(英題:Cold War)
----『コールド・ウォー 香港警察 二つの正義』。
ニャんだか説明的なタイトル。
でもこれって、
香港電影金像奨を9部門も受賞しているんだよね。
「うん。
宣伝サイドも“『インファナル・アフェア』以来の傑作”と謳っている」
----香港映画でポリスアクションときたら、
どうしてもそれを引き合いに出したくなるのは仕方ニャいよね。
で、観てみてどうだった?
「いやあ、正直これは楽しめたよ。
実はこの映画、監督はふたり体制。
しかも、どちらも本作でデビュー。
観る前は、
いくら香港のアカデミー賞と言われる賞を多数受賞したからって、
あまり高望みはしない方が…と思っていたんだけど、これが嬉しい勘違い。
とにかく脚本が凝っている。
ざっとストーリーを説明すると、
香港の繁華街で爆破事件が起こり、
その直後に5人の警官が車両ごと行方不明になる。
海外出張中の警察長官に代り
行動班を率いる副長官のリー(レオン・カーファイ)が指揮を執ることに。
5人の中に自分の息子ジョーがいることを知った彼は、
犯人からの身代金要求に対して
各組織の人員を全て動員した前代未聞の人質救出作戦『コードネーム:コールド・ウォー』を遂行する。
だが、もうひとりの副長官“保安管理班”を率いるラウ(アーロン・クォック)は、
リーの公私混同ともとれる操作方法に疑問を抱く--」
----ニャんだか先が読める気がするニャあ。
「まあ、これまでに作られた映画を思い出して、
いろいろと想像しちゃう話ではあるよね。
実際は、思わぬ方向へとどんどん話が転がっていくんだけどね。
さて、ここまでの見どころは、
リーとラウ、ふたりの副長官の鍔迫り合い。
それぞれ、少しでも優位に立とうと、
ある局面では、それぞれ自分に有利な規則を盾に互いを恫喝したり、
別の局面では、水面下で相手陣営の部下を自分の方に引き入れたり…」
----でもだれが見ても
それはラウの方が正しい判断って気がする。
リーは息子が人質で熱くなっているようにしか見えない。
「そうだね。一見ね。
でも物語はここから大きく動く。
長官からの一報によってリーに代わってラウが臨時長官となり、
作戦の指揮を執ることに。
ところが、
犯人から要求された身代金の引き渡しのため、
自ら取引現場に向かったラウは、
高速道路で犯人グループに襲撃されてしまう。
この銃撃戦でラウは
腹心の部下ビンセント(チン・ガ―ロウ)を失ってしまう。
哀しみに心臓が潰れそうになるラウ。
しかしことはそれだけで終りはしなかった…」
----ゴクッ。
ニャにが起こるの?
「実は、
犯人グループが狙ったのは別の現金輸送車。
ここのいきさつを説明すると
ややこしくなりすぎるし、
またネタバレに近くもなっちゃうので割愛。
と言っても、ここもまたミスリードを織り込んだ
脚本の妙が働いている部分でもあるんだけど…。
とにかく、このときに
警察の金6000万HKドルが失われてしまう。
そしてそれはラウが絡んでいるのではないか…と、
汚職捜査機関の調査が入るんだ」
----ニャあるほど。
でも、それって少し不自然な気もするニャあ。
ラウは実際に自分の部下を亡くし、深く傷ついているんだし…。
「だよね。
だけど、ここもアーロン・クォックの演技の妙で、
ラウが実際には何を考えているのか分からない、
一筋縄ではいかない人間のように見せていくんだ。
さて、ここでまた新たな人物が物語に深く関わってくる。
それは汚職捜査機関の調査主任チョン(ア―リフ・リー)。
チョンは、次期長官を狙うリーがラウの存在を恐れ、
彼がラウをはめたのではないかという容疑をかける。
そこでリーを取り調べることに。
このときのレオン・カーファイの演技も見モノ。
警察の表も裏も知り尽くしている彼は、
まだうら若き調査主任に対して威風堂々。
決してひるまない。
そんな中、いよいよこの事件の黒幕が姿を現す…。
と、まあ、なんのかんの言いながら
結局はストーリーを長々と喋ってしまったけど、
やはりこの映画は、
原作に頼ることなく、
ふたりの新人監督
リョン・ロクマンとサニー・ルクが
オリジナルの共同脚本によってこれだけの話を仕上げたというのが
ぼくがもっとも舌を巻いたところ。
そこに、香港を代表するスターをキャスティングしたんだから
オモシロくならないはずがない」
----それはそうかもニャ。
でも、よくそんな新人たちの映画に
それだけの大物スターが出てくれたニャあ。
「これについては
リョン・ロクマンがこう語っている。
『当初からリーをレオン・カーファイ、
ラウをアーロン・クォックに演じてほしいと思っていました(中略)。
どの役者にオファーするかということは、
すべて劇中のキャラにかかっていると思います。
「ある俳優のためにそのキャラを書くと俳優はその誠意に答えるものだ」と
作家リリアン・リー(『さらば、わが愛/覇王別姫』も言っていました。
この映画の脚本をレオン・カーファイに渡したとき、
彼は開口一番「リーという役は私のために書いたのか?」と言いました。
私は即座に「もちろん!」と答えましたよ』」
----う~む。いい話だニャあ。
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「アンディ・ラウも出ているらしいのニャ」
※アクション・シーンももちろん見ごたえある度
お花屋さんもよろしく。もうすぐ新タイアップ開始です。
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----『コールド・ウォー 香港警察 二つの正義』。
ニャんだか説明的なタイトル。
でもこれって、
香港電影金像奨を9部門も受賞しているんだよね。
「うん。
宣伝サイドも“『インファナル・アフェア』以来の傑作”と謳っている」
----香港映画でポリスアクションときたら、
どうしてもそれを引き合いに出したくなるのは仕方ニャいよね。
で、観てみてどうだった?
「いやあ、正直これは楽しめたよ。
実はこの映画、監督はふたり体制。
しかも、どちらも本作でデビュー。
観る前は、
いくら香港のアカデミー賞と言われる賞を多数受賞したからって、
あまり高望みはしない方が…と思っていたんだけど、これが嬉しい勘違い。
とにかく脚本が凝っている。
ざっとストーリーを説明すると、
香港の繁華街で爆破事件が起こり、
その直後に5人の警官が車両ごと行方不明になる。
海外出張中の警察長官に代り
行動班を率いる副長官のリー(レオン・カーファイ)が指揮を執ることに。
5人の中に自分の息子ジョーがいることを知った彼は、
犯人からの身代金要求に対して
各組織の人員を全て動員した前代未聞の人質救出作戦『コードネーム:コールド・ウォー』を遂行する。
だが、もうひとりの副長官“保安管理班”を率いるラウ(アーロン・クォック)は、
リーの公私混同ともとれる操作方法に疑問を抱く--」
----ニャんだか先が読める気がするニャあ。
「まあ、これまでに作られた映画を思い出して、
いろいろと想像しちゃう話ではあるよね。
実際は、思わぬ方向へとどんどん話が転がっていくんだけどね。
さて、ここまでの見どころは、
リーとラウ、ふたりの副長官の鍔迫り合い。
それぞれ、少しでも優位に立とうと、
ある局面では、それぞれ自分に有利な規則を盾に互いを恫喝したり、
別の局面では、水面下で相手陣営の部下を自分の方に引き入れたり…」
----でもだれが見ても
それはラウの方が正しい判断って気がする。
リーは息子が人質で熱くなっているようにしか見えない。
「そうだね。一見ね。
でも物語はここから大きく動く。
長官からの一報によってリーに代わってラウが臨時長官となり、
作戦の指揮を執ることに。
ところが、
犯人から要求された身代金の引き渡しのため、
自ら取引現場に向かったラウは、
高速道路で犯人グループに襲撃されてしまう。
この銃撃戦でラウは
腹心の部下ビンセント(チン・ガ―ロウ)を失ってしまう。
哀しみに心臓が潰れそうになるラウ。
しかしことはそれだけで終りはしなかった…」
----ゴクッ。
ニャにが起こるの?
「実は、
犯人グループが狙ったのは別の現金輸送車。
ここのいきさつを説明すると
ややこしくなりすぎるし、
またネタバレに近くもなっちゃうので割愛。
と言っても、ここもまたミスリードを織り込んだ
脚本の妙が働いている部分でもあるんだけど…。
とにかく、このときに
警察の金6000万HKドルが失われてしまう。
そしてそれはラウが絡んでいるのではないか…と、
汚職捜査機関の調査が入るんだ」
----ニャあるほど。
でも、それって少し不自然な気もするニャあ。
ラウは実際に自分の部下を亡くし、深く傷ついているんだし…。
「だよね。
だけど、ここもアーロン・クォックの演技の妙で、
ラウが実際には何を考えているのか分からない、
一筋縄ではいかない人間のように見せていくんだ。
さて、ここでまた新たな人物が物語に深く関わってくる。
それは汚職捜査機関の調査主任チョン(ア―リフ・リー)。
チョンは、次期長官を狙うリーがラウの存在を恐れ、
彼がラウをはめたのではないかという容疑をかける。
そこでリーを取り調べることに。
このときのレオン・カーファイの演技も見モノ。
警察の表も裏も知り尽くしている彼は、
まだうら若き調査主任に対して威風堂々。
決してひるまない。
そんな中、いよいよこの事件の黒幕が姿を現す…。
と、まあ、なんのかんの言いながら
結局はストーリーを長々と喋ってしまったけど、
やはりこの映画は、
原作に頼ることなく、
ふたりの新人監督
リョン・ロクマンとサニー・ルクが
オリジナルの共同脚本によってこれだけの話を仕上げたというのが
ぼくがもっとも舌を巻いたところ。
そこに、香港を代表するスターをキャスティングしたんだから
オモシロくならないはずがない」
----それはそうかもニャ。
でも、よくそんな新人たちの映画に
それだけの大物スターが出てくれたニャあ。
「これについては
リョン・ロクマンがこう語っている。
『当初からリーをレオン・カーファイ、
ラウをアーロン・クォックに演じてほしいと思っていました(中略)。
どの役者にオファーするかということは、
すべて劇中のキャラにかかっていると思います。
「ある俳優のためにそのキャラを書くと俳優はその誠意に答えるものだ」と
作家リリアン・リー(『さらば、わが愛/覇王別姫』も言っていました。
この映画の脚本をレオン・カーファイに渡したとき、
彼は開口一番「リーという役は私のために書いたのか?」と言いました。
私は即座に「もちろん!」と答えましたよ』」
----う~む。いい話だニャあ。
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「アンディ・ラウも出ているらしいのニャ」
※アクション・シーンももちろん見ごたえある度
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