ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『映画 クロサギ』

2008-01-31 22:13:29 | 新作映画
-----この映画って、もともとはテレビのドラマだったんでしょ?
「うん。でもそれを言うなら、最初はコミックだね」
-----じゃあ、設定を知らないと
分かりにくいんじゃニャい?
「ほんとうはそうだね。
まあ、でもこの映画を観る人は、
その大半がコミック、もしくはテレビを知っている人。
だから大丈夫とは思うけどね」

-----でも、えいは
テレビについてはまったく知らなかったわけだよね。
「うん。中にはぼくみたいな人もいるかもしれないし、
簡単に設定を話しておくかな。
主人公のクロサギ、こと黒崎(山下智久)は
かつて詐欺の被害に遭い、家族を失っている。
彼は、奪われた人生を取り戻すために
詐欺師のみを騙し撃つ“クロサギ”となった」

-----ちょっと待って。そのクロサギってのが、
まず分からニャイ。
「人を騙して金銭を奪うのがシロサギ。
異性の心と体を弄ぶのがアカサギ。
そしてシロサギとアカサギのみを喰らう
史上最凶の詐欺師がクロサギってわけ。
ほんとうに、そんな言葉があるのかどうかは知らないけどね」

-----は、はあ~っ。
でもクロサギはどうやって、
その他の詐欺師の情報を知るわけ?
「彼は、桂木(山努)から
その情報を買ってるんだ。
実はこの桂木は
黒崎の父親を嵌めた詐欺のプランを立てた人物でもある。
で、このあたりがぼくも含めて
テレビを観ていないと分かりにくい。
なぜ、敵と手を組んでいるのか?
最後の方で御木本(岸部シロー)が姿を少し見せ、
どうやら彼が黒崎の父親を詐欺にかけた直接の人物ということが
分かる仕組みにはなっているけど、
やはりこれはテレビを知らないとね…。
あっ、映画では、桂木にみんなが惹かれるわけの説明もあったな」

----ふうん。じゃあ、物語も分かりにくかったりして…。
「いや、一応テレビからは独立した物語となっている。
今回のクロサギの最大の標的は
倒産詐欺の仕掛人・石垣(竹中直人)。
そしてその餌食となる被害者役に大地真央、飯島直子。
彼らは、このドラマだけのキャスティング。
そしておそらく、これはテレビのファンに向けてと思うけど、
加藤浩次、市川由衣らも続けて出演。
でも、二人の出番は堀北真希も含めて少ない。
テレビ、そして映画両方で顔を多く見せているのは
山努の他には、
哀川翔、奥貫薫くらいじゃないかな」

----ニャんだか、キャストの話ばかりだニャあ。
「うん。だってさっきも言ったように
この映画は最初から
その観客をテレビでのファンに想定しているからね。
映画の出来うんぬんというのは二の次と思う。
たとえば、
シーザーとブルータスのエピソード、
シェイクスピアの引用などが
至るところに散りばめられていて、
ぼくなんかは、それをクドく感じてしまうんだけど、
元からのファンにとっては
それも納得いくものなのかもしれない」

----だから、中身に深く入らずに
アウトラインの紹介にとどめているってワケだニャ。
「まあ、この『ラムの大通り』はもともと
批評をするところではなく
新作映画の見どころをフォーンに話すサイト。
今回はこの紹介方法が一番いいと思うんだけどな」


        (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「でも、どっちにしろこのドラマ知らないからニャあ」もう寝る


※しかし、いろんなテレビドラマがある度

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『告発のとき』

2008-01-30 22:23:14 | 新作映画
※カンの鋭い人は注意。
※ 鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただくことをオススメします。


(原題:In the Vally of Elah)


「いやあ、とんでもない映画を観てしまった。
これは、なんにも喋れない」

-----ん?どういうこと。
そういうこと言うの『ミリオンダラー・ベイビー』以来だね。。
おっ。鋭いところ突いてきたね。
この映画は、その脚本家ポール・ハギスの
『クラッシュ』に続く監督作品。
物語のアウトラインはよくあるタイプ。
てっきり、これは政府や軍部批判を
声高に叫ぶタイプの映画かと、
勝手にクライマックスのカタルシスを想像していたら
ものの見事に外されてしまった」

-----へぇ~っ。どんな映画にゃんだろう?
そのアウトラインとやらを話してよ。
「うん。
主人公は本作でアカデミー賞にもノミネートされている
トミー・リー・ジョーンズが演じるハンク・ディアフィールド。
その彼の元に、イラクに出征していた息子のマイクが
姿を消したという不穏なニュースが入ってくる。
軍人一家に育った息子に限って
無許可離隊などありえないと
彼が帰還したフォート・ラッドへ向うハンク。
ところが、そこに息子がバラバラになって殺され、
しかも遺体が焼かれていたという
ショッキングなニュースが入ってくる」

-----うわあっ。そこまで聞いただけでも、
これは軍の内部に巣食う何かを
告発した映画って感じだよね。
「そう。普通ならそうなるはず。
実際に、捜査を始めた彼の前にも
軍の壁が立ちはだかるしね。
でも、物語はさっきも言ったように、
思いもかけない衝撃の結末を迎える。
というか、いまだにボクはこの結末が
ほんとうにそうなのか、信じられないんだけどね。
まるでキツネにつままれたみたい。
釈然としないというか、
映画の常識を破る。
ただ、後で考えると、
この結末は、軍ではなく
戦争そのものが個人にもたらす
あまりにも大きな<圧>を描いたということだと思う。
そういう意味では、ほんとうにスゴい。
ただ、好きな映画とは言いがたかったね」

----確か、女優たちも豪華だよね。
「シャーリーズ・セロンは地元警察の女刑事。
彼女はもはや完全な演技派になったね。
そしてもう一人、スーザン・サランドンはハンクの妻。
彼女の存在も映画を引き締めていたね」



        (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「これ、実話が基になっているんだってニャあ」ぱっちり


※タイトルのイメージがあまりにも違う度


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『チーム・バチスタの栄光』

2008-01-29 22:47:38 | 新作映画
----これって原作が大ベストセラーだよね。
「うん。本屋に文庫本が平積みになっていた」
----チームって、なにかスポーツのお話ニャの?
「いや。バチスタっていうのはね。
拡張型心筋症に対する非常に難易度の高い手術。
この映画は
アメリカ帰りの天才外科医を中心とする専門団によるバチスタ手術の失敗から
物語は始まる。
そして、その原因を究明するのが
不定愁訴の外来医・田口公子(竹内結子)と
厚生労働省の大臣官房付技官・白鳥圭輔(阿部寛)。
つまりは医療ミステリーにしてサスペンスというわけだ」

----ということは、その手術の失敗は殺人?
「いや、ここでその断定は止めておこう。
しかし田口&白鳥はその殺人の可能性も含めて
失敗の原因を調べるわけだ。
というのもそれまで26連勝という
奇跡的なほどに高い成功率を誇っていたチーム・バチスタが
3例続けて術中死を起こしてしまうわけだから」

----オモシロそうだけど、でも原作ものだから
あまり、ストーリーを喋っても意味ニャいんだよね。
「うん。だからこういう場合は、
必然的に
映画の観どころをどこに持っていくか、
それがポイントとなる」

----で、どこだったの?
「うん。最近つくづく思うんだけど、
まだ新人に近い監督が<東宝>で監督すると、
なぜか堂々と安定した作りの映画になる。
今回もそう。
いままで、それは脚本のせいとか、
予算が潤沢になって
ロケもセットもグレードアップしたからとか、
そういう風に思っていたんだけど、
もっと決定的なことがあったということに気づいたね」

----う~ん。ニャんだろう?
「それはね。キャスティング。
もう実力派も個性派も、そしてイケメンも
みんな豪華豪華。
さっき阿部寛&竹内結子は紹介したけど、
ふたりが調べる
チーム・バチスタの面々を見てみよう。
天才外科医に吉川晃司、その第一助手に佐野史郎。
病理医に池内博之、麻酔医に田中直樹、第二助手に玉山鉄二。
さらに臨床工学博士に田口博正、看護士に井川遥。
このアンサンブルは、もうお見事というしかない。
新たな方向性を見つけたって感じの吉川晃司、
久しぶりに彼ならではの味わいを見せる佐野史郎、
そして最近は汚れ役に果敢に挑む井川遥。
こういったユニークな連中が、
今ノリにノッている阿部寛と対峙するワケだからね」

----つまりキャスティングが絶妙ってワケ?
「うん。バチスタ以外にも野際陽子、平泉成、國村隼。
彼らの演技を見ているだけで贅沢な時間に浸れる」

----でも、それだと映画って感じがあまりしないニャあ?
「いや。もちろんそれだけじゃないよ。
このバチスタは、一回、心臓を止めて
そこから鼓動を戻すという
いわば一度人を殺してしまう手術。
そこで鼓動が戻ってこない時の恐怖。
あるいは、“名探偵”阿部寛が真相を明らかにする時の
映像的な見せ方とか、
原作が持っていると思われるエッセンスを
うまく掬いとっている」

----でも、えいは原作読んでいないんでは?
「あらららら……」

(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「で、犯人誰かニャあ」小首ニャ

※ちょっとCM。意外ときれいです。
(画像のどこでもクリックしたら動画が観られます)

kissmintmebius

※ほんと豪華な顔ぶれだ度

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『燃えよ!ピンポン』

2008-01-28 13:54:14 | 新作映画
(原題:Balls of Fury)

-----これ。タイトル聞いただけで笑える。
絶対、オバカ映画だ。
「まさにそのとおり(笑)。
じゃあ、まずそのバカバカしい設定から。
1988年のソウル・オリンピック。
天才ピンポン少年ランディは
最愛の父(ロバート・パトリック)が
闇の組織相手に賭けをしていることを知り
試合に集中できず準決勝で無様にも敗退。
しかもその父は、組織によって消されてしまう。
19年後、彼は一線を退き、場末の曲芸ピンポンで
生計を立てている」

-----やはり変な映画だ(笑)。
「ところが、そんな彼の元に
FBIから秘密の指令が下る。
裏社会で極秘に行なわれている卓球大会に潜入捜査してくれというんだ。
ランディは中華街で盲目のピンポン・マスター(ジェームズ・ホン)に弟子入り。
マスターの超セクシーな姪マギー(マギー・Q)に
セクハラと勘違いされたり、
蜂の部屋に閉じ込められたりと、
散々な目にあいながらも、
極悪人フェン(クリストファー・ウォーケン)の元へ、
FBI捜査官ロドリゲス(ジョージ・ロペス)と共に乗り込んで行く。
まあ、簡単に言えば『燃えよドラゴン』ピンポン版だね。
原題は“FURY”、『ドラゴン/怒りの鉄拳』を意識しているみたいだけど…」

-----へぇ~っ。クリストファー・ウォーケンが出ているんだ。
「そう。それも変な中国人役を喜々として演じている。
その顔を見ていたら、
なんだか石橋連司を思い出したね。
あるいは根岸季衣(笑)」

-----それ聞いただけでも、笑えそう。
「うん。しかも細かいギャグが至るところに散りばめられている。
『ドッジボール』なんかを好きな人にはあうんじゃないかな。
それと、注目しておきたいのは
主人公を演じるダン・フォグラーだね。
最近、この手の映画はメタボ指数が高い
“ジャック・ブラック”タイプが人気。
『カンフー・パンダ』の声優も務めるなど、
彼、アメリカでは大ブレイクというけど、
日本でもきそうだよ」



        (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「脂っこそうだニャあ」もう寝る

※ちょっとCM。ドラマ仕立てです。(画像をクリックしたらスタート!)
「寒い家」



※A HUGE COMEDY WITH TINY BALLSだ度

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画像はアメリカ・オフィシャル(ダウンロードサイト)より。
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『接吻』

2008-01-27 12:30:27 | 新作映画
----また、スゴいタイトルだね。
インパクトはあるけど…。
「うん。映画って、あまり情報が伝わっていない時は、
そのタイトルも映画鑑賞の重要なファクターになる。
たとえば、街を歩いていて
“今日はちょっと映画観ようかな…”という時なんかね」

----でも、このタイトルってどういう内容なのか、
想像つきにくいニャあ。
チラシの小池栄子を見た限りでは、
普通の恋愛映画とは思えないけど…。
「それはある意味正解。
この映画は、一言で言えば
テレビで一家皆殺しの殺人犯・坂口逮捕の現場を見たOL京子が
彼に一目惚れし、
ついには獄中結婚までするというもの」

----ゴクッ。それってスゴくニャい。
「この坂口を豊川悦司が演じているんだけど、
冒頭の殺人犯行からして
異様な雰囲気を醸し出している。
階段を上がっている彼のズボンの後ろポケットに金槌。
さして目標もなく、一軒一軒回って
たまたま鍵のかかっていない家に上がり込み凶行に及ぶ。
しかも、各テレビ局に自分のインタビュー現場を指定。
その一方で、キャッシュディスペンサーで金を下ろし、
顔をモニターの方に見せながら、自ら警察に通報。
京子は、このインタビューをテレビで見たわけだ。
で、坂口の国選弁護人・長谷川に仲村トオル」

----それはユニークなキャスティングだね。
「仲村トオルは監督・万田邦敏の『UNloved』にも出ている。
こちらも強烈な個性を持った女性が主人公。
同じく、ふたりの対照的な男を挟んでの愛の物語となっていく」

----そういえば、豊川悦司も
万田邦敏監督の映画に出ていなかった?
『ありがとう』だね。
でも、こちらは脚本に妻の万田珠実が
関わっていないこともあり、
オーソドックスな作りの映画になっていた」

----へぇ~っ。その万田珠実っていう人、
そんなに個性的な脚本を書くの?
「そうだね。
彼女いわく、この映画のジャンルは“孤独映画”。
京子は、ふだん誰からも顧みられず、
それこそ“自殺でもするんじゃないの”というように、
暗い女性と見られている。
その彼女が自分と同じ匂いを殺人犯に感じとるんだ。
ただ、この時点では観客にもまだ分からない。
本当に二人に共通性があるのか、それとも彼女一人の思い込みか?
ただ、しばらく見ているうちに
それが彼女の妄執にすぎないことが分かってくるんだ」

----それはもしかして“狂気の愛”ということ?
「そういうことになるかな。
プレスにも『アデルの恋の物語』と比較してあるし…。
その“狂気の愛”がクライマックスの“接吻”に向って
京子を突き動かしてゆく。
実をいうと、この物語、
頭でっかちのような気もしたのは事実。
同じ“理解不能”な女性でも
『UNloved』はそれまでの映画に
まったく見られなかったヒロイン像。
でもこれはちょっと……。
ただ、話しているうちに気づいたんだけど、
万田邦敏&万田珠実のコンビということで
こちらが観る前から
濃密な人間ドラマを想定したところがあるんじゃないかと…。
でも実際は
ヨーロッパ映画に見られる“劇場の女”を
あるサスペンスの中に描いた映画。
そういう観点からすると、
これは日本映画の裾野を広げた作品ともいえるかもね」


       (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ふうむ。一言では言えない映画ニャんだニャあ」小首ニャ

※『ありがとう』しか観ていない人は、驚くかもだ度

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「寒い家」

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『地上5センチの恋心』

2008-01-26 13:01:04 | 新作映画
※カンの鋭い人は注意。※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。


(原題:Odette Toulemonde)

-----ちょっと変わったタイトルの映画だニャあ。
これもフランスの映画だよね。
どういう意味ニャの?
「まあ、映画を観てみると分かるけどね。
カトリーヌ・フロ演じるヒロインのオデット-----
(と言っても、2人の子持ちの主婦なんだけどね)、
普段はデパートの売り子として働き、
夜も生活のために
家でお裁縫仕事をしている彼女の唯一の楽しみは
お気に入り作家のバルタザール(アルベール・デュポンテル)のロマンス小説を読むこと。
ところが、ひょんなことから
このバルタザールが彼女の家で
しばらくの間、同居することになる。
さあて、この恋のゆくえは…というお話」

-----へぇ~っ。その人、
人気作家なんでしょ。
ニャんでそういうことになったの?
「彼の小説がテレビで
めちゃくちゃけなされるんだ。
そのけなした相手というのが同業の小説家で評論家。
しかも、バルタザールの妻の不倫相手だったんだね。
聞けば、もうすでにパリ中の噂になっているとか…。
傷心のあまり自殺まで企てたバルタザール。
そのポッケから出てきたのが、オデットからのファンレターだったわけだ。
心から自分を愛してくれる人を探し求めるバルタザールは、
手紙を片手に彼女の家へ…」

-----ふうん。でも、それじゃこのエンディングは見えているね。
オデットの恋は成就するニャ。
だって彼が、そんな嫌な妻のところに戻るわけないもの。
「さあ、それはどうかな。
このオデットというのが、とても心が広い。
たとえば、彼女の息子は同性愛者だけど、それを受け入れているし、
がさつな娘が不潔っぽい大男を2年間も家に連れ込んでいるのにも
口うるさく言わない。
でも自分にはストイックなんだね」

-----へぇ~っ。そんな人っているんだ。
「そこがこのヒロインの、そして映画の大きな魅力。
オデットは、嬉しいことがあると、
まるで『メリー・ポピンズ』、
いや、高畑勲『おもひでぽろぽろ』のタエ子のように、
空を駆け上っていく」

-----あっ、だから『地上5センチ~』。
「うん。ほんとうはもっと高く上がるけどね(笑)。
で、何かと言えばジョセフィン・ベイカーを歌う。
しかもちょっと口ずさむというのじゃなくね。
羽飾りや化粧品まで踊ったりして、
ここの演出は
ちょっとしたセミ・ファンタジー・ミュージカル。
観ているこちらまで幸せな気分になってくる」

-----じゃあ、
どちらかと言うと感覚的な映画ニャんだ。
「いや、ボクがこの映画を高く買うのは、
その感覚的な部分ももちろんだけど、
裏付けがしっかりしているから。
バルタザールに言いよられたオデットは
ピシッと彼を拒否する。
自分の置かれた立場をちゃんと見つめているんだね」

-----恋と愛は違うというわけ?ちょっと古くない?
「いや。それがいいんだ。
憧れと現実の生活は違う。
その客観的な視線を持った現実的な主婦が、
どうやって恋の奇跡を起こすか、それがファンタジックな映像の中に
納得のいくロジックによって展開していく。
だから緊張を孕むし、スリリングなんだね。
映画って、もともと人をワッと驚かせるところから始まり、
徐々にいろんな楽しみを教えてくれたわけじゃない。
この映画の中でもオデットが
“難解な小説より、
バルタザールの書くような
普通の女性たちの心を掴む小説の方がいい”というようなことを
語るシーンがある。
この映画のように、ヒロインだけでなく
観る者をも楽しませてくれる映画は大いに歓迎したいね」

----監督はだれニャの?
「劇作家で小説家のエマニュエル・シュミット。
『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』の脚本も手がけたみたい。
この『地上5センチの恋心』は彼自身の経験が基になっているらしい。
実は彼にも、ちょっと、自分のファンを見下した時期があったのだとか。
オデットの暮らしぶりなどの描き方にも
それらが反映。
ユーモアのスパイスとしていかされていたな」


        (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「嬉し恥ずかしだニャあ」もう寝る

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「寒い家」


※これは3月のオススメだ度

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『アドリブ・ナイト』

2008-01-25 10:21:50 | 新作映画
※カンの鋭い人は注意。※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。




-----これも、日本の小説が原作なんだって?
韓国映画って、このパターンが増えたよね。
「うん。平安寿子の短編集『素晴らしい一日』の中の一編。
監督のイ・ユンギは次回作でもその表題作を映画化。
主演は『密陽』でカンヌ国際映画祭主演女優賞に輝いたチョン・ドヨンらしい」

-----こちらはハン・ヒョジュか。
よく知らないニャあ。
「まあ、それは仕方ないよね。
うちはほとんどテレビ観ないし…。
彼女はドラマ『春のワルツ』でブレイク。
しかし、透明感のあるきれいな人だったな。
この映画にはピッタリだ」

-----韓国映画って、会話が騒々しく感じるけど…。
「そうだね。
この『アドリブ・ナイト』でも
二人の若者がしつこく女性に声をかけるところから始まる。
それはナンパではなく、
実は行方不明の女性ミョンウンに間違えてのこと。
『人違いです』と何度も否定したにも関わらず、
なぜか成り行きでミョンウンの父親の臨終に立ち会う羽目になってしまう。
普通だったら、断るはずなのに、
なぜついて行くのか…。
ちょっと物語が調子よくできすぎだろうと思ったんだけど…。
彼女自身もそこから立ち去らずに、
ずっといるしね。
でも、これらがすべて伏線になってるんだ」

-----ふうん。お話はオモシロそうだね。
「そうだね。
で、彼女が連れて行かれた先では、
ミョンウンの叔母、叔父、
そして隣の家族らがてんやわんや。
臨終の席にありながら
酒盛りで盛り上がる。
このあたりの感覚が
少し伊丹十三の『お葬式』を思い出させたね。
一見、奇妙な家族だけど
だからと言って『クワイエット・ファミリー』ほどでない」

-----でも、その女性ってほんとうは
ミョンウンじゃニャいの?
「そのあたりも
ミステリアスに作ってある。
ミョンウンの昔のボーイフレンドは
彼女とは全然違うと言いきるけど、
その母親はミョンウンだと言い張る」

-----じゃあ、えいとしては満足?
「う~ん。実を言うと、
この映画、どちいらかというと感覚派とでも言いたくなるタッチ。
周囲は賑やかなんだけど、し~んとした寂しさが底を流れる。
その理由は最後の方で明らかになるんだけどね。
先ほど話した伏線が生きてくる、この辺りは
映画としては上手いんだろうけど、
ぼくとしては少しやるせなく辛かったな。
もっとも人によってはそこに暖かみを感じるんだろうけど」

-----何言ってるか分かんないよ。
「うん。
なるべくネタバレにならないように気をつけて話したからね。
まあ、観てみてよ…って感じかな」


        (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「きれいな人?画像はないのかニャ」ぱっちり


※ハン・ヒョジュに一目惚れだ度

※家族は大切。
ということでちょっと、あったかCM。ドラマ仕立てです。
(画像のどこでもクリックしたら動画が観られます)

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『歓喜の歌』

2008-01-23 21:50:20 | 新作映画
-----これって、ベートーベンの「第九」のこと?
「うん。『第九』って日本では
いつしか大晦日恒例の行事になったよね。
1984年には大阪で『一万人の第九』コンサートが開かれ、
その頃から、参加者がグッと増えたみたい。
歌の内容としても、新しい年を迎えるのにふさわしいしね」

-----でも、そんなに増えちゃうと、
会場を押さえるのが難しそう。
「そういうこと。
この映画では、まさにそれがきっかけとなって
物語が進んでゆく。
市の文化会館の主任が
セレブな本格派の『みたまレディースコーラス』と
結成間もない『みたま町コーラスガールズ』という
二つのママさんコーラスを大晦日にダブルブッキング。
さあ、どうなるってお話」

-----一緒にやればいいじゃニャい?
「いやいや、片方は結成20周年の記念コンサート。
もう片方は初めてのお披露目。
実力に格段の違いがある。
それに、客席の問題もある。
チケットは両者とも売り切っている。
しかもホールの席は固定されているから
簡単に増やすことはできない」

-----うわあ。それじゃあ解決策はなさそうだニャあ。
スゴいシナリオを考えついたものだね。
「実を言うと
これは、当代随一のストーリーテラーと言われる
立川志の輔の新作落語が基になっているんだ。
そこに、主人公の主任が外国人ホステスに入れあげて
とんでもない借金を背負っているという
映画独自の新たなエピソードを注入」

-----ふうん。落語だったのか。
それじゃあ、俳優たちは大変だ。
主人公は誰が演じているの?
「小林薫。
嫌なヤツだけど憎みきれない。
この微妙な、さじ加減を見事に演じているよ。
ヒロイン役には、映画主演は久しぶりの安田成美。
そして伊藤敦史、由紀さおり、浅田美代子。
他にも藤田弓子、根岸季衣、筒井道隆など
監督・松岡錠司の過去の映画に出た人たちが脇を固めている。
やはり、こういう映画は
お互いに気心が知れていないと難しいからね」

-----映画はどうだったの?
「ほんわか暖かくなれるよ。
ぼくは一般の呼び込み試写会で観たんだけど、
ほとんどの人が席を立たず、
終わったら拍手も起きてたもんね。
あっ、そうそう。
エンドクレジット途中に
あるオチがあるから
この“席を立たない”はマストだね」


        (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「コーラスの映画って、最近多いニャ」ぱっちり


※できれば年末に観たかった度

※今日は東京は2年ぶりの雪でした。
まだまだ寒いのでちょっとCM。ドラマ仕立てです。
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『アイム・ノット・ゼア』

2008-01-22 19:52:29 | 新作映画
(原題:I′M NOT THERE)

----この映画って話題になっているよね。
確か、ボブ・ディランをいろんな俳優が演じているんでしょ?
「そう。
なかでもケイト・ブランシェットね。
全米映画批評協会賞を始め、
数多くの助演女優賞を受賞している」

----へぇ~っ。女優までディランを演じているんだ。
なぜ、そんなことをやったの?
「ディランという人は、
その長いキャリアの中で、
いろんな人生の局面を見せている。
60年代初頭、フォーク歌手でデビュー。
その歌の内容からプロテストソングの旗手のように見られた彼だけど、
突然、エレキギターに持ち替えてロックをやったり、
また再生派キリスト教に傾倒したり…。
そういえば、岡林信康も
はっぴいえんどを従えて
突然ロックになった時期もあったっけ…。
あれも、ディランの模倣だったのかな」

----あらら、危ない、危ない。
「まあ、それだけにディランの影響は
日本でも大きかったということ。
当時、吉田拓郎が日本のディランと言われていることに対して、
『そうではない。友部正人こそが日本のディランだ』と
ステージで言っているミュージシャンもいたな」

----あらら、また遠い目(笑)。
映画の話に戻してよ。
「はいはい。
で、実際にディランは音楽だけとっても
いろんなアプローチをやってきた。
実はボクはディランの初来日(78年)を武道館で観ているけど、
そのときなんて、ビッグバンドを従え、
女性コーラスを交えた編曲になっていたものね。
で、この映画では、ウディ・ガスリーに憧れていた若い頃を黒人の少年が演じたり、
『ビリー・ザ・キッド/21才の生涯』に出演していたことを援用して
リチャード・ギアにビリーを演じさせたりしている。
そうそう、ここで『天国への扉』について
一言を言っておかなければ。
あの歌はボブ・ディランがオリジナル。
なぜかクラプトンと思っている人が多くて…」

----まあまあ、落ち着いて落ち着いて。
で、そのどれもがディランというわけだ。
「そういうことになるね。
で、この映画の監督トッド・ヘインズは
それぞれのシーンを異なるタッチで描く。
誤解を承知であえて言えば
そのイメージの奔流は
抑制された『ナチュラル・ボーン・キラーズ』」

----でも、やはりケイト・ブランシェットが
印象強そうだね。
「そうだね。
彼女のシーンでは
ビートルズらしき4人も出てくるし。
ロンドンでふざけ興じているシーンは
あきらかに
リチャード・レスター『ビートルズがやってくるヤァ!ヤァ!ヤァ! 』」

----ところで、この映画のタイトルの由来は?
「67年にディランが行なったセッション
『ベースメント・テープス(地下室)』でレコーディングされた
曲のタイトルから取ったらしい」

----う~ん。知らないニャあ。
「それはそうだよ。
これまで海賊版でしか知られなかったらしいし。
で、この『私はそこにいない』という言葉が監督に
詩人ランボーの『私はひとりの他者である』の詩節を
連想させたということのようだ。」

----ランボー?映画の中でベン・ウィショーが演じている役だね。
「うん。他にもクリスチャン・ベイルやヒース・レジャーが彼を演じている。
また、女性陣もジュリアン・ムーアに
シャルロット・ゲンズブール、ミシェル・ウィリアムズと多彩。
しかし、こんな映画が作られるなんて
アメリカも変わってきたなあ」



(byえいwithフォーン)



フォーンの一言「へんてこりんな映画だニャあ」ぱっちり


1月22日、ヒース・レジャー急死。残念です。
心よりご冥福をお祈りいたします。
※ディランのファンにはたまらない度
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『永遠の魂』

2008-01-21 23:30:46 | 新作映画
----これって「韓国アートフィルム・ショーケース(KAFS2008)」の中の一本なんでしょ?
「うん。この他に『黒い土の少女』『俺たちの明日』
そしてまだ観ていないけど『妻の愛人に会いに行く』という3本がある。
いずれも“反韓流”と銘打って
他の韓国映画との違いを強調しているんだ」

----へぇ~っ。韓流との違いって大きいの?
「そうだね。
最もアートアートしているのは『黒い土の少女』。
これは話もヘビーだけど、演出も渋い」

----でも、この『永遠の魂』を取り上げたわけだ。
「そう。これは一種のゴースト・ストーリー。
監督が溝口健二の『雨月物語』を好きだというだけあって
内容としてはそっくり。
主人公スヨンは大学でドイツ文学を専攻する大学生。
ある日、校内で謎めいた女子学生と知り合うものの、
彼女は校舎から飛び降りて自殺。
ところが死んだはずのその彼女が自分の周りに現れる。
しかも不思議なことに他の人には、その姿が見えない。
そんな中、彼はある男に頼まれ、
彼の妹の家庭教師に行くが、
そこでも不思議なことが続発する…」

----ふうん。確かに幽霊っぽい。
「で、このお話が
いまは先生となった主人公の回想として語られる。
まあ、結末も驚きだけど、
ぼくがこの映画をオモシロく感じたのは、
その舞台となったパク・チョンヒ大統領の時代を
物語の中のエピソードとして
見事に取り入れていることなんだ」

----たとえば?
「そうだね。
先ほどの女子大生の身投げは
当時の体制に対する抗議としてのもの。
また、ある時間になったら毎日行なわれる降旗式も
観客にとって、
そこにいる人がゴーストか否かの判断材料となる。
それと対空射撃。
当時、パク・チョンヒ大統領は自分の体制を維持するために
北の恐怖を過剰に宣伝。
実際には飛行機が飛んできていないのに
空を撃ったりしたというんだね。
これが、映画の中の悲劇と絡み合う。
あれっ、でもこれ、
ある意味、韓流らしくもあるかな」


(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「怖くないなら観てもいいニャあ」ぼくも観たい

※3本の中では一番のオススメだ度

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『4ヶ月、3週と2日』

2008-01-20 22:41:41 | 新作映画
(原題:4 mois 3 semaines 2 jours)

----この映画、カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したんでしょ。
変わったタイトルだよね。
「実は、このタイトルに意味があるんだけどね…。
すでにいろんなところで、ネタバレチックな紹介がされているけど、
ボクはこの映画は、あまり前情報を知らないで観た方がいいと思うな」

----じゃあ、STORYも知らない方がいいの?
「うん。今日はここだけ抑えていればいいという
ポイントを話そうかな。
舞台はチャウシェスク独裁政権末期のルーマニア。
大学生のオティリア(アナマリア・マリンカ)は
ガビツァ(ローラ・ヴァシリウ)に頼まれ、
ある“問題”の解決のため、
一日奔走する…」

----う~ん。よく分からないニャあ。
「でも、これだけ知っていればOK。
ぼくなんて、まるでミステリーを観ているみたいに、
途中まで
何がなんだか分からなかったもの」

----それでも楽しめるの?
「正直言って、楽しいというタイプの映画とは違うね。
カメラは終始、手持ちで微妙に揺れながら
主人公オティリアの行動を追う。
その緊迫ときたら、これはスゴいものがある。
ずっとオティリアを追っていたカメラは
いつしか彼女を取り囲む空気となって
重くのしかかる」

----わっ、ニャんだか映画的だね。
「そうなんだ。
それだけでも観る価値十分。
なかでも、彼女が法を破って、あることの始末に行く時なんて、
その前後で、同じ風景でもまるで違って見える。
それは彼女一人だけの行動。
誰かとの会話でそれを説明しているわけでもない。
なのに、カメラワークだけでその違いを写し出すんだね。
正直言って、ガビツァのあまりにも自己中心的な言動や、
なぜ、オティリアが彼女のためにそこまで身を呈するのかは
ぼくにはよく分からなかった。
おそらく当時のルーマニアの社会状況が
分かっていないと無理なんだろうな。
でも、この撮影、いや演出力かな。
それだけでも観る価値は十分にあるよ」


(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「こ、これはスゴそうだニャあ」おっ、これは

※内容はヘビーだ度

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ポスター画像はフランス・オフィシャル/ダウンロードサイトより。

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『プライスレス 素敵な恋の見つけ方』 

2008-01-19 22:17:12 | 新作映画
(原題:hors de prix)

----オドレイ・トトゥ、久しぶりだニャあ。
もしかしてハリウッド映画『ダ・ヴィンチ・コード』以来?
「うん。そうなるかな。
あれは、彼女の魅力が出ていない映画だったけど、
これならファンも大満足」

----どういうお話ニャの?
「高級ホテルで働く、お人好しのウェイター、ジャン(ガド・エルマレ)が
玉の輿狙いのオドレイ演じるイレーヌの勘違いで
思いもかけず彼女とベッドイン。
なんとイレーヌは、彼を億万長者と思ってしまったわけだ」

----えっ?じゃあ、彼女は
若さと美貌を武器にしているってわけ。
「そういうこと。
一言で言えば性悪女だね。
でも、男からすると、
こんな絶世の美女に誘惑されて悪い気がするはずはない。
ジャンは、その夢のような一夜で自分を完全に見失ってしまう。
一年後、再びイレーヌが現れた時も、
ウェイターであるということをごまかして
いかにも自分が金持ちであるかのように振る舞う。
あまりにもやりすぎて
ついには、その正体がバレちゃうんだけど、
それでも彼女を追ってコートダジュールへ。
ところがイレーヌにしてみれば、
ジャンの正体が分かった以上はすぐにでも
彼とバイバイしたい。
そこで、目の飛び出るような高級料理をおごらせ、
とんでもないハイブランドの服を買わせ、
無一文にした上で彼を追い出す」

----無一文?じゃあ、もうジャンは
コートダジュールにはいられないね。
「でも、捨てる神あれば拾う神あるで、
ちょっとした偶然からジャンはリッチな未亡人のジゴロに。
ふたり同じ立場になったということで、
イレーヌはジャンに
パトロンの口説き方や貢がせ方を教える…
ここのオドレイ・トトゥの演技は見モノだね。
あの目の演技に、
思わずグッときてしまう。
ジャンならずとも惹かれること間違いないね」

----ふうん。ちょっと思っていた映画と違うニャあ。
もう少し、ファンタスティックなお話かと…。
「う~ん。
でも、これってある意味、フランス映画っぽいと思ったね。
フラれてもフラれても女性にチャレンジ。
しかもジャンは、一度たりともイレーヌの生き方にケチを付けたりしない。
彼女に気に入られようと必死。
これって、トリュフォーなんかが作ったらオモシロかったと思う。
だって、完全女性至上主義なんだもの」

----ふ~む。ニャるほど。
「しかも、こんなスウィート・ラブコメなのに
観ている間、
なぜか緊張しぱなっし。
ふたりの恋のゆくえから
ひと時も目が離せなくなるんだね。
オドレイ・トトゥも性悪女として描かれながら、
最後の方では愛おしく見えてくる。
もっとも男性にとっては
胸も背中も大きく開いて体のラインを見せつける
そのドレス姿だけで大満足---というのも否めないけどね」


(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「オドレイ、チャーミングだニャあ」ぱっちり

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『デッド・サイレンス』

2008-01-18 21:30:37 | 新作映画
(原題:Dead Silence)

-----これって、腹話術をモチーフにした映画だよね?
「うん。ぼくなんかは
腹話術と聞いてリチャード・アッテンボローが監督した
『マジック』を思い出したな。
あれは若き日のアンソニー・ホプキンスが主演。
とてもよくできたサイコ・スリラーだった」

-----これもそんな感じがするけど?
「う~ん。『ソウ』シリーズの
スタッフが手がけただけに、
どちらかというとホラ-だね。
終わった後、宣伝の人は『楽しかったでしょ?』
なんて言っていたけど、
どうしてどうして。
最初のうちは“観なきゃよかった”と思ったくらい怖かったね」

-----どういうお話ニャの?
「じゃあ、ストーリーを簡単に。
若い夫婦のところに誰からか大きなトランクが送られてくる。
その中には、腹話術用の人形。
ぼくはてっきり、この後の展開が
密室ホラーで、じわりじわりかと思ったら、
なんと、あっという間に妻の方が惨殺されてしまう。
警察は夫を疑うわけだけど、
夫はその人形が怪しいと、トランクを調べ
それが自分の故郷から送られてきたことを突き止める。
実は、実家には強権的な父親が住んでいて、
主人公は彼との折り合いが悪い。
ところが、その父親もいまは車椅子姿に。
横には3番目の妻が付き添っていて
なんと、お父さんは改心したという。
しかしそんなことには耳を貸さずに、事件の謎を調べ始める主人公。
その前に明らかになったのは、
この地にまつわるおぞましい過去だった…。
ま、ここくらいでいいかな」

-----ふうん。もっと聞きたい気もするニャあ。
その過去とやらには、腹話術師が絡むんでしょ?
「そう。
それも女のね。
この映画、実は、ある驚きの結末が待ち構えている。
これはぼくには、まったく読めなかった。
もちろん、どんでん返しの映画がいいとか、
そういうことを言うつもりはないけど、
この映画が上手いな、よくできているなと感心させられるのは、
その“衝撃の結末”に向って
すでにクレジットタイトルにおいて
見事な伏線が張られているところ。
もちろん、腹話術の人形そっくりに殺された死体を始め、
ビジュアル的にも見どころは多いけど、
やはりこの“伏線”の張り方が最高だね」

-----ニャに、ニャに。その“伏線”って?
「う~ん。
さすがにこれは、そのヒントも教えられないな。
その代わりに映像的見どころをいくつか。
(1)町の案内の看板が実景に変わる
(2)画面手前に年老いた葬儀屋、奥にその子供時代
(3)少年が降りていく階段が、実際にはありえないほど急で深い
こういうところを注意して観ると、楽しさ倍増だよ」

-----あれっ。“楽しい”って言ってる(笑)。


        (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「腹話術の人形って、気持ち悪いニャ」もう寝る

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『Sweet Rain/死神の精度』

2008-01-17 20:34:53 | 新作映画
----金城武って、もしかして久しぶりじゃニャい?
「うん。日本映画への出演はね。彼によれば
『原作が素晴らしく、死神という役も特別だと感じたので、
この企画に興味を持ちました』ということらしい。
でも、こういうお話は韓国映画の方に多そう」

----どんなお話ニャの?
「いわゆるファンタジー。
7日後に不慮の死が予定されている
(“不慮”の死で“予定”というのも、よく分からないけど…)
人間を観察し、“実行=死”か“見送り=生かす”かを判定するのが
彼ら、死神の役目」

----“彼ら”ということは、
死神は他にもいるんだ。
「うん。その一人に村上淳(久しぶり!)が扮している。
原作はベストセラーらしいけど、
でも、このお話のどこが受けたのか、
正直、ぼくにはよく分からない。
『陽気なギャングが地球を回す』も
そうだったけど、
伊坂幸太郎のよさが、ぼくにはピンと来ないんだ」

----原作はさておいといて、
映画はどうだったの?
「う~ん。
金城武扮する死神が
言葉の意味を理解していないところなどで
笑わせようとしているんだけど…。
こちらもあまり。
たとえば“わたし、醜い(みにくい)から”と言われて
“いえ、よく見えますよ”」

----………(汗)。
それはそうと
タイトルに副題がついているようだけど…。
「物語は三つの時代で語られるんだ。
で、この死神が地上に現れると、いつも雨。
彼は青空を見たことがないんだね。
だから映画自体、かなりウェット。
しかも暗めの仕上がりとなっている」

----ふうん。そういえば黒い犬が出てくるよね。
「うん。この犬は彼の上司らしい。
で、当然、死神と会話するわけ。
ところが声がすべてテロップ。
ここは、『デスノート 前編』
『デスノート the Last name』のリュークみたいに
喋らせた方がよかったんじゃないかな」


(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「そう言われると、どんな映画かかえって観てみたくなるニャあ」小首ニャ

※傘を上から写したのはよかった度

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『ライラの冒険:黄金の羅針盤』

2008-01-16 11:46:26 | 新作映画
(原題:The Golden Compass)

----これはフォーンも観たいニャあ。
“ダイモン”と呼ばれる動物の形をした
守護精霊が出てくるんだよね。
「うん。
このお話ははね一種のパラレルワールドもの。
全体のイメージとしては
イギリスのレトロフューチャーって感じになってる。
舞台はオックスフォードの街。
そこで子供たちが何者かにさらわれ
恐ろしい実験が行なわれているという噂が流れる。
そんな中、ジョーダン学寮に住むライラ(ダコタ・ブルー・リチャーズ)は
叔父のアスリエル卿(ダニエル・クレイグ)が
北極で撮ったダストの映像を学寮長や教権たちに見せながら
その説明をしているのを盗み見する。
このダストというのは、他の世界と繋がっているんだ。
この世界はおろか宇宙の支配を狙う教権たちは
その存在を世間に知られまいとする。
そんな中、
ライラは学寮長から渡された黄金の羅針盤を手に、
子供たちを助けに行く----
ざっと、こういうお話かな?」

----あらら。じゃあ、そのダイモンはどう絡むの?
「ダイモンというのは、人間の奥底にある魂が
肉体の外に現れたもの。
いわば分身だね。
だからダイモン同士が戦ったりすると、
本人まで痛みを感じる」

----ライラのダイモンは?
「パンタライモンのことだね。
基本はオコジョ。
でも子供の頃は、まだその形が定まらなく、
でも屋根の上では
キャットウォークできるようにアメリカンショートヘア。
他にも鳥になって盗まれそうになった羅針盤を窓の外へ…。
ほんと忙しいよ。
ぼくはこれを観ていてポケモンを思い出したね。
言葉が喋れるピカチュウって感じ。
ライラに注意したり、たしなめたり」

----ライラより賢いんだ。
「うん。そこがこの作品の特徴の一つ、
ライラは決して優等生じゃない。
嘘をつくのがとてもうまく、
それが自分だけでなく周囲も助けたりする。
ダコタ・ブルー・リチャーズって、
ちょっといじわるそうな顔をしているけど、
そこがハマっている」

----ふうん。ところでこの映画、
予告編なんかで大きなシロクマとか、
よく見かけるみたいだけど…。
「あれはね。北の地に住む鎧熊族の王。彼らはダイモンを持てない。
その代わりに、空から落ちてきた星から鉄を取り鎧を作るんだ。
ライラを助けるイオレク・バーニソンは元鎧熊族の王。
人間に騙されて鎧を奪われているところをライラが助けたことから
恩返しに彼女と行動を共にするんだ。
声は、なんとイアン・マッケランだよ」

-----へぇ~っ。じゃあライラの味方になるんだ。
他にも味方はいるの?
「うん。
『007/カジノ・ロワイヤル』でのボンドガールのイメージも新しいエヴァ・グリーンが
セラフィーナ・ペカーラという魔女族の女王に。
テキサス州の気球乗りリー・スコーズビー。
これはサム・エリオットが扮しているんだけど、
ほんと雰囲気がピッタリ。
そうそう、彼のダイモン、野ウサギのヘスターの声はキャシー・ベイツ、
パンタライモンの声はフレディ・ハイモア。
アスリエル卿のダイモン、ステルマリアの声はクリスティン・スコット・トーマス」

-----スゴい豪華な顔ぶれだニャあ。
あれっ、ニコール・キッドマンは?
「あらら。大事な人を忘れていた。
ライラを引き取りたいと現れるコールター夫人。
しかし、その正体は……。
この映画、ここ二三年、冬に現れた
“なんちゃってファンタジー”に比べたら、
圧倒的によくできている。
でも、そのオモシロさの質は『X-MEN 2』どまり。
次々と起きる手に汗握る冒険を最新SFXで見せきったって感じ
『ロード・オブ・ザ・リング』のような感動にまではいかない。
まあ、これは仕方ないかもね」



(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「でも、やはり観てみたいニャあ」ぱっちり

※原作は“カーネギー・オブ・カーネギー”だ度

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画像はアメリカ・オフィシャルより。

※ちょっとCM。けっこう凝ってるかも。
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キスミント
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