ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『L.A.ギャングストーリー』

2013-04-28 18:41:50 | 新作映画

(原題:Gangster Squad)


----この映画、もうすぐ(5月3日)公開だよね。
ギリギリ、最後の試写に間に合ったってわけ?
「うん。
ある直感が働いて、
これはイケるんじゃないかと…」

----で、それは間違っていなかった…。
「そういうこと。
物語は一言で要約できちゃう。
汚職にまみれた政警官や政治家ともつながっている
ギャングのボス、ミッキー・コーエン(ショーン・ペン)。
彼とその組織をぶっ潰すため、
パーカー市警本部長(ニック・ノルティ)は、
ジョン・オマラ巡査部長(ジョシュ・ブロ-リン)に
極秘部隊の結成を命じる。
彼らは素性を隠し、
ギャング以上のヤバい集団で実力行使に出る!」

----さすがに一言とはいかなかったけど、
確かに分かりやすい話だニャあ
「でしょう。
これはぼくがよく言うことでもあるけど、
娯楽映画、とりわけジャンル・ムービーは
プロットはシンプルなほどオモシロい。

それをさらにオモシロく見せるために、
脚本、キャスティング、そして演出、映像での
いわゆる、その映画ならではの工夫が楽しめるんだもの」

----ニャあるほど。
じゃあ、その“工夫”とやらを…。
「まず、この最強部隊の顔ぶれ。
この中にいわゆるエリートはいない。
なぜかって、そういう連中は
すぐに買収されてしまう。
そこで、ジョン・オマラが選んだのは、
いや、彼の妻子コニー(ミレイユ・イーノス)が選んだのは
警察内で異端視されている、
いわゆる“はみ出し者”ばかり」

----えっ、主人公の奥さんが
メンバーを選ぶの?
それってありえないような…。
「いや、それがなるほどなんだな。
それというのも
彼女が自分の夫を死なせないため。
その結果、できた最強の部隊というのが
つまり、これなら彼を裏切らないであろう、
そして彼を守ってくれるであろうという
見た目も、そしてその中身もスペシャルな男ばかり。
飛び出しナイフを使う黒人巡査コールマン・ハリス(アンソニー・マッキー
盗聴にたけている電子工学のオタク、コンウェル・キーラー(ジョヴァンニ・リビシ
まるでカウボーイを思わせる初老の早撃ち名人マックス・ケナード(ロバート・パトリック)、
そして彼とコンビを組んでいるメキシコ系若手警官ナビダ・ラミレス(マイケル・ペーニャ)」

----あれっ。ライアン・ゴズリングは?
「彼は
一匹狼の巡査部長ジェリー・ウーターズ。
最初はクールに距離を置いている。
それどころかミッキーの情婦グレイス(エマ・ストーン)に手を出す始末。
ところが、ある事件がきっかけでこのチームに身を投じていく…。
なんて、結局ストーリーを語ってしまっているけど、
この映画、何が嬉しいかって、
舞台となっている1950年前後のギャング映画や西部劇など、
かつてのハリウッド映画でよく見かけたような<顔>を揃えることで、
その時代の映画の空気を作りだしていること。
しかも、それをフィルム・ノワールのようなスタイリッシュな方へとは持っていかず、
ドンパチという言葉がよく似合うギャング抗争映画としているんだ」

----ギャング抗争映画?
「さっきも言ったように、
警察内部にもミッキーの手は及んでいる。
そのため
オマラ率いる<影の警察>は
自らをミッキーと対立する組織のギャングのように見せかけてコトにあたっている」

----ニャるほど。
目には目をだニャ。
「そう。
だからその方法もムチャクチャ荒っぽい。
カジノに強盗として押し入ったり、
麻薬の裏取引現場を襲ったり。
だが、金を盗まないことから
これは警察の手によるものではないかと
ミッキーに気づかれてしまう…。
そこから始まる逆襲!
いやあ、話しているだけでまた興奮してきた。
たとえば銃撃戦一つとっても、
弾切れなく延々と続く昨今の映画と違い、
装填するための<空白>の時間がある。
そしてそれが映画に緩急を生んでいるんだ。
老ガンマンの<ある一発>なんて、もうゾクゾク。
グレイスもファム・ファタル一歩手前。
そこが彼女の危機に、
そしてジェリーとのロマンスに
観る方の感情を移入をさせてしまう。
今年は、『ジャンゴ・繋がれざる者』 でマカロニウエスタンが注目されたけど、
この映画をきっかけにギャング映画も復活してほしいな」




「今年はジャンル映画が多いのニャ」2009.4.7フォーン


男たちの絆が描かれているのも嬉しい度
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『死霊のはらわた』(2013年度版)

2013-04-25 22:23:12 | 新作映画

※ネタバレ注:
※映画の核に触れる部分もあります。鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。




(原題:Evil Dead)


----うわあ。
『死霊のはらわた』だ。
これって30年も前に作られた
ホラー映画の古典じゃニャい。
人里離れた山奥の小屋で
若者たちが、
次々と邪悪な死霊にとりつかれるって話でしょ。
どうして今頃になってこんな昔の映画の話を…?
「あらあら。
フォーンもおとぼけ上手。
これは、先だってアメリカで公開されたばかりのリメイク版」

----へへっ。バレたか。
それだけじゃなくこの5月には
他にも
『フッテージ』『ポゼッション』と、
いずれも初登場全米No.1になったホラーが相次いで登場するよね。
「さすがよく知っているね。
その時ならぬホラーブームの中にあって、
ぼくがとりわけこの映画に引かれたのは
オリジナルを手掛けた
サム・ライミロバート・タパート
ブルース・キャンベルの3人がプロデューサーとして名を連ねていること、
そしてそのサム・ライミをして
『これは究極の恐怖体験だ。観られるものなら、観てみろ』と言わしめていること。
大きくはこのふたつかな」

----へぇ~っ。
確か最初の『死霊のはらわた』は
あのスティーブン・キングから
『映画史上最も残忍なホラー・フィルム』と評されているよね。
「そうなんだ。
なのに、この高評価。
これじゃあ、ぼくでなくても
いったいどんあ怖い映画だろうかって想像しちゃうよね。
しかも、ぼくの苦手な<痛さ>もハンパじゃないみたいで、
チラシには『痛点をなくして観てください』とまで書いてある。
でもね、『ホステル』などで慣れてきているいるからか、
その<痛み>はそれほどでもなかった。
もっと言えば<ホラー>としても思ったほどは怖くなかった。
テイストとしては憑かれ系、
そう『エクソシスト』ジェットコースター版という感じ」

----あぅ、だったら怖くなかったのも分かるニャあ。
確か、えいは
ジャパニーズ・ホラーのような
霊が何もせずそこに“いるだけ”のほうが怖いって言っていたモノ。
あれ?
でも、この映画に満足したから、
こうして喋ってんだよね。
「うん。
この映画、ホラーはホラーでも、
“逃げられない恐怖”、
そして若者たちの邪悪なる者との戦いという、
いわゆるサスペンスによって映画を牽引していく。
しかしこれが手に汗握る巧さ」

----ニャるほど。
プロットそのものはオリジナルと同じだけに、
あとは描き方、
演出力の勝負となるワケだ。
「そういうこと。
例によってあまり詳しくは言えないけど、
クライマックスは、
『シャイニング』に始まり
『リング』と『ターミネーター』の併せ技へ繋ぐという感じ。
ぼくはこの映画を観て
もしかしたら
“テレビから這って出てくる貞子”のアイデア、
その大元は『ターミネーター』にあったたんじゃないかと思ったくらい。
いやあ、それにしてもこれはもう一回観たい映画。
フェデ・アルバレスというこのウルグアイの監督、
これからトップランナーとなることは間違いないね」




「ホラーでもう一回観たいって珍しいのニャ」2009.4.7フォーン


※おそらくこれは、後々語り継がれる映画になる度

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『リンカーン』

2013-04-21 22:36:48 | 映画
(原題:Lincholn)

-----今日は、フォーンが喋っちゃいます。
20日って、ムービックスだとかワーナーマイカルだとかが1000円均一料金。
ということで、フォーンも一緒に。
ところが予告編が始まってビックリ。
フォーンでも分かるほどに、
セリフの音がこもっているの。
効果音や音楽ははっきりしているのに、
なぜかセリフだけが…。
予告のうちに直してもらおうと、
えいは外に飛び出して係の人に。
ところが本編が始まってもまだそのまま。
で、再び外へ。
係の人が何度もテストして分かったのは、
アンプが悪いということ。
結局30分ほど押しちゃった…。
あれあれ、映画から話がそれちゃった。
まず何を観たかを言わなくっちゃ。
今日観た映画、
それはアカデミー賞の本命とも言われたスピルバーグ監督『リンカーン』
どうだったか?って…。
う~ん。驚いたニャ。
『プラトーン』を思わせる激しい戦争シーンに続いて
リンカーンがスクリーンに登場。
その瞬間、本人がいるのかと…
思わず息を飲んじゃった。
それくらいに、もうそっくり。
彼が演じているのは
この映画でアカデミー主演男優賞を受賞したダニエル・デイ=ルイス
この時代、
まだ電気がなく、顔の半分には影ができちゃう。
真上からのフラットな照明じゃないから、
ごまかしも効きやすいよね…なんて言ったら怒られちゃうかな。
でも、驚いたのは物語の方。
リンカーンなんて聞くと
「人民の人民による人民のための政治」なんて言葉を思い出す。
でも、ここで描かれているのは
自分の政治目的である
合衆国憲法修正第13条を議会で可決するためなら
いかなる手段を選ばぬ策士としての姿。
しかも、その意を汲んで
周りも
共和党内をまとめ、民主党から票を集めるための政治工作に奔走する。
“政治”っていうのは今も昔も変わらないんだなと…。
だって、この票集めの軸、それは
それぞれの弱いところを突くってことニャんだもの。
選挙に落ちたらただの人、というけど、
そういう落ちること確実な人に
<就職>斡旋、その約束をしていくわけ。
で、一方では、リンカーンの家庭の危機的状況も描いちゃう。
こういう描き方が今の時代の映画なのかニャ。
えいも、
「子供のころ読んだ偉人の伝記小説とはずいぶん違うね」と言っていた…。
大人の映画なのかもしれないけど少し寂しい気もするニャ。

(byフォーン)

フォーンの一言「昔から政治家、いや人間の本質は変わらないってことなのかなニャ
悲しい

※サリー・フィールド、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、ジェームズ・スペイダー、そしてハル・ホルブルック
周りも豪華だ度


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『イノセント・ガーデン』

2013-04-18 11:34:15 | 新作映画
(原題:Casare deve morire)




----これって、韓国のパク・チャヌク監督作品。
ハリウッドに渡って撮ったってこと?
人気あるよね。
「そうだね。
でも、正直言うと、
ぼくはこの監督の作品は
カンヌ国際映画祭でグランプリを取った『オールド・ボーイ』 くらいしか好きじゃないんだ。
映像などは斬新でオモシロいと思うんだけど、
それが物語と上手くかみ合っていない気がして…」

----でも、これは脚本がハリウッドなんでしょ?
「そうなんだ。
書いたのは『プリズン・ブレイク』の主演俳優ウェントワース・ミュラー
執筆に8年の歳月がかけられたらしい」

----日本で付けられたタイトルからしてミステリーっぽいけど。
「うん。
物語は
18歳の少女インディア・ストーカー(ミア・ワシコウスカ)18歳のときに始まる。
鋭すぎる感覚を持つ彼女がただひとり心を開く父親が急死。
その葬儀の日、行方不明だった叔父チャーリー(マシュー・グード)が突然現れる。
その日から、次々と彼女の周囲の人々が姿を消していく…」

----ニャあんだ。
それじゃあ、その叔父さんが
殺人鬼に決まってるじゃない。
もし、それが妄想オチじゃなければ…。
「だよね、だれが観ても。
映画にもはっきりと殺人シーンは描かれているし。
だけど、この映画、
ぼくが喋ってみたいなと思ったのは、
その、さして驚くほどでもない物語ながら
映画として観る者を引き付ける、
その吸引力について。
実はこの作品、
オープニングから、凝りに凝ったアングルの映像が出てくる。
キャメラ・ポジションを思いっきり下げて遠景を写したかと思うと、
そこに立つヒロインの目のどアップをカットイン。
そこに意味ありげなモノローグが流れたりもする。
また、ヒロインの誕生日に毎年贈られてくる
サイズ違いの同じデザインの靴の見せ方なども、
17足の靴に囲まれて横たわるヒロインといったように、
全編に才気が漲っている」

----あれ、17足。
18じゃないの?
「そう。実は今年は
なぜか≪鍵≫が入っているんだ。
これは文字通り映画のキー(鍵)ともなっていて、
クライマックスでは
その鍵が謎を解く。
それとこの映画で忘れてはならないのは衣装だね」

----どういうこと?
「インディアが着ている淡い黄色の衣装。
これはフランスの画家バルテュス
カーディガンとスカートの少女たちが居眠りをしている絵からヒントを得たとか。
その母親エヴィ(ニコール・キッドマン)が着ているのは
どの服も体にピッタリ合っている。
これは籠に捕われたクジャクのようと、
プレスには書いてあったけど、
その対比も効果的。
でも、もっとも注目したいのはチャーリー。
カシミアのセーターやサドルシューズ。
これもプレスの言葉を借りるなら
1950年代のケーリー・グラント風
このクラシックな感じが
古めかしい邸宅の中で物語が展開することもあり、
どことなくヒッチコックの匂いを感じさせもする。
あらら、喋っているうちに
観ていた時よりも評価が高くなってきたぞ。
ラストの映像もオープニングの意味を明かす形になっていて、
うん。これはよくできたいたと思うな」




「音楽もいいらしいのニャ」身を乗り出す


ナンシー・シナトラ、リー・ヘイズルウッドの『サマー・ワイン』が官能的に使われている度

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『ローマでアモーレ』

2013-04-15 22:34:39 | 新作映画
(原題:To Rome with Love)

---この映画って、
邦題があまり評判よくない作品だよね。
ウディ・アレンの新作だっけ?
「そう。
でも観てみたら、このタイトルを付けた人たちの気持ちが分かる、
そういう映画なんだ。
夕景の陽のような暖かい光の中、
ローマの名所が全編に散りばめられていて、
その中で、
ローマで起こった4つのお話を
並行して描いていくんだ」

----ウディ・アレンの映画って、
いくつかの恋物語を同時進行って多いよね。
最近では『恋のロンドン狂想曲』もそうじゃなかった?
「そう。
ただ、実は今回は“同時進行”というわけでもない。
それぞれの時間進行が
エピソードごとに違っている。

あるエピソードは一日の中での出来事だけど、
別のエピソードは
長期にわたって起こるエピソードだったりする。
そして極めつけは
実際にいるのかいないのか分からない、
あるご意見番の登場。
アレック・ボールドウィン扮するその男ジョンは、
ジャック(ジェシー・アイゼンバーグ)、サリー(グレタ・ガ―ウィグ)、
そしてモニカ(エレン・ペイジ)のエピソードに登場。
なぜかいつも彼らの側にいて
ジャックにモニカに騙されるなと忠告し続ける。
先ほどツイッターで、
本作がこれまでの映画文法のくびきから解き放たれ、
自由な話法を獲得している
というようなことを呟いたんだけど、
それはまさにこのエピソードに象徴されているね。
果たしてこれは現在本当に進行している出来事なのか?
もしかしてジョンが現在で、これはその回想、
あるいはジャックが現在で、ジョンはその未来の姿なのか?」

----うわあ、こんがらがってきた。
しかしキャスティングもオモシロいね。
ジェシー・アイゼンバーグにエレン・ペイジ。
まさにいま旬!
「それがウディ・アレンの映画の特徴の一つ。
彼の作品には世界中のスターたちが出演を望むからね。
今回も、あの懐かしいオルネラ・ムーティをはじめ、
『それでも恋するバルセロナ』にも出演のペネロペ・クルス
さらには一時期、ウディ・アレン映画の常連だったジュディ・デイヴィス
そして『ライフ・イズ・ビューティフル』のロベルト・ベニーニまでが出演。
一本の映画の中ではあまり顔を合わせそうにはない役者たちが
それぞれに“奇妙な出来事”に巻き込まれていく。
この凸凹な個性が映画にふくよかな広がりを持たせているんだ。
あっ、クラシック・ファンには
テノール歌手ファビオ・アルミリアートの出演という
嬉しいサプライズもある」

----へぇ~っ。
賑やかな映画だね。
「でしょ。
しかもウディ・アレン自身も久しぶりに自作に出演。
相変わらずブツブツ言っている(笑)。
だからと言って若いころのように
インテリの悩みを語るワケでもなし。
なんだかいい歳の撮り方をしているように思えたね」

----で、そこで語られているテーマは?
「う~ん。
ウディ・アレンの映画に
あんまりテーマを求めるのもどうかと思うけど、
ここに描かれているのは
今ここにはない別の人生への憧れ、その顛末”かな。
これまでの彼の映画もそうだったように、
そういう願が上手くいったためしがない。
身分不相応というワケでもないだろうけど、
今ここにある人生を大切に、その価値に気付こうよ
それが言いたいかどうかは別として、
観ているぼくはそんな気になったね」


                 
(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ストーリーについてはほとんど喋ってないのニャ」ちょっと怒るニャ

※知らずに観た方が楽しい度
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『ペタルダンス』

2013-04-09 23:26:05 | 新作映画
---これって、おしゃれなプレスだね。
出演者は宮あおい忽那汐里安藤サクラ吹石一恵か。
なのに、だれも写っていなくって
空と海とかもめだけ。
いったいどんな映画ニャの?
「これがまた
シンプルと言えば、
これ以上ないほどにシンプル。
6年間会うことのなかったクラスメートのミキ(吹石一恵)が
自ら海に飛び込んだと聞いた
ジンコ(宮あおい)と素子(安藤サクラ)。
ふたりは、たまたま出会った原木(忽那汐里)と一緒に、
一命を取り留めたミキの暮らす町へ向う。
いわゆる女性だけのロードムービーだね」

----それだけ?
「うん。
それだけ。
もちろん、ちょっとしたエピソードでの肉付けはしてあって、
ジンコの煮え切らないボーイフレンド川田(風間俊介)だとか、
原木の前から突然姿を消して生死が分からないキョウコ(韓英恵)だとか、
彼女らに車を貸す素子の元夫・直人(安藤政信)とかね。
でも、大した事件が起こるってほどでもない」

----ふうん。
オフィシャルサイトを覗いたところ、
映像は抒情的だし、
いかにもって感じの音楽が流れているけど…。
「そう。
内容は暗く地味なのに、
ぼくは観ていて
なぜか頬が緩んだんだね。
透明な空気感に乗せて物語を進めていく
その感覚が懐かしかったからかな。
それとも3人のやり取りが
いかにもありそうという感じでリアルだったからかな」

----えっ?会話が多いと
その空気感とかが壊れそうだけど…。
「いや。
やり取りと言っても
会話そのものでなく、
間とか微妙な表情の変化。
しかもそこで交わされる会話は
抒情的な映像だからと言って
きれいごとというワケじゃない。
この感覚、
確かどこかで…と思ったら、なるほど。
監督が石川寛
彼の劇場デビュー作『tokyo.sora』
淡いトーンで統一されながら、
その中身たるや、
東京の空で女性が生きることの厳しさを
幾層にも重ねて描き、
かなり重いものになっていた」

----いわゆる映像派という言葉ではくくれないってワケだね?
「そういうことになるかな。
この映画が終わった時、
批評家らしい人が宣伝マンに対して
『自己満足なんだよ!』と声を荒げていたけど、
少なくともぼくはこの世界に浸って観ていられたわけだし、
そんな風に決めつけなくてもいいと思ったね」


                 
(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「音楽は菅野よう子。ずっと聴いていたくなるのニャ」気持ちいいニャ

※「ペタル」とは花弁の意味だ度
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『はじまりのみち』

2013-04-07 19:08:59 | 新作映画


----原恵一監督って、
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』
『河童のクゥと夏休み』を作った人だよね?
「うん。
ぼくのお気に入りの監督のひとり。
アニメの作家の中では一番。
その彼が、なんと実写で映画を撮るというのだから
これは観ないわけにはいかない」

----でも、不安とかはなかった?
「多少はね。
実際、原監督自身もアニメとは勝手がだいぶ違ったようで、
そのいくつかは『はじまりのみち』のプレスにも載っている」

----確か、原監督が敬愛する木下惠介監督の実話の映画化とか…。
「そうなんだ。
しかも、木下監督が一時期
松竹を離れるきっかけにもなった『陸軍』公開後の話になっている。
この『陸軍』、
ずいぶん前にNHKで放映していたのを偶然に観て、
そのラストの流れに驚いた覚えがある」

----『陸軍』なんて聞いたら
戦意高揚映画みたいだけど…。
「ところが、その逆。
出征する息子を走って追いかけていく母(田中絹代)。
その顔には、
“お国のため”などという誇らしげなものでなく悲愴感が…。
途中、群衆の中を転びながらもやっと追いついた彼女は、やがて…。
というラストシーンなんだね。
この『陸軍』、当時の日本の空気が驚くほど伝わってくる。
いったい、どのような撮影をしたんだろう?
と、実はそっちの方も興味深いんだけど…。
いやいや
『はじまりのみち』に話を戻そう。
その『陸軍』が女々しいと目を付けられ、
映画が撮れなくなった木下恵介は松竹に辞表を提出。
脳溢血で倒れた母、たま(田中裕子)が療養している浜松の気賀に向かう。
だが、戦局は厳しさを増し、
その気賀も安住の地とは言えなくなり、
山間の気田へ疎開することになる。
しかし、病身の母にバスでの山越えはつらい。
恵介は兄(ユースケ・サンタマリア)と共に
母をリヤカーに乗せて峠を越える…」

----リヤカーの方がつらそうだけど…。
「うん。正直、ぼくもそう思った。
実際、途中では雨に降られたりで、
かえって体に良くないのではないかと…。
そういうことも含め、
この映画によると木下恵介像、
それはよく言って信念の塊。
でも強情とも言えないこともない。
決して広く一般に好かれるタイプじゃないだろうなと思ったね。
でも一方では、
そういう個性の強い人だからこそ、
信念で、あれだけの映画を生んだんだろうなということを
納得させてもくれる」

----木下恵介監督映画の特徴って?
「う~ん。
一言では言えないんじゃないかな。
ほんとうにバリエーションに富んだ映画を作っているからね。
実はこの『はじまりのみち』のラストには、
原恵一監督自らがセレクトし編集した
『陸軍』以降の木下惠介作品集が…。
それを観ると内容ばかりでなく、
木下惠介監督がその作品ごとに
いかにさまざまな映画表現手法を見せているかが分かる。
そしてこの『はじまりのみち』が秀逸なのは、
そのまさに“はじまり”がこの母とのリヤカーの“みち”の中で生まれたことが
よく分かる構成となっていることなんだ。
『わが恋せし乙女』のストーリーを思いついたり、
『二十四の瞳』の元となる情景を見たり…。
あるいは『破れ太鼓』のアイデアを得たり…。
実はその『破れ太鼓』の軍平のカレー好きの元ネタとなる役を
濱田岳が演じているんだけど…。
まあ、この話はここまでにしておこう」

----えっ。かえって聞きたくなるニャあ。
「じゃあ、
ぎりぎり一言だけ。
コメディリリーフ的な彼の喋りに
ここまで泣かせられるとは思わなかったな。
ただ、さらに深い感動はその後、
実は映画作品集の中にある。
原監督がラストのラストに持ってきた
ある一本の木下惠介映画。
そこで使われるセリフ。
ここに、原恵一監督の
木下恵介監督への思いが凝縮。
と同時に、自分が日本の映画監督のひとりとして
そのDNAを受け継いでいるということを宣言している。
ここまで真摯に
ひとりの監督とその世界に向きあった映画を
ぼくは他に知らないな。
尺は1時間30分そこそこと短いけど、
これは今年のベストワンを争う作品の一本だと思うよ




「これは観たくなるニャ」2009.4.7フォーン


※今の時代に必要な映画ということが最後の最後に分かる、原恵一監督の決意表明だ度

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『クロユリ団地』

2013-04-06 15:05:26 | 新作映画

----オカルトって苦手なはずなのに、
なぜかよく観に行くよね?
「結局、
恐いもの見たさなんだろうなあ。
ぼくが最初に、夜寝られなくなったのは
その昔、NHKテレビでやっていた『耳なし芳一』。
あそこに、自分の恐怖の原点がある気がする」

----夜、平家の亡霊たちが芳一の琵琶を聞くために
盲目の彼を自分たちのところへ連れてくるって話だよね。
「うん。
実は、一時期話題になったジャパニーズ・ホラーも、
そこに原点がある気がするんだ。
ハリウッド映画のように、
うわっ!と驚かせるワケじゃなく、
ただ、何もせずにそこにいる怖さ…。
『リング』は、
貞子がテレビからにじり寄るという
有名なシーンこそあれど、
冒頭から“そこにいる”怖さが映画を支配していた」

----で、これはその監督でもあった
中田秀夫の新作ってワケか。
『リング』はハリウッドでリメイク。
彼も自分で『ザ・リング2』を作ったよね。
「うん。
その彼の作品でも“最恐”
と聞いていたけど、
意外やぼくには大丈夫だったね。
物語は
前田敦子扮するヒロイン、二宮明日香が
“出る”と噂されるクロユリ団地へ越してくるところから始まる。
隣に引越しの挨拶に行く明日香だが、
隣人は姿を見せようとしない。
ただ、毎朝、5時半に目覚ましが鳴り続ける。
いったい彼は?
やがて、明日香は団地の砂場でミノルという少年と出会い、
その隣人が、一人暮らしの老人と知る。
ある日、隣のドアを思いきってあけて中に踏み込んだ彼女は、
そこで老人が死んでいるのを見つける。
そして、その日から不可思議なことが明日香の周囲で起こる。
『オマエ、シヌ』と耳の奥で囁くその声は…」

----ぶるる。
いやだ。やはり怖いじゃニャい。
あれ、でもプレスには
『誰か、ぼくと遊んで』って書いてある。
「いやあ、
これは見せない方がいいと思うけどね。
ぼくはなにも知らずに観たからよかったけど、
結局、これじゃあ、
ラスボスの正体を明かしているようなもの。
この映画、ぼくが怖さを感じなかったのは、
ひとつには、
そのラスボスが少年だったこと。
やはり、とり憑かれるとしたら女性の方が怖い。
長い黒髪というビジュアルもそうだけど、
やはり男性からすると
ただでさえよく分からない女性の方が
霊的存在としては怖い。
それと憑かれることに因果関係があること。
『リング』はたまたま回ってきたテープを見たこと、
そして『呪怨』はその家に憑いている。
いずれも、
自分が恨みを買われるようなことをしたわけでもないのに、
呪われてしまう」

----避けようがないってワケだね。
「そう。
あと、この映画がそれほど怖くないのは
ミステリーだの
ヒロインの心的外傷だのを入れているから。
ホラー意外の要素もあるわけだから
意識がそっちの“謎”の方も追っていって、
怖さを感じる気持ちが半減してしまう。
それと、メイク&音響だね。
ぼくは無音の方が怖いタイプ。
でもハリウッドはこのノリで
『ザ・リング2』を中田監督に作ってほしかったんだろうな」



「床に引きずり込まれるシーンもあるらしいのニャ」2009.4.7フォーン


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『シュガー・ラッシュ』

2013-04-03 15:22:16 | 映画
(原題:Wreck-It Ralph)




----この映画、
ディズニー・アニメ映画史上最大のヒット作、
日本でもスゴイ人気ニャんだって?
ゲームセンターのゲームが舞台って、
小さくまとまっちゃいそうだけど、
いったいどんなお話ニャの?
「いやいや、
この物語の広がり方はスゴイ。
なにせ、いくつものゲームにまたがって
お話が展開していくんだから…。
ということで、まずはその物語から…。
主人公は、フェリックスが活躍するアクション・ゲーム『フィックス・イット・フェリックス』
ビルを壊していく敵キャラを30年間も演じている大男のラルフ
ゲームの中の住人たちからいつも嫌われている状況にうんざりしていた彼は、
ヒーローのメダルを手に入れようと、
コンセントを伝わって自分のゲームの世界を抜け出してしまう。
潜りこんだのは最先端のシューティング・ゲーム
『ヒーローズ・デューティ』
そこで運よくメダルを手に入れたラルフだが、
敵キャラ、サイ・バグの卵を踏み潰し孵化させてしまう。
脱出ポッドに乗った彼らは
お菓子だらけの世界でレースが繰り広げられるゲームの世界へ移動してしまう」




----ニャるほど。
それが『シュガー・ラッシュ』というわけだね。
「そう、ここまでで一回、
この物語の魅力を整理してみよう。
実を言うと、
全篇が見どころで語り尽くせないんだけどね。
夜中、子供たちが寝静まった頃を見てゲームが動きだす…
これは『トイ・ストーリー』
もっと遡れば童話の『くるみ割り人形』。
子どもならば、だれしもが想像したことのあるこの設定で
あっという間に観客の心を掴んでしまう。
そして、最初に登場する『フィックス・イット・フェリックス』、
これが初期のアーケードゲーム、
そう、『ドンキーコング』あたりを思い出すと分かりやすいかも。
そのキャラが、解像度がまったく違う世界へ行くという、
その発想だけでもワクワクドキドキ。
そしてさらに巧いなあと思うのが、
ここにもう一つの冒険が重なってくるところ。
ラルフがいなくなったことで、
『フィックス・イット・フェリックス』は大騒ぎに。
ゲームの不具合を子供に指摘され、
ゲームそのものが店から撤去される運命になったのだ。
翌朝の開店までにラルフを連れ戻さなくてはと、
フェリックスは『ヒーローズ・デューティ』へ。
そこで他のゲームに行ったサイ・バグを退治するために
出発しようとしていたカルホーン軍曹と出会った彼は、
ともに『シュガー・ラッシュ』へ向う。
というわけで、ここにタイムリミット・サスペンスの要素が加わってくる。
一方のラルフは『シュガー・ラッシュ』で
仲間外れにされてレースに出ることを禁止されている少女ヴァネロペと出会う。
敵役と仲間はずれ…。
互いにその世界で疎外と孤独を味わっているふたりは、
最初こそ反発しながらも
やがて心の深いところで共鳴し合っていく。
もう、ここまでくると、
ディズニーがどうのというよりも、
ハリウッド映画が繰り返し描いている王道ヒューマンドラマ
そこに、
ディズニ―・アニメ伝統のカーレース、プリンセス・ストーリーを織り込んでいく」

----ふむふむ。
それは興奮するのも分かるニャあ。
「ラルフは壊し屋。
なのに、ここではヴァネロペのために
レーシングカーを作ってあげるという、
この設定もいい。
そして訪れる、これ以上は望みようもない至福のエンディング…。
とにかく
これは隅々まで神経が行き届いた最高の映画だったよ」






「エンドクレジットが始まってもだれも立ち上がらなかったらしいのニャ」2009.4.7フォーン


※MOVIX昭島が場内を明るくするのを止めていてよかった度

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画像はオフィシャル・ダウンロード・サイトより。

『バレット』

2013-04-02 22:47:05 | 新作映画
(原題:Bullet to the Head)

 

----『バレット』って、
今年の初めから楽しみにしていなかった?
シルベスター・スタローンが好きってワケでもニャいのに…。
「うん。
正月に来た年賀状の中に、
ウォルター・ヒルの文字を見つけてからね」

----その人、監督だよね。
「そう。
主に80年代に活躍した人。
日本では『ザ・ドライバー』あたりから人気に火が付いて、
『ウォリアーズ』『ストリート・オブ・ファイヤー』
沸点に達したんじゃないかな。
でもその名が一般にまで広がったのは『48時間』かもしれない。
実は、この映画は
その『ザ・ドライバー』への出演を勧められ、、
『48時間』でもニック・ノルティの役をオファーされたこともある、
シルベスター・スタローンが
ついに、その伝説の監督とタッグを組んだ
とても意味ある作品なんだ。
なんでも周囲は
ウォルター・ヒルを偉大と認めながらも
歳をとりすぎているということで、
もっと若くてシャープな監督を使うようにと
彼にアドバイスしたらしいけどね」

----へぇ~っ。
スタローンはどう答えたの?
「歳をとりすぎていることに関しては
『俺だって同じさ』(笑)。
そして、もしウォルターが
監督をやらないようなら、この役を降りるとまで言ったらしい」

----それはスゴイ。
確か、これって殺し屋の話だよね。
「そう。
プロットはシンプル。
スタローン扮する殺し屋ジミー・ボノモは相棒ルイスと共に
いつもどおりの鮮やかな手口で、
依頼通りに元警官グリーリーを暗殺。
だが、依頼人の裏切りでルイスを失ってしまう。
そんな彼に近づいてきたのがグリーリーの元相棒だった刑事テイラー。
彼は暗殺の実行犯がジミーと知りながらも、
背後に潜む巨悪の匂いをかぎ取り、
捜査への協力を彼に依頼する。
しかし長年、裏道を歩むジミーにとって
それはありえないことだった…」

----でも結局、コンビを組むってワケだね。
ということは一種のバディムービー
「なんだけどね。
ただ、スタローンに言わせれば
アンチ・バディ・ムービーなのだとか。
理由はお互いのことを嫌っているから。
しかし、それがこの映画では物語の推進力として
功を奏していたと思う。
この映画、何がいいかって、
どのシーンも素直には終らない。
必ず<意外性>が用意されているんだ。
で、『えっ?』と思った瞬間に
次のシーンへ移る。
これじゃあ、飽きるはずはない」

----でも、それって脚本の巧さだよね?
「もちろん、それもあるけど、
ムダをそぎ落とした演出が生みだすリズムも
その脚本を生かしている。
ウォルター・ヒルは言う。
『アクション映画の監督というのは、
翌よかれと思ってやりすぎてしまうんだ(中略)。
(アクションシーンは)観客に、
もう少し見てみたいと思わせるくらいが、
ちょうどいいんだよ』

----ニャるほど。
「話は逸れるけど、
この『バレット』、
プレスが観音開きの8Pという体裁にしては、
中身が充実。
ウォルター・ヒルの貴重なコメントがいっぱい載っている。
たとえば、最近話題になったニコラス・ウィンディング・レフン監督の『ドライヴ』
あの作品には、
一般の人には分からないような点において、
自分の作品と同じモノが流れていることとか、
その自分はジャン=ピエール・メルヴィルからの影響を
ある程度受けていることなどをね。
そしてメルヴィルも
それ以前のアメリカ映画から大きな影響受けていることに言及した後、彼はこう続ける。
『そういった歴史の繋がりが映画をオモシロくしている』

----へぇ~っ。そうなると次作も楽しみだね。
「それがなんと、
ロバート・アルドリッチの『何がジェーンに起こったか?』のリメイクなんだそうな。
彼は、自分ほど
アルドリッチという人物や作品について考えた人間はいないと思うという。
珍しく、男性アクションじゃないし、
どんな映画になるか、キャスティングも含めて
見守っていきたいな」

                 
(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「『エクスペンダブルズ2に続いて肉弾戦もあるらしいのニャ」なにこれ?

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画像はドイツ葉&フランス版ポスター。