ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『魍魎の匣』

2007-09-30 23:01:12 | 新作映画
----これって京極夏彦の原作でしょ?
このシリーズ、『姑獲鳥の夏』も映画化されたよね。
監督が実相寺昭雄から原田真人か…。
まったく違うタイプの感じ。
「うん。ただ、主要キャストは関口役が
永瀬正敏から椎名桔平に交代した以外は、ほとんど同じ。
“京極堂”シリーズを、こういう感じで映画化していくとしたら、
これはこれで楽しいかもね」

----『姑獲鳥の夏』のときとは違って
原作は読んでいないんだよね?
あの長ゼリフについていけたの?
「それが、あんまり使われていないんだ。
中禅寺秋彦、京極堂が寺田衛兵に詰め寄るシーンも、
セリフだけじゃなく
陰陽道のステップという動きも交えることで、
たとえセリフがよく分からなくても
視覚的に楽しめるようになっている」

----へぇ~っ。視覚的にか…。
そういえば、時代色がよく出ているみたいだけど?
「うん。最初は驚いたね。
戦後の東京をここまで再現できるなんて、
CGはどこまで進歩したんだ…とね。
でも、ちょっと観ていくうちに、
あれっ?もしかしてこれって中国辺りにロケしたんじゃないの…」

----で、それが正解だったってワケだニャ。
「うん。
上海のスタジオ、そしてその近郊にロケしてるんだけど、
これが実に効いている。
虚実ないまぜになったところで作り上げられた
一種の異空間。
このロケを観ているだけでけっこう楽しめるんだ。
俳優たち自身も楽しそうだったしね。
田中麗奈も『逃亡くそたわけ-21才の夏』で見せた
弾けぶりがさらにパワーアップ。
椎名桔平の関口にしても
なるほどこんなアプローチもあるのかって感じ。
堤真一、阿部寛ら同世代(1964年生まれ)の役者たちと
絶妙な絡み合いを見せてくれたね。
ただ前作の方が、
各キャラが立ってた気がしないでもない。
みんな、のびのびしすぎているのが
この映画では少し裏目に出たかも。
あまりにも空気が爽やかすぎる。
あれっ、でも原作がそうなのかな。
もっと、おどろおどろしさがあると…思ってたけど、
これは僕の思い込みかな…」

----で、ミステリーとしてはどうだったのかニャ。
「それが不思議なことに、途中で
ミステリーの部分なんてどうでもいいという気になってしまうんだ。
だって、犯人なんてすぐにわかるし、
だからといって
そこで心の中に不満がわき起こらないんだ。
むしろ、先がどうなるかを観たいという気持ちの方が強くなる。
まあ、これは自分が原作を読んでいないから言えることで、
原作のファンがどう思うかはわからないけど…」

----じゃあ、見どころはどこよ?
「クドいけど、やはりロケかな。
思いっきりカメラを引いていて
俳優の演技同様、窮屈さがない。
それに比べて匣館のセットはどうかと思うけど…。
そうそう、あとは映画へのオマージュかな。
『第三の男』を意識したツィターが流れるかと思えば、
『殺人の追憶』そっくりの雨の中のトンネルのシーンがあったりもする。
撮影も、それらオマージュを捧げた映画そっくりの写し方。
あっ、一つだけ苦言を呈すれば
映画の中に出てくるチャンバラ。
あれはなぜスタンダードにしなかったんだろう?
あの頃、ビスタサイズがあったとは思えないんだけど…」



(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「そうか上海ニャのか」小首ニャ

※とにかくビジュアルはスゴい度
人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー 

『観察・永遠に君を見つめて』

2007-09-28 01:19:57 | 新作映画

----このチラシ、
男の人が望遠鏡を覗いているけど
これストーカーのお話?
「う~ん。そうとも言えるかな。
でも、この映画の場合、
それが少年時代から40年間も続くんだ。
最後はもう男は50歳になっているしね。
ある種、ストーカーという概念を超えているかもしれない」

----でも、途中で引っ越しもあるだろうし、
彼女も結婚とかしちゃうんじゃニャいの?
「それが、なんとこの男ときたら、
それにあわせて引っ越しを重ねてゆく。
もちろん定職になんて就けるはずもない」

----ということは、彼は独身を通すの?
「いやいや、
彼を慕う女性と結婚。
子供も作るけど、その<秘密>だけは
守り抜いていくんだ」

----でも、そんな話で映画ができちゃうの?
だって、これ133分もあるって聞いたよ。
「それが映画のマジックだね。
男側から観たドラマで前半を構成。
そこでいくつかの<謎>を観客に与えておき、
後半の女性からのドラマで解き明かしていくんだ」

----ニャるほど。単純に計算しても2倍か。
でも<謎>って?
「たとえば主人公・茂樹の少年時代。
彼の友だちが望遠鏡を盗んで
壊れたから捨てたと言う。
しかし、実は違っていた…とかだね。
あるいは雨の日、望遠鏡の向こうの女性・弥生にあわせて
茂樹が同じ歌を口ずさむ。
なぜ、彼がその歌を知っているのか?とかだね」

----ふうん。主演は誰ニャの?
「知る人ぞ知る小沢一義。
『SCORE』軍団として名を馳せた小沢仁志の弟と言った方が
分かりやすいかな。
ヒロイン・弥生は緒川たまきが演じている。
そしてその夫となる彼女のかかりつけの医者に
いまやカメレオン俳優に成長した光石研。
先日、 『サッド ヴァケイション』を観たばかりだけど、彼はほんといいね」

----えいは、『博多っ子純情』のときからのファンだものね。
「あと、小倉一郎も持ち前の気の弱そうなキャラを巧く生かし、
主人公の父親を好演。
また、人との関係の距離感が取れない弥生とは対照的に
ズバズバその中に入ってくるカメラマンに鈴木砂羽。
茂樹の妻となる美咲を演じる江口のりこの
妙にリアルな味も捨てがたい。
人によっては彼女が一番印象に残るかもね。
他にも遠藤憲一、平田満、河合美智子など、
見応え十分のキャスティングだ」

----監督はだれニャの?
「『イヌゴエ』の横井健司。
あまり聞かない名前と思っていたけど、
遠藤憲一・鈴木紗理奈主演『SEMI・鳴かない蝉』を観ていた。
そういえばあの映画も、
ふだんは脇を固める俳優を主演にした意欲作だったな」


     (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「でも覗かれるのは恥ずかしいニャ」もう寝る

※よくこの題材で飽きさせなかった度

人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

『ボビーZ』

2007-09-27 00:37:00 | 新作映画
(原題:Bobby Z)

「こういう映画って、
一般的には軽く流されるんだろうけど、
ぼくは好きなんだよなあ」

----おやおや、いきなりだニャあ。
ポール・ウォーカー主演のアクションだよね。
確かローレンス・フィッシュバーンが共演。
「うん。でもねぼくは
『ガルシアの首』を思い出してしまった」

----えっ、サム・ペキンパーの?
「そう。もちろん、あんなにハードな話じゃないし、
バイオレンス描写も少ない。
舞台がメキシコの無法地帯というくらいしか
共通点はないんだけど、
キース・キャラダインなども出ていて
ウエスタンの香りがするところから、
あの最後の西部劇作家を思い出したんだろうね。
悪役を演じるヨアキム・デ・アルメイダも
ウォーレン・オーツ系の顔だし…」

----で、お話はどういうものニャの?
「主人公は元海兵隊員でいまは服役中のティム。
塀の中でも問題ばかりを起こす彼を狙う者は多い。
そんなティムに、自由の身を約束する話が舞い込んでくる。
それは彼にそっくりという
カリフォルニア伝説の男ボビーGになりすまし、
メキシコの麻薬王の元へ向うこと」

----あっ、もう想像ついちゃうね。
しかし、それにはある罠がかけられていた…。
「うん。
この映画、おかしなことに
だれが黒幕、一番悪いヤツかが
すぐ分かる作りになっている。
普通だったら、最後に
『えっ、そうだったの?』となるのに。
結局、ポイントをそこではなく、
ポール・ウォーカー扮するティムの男っぷりに置いているんだね。
自分の身がヤバいと女に知らされ、
砂漠の中を子供連れで馬で逃げ、バイクや車を巻く。
さらには銃に素手で立ち向かったり、
家に仕掛けを作って敵を木っ端みじんに。
一種のアクション・ヒーローだね」

----でもポール・ウォーカーってそんなに強そうに見えないニャ。
「そこがいいんだよ。
そのありえなさが…。
いわゆるそれほど強そうでもない
やさ男が危機また危機をすり抜けちゃう。
スタローン、シュワルツェネッガーなどの
アクションスター登場以前の映画が持っていたテイスト。
70年代には、よくこんな映画に名画座で出会ったものだった。
しかも一番笑えるのがティムそっくりなはずのボビーGが
全然彼に似ていないこと」

----えっ?ポール・ウォーカーの一人二役じゃニャいの?
「そうなんだ。
ジェイソン・ルイスなる若者。
これは笑えたね」



(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「そんなのがオモシロいのかニャ」小首ニャ

※観たら分かる度

人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー 

『バイオハザードIII』

2007-09-25 23:55:43 | 新作映画
(原題:Resident Evil:Extinction)

----まさかこの映画の第1作目が公開されたとき、
ここまで続くとは思わなかったニャあ。
「うん。もともとはゲームだったしね。
一発屋のイメージってあったよね。
でも、今回この映画を観て思ったのは
映画というのは監督によってこうも変わるのか、ということ」

----そんなに違っていたの?

そうだね。1作目が密室ホラー、
そして2作目が夜の街、
で、ラッセル・マルケイの手による今回は広大な砂漠だ」

----でもこの映画って、なんのかんの言っても
ゾンビ・ムービーだよね。
砂漠というのは、あまり向いていない気がするけど?
「そこがこの映画のオモシロさ。
ヒッチコックの『北北西に進路を取れ』の
コーンフィールド・チェイスじゃないけど、
真っ昼間の日の光の中での恐怖を出していた。
まあ、あちらは何もない静かなところ。
こちらは多数のゾンビ(アンデッド)の違いはあるけど…。
そうそう、ヒッチコックといえば
だれも恐ろしくてやろうとしなかった
『鳥』の再現まである」

----えっ?どうすればそんなことできるの。
鳥がゾンビになるわけ?
「そう。アンデッド・カラス(笑)。
これがものすごい大群で人間を襲うんだ。
ゾンビや人間を襲った結果、
自らもT-ウィルスに感染したってワケだね」

----ははあ。これは迫力ありそうだ。
「うん。この映画のゾンビは
他の映画の
手をぶら下げてふらふらやってくるゾンビとは違って
スゴいスピードで迫ってくる。
カラスにもその性質が受け継がれているから、
これはちょっとした見モノ。
ただ、描写は直接的だから、
血に弱い人、残虐シーンが苦手な人は厳しいかも。
ケルベロスの造形一つとっても
けっこうきてるからね」

----そういえば、今回は『1」と同じシーンから始まるとか?
「もちろん、それなりの意味はあるけどね。
このシーンが伏線となってクライマックスの戦いも生きてくるし、
さらなる続編の可能性も匂わせている。
あっ、あとこれは強調したいところだけど、
映画ポスト・アポカリプス(終末後)ということで
石油が手に入らないという背景から
コンボイが砂漠を行くビジュアルまで、
『マッドマックス』を思わせる世界観になっている。
その中でのアリスの一匹狼のかっこいいこと、かっこいいこと。
とりわけ『マッドマックス2』を思い出したね」


     (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ミラジョヴォ、なかなか決まってるニャ」ぱっちり

※今はやりのウエスタンっぽい度

人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

画像はアメリカ・オフィシャルより。

『サッド ヴァケイション』

2007-09-24 22:43:57 | 映画
----今日は、久しぶりにフォーンも一緒に観に行った映画の話だね。
まず聞きたいんだけど、えいの好きな『八月の濡れた砂』、
この音楽、どこで使われていたの。まったく気づかなかったニャあ。
「この歌はね。
宮あおい演じる梢が
住み込みで働くことになった間宮運送で口ずさむんだ。
あの映画はぼくの邦画の生涯のベストワンだけに嬉しかったな。
ここでまず襟を正したね」

----梢って『EUREKA ユリイカ』の女の子だよね。
「そう、この映画は『Helpless』の後日譚が中心になっているけど、
そこに『EUREKA ユリイカ』の“その後”が絡んでくる。
いわゆる“北九州サーガ”の完結編ということのようだ」

----えいは、『Helpless』、
テレビで飛び飛びにしか観ていなかったよね。
それでもこの映画に感動していたようだけど。
話は分かったの?
「うん。こんなインディーズ的な映画で
一つの世界を作るなんて、
ついていけるか心配だったけど、
話はきちんと分かるようになっている。
でもそのことよりも、気になったのは北九州の方言。
ぼくは博多の方の生まれだからまだいいけど、
みんな、あの言葉分かったのかな。
茂雄(光石研)と明彦(斉藤洋一郎)の会話とか、
そのセリフのニュアンスが分かる者にとっては、
ここはたまらないくらいにおかしいんだけどね」

----おかしいと言えば、主人公・健次(浅野忠信)が
最初に冴子(板谷由夏)の部屋を訪れるところも。
「あ~。あそこね。
この両方のシーンに通じるのは、
くすくす笑いのユーモア。
途中から千代子(石田えり)を始め、
女性のたくましさが前面に出てくるとこともあって、
今村昌平の重喜劇を思い出してしまった。
この映画は、
それまでどちらかというと
男性的な匂いが強かった青山真治の
ターニングポイントになるんじゃないかな」

----阪本順治で言えば『顔』って感じかニャ。
「そんな感じ。
今村昌平の春川ますみ、阪本順治の藤山直美。
そして青山真治の石田えり」

----そういえば俳優はみんなよかったね。
「うん。高良健吾、とよた真帆、山口美也子。
みんな適材適所。
なかでも、自称免許を剥奪された医者を演じた川津祐介は
人なつこそうな顔の裏に
居心地の悪い偽善を見え隠れさせていて絶品」

----フォーンは、千代子の再婚相手で間宮運送の社長・繁輝を演じた
中村嘉律雄がよかったニャ。
「そうだね。
彼はこの映画で唯一、イノセンスな男。
最初はそれでもどこかに裏があるんじゃないかと思いながら
観ていたんだけど、
結局はそのままだったね。
したたかな女性たちと対立させるには
彼は必要なキャラだったんだろうな。
でも、それだけに秋彦が繁輝に言う一言は泣かせたね」

----「こういう言葉はほんとうは好きじゃない」と前置きしながらも
「頑張ってください」というシーンね。
「そう、これは
『EUREKA ユリイカ』の『生きろとは言わん。死なんでくれ』に匹敵したね。
青山真治は、こういう“決めの一言”の使い方が実に巧い。
普通にはなかなか言うのが難しい、
どちらかというと赤面するようなセリフを
映画の中で、ぐいっと入れてくる」

----そういえば、この二本は疑似家族という点でも共通点があったね。
「そう。
実を言うと、こういう
セミドキュメンタリー的なリアルな映画は、
ぼくはあまりタイプではない。
映像的に作りこみをしている映画の方が好きなんだ。
でも、この映画の緊張感には引き込まれていった。
最初はジャンプカットがあまりにも多く、
正直、おいおいと思ったんだけどね」

----でも、ラストは思いっきり作りこんでいなかった?
「うん。あのシャボン玉ね。
あれこそCGの正しい使い方だろうな。
いったい、このヘビーな映画をどうやって終わらせるのかと思ったら、
あの巨大シャボン玉。
これは素晴らしかったね」


     (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「まったく長さを感じなかったニャ」身を乗り出す

※これは今年のベストテン級だ度

人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

『 EX MACHINA (エクスマキナ)』

2007-09-23 23:28:37 | 新作映画
----この映画、ジョン・ウーがプロデュースしたんだって?
「うん。なにせ人気の『アップルシード』だからね」
----えっ、これって『エクスマキナ』でしょ?
「うん。邦題はね。
でも、英語のタイトルは
『APPLESEED EXMACHINA』。
つまりこの2作は同じ世界観の中で成り立っている」

----それってどういう世界?
「うん。舞台は
非核大戦によって、人類の半数が死滅した世界。
その中立都市<オリュンポス>には、
人類とサイボーグ、
そして人間の遺伝子で作られ、
怒りや哀しみを抑制されたバイオロイドが共存している。
主人公はデュナンとブリアレオスのふたり。
彼らは特殊部隊ES.W.A.Tに属している戦士でパートナー。
そして恋人同士でもある。
それは過去の戦いで負傷したブリアレオスの肉体が
サイボーグとなった今も変わらない。
ところが新たな作戦行動中、
ブリアレオスがデュナンをかばって負傷。
その回復が見えない中、
デュナンのもとに新たなパートナーが配属されてくる。
その男テレウスは、なんとブリアレオスの遺伝子を元に作られた
バイオドロイドであった!」

----うわあ、それはデュナンとしては複雑だね。
だって、すべてそっくりニャんでしょ?
「そう。物語は
このデュナンの心理的な葛藤を横軸に、
もう一つの事件、サイボーグの暴走を描いていく。
この異常行動は次第に人間にも表れるようになってくる。
これは果たしてだれが何のために仕組んだものなのか?
これが今回のお話だね」

---ふうん。オモシロそうじゃニャい。
「そうだね。
この第三の男(?)テレウスに悪意を持たせなかったいうところが
一つの見どころだね。
人間、サイボーグ、そしてバイオロイドによる微妙な三角関係。
でもクライマックスのバトルが始まると、
とたんにぼくは……むにゃむにゃ」

----あらあら。でもCGとかリアルなんでしょ?
「確かにそれはそうなんだけどね。
でもぼくはやはり『ベクシル 2077 日本鎖国』の方が興奮したね。
SFやアニメ・ファンから見ると
こちらの方がオリジナリティや深みはあるのかもしれないけど、
映画的快感はそれとは別」

---う~ん。そういうもんかニャ。


     (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「アニメの世界はよく分からないニャ」もう寝る

※途中までは楽しめた度

人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

『君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956』

2007-09-20 10:06:59 | 新作映画
(原題:Szabadsag, Szerelem)

----この映画って1956年のハンガリー動乱を背景にしているんだよね。
それってどんな事件ニャの?
「一言で言うと、東欧で起きた民主化運動の一つ。
この年の3月に行なわれたソ連共産党第20回大会で、
フルシチョフが行なったスターリン批判が、
本人の意志に反してポーランド、ハンガリーに抗議運動として波及。
ブダベストではハンガリー人学生のデモに対する
AVO(治安警察)の発砲をきっかけに
内乱へと発展していくんだ」

----よく知っているニャあ。
「いやいや。その半分はプレスのおかげ。
さて、この映画はその社会的情勢を背景に、
もう一つの史実、メルボルン・オリンピックを絡めて描かれる」

----それが水球ニャんだね。
「そう。物語はモスクワ遠征した
ハンガリーの水球選手チームが
あからさまなホームデシジョンが元で
悔しい負けを喫するところから始まる。
主人公はその中のスター選手カルチ。
彼は怒りに任せて審判にボールを投げつけたこと、
さらには試合後、ソ連を嘲笑する言葉を吐いて
相手チームの選手たちと喧嘩になったことを
AVOに咎められる。
『ソ連に逆らうな』ってワケだね。
カルチは政治には興味がなかったものの、
折から高まった市街デモの中で、
聡明で誇り高い女性闘士ヴィキを見て、
一目で心惹かれる。
彼女に近づきたい一心で、
いつしか野次馬から逃走の中心へと身を投じていくカルチ。
彼は、オリンピックに行くことを夢見るチームメイトから
徐々に乖離していくが…」

----女の子にモテたくて学生運動……か。
ニャンとなく『いちご白書』を思い出すニャあ。
「うん。でも彼らはまさに命を賭している。
市民と権力側に分かれた同国民同士の銃撃戦、
さらには<自由化=アメリカ資本主義の勝利>と見なして恐れる
ソ連が投入した大量の戦車による市街戦など、
衝撃の世界が目の前で繰り広げられる」

----それは見応え十分だニャあ。
「うん。群衆が集まって抗議の声をあげるシーン、
明かりが消されて、それでも人々が手にした新聞などに火を付けて
松明のように灯し、
彼らの期待する政治家の名前を呼ぶシーンなんて
よくぞ撮影したものだと思う。
ただ、カルチとヴィキの愛を前面に出しすぎたことから、
いわゆる極限下の愛という
アメリカ映画的なメロドラマになってしまったのが残念。
それによってクライマックスが弱くなってしまったと思うな。
監督がハンガリーで実際に苦難を経験した人なのに、
こんなこと言って申しわけないけど…」


(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ぼくの知らないこと多いニャ」小首ニャ

※いい映画だとは思うけ度

人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー 

画像はハンガリー・オフィシャルより。

『アレックス・ライダー』

2007-09-18 23:05:26 | 新作映画
(原題:STORMBREAKER)

----『アレックス・ライダー』って
バイク乗りのお話?
「いやいや、そうじゃないよ。
これは主人公の少年の名前。
その中身は、英国諜報機関MI6にスカウトされたアレックスが
ある陰謀を暴くためのミッションを遂行するスパイアクション。
イギリスでは“女王陛下の少年スパイ!”として
原作のシリーズが大ベストセラーになっているらしい」

----これまでにも少年が活躍するスパイ映画って
いくつもあったよね。
「うん。その中ではこれはなかなかいい線いっていると思うな。
主演のアレックス・ペティファーは
かつてのマーク・レスターを大人にした感じ。
その叔父でやはりスパイのイアン・ライダーにユアン・マクレガー。
メイクで悪役を楽しげに演じるのがミッキー・ローク。
さらに、こちらもメイクで笑わせてくれるビル・ナイと
『ホテル・ルワンダ』『イーオン・フラックス』のソフィー・オコネドーがMI6局員役。
一方、『ドッジボール』の印象も強烈なミッシー・パイル、
それにゴラムことアンディ・サーキスは悪役側。
そしてなんと懐かしのアリシア・シルヴァーストーンまで出演。
彼女は珍妙な日本語を披露してくれる。
もう、この顔ぶれだけで楽しめる映画だ」

----でもスパイ映画ということは
アクションや小道具なども楽しめるんだよね。
「うん。お約束のヘリコプターや
ミサイルが飛び出すスパイ・カーだけじゃなく、
ハイド・パークからロンドン市まで
馬で駆け抜けるシーンなんてのもある」

----馬といえばやはりスパイ映画の『トゥルーライズ』にも出てきたよね。
「よく覚えてるね。
そしてもっと楽しめるのが嘘っぽい小道具の数々。
チューブに入っている金属(だけ)を溶かすクリームや
スパイ・グッズとして改造された『ニンテンドーDS』!
そうそう、水槽の中で飼われている巨大毒クラゲも見モノ。
このあたりはちょっとコナンっぽいかな」

----そういえばクライマックスでは
手に汗ビッショリって言ってたよね?
「あっ、それは単にぼくが高所恐怖症だから。
50階建ての超高層ビルの屋上での戦い。
しかもそこから命綱一本でぶら下がってしまう。
思い出しただけでも手がしびれてきたよ」


(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「高いところが怖いようではスパイは無理だニャ」小首ニャ

※だって苦手なものは苦手だ度

人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー 

画像はドイツ・オフィシャルより。

『グッド・シェパード』

2007-09-17 11:49:26 | 新作映画
(原題:THE GOOD SHEPARD)

----ロバート・デ・ニーロ13年ぶりの監督って、
この映画に彼は出ていないの?
「いやいや、スゴい大物役で登場。
主人公のエドワード(マット・デイモン)をOSSとCIAにリクルートする軍人
ビル・サリヴァン将軍役だ」

----0SSってニャに?CIAは知っているけど…。
「戦略事務局のこと。
主人公のエドワードはそこの一員となり
第二次世界大戦でヨーロッパに勤務。
帰国後、CIAの設立メンバーとなり、
東西冷戦下の諜報活動に従事するんだ。
ところがカストロ政権の転覆を目論んだピッグス湾侵攻作戦が
CIA内部の情報洩れによって失敗。
エドワードはその調査に当たるが、
そのことで
公私ともに窮地に追い込まれてしまうというもの」

----あれっ?意外とシンプルなストーリーだニャ。
3時間近くもある映画とは思えない。
「物語の構成がエドワードの回想を交えながら
彼の一代記という形で進んでいくからね」

----アンジェリーナ・ジョリーの役は?
「エドワードの妻クローバー。
その頃、彼には別に付き合っている人がいたんだけど、
クローバーに肉体関係を迫られ
赤ちゃんまでできたことから彼女との結婚に踏み切るんだ。
もとより本心から望んだ結婚ではないこともあって、
エドワードの生活の軸は仕事の方になっていく。
そのため息子エドワード・ジュニアとの関係もどこかぎこちない。
なにせ6歳になるまでその子は
父エドワードの顔を知らずに育ったわけだからね。
そうそう、このジュニアは父と同じCIA諜報員の道を選ぶ。
彼を演じるエディ・レッドメインは注目株かも。
最近の俳優の顔立ちとは違って
どことなくクラシック。
この映画の役にはピッタリだったね」

---他には誰が出ているの?
デ・ニーロ作品だから、いっぱい旧知のスターが集まりそう。
「『2001年宇宙の旅』も懐かしいケア・デュリア、
それにデ・ニーロとは共演作も多いジョー・ペシ、
ウィリアム・ハート、マイケル・ガンボン、ジョン・タトゥーロ、
ビリー・クラダップ、アレック・ボールドウィン……」

----これまた渋い顔ぶれだニャあ。
「うん。映画も渋くてね。
これは最初、コッポラのために書かれ、
でも彼が監督休業したことから
次はジョン・フランケンハイマーに回ったらしい。
ところが準備中にフランケンハイマーが亡くなり、
彼が出演を打診していたデ・ニーロへと移る。
ぼくとしてはこういう渋い人間ドラマよりも
フランケンハイマーのメガフォンでサスペンスとして観たかった気がするな」



     (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「こういう仕事は勘弁だニャ」ご不満

※う~ん。う~んだ度

人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

画像はアメリカ・オフィシャル壁紙より。

『インベージョン』

2007-09-15 13:35:41 | 新作映画
----このタイトルの意味って“侵入”だっけ。
昔、テレビで『インベーダー』というのがあったけど、
もしかしてこれもSFものニャの?
「ほほ~っ。
フォーンだったら
てっきりインベーダー・ゲームを連想するかと思った」

---バカにしニャいでよ。
主演はニコール・キッドマンか。
あれっ、相手はダニエル・クレイグ。
『007/カジノ・ロワイヤル』以来だね。
どんなお話ニャの?
「ある朝、目が醒めたらなんだか周囲の空気が違う。
ブログでは家族が別人になったという告白が相次ぐ。
街では人々が感情をなくしたかのよう。
事故が起こっても無表情で対処するんだ。
果たして何が起きているのか?」

----ちょっと省略しすぎ(笑)。
でもどこかで聞いたようなプロットだニャあ。
「そうなんだよね。
これはプレスにも書いてあるし、
口止めされていないから話してもいいことだと思うけど、
ジャック・フィニィ原作『盗まれた街』の映画化なんだ」

----それって、何度も映画化されているよね。
「うん。ドン・シーゲルやフィリップ・カウフマン、
さらにはロバート・ロドリゲスによってね。
今回はドイツ人監督オリバー・ヒルシュビーゲルが
メガホンを取ったというのがポイントかな。
製作のジョエル・シルバーは彼の『ヒトラー~最期の12日間~』に衝撃を受けたみたいだ。
その理由というのが
『徹底したリアリズムというビジョンを損なうことなく、
そして歴史のある特定の瞬間を閉所の恐怖とともに描い、
強烈かつ詳細に描き上げていた』ということのようだ」

----でも、こういうSFスリラーも撮れちゃうんだから、
才能ってやはりスゴいよね。
「日本でもそういう流れはあるよね。
インディーズ系の作品で認められた監督が
いきなりメジャー大作を任せられる。
すると、不思議なことに
それはそれで万人が楽しめる作品に仕上げてくる。
この映画もそう。
クライマックスでは派手なカーアクションが用意してある。
まるでゾンビのように、
ヒロインの運転する車に群がる人々を
猛スピードで振り切る、というよりも振り落とす。
あるいは車を炎上させながらそのまま疾走させる」

----アクション・シーンも魅せるってワケだニャ。
「うん。
あと驚くのは子供の扱い方。
いくら寄生されているとはいえ、
その子を暴力的にはねのける
アメリカ生まれ、生粋のハリウッド人だと、
こうはいかないだろうね。
そうそう、ヒロインが眠りに落ちないように
子供に頼む、ある“手段”も衝撃的。
これは痛いよ」


(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「えいが寄生されたらフォーンは分かるかニャ」悲しい

※眠っちゃダメだ度
人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

画像はイギリス・オフィシャル(ダウンロードサイト)ウォールペーパーより。

『モーテル』

2007-09-13 10:31:03 | 新作映画
(原題:Vacancy)

----これってホラーでしょ?
最近も似たようなタイトルの映画があったよね。
「うん。『ホステル』のことだね。
でも、これはあの映画とまったくと言っていいほど、
アプローチが違う。
こちらはホラーというよりもスリラーなんだ」

----それってどういうこと?
「ドライブ中に迷い込んだ田舎町で
死の恐怖を味わう主人公たち。
『テキサス・チェーンソー』や『蝋人形の館』『クライモリ』 もそうだね。
その元を探るとヒッチコックの『サイコ』に行き当たる。
で、この映画が『ホステル』などと一線を画するのは、
残虐なシーンの描写を抑え、
逆に心理描写によって恐怖を高めていくところ。
登場人物はごくわずか。
デビッド(ルーク・ウィルソン)と妻エイミー(ケイト・ベッキンセール)。
ふたりは最近、自己で息子を亡くしていて
そのことで夫婦仲が悪く離婚間近。
そんな彼らが車の故障からモーテルへ。
そこの支配人メイソン(フランク・ホェーリー)の不気味さ、
そして彼に通されたモーテル4号室の辛気くさい不潔さ。
これらすべては不穏感を醸し出すんだ」

----ニャルほど、直接じゃなく周りから攻めていくんだね。
「そう。この映画はまさにモーテルが主人公。
これは外見も含めてすべてセットということらしいけど、
これはまさに見事な“仕事”といえる。
湿気を帯びたふとん、赤錆だらけのバスルーム。
水道からは泥水。
壁紙はニコチンで汚れている。
そんな中、玄関や隣室からドンドンとノックする音が。
デビッドは支配人にクレームをつけにいく。
どうにか音が収まり、テレビを付けたデビッドは、
その中に写っているテープに奇妙な感じを抱く。
そう、それはこの部屋で撮影されたもの。
そこには宿泊客が殺されるスナッフ・フィルムが写っていた」

----それ、前にも聞いたことある。
『ブレイブ』とか『8mm』だね。
「うん。メイソンはこのスナッフ・フィルムで
商売をしていたというわけだ。
さて、ここからははもう恐怖のジェットコースター。
彼らがどうやって、このモーテルから逃げ出すかがポイントなんだけど、
その途中にいくつもの映画的な記憶を散りばめることで
監督は見事に観客の感情を操っていく。
たとえば、途中でトラックが現れ、
一人の男が降り立つ」

----ん?彼はどっちだろう。
普通の人か、彼らの一味か?
「でしょう?
こういう田舎町。『ブレーキ・ダウン』じゃないけど、
みんなグルでもおかしくない。
だから、警察がやってきても安心できないという仕組み。
それともう一つ。『暗くなるまで待って』などで見かけるパターン。
敵を倒してホッと一安心。
でも、実は彼はまだ死んではいなかった…。
すると、今回もそうじゃないかと、
ハラハラドキドキ」

----う~ん。わかるニャあ。
「そして最高に巧いなと思うのが、
この危機に共に立ち向かうことによって夫婦は
その絆を強くする。
愛が回復されていくんだ。
ジャンルは違うけどまるで『ツイスター』みたいにね。
映画は90分にも満たない短い尺。
それでもこれだけ満足させてくれるんだから
ボクとしては大のオススメだね」


(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「これだとフォーンも観られるかニャ」小首ニャ

※逃げるの大変だ度

人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー 


画像はアメリカ・オフィシャルより。

『ブレイブ ワン』

2007-09-12 00:46:16 | 新作映画
(原題:The Brave One)

----久しぶりのジョディ・フォスターだね。
あれっ、銃を手に悩んでる……。
しかもプレスには「許せますか、彼女の“選択”」。
どうやら、ヒロインが殺人を犯しちゃう映画のようだね。
「はい。ご明察。
もう、フォーンに全部言ってもらった気がする。
ぼくもこの案内をもらったとき
『告発の行方』みたいな流れを想像して…。
主人公が被害にあって復讐に燃え、
最後、一線を越えちゃう…」

----やはり、そうか…。
「もう少し詳しく説明すると、
主人公はDJのエリカ(ジョディ・フォスター)。
恋人とセントラルパークでデート中、
チンピラに襲われて彼は死んでしまう。
エリカが覚醒したときには
もう葬式も終わっていたんだね。
退院した彼女は違法に銃を入手。
最初は自分の身を守るために
やむなく殺人に手を染めたエリカだったが、
次第にパニッシャーとして自ら制裁を加えていく。
つまり私的執行人だね」

----ニャるほど。
監督はニール・ジョーダンだよね。
「うん。手持ちカメラの映像が多く、
いわゆる落ち着きのある格調高い映画とはなっていない。
その分、親しみやすくはあるんだけどね。
それよりもこの映画、ぼくは観ていて
ある懐かしい記憶に襲われた。
それはチャールズ・ブロンソンの代表作の一つとなった
『DEATH WISH』シリーズ。
第一作の邦題は『狼よさらば』。
マイケル・ウィナー監督の問題作だね」

----その映画、どこが問題作だったの?
「『DEATH WISH』シリーズが描いていたのは、
ヴィジランティズム、自警主義。
法的裏付けを持たぬ市民が
自衛手段として銃を手に相手を攻撃していいのか?
この『ブレイブ ワン』でもそれがテーマとなっている。
そこを浮き彫りにするべく、
映画ではテレンス・ハワード扮するマーサ刑事を登場させる。
エリカのファンでもあるマーサは、
個人的に彼女に引かれながらも
刑事として犯人を追わなくてはならない。
で、最後にこのマーサ刑事がとった選択…。
実を言うと、これは会場では少し笑いが起こったね。
今日の試写では
ジョディ・フォスターの選択を
【許せる】か【許せない】かのアンケートを取っていたけど、
それも、このマーサ刑事の選択を、
【認める】か【認めない】ということの陰に隠れてしまった気がするな」


(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フォーンには分からないニャ」悲しい

※う~ん。簡単に答えは出せない度
人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

画像はアメリカ・オフィシャルより。

『ミッドナイトイーグル』

2007-09-11 00:07:37 | 新作映画
----この映画って、山岳映画みたいだけど、
タイトルとは結びつかないニャあ。
「うん。タイトルの“ミッドナイトイーグル”とは
米軍ステルス爆撃機のこと。
このステルスが北アルプスで墜落。
その現場を偶然にも目撃、
写真に撮った戦場カメラマン・西崎(大沢たかお)は、
後輩の新聞記者・落合(玉木宏)と共に、
極寒の山中へ向う…」

----ありゃりゃ、ずいぶんと省略していない?
「へへっ。バレたか。
実はここに西崎が3年前から作品を発表しなくなったことや、
米軍の核搭載訓練に関する情報を追っていた落合が
上層部から圧力を受けて支局に飛ばされたという過去が絡み、
その思惑と葛藤がドラマにふくらみを持たせていく。
一方では、西崎の義妹で週刊誌記者の有沢(竹内結子)が
米軍横田基地への工作員事件を追っていて、
その中で北アルプスで起こりつつある
恐るべき事件の真相を知る----」

----ニャにニャに? どんな事件?
「う~ん。そこまでは言ってもいいかな。
簡単に言えば、その事件とは
某国の侵入者がステルスを墜落させ、
そこに搭載された核を爆発させようとするというもの。
映画は、爆発を阻止しようとする西崎、落合、
そして現場に向った自衛隊唯一の生き残りである
三等陸佐・佐伯(吉田栄作)、
3人の男の壮絶な戦いを
日本滅亡のカウントダウンの中に描いていくというもの」

----ニャんだか『亡国のイージス』に似ているニャあ。
「そうだね。総理を始め、
官邸の動きも並行して描かれるしね。
ただ、ぼくとしては
この映画、どうも納得がいかないところが多くて…」

---えっ、そんなこと言っていいの?
「う~ん。
あまり、やっちゃいけないと思いながらも、
心の中でいくつも突っ込んでしまった。
まあ、一個人の意見だから、
流して聞いてほしいんだけど…。」

----でも雪山撮影とか、CGとか見どころは豊富ニャんでしょ?
「それよりもぼくとしては、
大沢たかおの力演を買いたいね。
最近、 『Life 天国で君に逢えたら』で海での彼を観たばかりだけに、
これには驚かされた。
八面六臂の大活躍。
このタフさに加えて、
演技力もしっかりしているわけだから、
彼はいまや日本を代表する俳優の一人と言ってもいいだろうね。
それと、吉田栄作も光っていた。
顔が隠れていたこともあって、最初は誰か分からなかったくらい。
ほんと渋い役者に成長したなあ」



     (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ぶるぶる。ほんと寒そうだニャ」もう寝る

※スケール大きい度

人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

『やじきた道中 てれすこ』

2007-09-08 22:26:22 | 新作映画
----また変わったタイトルの映画だね。
第一、“てれすこ”ってニャによ?
「これはね。江戸時代の落語を基にしたお話。
大阪で“てれすこ”なる不思議な生物が捕獲されたことから始まる。
そこに有名な“弥次さん喜多さん”をくっつけたというわけ」

----ということは、最近では珍しいオリジナルの脚本だね。
「うん。監督の平山秀幸は阿部照雄の書いた脚本があがると、
何度もスタッフで集まって練り直したらしい」

----ふうん。そうやって作られたお話はどういうものニャの?
「品川の遊郭で久々に顔を合わせた
弥次さん(中村勘三郎)喜多さん(柄本明)。
ふたりは、
ひょんなことから売れっ子花魁・お喜乃(小泉今日子)の
足抜けを手伝い江戸を脱出。
道中には詐欺師の夫婦、可愛い子ダヌキ、
そして地廻りなどが待ち受ける。
そんな中、弥次さんは名物『てれすこ料理』を口にするが…」

----ニャるほど。その道中のエピソードとして
いろんな落語ネタが詰められているワケだニャ。
で、どうだった。楽しめた?
「う~ん。
どう言ったらいいのかな。
これは1950年代より以前の時代劇の感覚。
確か、巨匠・マキノ正博にも
戦前に『弥次喜多道中記』という映画があった。
あの作品はオペレッタの作りとなっていたけど、
この映画も、そういう陽気な明るさに満ちあふれている。
作りも丁寧で、実際に箱根杉並木で撮影もしているんだ」

---えっ、あのあたりって
車がバンバン走ってニャかった。
「よく知っているね。
でも『ヤジキタは箱根でしょ』という監督のこだわりで
ロケ場所に選ばれたんだって。
そうそう、こだわりと言えば、
録音は1928年生まれ、
数々の巨匠の映画についた橋本文雄が担当」

----スゴい。もうすぐ80歳じゃニャい。
「ね、驚きでしょ。
そして圧巻は遊郭・島崎のセット。
これは川島雄三『幕末太陽傳』が意識されているようだ。
このシーンでは猫が大活躍!
最近、いろんな映画で猫を見かけるようになったけど、
ここまで意味を持った猫の出現は久しぶり。
観た人は絶対忘れないだろうね」



     (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フォーンも映画に出たいニャ」ぼくも観たい

※いまどき珍しい映画だ度

人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

『サウスバウンド』

2007-09-07 23:47:03 | 新作映画
----これって直木賞作家・奥田英朗の小説が原作ニャんだよね。
主人公のお父さん・上原一郎が元過激派で、
とんでもないことばかり言うんでしょ?
「そうだね。
ぼくは原作は読んでいないけど、
あの頃の極左の人って、いまはどう生きているのか?
あまり表面には出てこないだけに、
この映画はけっこうオモシロいところを突いていると思ったね。
いまの時代って彼らが主張していた頃とは、
価値観が真逆。
まったく違うところにきていて、
彼らそのものが否定されているからね」

----そう考えると、
主人公は鬱屈した感じになりそうだけど…。
「普通そういう気がするよね。
ところがこの一郎、自分が正しいと思ったことは
決して妥協することなく最後まで主張する。
そう、クドいようだけど彼の生き方は
周囲にあわせることを是とするいまの時代の生き方と
真っ向から対立する」

----じゃあ、彼が最も嫌うのは
『空気を読む』とかいうヤツだよね。
「うん。そういうことだね。
さて、映画はその一郎の破天荒な生きざまが
映画にダイナミズムを与える。
もっとも細かいことを言えば、
豊川悦司、天海祐希の実年齢と
映画の中の設定はどう見てもあわないんだけど…。
実は設定もクエスチョン。
彼らは三里塚の闘士ということになっているけど、
子供たちがパソコンで一郎を確認したのは
“80年代”の闘争の写真の中。
三里塚の反対闘争が高まったのは70年代初頭。
1978年に管制塔が占拠されたものの、同年には成田空港が開港。
その後、闘争は実質的に鎮静化していったからね」

----そうか、その頃もし学生だったとしたら、
彼らはもう50代だ。
「うん。そういうことになるよね。
さて、この映画、前半<東京編>では
息子の修学旅行積み立て費が高いことに疑惑を感じた一郎が、
校長と面会するべく学校に乗り込むなど、
子供にとっては恥ずかしくなるようなことを次々とやってのける。
そんな夫を見て母・さくら(天海祐希)は
『東京での生活は終わりにします』と宣言。
かくして彼ら一家は西表島へ引っ越すわけだ」

---あらら 『めがね』みたいな雰囲気になりそう。
「いや、あそこまでゆったりしないよ(笑)。
そうそう、学校は
『天然コケッコー』
なにせ西表島の彼らが移り住んだ地域の小学校には
全校で数名しか生徒がいない。
さて、かくして自給自足の生活を始めた一家。
ところが彼らの暮らす家は
観光開発を進める業者と
それに反対する住民の係争地の中に位置していた!」

----あらら、これはまた一悶着ありそうだニャあ。
「うん。
ここでも一郎の言葉が炸裂!
『この資本家の手先どもが…』(汗)。
他にも彼は『ナンセンス』を多発。
そうそう『ブルジョア』だの『プロレタリア』だのもね。
ただ
『税金なんか払わん、学校なんか行かなくていい。
文句があるなら国民やめちゃおー』なんていう、
子供の将来をまったく考慮していない無責任なものよりも
『みんな、お父さんを見習うな。
お父さんは極端だからな』なんて方が受けたね」

----その一郎を演じる豊川悦司が話題になっているよね。
「う~ん。
確かにオモシロいけど、あまりにも屈託がなさすぎる。
かつて闘争に燃えていた世代の人たちに
自信と希望を与えようということなのかもしれないけど…」

----映画としてはどうだったの?
「この映画、実を言うと<東京編>は少しタルイ。
なにせ音楽や効果音がまったくなく実音のみなんだ。
で、沖縄に移ったとたん、
音が入ってくる。
まあ、ありきたりな手法だけど、その気持ちは分かるね。
やはり一郎の生き方に音が聞こえてくるには、
いまの東京では無理だもの」


     (byえいwithフォーン)

※追補:しかし、あのラストはどうなんだろう?
これじゃあ、主人公の生き方を否定しているようにも見えるのだけど…。

フォーンの一言「過激派ってニャんだ?」もう寝る

※翳りのないアナーキストは付いていくの大変だ度

人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー