ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

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『奇跡の夏』

2006-04-29 11:40:26 | 新作映画
----これって実話の映画化なんでしょ。
「そうなんだって。
子供が主演で、しかも難病もの……。
この手の映画よく使われる言葉で言えば
<涙と感動のトゥルーストーリー>というわけだ」

----となると、ある程度の予想ついちゃうよね。
「う~ん。実はまったく前知識なく観たんだけど、
脳腫瘍と言う思い病に冒されるハンビョル(12歳)の
弟ハニ(9歳/主人公)が、とんでもない問題児。
こんな子を抱えたらお母さん大変だろうな…って」

----ん?ということは、
ピュアだけの物語じゃないんだ。
「そういうこと。
塾に行くために起してくれと言う兄に
わざと意地悪して目覚ましを止めたり、
兄のハンビョルが入院してからは
彼にばかりかかりっきりの家族に八つ当たりして、
ハンビョルが使う清潔なタオルを使って汚したり…。
とにかく家でも学校でも怖いものなし。
対するハンビョルはもの静かで優しい性格。
同室の患者ウクともすぐ仲良くなってしまう。
ところが……」

----分かった。ハニにはそれがオモシロくないんだ。
「うん。ウクは小児ガン患者なんだけど、
明るく前向きに生きている。
毎日、みんなを笑わせ、
将来はコメディアンになりたいと思っている。
そんな彼に『お前なんかなれない』と言うし、
自分が履いているローラーシューズを借りたがっているのに、
絶対に貸さない。
いつか、とんでもないことを行ったり
または何かヤルんじゃないかと、
観ていてハラハラ」

----そうか、それが映画のオモシロさにもなっているわけだ。
「うん。最初の方で
母親が息子が難病と知り落ち込んでいるとき、
『ぼくは前から言っていたじゃないか』と
だめ押ししたりする。
まだ、彼は人の心まで読める年ではなく
自分のことで精一杯なんだね」

----ふうん。でも映画はそれじゃ終わらないでしょ。
「もちろん。
この映画は、そんな彼が次第に周りの気持ちも分かるようになり、
ウクとばかりか、
犬猿の仲だった同級生とも心を通わせるようになる姿が
いくつものエピソードとともにドラマチックに描かれる。
最後にそのやんちゃパワーで
大活躍を連発、奇跡を起こすのは彼ハニだ」

----でも、そういう演技って難しそう。
「うん。主演のパク・チビンは
ニュー・モントリオール国際映画祭で
主演男優賞を受賞したんだって。
いろんな天才子役がいるけど彼は絶品。
よくここまでやれるなって思ったよ。
途中、"Rain(ピ)"になり切って、
ダンスを披露すると言うサービス・ショットもあるし、
これは彼のための映画とも言えるね。
あ、あと森の中に住んでいる
"伝説のターザンおじさん"のシーンも見どころかな。
まるで"風の又三郎"って感じ」

----う~ん。全然分かんない。
                    (byえいwithフォーン)

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『ディセント』

2006-04-26 23:35:46 | 新作映画
「いやあ、これは怖いわ。
監督のニール・マーシャルが
ハリウッドからオファー殺到と言うのも分かるな」

----ふうん。そうなの?
イギリスのホラーって、去年の地下鉄映画の例があるから
いまいち信用できないんだけど。
「それは偏見。
監督によって上がりが違うのはどこの国でも同じ。
この映画のスゴいところは
閉じ込められた洞窟での恐怖という
これ以上ないほどのシンプルな設定を
監督の演出力によって見せきったところ。
もちろん、ここでいう演出力は
俳優からの演技を引き出すことのみでなく、
キャメラのポジションや照明、
セット造型、美術など映画に関わるすべてを言ってるわけだけど」

----そんなにシンプルなお話なの?
「うん。
冒険仲間の女性たち6人が
地下3000メートルに続く洞窟へ。
しかし思わぬ崩落が起こり、
彼女らは洞窟の中に閉じ込められてしまう。
意を決し、出口を求めて突き進む6人に、
さらに恐ろしい出来事が襲いかかる」

----ほんとだ。分かりやすいお話だね。
「誰かが言っていたけど、
よくできた映画ほど“一言”で説明できるもの。
もちろんそこに
物語をオモシロくするための伏線が張ってあったり、
肉付けがなされているのは大歓迎だけどね」

----ということは、この映画にも
そういった部分があるんだ。
「うん。たとえば一年前のプロローグ。
ヒロインのサラは渓流下りの帰りに、
交通事故に遭い、夫と娘を失っている。
いまだにその悪夢に悩まされるサラ。
その不安定な精神状況が
この新たな冒険の行く手に待ち受ける困難を
観る者に予感させる」

----ふうん。でも、こういう冒険って
あらかじめ届け出とかしないの?登山みたいにさ。
普通は遭難したら捜索隊が出るんじゃニャいの?
「そこもこの映画のオモシロいところの一つ。
リーダーのジュノは仲間に対して
これから行くのは観光客向けの洞窟と嘘をついて、
実際は自分たちの名前が付けてもらえる
前人未到の洞窟の発見を目指していた。
そのため役所への申請を怠り、
地図も最初から持ってきていない。
前人未到だから地図が役に立つわけはないということなんだ」

---ニャるほどね。そこでサバイバルのための
内部抗争が始まるってワケか……。
「いやいや、そういうことじゃないんだな。
もっと恐ろしいことがノンストップで起こる。
でも、宣伝側から堅く口止めがなされていて、
どこまでなら喋っていいのか、実に悩ましい」

---いわゆる“ネタバレ注意”ってわけ?
「らしいよ。
最初にそれを聞かされたから
観ている間中、オチをいろいろ想像してしまった。
でも、これくらいは喋ってもいいと思うけど
石森章太郎の往年の名作(タイトルはあえて伏せます)に似たエピソードがあったな。
でも、問題はそこではなく衝撃のラストだろうね。
ほんとうに想像を超えていた。
実はこれに似たラストが待ち受ける映画が日本のホラーにあるんだけど、
それが何かはさすがに言えないな。
あっ、後半のヒロインの血まみれ姿は
『地獄の黙示録』の『キャリー』バージョン。
なんて、お茶を濁しておこうっと……」

         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フォーンは暗いところで目が大きくなるニャ」ぱっちり

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『テニスの王子様』

2006-04-25 22:49:32 | 新作映画
----これって人気コミックが原作なんだって?
「らしいね。
『テニプリ』と呼ばれているその原作は知らなかったけど、
映画を観た限りでは、あまりにもシンプル。
それでいて超現実的な<技>が飛び出す。
これってもしやと思ったら……やはり『少年ジャンプ』」

----そんなに分かりやすい話なの?
「うん。
アメリカJr.大会4連続優賞の経歴を持つ
天才少年・越前リョーマ(本郷奏多)が
かつて世界を震撼させた伝説のテニスプレイヤーである
父・越前南次郎(岸谷五朗)に呼び戻され、アメリカから帰国。
テニスの名門・青春学園中等部に転入した彼は、
他の部員と衝突を繰り返しながらも
部長・手塚国光(城田優)にその腕を見込まれ、
関東大会への切符を手に入れる」

----ほんとだ。あまりにもストレート。
「まあ、サイドストーリーとして
電車の中で絡まれていたところを彼が助けた
少女・檜垣紫音(岩田さゆり)をめぐる
エピソードもあるけどね。
でも、この映画の見どころは
『ありえねぇ~』アクロバティック・プレイの数々。
プレイヤーは超人並みのハイジャンプ。
ボールは超現実的な回転と軌道を示すし、
ラケットはコートと接触して火花を散らす。
これには主人公・リョーマもあきれて『みんなやりすぎ』(笑)」

----なんだか聞いていると『ピンポン』を思い出すね。
部長の眼鏡もあの映画のARATAに似てない?
「鋭いね。VFXは映像製作集団“デジタル・フロンティア”が手がけている。
ただ、あの映画のように
主人公や彼を取り巻く男たちのドラマに深みや意味、
またラストにカタルシスを求めようとすると
裏切られるかも。
この映画はあくまでも
これまでは実写化不可能と言われた“秘技”の数々を楽しむことが主。
今度は『アストロ球団』を実写で観たくなったな」

----ニャに、それ?

         (byえいwithフォーン)
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『トリック 劇場版2』

2006-04-24 23:36:16 | 新作映画
「しかしなんだね。
日本にもこういう『おバカ映画』定着したってことかね、これは」

----うわあっ、過激。『トリック』ファンに怒られちゃうよ。
「いやいや、ぼくはほめてるんだよマジで。
だって、この映画は一つの『トリック』ワールドというのを
作り出していて、
その世界の中でのルールに則って動いている。
それを、一つひとつツッコミを入れるのはそれこそ野暮」

----野暮って言葉もまた古めかしいなあ(笑)。
「まあ、ある意味、こういう映画は評論家泣かせなのかもね。
最初から『トリック』ファンを意識して作られているし、
どれだけ彼らを満足させられるかが勝負だからね」

----ニャるほど、それじゃあ何も言えなくなってしまうね…。
「ぼくなんかは評論家でもなんでもないし、
気楽に喋られるけどね。
ただ、テレビシリーズを観ていない
普通の映画ファンの目線で言うならば、
この映画は前作より遥かにオモシロい」

----それはまたなぜ?
「前作『トリック劇場版』では神を名乗る3人の男が出てきて
彼らと山田奈緒子(仲間由紀恵)の勝負があるわけだけど、
その勝負や謎解きが数学、いや算数的で、
視覚的なオモシロさに欠けていた。
でも今回の敵・箱上佐和子(片平なぎさ)なる超能力者は
『浮遊する巨大な岩』『瞬間移動』『消失する村』と、
いずれもスペクタクルな技を見せてくれる。
それだけでもぼくみたいな普通の映画ファンは大満足。
しかも主演の仲間由紀恵、阿部寛の掛け合い、
バトルトークも舌好調。
いつまでも聞いていたい気にさせられる」

----そういえば、帰ってきたとき
変な声でポーズ取っていたよね。
あれ、な~に?
「う~ん。プレスに書いてあるから喋ってもいいんだろうな。
今回の敵は『箱のゆーとぴあ』
合い言葉は『よろしくね』

----ニャんだ、それ?
              (byえいwithフォーン)

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『カサノバ』

2006-04-23 23:51:07 | 新作映画
----カサノバって人、よく映画になるよね。
「うん。チラシの言葉を借りれば
<恋愛史上最も名高いプレイボーイ>。
その道を究めた人のドラマと言うのは、どんなものであれ、
それだけでオモシロいけど、
それが色恋ごととなれば、さらに映画向きってことじゃないかな」

----でも、そうなると<真実の愛>からは遠ざからない?
「現代のモラルからするとそうなるんだろうけど、
とにかく彼は、女性につくすことを人生最大の歓びとしたらしい。
貴族の令嬢から娼婦まで、その数、実に130人とも言われる。
この映画では、最初はカサノバの恋の手練手管を見せながら、
途中から物語を思わぬ方向に転ばせてゆく」

----えっ、伝記映画じゃないの?
「そう、勘違いしてもしょうがないよね。
じゃあ、まずは簡単なプロットを紹介しよう。
女遊びがすぎて教皇庁に睨まれているカサノバ。
彼は次のカーニバルまでに良家の子女と結婚することを余儀なくされる。
ところがその前にひとりの魅力的な女性フランチェスカ(シエナ・ミラー)が現れる。
彼女は男に変装して大学教授を論破するかと思えば、
剣で男と対等に張り合い、
またグアルデイという男の名前で危険な恋愛小説も書いたりする。
こんな彼女をカサノバ(ヒース・レジャー)が放っておくわけがない。
しかしフランチェスカは『私は生涯、ただ一人の男性だけを愛する』と宣言し、
カサノバのような生き方を拒否するんだ」

----男装の麗人?なんかどこかで聞いたような?
「同じくヴェネチアを舞台にした『ヴェニスの商人』だね。
脚本はそれを意識しているのかも…。
カサノバが自分の正体を偽って
フランチェスカに恋の罠を仕掛けるところなんかも、
まるでシェイクスピア喜劇のような味わい。
<登場人物は真実を知らず、観客はすべて分かっている>……
この構図から生まれる含み笑い的オモシロさが
この映画の特徴だね」

----でもカサノバにはすべてお見通しなんでしょ?
「うん。そこが恋愛の達人たるゆえん。
それでも映画は、ヴェネチアを騒がせる危険人物カサノバとグアルデイの逮捕に
ローマからブッチ司教(ジェレミー・アイアンズ)が
送り込まれたことで急展開を見せる」

----ふうん。楽しみだね。
でも監督がラッセ・ハルストレムとは思えないなあ。
「ハルストレムはいつしか
抑制の利いた演出力を持つ<作家>として定着してしまったけど、
もともとは『アバ/ザ・ムービー』で名を挙げた監督だからね。
この映画では、スタッフたちが本当に楽しそうに作っているのが
観ている方に伝わってくる。
映画自体が弾み、踊っているような感じなんだ。
水の都ヴェネチアの完全ロケーション、
サンマルコ広場における18世紀のカーニバルの再現、
気球の上のロマンチックな逢瀬……。
まさに<芳醇>という言葉がふさわしい映画だ。
ストーリーの方も、だれもが予想しない結末を迎えるしね」

----えっ、なになにそれ?
でも、どうせまた教えてくれないんだよニャあ。
「いやいやいや(笑)。
じゃあヒントを一つだけ。
かくして<伝説>は生き続ける」

----なんのこと?まったく分かんないよ。
                  (byえいwithフォーン)

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『チェケラッチョ!!』『キャッチ ア ウェーブ』

2006-04-22 22:50:24 | 新作映画
----この映画、今日から公開だよね。
どうだろう、当たるかな?
「沖縄を舞台にした恋と音楽の話。
しかもエンディングがオレンジレンジだし、
そこそこは行くんじゃないかな」

----オレンジレンジと言うことは
音楽はラップなの?
「うん。
その前に簡単なストーリーを…。
透、暁、哲雄たち3人の高校生は、
仲間のひとりでもある唯に誘われていった
インディーズのヒップホップバンド、
『ワーカホリック』のライヴをきっかけに
ラップ音楽に目覚め、バンドを組む。
しかし楽器に触ったこともない彼ら、
初の前座ライヴは散々な目に… 」

----なんだか分かりやすい話だね。
「そうだね。
いわゆるボーイ・ミーツ・ガールってヤツ。
もうすぐ公開される『キャッチ ア ウェーブ』も
そうなんだけど、
この年ごろの男の子の頭を占めるのは
ほとんど100%が女の子のこと。
どちらの映画でも、
主人公は好きになった彼女のためにも
自分の目標を達成しようとする。
ただ、主人公の男女がお互いに惹かれ合っている『キャッチ ア ウェーブ』に対して
『チェケラッチョ!!』では
主人公の透(市原隼人)は年上の女性・渚(伊藤歩)に惹かれているけど,
実は唯(井上真央)から思われていることに気づかない」

----えっ、主人公は平岡裕太じゃないんだ?
「うん。そこがこの映画の特徴。
彼は『偶然にも最悪な少年』を受け継いだようなキャラで
終始ボルテージが高く,喋りっぱなし。
『キャッチ ア ウェーブ』では濱田岳がこのタイプの男を演じている。
でも、こちらでは主人公は加藤ローサに引かれる三浦春馬」

----ふうん。
「透は友達みんなを『●×バカ』呼ばわりしてばかり。
でも周りは逆に彼のことを『真性バカ』と思っている(笑)。
そのため、主人公のおバカな行為を
みんながあきれて見守っていると言う
あまり日本映画では観たことのないショットが何度か出てくる」

----へぇ~っ。監督はだれなの?
「テレビ出身で,脚本家の山田太一を父に持つ宮本理江子。
プロデューサーの大多亮の指名らしい」

----恐るべしフジテレビジョン。
「だよね」

         (byえいwithフォーン)
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『インプリント~ぼっけぇ、きょうてぇ~』

2006-04-21 23:02:33 | 新作映画
----この映画は三池崇史監督のアメリカ・デビュー作だよね。
「うん。でもこれには裏話があってね。
実はアメリカの一般の人は、まだだれも観ていないんだ」

----えっ?それってどういうこと?
「その前にこの映画の企画のいきさつから話そうかな。
これは世界のホラー監督13人が集結した
恐怖アンソロジー『マスターズ・オブ・ホラー』の一編。
アジア代表として選ばれたのが海外でも人気の高い三池監督。
プロデュサーから『アメリカは自由の国だ。何をやっても構わない』と言われた彼は
『オーディション』の針より痛くしても
『殺し屋1』よりヤバいものを出していいのか?を尋ね、
『OKだ』と言われたんだって。
で、その彼が選んだのが映像化絶対不可能と言われた
岩井志麻子のこの小説」

----確か原作は、あまりにも怖そうだからって、
読むのをためらったままじゃなかったっけ。
「うん。眠れなくなったら困るからね(笑)。
原作では、日本の中国地方が舞台になっているけど、
映画は、時代や場所など史実の考証にはとらわれず、架空の場所に。
明治時代に日本が英米の植民地だったらと言う
とんでもない仮説に基づき、
俳優たちは特異なイントネーションの
<日本語なまりの英語>を喋っている」

----そうか、世界を視野に入れたらそれもありだね。
「うん。原作にはない役どころで
文筆家クリス(ビリー・ドラゴ)が登場。
彼は愛する女性・小桃を求めて川の中の小さな浮き島にある遊郭へ。
このオープニングが見事だったね。
夜霧に包まれ遠目が利かないその映像は悪夢そのもの。
掴みは完璧だ。
で、クリスはその遊郭で口が耳まで裂け顔も潰れた
妖しい雰囲気の女郎(工藤夕貴)から
寝物語に
自殺した小桃が拷問されたときの話を聞かされる。
このシーンは『オーディション』の針どころではない。
特殊撮影と分かっていても
体は固まり目を瞑ってしまう。
そして後半、その裏にある本当の話が語られる。
これまた口にするのも憚られるヤバい映像が続出。
これは確かに刺激が強い。
13作品中唯一放送中止になったというのも分かるな」

----でもケーブルテレビ向けだったんでしょ?
よっぽどヤバかったんだね。
そんなんで日本では大丈夫なの?
「やはり欧米はキリスト教文化だからね。
倫理観・道徳観からして許せなかったんだと思うよ。
モラルハザードと言うヤツかな。
この映画はこれまでタブーとされた<映像>を出すことで
映画における常識のボーダーラインを飛び越える。
実はぼくとしては映画がホラーとして怖いかと言うと、
正直,そうでもなかった。
でもこれらのヤバい映像は
トラウマになりそうなほど強烈だったね」

         (byえいwithフォーン)

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『迷い婚 すべての迷える女性たちへ』

2006-04-20 19:40:38 | 新作映画
----『迷い婚』こんな言葉本当にあるの?。
「さあ、どうだろう。
少なくとも一発変換はできなかったな。
でも文字から想像つかない?
結婚に迷うってお話だよ」

----えっ?それってどういうこと?
「うん。なかなかユニークな設定なんだけどね。
主人公は恋人からのプロポーズに
『YES』と即答できないヒロイン、サラ(ジェニファー・アニストン)。
妹アニー(ミーナ・スバーリ)の結婚式に恋人ともに出席した彼女は、
そこで嘘のようなうわさ話を聞く。
それと言うのが映画『卒業』のモデルが
自分たち一家だと言うんだ 」

----(爆笑)。
ということはお母さんがキャサリン・ロスで
お婆さんがアン・バンクロフトってこと?
「あくまでもモデルだから
本人たちは映画の中でしか出てこないけどね。
それでもミセス・ロビンソンのモデルである
祖母キャサリンを演じるシャーリー・マクレーンが、
もうアン・バンクロフトそっくり。
タバコの持ち方とかの立ち居振る舞いは、
大爆笑ものだったね」

----あれっ、あの映画は確か
教会から花嫁をさらって逃げるところで終わっていたよね。
「うん。ところがこの映画によると
サラの父親はダスティン・ホフマンの方ではなくて、
さらわれた方の男性。
サラは自分の親の結婚式の日付を聞き、
もしかして父親はさらった方の男性ではないか、との可能性に気づく。
それが気になって仕方がない彼女は
凄まじい行動力で彼を探しあて、直に会いに行く。
この<可能性>に気づいた瞬間、バックに流れるのが…」

----分かった。サイモン&ガーファンクルの
『ミセス・ロビンソン』。
「その通り。
で、ダスティン・ホフマンが演じたベンの役を演じているのが
なんとケビン・コスナー」

----少しイメージ違うなあ。
「うん。それでも
最初現れたときは、少し猫背なところとか、
あの映画のダスティン・ホフマンを彷彿させた。
おそらく意識はしたんだろうと思う。
でも、だんだんカッコよくなっていく。
やはり二枚目の本質は隠せない。
そこがオールド・ファンにとっては残念だったな。
あの『卒業』は、大学を優秀な成績で卒業した男が無為感に襲われ,
その中でロビンソン夫人(アン・バンクロフト)の誘惑に負けてしまう。
でも彼女の娘であるエレン(キャサリン・ロス)のピュアな美しさに触れ、
生きる目的を取り戻すと言う流れ。
でも、この映画でのケビン・コスナーはカッコよすぎ。
なにせネット長者という設定だからね」

----ふうん。で、彼はほんとうに父親だったの?
「それを言い始めると、
すべて喋ることになるから
ストーリーはここで止めておくよ。
でもね、こちらはいわゆる
『卒業」のヒーローとヒロインをひっくり返した設定と思えば分かりやすい。
つまりサラは結婚することで
人生がそのまま決まってしまうことを恐れているってワケだ。
監督はロブ・ライナー。
相変わらずの名セリフのオンパレードに加え,
『I LOVE HOW YOU LOVE ME』など
スタンダードナンバーを多数散りばめて
懐かしさをたっぷりと盛り上げてくれていたよ」


         (byえいwithフォーン)

卒業 TCD-1001卒業 TCD-1001
※「サウンド・オブ・サイレンス」、キャサリン・ロスの涙。やっぱりいいなあ~。

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『BLACK NIGHT<ブラックナイト>』

2006-04-18 20:15:57 | 新作映画
----あったよねディープ・パープル。「♪ブラックナイト!」。
「(汗)あの~、まったく関係ないんですけど」
----あっ、分かった。
マーティ/ローレンスがタイムスリップする映画だ。
「(笑)それも関係ない。
これは香港,日本,タイの監督たちによる
ホラー・オムニバス。
企画・製作・配給にムービーアイという
『アバウト・ラブ/関 於 愛』と同じ方向性の映画だ」

----全部で98分か。ということはコンパクトにまとまっていそうだね。
それぞれどんなお話なの?
「●第一夜『隣人』(香港)は
男のちょっとした悪戯が元で亡くなった<隣人>の女性の霊が
その男と、彼の元カノを襲う話。
●第二夜『闇』(日本)は
悪夢に悩まされている女性がカウンセリングによって
その原因と思われる過去の<闇>と向き合う話。
●第三夜『記憶』(タイ)は
自分と息子がいつも監視されている感覚に襲われている女性が
見知らぬ女性から届いた手紙がきっかけで<記憶>の罠にハマる話。
それぞれ『花都大戦:ツインズ・エフェクトII』のパトリック・レオン、
『HINOKIO(ヒノキオ)』の秋山貴彦、
『デッドライン』のタニット・チッタヌクンが監督。
日本版では瀬戸朝香、柏原崇、田口トモロヲが出演している」

----テーマとか共通しているの?
「そうだね。
この手のホラーって、
結局は人の怨念が元となっていることが多い。
その怨念として一番使われやすいものと言えば、
やはり男女間のもつれた愛。
三つのエピソードも元はと言えば
そこに恐怖の種がある。
一見、そうとは見えない第ニ話も
ヒロインの母親の夫に対する憎悪、
また第三話でもヒロインの夫は
彼女の友達と不倫関係にある」

----でもホラーって、たくさん作られすぎて
もうちょっとやそっとのことじゃ
怖くなくなったって気もするニャ。
「う~ん。確かにそうかも。
この映画なんかも、
日本のホラーの影響が大きい気がしたな。
第一話では中田秀夫、第三話では清水崇を思い出した」

----そういうこと考える余裕があったんだ… 。
「あらら。
あと思ったのはすべて恐怖に<水>が絡んでいること。
第一話がバスタブ、第二話が水たまり、池、水族館。
そして第三話が雨。
いずれも霊らしきものが消えた後には水たまりが…」

----ニャるほど。霊は水のある場所が好きなんだね。
気をつけようっと。
「そうそう。
あまりお風呂場に水を飲みに行かないことだね」

----だって、なぜかお風呂場の水おいしいんだもの。
「霊もそう思っているのかもよ」
----ひぇあ~~~~。

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『LIMIT OF LOVE  海猿』

2006-04-17 19:48:35 | 新作映画
※結末に触れる部分もあります。ご覧になってから読まれることをおススメします。


「いやいや、日本の映画もハリウッド的になってきたね」
----えっ、そんなにスゴいスペクタクルなの?
「いやいや、それはどうだろう。
ぼくが言っているのはそういう技術的な意味合いじゃないんだ。
まずはプロットから説明しよう。
この映画は海難救助の最前線で働く海上保安官の潜水士・仙崎大輔(伊藤英明)が
沈没するフェリーの中に、
バディの吉岡哲也(佐藤隆太)、足を負傷した男性(吹越満)、
そして妊娠五ヶ月の女性(大塚寧々)と取り残されると言うもの。
彼らが閉じ込められた場所は
浸水と火災で出口が封じられている。
しかも無線も届かず、ついには救難隊に撤収命令が下る…。
この絶体絶命の状況の中、
彼らはいかにして生還を果たすか……と、そういうお話なんだ」

----そういえば今年は『ポセイドン』なんてのもくるね。
「うん。そんなオバケ映画と比べてしまったら
SFXやCGが見劣りするのはあたりまえ。
でもその分、この映画は演出力で見せていた。
溺死の恐怖がとてもリアルに伝わってくるんだ」

----それってこの手の映画では重要なポイントだよね。
「うん。
30mも息を止めて海中を潜らなくてはならなかったり、
身動きが取れないまま増水する船内に置き去りにされたり、
観ていてブルッと寒気が走ったほど。
その怖さは並みのホラー映画以上かも知れない」

----確か前作では彼らの訓練が描かれていたんだよね。
潜水士って強い精神力と肉体力を持っているんでしょ。
「うん。
主人公の仙崎大輔なんてちょっとありえないくらいに
スーパーヒーローだったね。
観ていてカッコいいと思うか,嘘っぽいと思うか。
ここでこの映画の好悪は分かれるだろうね。
ただ、冒頭で仙崎が乗客二人のうち一人しか命を救えなかったという
飛行機事故のエピソードが描かれていて、
ここが後々大きな意味を持ってくる。
責任感の強い彼はそのことが理由で
自分の結婚に踏み切れないでいる。
恋人の心が読めないまま、地上でその無事を祈る伊沢環奈(加藤あい)。
ぼくがハリウッド的と言ったのは、実はこの部分。
かつて『タワーリング インフェルノ』を観たとき、
ラストはポール・ニューマンとフェイ・ダナウェイが
ひしっと抱き合う姿だったことがとても強く印象に残っている。
パニック映画と思っていたら愛で終わるわけだ。
この映画も大パニック映画でありながら、
物語を締めくくるのはふたりの愛」

----ニャるほど。だからタイトルに『LIMIT OF LOVE』が付くんだね。
   
                   (byえいwithフォーン)


「フォーンの一言」フォーンは船に乗りたくないニャ。もう寝る

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『佐賀のがばいばあちゃん』

2006-04-16 11:30:57 | 新作映画
----これってタレントの島田洋七の自伝なんでしょ?
けっこう売れたんだよね。
「うん。昭和33年、広島から佐賀の田舎に預けられた8歳の明広。
彼がそこで一緒に過ごした、おばあちゃんの話なんだね。
彼の父親は原爆症で他界。
居酒屋で働く母親(工藤由貴)は息子の教育によくないと、
姉(浅田美代子)に明広を託し、
佐賀の実家に預けると言うわけだ」

----最近、こういった地方を舞台にした映画って多いよね。
しかもその舞台となった土地で先行上映されている。
「うん。ここ一二年でも「ロード88」『恋するトマト』などがあった。
ぼくはこういう動きって大歓迎なんだ。
テレビなどで見慣れている東京の風景とは
まったく異なった景色を観ることができるだけでも楽しいし、
これまで映画館に足を運ばなかった人も興味を持つ。
映画の裾野を広げる役割を果たしていると思うんだ」

----今回は、佐賀の神埼で撮影したみたいだけど…。
「このあたりは、
ぼくも個人的な思い入れがあって、
子供の頃よく連れられて行ってた。
田園地帯だけあって川が多いんだよね。
そこで洗い物をしている風景なんて、
実際にあったしね」

----それにしてもよく探し出したものだよね…。
「よく観ると、
福岡の柳川などが使われてはいるけどね。
でもそれでも今の人が見たらタイムスリップした感じになるんじゃないかな。
しかもそこで描かれるのは苦境にありながらも
その日その日を一生懸命に生きる人の姿。
『拾うもんはあっても捨てるものはなかとばい。』
おばあちゃんの信条。
「うちは明るい貧乏やけん、よかと。しかも先祖代々、貧乏だから自信ば持て。」
なんて、普通じゃ言えない。
その貧乏な暮らしの知恵と言うのが
現実的な行動としては
『まがったキュウリも、きざんで塩でもんだら同じこと。』と、
売り物にならないため上流の野菜市場で捨てられた野菜を
川下で拾うことだったり
大きな磁石で地べたから鉄くずを集めること。
心構えとしても『今のうちに貧乏しておけ!
金持ちになったら、旅行へ行ったり、寿司食ったり、着物を仕立てたり、忙しか。』

と考えているから、揺らぐことはない」

----ふうん。でもお金の話ばかりじゃ殺伐としない?
「いやいや。
おばあちゃんの語録には
『人に気づかれないのが本当の優しさ、 本当の親切。』から
『悲しい話は夜するな。つらい話も 昼にすれば何ということもない。』まで
胸にグッと来るものがある」

----スチール見ているとまるで昔の映画みたいだね?
「最近の日本映画を観ていてスゴいなと思うのは、
子供たちの演技だね。
もちろん、衣装やメイクさんのがんばりもあるんだろうけど、
あの頃いたような子供たちが
そっくりそのまま眼前に現れるのには驚いてしまう。
あの時代の子供に特有のぶっきらぼうさ、はにかみなど、
どうやって学んだんだろう?」

              (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フォーン、佐賀に行きたくなったばい」ぱっちり

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『STAY/ステイ』

2006-04-14 19:46:31 | 新作映画
----これまた「エンディングについては触れないよう」という
但し書きがついてるね? だいじょうぶ?
なんにも言えなくならないかなあ?
「だいじょうぶ。気をつけて話すから。
プレスに監督のマーク・フォスターが
『観客には、これから見る物語が
現実世界の話ではないことを明確に伝えたかった』
と語っている一文が載っているし、
だれが見ても、これが現実の物語と思うわけはないから
そこまでは喋ってもいいんだと思うよ」

----そんなにすぐ現実ではないって分かっちゃうの?
「だってあまりにも非現実的なことが
次々と起こるんだもの?
この映画は『さて、この非現実はなんでしょう?』というのを
考えながら楽しむのが正解だと思うよ。
物語を要約すると
21歳の誕生日の夜に自殺すると予告して姿を消した
ヘンリー(ライアン・ゴズリング)を、
必死で救おうとする精神科医のサム・フォスター(ユアン・マクレガー)。
その過程で、サムは迷宮の中に入り込んでいくと言うもの」

----まるでカフカの世界みたいだね。
「うん。オモシロいのはそのシュールなビジュアルが
編集によって作られているところ。
ある空間から足を踏み出した瞬間,
次のカットではその人は別の空間に。
この<不思議感覚移動>は本作の特徴。
映画を通して何度も繰り返し出てくる。
たとえばガラス張りのモダンな建物を歩いている主人公たちが
ワンカットのシーン中で19世紀後半のイオニア式円柱の間へ。
また玄関のドアから出て行った人を見送ると
玄関はなぜか2階の窓に変わっていたり」

----mmmmm・……・;。
「さらに水族館の水槽の水の向こう、
サムのガールフレンド、
ライラ(ナオミ・ワッツ)の部屋が覗けたり、
その水槽でこちらを見ていたセイウチの絵が
ライラの部屋の壁にかかっていたり,
動いているサムが急に静止し写真と化して
やはりライラの部屋に飾られていたりもするんだ」

----そりゃあ確かに現実ではありえない(笑)。
「でしょ。
こういう<悪夢の映像化>って好きだからもっと喋っちゃおう(笑)。
死んだと思っていたヘンリーの父が生きていたり…
双子、三つ子,四つ子が同じ服で主人公たちを取り巻いたり,
暗く狭い螺旋階段を果てなく転げ落ちたり、
突然こめかみから血が流れてきたり……。
ここまでくれば、誰だってこれは夢か幻想か妄想かと思うじゃない。
ところがヘンリーに予知能力があったりするものだから、
これはもしや超常的物語かもとも……」

----で、それが何かまでは
さすがに言えないと言うわけだね。
「うん。これだけ映画があると、
大方の予想はつくわけだけど,
ははぁ、そう来ましたか……という感じだったね。
小説だと乙一あたりが使う●●●●●●。
ほんとはここから発展させて映画と言う媒体の特性を喋りたいけど,
それはやってはいけないみたいだね。
<お願い>に引っかかってしまうかも」

         (byえいwithフォーン)


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『初恋』

2006-04-12 23:42:36 | 新作映画
----「三億円事件の犯人は女子高生」……これってどういうこと?
「この映画、最初は
『私は、あの三億円事件の犯人かも知れない』という
キャッチコピーだった。
この“かもしれない”というのが紛らわしくってね。
いったいどういう話なのか、まったく想像がつかなかったんだ。
もしかして現代に生きる女子高生が
三億円事件の犯人との心理的共通項を感じるという話なのかと……。
ところが実際は、女子高生が犯人だったというストレートな物語。
1968年に起こったこの事件は解決されないまま時効を迎える。
その鮮やかな手口は多くの人々の創作意欲を刺激し、
映画やドラマ、小説で取り上げられた。
その数ある犯人推理説の中で、
もっとも異色なのがこの18歳の女子高生犯人説」

----でも、それって無理がない?
「いや、うまい理屈づけがなされてはいる。
犯人が女性とは誰も思わないと言うのもその一つだし、
免許を持っていないから足がつかないと言うのも
言われてみれば納得だ。
でも、この映画はタイトルが『初恋』と言うように、
その時代を背景に
小さい頃に母親に捨てられ、
叔母家族の中で孤独を抱きしめて生きてきた少女みすずが
ジャズ喫茶にたむろする兄の仲間たちの中で
初めて“仲間”意識が芽生え、
その暗い瞳に光がともり始める…という話だ」

----でも、それと三億円事件の関係が分からないニャあ?
「彼ら仲間たちは権力を憎んでいる。
なかにはデモに参加して機動隊に殴られた者もいる。
しかし、岸は三億円強奪で権力と勝負したいと考える。
岸を好きになっていたみすずは、
その彼から言われた『おまえが必要なんだ』の言葉に心揺り動かされ、
三億円強奪計画にのめり込んでいく」

----人間嫌いのみすずがなぜ?
「そのきっかけは岸との出会いのときのふたりの会話だね。
『子供が何の用だ』と冷たく突き放す彼に
『大人になんかなりたくない』。
この言葉は懐かしかったね。
主演の宮崎あおいにピッタリだ」

----確かに、彼女向きだね。
ん、でもあんまり納得はしていないみたい。
「ちょっと複雑だね。
あの時代を描くって、ほんと難しいなと思ってしまった。
確か『鬼畜大宴会』のときだっけ、
現代の若者にとって、
学生運動の若者を描くのは時代劇の侍を描くのと同じ、
といったような言い回しを聞いたことがある。
そうなると、作家によっていろんなスタイルの時代劇があるように、
同じく作家それぞれの60年代や70年代の若者映画があることになる。
この映画の監督・塙幸成も事件が起きたときはまだ3歳。
手探りで時代を描くことになったのは仕方がないにしても
みすずの“仲間”たちがあまりにも血の通った感じがしない。
そう、当時の写真が動き出したようにしか見えないんだ」

----でもそれって、
みすずの翳りを描くのには正解だったと言う気もするけど……。
「う~~ん。そうも言えるのかなあ」
              (byえいwithフォーン)

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『クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ!踊れアミーゴ』

2006-04-10 23:14:05 | 新作映画
----『クレヨンしんちゃん』って、
いつも評判高いよね。なぜだろう?
「そうだね。一時期のロマンポルノと同じ。
あの頃日活では女性の裸さえ出せば
会社からはノーチェックなのを逆手に取って
製作サイドは自由に作りたいものを作っていた。
この『クレヨンしんちゃん』を始め、
いまのアニメはキャラクターさえ出せば
とりあえず子供は満足するという状況をいかして、
それこそ自由に作っている気がする」

----そう言えば、このシリーズは
これまでもいろんなジャンルの映画を扱っているよね。
今度はなんなの?
「まあ,一言で言えばホラー。
それも都市伝説だね。
そこに『ボディスナッチャー』の要素を入れているんだ」

----ニャんだかオモシロそうだね。
「でも、けっこう怖いよ。観ていて何度かゾクっときたものね。
子供にとってはトラウマになる可能性があるね。
平和な町、カスカベを謎の“そっくり人間”がジャック!
ホンモノのカスカベ市民とすり替わってしまう。
しんのすけの周りにも次々とニセモノたちが出現。
果たして誰がホンモノで誰がニセモノか?」

----へぇーっ。これって子供たちには、特に怖いよね。
「うん。でも子供たちにもいろいろあって、
自分の母親だけはホンモノと信じたがる子や
それとはまったく逆に
自分が果たしてホンモノかどうかを疑う子もいる」

----どれが誰か想像ついちゃうね(笑)。
でも、その笛みたいなのはニャによ。
「このシリーズはいつも一筋縄ではいかない。
何かプラスαの要素がある。
今回はそれがサンバ。
これはサンバに使われるホイッスルなんだ」

----え~っ、サンバのブームってもうとっくに終わってない?
「だから、そういうことを気にしないのがこのシリーズ。
『世界サンバ化計画』を企む一味が
この“そっくり騒動”の背後にいるという設定なんだ。
ノリから言うと『嵐を呼ぶジャングル』に近いかも。
ただサンバだけに、女性の肌の露出度はあの作品より大きいけどね。
あと、サンバにあわせてニセモノが踊りだすところなんて超シュール」

----でもそうは言っても、今回もキーワードは「家族」なんでしょ?
「うん。そうだよ。
どんなに危機に陥っても彼ら野原一家は一致団結。
正体不明の一味に襲われた父親ひろしは、
家族を守るべく必死に家へ帰ろうとするし、
誰がホンモノで誰がニセモノかは、
犬のシロでさえも見分けがつく」

----そうか、ここではペットも家族。
どこかの教科書検定とは正反対だね。
「そういうこと。
フォーンだってぼくがホンモノかニセモノか分かるだろう?」

----たぶんね。
あれっ、このホイッスル注釈書きが…。
『よい子は映画館では吹きません!』
あらららら。
        (byえいwithフォーン)

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『アイス・エイジ2』

2006-04-09 23:04:03 | 新作映画
----この映画、アニメとしては記録的なヒットを飛ばしているんだって?
「うん。出だしだけかも知れないけど、
『シュレック2』に次ぐ勢いらしい」

----ということはピクサーのアニメよりスゴいんだ?
それじゃあ、観てみたくもなるよね。
「そういうこと。
でも観てみて納得。
個人的には鳴りもの入りだった前作なんか比べものにならないほどよかった」

----どう違うの?技術的に進歩したってこと?
「それはもちろん何年も経っているわけだから進歩がなくちゃおかしいけど、
その作りがより丁寧になっていると言うことかな」

----丁寧になっているって?
「その前にまずキャラクターを振り返ってみようか。
マンモスのマニー、ナマケモノのシド、サーベルタイガーのディエゴ。
凸凹トリオの主人公3匹(?)は同じ。
今回は、その3匹の悩みが強調されている。
過去に家族を失っているマニーは
自分が最後のマンモスではないかと不安と孤独に苛まされ、
おちゃらけ者のシドはもっと周りからマジメに尊敬されたいと願い、
みんなから強く見られているディエゴは水への恐怖と戦っている。
そんな彼らが旅の中で、それらの悩みを克服していくわけだ」

----えっ、また旅するの?今度はなんの目的で?
「じゃあストーリーを簡単に説明しようかな。
『アイス・エイジ2』の背景となるのは、
地球に温暖化の波が押し寄せ、
氷河期の終わりを迎えようとしている世界。
ぽかぽか陽気の中、パラダイス気分ではしゃぐ動物たち。
しかし、そんな彼らを襲う大洪水の危機。
このままだと氷壁が崩れ、谷は水の底に沈んでしまう。
そこで動物たちは水の少ない谷の反対側へ長い旅に出ることになる!」

-----ははぁ~っ。そこに危機また危機が襲うと言うわけだニャ。
「そう言うこと。
上空からはハゲワシ、そして水の中からは凶暴な水棲爬虫類が一行を狙う。
そんな危険な旅の中、3匹はマンモスの女の子エリーと出会う。
ところが、そのエリーは自分をフクロウネズミと思っていた(笑)」

----はい??????
「やはり彼女も幼い頃に家族と別れたんだね。
そこでマニーとエリーのロマンスの行方と言う
もうひとつの物語も立ち上がってくる。
それはともかく、人間の赤ちゃんを届けると言うのが目的だった前作に比べて、
自分たちが生き延びるため、
彼ら自身の旅であるだけに、物語の強度はより強い。
キャラクターも深く掘り下げて描けるしね」

----う~ん。そういえば『ダイナソー』もそんな感じじゃなかった?
「そう言えば、あったね。
確かあれは、恐竜たちが緑の楽園を目指していた」

----隕石が降って燃えあがる大地の映像が印象に残っているけど?
「今回は水と氷。
この映画の魅力は、
氷河期の終わりという、その設定にもあると思う。
周囲は氷壁に囲まれていながら、
スクリーンから、あったかい感じが伝わってくるんだ。
厳しい寒さが生む悲惨さがない。
あったかさ……これってファミリーエンターテイメントでは重要なポイントだと思う。
ヒットしたのもうなずけるね」

----そう言えばドングリを追いかけてばかりのスクワットは?
「前作では最初と最後にのみ登場。
でも、今回はエピソードの合間合間に何度も現れ、
ドングリと空しい格闘をしてみせては
その都度、場内に爆笑の渦を巻き起こしてくれる。
彼のショートストーリーは本筋の合間の箸休めでありながら、
ある意味、本筋以上にオモシロい。
彼の<活躍>を観るためにもパート3を期待したいな」

                  (byえいwithフォーン)

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※画像はアメリカのオフィシャルより。
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