ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

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『Oi ビシクレッタ』

2006-08-27 21:43:08 | 新作映画
----ビシクレッタってなんのこと??
「ブラジルの言葉で自転車。
これは、ブラジル北東部に住む失業中の
トラック運転手が
月1,000レアル(400ドル)稼げる仕事を求めて、
リオ・デ・ジャネイロを目指して家族と共に
自転車で出発。
3200kmを旅して目的地に辿り着いたという
実話を元に作られた映画なんだ」

----ニャんだか、昔テレビでよくあった企画みたいだね。
ほら『なんとか電波少年』とかさあ。
「うん。でもあれよりも苛酷かも。
一家は夫婦の他に子供5人。
都合7人もいるのに自転車は5台しかないんだから」

----そ、それは大変だ。
一人で出稼ぎってわけにはいかないの?
「そこが、この主人公であるロマンのキャラクターなんだね。
彼なりの家族というものについての考え方を持っている。
貧乏でありながらも、
一家の中心であるというプライドは持っているし、
そのことがさまざまな軋轢を生み、
映画としてのドラマもさまざまにふくらんでいく」

----そうか、それだけ子供がいれば
一人ひとり個性も違うだろうしね。
「うん。歌を歌って稼ぐ母親ローゼの横でギターを伴奏する次男に対して、
長男は父親ロマンの生き方に疑問を持ち、
ことあるごとに衝突する。
しかも思春期が重なり、
旅先で知り合ったショーガールに少し優しくされると、
勘違いしてそこに居残ろうとしたりもする。
そこがこの映画の本質的なオモシロさだね。
旅する貧乏一家と言う特殊性と普遍的な人生の融合。
ロードムービーではあるけれど、
一方では動く家族ドラマ、
そして青春の旅立ちドラマでもあるわけだ」

----それだけ家族が多いと、職探しも大変そうだ。
「このお母さんが手先も器用で、
途中でハンモック作りの仕事を見つけるんだけど、
父親は『俺の誇りが許さない』と、旅に出る。
せっかく妻が仕事を認められているのに、
まだ一歳にも満たない赤ん坊を起して泣かせることで
その邪魔をするんだから、まったく手に負えない」

----ニャんだか、スゴい話だけど、
ちょっと興味もわいてきたニャあ。
「彼らが途中で出会う人たちも、
それぞれに怪しい人が多く
次にどんなドラマが起こるのか、
観る方の興味をかき立てる。
南米ならではのマジックリアリズムから生まれた
神秘的なシーンも散りばめられている上に、
雄大な風景も楽しめる。
ぼくにとっては意外な広いものだったね。
上映時間85分と言うのもGood!」

                                          (byえいwithフォーン)


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『ラフ ROUGH』

2006-08-26 22:52:39 | 映画
----ニャんだか腑に落ちない顔をしているね。
「う~ん。これは何を書いたらいいのか
皆目見当がつかない。
あだち充の原作ファンだったら
すんなり入っていけるのかも知れないけど、
ヒロイン亜美(長澤まさみ)の立ち位置と言うか、
お兄ちゃん・仲西(阿部力)、圭介(速水もこみち)、
それぞれへの想いの比重というか、
その深さがまったく伝わってこない」

----でも、その曖昧さ、
揺れが“あだちワールド”ニャんだよ。きっと。
まずは、お話だけでも簡単に説明してよ。
「亜美と圭介は
同じ和菓子屋同士、
商売敵の家に生まれ、同じ高校に入学。
亜美は高飛込み、圭介は競泳選手として出会う。
亜美と圭介は水泳への情熱を遠し、次第に惹かれあっていく。
だが、亜美には幼馴染みで年上の婚約者がいた。
それは圭介の憧れ、自由形チャンピオンの仲西だった…」

----ほらね。それは亜美だって揺れるよ。
「でも、その揺れが気持ちとして伝わらないんだな。
長澤まさみが健康的すぎるからかな。
市川由衣と並ぶと
その恵まれた体格に改めて目を見張ってしまう」

----市川由衣って、大谷健太郎監督で続けて
『NANA2』に出ているんでしょ?
「そう、宮崎あおいの演じたハチ役。
この映画で認められたのかもね。
そうそう、オープニングは驚いたな。
なんと言っても加山雄三『君といつまでも』だもんね」

----??????

          (byえいwithフォーン)

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『16ブロック』

2006-08-25 22:41:52 | 新作映画
(原題:16 BLOCKS)

----『スーパーマン』が話題になっているけど、
これはその前シリーズでメガホンを取った
リチャード・ドナーの新作だね。
主演がブルース・ウィリスというのも興味深いニャあ。
「ブルース・ウィリスといえば、『ダイ・ハード』のマクレーン。
いわゆる<殺しても死なないタフな刑事>がその代名詞ともなっている。
でもここで彼が演じているのはアル中の上に足を痛め
まともに歩くことさえできない中年のよれよれ刑事ジャック。
そんな彼に下された新たな任務。
それは2時間後に大陪審で証言する犯罪者エディ(モス・デフ)を
留置所から16ブロック離れた裁判所に護送すること。
ところがその途中、エディは謎の2人組に襲われてしまう。
間一髪エディを救ったジャックの援護要請の中、
真っ先に駆けつけたのは殺人課の刑事フランク(デヴィッド・モース)。
フランクはジャックにエディを引き渡すよう要求。
そう、エディは刑事たちにとって不利な証言をしようとしていたのだ」

----ははあ。これは警察内部の腐敗と立ち向かう話ニャんだね。
「戦うというよりも、
戦わざるを得なくなるんだけどね。
16ブロックと言うのは約1.6キロの距離。
東京で言えば<六本木から東京タワー>と
プレスに書いてある。
これだと漠然としているから
<東京駅から新橋駅>。
オモシロいことに福岡の例も載っていて
<天神からキャナルシティ博多>だって。
大阪だと……」

----それはもういいよ(笑)。
つまり、その護送中にジャックは仲間から狙われると言うわけだね。
「そう。彼らが逃げ込んだ場所がチャイナタウン。
ここで気になったのが住人たちの描き方。
ハリウッドでチャイナタウンが出てくると、
いつもそこの住人を完全無視したアクションが展開される。
これってどうなんだろう。
なんか見下してる気がするんだよね。
住人たちもぽかんとした顔してるし……。
さて、いったん逃げ出したエディを
ジャックがあまりにも簡単に見つけ出すなど、
細かい部分のツッコミはさておき、
見どころは彼らが逃げ込んだ路線バスと、
それを取り囲む狙撃手たち----この絶体絶命シーン」

----それって、どう考えても逃げるの無理な気がする。
だって相手は突入も辞さないんじゃないの。
自分たちを守るためにさあ。
「そうだよね。
そこで壮絶な狙撃が開始される。
タイヤはパンクさせられ、
車体に銃弾を受けながら、それでも突き進むバス」

----うん?似たようなシーンなかったっけ?
「ぼくもどこかで観たことあるぞ……と思ったら、
これはイーストウッド『ガントレット』。
あの映画も警察の上司に不利な証言をしようとする証人の護送。
主人公の刑事がアル中と言うところまで同じだ。
ただ、あちらはラスベガスからフェニックスまで。
証人は女性だったけどね」

----そう言えばリチャード・ドナーにも
刑事映画があったよね。
「『リーサル・ウェポン』。
これも一種のバディ・ムービー。
この『16ブロック』ではくたびれた主人公ジャックに対して、
モス・デフ演じるエディが、
やたらと、けたたましく喋りまくる。
黒人にこういう役回りばかり与えるのも、
これまたどうかなあという気もするけど、
意外や、変装で隠れて逃げようとするシーンなど、
押し黙った姿のときでも
モス・デフはその存在感を光らせていた」

----ふうん。ニャるほどね。
でもこの映画、
最後、どうやって逃げ切るんだろう?
まさしく絶体絶命なだけに興味あるな。
「それは観てのお楽しみ」
          (byえいwithフォーン)

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『サイレントノイズ』

2006-08-23 23:23:13 | 新作映画
----『サイレントノイズ』、これも分かりにくいタイトルだね。
「うん。原題は『White Noise』。
これはEVP(Electronic Voice Phenomena)、
いわゆる電磁音声伝達現象を扱った映画なんだ」

----そんなこと言われても、
難しい言葉ばかりでニャんのことか分かんないよ。
「簡単に言えば、電子機器が発する静電磁波を媒体として
死者が生者に音声やイメージを伝達する現象」

----なんか眉唾っぽいなあ。そんなの本当にあるの?
「信憑性を持たせるためか
映画の冒頭にその可能性を示唆する
エジソンの言葉が出てくる。
プレスによるとEVPを信じる人や団体は
近年、増加の一途をたどっているものの、
まだまだ科学のメインストリームからは異端視されていると
言うことらしい」

----それはそうだろうね。
でもこの映画、それをモチーフにしていると言うことで、
もう内容が想像ついちゃうな。
「おそらく80%はフォーンの想像で当たっているだろうね。
主人公は建築家のジョナサン(マイケル・キートン)。
一度結婚に失敗した彼だったが、
ベストセラー作家アンナ(チャンドラ・ウェスト)と再婚。
アンナから妊娠の兆候があると知らされ、
幸福の絶頂にあった。
ところがそのアンナが失踪。
数日後、死体が発見される。
哀しみに暮れるジョナサンの前に
謎の男レイモンド(イアン・マクニース)が現れる。
彼はすでに亡くなったアンナの声を聞いたと言うのだったが…」

----やはりね。
それ以後、ジョナサンは
このEVPにハマっていくわけだ。
「うん。だけど残りの20%に
ある味付けがなされている。
アンナの声との接触に成功したジョナサンは、
その声に導かれ、人命救出を始めるんだ」

----それは意外な展開。どういうこと?
「EVPには助けを求める女性が映るわけ。
でもそれは未来の予知のようなもので、
こちらの世界ではまだ彼女は死んでいないんだね。
かくして彼は、未解決の女性誘拐事件にも乗り出していく。
ところがその背後では
あの世の悪霊たちが蠢いていた!」

----ちょちょっと、待ってよ。
そんなことまで言っちゃっていいの?
「だいじょうぶ。
この悪霊の存在は比較的早い段階で明らかにされるからね。
かくしてこの映画はオカルトスリラーの要素を強めていくわけだ。
監督はイギリスBBC出身のジェフリー・サックス。
ジョナサンの離婚や前妻の子との関係など
明らかに説明不足の部分もあったけど、
スリラーとしての雰囲気の醸成はまずまず。
妊娠をジョナサンに告げ、
車で仕事に向かうアンナが写されただけで、
あっ、彼女は死んじゃうなと予感させる。
アメリカではボックスオフィス初登場第2位。
そうそう、この手の映画にピッタリの
デボラ・カーラ・アンガーも出ているよ」


          (byえいwithフォーン)

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『Sad Movie サッド・ムービー』

2006-08-22 23:03:00 | 新作映画
----“悲しい映画”?
なんか、あぜんとするタイトルだね。
究極の“韓流”って感じ。
「タイトルもそうだけど、
このキービジュアルがまたスゴい。
8人のキャストの顔のアップ。
しかもその目はいずれも潤んでいる」

----ふ~ん。つまり、これは群像ドラマということ?
「8人、4つの別れの物語。
それぞれのエピソードの中に、
他のエピソードの登場人物が、
あるときはさりげなく、
あるときは直接的に登場。
『ラブ・アクチュアリー』の“別れ”バージョンと言えば、
少しはイメージが付きやすいかな」

----別れの物語が4つも入っているの?
それはヘビーだね。
「でも、この映画を観て、
“別れ”にもいろいろあると、
改めて感じ入ったね。
一番オーソドックスなのは恋敵の出現による失恋。
でもまだ恋が生まれる前に
相手の旅立ちで別れざるをえないという
泣くに泣けないケースもあれば、
プロポーズを前にした殉死という
運命の悪戯としか思えない別れもある。
さらにこの映画は、それら“恋の別れ”に加えて
病死による母と子の別れも描く。
しかもその4つの“別れ”を
ある雨の一日に凝縮させるんだ」

----ニャるほど。ノリとしては『ラブ・アクチュアリー』だ。
「音楽もポップな曲を多用。
このあたりは従来の“韓流”との差を出そうとしているみたいだった。
でも、いずれにしろクライマックスが“悲劇”なわけだから、
『恋人たちのクリスマス』に乗せて
畳みかけるような高揚感で観る者を至福へと誘った
『ラブ・アクチュアリー』のようなわけにはいかない」

----ふうん。でも俳優は豪華だよね。
「あいかわらずワイルドなチョン・ウソン、
ダメ男の映画が続くチャ・テヒョン。
女性陣はイム・スジョン、ソン・テヨン、シン・ミナ、ヨ・ジング。
この中ではシン・ミナが印象に残るかな。
彼女が演じるのはチョン・ウソン扮する消防士ジヌによって
命を救われた少女スウン。
聴力を失い、顔に火傷を負っていることから
アミューズメントパークで着ぐるみのバイトをしているんだ。
そのスウンから慕われるハンサムな絵描きサンギュに扮したイ・ギウも
なかなかいい味を出していた。
役としてはありふれているんだけど、
まだ手垢がついていない魅力と言うかな。
日本で人気を集めそうな気がするね」


          (byえいwithフォーン)

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『プラダを着た悪魔』

2006-08-21 23:36:45 | 新作映画
(原題:The Devil Wears Prada)

※結末に触れる部分もあります。
映画をご覧になってから読まれることをおススメします。



----これ、ファッションの映画だよね。
えいの苦手なジャンルでしょ?
「うん。
おしゃれからは縁遠い日々を送っているからね(笑)。
でも、この映画はファッションに興味がなくても
けっこう楽しんで観られるよ。
物語は、ジャーナリストを目指して
ニューヨークにやってきたヒロイン、アンディが
一流ファッション誌「RUNWAY」で
カリスマ編集長ミランダのアシスタントになり、
『センス・ゼロ』との酷評を浴びせられ、
横暴としか思えない命令を矢継ぎ早に受けながらも、
次第に頭角を現していくと言うもの」

----ニャるほど。いわゆるサクセス・ストーリーだね。
キャリアウーマンの戦いと言うと
『ワーキング・ガール』を思い出すけど…。
「あの映画のような直接バトルはないね。
アンディはもともと会社の中での上昇志向がないわけだから…。
それよりもこの映画が描くのは、
朝から晩まで鳴り続ける携帯により、
自分の私生活がめちゃめちゃになり、
恋も友情もおろそかになっていくさま。
それに反比例して、
彼女のファッション・センスはめきめき磨かれ、
大変身を遂げていく。
街角を歩くアンディの前を車が通るたび、
あるいは部屋から部屋に彼女が移動するたびに、
次々とその衣装が変わってゆく。
ブランドに詳しくなくても、
このシーンはテンポのいい映像と相まって
観る者の心を高揚させ、その目を十分に楽しませてくれる」

----『プラダを着た悪魔』というのは、
彼女の上司のミランダのこと?
「うん。メリル・ストリープが悪意たっぷりの女性を好演。
この映画では、ちょっとグレン・クローズっぽい感じ」

----あ~、クルエラ・デ・ビルね。
ヒロインのアンディはだれが演じているの?
「こちらはアン・ハサウェイ。
『ブロークバック・マウンテン』で一躍注目されたけど、
もともとは『プリティ・プリンセス』でブレイク。
こういう“変身もの”にはピッタリってわけだ。
ただ映画は、単なる彼女のサクセス・ストーリーにとどまらず、
後半に、ある“大陰謀”を絡ませることで、
スリリングな展開を見せてゆく」

----ニャるほど。
その“陰謀”への対応によって
彼女の生き方も試されるわけだ?
「おっ、鋭いね。
実はこの映画のクライマックスを観た後で考えたのは、
よく映画ファンが行なう“ツッコミ”について」

----どういうこと?
「この映画、キャリアを求める女性の生き方に対して、
あるひとつの結論を出している。
それはハリウッド映画のお家芸とも言える
だれもが安心できる“望ましい”ハッピーエンディング。
ただ、時代の価値観が変わる中、
このエンディングは少し不自然な感じがしないでもない。
恋人を裏切り、友人からも見放されてまで
自分の新しい生き方を貫き、
そしてまた元に戻ってくるアンディ。
そんな彼女に対して
『それは調子よすぎない』と
“ツッコミ”入れる人も多いかも…と思ったわけだ。
ぼくは映画のリズムに乗って、
コロっと騙される方だから、
アン・ハサウェイとメリル・ストリープが
目線を交わすその仕種のカッコよさだけで
満足してしまう。
だけど、どうなんだろう?
このヒロインの生き方は、
けっこう物議を醸し出すんじゃないかな?」


          (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フォーンは“黒の毛皮をきた天使”ニャ」ぼくも観たい

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『天使の卵』

2006-08-20 13:10:12 | 新作映画
----これって村山由佳の小説の映画化だよね。
確か一時期よく読んでいなかったっけ?
「彼女の小説はとっつきやすいからね。
人気の『おいコー』シリーズもそうだけど、
年上の女性との恋がモチーフになっているものが多く、
いつも甘酸っぱい気持ちにさせてくれる」

----この『天使の卵』もそうニャの?
「うん。主人公は一本槍歩太(市原隼人)。
美大を目指して浪人中の彼には
一足先に現役で大学合格を果たしていた
斉藤夏姫(沢尻エリカ)というガールフレンドがいる。
そんなある日、
彼は車内で一人の美しい女性と出会い、
その横顔に心奪われる。
やがて、ふたりの再会は思いもかけない形でやってくる。
彼女、五堂春妃(小西真奈美)は、
精神を病んでいることから10年以上も入院している
歩太の父親の新しい担当医だったのだ」

----ふむふむ。運命の愛ってヤツですニャ。
でも夏姫に春妃。スゴい名前がそろったものだね?
「うん。
そこがポイント。
春妃と夏姫は8歳も年が離れた姉と妹。
春妃は結婚生活が破綻したため、
苗字だけは違っていると言うわけだ」

----ニャるほど。後は想像つくな。
歩太は春妃に惹かれていくわけだね。
「そういうこと。
<韓流>が人気を集めるのなら、
それに負けない愛の小説は日本にだってあるよってことなのかも」

----あらら。<韓流>と比較しちゃうんだ?
「うん。
<韓流>って、主人公たちの運命的な愛が根底にありながら、
その愛を成就させないための障壁が次々とふたりの前に現れる。
この場合は、妹・夏姫の存在であり、
詳説は避けるけど春妃の悲しい過去。
そしてふたりの年齢的な差…。
ただ、村山由佳の小説はもっと繊細で、
年上の女性と年下の男の愛を描く時、
男はその年齢差をどうにかしてカバーしようと、
<彼女にふさわしい>自分になろうと
いつもいまの自分はそれでいいのか自問し、もがき苦しむ」

----まじめだよね。
だれかさんとは大違い(ニヤリ)。
「この映画、監督が冨樫森。
『ごめん』に続いて京都が主要舞台となっていて、
そのロケーションが原作の味わい持つ情趣を
見事にスクリーンに映し出している。
映像としてはハイキー&ソフトフォーカスを多用。
歩太の目に写った春妃の横顔が真っ白になり、
そこに彼の想像するデッサンが重ねられていく映像効果はオモシロかったな」

----キャスティングは?
「春妃に小西真奈美、夏姫に沢尻エリカ。
ふたりはそれぞれ
東宝で『UDON』『シュガー&スパイス/風味絶佳』とに出ているんだよね。
でも、この松竹映画の方がハマっていた気がする」

----市原隼人は?
「彼はアクが強いからね。
今回は比較的抑えていたとは言え、
それでも喋り方とかに力みが入りすぎ。
もう少しさらりと演じた方が
後半の悲劇性が浮かび上がる気がする」

----えっ、この映画、悲劇ニャの?…。
「だから<韓流>だって(笑)。
まあ、ベッドシーンが抑え気味なのも
純粋さを協調しようとする、その流れかな。
小西真奈美の背中からのセミヌードも出てきたけど、
もしかしてボディダブルかなと言う考えが頭をよぎってしまった」

---ありゃりや。それは邪推じゃニャいの?

                (byえいwithフォーン)


※そりゃあ切ない度

ごめん BCBJ-1589ごめん BCBJ-1589
※冨樫森監督の映画的センス溢れる作品です。


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『アダムー神の使い悪魔の子ー』

2006-08-18 23:41:34 | 新作映画
----これってクローンの話ニャんだって?
「うん。
簡単にストーリーを説明しておこう。
ポール(グレッグ・キニア)とジェシー(レベッカ・ローミン)。
ふたりは、愛息アダム(キャメロン・ブライト)と共に、
幸せな家庭生活を送っている。
だがしかしアダムは8歳の誕生日の翌日、
不運にも交通事故に巻き込まれて死亡してしまう。
悲嘆に暮れるふたりの前に、
遺伝子学者ウェルズ(ロバート・デ・ニーロ)が現れる。
彼は夫妻の心の隙間を突いて、
ヒトクローンの創造の可能性を説き、
アダムを再生させないかと持ちかけるが…」

----またまたキャメロン・ブライトだ(笑)。
SF顔(ノラネコさん命名)にピッタリの話だね。
ん?と言うことは、彼はアダムと
クローン・アダムの両方を演じるということ?
「そういうこと。
夫妻は悩みに悩んだあげく、ウェルズの提案を受け入れる。
もっとも受け入れなければ
話はそこで終わってしまうわけだけど(笑)。
さて、物語はクローン・アダムが8歳になるまではつつがなく進む。
ところが、元のアダムがいまだ体験していない
8歳を超えた当たりから彼とその周りで異常が起こり始める。
アダムは父親よりもウェルズと親しげに会話をし、
建物が燃えている不気味な絵を描いたり、
汚い言葉を吐くようになったりする。
ぼくはこの映画に対して
観る前までは、
クローン・アダムに襲われる夫妻と言う
勝手なイメージを抱いていた。
しかしこのクローン・アダムはその夢に
狂気を持ったザカリーと言う少年が潜んでいるなど、
自身もこの異常事態を怖がっている」

----それはそうかもね。
神の領域であるはずの<命>を
クローン操作で勝手に生み出したんだから…。
「実は映画を観ながらふと思い出したのが
『ローズマリーの赤ちゃん』。
あの映画は赤ちゃんが生まれたところで終わる。
でも、もしその子が成長したら……と思ったわけだ」

----えっ、これってオカルト?
「いや、そういうわけじゃない。
ロバート・デ・ニーロのファウスト的なキャラが、
それを感じさせたってこと。
最近あまり使われないけど
この映画にはスリラーと言う言葉がピッタリ。
いったい、アダムに何が起こったのか?
これは比較的早いうちに想像がつくけど、
問題は、どう考えてもその<解決法>がないこと」

----どうして?
「クローン・アダムはDNAを運ぶ幹の細胞をジェシーの子宮に着床して誕生。
彼のすべてはあらかじめ<決定>されている。
もし、それを壊すとしたら、
クローンに<新たなルール>を作るしかない。
ネタバレになるから
あまり詳しくは言えないけど、
この映画はそのハリウッド的逃げ道さえも閉ざされているんだ。
そのため、エンディングもかなりモヤモヤが残る」

----すっきりしないんだ?
「うん。全てが明らかになった後も、
映画はすぐに終わりはしない。
ラストを延ばしに延ばすんだ。
すると、こちらとしても
どんな結末を迎えるんだろうと期待するよね。
でも一方では、その内容からして
結末を付けることはきわめて難しいことも見えてくる。
その葛藤の中、迎えるあのラスト。
う~ん。納得いかないなあ」

----こちらも「う~ん」だよ。
ネタバレしないように気を使っているからか、
言っていることが、よく分からないニャあ。


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『ナチョ・リブレ 覆面の神様』

2006-08-17 21:17:51 | 新作映画
----ニャんなの。ナチョ・リブレって?
「うん。それにはまず、ルチャ・リブレという言葉から説明しなくてはならない。
このルチャ・リブレとはメキシコ独特のプロレス。
ルチャとは自由、リブレとは戦い。
つまり<自由への戦い>という意味がこれにはある。
また、レスラーのことはルチャ=ドールと呼び、
彼らの多くはマスクを付けている。
試合は覆面や髪の毛を賭けて戦うことが多く、
マスクを守るため、ひいては己の正体を守るためなら、
どんなことでもする」

----どんなことでも?
「なんと棍棒代わりに使われる小人レスラーもいるらしい。
さて、ここまではプレスに載っているメキシコのプロレス、
ルチャ・リブレの要約。
そろそろ映画の話に移るとしよう。
この映画の主人公はナチョ。
つまりタイトルの意味は
<自由へのナチョ>ということになるかな」

----そのナチョをジャック・ブラックが演じているわけだね。
「うん。彼の設定は修道院の中で育てられた孤児。
子供の頃から
ルチャ・リブレに入れ込んでいるナチョだが、
修道院の老僧たちはこのルチャ・リブレを忌み嫌い、タブー扱い。
成長してからの彼は修道院の料理番を務めている。
ところが修道院にはお金がなくマトモな食材を買うことができない。
そんな中、彼は新しくやってきたシスター・エンカルナシオンに一目惚れ。
子供たちにおいしい食事を食べさせるため、
そして愛しいシスターに自分の男らしさを示すため、
ナチョは覆面を被り
ルチャ・リブレ大会に出場する……というお話だ」

----ふうん。お話だけ聞くとニャんだかありふれているね。
「確かに。ところがジャック・ブラックを主人公に据え、
赤茶けたメキシコの地に配置したことで、
このありふれた“はずの”映画は
単なるスポーツ・コメディの枠を超えた
独創的なスタイルのラテン・ムービーとなった」

----ジャック・ブラックって
『スクール・オブ・ロック』が印象に残っているけど
プロレスもできたの?
「あの映画は、ロックがモチーフ。
タナイシャスDというバンドで音楽活動を行うなど、
ミュージシャンの顔も持つジャック・ブラックにとってはピッタリの企画だった。
ところが、スポーツ映画にはこれまで出演したことがなく、
この作品のため特訓を重ねたらしい」

----へ~。それでも彼をキャスティングしたのにはわけがあるの?
だって、マスクで顔がほとんど見えないわけでしょ?
「確かにそう思っても仕方がないよね。
あのだぶついた贅肉のおなかで
身体にぴたりと張り付いたユニタードを着用するんだから……。
でも、マスクを被せても目と眉で演技ができるなんてのは、
ジャック・ブラック以外に考えられない。
映画のテイストも彼がキャスティングされたことで決まったのじゃないかな。
蜂の巣をボールにして身体にぶつけたり、
闘牛相手に戦ったりと、そのトレーニングも異様。
大御所ダニー・エルフマンを起用しているにもかかわらず、
感動系からわざとはずした(としか思えない)音楽も笑える。
それでいながら、クライマックスの戦いは
ジ~ンとさせてくれるんだから憎い。
気づいたら顔が綻んでいる……
こう言う映画はやはり幸せだね。
あっ、監督は『バス男』で注目のジャレッド・ヘスだよ」



          (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ジャック・ブラック、くるかもニャ」おっ、これは

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『ユナイテッド93』

2006-08-15 11:29:35 | 新作映画
実を言うとこの映画はぎりぎりまで観るのをためらっていた。
映画館の予告篇で映し出される
乗客と家族との電話、
そして決死の覚悟で犯人たちに向かっていく乗客たち。
脳裏には5年前の9.11の夜が甦ってくる。

あの日、ぼくは学生時代の仲間との飲み会で新宿に出かけた。
妙な予感があったわけでもないだろうが、珍しく会は盛り上がらず、
だれ一人として二次会を提案する者もなく
めいめい自分の家へと帰っていった。
そこでぼくを待ち受けていたのがテレビ「ニュースステーション」。
貿易センタービルが煙に包まれた衝撃の映像だった。
最初、家人から話を聞いた時にぼくの頭をよぎったのは、
「操縦に未熟な酔っぱらいの愚行」----というものであった。
ところが衝突炎上したのがが二機と分かり、
その考えは一気に吹き飛ぶ。
やがて、もう一機がペンタゴンに墜落。
それを聞いて「これは戦争だ」と体に戦慄が走る。
情報が混乱する中、続いて入ってきたニュースが
ユナイテッド93の悲劇であった。

そこでは次のような報道がなされた。
「ユナイテッド93はホワイトハウスを狙ったが、
乗客たちの<阻止>により目的を達成せずに、
人家のない場所に墜落した」

映画『ユナイテッド93』への躊躇もここにあった。
いままでアメリカ映画では数多くのエア・パニック映画が作られてきた。
だが、そのほとんどが最後には無事着陸、そして人命救助に成功している。
それはそうだろう。
ハリウッドが観客を不安に陥れるような
そして大手飛行機会社を敵に回す映画を作るはずはない。
飛行機を使ったテロを描いた
『エグゼクティブ・デシジョン』でも悲劇は起こらず、
政府機による飛行機爆破という
「エグゼクティブ・デシジョン=大統領の最終決断」事態は回避される。
だが、この9.11「ユナイテッド93」では
だれもがその悲劇的結末を知っている。
これはきわめて重い。

ぼくは観る前は、この映画を次のように想像していた。
「自分の命を賭して国を守った乗客・乗組員。
その英雄的行動を讃えた映画」と。
それは「彼らこそ9.11後の世界でどう行動すべきかを最初に示した人々」
といった内容の映画の惹句にも表れていた。
だが、映画は思っていたものとはかなり違っていた。
彼ら乗客たちは、その中に操縦経験者(単発機だが…)や
管制塔勤務経験者がいることを確認すると、
操縦桿の奪還に向けて立ち上がる。
そして墜落する飛行機を上昇させようと必死で戦うのだ。
彼らはホワイトハウス前で機を<墜落させた>のでは決してなかった。

そう、彼らは最後まで
「自分たちが生きる希望を捨ててはいなかった」のだ。
そしてそのことはまた、9.11以後の世界を生きるぼくを勇気づけてくれる。
いまはこの映画を作ったスタッフたちに感謝したい。




※ケン・ローチ映画の名手バリー・アクロイドの撮影、
おそらく映画史上最多と思われるas himiself、「I love you」、
管制塔中心の前半と機内のみの後半の構成、ラストカットなど、
映画として語りたい部分も多々ありますが、
今回は、それは見送りたく思います。

                   (byえい)


※今回は付けられない
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『東京フレンズ The Movie』

2006-08-13 21:34:10 | 映画
----これって大塚愛主演のDVDドラマの続編ニャんだって?
それ観ていなくても大丈夫?
「問題ないと思うよ。
あまりにも、だれもが想像する通りの青春ストーリーだからね」

----チラシとか見ると4人写っているようだけど?
「じゃあストーリーを簡単に。
高知の小さな町から出てきた女の子・玲(大塚愛)が
バイト先の居酒屋で3人の女の子(松本莉緒、真木よう子、小林麻央)たちと知り合う。
彼女らはみなそれぞれに夢を追いかけていた。
で、その夢と言うのが……
音楽に、芝居に、絵画に玉の輿…。
これに写真でも加われば天下無敵だね」

----またまた、皮肉っぽいニャあ。
「だって、あまりにも当たり前すぎる。
いつの時代でも若者はそういうものとも言えるのかも知れないけど、
この映画はそこで止まっている。
よくいえば青春の普遍的な姿と言うことになるのかなあ

----でも、えいだってそんな時代があったはずだし、
それって年寄りの戯言にしか聞こえないよ。
「う~~ん。そうなのかなあ。
いまの若い人たちって、
こんなところではとどまっていないと思うんだけど…」

----いや、いつの時代も変わらないんだよ。
若者が夢見ることって……。きっと。
「そうかなあ。
また、それかよって思ったんだけどね。。
さて、話を映画に戻して。
ヒロインの玲は、
バンド『サバイバル・カンパニー』として成功の道を歩むんだけど、
自分をこの道に引き入れ、
音楽の魅力を教えてくれた男・隆司(瑛太)の挫折、
そして失踪が気になって仕方がない。
そんな中、彼をニューヨークで見かけたと言う噂を聞き、
彼女は自分の心に決着をつけるために海を渡る・・・
と、まあ、こんな話だね」

----それは想像ついちゃうね。
向こうでふたりが会わないはずはないわけだから。
玲は、ニューヨークで、愛か音楽かの選択に揺れるわけだ…。
「う~ん。そこはさすがに
ヒロインに一本筋は通させていたね。
ライブ直前にニューヨークに渡り、
なかなか戻ろうとしない彼女に、
おいおい結局は男かよ……と思ったけど、
そういうわけでもなかった。
でも、大塚愛の演技はちょっとね。
自分の喋る順番を待って喋っているのがありあり。
目線もどこか泳いでいたし。
ただ、その彼女がライブになると
まるで人が変わったよう。
一番感動したのは最初の歌だったね。
そうそう、そのバックバンドに平岡祐太。
『NANAーナナー』では演奏できなかったうっぷんを晴らすかのように、
生き生きとしたステージングを見せてくれる。
もちろん演奏が彼自身かどうかは分からないけどね」

----最後までシニカルだニャあ。

     (byえいwithフォーン)

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※この違い、お国柄だけじゃないはず。

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『ニキフォル 知られざる天才画家の肖像』

2006-08-12 01:16:19 | 新作映画
※ネタバレにつながる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも



----ここ数年、画家を描いた作品って多いよね。
でもこのニキフォルって人、知らなかったニャあ。
「ぼくも同じ。
でも、73年間の生涯(1985-1968)に
彼が残した絵画は約4万点もあるんだって。
ポーランド南部の町クリニツァで、
教会や宗教的イコンなどを数多く描いたことから
“アール・ブリュットの聖人”とも称されているらしい」

----ニャによ、そのアール・ブリュットというのは?
「はい。調べてみました。
提唱者はJ・デュビュッフェ
美術の学校などで専門教育を受けていない人々の作品を、
『もっとも純粋で、もっとも無垢な芸術であり、
作り手の発想の力のみが生み出すもの』であると評価。
精神病患者など、
社会的に隔離された人が多いらしい」

----と言うことは、このニキフォルも……?
「うん。彼は言語障害を抱え、文字の読み書きができない。
ただひたすら絵を描き続け、
それを路上で観光客にわずかな金で売って生活していたらしい。
映画は、そんなニキフォルと
役所の管理部の美術担当で画家でもあるマリアン・ヴォシンスキの関係を描く。
事務所の建物の一角に小さなアトリエに勝手に入り込んできて
好きに絵を描き始めるニキフォル。
しかも彼はマリアンの絵を『駄作だ』と批判し、
『お前は絵を描くな』とまで言う。
でもマリアンはニキフォルの言葉が真実と分かっているばかりか、
彼の絵にホンモノの芸術性を見出す。
このふたりの関係は、あるアカデミー作品と同じ。
さあ、なにか分かるかな」

----簡単だね。『アマデウス』でしょ。
「おっ、やるね。
ただ、この作品があの映画と違うところは
モーツァルトに対するサリエリにあたるマリアンが
最後までニキフォルの理解者であり、
彼の面倒のすべてを見ようとするところ。
ニキフォルが有名になると、自分の態度をころっと変えるマリアンの上司、
肺結核だと判明し、彼を追い出そうとするマリアンの妻。
でもマリアンは我が道を行くニキフォルに手を焼きながらも
創作の便宜を図り、サナトリウム入院の手続きを取ったりするんだ」

----なかなか感動的な実話だね。
「そのニキフォルがマリアンに伝授した絵の極意というのが
『色を決めるときは、まず色によく聞け』。
そして今際のときに、ある感動的な交流が起こるんだけど、
さすがにこれは観る人の楽しみを奪うから言えないな……。
それが事実だとしたら最高に泣けるエピソードなんだけどね」

----ふうん。でも映画としてのオモシロさが伝わらないニャ。
「まるで童話の中の町のような
赤と城の屋根の家が点在するクリニツァ。
その絵画的風景もさることながら、
最大の見どころはニキフォルを演じている女優、
86歳になるクリスティーナ・フェルドマンだろうね」

---えっ?ニキフォルって女性ニャの?
「(笑)いや、もちろん男性。
これは観終わるまで気づかなかった。
でも知らないで観た方がいいのかも……。
と言うことで今回は、ちょっと“ネタバレ注”を入れてみたわけさ」



          (byえいwithフォーン)


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『サンキュー・スモーキング』

2006-08-11 01:12:48 | 新作映画
----この映画、アメリカでの今年の1館当たりの興収記録を作ったんだって?
タイトルからしてセンセーショナルだけど、どんな映画なの?
「主人公のニック・ネイラー(アーロン・エッカート)は
タバコ業界を代表する凄腕のPRマン。
高まる嫌煙運動に対して、
魅力的なスマイルと巧みな論理のすり替えで
あっという間に周りを煙に巻いてしまう。
ハリウッドのスーパー・エージェント(ロブ・ロウ)と組んで、
<映画でタバコ作戦>を展開しようとしたり、
タバコのパッケージにドクロ・マークを付けたがっている
上院議員(ウィリアム・H・メイシー)とやり合うなど、
刺激的な日々を送っている。
ところが過激派の嫌煙団体から命を狙われた上、
ベッドでスクープを狙う女性新聞記者(ケイト・ホームズ)の罠に
まんまとハマってしまったことから、
彼は仕事も恋も友情も失い、一気にどん底に落ち込んでしまう。
そんなニックを救ったのは果たして?という流れかな」

----タバコと言えば『グッドナイト&グッドラック』を思い出すよね。
テレビ放映中もプカプカやっていた。
「そうだよね。
ところが、この映画、
なんと喫煙シーンもなければ
火のついたタバコも煙も登場しない。
<MOD>の仲間との週一回の飲み会でも
だれもタバコを口にしない。
よく見るとテーブルの上に箱はあるけどね」

----なに?そのMODというのは?
「自らMerchant of Death(死の商人)と呼ぶ3人組。
他のふたりはアルコールと銃のPRマン。
年間死者の総数を競ったりしてうっぷんを晴らしている」

----ふうん。同じじタバコ業界の内幕ものでも
『インサイダー』とはまったく違うわけだ。
「うん。監督がジェイソン・ライトマン。
あのアイバン・ライトマンを父親に持つだけあって
コメディよりに作ってある」

----なにコメディよりって?
完全なコメディとも言いきれないってこと?
「そこが微妙なんだね。
ロブ・ロウ扮するエージェントは日本かぶれ。
珍妙な和服姿を見ることができる。
女性記者とのセックスも冗談っぽいし、
初代マルボロマンでガン患者になったと言う老優に扮した
サム・エリオットの誇張した演技も楽しめる。
ところが映画自体は、
同じ風刺でも
タバコ=絶対悪と言うノーマルな倫理観へは流れずに
<自分でことのよしあしを判断すべし>というテーマが
表面に出ていく」

----ニャるほど。
タバコと言えば完全悪役のイメージが定着しているだけに、
それは観ていてすっきりしないかもね。
「さて、そんな主人公の再起のきっかけとなるのが
ニックの息子の父親に対する叱咤激励。
息子役にはいま売れっ子のキャメロン・ブライト。
SF顔の彼に、やっと普通の役がもらえたって感じだったね。
それと見どころはオープニングタイトル。
それぞれのクレジットが
タバコ・パッケージを模したイラストの中に紹介される。
あと、これはプレスで知ったんだけどネクタイの柄かな」

---ネクタイ柄?
「うん。
ニックはアンティークのシガレットケースや暗褐色の煙の渦、
上院議員はマガモとカエデ、
また銃のPRをする男は鷲や銃。
ぼくが日常の中で、
ネクタイをしないだけに
そこには目がいかなかったけど、
これはあらかじめ知っておいた方が楽しめるかも」



          (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「煙いのは、いやニャ」もう寝る

インサイダー PCBP-50957インサイダー PCBP-50957※もうひとつのタバコ映画。力作です。

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『UDON』

2006-08-08 23:33:27 | 新作映画
----これ『踊る』シリーズの本広克行監督の新作だよね?
タイトルをわざわざローマ字にしているけど、
どんなお話なの?
「いやあ。これほどストーリーを説明しやすい映画もないね。
いま、フォーンが想像しているとおりの内容。
『『ここには夢なんかない。
ただうどんがあるだけだ!』----
ビッグなコメディアンを目指し、
香川からニューヨークへ渡った松井香助(ユースケサンタマリア)。
夢破れ、故郷へ戻ってきた彼は、
親友・鈴木庄助(トータス松本)の勧めで
地元タウン誌に就職。
そこで香川名物の讃岐うどん特集を始め、
それはついに全国的なブームを巻き起こす。
しかしブームにはいつか終わりがくる。
彼は、亡き父の後を継いで
松井製麺所の味を復活させようとする」

----ありゃりゃ、ほんとうに簡単だ。
で、これは何を言おうとしている映画なの?
「正直言って、ぼくもそれがよく分からない。
後半部分は伊丹十三の『タンポポ』に似てなくもない。
麺はどこそこ、湯で具合はどこそこ、出汁はどこそこと、
よその味を研究して、親父の味を復活させるとこなんかはね。
ただ、讃岐うどんそのものをアピールしたかったからか、
すべてのうどん屋・製麺所のうどんも公平に描かれ紹介される。
途中、客の回転のため、
茹で時間を減らすべく、
麺が細くなった店と言うのは問題点として出てきたけど…」

----つまり<味勝負>みたいなのはないわけだね?
「うん。
その<味比較>がなされないため、
どうしてそのお店が特別おいしいのかが、
うまく伝わってこない。
讃岐うどんの特徴として、
製麺所で直接食べられること、
それもお箸や器持参、
さらには醤油まで持参しなければいけない(ところもある)という
ユニークな点は伝わったけど…」

----その話で2時間13分というのもスゴいね。
「田舎の、一見、うどん屋さんには見えないお店を次々と紹介。
カメオ的スターも記録的なほどに多いからね。
ただ、興味深かったのは、
ブームについて言及しているところ。
ブームを生み出すには<聖地>が必要と言う説明には納得。
数年前に実際に巻き起こった讃岐うどんブーム。
その終息まで描いたのは
<讃岐うどんを持ち上げっぱなしにしてはいない>
という意味でよかったと思うよ。
そうそう本筋とは関係ないけど
中で出てきた『キャプテンUDON』。
これが『ブレードランナー』と『マトリックス』。
スピナーは飛ぶし、名セリフ『二杯で十分ですよ』もある(笑)。
またまた寺島進が大活躍(?)だよ」


                       (byえいwithフォーン)


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『オトシモノ』

2006-08-07 23:10:16 | 新作映画
----今日も暑かったニャあ。
「それはそうなんだけどね。
でもこの映画はけっこう背筋がゾクっときたよ。
最初は駅でオトシモノを拾った人たちが
なぜか祟られていくという単純な話だと思ったんだけど、
さすが黒沢清監督の門下生とも言うべき古澤健。
一筋縄ではいかない映画を作りあげてきた」

----どこが一筋縄ではいかないの?
「う~ん。ぼくの理解力不足なのか、
最後まで観てもよくその骨子が分からない。
はっきりとした解決がなされないまま
映画は宙ぶらりんに放り出される。
『回路』とかを観終わった時の感じに似ている。
舞台となるのは水無駅へと続くトンネル。
プレスに一緒についてきたペラを読むと、
どうやら作者たちは
その背景に神話的とも言うべき壮大な物語を作り出していて
それに基づいて事件が起こると言う形になっているようだ」

----確か、『水霊 ミズチ』もそうじゃなかった。
「そうだね。
でもこの映画はどちらかと言うと、
その雰囲気は『奇談』に似ていた。
クライマックス洞窟でのシーンでは、
亡者たちがうようよ登場。
後で調べてみると、
撮影が水口智之で同じなんだね」

----そう言えば、あれも分かりづらい話だったね。
「うん。ところがこの映画はかなり野心的で、
性格も家庭環境もまったく異なるふたりの少女
(沢尻エリカ&若槻千夏)の間に
その事件を通して友情が芽生え、
手を取り合って恐怖に向かっていく姿がせつなく描かれる。
なんて、これだけ聞くと、
ありふれているように見えるかも知れないけど、
片やおとなしい学級委員で片や仲間とつるむ遊び最優先の子。
同じクラスにいることさえ不思議な2人だけに、
彼らが一緒のフレームに収まると、
それだけで映画がざわつく」

----SFXやCGも多用されているんでしょ。
「うん。正直言って、
その部分はあまり怖くはなかったな。
それよりもやはり亡者のモブシーンだね。
あと、もしやと思ったのは“青沼八重子”という
キャラクターを生み出したこと。
『呪怨』の伽耶子の線を狙っているのかも」

----ニャるほど。続きもあると言うことだニャ。
「それにしても驚いたのは電車やホームの撮影。
『デスノート 前編』『地下鉄(メトロ)に乗って』よりも
ホームが活躍するからね」

----それってまるでイギリスのホラー
『0:34 レイ_ジ34_フン』みたいだニャ。
「あまり例がよくないけどね(笑)
          (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「えいは、よくオトシモノするから心配だニャあ」悲しい


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