ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

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『永遠のこどもたち』

2008-09-30 11:12:12 | 新作映画
(原題:EI Orfanato)

----『永遠の子供』って
ピーターパンなんかに使われる言葉だよね。
このポスターからは
そんなイメージがまったく伝わらないけど…。
「実はもっとショッキングなのもあるんだけどね…。
原題は『孤児院』。
日本の配給や宣伝サイドはホラー色を払拭しようと、
子供たちが庭で『だるまさんが転んだ』みたいな遊びをしているヴィジュアルとともに
このピュアな日本語タイトルで女性の映画観客を誘引しようとしているみたいだね」

----でも実際はかなり不気味なわけ?
「不気味という言葉が一番的確かどうかはわからないけど、
ショッキングなシーンは多のは確かだね。
物語は、次のようなもの。
海辺にある孤児院で育ったラウラ(ベレン・ルエダ)。
30年後、彼女は閉鎖されていた孤児院を買い取り、
障害を持つ子どもたちのためのホームとして再建するために、
夫カルロスと幼い息子シモンとともに移り住む。
ところが広い屋敷の中、遊ぶ相手がいないシモンは
イマジナリーフレンドを作り上げ、
まるでそこに相手がいるかのように話しかけたりする。
そんな中、いよいよホームのオープンの日が…。
しかしそのパーティのさなか、
シモンが忽然と姿を消してしまう。
その直前に家を訪ねてきた怪しい老婆。
彼女がこの失踪に関係あるのでは?
ラウラは必死に我が子の行方を探すのだったが…」

----うわあ、それはオモシロそうだニャあ。
「でしょう。
ぼくは試写状に書かれたストーリーを読んだだけで
少しでも早く観たくなったもの。
監督はスペインで短編映画やCMで活躍している新鋭J.A.バヨナ。
彼のシナリオを読んで、
あのギレルモ・デル・トロがプロデュースに名乗り出たと言うから、
その才能のほどは折り紙付きだ。
デル・トロいわく
『この作品が、単純に、呪われた屋敷、
幽霊、パラレルワールドなどの要素を元に
派手に作り直したものではないと分かった。
稀なことだが、このシナリオは真に深みのあるものだったのだ』」

----それだけでも、十分にオモシロいのにね(笑)。
「だよね。しかしデル・トロはさらにこう続けるんだ。
『なにしろ特別な残虐シーンなどにまったく頼ることなく、
観客を恐怖ににおののかせることに成功している。
そしてこの作品は、
超常現象ものとしてありがちな演出とは一線を画し、
愛する者を失った喪失感を最高に美しく描いている」

----ということは、この母親の気持ちが
映画のキモになっているんだニャ。
「そういうことだね。
ここに霊媒師(なんとジュラルディン・チャプリン!)まで登場し、
彼女に愛ある助言をする。
ところが周囲は、ラウラのことを
子供思うあまりに狂ってしまった母親としか見ない。
そして霊媒師のことはインチキと決めつけるんだね。
映画としては、
超常現象か、彼女の思い込みか、
そのどちらかは、はっきりとは明示しないから
観客の心は揺れっぱなし。
ミステリーのように切れそうな糸をたぐりながら
真相に向って隠されたベールを一枚一枚はがしていく。
その快感は、まさしくこれぞ映画という感じ。
その中には、突然のアクシデントで
糸がプツンと途切れてしまうところもあるしね」

----ふうん。で、タイトルの意味だけど…。
「これがほんとうにうまい。
最後にすべて分かるよ。
とにかく期待して観てね」



           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ニャンだか、ドキドキしてきたニャあ」いいねぇ

※隣の人が携帯の電源を消してなくて困った度

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猫ニュー
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『悪夢探偵2』

2008-09-29 12:49:56 | 新作映画
----これってシリーズ第2作目だよね。
確か、前作は観ていなかったでしょ。
「うん。それだけに自分での比較はできないけど、
もらったプレスが実によくできていて、
塚本晋也監督による解説がたっぷりと載っているんだ。
それによると
サイコサスペンスのような構造だった(らしい)前作は
『ブルーのフィルターをかけたディテクティブもの、
都市型スリラーと、ゾンビ・ホラーが混ざったような映像表現で、
敷佐はモノクロに近いカラー』。
対する本作のコンセプトは
『学校のシーンはジャパニーズ・ホラーのように、ごく日常的な映像。
京一(松田龍平)の子ども時代の回想シーンは懐かしいような怖いような映像。
いつもの自分の映画の感じというか、
自分のコブシを効かせた』ということらしい」

----へぇ~っ。今回はホラーってワケだ。
「うん。
それもなかなか本格的なね。
ジャパニーズホラー特有の
白装束で長い髪の女の幽霊も出てくるし、
エレベーターや階段を使った
じりじりするような恐怖感も出ている。
金縛りにあって、なかなか動けないと言ったら
分かりやすいかな。
あと、顔に黒い穴があいたり、
片目が歪んだりと、かなりシュールだね」

----『2』と付きながら、かなり本格的だね。
副題に『怖がる女』と書いてある印刷物も目にしたけど、
どんな内容ニャの?
「じゃあ、簡単にあらすじを。
悪夢探偵と呼ばれる影沼京一の元に、
新たな依頼者、女子学生の雪絵(三浦由衣)がやってくる。
“怖がりの同級生・菊川(韓英恵)”が毎晩夢に現れ、
眠れないと脅えながら話す雪絵。
一度は冷たく突き放した京一だったが、
菊川の存在に、
亡き母の記憶を呼び起こされる。
それは、すべてのことに怯え、
その恐怖に耐えきれず自らの命を絶った
母・逸子(市川美和子)の記憶。
最近、しばしばその頃の夢を見るようになった京一は、
菊川を通して母の思いを知りたいと願い、
雪絵の夢の中に入ることを決意する……。
つまりこの映画は
京一がなぜ悪夢探偵となったのか、
その出生の秘密を
泣き母との暗い思い出の中に描いているものなんだ」

----暗い?
「うん。京一は子供の頃に、
母親に殺されそうになっているんだ」

----!!!!!!
「これもプレスからの引用になるけど、
そこに自分自身、夜が怖かった子供の頃の思い出、
また、同じく夜を怖がり始めた5歳になる自分の子供、
さらには老いて弱っていく母親を前に強い情が沸いたことなど、
さまざまな要素が重なりあって
この映画が生まれたということのようだ。
そう言う意味でも、
この映画は『悪夢探偵』という
いかにもエンターテイメントの形を取りながらも
一方では、かなり私的な映画でもある。
特にラストの幻影は、あまりにも辛くて悲しい。
これぞほんとうの“悪夢”。
塚本晋也ファンならずとも押さえておきたい作品と言えるだろうね」



           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「母親に殺される。ニャンだか最近よく聞く話だニャあ…」ちょっと怒るニャ

※京一はマントから雨合羽に変わっている度

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ポール・ニューマンを偲んで……

2008-09-28 12:33:28 | 映画
-----ニャンだか寂しいね。
ポール・ニューマンが逝っちゃった。
「うん。
実は昨夜、映画がらみのちょっとしたパーティがあったんだけど、
だれもそのときはまだそのことを知らず
まったく話題には上らなくて……。
でももし、そのニュースが伝わっていたら、
きっと大騒ぎになっていただろうね。
それほど、彼の存在は大きかった」

-----そういえば、フォーンがそのことをえいに教えたら
「えっ!」って大声上げていたもんね。
それで今日は映画のお話はお休みというわけ?
「今朝の新聞を見たら、
そのニュースが一面に。
でも代表作として紹介されているのが
『ハスラー』『ハスラー2』に
『明日に向って撃て!』『スティング』。
これじゃあ、あまりにもはしょりすぎ。
ここは映画案内人としては
絶対に観てほしい作品をあげておかなければ…。
そう、思ったわけ」

-----それってニャに?
「その一本は『暴力脱獄』(『COOL HAND LUKE』)。
ヤマとある脱獄モノの中でもこれは群を抜いている。
監督はスチュアート・ローゼンバーグ。
彼はこの一作で映画史に名を残したと言ってもいいかもしれない。
いま考えるとありえない邦題だけどね」

-----原題の響きもいいよね。
「クール・ハンド・ルーク」。
もう一本は?
「『殺し屋判事/ロイ・ビーン』(『THE LIFE AND TIMES OF JUDGE ROY BEAN』)。
いまはただ『ロイ・ビーン』となっているようだけど、
こちらは逆に
このチープな副題がB級っぽくって、ぼくは好きだな。
といっても監督は大御所ジョン・ヒューストン。
そんな彼が実に瑞々しい映像で
西部の終焉へと向う時代の流れを描く。
その鍵となるのは『ラムの大通り』と同じく視線(まなざし)。
女優リリー・ラングトリー(エヴァ・ガードナー)に対する
ロイ・ビーンの憧れのまなざし。
そのロイ・ビーンの娘(ジャクリーン・ビセット)の父親を見つめる
喜びに満ちた最初で最後のまなざし、
そしてロイ・ビーンの伝説を聞いて列車でやってきたリリーが彼を思い、
遥か遠くへと彷徨わせるまなざし。
いま思い出しても震えがくるね。
これはぼくの生涯のベスト3の一本と言ってもいいほどの作品。
少しでも多くの人に観てほしいな」


                   (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「あの青い目にはもう会えないのニャ」悲しい


※ほんとうに悲しい度
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画像は『ロイ・ビーン』ポスター。
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『恋愛上手になるために』

2008-09-26 22:44:04 | 新作映画
(原題:The Good Night)


「いやあこれには驚いたね。
ここまで邦題と内容が違う映画も珍しい。
しかもタイトルだけでなく
プレスを読んでもトレーラーを観ても、
その中身が実際の映画とはかなりかけ離れている」

----原題は『The Good Nightt』だよね。
「うん。
いみじくもそのタイトルが表しているように、
これは半分は『おやすみなさい』の後の物語」

----それってどういうこと?
「じゃあ、簡単にストーリーを説明しよう。
かつては一世を風靡したバンドのメンバーながら
今はCMの作曲家に甘んじているミュージシャン、ケリー。
一方、ギャラリーに務めるキャリアウーマンのドーラ。
ニューヨークの一室で同棲生活を続けるふたりだが、
長い年月の中で深刻な倦怠期へと突入。
そんな中、ケリーは夢の中で美しい女性アンナと出会う。
だが、ときどきその夢はドーラも出てくる現実的なものにも。
いつもアンナと会う夢を見たい。
そう願うケリーは、夢の研究家メルの元に通ったり、
アラン・ワイゲルトなる著者の夢に関するベストセラーを読んで
夢の中に逃避するが……」

----ほんとだ。
『これは結婚か、サヨナラか、それとも…迷うアナタの恋物語』
というチラシのコピーとはかなり違う。
「おそらく、宣伝サイドとしては女性をターゲットにしたいんだろうね。
有名ブランドもたくさん飛び出すし、
なんと言ってもニューヨークの恋物語」

----あれっ、でも「恋物語」には間違いないんだ。
「うん。
というのも
ケリーは現実の中で
アンナによく似たメロディアというモデルの女性に出会うからね。
このアンナとメロディアに扮するのがペネロペ・クルス。
アンナは白いロングドレスやタキシード姿、メロディアは逆に黒い革ジャケ。
そんなメロディアに彼は『服が似合わない』など言いたい放題言うんだ。
まあ、この映画はそういう男の自分勝手さを描いたものでもあるね。
彼の友人で出世街道を邁進するポールも
浮気がバレても
妻が田舎に帰ったことで自分は晴れて自由の身になったと喜ぶ始末。
ところが本心は、妻が悲しんでほしいと思っている」

----それはヒドい。
ふたりはだれが演じているの?
「ケリーには
『レンブラントの夜警』でタイトルロールを演じたマーティン・フリーマン。
そしてそのマーティンも出演した話題作 『ホット・ファズ ー俺たちスーパーポリスメン!ー』
主人公を演じたサイモン・ペグがポールを好演。
軽い男をいかにも楽しげに演じていて、
あのハードボイルドな刑事と同一人物とはちょっと思えない」

----そういえば、ヒロインたちは?
「ドーラにグウィネス・パルトロウ。
ほとんどノーメイクで、最初は彼女とは気づかなかったくらい。
髪の色どころか瞳の色まで心なしかダーク。
そうそう、この映画、夢の研究家メルにダニー・デビート、
アラン・ワイゲルトにマイケル・ガンボンと、脇役も豪華」

----ふうん。それだけのスターを集めた割には
聞いたことのない監督だニャあ。
「ジェイク・パルトロウのことだね。
彼はグウィネス・パルトロウの弟。
実はこれが長編監督デビュー。
映画としては一見、ラブ・ファンタジーの形を取りながら
その実、かなりビター。
予想だにつかないラスト。
これにはだれもがビックリすると思うよ」


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「確かにタイトルとは違うニャ」小首ニャ

※でも喋りやすい映画だ度

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「フォーンもお外に行きたいニャあ」

2008-09-25 21:48:48 | Weblog
---あらら、これニャンだ?
縁側で丸まって眠そうにしていた猫さんが、急に外へ!
もしかしてここって「ともだちランド」?
「そんなワケないだろ。フォーン。
『20世紀少年』じゃないんだから(笑)。
ここは『Google Street View』の中」





『Cats enjoying the Street View of Google maps』

----いいニャあ。
フォーンもお外に行きたいなりよ。ぱっちり

※でも、お外は危険がいっぱい度

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猫ニュー
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『ヤング@ハート』

2008-09-25 00:34:20 | 新作映画
(原題:Young @ Heart)

----これって平均年齢80歳の人たちによるコーラス隊だよね。
確かノルウェーにも似たようなのなかった?
「『歌え!フィッシャーマン』だね。
これをさらに楽団に広げれば『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』。
また日本にも平均年齢70歳、
沖縄の長寿バンド『白百合クラブ東京へ行く』なんてのもある。
でも、これらの映画に比べてもこの『ヤング@ハート』は遥かに感動的」

----どういうところが?
「まず驚かされるのがそのレパートリーだね。
オープニングで92歳のアイリーン・ホールが
ザ・クラッシュの『シュド・アイ・ステイ・オア・シュド・アイ・ゴー』を歌う。
これで心をわしづかみにされない人は、
まずいないんじゃないかな。
映画は、以後、彼らがコンサートを開くまでの6週間、
新曲を練習していく姿を中心に追っていく。
コーラス隊を指揮しているビル・シルマンの選曲がまた
難しくもチャレンジしがいのある曲ばかり。
ソニック・ユースの『スキッツォフォレニア』だとか、
ジェームズ・ブラウンの『アイ・フィール・グッド』、
アラン・トゥーサンの『イエス・ウィ・キャン・キャン』。
なかでも感動的なのがコールドプレイ『フィックス・ユー』だ。
この曲など、
本人たちが歌う以上の意味を持って観る者に訴えかけてくる。
歌の中にある歌詞じゃないけども、
涙が頬を伝う。
ほんとうの名曲というのは
歌い手によって
それまで隠れていた別の意味を明らかにしてくれるんだなということ。
それを感じずにはいられなかったね」

----ボブ・ディランもやるんでしょ?
「彼の『いつまでも若く』にしてもそう。
80歳の人たちが『FOREVER YOUNG』を歌う姿を想像してご覧よ。
観る人の楽しみを奪わないためにも
これ以上は明らかにしないけど、
この歌が歌われるその日のわずか数時間前に起こった出来事、
そしてその歌が歌われる場所。
ここで起こったできごとはもう<奇跡>と呼ぶしかないね。
これぞほんとうのスタンディング・オベイションだ」

----でも、こうも考えられない?
いくら年の人たちと言っても
ロックが市民権を得た頃から40年近くたってるし、
ほんとうはそんなに不思議でもないという風に…。
「それはぼくも考えたね。
他にも映画の中では
『あなただけを』(ジェファーソン・エアプレイン)や、
『ステイン・アライブ』(ビージーズ)などが流れる。
こういうのはぼくなんかでも、
もう懐かしい部類の曲だものね」

----だけどやはり
健康の心配とかあるんじゃニャい
「うん。実際に彼らはそのような事態に何度も遭遇。
この撮影中にも2人が他界。
その中のひとりは、
病気ですでに引退している人。
このコンサートのために特別に呼び戻したんだね。
彼は途中、倒れて入院するものの、
最後までステージに立つことをあきらめない」

----その前向きの姿勢が長生きの秘訣なのかもニャ。
「それは言えるだろうね。
彼らの心配、その一つは
もし休むと自分のソロ・パートを誰かに取られてしまうこと。
最後にアイリーン・ホールの言葉を紹介しよう。
『私が死んでも、七色の虹に腰をかけてあなたたちをいつも観ているわ。
だから、今まで通りにみなで歌い続けて』。
これは彼らに共通した考え方だね。
歌に涙し、歌う姿に元気がもらえる。
これは最高の音楽ドキュメンタリーだよ」



           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「NO MUSIC,NO LIFEだニャ」いいねぇ

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猫ニュー
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『七夜待 ななよまち』

2008-09-23 13:15:34 | 新作映画
----この映画の監督って、河瀬直美だよね。
いつも奈良で映画作りしてるというイメージがあったけど、
こんどはタイ。ちょっと驚きだニャあ。
「うん。プレスによると、
どうやらタイのマッサージに惹かれたということがあるみたい。
マッサージをする側、される側の両方が共に気持ちよくなるこのマッサージが
日常的に行なわれているってどんな国だろう---という自身の興味。
それと実際にタイの村を訪れて
人々が日本の戦後のような環境で生活を送っている国に、
もしかしたら今の日本人が忘れてきた大切なことがあるのかもしれないと、
そう感じたらしいね」

----ニャるほど。それって映画から伝わってきた?
「いや、正直言って分からなかった。
ぼくの読解力不足だろうけど……(汗)」

----でも、それでもこの映画を喋るからには
なんか理由があるんだよニャ。
主演は長谷川京子だっけ?
「うん。
このキャスティングにもビックリ。
彼女は現在の日本女優の中でも
美形派を代表するスター。
こういうインディーズっぽい映画のイメージじゃないからね。
でも、その意外性から生まれる化学反応がオモシロかったね。
というのも、この映画、実に実験的な作り。
よく即興という演出法を採用する監督はいるけど、
ここまで徹底したのは初めてじゃないかな。
なにせスタッフは別として彼女への脚本はなし、
毎朝、メイクのときに一枚の紙をもらうだけ」

----それって昔、ゴダールで聞いたことあるニャあ。
「そうだね。あったあった。
で、その紙にはたとえば『○○駅へ行きます。
そこからひとりで電車に乗ってください』みたいなことが
書いてあるだけ」

----あらら。でもそれって言葉が通じない国での撮影だよね。
とんでもないことになりそう。
「実際に、映画が違う方向に走ってしまい、
何度か修正が行なわれたらしい。
しかもこの映画は、他にタイ人とフランス人俳優が出演。
彼らも同様に自分の行動しか知らず、
やはり一枚のメモで相手と対峙。
この演出、
フランス人のグレゴワール・ゴランに至ってはかなり悩んだみたいだよ」

----それは、そうだよね。
演出されている感じしないもの。
「戸惑った彼はカメラマンに怒られて落ち込んでしまい、
川べりで泣いたって言うから
ほんと辛かったんだろうね」

----へぇ~っ。
グレゴワール・ゴランって
『王妃マルゴ』とかに出ている人だよね。
そんな彼に怒れる日本人のカメラマンなんているの?
「それがカメラは日本人じゃなくて
なんとフランスのキャロリーヌ・シャンプティエ。
なにせゴダール『右側に気をつけろ』を経験しているくらいだから、
こういうこともありだと思ったんじゃないの」

----でも統制がほんと難しそうだね。
「でも、それだからこその
オモシロいシーンも随所に見られる。
たとえば娘がいなくなって半狂乱の母親。
彼女はその理由を同じタイ人のタクシードライバーのせいだと思いこみ、
激しく彼を責める。
そこに介入するグレッグに出される指示は“怒り”。
そして長谷川京子にはこの事態について何も言っていないため、
共演する人たちがどうして喧嘩を始めたのか分からない。
日本語とタイ語で必死になってコミュニケートを取ろうとする長谷川京子。
その混乱は彼女が演じるヒロイン彩子というよりも
長谷川京子そのものの混乱。
ここはかなりスリリングだよ」

----しかし、それは編集も大変だ。
「うん。
翻訳してみないと
なにがどうなっているか分からないからね。
ところがもっとスゴいのは録音。
ミキサーのこだわりから
ほぼ全編のセリフを録り直し。
これはほんと大変だったろうなあ。
最初は即興だったものを次には演技するわけだから…」

----そうか、今度は意図された混乱というワケだニャ。
なんだかフォーンも混乱してきたよ。


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「でも、やはりよく分からないニャ」もう寝る

※しかし、映画作りも大変だ度

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猫ニュー
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『BOY A』

2008-09-21 23:36:04 | 新作映画
(原題:BOY A)


「『BOY A』-------
そうか『少年A』なんだ」

----ニャに、あたりまえのこと言ってるの?
「いや、中森明菜の昔の歌を思い出して…。
観る前は、なんか深く考えてなかったけど、
この呼び方をするということは
いわゆる主人公には少年犯罪歴があるということ。
ところがこの映画の監督、
『ダブリン上等!』ジョン・クローリーも脚本家のマーク・オロウも
『主人公が過去に何をしたか知らない』で観てほしいというんだ。
つまり主人公の過去を明かすな……とね。
そうは言ってもタイトルが『少年A』だし、
その中身も
この元少年Aが社会に出てきたことが騒がれ、
成長した彼のモンタージュ写真が出回ったり、
ネットでは懸賞金がかけられているというように話が展開していくから、
これはそうとうなことをやったんだなと……
まあ、だれでもすぐに気づいちゃうんだけどね」

----う~ん。
ニャンだか、
それってイギリスのこととは思えないね。
あれっ?イギリスでよかったんだっけ?
「そうだよ。
この映画では、
その元少年Aが社会に出てきて
新しくジャックという名を名乗り、
ソーシャルワーカー、テリーのアドバイスのもと、
運送業会社で新たな人生を歩んでいく姿が描かれる。
ジャックは折り目正しく、仲間受けもいい。
でも飲みに誘われたり、女性からアプローチされると
どうしていいか分からなくなる。
なにせ、それまでの人生のほとんどを
社会から隔離されて生きてきたわけだから…。
そんなある日、
彼は交通事故にあった車からひとりの女の子を救い出す。
一躍、ヒーロー扱いされるジャック。
そんな彼をマスコミも追いかけて……」

----うわあ。皮肉な話だニャあ。
「この映画、イギリスのインディーズということで
最初は観るのがキツいかなと思っていたんだ。
ぼくの苦手とするドライでクールなタッチなのかと…。
ところが実際はエモーショナルでハートフル。
主人公のジャックは、
恋人には嘘をつきたくないとテリーに相談。
ところがテリーは絶対に彼女に自分の過去を話すなと言う。
映画は、そのジャックの心の葛藤を
彼の少年時代を挟みながら進んでいくから実にスリリング」

----つまり、次第に謎が解き明かされるというワケだね。
でも、その過去については聞いちゃいけないんでしょ?
「うん。詳しくは言えないけど、でも少しだけ…。
彼の父はアル中。
そして母は癌に冒されていて息子のことを気にかける余裕はない。
そんな恵まれない家庭環境も関係して
彼は学校でもみんなに溶け込めないでいた。
ところがある日、彼はフィリップという少年と出会う。
しかしフィリップのやることは犯罪まがいのことばかり。
最初の方のイタズラなんて
マコーレー・カルキンの『危険な遊び』に似ている。
車の前にモノを投げて事故を起こしちゃうんだ」

----それはヒドい。
で、ふたりで取り返しのつかないことを?
「うん。そういうことだね。
ところが、このジャックがあまりにも好青年すぎる。
ぼくなんか
もしかしたら
過去のその事件はフィリップの単独犯行で、
彼自身は罪をかぶっているんじゃないかなんて思ったりも…。
この観客の気持ちを大きく揺り動かす脚本、そして演出が
この映画のうまいところだろうね」

----ジャックはだれがやっているの?
「アンドリュー・ガーフィールド。
『大いなる陰謀』
レッドフォード演じる教授の教え子の学生を演じていた彼だよ。
そしてテリーを演じているのが『マイ・ネーム・イズ・ジョー』で
最優秀主演男優賞を受賞したピーター・ミューラン。
実はこのテリーには引きこもりの息子がいるんだ。
こちらの父と子の関係もなかなかイタイ。
あまり好きなタイプの映画ではないけど、
かなり尾を引く映画だったね」


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「これは難しい問題だニャ」おっ、これは
※観る立場で変わってくる映画だ度

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猫ニュー


画像はアメリカ・オフィシャル(ダウンロードサイト)より。
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『おろち』

2008-09-20 22:49:44 | 映画
----今日はムービックスが1000円均一。
でもまさか、これを観に行くとは思わなかったニャあ。
「いやあ、実を言うと前々から興味があったんだ。
監督が鶴田法男。
『リング0~バースデイ~』では
呪いのホラーを怪奇映画風に料理してみせただけに
今度の企画も彼にぴったりという感じが…。
蜷川実花の手による原色バリバリのポスターも
食指を動かされた理由の一つだけどね」

----そういえば脚本も『リング0~バースデイ~』の高橋洋だ。
「そうなんだよね。
怪奇映画というと、
ぼくにとっては東宝の岸田森主演“血を吸う”シリーズ。
欠かせないのは“森”そしてその奥に
ひっそりと姿を現す“館”。
この映画では、
年をとることのない謎の美少女・おろちが
嵐を避けるように大きな屋敷へやってくるところから物語が始まる。
そこには人気女優・門前葵(木村佳乃)と
彼女の娘・一草と理沙が住んでいた。
輝くばかりに美しい葵。
だが、門前家は29歳になると
突然、顔が崩れていくという呪われた血筋の家であった…」

----ひぇ~っ、怖い。
あれ、封切り後の映画にしては
珍しくストーリーを喋っているみたいだけど…。
「いいところに気づいたね。
実は、この映画、
楳図かずおの代表作とされる『おろち』の映画化。
原作は9話のオムニバスだけど、
メインストーリーは『姉妹』。
ところが登場人物の名前は『血』からいただいている。
しかもそこに『洗礼』の設定まで入っているから
ファンとしてはたまらない。
このあたりを少し説明しておいた方がいいかと…」

----『洗礼』?
もしかして、あのゴキブリの炊き込み飯も出てくるの?
「あれはゴキブリなのかなあ。
なんだかコウモリのようにも見えたけど、
似たようなものは出てくる。
確かにその瞬間、『洗礼』を思い出したね。
母親が女優で美への執着があるし…・。
さすがに脳の入れ替えはないけど、
それに近いこともやるしね」

----それはアセアセ。
そういえば昨日テレビでやってたけど
女優たちの取っ組み合いとかもあるんでしょ?
「中越典子の髪を引っ張り、
引きずり回す木村佳乃。
そのバトルはまさにガチンコ。
しかし、木村佳乃もよくこんな役引き受けたと感心。
なにせ自らの顔を焼きごてで傷つけて
後半は、醜い傷をさらけ出したまま。
まさに女優魂だね。
そうそう、谷村美月が 『死にぞこないの青』に続いて
またまた瞬きをしない役。
今回も瞬きせずに涙を流すんだ」

----なんだか、彼女そういう役ばかりになっちゃったね。
「それは言わない約束」
----あらら。
ところでこの映画の魅力って…。
「キッチュという言葉を使っても言いのかな。
ペドロ・アルモドバルばりのそのビジュアルだと思う。
たとえば葵と一草の部屋は緑、理紗の部屋は青。
衣装もそれに準じ、そこにおろちの赤を配す。
そういう実験的な色遣い、
さらには昭和の屋敷という秘密めいた空間もあってか
この映画は、
少し日活ロマンポルノを思い出したね」

----あれれ。物語とかテーマは?
「もちろん、それはよくできているよ。
ただ、人間の奥底に潜む闇、その恐ろしさや
どんでん返しといった構成の妙は
原作にもあるものだしね。
それをこの毒々しい色遣いで映像化したところにこそ
この映画の魅力がある。
そう、ぼくは思うな」



           (byえいwithフォーン)

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『Happyダーツ』

2008-09-19 22:52:51 | 新作映画
----ダーツ?
それってあの的に向って投げるヤツだっけ?
「うん。その昔、ビリヤードで遊べるプールバーというのが大ブームになったけど、
この映画を観ると、どうやら
ダーツを楽しめるバーというのもあるらしい」

----でもダーツって
先の部分が金属になっていて
的がすぐボロボロになるんじゃニャいの?
「それが違うんだな。あれはハードダーツ。
この映画に出てくるのははソフトダーツ、
もしくはエレクトニックダーツと言って
無数の穴が配されたプラスティック製のダーツボードに向って
これまたプラスティック製のティップ(先の部分)をセットした
ダーツを投げるんだ。
これの便利なところは
コンピュータを内蔵しているため
点数を自動的に計算。
しかも得点がモニターに表示されるんだ」

----それは便利だニャあ。
じゃあ、この映画は、
そのダーツに賭ける青春を描いているというわけだニャ
「まさにそのとおり。
仕事はいい加減、
社内不倫も平気でする。
私生活では酒飲んで酔っぱらっては
はしたなくも路上に寝転び、
家の中も化粧道具くらいしかない。
そういう女の子・美奈子(辺見えみり)が
ダーツバーの店員・篠塚(加藤和樹)に恋をしてしまう。
彼と親しくなるために始めたダーツ。
ところが、次第にその魅力に引かれて
ついには全国ンソフトダーツトーナメントに出場。
一言で言えば
自分発見と恋を絡めたスポーツ・ムービーだね」

----確かに、よくある
シチュエーションだニャあ。
「うん。
監督は松梨智子。
ぼくは知らなかったけど
彼女はインディーズ映画界の女王と言われているらしい。
最初のうちは、
マンガチックなハートマークなんかが
顔の周りを飛び交ったりして
おいおい大丈夫かよ……と思ったけど、
途中からそう言うお遊びはなくなって、
半熱血青春ドラマになっていく」

----ニャに、その“半”というのは?
「まあ、それだけライト感覚だということ。
たとえば、このヒロイン、
そのトーナメント出場にあたって、
他のダーツバーなどに“道場破り”に行っちゃう」

----いわゆるマンガチックということ?
「そういうことだね。
でも、感心したのは
ぼくみたいにダーツのルールをまったく知らなくても
物語の進行につれて
それが分かる仕組みになっていること。
観ている途中で、
自分でもやりたくなったしね」

----辺見えみりの他には誰が出ているの?
「ヒロインの友人に佐藤仁美。
他にも懐かしい“おニャン子”新田恵利、
大人計画の杉村蝉之介、
そしてモデル出身の森泉など
異色の顔ぶれ」

----それにしても
どうして今日、
この映画を選んだの?
「フライデーナイトだし。
ちょうどいいんじゃないかと…。
あ~、ほんとやってみたいな。
どこか近くにないかな。
ダーツバー」


       (byえいwithフォーン)

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『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』

2008-09-18 22:19:56 | 新作映画
(原題:Shine a Light)

----へぇ~っ。これってマーティン・スコセッシが監督したんだ。
「うん。彼は音楽にも強く『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』では
助監督と編集を兼任。
ザ・バンドの『ラスト・ワルツ』や
『ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム』などを監督している。
でも、そんな彼でもこの映画は大変だったようだ。
なにせ、ステージが始まる直前まで
セット・リストが決まらず、
カメラ・ポジションもままならなかったようだ。
映画の中でも、
『順番までとは言わないから何をやるのかだけでも教えてくれ』
『最初の曲くらいは知りたい』と
焦ってイライラしているスコセッシが写し出される」

----それってスゴいね。
ほとんどぶっつけ本番じゃニャい。
「うん。
ストーンズ側としては映画のためのステージではなく、
パフォーマンスを見せたい----
スコセッシに撮られていることを意識してしまいたくない
ということらしい。
だからギリギリまで情報を押さえたんだろうね。
『ムービング・カメラは止めてくれ』などの注文も。
この映画は、そんなスタッフとストーンズのせめぎ合いが
とてもオモシロい。
で、どうなるのかと思ったらいきなり
『JUMPIN′ JACK FLASH』。
キースのギターから始まる。
もうカッコいいのなんのって」

----あれっ、えいはストーンズのファンだっけ?
「いや、それほどでもないよ。
でも彼らの映画
オルタモントの悲劇『ローリング・ストーンズ・イン・ギミー・シェルター』や
ハル・アシュビーの『ザ・ローリングストーンズ(Let's Spend the Night Together)』は
観ているよ。
でも、それらよりもこの映画の方が迫力を感じた。
そこに彼らストーンズのスゴさがあるんだろうな。
あたりまえの感想だけど、
あの年でこのシェイプアップされた肉体と運動能力、
ちょっと考えられないね。
話はそれるけど、
今回観て改めて感じたのは
甲斐よしひろのステージングはかなり
ミック・ジャガーを意識していたんだなということ。
パフォーマンスがそっくりだ」

----結局、やったのは有名な曲が多いの?
「うん。『BROWN SUGAR』とか
『START ME UP』『(I CAN′TGET NO) SATISFACTION』
あたりはやっていたね。
あと、嬉しいのがマリアンヌ・フェイスフルでヒットした
『AS TEARS GO BY(邦題:涙あふれて)』。
『自分たちでやるのは恥ずかしく人に歌ってもらった』と言いながら、
終わった後に『いい曲だろ』と言うミック。
まあ、こういうのは楽しいよね。
あと、たとえば彼らの中で唯一いいオジさんになった感じの
チャーリー・ワッツがドラムを叩いた後『ふうっ』と
深呼吸していてカメラにニヤリとか、
あいかわらずの不良キース・リチャーズが
あれっ、タバコ止めたのかなと思ったら
途中からスパスパ。
それもステージに放り投げて捨ててしまう。
そんな彼でも最後には自分のギターにキス。
そうそう、ゲストのバディ・ガイにギターをプレゼントするなんてのも…」

----ふうん。
ところで映画としてはどうニャの?
スコセッシらしさとかあるの。
「いいところ突いてきたね。
映画は途中、
若い頃のインタビューを挟むものの、
ほとんどがステージ。
映画であることを一瞬忘れそうになる。
ところがラストのラストでスコセッシ・マジックが炸裂。
いやあ、ニューヨーク好きの彼らしい演出。
ここは詳しくは言わない方がいいだろうね」

----そういえば、
来日コンサートにも行ったほど
えいが好きだったグループのメンバーが亡くなったね。
「ピンク・フロイドのリチャード・ライトね。
ソロ・アルバムも持っているほどの大ファン。
これでスコセッシに
彼らピンク・フロイドを撮ってもらう夢は消えたわけだ」



           (byえいwithフォーン)

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『ワイルド・バレット』

2008-09-17 11:15:11 | 新作映画
(原題:Running Scared)

「いやあ、これはスゴい。
今年、公開されたアクション映画の中でも
群を抜くオモシロさだ。
公開規模が小さいのがホントもったいない」

----へぇ~っ。
アクションで、そんなに褒めるの珍しいよね。
どういうところがいいの?
「動きが主体のアクションだけに、
言葉で語るのは極めて難しいけど、
この監督がエンドクレジットで捧げている3人の巨匠、
サム・ペキンパー、ウォルター・ヒル、そして
ブライアン・デ・パルマというのが
この映画の魅力を端的に言い表している」

----ふうん。最初のふたりは想像つかないでもないけど、
デ・パルマだけ別って感じ。
「う~ん。
分かりやすくいえば
『ウォリアーズ』のような、ある一夜に怒った出来事を、
『ワイルドバンチ』なみの壮絶なバイオレンスと
デ・パルマならではの凝りに凝った映像で見せているんだ。
しかもその物語というのが
これまた練りに練ってある」

----どういうお話ニャの?
「イタリアン・マフィアの組織に所属するジョーイ(ポール・ウォーカー)。
彼は、仲間と麻薬取引の最中に乱入してきた警察官を射殺した
ボスの息子トミーから、
その拳銃の始末を頼まれる。
ところが自宅の地下に隠しておいたその拳銃を
彼の息子ニッキーの親友オレグ(キャメロン・ブライト)が盗み、
あろうことか彼を虐待する父親に向けて発砲してしまう。
しかもこの父親というのがロシアン・マフィアのボスの甥。
ジョーイは消えた拳銃を追ってオレグを探すものの、
彼はその銃をネタに強請ろうとする悪徳警官(チャズ・パルミンテリ)、
そしてロシアとイタリア、双方のマフィアから追われるハメとなる」

----ニャるほど、話を聞いただけでもオモシロそうだね。
キャメロン・ブライトも久しぶりだ。
しばらく見かけなかったけど復活したんだね。
「うん。彼は
『アダムー神の使い悪魔の子ー』『ウルトラヴァイオレット』
そして『XーMEN ファイナル デシジョン』
とにかくSFやホラー系の映画への出演が多かったけど、
ここではその才能をついに爆発させたって感じ。
アクションの中に、義理の父を憎み、
ジョーイの中に理想の大人の男をかいま見ながら、
彼に心を寄せていくさまを見事に表現している。
この映画、ジョーイの拳銃探しが基本になっているけど、
見方を変えれば
危険な夜の街を逃げ惑う少年オレグが遭遇する
恐ろしき大人たち----。
こうもとれる。
詳しくは明かせないけど、
実はその構成はきわめて意図的だったことが
エンドクレジットのタイトルバックを観れば分かる仕組みとなっている。
そうそう、彼が逃げ惑う中での最大の危機は、
ペドフェリアの変態夫婦に捕まったこと。
ここから救出されるシーンは、
ジョーイの妻に扮したヴェラ・ファーミガの熱演もあって実にスリリングだ」

----確かにそれは息つく暇もなさそうだね。
「うん。
さっきも話したように
これをデ・パルマばりの凝った映像で見せるわけだからね。
たとえば、ジョーイたちの家の窓から
カメラは隣のオレグの家に移動してゆき、
その中を覗いてゆく。
これをワンショットでやっちゃうんだ。
クライマックスのアイスホッケー場でのガンファイトも
よくまあ、考えたって感じ。
銃弾があちこちに跳ね返るしね」

----スゴい入れこみだニャあ。
「ただ、そうは言っても
ぼくはほんとうは
もっと緩急がある作品の方が好みなんだけどね。
せっかくの凝った映像も
あっという間に次のショットに移るから
もったいないのなんのって……。
デ・パルマの場合、
たとえば三角スローモーションとか
スプリット画面とかは、
ここぞというところで使われていた。
だから余計に効果的だったんだけど、
この映画はまったく出しおしみがない」

----う~ん。それも分かる気がするニャあ。
それと122分って長くニャい?
「いや、それはまあいいかな。
これも詳しくは言えないけど、
話が次々に転がっていって、
もうどんでん返しに継ぐどんでん返し。
どこに着地するか
まったく読めないからね。
とにかくこの興奮、
少しでも多くの人に味わってほしいなあ」


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「そんなにスゴいのかニャ」身を乗り出す

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『ブラインドネス』

2008-09-15 21:43:45 | 新作映画
(原題:Blindness)

----あっ、この映画なら
フォーンも聞いたことあるニャあ。
確か『ナイロビの蜂』の監督作品で
日本からは伊勢谷友介と木村佳乃が参加してるんでしょ。
カンヌ国際映画祭で
オープニングを飾った上にコンペティション作品にも
選ばれたとも聞いたけど…。
「(笑)。
フォーン、詳しい説明ありがとう。
じゃあ、もう喋らなくてもいいかな」

----あらら。
そのふたりがどんな役をしているのかくらい
教えてくれてもいいんじゃニャい。
「じゃあ、その前に簡単なあらすじから話そうかな。
あるひとりの日本人男性が失明し、
目の前が真っ白になってしまう。
それをきっかけに
世界各地にこの『白い病』が発生してゆくんだ」

----それって伝染病ということ?
「うん。そうだね。
混乱を恐れた政府は、
失明患者を、
かつては精神病院だったという収容所に軟禁する」

----それまた、ヒドい話だね。
どこの国のこと?
「風景は中南米っぽいけど、
特定されてはいない。
この映画の原作はノーベル文学賞作家ジョゼ・サラマーゴの『白い闇』。
そこでも舞台は
やはり無国籍の街となっているらしい。
ついでに言えば、
この原作に対しては
たくさんのオファーがありながら、
『映像は創造力を破壊する』と、
彼はなかなか首を縦に振らなかったらしい。
ただのゾンビ映画になることを
危惧していたとも言われているけどね」

----ゾンビ映画?
これってそんなお話ニャの?
「見方によっては
そうとも取れるかもよ。
失明した人の群れが町をさまよい、
彼らによってスーパーは荒らしつくされているからね。
この映画、
そういうホラーにしようと思ったら
いくらでもできる可能性はある」

----でも、単なるホラーじゃないってワケだね。
「うん。
ちょっと前にはやった歌の歌詞になぞらえて言えば、
『見えなくなってから見えるものもあるんだよ』ということ。
この映画では、失明によって
それまでとは違った段階に人間関係が進んでいく」

----確か主演はジュリアン・ムーアだよね。
「うん。ムーアは眼科医でやはり失明した男(マーク・ラファロ)の妻。
実は彼女ひとりだけ失明していなくて、
夫が心配で一緒に入所。
そして他の人たちにバレないように、
みんなの世話をするんだ。
ところが、食料を民主的に分配しようとする夫に対して、
自らを“第3病棟の王”と称し、
力で奪おうとする男が出現。
ガエル・ガルシア・ベルナル扮するこの男は、
最初に金品類、それが尽きると
こんどは女性の体を要求する」

----ヒドい話だニャあ。
でも、よくあるといえばよくある設定のような気も…。
「うん。無人島ものとかにね。
そう言う意味でもあまり新味は感じなかったな。
ただ、フェルナンド・メメイレス監督らしい、
大胆な映像処理、
特に素早いフォーカス移動とかはオモシロかったけどね」

----ところで、ふたりの日本人の比重はどれくらいだったの?
ほんとうに重要な役だったのか、気になるけど。
「これが驚き。
さっきも話したように物語のきっかけを作るのも伊勢谷ならば、
映画の結末で重要な役を果たすのも彼。
その途中にも伊勢谷自身がアイデアを考えたという
印象に残るエピソードが…。
そういえば感動的なエピソードは
そのほとんどが彼ら日本人夫婦のパートだったな。
そうそう、この役は
日本人に限らず広くアジアからキャスティングしたようだ。
事実、中国や韓国の俳優も候補に挙がったらしい。
ところが伊勢谷友介はオーディションの後、
監督をお寿司屋に誘うという積極性を見せたのだとか…。
つくづく日本人も変わったものだと思ったね」


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フォーンは夜でも見えるのニャ」ぱっちり

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『初恋の想い出』

2008-09-14 22:26:36 | 新作映画
(原題:情人結)

----フォー・ジェンチェイって監督、
確か『山の郵便配達』で有名になったんだよね。
「そうだね。
あの映画は詩情あふれる反面、
抑制のきいた静かな演出で
いかにも批評家受けしそうな作品となっていた。
でもその後、『ションヤンの酒家』とか『故郷の香り』とか
続けて観ると意外にウェット。
誤解を恐れずに言えば
メロドラマ・チックなところがあることを発見。
この映画も『ロミオとジュリエット』がモチーフになっているだけに、
ベタと言えば
これ以上ないほどのベタな内容になっているんだ」

----『ロミオとジュリエット』?
ということは、ふたりの家が対立しているの?
「うん。そういうこと。
舞台は1980年代の中国。
チー・ラン(ヴィッキー・チャオ)とホウ・ジア(ルー・イー)は
同じ官舎に住む幼なじみ。
ふたりは将来の愛を誓うまでになるものの、
ホウ・ジアの母親は
息子とチー・ランとの交際を認めようとはしない。
やがて、その理由が彼女の夫、
つまりホウ・ジアの父親の自殺と関係あることが分かってくる」

----もしかしてチー・ランの親が何かしたわけ?
「それは最後の最後に明かされるから
ここでは触れるわけにはいかないけどね。
さて映画は、
彼らふたりが
お互いの境遇を『ロミオとジュリエット』に重ねあわせながら、
それでも愛を貫こうとしてゆく姿を描いてゆく。
実際にフランコ・ゼフィレッリの『ロミオとジュリエット』も出てくるよ。
へぇ~っ、
あの映画、中国で公開されたんだななんて、
変な感心をしてしまっちゃった」

----中国もめまぐるしく変わったからニャあ。
「そうなんだよね。
この映画、時代が進むにつれて
町の風景も西洋と、さして変わりがなくなってくる。
クリスマスとかの描き方は、
まるで一時期の日本のトレンディドラマ。
バレンタインにはレストランで少女が花を配るし…。
それでも“党”の存在が強く出てくるところが、
やはり中国なんだけどね」

----でもお話はありふれてニャい?
「う~ん。
まあ、ふたりが最後、障壁を乗り越えて
結ばれるか否か、
そこがいちばんの注目だからね。
でも、これが分からない----というか
一筋縄ではいかないんだ。
ハッピーエンドorアンハッピーエンド。
どちらにも転びそうで
観る者の目をぐいぐいと引き付けてゆくんだ。
その中心にいるのはチー・ランを演じるヴィッキー・チャオ。
その大きな目だね。
私生活で知り合ったらとても付き合えないような
そんなアブナい感じを漂わせる女性。
ある知人は菅野美穂に似ていると言っていたけど、
ぼくは中森明菜を思い出したね」

----だからアブナいってワケ?
フォーンは 『蛇にピアス』の吉高由里子に似ていると思うけど。
「あっ、そっちも怖いなあ」

           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「中国も変わったのかニャあ」小首ニャ

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『D-WARS ディー・ウォーズ』

2008-09-13 21:31:04 | 新作映画
(原題:D War)

----ニャに、この映画。
まったく聞いたことないけど……。
「う~ん。それはぼくも同じ。
でもこれが意外と有名な映画らしいんだ。
2007年度韓国観客動員数No.1。
NYタイムズ読者の検索映画でも
これまたNo.1なんだ」

----NYタイムズはわからニャいでもないけど、
なぜそこに“韓国”が出てくるの?
「普通、そう思うよね。
ところがこれ、実は韓国映画。
ぼくはまったく知らなかっただけに
最初に『Showbox』のロゴが出てきて
思わずのけぞったね。
だからといって主要登場人物は
ほとんどアメリカ人が演じているし、
物語の舞台もほとんどがロサンゼルス」

----その言い方だと、
韓国も舞台になってはいるんだニャ。
そもそもこの“D”ってニャによ。
「プレスには
DANGEROUS
DESTROYER
DAMAGE
DEFENCE
DESPAIR
なんて、もっともらしくあしらってあったけど、
これはDRAGONのことじゃないかと……」

----ドラゴン?えっ、これファンタジーなの?
「うん。
SFファンタジー・スペクタクル。
物語は、まともに喋ると
それだけで聞いている方も疲れちゃうから割愛。
なにせ、映画の中でも
突然、この物語の背景が語られ始めると、
それを聞かされている方が
『なに話してるの?』とツッコミを入れていたくらい。
それも一度ならず二度三度。
それほど、荒唐無稽なんだ」

----えっ、でもそれはないニャあ。
ちょっとだけ話して、お願い。
「じゃあ、少しだけ。
まず、その設定から。
500年に一度、世界滅亡の鍵を握る女性が現れ、
その彼女をめぐって二匹の巨大な蛇が正邪の戦いを繰り広げる。
映画は、16世紀初頭に韓国で繰り広げられた
その戦いの背景がまず説明される。
そして舞台は21世紀のロサンゼルス。
500年前に韓国でその女性とともに崖から身投げした男が、
それぞれイーサン(ジェイソン・ベア)と
サラ(アマンダ・ブルックス)として輪廻転生。
その出現を知った悪の一味は、
サラを狙う-------
こういうところかな」

----その蛇って『アナコンダ』みたいニャの?
「(笑)。いやいや、規模が遥かに違う。
画像を見せられないのが残念だけど、
とぐろを巻いて超高層ビルを包み込む。
通りという通りをその巨体で覆いつくす-----。
ちょっと、こういう映像は観たことがないね。
蛇がビルの中を覗くところなんて
まるで『キング・コング』
そうそう、この蛇はヘリもたたき落とす。
ついでに言えば、その悪の軍団が
ストーム・トルーパーそっくりで、
しかもトーントーンもどきに跨がっている(笑)。
そして圧巻なのがアルマジロを恐竜化したような
巨大クリーチャー。
なんと背中に2門の大砲を背負っているんだ。
このバトルシーンは、
『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』が
氷の惑星ホスではなくて
現代のロスで繰り広げられているといった感じかな。
これはちょっと見モノだよ」

----つまり、その特撮の前には、
物語は、もうどうでもいいということ?
「確かに、物語は
よくぞここまでとんでもないホラ話を作ったなって感じ。
でもそれを超えてあまりあるのが、
監督シム・ヒョンレの映画に対する姿勢。
アクションを決して流して撮ってはいない。
一つひとつのカットに
少しでもオモシロいものを見せようという
こだわりが感じられるんだ。
たとえば、翼竜がヘリを襲う。
襲われたヘリはただ墜落するのではなく、
ビルの窓に突入してゆく。
その一部始終をカメラは
ヘリ内部から、
そしてビルの内側から
爆発するまで追っていく。
このアングル、構図の素晴らしさに
ただただ息を飲むしかなかったね。
そうそう、ロスのど真ん中に戦車や装甲車が登場したのも驚き」

----えっ。9.11以降、
そういうバトルシーンの撮影は
難しくなったんじゃ?
「よく知ってるね。
ところが
このシム・ヒョンレ監督は
『世の中に決まったルールなどない。
歴史は私たち自ら作るもの』と、
カリフォルニア州知事の
アーノルド・シュワルツェネッガーに信書を送ったというんだ。
結果、彼の心を揺り動かして
この迫力の市街戦が実現した-----
こういうことのようだ」

---やはり映画を作るのに一番大切なのは熱意だよね。
「そう、せっかく手にしたチャンス。
それを次にいかせるかどうかは本人次第。
決して手を抜かないこと。
これは映画製作に限らず、なんでもそうかもね」



           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「サラと言えば『ターミネーター』だニャ」身を乗り出す

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