人を超える人からお悔やみの言葉いただいたよ。
おかげで辛い気持が少し軽減された気がする。
さすがネット時代。
前の猫のみゃん茶のときは
ひとりで耐えていたもの。
でも、急だったね。
車で出かけて、
3時間半後に戻って来たときには
もう息を引き取っていたんだから…。
ごめんね。病院連れて行けずに。
今日休みで、明日行こうかと…」

----う~ん。でももう無理だったかもよ。
あまりにも急だったからね。
「実はコトリさんが
一ヶ月ほど前から『息が荒い』と言っていたんだ。
一回だけだけど、えっえっと咳き込んだというのも聞いていたけど、
フォーン、ぼくの前ではあまりにも元気だったじゃない。
目と目が合うと、出窓から降りてきて、
いつものように頭でゴツン、脚の周りをすりすり
そしてピョンと飛び乗るし…。
でも、昨日、飛び乗ったときの息があまりに荒くて、
えっ?と思ったんだ。
でも、思い返すと、その前から変だった。
帰ってきて、ご飯あげたのに、
そっちには目もくれず、
二階でボクとじゃれていたし。
今日の朝方も一緒にお布団の上でごろりごろり

----フォーン、そんなに頭いい方じゃないけど、
多分、本能的に遊んでいたかったんだね。
ほら、いつもお尻見せて上に乗るのに、
昨日はコトリさんの上で顔見せて
えいを覗きこんでいたでしょ。
「ごめん。
やはりそうだったんだ。
でも、今日は思いっきりなぜなぜ。
みんな、ぼくがあまりになぜるから、
フォーンはいつもピカピカだ!って。
フォーンも、
『こっちもお願いします。あっちもお願いします』って、
なぜている間、首を器用に回すものね。
なぜられるのがほんと好き」

----それはね。
最初の記憶があるから。
ほら、子供の頃、
フォーンは朝早くから大騒ぎして鳴きまくって、
しかも足首に噛みついて

みんなを困らせていたでしょ。
それで、えいはケージに入れて
枕元で
ケージの上から大丈夫、大丈夫って…

「そうだったね。
そういう話、し始めるとキリがないよね。
フォーンがみんなになつくようになったのは、
ぼくらが3日ほど旅行に行って帰って来たとき。
留守中に預けていた某動物病院での扱われ方があんまりで、
ずぶぬれになっていて、
にゃ~にゃ~って甘えて、
その日、ぐっすり12時間は寝たものね」

----あれはひどい思い出だったニャあ。
それに比べたら、ここはどんなに天国かと…。
予防接種でアレルギー反応が起きて
部屋中駆けずり回ったことも
…。
「あれも大変だったなあ。
どうなることかと。
もともと、フォーンは、
捨て猫だったところを拾われたんだよ。
覚えている?
一緒にいたのが、妹の黒猫びわ」

----あっちはしっぽが短かったからやめたんだよね…。
「違うよ。
フォーンは、ぼくとコトリさんの間にやってきて
それこそコトリと寝ちゃったんだ。
気を許しているというか、
それが『ボクをもらって!』と言っているように見えて…。
フォーンは、その方の家で2匹の猫、2匹の犬と一緒に育ったんだよ。
覚えている?」

----うん。覚えているよ
運命は不思議。
それがいつのまにか、
えいの映画の話のお相手になったんだものね。
「じゃあ、
この話はまた明日」

----えっ、明日、火葬場でしょ?
もういないよ。
「いや。
これは冗談じゃなく、
フォーンに限って
肉体はその入れものという気がしているんだ。
なんか、会おうと思ったら、
いつでも会える。
おそらく、それはこうして
いつもブログで喋っていたからだね。
だから、ぼくも少し救われているんだ

----そうか。
じゃあ、えいが怖くないなら
これからもちょくちょく出てこようかニャ。
「そう。
ぼくにとっては猫が化けても怖くない。
みゃん茶とフォーンに限ってだけどね」



「なんか、もう少し哀しんでほしい気もするのニャ」ぱっちり ※そりゃあ、胸は張り裂けそうだ度



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『サイド・エフェクト』

2013-07-11 22:03:23 | 新作映画


(原題:Side Effects)



----この映画って、スティーヴン・ソダーバーグ監督、
最後の劇場映画
と言われているんだって?
彼、まだ若くなかった?
「そうだね。
『セックスと嘘とビデオテープ』
カンヌ国際映画祭パルムドールを史上最年少で受賞したのが26歳のとき。
あれが1989年の映画だから、ようやく50歳ってところ、
以後、アカデミー監督賞に輝いた『トラフィック』が象徴しているように、
そのタッチはソリッド、硬質。
ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、
ジュリア・ロバーツ
らハリウッド豪華スターを結集して作り上げた
『オーシャンズ』シリーズにしても、
律儀というか理詰めなところがあった。
実をいうとぼくはそこが苦手で、
そんな説明にこだわるよりも、
もっとダイナミックに映画を作ってよ…という方なんだけどね」

----ということは、この映画も
あまり好みではなかったということ?
「いや。
そこが意外なもので、
その“最後の劇場映画”に彼が選んだこの作品は、
プレスの言葉を借りて言うなら“ヒッチコック風サスペンス”。
ただ、観ている間は
ブライアン・デ・パルマが頭をよぎったけどね。
ということで、まずはストーリーを紹介しよう。
28歳のエミリー・テイラー(ルーニー・マーラー)は、
最愛の夫マーティン(チャニング・テイタム)をインサイダーの罪で収監され、
幸福の絶頂から絶望のどん底に突き落とされてしまう。
やがてマーティンは出所するものの、
夫の不在中にうつ病を再発させていたエミリーは度重なる自殺未遂を犯す。
そんなエミリーに、
精神科医バンクス(ジュード・ロウ)はアブリクサという新薬を処方。
だが、薬の副作用によって夢遊病者となった彼女は、
眠ったまま自宅でマーティンを殺害してしまう」

----うわあっ。ゾクゾクするようなお話だよね。
「でしょ。
しかも話はここから
とんでもない方向へ進んでいく。
アブリクサを処方したことから、
主治医としての責任を問われるバンクス。
公私ともに窮地に追い込まれた彼は、
自分に瑕疵がないことを証明するべく独自の調査に乗り出す…。
この後段の部分が、
本作『サイド・エフェクト』がこれまでのサイコ・サスペンスとは異なるところ。
同じ陰謀、事件に巻き込まれても
ヒッチコック映画の主人公は、アメリカ紳士から大きく踏み外すことはなかった。
ところがこのバンクスは手段を選ばない。
なにせ、入院しているエミリーの主治医であることを利用し、
彼女へ脅しをかけていくんだから…」

----ちょ、ちょっと待って。
それって、この映画の核心を喋っていることにならニャい?
「確かに。
でも、これについては、
比較的早い段階で気づく仕組みになっているし、
さっきも話したように、
この映画の軸はそこから派生したその先の物語
バンクスの<窮地からの脱出>にあるからね。
それだけに映画が説明的になりすぎているきらいもあるけど、
ぼくとしてはかなり楽しめたね。
『コンテイジョン』『エージェント・マロリー』、そして
『マジック・マイク』。
彼の最近の作品を観ていると、
ソダーバーグの興味、それは
ジャンル・ムービーを自分独自の手法で再構築することにあるような気がするな」


「それで、『ネバーセイ、ネバーアゲイン』と言ったんだニャ」悲しい


※ジュード・ロウの新たな代表作になった度

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『黒いスーツを着た男』

2013-07-09 23:27:25 | 新作映画
(原題:Trois Mondes)



----『白いドレスを着た女』とか『青いドレスを着た女』というのは
聞いたことあるけど、これははちょっと…。
「そうだね(笑)。
おそらく配給サイドとしては
フォーンが今言ったその二作のイメージを借りて
フィルム・ノワールっぽさを出そうとしたんだと思うよ」

----主人公は男ということでいいんだよね。
「もちろん。
主演のラファエル・ペルソナーズは、
本国フランスで“アラン・ドロンの再来”と言われている超美形派。
話が流れたとはいえ、
ロミー・シュナイダーの半生を描く映画で
アラン・ドロン役をオファーされていたというから
これは本物だ。
ただ、ペルソナーズ本人は
ネコ科の動物を感じさせるようなドロンの目ぢからだけはマネができないと
その正直な気持ちを吐露している」

----アラン・ドロンもジャン=ピエール・メルビル監督と組んで
フィルム・ノワールには何本か出ているよね。
「そうだね。
ただ、この映画はそこまで暗黒街っぽいものじゃない。
ということでまずは簡単なストーリーを。
社長令嬢との結婚を10日後に控えたアル(ラファエル・ペルソナーズ)は、
深夜のパリで男を轢いてしまう。
友人らに促され逃走する彼だったが、
その一部始終をアパルトマンの窓からジュリエット(クロチルド・エム)が目撃していた。
翌日、病院を訪れたジュリエットは昏睡する夫の妻ヴェラ(アルタ・ドプロシ)に会う。
さて、これがアラン・ドロンだと、
おそらくビクビクしたりはせずに、
冷静に計算して事後処理に当たるはず。
ところがペルソナーズ演じるアルは、
良心の呵責にさいなまされ、病院を訪れてしまう。
しかし、そこに居合わせたのがジュリエット。
何を思ったか、
彼女はアルのオフィスにまで押しかけて
自分は事故を目撃していることを告げるんだ」

----えっ。交通事故とは言え、
相手は轢き逃げするような男だよね。
怖くニャいのかな?
「そこがこのペルソナーズのキャラ。
ドロンほどの翳りはなく、
でも誰もが降り変えずにはいられないほどのハッとするほどの美貌を持っている。
そのときジュリエットの中に沸き起こった気持ち、
警察に言えばいいのにそうしないところが、
この映画のうまさ。
これはラファエル・ペルソナーズだからこそ
成り立つ物語とも言えるだろうね。
彼に近づくジュリエットにしても
ヴェラにその話をするでなく、
自分でアルと交渉して解決しようとする。
おそらく彼女は自分だけが
彼のことを知っているという特別な位置に立ちたかったんだと思う」

----う~ん。複雑だニャあ。
「でしょ。
お話自体はありふれているのに、
それぞれの局面で
彼らが取る行動がちょっと読めないんだ。
そこがありきたりの映画とは違う」

----へ~っ。監督は誰ニャの?
「女性監督のカトリーヌ・コルシニ
彼女は共同脚本も手がけているけど、なるほどって感じだね。
描き方が女性目線。
そうそう、彼女は
ルノワール監督の『ゲームの規則』の中の
『人はみな、それぞれに理由がある』という言葉の意味を考えながら
この映画を撮っていたらしい。
それと、オモシロいのはラスト。
そこでは追加撮影による、ワンカットがプラスされている。
ところがペルソナーズはすでに次の作品の撮影に入っていて
その役のために生やした髭を今更剃ることができない。
で、仕方なくそのままキャメラの前に…。
ところが、それがここでは実に素晴らしい効果を発揮している」

----ニャるほど。
偶然の女神もこの映画にほほ笑んだというワケだニャ。


「これ、アラン・ドロン=ミレーユ・ダルクだったらどうなってたかニャ」複雑だニャ



※アラン・ドロンだったらもっと自分の美貌を自覚している度

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『ワールド・ウォーZ』

2013-07-07 18:56:38 | 新作映画
※ネタバレ注意。
※映画の核に触れる
部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。



(原題:World War Z)



「実は、喋りたい映画がけっこうたまっているんだけど、
今日はまず、この『ワールド・ウォーZ』にしようかな」

----mmm。これって確か
ゾンビ映画の超大作というヤツ。
ブラッド・ピットまでゾンビものに出るなんて…
って、ちょっとしらけていなかったっけ?
「(汗)。
それはそのとおり。
ぼくは、正直言って
そんなにゾンビ映画への思い入れがある方じゃない。
ドラキュラならまだ分かるけど、
なぜ、こんなにゾンビに人気が集まる野か、
いまもって不思議」

----でも、ゾンビ映画のブームを作った
ジョージ・A・ロメロ監督
『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』
もはやカルトになっているよね。
当時の社会の不安を反映しているとか言われたような…。
「そうだね。
ただ、日本に上陸したのは
その後日談にあたる『ゾンビ』の方が早かった。
ぼくはこれ、
確かヤクルトホールで観たんだけど、
いやあ怖かったね。
昨日までは味方だったはずの人が
明日はゾンビとして自分を襲ってくる。
舞台をショッピングモールに限定したことで
密室ホラーとしても成立していた。
日本でも大ヒットしたこの映画をフックに、
以後、ゾンビはさまざまに枝分かれして発展していく。
その中には、ダン・オバノン監督によるパロディ続編、『バタリアン』
トム・サヴィーニ監督によるリメイク、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世記』なんてのも生まれた。
いまでも続く人気シリーズ『バイオハザード』にしろ、
サム・ライミ監督の名を高めた『死霊のはらわた』にしろ、
いずれもゾンビ映画。
いまやオスカー監督となったダニー・ボイルの 『28週後…』だってそうだ」

----ちょ、ちょっと前置きが長くニャい?
「ゴメンゴメン。
なぜ、ここまで喋ったかと言えば、
この『ワールド・ウォーZ』
これらゾンビ映画の歴史の上に、
その記憶を惜しげもなく投入して、
一大スペクタクルへと仕上げているところ。
たとえば、オリジナルのゾンビは動きもスロー。
ところがここでは、
『ドーン・オブ・ザ・デッド』に出てきたような
“走る”ゾンビが主流に。
凶暴度もより激しく
感染したゾンビが四方八方に飛びかかることで
街中が大パニックに陥ってしまう。
さて、ここで物語を整理しよう。
主人公はフィラデルフィアに住む元国連調査官のジェリー(ブラッド・ピット)。
妻とふたりの娘たちを守りながら安全な場所を探そうとする彼だが、
国連からの要請で
感染を断つためのワクチン開発に協力せざるをえなくなる」

----その言い方だと、
ほんとうは乗り気じゃないってこと?
「そう。
そこがミソだね。
彼としては
人類救済の大義よりも家族の方が大切。
いあゆるアメリカらしい個人主義」

----それじゃあ、戦うはずニャいような…?
「ところがここがこの映画のうまいところで
ジェリーはその家族を人質に取られてしまうんだ」

----えっ、ゾンビが人質を?
「いやいや。
そうじゃなくて、国連が…。
ネタバレ防止で詳細は避けるけど、
そこから彼の八面六臂の活躍が始まる。
韓国、イスラエル、そして
飛行機上でのサバイバルを経てイギリス、ウェールズへ。
この映画が素晴らしいのは、
それぞれの場所において
一つひとつが異なるタイプのアクションとサスペンスを用意しているんだ。
なかでもイスラエルにおけるゾンビ柱には
だれもが息を飲むと思う。
実を言うと、
あまりにもご都合主義すぎるというか、
これで主人公が生き延びるはずはないだろう?と
ツッコミを入れたくなるシーンもないではないけど、
まあ、ヒーロー映画として観たらそれもありかなと…」

----だけど
ワクチンなんて耐性ができてしまったら
もう効かなくなるんだよね。
続編を作るにはいいかもだけど、
どうやって終らせるんだろう。
「う~ん。
それもやはり詳しくは言えないけど、
ゾンビの弱点というか、
ゾンビでも人を襲わないケースもある…
この逆転の発想にもぼくは感心。
難を言えば、この手の映像には
3Dはあまり意味がないかなと…。
次に見るとしたら、ぼくは2Dだな」



「オリジナルポスターも話題になったのニャ」悲しい


※エッフェル塔から猫が落ちている、あれ本物か怪しい度

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『トゥ・ザ・ワンダー』

2013-07-04 22:00:10 | 新作映画
(原題:Song for Marion)




「さて、
今日はチャチャッと喋っちゃうかな」

----えっ。あのテレンス・マリック監督の映画でしょ。
そんなことしちゃっていいの。
第一、理解しているかどうかだって怪しいのに…。
「(汗)
そう言われると、
返す言葉もないじゃないか。
でも確かにフォーンが言うように、
ぼくがこの映画を理解しているとは到底思えない。
とは言え、じゃあつまらなかったのかと問われると、
いや、自分なりに見どころはあった…と、
そう答えたくなる映画なんだ」




----それって
ストーリーとかじゃないよね。
「もちろん。
チラシにもプレスにも
ストーリーは簡単にしか載っていない。
というのも、これってあまりにもありふれたお話なんだ。
簡単に言えばこうなる。
映画は、フランスのモンサンミシェルで幕を開ける。
アメリカからやってきたニール(ベン・アフレック)は、
そこでバツイチで一人娘を抱えるマリーナ(オルガ・キュリレンコ)と出会い、深く愛し合う。
しかし、アメリカに渡りオクラホマで新生活を始めた彼らの幸せな時間は長く続かない。
やがて、マリーナへの情熱を失ったニールは
幼なじみのジェーン(レイチェル・マクアダムス)に再会し、
心奪われてゆく。
このプロットに、これまたよくある
信仰の前に葛藤するクインターナ神父(ハビエル・バルデム)の物語が
タペストリーのように絡み合っていく」

----確かによく聞くような話。
ということは映像が素晴らしいの?



「もちろん映像は、
非の付けようがない美しさ。
自然光にこだわるテレンス・マリックらしく、
かのマジックアワーを始めとして、
夕陽の前後を中心に、
手持ちカメラで捉えた息を飲むように美しい映像が間断なく続いていく。
かつて、
フランスの映画批評家
アレクサンドル・アストリュック
こんなことを言っている。
映画は目に見えるもの、映像のための映像、
物語の直接的で具体的な要求から次第に解放され、
ちょうど書き言葉と同じくらい柔軟で繊細な書くための手段となるだろう

(Wikipediaより)
これはカメラ=万年筆論と呼ばれる、
ちょっと映画をかじった人なら必ず目にする一文
この映画を観ながら、ぼくはこの懐かしい言葉を思い出したね」

----つまり、何十年も前に予言された
映画理論がいま実践されているということだね?
「そういうことだね。
もちろん、カメラを自在に扱う監督は他にもいないワケじゃない。
でも、やはりこのテレンス・マリックは特別。
ぼくはこの映画についてツイッターで
このように呟いた。
テレンス・マリックという人、
まったく別の惑星に住み、映画が独自の発展を遂げた中で作っているのではないか?
新作『トゥ・ザ・ワンダー』。
感情の流れを追ってその上に物語を構築するのでなく、
ある瞬間を写し取ることで映画の中には描かれなかった時間における感情を掬い取る
』。
この映画はこの姿勢で一貫しているんだ。
主人公ふたりの関係性のターニングポイント、
もっともドラマチックとなるはずのそれには
マリックは興味を示さず、
逆に、その後何度か繰り返されたであろう諍いの方をフィルムに焼きつける。
それによって、
二人の間に、ある<事件>があったのだな、
いや、次第に関係性が<悪化)したのかも…と観る側に推測させる。
いわゆる<結果>ばかりが表面に描かれているんだ。
しかも映画を構築する<音>としては
過剰なほどの音楽、
主人公たちのモノローグ、
そして『ニュー・ワールド』のエンドクレジットを思わせる鳥の鳴き声…」

----それは、演じる俳優もかなり難しそう。
なんでそんなことやるの?。
「思うに、
物語、いわゆる言葉として描かれるものは
映画ではもう全て描きつくされたという思いがテレンス・マリックの中に
あるんじゃないかと

それよりも彼としては
映画の新たな表現の可能性、
それに映画の生き残る道を模索しようとしている、
ぼくはそう考えたけどね。
まあ、違うだろうな」


「それにしてもオルガ・キュリレンコ、よく映画に出るニャあ」身を乗り出す


※なんかぼくには真木よう子が被った度

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『日本の悲劇』

2013-07-01 22:28:55 | 新作映画
----この映画、
観たときからとてもプッシュしていた映画だよね。
父親の年金を頼りに暮らす失業中の息子――
あまり、好きそうな映画には見えないけど…。
「う~ん。
確かにそのアウトラインだけを聞けば
観るのに二の足を踏んでしまうかもしれない。
でも小林政広監督のこの映画は、
それこそ“映画とは何か?”を
あらゆる角度から考えさせてくれる作品なんだ」

----それはまた、大きく出たニャあ。
「じゃあ、まずここから説明しようか。
この映画は、ほぼ全編モノクロームで描かれる。
そこでぼくたちが目にするのは映画が生まれたときの始原の姿。
そう、<光と影>によって語られるドラマ。
一見、重厚な社会派作品のように見えて、
フレームの中に切り取られる構図は極めて大胆。
たとえば、とあるカットにおいては
光のあたる空間は左隅1/4のみ。
残り3/4は闇なんてのもあるんだ。
そして例によって小林政広監督作品らしく過剰な音楽がない。
セリフにしろ電話のベルにしろ、
映画が次の段階で獲得した表現手段<音>として、
この作品の構成要素となっていくんだ」

----へぇ~っ。
音楽を使わない監督って
ベルギーかどこかにもいたよね。
ダルデンヌ兄弟だね。
彼らの作品も嫌いじゃないけど、
根本的なところでこの映画とは違う…
それってどこだろう
と、考えてみて気が付いたのはスゴく単純なこと。
これは日本映画ということなんだ。
フォーンは日本映画と洋画の決定的な違いって何だと思う?」

----言葉の違いかニャあ?
「そう。
どうしても、そこで字幕または吹き替えになる。
ぼくは
吹き替えはオリジナルを手掛けた監督が演出してないから問題外との考え。
観るときは常に字幕を選ぶほうだけど、
それにしてもまったく問題がないというワケじゃない。
セリフではその字幕に目がいき、
表情などの細かいところを見逃してしまうことだってありうる。
これはツイッターで2013年度上半期の振り返りをやってみて気づいたことなんだけど、
ぼくは、日本映画では作家性の強い作品が好きなのに対して、
洋画ではエンターテイメント大作の方を楽しんでいる。
つまり、それはぼくみたいに外国語を理解できない場合、
映像で一気に乗せていく映画の方が受け入れやすいということなんだ」

----でも、話聞いていると、
モノクロでサイレントの日本映画であれば
なんでもいいってことになんニャい?
「いやいや。
与えられたものが少ないだけに、
それらを使って作品を作り上げることには
細心の注意を払わなくてはならなくなる。
たとえば<音>にしても
どの<音>をどのタイミングでどの大きさで使うかとかだね」

----そろそろお話の方も聞かせてよ。
これって
2010年7月に起こった、
父親の年金が生活のよりどころだった長女が
父親の死後もその死を隠し続け、
年金や給付金を不正に受け取っていたという事件でしょ。
けっこう叩かれていたという記憶があるけど…?
「そこなんだ。
『映画とは何か』のその2。
果たして映画とは何のために作られるのか?
ぼくは、それは映画に携わる監督一人ひとり、
それぞれの答があっていいと思う。
自分がどうしてもこれを映画化したい、
あるいはこのことを訴えたい。
その入り口は自由だと思う。
この『日本の悲劇』に即して言えば、
あるひとつの事件があり、
それにインスパイアされた小林監督が
『こういうこともありうるのではないか?』と、
まったく新しい物語、
そこから生まれるドラマを紡ぎあげたワケだ。
この映画に対するもっとも不適格な意見、
それは『事実はそうではない』…というヤツ。
それこそ映画への冒涜だと思う」

----ニャるほど。
「いくら映画を<光と闇、音の芸術>として
取り組んだとしても、
そこに自分が描きたい、伝えたいものが強く込められていないと、
それはスタイルだけの作品となる。
実は、この映画はある瞬間でカラーとなる。
それは、まるでルノワールの絵画のように
暖かく幸せな色感。
この瞬間、ぼくはワッと声をあげそうになった。
というのも、このモノクロ映画に色彩を自分で想像しながら観ていたから。
あの瞬間を味わうためにだけでも、
もう一回、観てみたいと思うよ」



「ところでこれはNIPPON NO HIGEKI?それともNIHON NO HIGEKI、どちらなのニャ?」悲しい


※『お、とうさん』(北村一輝)、『でんわ』(仲代達矢)このふたつのセリフに注目だ度

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「スウィング・ジャズ」(小林政広)※YOUTUBE
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