ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

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『その夜の侍』

2012-09-30 16:55:44 | 新作映画
----堺雅人と山田孝之か…。
ふたりの顔合わせって初めてニャんだよね。
「そうだね。
ふたりとも、いまの日本映画を代表する実力派。
だけど、これまで
それぞれのフィールドで活躍していて、
重なることがなかったってことだろうね」

----山田孝之って、
どちらかというと暴力的な映画への出演が多かった気がする。
「うん。
最近でも『闇金ウシジマくん』で見せた
汗一つ書かない冷酷な取り立て業者とかね。
一方の堺雅人は、
あの独特の微笑もあってか、
気の弱い役柄が多かった。
最近では『ツレがウツになりまして。』などもそう。
たまにサスペンスなどに出ても
『ゴールデンスランバー』のように人のいい役柄だったり…。
で、正直行くと、
ぼくは、あの微笑を止めた演技ってできないのか?
そう思っていたこともあるんだ。
ところが、この映画『その夜の侍』ではそれを完全に封印。
曇った分厚いレンズのメガネの奥、
大きく見開かれた焦点の定まらない目。
それだけで異常性をいやと言うほど漂わせる。
いわゆる“関わりたくない”中年男を演じている」

----へぇ~つ。
どんな役柄ニャの?
「一言で言えば、
かつて交通事故で妻(坂井真紀)を失って以来、
喪失感を抱え、絶望的な日々を送っている男。
小さな工場の社長である彼、中村健一は、
毎日、留守電に遺された妻・久子の最後の言葉を
繰り返し聞きながら、
妻を轢き殺した男への復讐の日を待っている」

----その妻を轢き殺した男を演じるのが山田孝之ってワケだね?
「うん。
彼が演じる犯人・木島宏は、
そのことにおける反省の気持ちなど微塵もない。
事故を起こした時も、
そのことより、
周りから漂ってくるサバ味噌の匂いの方に気を取られ、
同乗していた友人・小林(綾野剛)が
警察へ届け出ようとするのを制してしまう。
だが、そんな彼も最近気になることがある。
それは一ヵ月前から執拗に届けられる
『お前を殺して俺も死ぬ。決行まで後○日』の脅迫状。
木島は、久子の兄・青木(新井浩文)に、
自分が脅されていることを告げ、
逆に金をせびりとろうとする…」

----ひえ~っ。
どうしようもない男だニャ。
「そうなんだよね。
映画は、
この脅迫する者、脅迫される者という、
通常のパターンを大きく壊してゆく。
二年間の服役後も木島の傍若無人ぶりは変わらず、
同僚の星(田口トモロヲ)に言いがかりをつけてリンチ、
一方で女警備員・(谷村美月)を手篭めにしたり…」

----……。どうして誰も通報しニャいの?
「ひとつには、
木島の暴力が怖いから。
そして、もうひとつは
なぜか、彼に彼らを引き付ける要素があるから。
この、頭では割り切れない行為が
ちょっとした笑いをもたらし、
それがこの映画のスパイスにもなっている。
健一の周りにしてもそう。
彼を立ち直らせようとして
青木が用意するお見合いの席。
それが場末のスナック。
しかもそこで場違いなカラオケが歌われたりする。
カラオケと言えば、
“決行”前夜に健一が過ごすホテトル嬢。
ここでまたまた、安藤サクラが、
『愛と誠』に続いて
素晴らしい喉を披露する」

----でも、クライマックスは
初めから分かっているワケだよね。
その“決行”の夜でしょ?
「それはそう。
しかし、この映画では
その舞台を“雨の夜”に設定。
まるで石井隆映画を思わせる名シーンを作り上げる。
ここで健一は、果たして何を言い、そしてどのような行動に出るのか?
その後の、喧嘩慣れしていない男の
リアルな格闘と共にこれは見逃せないよ」




フォーンの一言「新井浩文の役柄は『ゆれる』を思いこさせるニャ」もう寝る
※監督は「。その戯曲の映画化だ度


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『ドリームハウス』

2012-09-29 14:55:22 | 新作映画
(原題:Dream House)

----あれっ、これって11月23日公開。
まだずっと先の公開だよ。
「そう。
このごろ、忙しさにかまけて
少し更新のペースが遅くなっているから、
気がついたら、
もうとっくに公開されていたなんてことにならないように、
早くから話しちゃおうと…」

----そんなに気に入ったの?
「うん。
よくあるゴースト屋敷ものかなと思ったら、
そうじゃない。
どうやらサイコスリラーらしいぞ…
ということが分かってきたところから、
話は二転三転。
まるで、映画が観客とゲームプレイしているみたい。
と言っても、内容はかなりウェット。
そのせつなさに、最後は涙しちゃうんだけどね」

----ふうん。泣けるホラーってワケか…。
まるで『シックス・センス』
だね。
「おっ。
いいところに気づいたね。
あの『シックス・センス』というのは、
ホラー映画にとんでもない前例をつくってしまった。
いわゆる“どんでん返し”。
以来、プレスなどに
“思わぬ展開”だの
“あなたの想像を超える”だの“驚愕のラスト”だのと言う言葉が
少しでも踊っていると、
観客は、つい先読みをしてしまうようになったんだ。
『そうか、これはミステリーなんだ…』とね。
この映画、今回はプレスを読まなかったこともあり、
その手の文字は
目に飛び込んではこなかったんだけど、
それでも途中から、
『あれ?これはただものじゃないぞ』というのが見えてくる」

----どんなお話ニャの?
「主人公はダニエル・クレイグ扮する
ウィル・エイテンテン。
彼は会社を円満退職して
妻リビー(レイチェル・ワイズ)、そしてふたりの娘と
郊外の家に引っ越して作家生活を始める。
ところが娘が幽霊らしきものを見たと、おびえたり、
謎の男が自宅を覗きこんでいたり、
自宅の地下に侵入し屋少年証書たちが怪しげなミサを行っていたり…と、
異常な出来事が頻発する。
やがてこの家では、
5年前に、母子三人が父親によって虐殺されたという
悲惨な殺人事件があったことがあきらかになる。
そして、その父親は事件後精神を病み、
施設に入院したものの、
最近、退院したという。
さて、この段階で、
ぼくはこれまでの密室映画パターンを
思い出し、
この先の展開をいろいろと想像するわけだ。
その中にはスコセッシの『シャッターアイランド』もあれば、
カーペンターの『ザ・ウォード 監禁病棟』もあるし、
ゼメキスの『ホワット・ライズ・ビニース』もある。
ところが、この映画はそのパターンを踏襲するように見えながら、
そのすべてを巻き込みつつ
新しい地平へ観る者をいざなう。
この脚本の巧さには惚れ惚れしたね」

----それは監督の腕がいいんだね。
「うん。
観る直前に知ったんだけど、

この映画の監督はジム・シェリダン
ぼくは彼の作品の中では『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』が好きなんだけど、
ここでも、あの映画と同じくふたりの少女がとても魅力的。
あっ、事件の鍵を握る隣家の主婦アン・パターソンに扮するナオミ・ワッツ


フォーンの一言「レイチェル・ワイズにナオミ・ワッツ、ニャ、ニャんと贅沢なのニャ」いいねぇ

ブライアン・デ・パルマの初期作品『愛のメモリー』『フューリー』を思わせる
家族の愛と妄執のサイコスリラーだ度



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『エクスペンダブルズ2』

2012-09-27 11:26:13 | 新作映画
(原題:The Expedables 2)

----これって全米で大ヒットしているんだよね。
アクション映画が苦手の
えいには向かない気がするけど…?
「いやいや。
ぼくはなにもアクション映画が嫌いなわけじゃない。
映画の基本は“アクション”、
写真と違って動くことにあるワケだし…。
ただ、問題はその見せ方。
この作品は、ぼくがほんとうに好きだったアクション、
そのよき時代を思い出させてくれる」

----いまの映画と、どう違うの?
「一言で言えば、
それは“生身”
ということ。
その生身というのは、
何もCGを使っているかいないかということの違いではない。
そこには血が流れたキャラクターがいて、
そしてそれを演じられるだけの個性溢れるスターがいるってことが必要なんだ。
この映画は、その黄金時代を担っていた
アクション・スターが大挙出演。
主人公を演じるシルヴェスター・スタローンはもちろんのこと、
彼と一時代を築いたアーノルド・シュワルツェネッガー
そしてそのふたりと同時期、
“肉体派御三家”のひとりとして名を馳せたチャック・ノリスが今回は
一匹狼として出演している。
さらに、そのすぐ後の時代、
彼らを受け継いだ“肉体派”ジャン=クロード・ヴァン・ダム、ドルフ・ラングレン
一見“普通”だけど、信じられないほど“タフ”なブルース・ウィリス
そして、香港からハリウッドに進出したジェット・リー
さらに、彼らの遺伝子を現代に受け継いでいるジェイソン・ステイサム…。
これは、一時期ならば正月映画の一番手としてかかるべき“お祭り映画”だね。
まさにスターのそろい踏み。
しかも、それぞれがセルフイメージを背負っている。
前作『エクスペンダブルズ』より遥かに楽しめたね」

----へぇ~っ。
そうなると、話なんてどうでもいい?
「いや、話の骨格はしっかりしていて、
これはさらに遡る60年代に流行った“特命” もの。
傭兵の彼らが敵陣営に深く潜入して
ミッションを成し遂げる。
そこに、仲間が殺されたことに端を発する復讐まで入ってきて、
観る側の心はあっという間に
彼らと一体化するという仕組みなんだ。
しかもその仲間は、
この仕事を最後に恋人の元へ帰ろうとしている
チーム一若い男。
演じるは『ハンガー・ゲーム』も待機中のリアム・ヘムズワース
彼の役名がビリー・ザ・キッド
このことに象徴されるように、
本作には映画のパロディが多いことも特徴。
たとえば『ターミネーター』の名台詞
『I’ll be back』を使いすぎてうるさがられるシュワルツェネッガー。
重火器を『持てないだろう』とバカにされたように渡された彼は、
『コマンド―』などで見せた見事な構えで、敵陣営に向けてを撃ちまくる。
また、スタローンとヴァン・ダムは肉と肉のぶつかりあい。
終りのないような長い長い戦いを
ようやく終えたスタローンは『ボクシングを習え』と言われる。
今回、紅一点のユー・ナンはミシェル・ヨー呼ばわりされるし…」

----ちょ、ちょっと待って。
今回は、シュワルツェネッガーが参戦するの?
それと、スタローンがヴァン・ダムと戦うというのはどういうこと?
「うん。
前作ではカメオ的扱いだったシュワルツェネッガーが今回は一緒に銃を撮る。
これはブルース・ウィリスも同じ。
チャック・ノリス、スタローンも加わった彼ら大御所が戦うと、
リアル・アクションでのキレはともかくとして、
あのステイサムでさえも小さく見える。
やはり、スターとしての格が違う。
もちろん、これは脚本、演出にもよるけれど…。
監督は『コン・エアー』のサイモン・ウエスト。
あのリメイク版『メカニック』を成功に導いただけのことはあるね。
ヴァン・ダムについては彼を悪役に持ってきたのは大きい。
『ユニバーサル・ソルジャー』とは
ドルフ・ラングレンの役柄が逆。
役柄上の残忍さを際立たせるため、
お得意のキックを使っているのも巧いアイデア。
このラングレンをコメディリリーフにしているのもオモシロい」

----ニャんだか、ベタ褒めだね。
「さらにいえば、
そのロケーションは主にブルガリア。
バルカン山脈をロングで捉えた風景は、
第二次世界大戦を描いた特攻映画の数々を思い起こさせ、
それだけでも胸がいっぱいになったね」


フォーンの一言「上映時間も短く、テンポもいいらしいのニャ」もう寝る
※次回作も楽しみだ度


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『ふがいない僕は空を見た』

2012-09-22 15:00:18 | 新作映画


----この映画、
タナダユキ監督の作品だよね。
『百万円と苦虫女』だとか『俺たちに明日はないッす』とか
あまり気に入っていなかったような気がするけど…。
「うん。
でも、やはり注目の監督ではあるし、
やはり押さえておかなければと…。
噂では、過激なシーンもあるということだし(汗)」

----ちょっと不純な気もするけど、
どうだった?
「そうだね。
これまでに比べて語り口が凄く練れている気がした…。
物語は、シンプル。
高校生の卓巳(永山絢斗)は友人と出かけたアニメの同人誌販売イベントで
アニメ好きのあんずこと主婦の里美(田畑智子)と知り合い、深い仲になる。
卓巳に自分の好きなアニメのキャラクターのコスプレをさせ、情事にふける里美。
そんなある日、卓巳は同級生の七菜(田中美晴)に告白される。
彼は里美との関係をやめようと決意するが…」

----ふむ。読めてきた。
これは、事件に発展するニャ。
「う~ん。
事件は事件でも、
殺人とかそういう方向ではないんだ。
里美は、夫(山中崇)との間に子どもができず、
姑(銀粉蝶)から不妊治療や体外受精などを強要されていた。
ほどなく姑は里美の情事の事実を掴み、
それを知った夫は、
その写真や動画をネットでばら撒いてしまう…」

----うわあ、悲惨な話だニャあ。
「で、この映画はその話だけで終りはしない。
助産師である卓巳の母(原田美枝子)、
痴呆症の祖母と団地で暮らし、
コンビニでバイトしながら極貧の暮らしに耐える卓巳の親友・福田(窪田正孝)…。
その人たちを軸に、さらに映画は
彼らを取り巻く人々にまでスポットを当てていく。
実は、本作は
第24回山本周五郎賞を受賞して話題をさらった窪美澄の原作の映画化。
一章ごとに語り手となる主人公が入れ替わる構成らしい。
本作では、卓巳と里美の話が軸。
途中、ふたりの情事がバレて
卓巳が学校に行かなくなったあたりから、
映画は、福田とその周囲を追い始める。
この転換が実に見事で、
物語の落ち着く先というより、
映画がこの後、どう転がっていくのか、
その興味で観る者をスクリーンに引きつけてゆく。
これは、脚本の向井康介の力が大きいのかも」

----ニャるほど、映画用に再構成しているワケか…。
「うん。
その軸となる卓巳と里美の物語にしても
時制をずらしながら
同じシーンを複数回、見せたりするんだ。
これ、一見、頭の中がこんがらがってしまいそうにもなるけど、
間に、<過去>を挟むことで、
一回目に現われた映像の持つ意味が
二回目にでてきたときは変わって見えるというオモシロさを内包している」

----そうか、
それぞれの心情が分かるワケだものね。
「そうなんだ。
確かに今の時代をよくとらえてはいるけど、
さほど目新しい話ってわけでもないし…。
それでも映画を楽しむという意味では、
あ~、こういう描き方ってありだな…と。
あと、女性監督の視点という意味では、
ベッドシーンの生々しさだね。
ロマンポルノの頃は、
セックスシーンは
生々しいというよりなまめかしかった。
接合部分を隠さねばならない時代だったから、
雰囲気の方で見せていたしね。
いまは、その壁が取り払われている。
セリフ的にも
西川美和監督『ゆれる』を思い出す
ドキッとするものもあったし…。
でも、その反面、
出産シーンが感動的。
<生命の誕生>への畏敬の念、
また、母と子の生命が繋がっていることを
ここまで感じさせてくれた映画もまれだね。
こう言っては失礼だけど、
大谷健太郎監督『ジ―ン・ワルツ』
比較すればよく分かるよ」


フォーンの一言「ニャるほど。女性目線の映画ニャのだニャ」身を乗り出す
※かなり焦るシーンもある度


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『ミステリーズ 運命のリスボン』

2012-09-19 23:16:42 | 新作映画
(原題:Misterios de Lisbola)



----『ミステリーズ 運命のリスボン』…。
この映画って確か4時間以上もあるんじゃなかったっけ?
「そう。4時間27分。
この映画に限らず、
今年は『ジョルダーニ家の人々』『カルロス』といった
ランニングタイム4時間超えの映画が
ほんとうに多い年」

----長い映画って
これまで敬遠していたのに、
どうして行く気になったの?
「うん。
これはやはり
ネットなどで流れてくる情報だね。
このお話、どうやら、
最初は、あるひとりの少年の出生の秘密に始まりながらも、
物語が途中から他の方向へ、他のエピソードへと次々に転がっていくという
ユニークな構成を取っているのだとか…。
しかも、それが幻想的に綴られるというのだから、
これは体験してみないわけにはいかない」

----で、実際はどうだったの?
「いや、噂どおりの展開。
この物語ほど、
そのストーリーをつぶさに語ることが意味をなさない映画も、
そうはないのじゃないかな。
舞台は19世紀前半。
王政派とリベラル派による内戦が勃発していたポルトガル王国。
名字のない14歳の少年ジョアンはディニス神父に保護され、孤児院で暮らしている。
ある日、ジョアンは実母のアンジェラと念願の対面を果たす。
さて、ここから、
映画は、ジョアンが母と別れて暮らすようになったか、
その謎に迫りつつ、
ウェイトを次第に、
母アンジェラの恋、
さらにはディニス神父の若き日の物語へと移っていく。
しかもそれらのエピソードに登場する人物が
ほぼすべてと言っていいほどに、
他のエピソードにも深い関わりを持って再登場」

----それって、都合がよすぎニャい?
普通、ありえないって気がするけど…。
「そうなんだよね。
ありえるはずはない。
でも、その一つひとつを
あまりにじっくりと描くものだから、
頭の中からは
物語の発端であるジョアン少年のことなど、
きれいさっぱり消えてしまう。
ところがところが、なんと
その忘れてしまった頃に、
いまや青年になったジョアンがいきなり
この<物語の環>の中に飛び込んでくる。
ほんと狐につままれた感じ」




----それはこんがらがるニャあ…。
「この物語、原作は
ポルトガルの文豪カミロ・カステロ・ブランコの小説。
相当に練られているんだろうけど、
でも、こちらは映像という一瞬の世界。
本と違って、読み返すことなどできるわけもなく、
ただただ、目の前で起こる事件についていくしかない。
でも、それが不思議に心地いいんだ」

----えっ、そうニャの?
「うん。
言い換えればこれは<夢の中の回廊>。
すべてのエピソード、
それもそれぞれに関係ないはずの人物が
そこでは繋がり結びついている。
これって、夢の中以外には考えられないもの。
で、もしや?と思った頃に、
ある種明かしに近い映像が登場してくる」

----ニャんだ。もしかして夢オチ?
「さあ、どうだろう?
この映画のテーマは何?
と聞かれたら、正直、困ってしまうけど、
ある、ひとりの少年の見た夢を一緒に体験する…
それもあってもいいと思う。
少なくとも、
これは、
ひとつの夢ごとにテーマを持たせたものの、
その内容も映像も平板だった黒澤明監督『夢』より、
遥かに野心的な魅惑の映画だったね」



フォーンの一言「でも、その長さに耐えるのニャ」もう寝る
※映像も絵画的で美しい。メルヴィル・プポー監督の遺作だ度


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『アウトレイジ ビヨンド』

2012-09-15 00:45:56 | 新作映画
----この映画、
前作で死んだはずの大友(ビートたけし)が
また出ていることで話題になったよね。
どうやって生き返らせたんだろう?
「ほんと、そう思うよね。
何ヶ月か前、
どこかで
『男たちの挽歌II』方式と書かれたものを読んだこともあり、
てっきり双子の弟が出てくるのかと…。
でもタネを明かせば簡単。
実はこれは
彼の後輩で、
“マル暴”担当刑事の片岡(小日向文世)が流した嘘だった…」

----ニャに、それ。
あまりに都合よすぎニャい?
「いやいや、
これが本作の筋、
しいては本作で描こうとしていることと
ピッタリ重なりあうんだ。
もしかして最初から考えていたのかな…と」

----どういう物語ニャの?
「前作『アウトレイジ』において
下剋上の戦いを制し、
山王会のトップに立った加藤(三浦友和)。
その彼と、裏で手を組んで若頭に就任した石原(加瀬亮)。
実力主義の専制を敷くふたりの前に
山王会の古参・富田(中尾彬)たちは冷や飯を食っていた。
その不平を利用して山王会をつぶそうと画策する刑事・片岡。
彼は、冨田に大阪の花菱会と手を組むように持ちかける。
その一方で片岡は、
大学の先輩であり、獄中にいる大友を仮出所させ、
かつて彼とは因縁の関係にあった木村(中野英雄)と手打ちさせ、
山王会への落とし前を付けるようそそのかすのだった…」

----それだけ聞いていると、
もっとも悪いのは、その片岡のような気がする…。
「そうだね。
彼の非道さを強調すべく、
本作では、彼と行動を共にする後輩刑事・繁田(松重豊)を登場させている。
片岡に批判的な言動を取りながらも、
しぶしぶ彼についていっていた繁田。
この設定もラストで大きな意味を持ってくる」

----ふうん。
今回は、その関西の花菱会というのが
大きな比重を占めるのかと思っていた。
西田敏行の悪役も話題になっていたし…。
「確かに。
西田敏行のここまでの悪役は見たことがないね。
武闘派の中田(塩見三省)と共に
会長の布施(神山繁)を支えるんだけど、
互いに競い合うように、
相手に対して恫喝を効かせる。
なかでも、この中田が大友に銃を突きつけるシーンは凄まじい緊迫感。
撃つなら撃ってみろと、一歩も後に引かぬ大友。
この睨みあいは、まるで領土をめぐる国と国のそれのよう。
絶対に自分が引いてはたまるか、
相手に弱みを見せられるかと…」

----とんでもない例え。
それじゃあ、銃を引くまで収まりがつかないのでは…?
「さあ。
ここで何が起こるか…。
いやはや、ちょっとこれには度肝を抜かれたね。
実を言うとこの映画、
前半は、大友が実におとなしい。
獄中で反省したかのような描き方。
それが無理矢理、警察によって闘いの場に引きずり出されている。
こういうところに、いまの社会をダブらせてみることもできる」

----平和に暮らすことを許さぬ、望まぬひとたちがいる…。
「そうだね。
この手の抗争映画を撮るとき『仁義なき戦い』の影響を避けて通ることはできない。
ヤクザ組織内を描いているように見えて
それは、いまの社会であったり、
その中のさまざまな組織を象徴するモノだったりもする。
ぼく自身、この山王会会長の加藤そっくりの会社社長を間近に見たことあるからね。
喋り方、表情、周囲への態度…
ほんとうにそっくり。
また、そこに金魚のフンの陽について回る石原みたいなのがいるところもね」

----ちょ、ちょっと…。(汗)
ところで、この映画、海外の評価が高いようだけど…。
「そうだね。
今回は、最終着地地点が大友の<落とし前>。
ある目的に向かって進んでいくわけだから
語り口は悠然と、
観る方もその大きなうねりに身を任せて
観ることができる。
前作『アウトレイジ』の魅力は
息を突く暇がまったくない怒涛の展開。
シャープな映像が魅力の『フレンチ・コネクション』と、
骨太な語り口が魅力の『フレンチ・コネムション2』以上の違いがあった気がする。
北野武の映画は<キタノブルー>という言葉にも表れているように
その映像の魅力が大きかっただけに、
ドラマトゥルギーが前面に押し出された本作は
ちょっとこれまでにはなかったパターン。
新しい一歩を踏み出したとも言えるだろうね」



フォーンの一言「セリフも驚くほど多いのニャ」ぱっちり

※役者もベテランが勢ぞろい。
彼らの演技をじっくり見せるべく
カメラはアップで迫る度



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『SAFE セイフ』

2012-09-12 22:53:16 | 新作映画

(原題:Safe)

---------これって、ツイッターで
間違えて“ジョン・ステイサム”って呟いた奴だよね。
正しくはジェイソン・ステイサム
「(汗)そうそう。
実は、この映画の元ネタは
『レオン』と思っていたら、
もっと前に『グロリア』があったと、
そのことを呟こうとしたら
勢いあまって間違えちゃった」

----ということは、
また、一人の男が
少女を守り抜くってお話だね。
「うん。
ありふれているよね。
でも、この映画のオモシロいところは
そのありふれた話に、
どう変化を付けようかと、
まあ、いろいろ考えた跡が窺えること。
いとばん大きなのは、
この守る相手が中国人の女の子」

----えっ。舞台はアメリカでしょ?
「そう。
メイという名の、その彼女は天才的な記憶力を持つ子で
そこに目を付けたチャイニーズ。マフィアが売り上げの計算、
不正に設けた莫大な金が入った秘密の金庫の番号などを
彼女に覚えさせるためにアメリカに移住させているという設定なんだ。
コンピュータ社会といえども、
ハッカーが存在する限り
それは決して安全とは言えない。
そこで、彼らはこのメイを<人間コンピュータ>として使っているワケだ。
じゃあなぜ、そこにステイサムが絡むか…?
彼が演じているのは元刑事のルーク・ライト。
ある事件で職を追われ、
今は地下で行なわれている総合格闘技のファイターに落ちぶれている。
ところが負けなければならないはずのある試合で
ルークは相手をKOして勝ってしまう。
それによって多額の損害を被ったロシアン・マフィアは彼の妻を惨殺。
しかも彼が交流を持ったり、
友人となった相手を殺すと脅しをかける」

----それはキツい話だニャあ。
「うん。ある意味、
自分が殺されるよりもキツイかもしれない。
ついには行き場がなくなり地下鉄に飛び込もうとするルーク。
ところがそんなとき目に入ってきたのが
自分を脅したロシアン・マフィアに狙われているメイだった…
と、こういう出会いなんだ。
この基本プロットさえできてしまえば、
あとは、そのアクションの舞台をどうするか?という話になってくる。
最近では香港映画の影響を受けて
古いアパートメントや路地裏での」アクションが多いけど、
なんとこの映画では
その裏を書いて、クライマックスを
高級ホテルでの銃撃戦に持ってくる」

----ニャるほど、それは珍しい。
「でしょ。
この映画のように
すでに何度も語られた物語。
でも、その物語自体はいつも人の心を打つ――
と、こんな場合、
さあ、どうすればいいか?
まだまだ、肉付けの仕方は」いろいろあるよ…と、
それを見せてくれたのがこの映画。
プロデューサーにタランティーノの盟友ローレンス・ベンダー
クレジットされているだけのことはあると思ったね」



フォーンの一言「ジェイソン・ステイサムもよく出るニャあ」身を乗り出す

※彼の作品はいつも一定の水準を保っている度


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『桃(タオ)さんのしあわせ』

2012-09-09 13:13:40 | 新作映画
(原題:桃姐)

----『桃(タオ)さんのしあわせ』?
また、
のどかと言うか、地味というか…。
「タイトルだけ聞いたらね。
でも、その内容は、けっこうつらいものがある。
主人公の桃さん(ディニー・イップ)は、
60年間、ある裕福な家族にメイドとして仕えてきた女性。
大家族だった雇い主の一家のほとんどは、
世界各地に移住しており、
いまは、ひとり香港にとどまり
映画プロデューサーとして活躍する長男のロジャー(アンディ・ラウ)の世話をするだけ。
掃除、洗濯を欠かさず、部屋の中には埃ひとつない。
その一方、食わず嫌いのロジャーには
手の込んだ料理を提供している。
しかしそんなある日、桃さんは脳卒中に倒れてしまう。
桃さんは、それを機にメイドの仕事を辞め、
老人ホームに入ることを決める。
ロジャーは、
それまで空気のような存在だった桃さんの大切さを初めて思い知り、
一緒に外に出かけ、散歩をしたり、外食をしたり…。
まるで母子のような生活を送るが…」

----ふうむ。日本でもありそうな話だニャ。
「そういうこと。
ある意味、よくある話。
ただ、それでもなおこの映画が異彩を放つのは、
昨年のヴェネチア国際映画祭で主演女優賞を取った
ディニー・イップの名演。
自分よりも上の年齢の人が多い
老人ホームに足を踏み入れたときの心細さ…。
会話もおぼつかない人、なにかというと金をせびる人、
自分に対して挑発的な言葉を投げかける人…」

----うわあっ。それは嫌だニャあ。
その桃さんと言う人、それまで一家族としか
付き合いないワケだから、あわせていくの大変だ。
「だよね。
この映画の素晴らしいところは、
その桃さんの不安、あきらめなど
さまざまな想い、その心の内を
大きく開いた目の奥にじっと湛えているところにある。
観ているうちに、いつしか
ディニー・イップという女優であることを忘れ、
桃さん本人にしか見えなくなってくるんだ」

----う~ん。
でも、人生の晩年を描いた映画ってつらいから、
あまり観たくないニャあ。
「それも分かる。
ただ、この映画は、
その<人間ドラマ>に加え、
彼女の目を通して
いまの中国(香港)社会が描かれているのも特徴のひとつ。
この老人ホームだって、
彼女は、ロジャーというお金持ちの後ろ盾があったから入れたわけで、
実はもっと詐欺まがいのところもあるらしい。
あと、この作品が映画ファンにとって嬉しいのは
サモ・ハンやツイ・ハークといった香港の監督たちが
本人の役で出演しているところ。
製作費をめぐる駆け引きなど、
とても興味深く観ることができる。
アンディ・ラウの口からは、
自分と同じく<四大天王>として一時代を築いた
アーロン・クォックの名も飛び出すしね。
完成披露試写会での
あるエピソードなんて、
思わず噴き出してしまうよ」



フォーンの一言「ラストがいいらしいのニャ」もう寝る


アン・ホイ監督らしい熟練の語り口だ度


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『キック・オーバー』

2012-09-05 23:04:22 | 新作映画


(原題:Der ganz grosse Traum)

----これって「メル・ギブソン完全復活!」と言われている奴だよね。
どこかで聞いたような…。
「そう。
このフレーズは“シルベスター・スタローンの『クリフハンガー』でも使われた。
あの頃のスタローンは、
コメディに挑戦してイマイチぱっとせず、
この山岳アクション大作で第一線に復帰。
そういう意味では、まさにピッタリのコピーだったけど、
この映画『キック・オーバー』にそれを使うのはよく分からない。
というのも、彼は前作『復讐捜査線』でもアクションはやっているし、
その評判もすこぶるいい。
じゃあ、この映画が、
『クリフハンガー』のような大作かと言うと
そんなことは全然なくて、
どちらかというとB級アクションのノリ。
でも、ぼくはそれが嬉しくもあるんだけどね。
かつて名画座で観たいくつかのアクションを思い起こさせて…」

----どんなお話ニャの?
「主人公は
“ドライバー”とだけ呼ばれる
いわゆる名なしの男。
彼はマフィアから大金を強奪して
パトカーに追われている。
場所はアメリカとメキシコの国境線。
逃げ場がなくなった彼は、
難と国境を超えメキシコ側へ。
ところが、その土地で
強欲な警官に逮捕され、投獄されてしまう。
彼が入った刑務所というのが、また変わっていて、
金さえあれば酒も麻薬も女も手に入る。
なにせ、その家族まで一緒に暮らしていて、
子供向けに
遊園地のようなところまであるんだ」

----ぷっ。それって嘘っぽい。
「いや、これは実在した刑務所がモデルになっているんだ。
世の中、知らないことばかりだと思ったね。
さて、映画は
この刑務所を仕切っているボス、
悪徳所長、警官、そしてマフィアが入り乱れ、
消えた金をめぐるノンストップ・アクションが展開される。
そして物語の隠し味として用意されるのが
ボスの肝臓移植…」

----ニャに。それ?
「このボスは、
肝臓を病んでいて移植しなくては命が長くない。
ところが、その血液型が特殊で
それに適合するのは、あるひとりの少年だけ。
そのため、手術の時がくるまで少年は周りから特別待遇。
いわゆる“保護”されているんだ」

----それはまたよく考えられた設定だニャあ。
これまで聞いたことニャい。
「だよね。聞いたことない。
まるでクローン人間。
あっ、『わたしを離さないで』がそうか…。
でも、ぼくがこの映画を強く推すのは、
そのストーリーよりも映像による語り口の方。
冒頭は、メル・ギブソンの出世作『マッドマックス』を思わせる
赤茶けた世界でのカ―チェイス。
ところが、そこがメキシコとの国境であるところから
あるひとりの映画作家の名前が甦ってくる。
それは“最後の西部劇作家”と言われたサム・ペキンパー
実際、刑務所内での大銃撃戦は
一瞬、西部劇を観ているのではないか?
と、そう思わせるほど。
そしてその描き方は、
またサム・ペキンパー調であることに気づく」

----他の西部劇と、どう違うの?
「これはいまでは信じられないことだけど、
かつて、西部劇やギャング映画などでは
人が撃たれると、
その後は、次のような映像となる。
撃たれた方の男は
傷口を押さえ体をかがめ倒れる。
そしてその後に、銃創からじわり血が滲み出す。
でも、医学的に言ってそれはありえない。
で、ペキンパーは次のような映像を編み出した。
撃たれたと同時に銃創から血が噴き出す。
と同時に倒れる。
いまではあたりまえの映像だけど、
これが当時はとても新鮮だったんだ。
この映画『キック・オーバー』は
それを意図的に強調して見せる。
マカロニウエスタンとは、また別の“死の美学”。
映画では、
メル・ギブソンは“クリント・イーストウッド”を名乗ったりもするけど、
もしかしたら、彼は
同じアカデミー作品賞受賞監督として
頭の中にイーストウッドに対するライバル意識があったのかもしれない。
イーストウッドがセルジオ・レオーネ、ドン・シーゲル、を継承するなら
自分はサム・ペキンパー、ウォルター・ヒルを継承しようと…

----なぜ、そこにウォルター・ヒルが?
「だって主人公の名がドライバー。
舞台も『ダブル・ボーダー』の地」

----ちょっとこじつけっぽいけど、
そういうことを考えるだけでも
映画は楽しくなるよね」


フォーンの一言「オスカー受賞監督がこういう映画を撮るところが嬉しいのニャ」ぱっちり

※同じB級アクションでもジョン・ステイサムあたりとは全然違う度


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『思秋期』

2012-09-03 21:59:52 | 新作映画
(原題:Tyrannosaur)



「今日は、フォーンには内緒で…。
映画のタイトルは 『思秋期』
知る人ぞ知る、 岩崎宏美の歌のタイトルと同じ。
なんて、これは、ある世代以上の人にしか分からないか…。
監督は俳優としてもその顔を知られる
パディ・コンシダイン
彼がその第一作に選んだのは
人生の秋に差し掛かった男と女の物語。
主人公のジョセフを演じているのは
ケン・ローチ監督の『マイ・ネーム・イズ・ジョー』
カンヌ映画祭男優賞を受賞している名優 ピーター・ミュラン
あの作品では、元アルコール依存症の男を演じた彼だけど、
ここでも少しそのイメージがかぶっちゃう。
衝動的な怒りと暴力が抑えられず、
なんと、冒頭では自分の愛犬を撲殺してしまう。
実は、これが、今日、フォーンを相手に喋らなかった理由。
さて、ここまで話すと、
おそらく多くの人が次なる展開を予想してしまうと思う。
「あっ、この救いようのない男性は、
ある女性と出会い、
それによって心が徐々に癒されていく…」と。
確かに、その想像は大きく外れてはいない。
しかし映画はここで
思いもよらない方向へ舵を切っていく。
ジョセフがチャリティショップで出会ったその女性ハンナ( オリヴィア・コールマン)は
神を信仰する敬虔な女性。
しかし、ハンナも実は、ある大きな闇を抱えていた。
それは夫ジェームズ( エディ・マーサン※信じられないほどの巧さ!)の暴力に悩まされていること。
と、残念ながら
実はこの映画についてはここまでしか話すことができない。
なぜ、ハンナ女は夫と別れられないのか?
そもそも、ふたりの間には何があったのか?
いつしか映画は、
ジョセフの心をいやすハンナという
“ありふれた映画”の関係が逆転。
ジョセフがハンナを守る立場へと変わっていく。
この構成の巧さ、
そしてその先に待ちかまえる、
誰もが想像だにしない衝撃の事実。
これは、ある意味、“神の沈黙”を描いた映画。
同じ言葉をもう一度使うけど、
観た人誰しもが大きな衝撃を受けること間違いないと思う」



      (byえい)

フォーンの一言「結局、今日のお話、聞けなかったのニャ」ご不満

※えいより一言※この映画では、女王陛下は唾棄され、キリスト(肖像画)はモノをぶつけられる。
日本映画では、すぐ不敬罪に。これはお国柄の違いだ度

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