※カンの鋭い人は注意。
※中で使われる歌など、映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。

(原題:Song for Marion)
----この映画に似たような話、
前に聞いたことある気がする。
ほら、高齢の人たちばかりの合唱団…。
「『ヤング@ハート』のことだね。
ぼくも観るまでは
あの映画のドラマ版かと…。
事実、あれはあれで感動的だったし、
それがドラマ化されるなら
これは一見の価値あり…と。
ところが…」
----ところが…?
「設定は似ているけど、
同じもの問うワケではなかった。
これは英国アカデミー賞にも新人賞としてノミネートされた
新鋭ポール・アンドリュー・ウィリアムズ監督の半自伝的作品」
----えっ、年齢的におかしくない?
新人なのに、こんな歳を取った人の話で、
しかも半自伝ニャんて…。
「いや、
それは彼の両親に関する話という意味。
さて、まず物語を整理しよう。
舞台はロンドン。
無口で気難しいアーサー(テレンス・スタンプ)。
頑固者の彼は息子との関係もぎくしゃくしている。
アーサーが笑顔を見せるのは最愛の妻マリオン(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)にだけ。
病弱だが陽気なマリオン。
その趣味はヘビメタやヒップホップなどにもチャレンジする
シニアの合唱団“年金ズ”で歌うこと」
----それって、
アーサーの性格からすると、
ついていけなさそう。
「だよね。
アーサーは彼女の送り迎えだけ。
いつも終るのを待って外で煙草プカプカ。
そんなある日、
“年金ズ”が国際コンクールのオーディションに出場することに。
ところが喜ぶマリオンに、
なんとガンが再発したという告知が…」
----うわあ。
「さて、どうしようかな。
この後のストーリー、
喋っていいのやらいけないのやら」
----でも、想像はつくよ。
だってキャッチコピーが
『歌わにゃイカん理由ができた。』
「う~ん。
でも、ここは押さえて…。
ストーリーよりも別のことを語っちゃおう。
この映画、見どころは
テレンス・スタンプとヴァネッサ・レッドグレイヴの共演。
片や『コレクター』『テオレマ』における
神秘的な“ブルーアイ”で世界の女性を虜にしたばかりか、
今でいうシネフィルの心にいつまでも生き続けている神話的存在。
そしてもうひとりは
リリアン・ヘルマン原作の『ジュリア』でジェーン・フォンダと共演。
アカデミー助演女優賞を受賞するも
授賞式でのスピーチが政治的と物議を醸しだした伝説の女優。
いずれも“時代のアイコン”。
そのふたりがこうして共演している。
そのことだけでもぼくの心を震えさせずにはおかなかった」
----ふたりとも実際に歌っているの?
「うん。
その選曲が素晴らしい。
ここからはネタバレだからね。
「なかでもレッドグレーヴが歌うシンディ・ローパーの『True Colours』、
これが映画の内容にピッタリとフィットしているんだ。
そしてテレンス・スタンプのビリー・ジョエル『Lullabye (Goodnight My Angel)』。
ここでは、その青い目に、
ほんのわずかだけど涙がこぼれる。
この涙の量がもう見事の一言。
これより多くても少なくてもいけない。
もう、役者の真髄を見た気がしたね。
後半、ある<障壁>を入れているとはいえ、
話自体は、そう珍しいものでもない。
これは間違いなく“役者”で見せる映画。
しかも、かつて彼らの映画を観てきた人の心を打つ映画。
いまの若いファンにはあまりなじみのない
ふたりの俳優を起用してのこの映画、
それを輸入配給したアスミック・エースの“仕事”の素晴らしさには
いくら拍手を送っても送り足りないね」
「テレンス・スタンプって、ほんと美形だったのニャ」
※「『テオレマ』がプレスのフィルモグラフィから漏れてるのは問題だ度」


http://www.youtube.com/watch?v=mQiDs9tKZv4
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鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。

(原題:Song for Marion)
----この映画に似たような話、
前に聞いたことある気がする。
ほら、高齢の人たちばかりの合唱団…。
「『ヤング@ハート』のことだね。
ぼくも観るまでは
あの映画のドラマ版かと…。
事実、あれはあれで感動的だったし、
それがドラマ化されるなら
これは一見の価値あり…と。
ところが…」
----ところが…?
「設定は似ているけど、
同じもの問うワケではなかった。
これは英国アカデミー賞にも新人賞としてノミネートされた
新鋭ポール・アンドリュー・ウィリアムズ監督の半自伝的作品」
----えっ、年齢的におかしくない?
新人なのに、こんな歳を取った人の話で、
しかも半自伝ニャんて…。
「いや、
それは彼の両親に関する話という意味。
さて、まず物語を整理しよう。
舞台はロンドン。
無口で気難しいアーサー(テレンス・スタンプ)。
頑固者の彼は息子との関係もぎくしゃくしている。
アーサーが笑顔を見せるのは最愛の妻マリオン(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)にだけ。
病弱だが陽気なマリオン。
その趣味はヘビメタやヒップホップなどにもチャレンジする
シニアの合唱団“年金ズ”で歌うこと」
----それって、
アーサーの性格からすると、
ついていけなさそう。
「だよね。
アーサーは彼女の送り迎えだけ。
いつも終るのを待って外で煙草プカプカ。
そんなある日、
“年金ズ”が国際コンクールのオーディションに出場することに。
ところが喜ぶマリオンに、
なんとガンが再発したという告知が…」
----うわあ。
「さて、どうしようかな。
この後のストーリー、
喋っていいのやらいけないのやら」
----でも、想像はつくよ。
だってキャッチコピーが
『歌わにゃイカん理由ができた。』
「う~ん。
でも、ここは押さえて…。
ストーリーよりも別のことを語っちゃおう。
この映画、見どころは
テレンス・スタンプとヴァネッサ・レッドグレイヴの共演。
片や『コレクター』『テオレマ』における
神秘的な“ブルーアイ”で世界の女性を虜にしたばかりか、
今でいうシネフィルの心にいつまでも生き続けている神話的存在。
そしてもうひとりは
リリアン・ヘルマン原作の『ジュリア』でジェーン・フォンダと共演。
アカデミー助演女優賞を受賞するも
授賞式でのスピーチが政治的と物議を醸しだした伝説の女優。
いずれも“時代のアイコン”。
そのふたりがこうして共演している。
そのことだけでもぼくの心を震えさせずにはおかなかった」
----ふたりとも実際に歌っているの?
「うん。
その選曲が素晴らしい。
ここからはネタバレだからね。
「なかでもレッドグレーヴが歌うシンディ・ローパーの『True Colours』、
これが映画の内容にピッタリとフィットしているんだ。
そしてテレンス・スタンプのビリー・ジョエル『Lullabye (Goodnight My Angel)』。
ここでは、その青い目に、
ほんのわずかだけど涙がこぼれる。
この涙の量がもう見事の一言。
これより多くても少なくてもいけない。
もう、役者の真髄を見た気がしたね。
後半、ある<障壁>を入れているとはいえ、
話自体は、そう珍しいものでもない。
これは間違いなく“役者”で見せる映画。
しかも、かつて彼らの映画を観てきた人の心を打つ映画。
いまの若いファンにはあまりなじみのない
ふたりの俳優を起用してのこの映画、
それを輸入配給したアスミック・エースの“仕事”の素晴らしさには
いくら拍手を送っても送り足りないね」
「テレンス・スタンプって、ほんと美形だったのニャ」

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