ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ナルニア国物語 第1章・ライオンと魔女』

2006-01-12 19:23:55 | 新作映画
----この映画のこと、すごく心配していたよね。
予告編とかだと、戦いのシーンなどスゴそうだったけど…。
「そこなんだ。もっとも不安だったのは…。
思うにこの映画の不幸は『ロード・オブ・ザ・リング』が
すでに映画化され、
しかも高い評価を受けた後に
生まれてきたことにある気がする。
『ナルニア国物語』の原作ファンだったら
まずそんなことはないと思うけど
もしも『ロード~』と比較されてしまったらやりにくい」

----でもよく世界3大ファンタジー文学として
この2作と「ゲド戦記」があげられているよね。
「それはそうなんだけど…。
『ナルニア国物語』って、
『指輪物語』に比べてファンタジー色が濃い。
しかもそれは子供を意識したファンタジー。
ビーバーや狼、狐が喋ったりするわけだから、
下手すると安っぽくなる恐れがある。
だからと言って、リアリスティックにやってしまうと、
それはそれで原作の持つイメージが損なわれてしまう」

----そう言えば、以前BBCで放映された作品を
DVDで観ていたよね。
「あれは作られたのが1989年。
テレビ映画だったこともありSFXもチープだった。
ビーバーなんか着ぐるみだったからね。
でもその手作り感が、
この物語の世界観に意外とあっている部分もある。
と言うのもこの物語は主人公が4人の子供たち。
彼らが白い魔女に支配されたナルニアに行って
サンタクロースからプレゼントされた武器を手に、
伝説の王アスラン(ライオン)たちと共に戦う。
簡単に言えばこういうものなんだ」

-----ニャるほど。
確かに深い思想性に満ちた『指輪物語』とは違うや。
こちらは分かりやすい善と悪の戦い。
子供たちにはとっつきやすそうだね。
「実を言うと、
トールキンの『指輪物語』は
その昔、何度も読もうと思っては断念。
ぼくはまだ読んでないんだ。
緻密に書かれている分、ボリュームもスゴいしね。
でもこの『ナルニア国物語』(原作)は
すぐにハマってしまった。
それは監督のアンドリュー・アダムソンが言うように、
『たくさんのことを読者の想像力に託した』からかも知れないね」

----『ハリポタ』とも違うの?
あれも子供たちが主人公だけど…。
「う~ん。あんなにダークじゃないしね。
『ナルニア(ライオンと魔女)』で描かれるのは兄弟姉妹4人の関係。
末の妹が喋る空想としか思えないようなお話に、
兄や姉はどう接するのが正しいのか?
また、弟が適切でない対応をしたときに
長兄はどう収めればいいのか?
映画の冒頭ではこのあたりがかなり重きを置いて描かれる。
そういう意味では教訓的意味を含んだ物語とも言えるね」

----そうか。ところでこれ第一章となっているけど?
「この原作『ナルニア国物語』は全7話。
<年代記>として書かれているんだ。
どの話(年代)も決まってこの世界の少年少女が
衣装だんすの中や絵画の中からナルニアへ旅をする。
ところが、この世界とナルニアでは時間の流れ方が違っていて
こちらでは先の時代に生まれた少年たちが
ナルニアでは後の年代で活躍したりするんだ。

こちらでは違う時代の少年少女が
ナルニアでは一緒になったりするんだ。
ナルニア国が生まれるエピソードは
6番目に書かれた『魔術師のおい』に出てくる」

----えっ、『ライオンと魔女』が“始まり”じゃニャいの?
「そうなんだね。
この『ライオンと魔女』で森の中の街灯が出てくるけど、
なぜその街灯がそこにあるかも
6冊目で初めて分かる仕組みになっている。
そういう意味ではこの映画に日本で<第1章>と付けたのは、
少し混乱を招くんじゃないかな。
それと個人的にはこの『ライオンと魔女』は
それほど好きなエピソードじゃないんだ。
あっ、でもフォーンにはちょうどいいかも」

----えっ、それどういうこと?
「だって、この映画にはフォーンがたくさん登場。
なかでもタムナスさんは大活躍」

----えっ、猫ちゃんが出てくるの?????
「出ないよ(笑)。
アスランは魔女に<大猫>呼ばわりされるけどね」

----どういうことだろう?
気になって、今夜は眠れそうにないや。
        (byえいwithフォーン)

※ナルニアは雪積もってる度人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー


※画像はイギリス・オフィシャルのwallpaperより。
※抹消線部分は私の勘違い。ももママさんのご指摘です。
ありがとうございました。