ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ソロモンの偽証・前篇・事件』

2015-01-26 19:09:29 | 新作映画
----『ソロモンの偽証』
これって宮部みゆきの原作だよね。
中学校での生徒の死をめぐるお話とか…。
ニャんか、『告白』とかぶっちゃう。
「そうだね。
ぼくも観る前まではそう思っていたんだけど、
演出の方向性がまったく違う。
『告白』は、松たか子の演技こそ話題にはなったものの、
基本は中島哲也監督のトリッキーな映像。
エッジの効いた編集で一気に見せていく」

----そうか。
この映画って監督、だれだっけ?
成島出
ぼくはこの監督の作品、
『草原の椅子』とか『ふしぎな岬の物語』とかは、
なんともまだるっこしくてダメ。
でも>『聯合艦隊司令長官・山本五十六』 だの『八日目の蝉』だのは
かなり持っていかれた。
つまり、
まだ自分の中で、
その評価は固まっていないんだ」

----そういえば、
『八日目の蝉』もヒューマン・ミステリーって感じだったよね。
「うん。
今回は、
ある雪の日に、一人の少年・柏木卓也(望月歩)の死体が見つかるところから
物語が動き出す。
学校も警察も、
これを屋上からの転落、事故死として処理。
事件性はないという結論を出す。
ところが、発見者の一人、
藤野涼子(藤野涼子)の元に一通の匿名の告発状が届く。
そこには、
柏木卓也は自殺ではなく殺されたのだという
衝撃の“事実”が明かされていた」

----ん?。事実を“”で囲んだということは、
それが本当かどうかはわからないということだニャ。
「そうだね。
目撃者の言う通りだと、
殺人が起こったのは夜中。
なぜ、その時間、
その生徒は校舎の屋上にいたのか?
など、不自然なところが多い、
しかも、その目撃者・三宅樹里(石井杏奈)は
ふだんから同級生のいじめを受けていた。
その仕返しによるガセ情報の可能性も捨てきれない」

----え、そんなに早々と
目撃者のネタバレしちゃっていいの?
「いや、
これはネタバレとは言わないな。
映画の中で、そこは早々と描かれているし…。
さて、この告発状。
その一通は、
担任の森内教諭(黒木華)にも届いていた。
ところが彼女は独断でそれを破棄したとして
テレビ局から厳しい追及を受けることになる…。
と、話はここまでにするかな」

----え、え~っ。
それはニャいよ。
だってこの映画の予告に観出てくる、
“こども”による“こども”だけの“裁判”について、
ニャんにも言っていないじゃニャい?
「ごめんごめん。
実を言うとこの物語、
あまりにも多面的な広がりを持っていて、
語り始めると際限なく広がっちゃうんだ。
でも、もう少しだけ話すかな。
この裁判を提案するのは藤野涼子。
ずっとクラス委員を務めてきた彼女は、
樹里と彼女を慕う松子が暴力を伴う苛めを受けているのを見て
心を痛めるものの、
身を挺してまでは止めようとはしない。
そんな彼女に
生前、柏木卓也は厳しい言葉を投げかける。
その自責の念で涼子は自殺まで考えたほどだった…」

----ニャるほど。
でも、ここまで聞いたお話って
結局は、原作のことって気がする。」
「う~ん。
それはそうなんだけどね。
実を言うと、この物語、
今まで喋ったことの
さらに何倍も何倍も複雑に込み入っている。
ぼくが感心したのは、
それらの複雑なプロットを“映画”という限られた時間
(と言っても前後編になってしまってはいるけど…)の中に
見事に構成しなおしていること」

----どういうこと?
「映画は、登場人物それぞれの心の痛みに
しっかりとフォーカスを当てる。
それは観客の心を大きく揺さぶらずにはおかない。
ところが映画は、
さらなる新たな“事実”を見せることで、
その情に揺れた心を大きく揺さぶっていくんだ」

----ニャるほど。
映画に引きずられっぱなしってわけだニャ。
「(笑)。
あまりいい表現じゃないけど、
まあ、そういうことになるかな。
あと、この映画の特徴は、人の“顔”。
言葉よりも、
顔、表情で語っていくんだ。
『八日目の蝉』のエンディングのようにね。
この『ソロモンの偽証・前篇・事件』もラストが
ほんとうにうまい。
まあ、人によっては、それを
あざとい演出と取るかもだけど、
おそらくほとんどの人がこのラストを観たら、
早く『後篇・裁判』が観たくなると思うよ」




フォーンの一言「森内教諭の隣人に扮する市川実和子の写し方もまたスゴイらしいのニャ」身を乗り出す

※あれは、間違いなく『貞子』を意識していた度

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『くちびるに歌を』

2015-01-22 19:57:55 | 新作映画
----『くちびるに歌を』って
昨夜観たばかりだよね。
こんなに早く話してくれるニャんて…。
ニャんだか昨日からとても興奮しているみたい?
「うん。
今年は1月から
しゃべりたい日本映画が多すぎて…。
またまた、溜まってしまわないうちにと思って…」

----確か、最初はそう乗り気でもなかったのに、
ツイッターで見かけたのがきっかけだったよね…?
「そう。
そこには、主演の新垣結衣が本来の良さを出している…。
そんな感じのことが呟かれていたんだ。
新垣結衣って、正統派の美人で、
でも決定打に欠けている。
最近はそんな感じがしていたんだ
『フレフレ彼女』だとか『トワイライト ささらさや』とか、
コミカルな作品への出演も多く、
少し芯が弱いような…」

----でも、今回は違っていたと…。
「うん。
とにかく笑顔がない。
いつも不機嫌そうに腕を組んでいて
人を睨んで見ている。
彼女が演じるのは
お産のため休職に入る音楽教師・松山(木村文乃)の代わりに、
臨時教師として故郷の五島列島にある中学に戻ってきた柏木ゆり。
ピアニストとしても名声を確立している彼女は、
この仕事が意にそぐわないものらしく、
松山が担当していた合唱部の顧問をしぶしぶ引き受けるものの
『ピアノは弾かない』と言ってみんなを戸惑わせる」

----ふうむ。プライドってヤツかニャあ。
「ぼくも最初はそう思って観ていたんだけどね。
なんて自尊心が高い、いや高慢なんだろうって。
しかし、そこにはある理由があったんだ。
そして映画は、その彼女が『ピアノを弾かなくなった』ことと呼応する形で、
男子が嫌いな合唱部の部長ナズナと、
ひょんなことから合唱部に入ることになった、小柄でおとなしく友達がいないサトル。
このふたりの物語が語られていく。
ナズナは、母親が亡くなってから父親が女を作り家を出てしまっている。
一方のサトルは、工場で働く自閉症の兄を迎えるために自分の時間が持てないでいる。
と、簡単にその環境を書いたけど、
ふたりの心が、
この映画のモチーフとなっているアンジェラ・アキの『拝啓~ 十五の君へ~』を通奏低音に
“生きること=生まれてきたことの意味”、
その肯定に向けて感動の世界を紡ぎあげていくんだ

----ちょ、ちょっと待って。
その歌、あまり好きではなかったのでは?
「確かに。
どうも狙いすぎている気がして…。
この年になると、このストレートさはさすがにちょっと気恥ずかしく。
でも一度だけ感動したことがあって
それは原恵一監督のアニメ『カラフル』
確か、あのときも中学で合唱部が歌っているのが流れるという感じだったけど、
もともとはこの歌って
合唱コンクールで歌う中学生のために書き下ろされた曲だったんだね。
ぴったりとハマるはずだ。
さて、物語の主軸ばかり話したけど、
それだと、ただ原作を読めばいいということになる。
でもぼくがこの映画を好きなのは、
これまでの映画には見られない“ある勇気”を持っている、
そこがいちばんだな」

----その“勇気”って?
「それはね。
自閉症、知的障害を抱えた人の描き方。
日本映画って、難病についてはよく素材にするくせに、
障害、とりわけ知的障害に関しては
おっかなびっくりのところがあった。
まあ、それは分からないわけでもなく、
よく知りもしないくせにという批判を遠ざけるためもあるのかなと…。
ところがここでは、
他の人に言った言葉をまねるとか、
一度聞いた言葉を繰り返すとか、
毎回、定時を気にするとか、
ぼくが出会った知的障害の人たちの特性、個性といったものが
臆することなく描きこまれている。
で、何が嬉しいかって、
それが、他の人の人生を助ける…
そう、生きる希望と勇気の推進力となっているんだ

----へぇ~っ。
それは観たくなるニャ。
「確かに、
これは感動のヒューマンものではある。
でも、それがやはりぼくの心の琴線に触れるわけだから、
それはそれでいいのだと思う。
映画としても、
先生がピアノを弾く時の壁に書かれた標語からのフォーカス移動とか、
いいなあと思う部分は随所に。
クライマックスでは、そこにいる人すべてが合唱するという
大団円の構造を生むし…。
別れのシーンでは『フラガール』に匹敵するカメラの横移動。
そのとき、先生に生徒たちが投げかける言葉が最高!」

----それはさすがに秘密だよね?
「もちろん。
ほんとうに
ボロ泣きしたポイントは、
これでも避けて喋ってきたからね。
実を言うと、
そこがもっともテーマに近いんだけど…」





フォーンの一言「アンジェラ・アキの『手紙』、今歌詞を読むとほんと泣けるのニャ」身を乗り出す

※監督は三木孝浩『陽だまりの彼女』に続いてヤられた度

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『フォックスキャッチャー』

2015-01-18 23:05:36 | 新作映画
(原題:FOXCATCHER)


----『フォックスキャッチャー』って“キツネ狩り”のことだよね。
そんな歌、なかったけ?
中島みゆきだね。
しかし、変なこと知っているなあ。
この映画のそれは、レスリングチームの名前」

----レスリング・チーム?
「うん。
野球で言えば球団名みたいなもの。
これはね。
自らが率いるレスリング・チームを世界一に導く野望を持った
大企業デュポン社の御曹司ジョン・デュポン(スティーヴ・カレル)と、
彼によって招聘された
ロサンゼルス・オリンピックのメダリスト、
デイヴ(マーク・ラファロ)&マーク・シュルツ(チャニング・テイタム)の物語。
デュポンが住んでいるのは、
かつて独立戦争の激闘が繰り広げられ、
キツネ狩りも行われた広大な土地。
彼は、そこに巨額の資金を投じて
レスリングのトレーニング施設を建造しているんだ」

----ニャるほど。
やっとタイトルの意味が分かってきた。
「さて、ここで一旦
デイヴ&マークの話へと移ろう。
アメリカではレスリングはメジャーなスポーツとは言えず、
レスリングで祖国にメダルをもたらしたものの、
彼らを取り巻く環境は厳しい。
マークは質素なアパートでひとり暮らし。
幼い頃に両親が離婚した後、
ずっと父親のように寄り添ってくれた兄デイヴも、
今は妻ナンシー(シエナ・ミラー)との間にふたりの子をもうけ、
つつましくも幸せな家庭を築いている」

----あらら、それじゃあ
マークの疎外感が募るニャあ。
「だよね。
そこに“悪魔のささやき”。
デュポンは言う。
『ソ連は国を挙げてレスラーを育てている。
しかし、アメリカは、君に栄誉を与えていない。
敬意を払うべきものを無視するのは間違いだ…
ふたりで成し遂げよう。偉大なことを』」

----そんなこと言われたら
舞い上がっちゃうよね。
「でしょ。
さて、かくして
デュポン率いる
“フォックスキャッチャー”はスタートを切るが…。
まあ、ここまででいいかな」

----ガクッ。
フォーンはそこからが聞きたいのニャ。
「う~ん。
できれば何も知らずに見たほうがいいと思うな。
まあ、チラシなんかに書いてあるから
それは無理だろうけど…。
しかし映画の紹介って難しいよね。
宣伝側としては
その“実話”の“事件”。
それがなぜ起きたか?に
この映画の見どころを集中させたいだろうからね。
でも、それ以外にも見どころはあるし、
ぼくはそこをこの映画の売りにしてほしい」

----その“売り”って?
「やはり、
アカデミー賞主演男優賞候補にノミネートされた
スティーヴ・カレルの演技だね。
彼って
コメディアンとまではいかなくても
なんとなくそこにいるだけで周りをクスッとさせる、
そんなキャラクター・イメージが確立されていた。
ところがここでは
いったい何を考えているのか分からない
精神的なモンスターを演じて見せる」

----モンスター?
「そうだね。
財力に任せて
それまですべて自分の意に添わせてきた男。
鳥類学者で慈善家でそして切手収集家。
金があるということは、
時間もあれば教育も受けられる。
だからこれまでも思いの通りに生きてこられたんだ。
ある一つの例外を除いてはね」

---例外-??
「それは、
ジョン・デュポンの母親(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)。
名馬の飼育に夢中になって彼のことは
まったく顧みない。
それどころかレスリングなるものを侮蔑したような態度さえ見せる。
どうにか自分を認めてほしい。
その承認欲求はかなりなもので、
母親がジムに現れたときなど、
レスリングにはド素人の彼が
みんなを集めて
いかにも彼らの上に立って指導しているかのように
練習について一説ぶったりもするんだ。
このシーンは見モノ。
いや、正直言うと痛々しくて観てられなかった
根が素直なデイヴなどは、
訳が分からず
『えっ?』という顔になるし…」

----あれっ。デイヴもチームに入ったの?
「デュポンのほんとうの目的は彼だったからね。
まあ、ごり押しで獲得したわけだ。
そうなると、今度は、マークがオモシロくない。
なんだ。自分は当て馬か…と?
さあ、こうなるともう泥沼だ。
その行く先が…。
と、ここまで話したから
もういいだろう。
この映画、
監督は『カポーティ』『マネーボール』のベネット・ミラー
これまでぼくとは、
あまり相性がゆくなかったけど、
今回はその演出を堪能したね、
だれかが“もったいぶった演出”と言っていたけど、
それがデュポンの人となりを表すには
実に効果的だったと思う。
まあ、これで作品賞にノミネートされなかったのだから、
よほどほかの作品が凄いんだろうなと、
そういう楽しみは残ったけどね」



フォーンの一言「えいは、この事件知らなかったのニャ」身を乗り出す

※それだけに余計びっくりだ度

※スティーヴ・カレルの演技は『チャンス』のときのピーター・セラーズを思い起こさせました。

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『アゲイン-28年目の甲子園-』

2015-01-12 18:24:16 | 新作映画

----いよいよ。
今年の一本目。
確かこの『28年目の甲子園』って、
去年の夏くらいに観た映画だよね。
そのときから「来年のベスト!」とか言ってなかった?
「そう。
これだけ早からく試写を回しているからには
そうとうの自信作だろうとは思ったけど、
これは想像のはるか上をいったね」

----へぇ~っ。
でも、そうは言っても
これ、いわゆるヒューマンストーリーでしょ?
甲子園に行けなかった
かつての球児たちが
もう一度、自分たちも夢と向き合う…。
「ま、それはそうなんだけど、
原作が『青い鳥』重松清だけあって、
そこにいくつもの軛を入れている」

----どういうこと?
「普通に考えたら、
中年になった男たちが
夢の続きを…と、
もう一度集まるというのは、
よくある話。
ところがこの映画の大人たちの場合は、
そうスムーズにはいかない。
それは、一つには
今の時代を反映しての現実の厳しさであり、
そして、彼らが背負った過去であったりする。
この映画は、
なぜ彼らが
今そこにある夢の続きと向き合えないか
この社会的現実と
小説ならではの物語の両面で描いていくんだ」

----ふうん。
それって、描くの難しそう。
「だよね。
この映画では、
物語の水先案内人として
ひとりの若い女性を用意している。
震災で父・松川典夫を亡くした娘の美枝(波留)だ。
彼女は別居していた父の遺品の中に、
毎年、書きながらも結句よくは出すことがなかった
かつてのチームメイトに宛てた年賀状の束を見つける。
元高校球児が再び甲子園を目指す<マスターズ甲子園>のスタッフとして働く美枝は、
坂町春彦(中井貴一)を訪ね、大会への参加を進める。
何をいまさらと思う坂町」

----それは、もう体が錆びついているってこと?
「いや、本当の理由は別にある。
彼らが甲子園に行けなかった原因は、
なんと美枝の父・松川典夫にあったわけだ。
本来ならプロになれていたかもしれない
元ピッチャーの高橋(柳葉敏郎)などは、
今の自分の不本意な暮らしぶりを思うにつけ、
無念の思いを隠すことができない」

----いったい、ニャにがあったんだろう?
「それは知らないほうがいいね。
というか、それこそがこの映画のポイントだから。
観客はもちろん美枝も、
その<謎>を抱えたまま物語は進んでいく。
そして美枝にとってはあまりにも残酷な<父の過去>が
いよいよチーム発足というかつての仲間が集まった酒席の場で明らかになる。
いやあ、ここの演出はほんとうに息を飲んだね。
美枝が松川の娘であることを知っていながら
それでも再び甲子園を目指そうとする坂町と高橋。
だが、他のチームメイトは
美枝が松川の娘と知り激怒する。
感情を爆発させ、美枝を攻撃する者、
美枝の心を傷つかせないように気配りをする者。
さまざまな大人たちがぶつかり合う。
これは中井貴一も柳葉敏郎も
本当にやりがいがあったと思うよ」

----ニャるほど。
日本の俳優の底力ってやつだニャ。
「うん。
こういう、
彼ら役者が本領を発揮できるような企画って
これまでなかなか巡り合えなかったんじゃないか、
そう思ったね。
あっ、あと、これは言っておかなくてはというのがひとつ。
坂町の娘・沙奈美を演じる門脇麦
『愛の渦』での大胆な演技が記憶に新しい彼女。
ここでは、
両親の離婚以来、距離を置いていた父に対する
冷酷とも思える態度で、観る者に緊張感を強いる。
今の時代の、そしてこの年齢ならではの
ぶっきらぼうな口調もさることながら、
それをベースにした父親への複雑な思いの表現。
『キネマ旬報』での新人賞も納得の実力だね」




フォーンの一言「去年の最初にしゃべった『ラッシュ/プライドと友情
2014年のベスト1だったよニャ」身を乗り出す

※この映画のための書下ろし浜田省吾 「夢のつづき」がまたいい度

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「2014 無人島に20+1日間。フォーンと観るならこの映画」

2015-01-04 22:20:31 | 映画



----ふう。年が明けちゃった。
もう、このまま消えちゃうのかと…。
「なんか、最近はこんな話ばかりしているね。
読んでいる人も飽きちゃったかも…。
ということでいきなり本題。
今年は
A面[好きにならずにいられない]
B面[忘れじのショット]の各10本で」

----その違いってなんニャの?

「A面[好きにならずにいられない]は、
本でいうところの「ページをめくる手が止まらなかった」映画。
異性にたとえれば「理由なんかない。君に夢中」。
対するB面[忘れじのショット]は、
それまで意識していなかったのに「えっ。いいじゃん」の瞬間との出会い」

----う~ん。
分ったような分らないような…。
じゃあ、まずはA面からだね・

「うん
一気に行くね。
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
『ラッシュ/プライドと友情』
『東京難民』
『あなたを抱きしめる日まで』
『そこのみにて光り輝く』
『猿の惑星・創世記<ジェネシス>』
『ジャージー・ボーイズ』
『レッド・ファミリー』
『紙の月』
『インターステラー』

あっ、これは公開順ね。
それでは次にB面」

----ちょ、ちょっと待ってよ。
一本一本へのコメントは?
「だから、さっき言ったじゃない。
これらの作品は、
もう最初から最後まで夢中で入り込んだ映画。
それ以外に理由なんてない」

----そこを
「なぜ夢中になったんだろう?」
と考えなくちゃ、
映画に真摯に取り組んでいるとは言えないのでは?
「う~ん。
きついこと言うなあ。
それは次のB面で。
こっちには具体的に理由があるから…。
『あっ、これがぼくの映画だ!』と、
姿勢を正してスクリーンに向かい直した瞬間が…」

----ニャんだかダマされているような気もするけど…。
まあ、いいや。
それ、話してみてよ。


「◯『ドラッグ・ウォー 毒戦』
これはクライマックスのカーチェイス&銃撃戦。
もう、これがいつ終るのか、
果たしてだれが生き残るのか、
まったく先が読めない。
それまで
映画の視点をどこに置いているのかを、
あえて分からなくしていた意味がここで生きてくる。
『小さいおうち』
吉岡秀隆のもとへ向かおうとする松たか子
黒木華が必死に思いとどまらせるシーン。
このシーンはワンショットワンシーン。
まるでサスペンス映画を見ているかの趣
『LIFE!』
主人公の憧れの女性が
グリーンランドで突然現れ、
ギターを抱えて
デヴィッド・ボウイの「スペース・オディティ」を歌うシーン。
こんなところに彼女がいるはずはないのに、
それに勇気づけられ、
彼は次の一歩、れた海を行くヘリに飛び乗る。
空想が現実を動かしてゆく、
これはまさに<映画>そのものの魅力

『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』
これは、猫に尽きる。
地下鉄の中、
窓に映る自分を多くく開いたその眼で
驚いたように見つめる。
こんな猫の描き方を見たのは初めて。
『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』
これは、いろいろあるな。
まあ、普通にはラストの、
あの奇祭をあげるところだけど、
ぼくは伊藤英明の、
自分のイメージを払拭しようとしたかの演技に魅せられた。
手前を行くトラック。
光石研に声かけられた伊藤英明
遠くから走って追いつき飛び乗るまで。
このワンショット撮影は高揚したな。
これを可能にしたのも彼の鍛え抜かれた体力あってこそだね。
『X-MEN:フューチャー&パスト』
これも超個人的な選定。
未来から73年へと向かったウルヴァリン。
彼がが目覚めるときにバックで流れる曲が
ロバータ・フラックの『愛は面影の中に』
これはクリント・イーストウッドの初監督作『恐怖のメロディ』に使われていた曲。
もとより、ウルヴァリンを演じるヒュー・ジャックマン
イーストウッドの若いころにそっくり。
おそらく本作の監督ブライアン・シンガーも同じことを思ったんじゃないかな。
ここに『愛は面影の中に』を持ってくるというのは、
ある意味、確信犯としか思えない。
『るろうに剣心 京都大火編』
これも役者。とりわけ藤原竜也
全身が包帯だらけで
わずかに目と鼻と口が覗くだけ。
役者のウリ、その一つでもある顔を隠し、
それでもなお凄まじいオーラを発する。
その彼の最初の登場シーンがまた素晴らしい。
燃え盛る炎の中、
天井には彼を追って返り討ちにあった警官たちが幾人も吊るされている。
まるでインフェルノ。
そのイメージをここまで再現した美術!
これは感慨深かったな
『福福荘の福ちゃん』
主演の大島美幸もだけど、
ここでは大物カメラマンを演じる北見敏之の怪演を推したい。
首にその形も卑猥なカメラをぶら下げて
自分勝手な芸術論を述べる。
いかにも業界にいそうなその俗物ぶりが、
物語の先に暗雲をたちこめらせ、
観る者の気持ちをざわざわ、
落ち着かなくさせる。
『超能力研究部の3人』
これは、一種のフェイクドキュメンタリー。
そのこと自体はさほど珍しくないけど、
映画製作の舞台裏(バックステージ)でそれ=フェイクをやるとは!?
まさに虚を突かれたってヤツ。
なかでも秋元真夏を本気にさせるためを、
相手役の女の子たちに罵倒させるシーンはもうハラハラ。
この映画の、
それこそフェイクではないドキュメンタリーが観てみたい。
『0.5ミリ』
これも役者。
というかその起用法だね。
どちらかというと
威勢がよく右寄りの言動で知られる津川雅彦
ここでは、繰り返し繰り返し、
先の大戦に対する反省。
戦争はよくないと述べ続ける。
あのような大物にそういう演技をつけるなんて
この監督、安藤桃子は相当に肝が据わっているなと…」

----ふう~。
ほんと一気だったニャ。
聞いてて疲れたのニャ。
「あっ、一本オーバーしちゃうけど、
『ニューヨークの巴里夫(パリジャン)』
も追加」

----おっ。久々のフランス映画。
「巴里からNYにきても相変わらずダメダメの人生を送っているグザヴィエ。
ところがひとつの“愛”がいま去っていくのを目にして、
心の中にざわめきが起こる。
この幸せだけは逃がさないと街中を疾走、愛しい人の後を追う。
カメラはバストショット、横移動。
そんな映画をぼくが嫌いになれるワケがない。
そう、映画も人生も幸せになったところで終ってほしい」



フォーンの一言「う~ん。今年はもっと話してほしいのニャ」
もう寝る


※2014年の五つ星だ度


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