ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR』

2006-01-31 20:54:44 | 新作映画
----ニキータ・ミハルコフがこの映画の監督のことを、
「我が国のタランティーノ」と呼んでいるんだって?
これってつまりロシア映画っぽくないってこと?
「他の言い方では、
『まるでタルコフスキーがウォシャウスキーと出会ったかのよう』
なんてのもある(笑)。
確かに、この映画はこれまでのロシア映画とは一線を画する。
旧ソ連映画を見慣れた人にとっては驚きだろうね。
でも考えてみたら、旧体制が崩壊してずいぶん経つわけだし
自由化されてからのロシアで育った若者たちにとっては、
これぞ自分たちの映画と言う感じなのかもね

----だからこそロシア興行史上No.1にもなったわけだ。
そうそう、プレスには『マトリックス』の名前も出ていたけど?
「う~ん。
どちらかと言うと「コンスタンティン」の世界に近いという気がする」

----えっ、天使だの悪魔だの
ハーフブリードだのが出てくるわけ?
「いや、そういうわけじゃないんだけどね。
この映画は“異種(アザーズ)”と呼ばれる
特殊な超能力に目覚めた人間同士の戦い。
“光”と“闇”の両勢力に分かれ長年戦争してきた彼らは、
キリのない争いを終わらせるために
お互いを監視する協定を結ぶ。
闇の異種を監視する光の者を“ナイト・ウォッチ”、
一方、光の異種を監視する闇の者を“デイ・ウォッチ”とし、
以来、世界はそのデリケートなバランスの上で成り立っていたわけだ。
このシーンはいわばプロローグとして描かれ、
中世風の鎧に身を包んだ男たちの血なまぐさい戦いとして描かれる」

----で、話は現代に飛ぶんだね。
「そういうこと。
ここはよかったね。
それこそ『マトリックス』の予言者じゃないけど、
普通っぽいおばちゃんが出てくる。
いったい何が始まるのかと思ったね。
そうそう、ここでは蜘蛛の足のようなものが生えた人形(?)も出てくるよ」

----それは楽しみだ。
「さて本篇に入って、
主人公はナイト・ウォッチのメンバーである一人の男。
映画は、
彼が地下鉄で見た頭上に空気の渦が巻いていた女性、
いにしえの予言が告げていた
光と闇の戦いを最終的に終わらせる者の出現をめぐる謎。
そして、地下鉄にいた12歳の少年を闇の勢力がつけ狙う理由などを
並行的に描いてゆく」

----そして、それがスタイリッシュなんだ?
「う~ん。それはどうだろう。
確かにCGエフェクトは多用されているし、
監督もロシアでトップクラスのCM&ミュージックビデオの監督らしいけれど、
あまりにもショッキングなシーンが多すぎる。
いくら主人公たちがヴァンパイヤ並みに血をエネルギー源(?)にするとは言え、
出血シーンが多すぎて、血に弱いボクにはちょっと厳しかった。
実際、それが理由で最初は一般公開が危ぶまれていたらしい。
映像も話が“ナイト・ウォッチ”だけあって、夜のシーンばかり。
それをスクリーンに映し出そうと言うのだから、
勢い暗闇に光を当てて映し出すと言った手法が多く、
正直目が少し疲れてしまった。
でも次作は『デイ・ウォッチ』らしいから、
これがどう変わっているか興味深いね。
そうそう、最終作は『ダスク・ウォッチ』とか。
これも楽しみだな」

          (byえいwithフォーン)

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