ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

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『桐島、部活やめるってよ』

2012-07-29 20:10:12 | 新作映画
----これ、観たとき
スゴく興奮していなかった?
確か、トリュフォーやアルトマンまで
引き合いに出して…。
「そうだね。
その思いは今も変わらない。
最初、この『桐島』の話を聞かされたとき、
舞台が学園ということ、
同じ時間が繰り返されるという噂から
押井守『うる星やつら★ビューティフル・ドリーマー★』のようなものかと…。
ところが実際は、
そういう時間が<止まった>ものではなく、
同じ時間に起こったことを
視点を変えながら少しずつずらして見せているんだ。
こういうスタイルの映画、
いままでにもあったような気がしないでもないけど、
ここまで徹底したのは初めてじゃないかな」

----へぇ~っ。
同じことばかりが繰り返し描かれているなんて
とてもオモシロいとは思えないんだけど…。
ニャにか意味あるの?
「そこなんだよね。
ぼくが、ふたりの巨匠の名を持ちだしてきたのは…。
ロバート・アルトマンは言わずと知れた群像ドラマの名手。
一方のフランソワ・トリュフォーは、
映画の中に登場するすべての人の人生を意識しながら
作っているようなところがある。
この作品は、そこを継承しているんだ。
フォーンは、この映画の主人公って誰だと思う?」

----決まっているじゃニャい。
その桐島って人でしょ?
「普通、そう思うよね。
ところが、この映画には桐島は登場しない。
厳密に言えば超ロングで写しだされはするんだけど…。
で、映画は、その“桐島”が“バレー部”を止めるという噂が、
さまざまな波紋を巻き起こしていくさまを描いていく。
この、“桐島”というのは
文武に秀でたスーパーヒーロー。
その友だちは菊池宏樹(東出昌大)を始め、
友弘、竜太とみんなカッコよく、
彼女の梨紗(山本美月)も、
男ならだれしもが目を止めずにはおかないほどの美形。
で、その梨紗も東原かすみ(橋本愛)や沙奈、実果といった
やはり美女軍団を率いている。
さて、これまでの映画なら、
ここまで舞台が整えば、
この桐島と梨紗にスポットを当てて描いていくはず。
ところが、ここで描かれるのは
桐島の部活が終わるのを待っている宏樹たち帰宅部のイケメン男子たち、
そして同じように桐島を待つ梨紗とそのグループの女子たち」

----あれれっ。
この映画の主演は神木隆之介かと思っていたけど、
まだ、彼の名前出てこないね。
そう言えば、大後寿々花)も…。
「そこ。そこもポイント。
神木隆之介が演じているのは映画部の前田涼也、
この学校においては、
映画部のヒエラルキーは低く、
彼ら映画部員は日蔭の存在。
同じく大後寿々花演じる沢島亜矢も吹奏楽部キャプテン。
でも、彼らにも当然、
自分の<思い>やそれに基づく<生き方>というものがある。
だけど、“上”グループからは、
彼らはまるで
存在していないかのように軽く扱われている。
この映画は、そんな学校という格差社会の中、
“下”グループの心をも持て余す“上”グループのいやらしさ、
またその“上”グループの中にも
実は、それぞれに対する<隠された悪意>があることなどを
多角的に描いていくんだ」

----もう少し分かりやすく説明してよ。
「そうだね。
一例をあげると、
亜矢は宏樹のことを秘かに思っている。
彼女は、毎日、放課後に
彼の姿が見えるところで吹奏楽の練習をしている。
その気持ちに気づいた宏樹の彼女、沙奈は
わざと亜矢の見えるところで彼にキスをせがむ」

----いやらしい女だニャあ。
「かすみにしてもそう。
彼女は中学時代の同級生である涼也に
思わせぶりな態度を取る。
結果、
涼也はかすみと親しくなれるのでは?と淡い期待を抱く。
しかし、それも公にはしていない彼氏がいるかすみの
余裕のなせるわざということが
後に分かってくる…。
さらには、
女子の“上”グループに亀裂が入るきっかけを生む
桐島の補欠・風助(太賀)のエピソードも絡んできて…」

----確かにオモシロそう。
でも、そんなに盛りだくさんだと
収拾つかなそうだニャ…。。
「いやいや。
監督は『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』『パーマネント野ばら』>の吉田大八
それぞれの事象を
時間をずらし、角度を変えることで
個々の内面と、そこから生まれる関係性の変容を見せていく。
そしてクライマックスで爆発するダイナミックな下剋上。
それはなんと<映画>を通してのもの。
この“映画の反乱”――果たして成功するのか、否か?
やはりこれは、とんでもない映画と言うしかない」





                    (byえいwithフォーン)


フォーンの一言「手放しの褒めようだニャ」身を乗り出す

『夢売るふたり』 が本年度邦画ベストと言ったばかりだけど、
やはり個人的にはこの映画の方が好きかもだ度…

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『ギリギリの女たち』

2012-07-26 11:09:09 | 新作映画
----『ギリギリの女たち』って、
まさか、ギリギリガールズのお話じゃニャいよね。
「なに、とぼけたこと言っているの。
これは、カンヌなど世界の映画祭で評判の高い小林政広監督の映画。
昨年3月11日に起きた東日本大震災の被災地となった
気仙沼市唐桑町に居宅を持つ小林監督が、
2006年に書いた脚本を再構成し、昨年8月に唐桑で撮影したんだ。
前作『春との旅』が、ロードムービーの形式を取っていたのに対して、
本作は、一か所に腰を落ち着けての撮影。
震災をきっかけに再会を果たした三人の姉妹が、
家族との絆を見失い、傷つけ合う姿が
全篇わずか28という少ないカット数の中に凝視される」

----カット数が少ないって、
何かそこに意味あるの?
「カット数が少ないってことは、カメラの切り返しが少ないということ。
ハリウッドのように複数のカメラで
違う角度からとらえている映画は別として、
ワンカメだと、そのたびに場所を移動。
役者の感情の流れはいったんそこで途絶えて、
また、新たに構築しなくてはならなくなる。
しかしワンカットを長くすると、
その感情の揺れをそのままカメラに収めることができるんだ。
この映画では、冒頭の3カット目あたりだったかな、
そこから35分間をワンカットで捉えている。
それは、何もカメラを据えっぱなしというワケじゃなく、
役者の動きに併せて移動もある。
ということは、照明などもそこの調整が必要で、
これは大変だったと思うよ」

----ひとりでも間違ったら大変だものね。
スタッフもハラハラだニャあ。
で、そこでは何が映し出されるの?
「故郷を離れ、
15年ぶりに我が家に帰ってきた長女・高子(渡辺真起子)と、
同じく家を離れ、東京で主婦をしている次女・伸子(中村優子)との
ぎこちなくかみ合わない会話。
そこに、姉たちに取り残され、
ひとりで家を守ってきた三女・里美(藤真美穂)が現われ、
それまでの怒りを爆発させる…」

----へ~っ。オモシロそうだね。
公開は明後日だよね。
だいぶ前に観ていたのに、
なぜ、いままで喋ってくれなかったの?
「う~ん。
前作『春との旅』もそうなんだけど、
最近の小林監督の映画を観ていると、
怠惰な自分が叱られているような気がしてね。
『春との旅』の忠男にしても、
本作の貴子にしても、
自分で好き勝手、自由に生きてきたことへのしっぺ返しが
後になってきているような…。
そう、最近の小林監督の作品はストイックなんだ。
これってどういうことだろう?ってね」

----意味がよくわかんニャい。
「少し話が飛ぶけど…。
小林監督は、元シンガーソングライター。
あの高田渡とも交流が深かった。
高田渡というのは、
よく知られているように、
デラシネのような人生を送ってきた。
酒を愛し、その一生を、放浪に近い形で
ギターを抱えて全国を歌い回った。
僕は勝手に、小林監督もその影響下にある…と思っていたんだ。
というのも、あの頃、高田渡が周囲に与えた影響は、
あまりにも大きく、
加川良なんかは、
彼への思いを『下宿屋』という曲に残しているほど…。
ところが、
『春との旅』では自由気ままな人生を送ってきたが
『舞踏会の手帖』のヒロイン、クリスチーヌ(マリー・ベル)のように、
行く先々で辛い目にあう。
これってどういうことだろう?
彼は、平成の今から振り返って
昭和の個人主義を否定しているのかな?…と。
そこが分からなくなったんだね。
ただ、
この映画のラスト、
長女の中から立ち上がってくる“生きていくことへの本能”、
次女の、“明日を生きることの肯定とその先の希望”、
そしてエンディングに流れる小林監督の“ある歌”を聞くと、
少し赦されたような、そんなホッとした気分にはなるんだけどね」



                    (byえいwithフォーン)

※かつて小林政広監督『KOROSHI/殺し』のDVD(パイオニアLDC)のライナーノーツを担当させていただいたことが誇りです。

フォーンの一言「次の映画も楽しみなのニャ」身を乗り出す

※『日本の悲劇』。タイトルからして惹かれる度…

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『ダークナイト ライジング』

2012-07-24 11:31:39 | 新作映画
(原題:The Dark Knight Rises)

※映画の核に触れる
部分もあります。
ネタバレには注意したつもりですが、
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。






----アメリカの映画館でとんでもない事件が起こったよね。
この映画『ダークナイト ライジング』のお話が遅れたのはそのせい?
「あっ、それはたまたま。
この事件についてもだけど、
それ以前に、この映画『ダークナイト ライジング』については
映画というものを語るときの注意点など、
いろいろと考えさせられていたんだ」

----たとえば?
「その前に、
この映画のシノプシスを説明すると…。
前作『ダークナイト』
ダークナイト=バットマン(クリスチャン・ベール)は、殺人者のレッテルを貼られ、
汚名を着たまま夜の闇に消えていく。
彼が殺したとされるのは地方刑事ハービ・デント(アーロン・エッカート)。
彼は実は復讐心に燃えるトゥー・フェイスとして死んだのだが、
究極の犠牲を払い犯罪と戦ったヒーローということにされてしまう。
ゴードン市警本部長(ゲイリー・オールドマン)の言葉を借りれば、
『バットマンはゴッサムに必要な人だ。
ただし今は“時”が違う』
…と。
さて、この物語は、それから8年後。
偽りを全体に犯罪防止のためのデント法が作られ、
ゴッサム・シティーにおける犯罪はことごとくつぶされる。
まさに、バットマンの出番なし。
と同時に、平和の中ではゴードンさえ必要なくなってくる。
だが、そんな中、
ひとりの狡猾な女泥棒=キャットウーマン(アン・ハサウェイ)が現われ、
こともあろうにブルース・ウェインの金庫からネックレス、
そして彼の指紋をまで盗み取る。
この指紋は大富豪で会ったブルース・ウェインを破産に追い込んだばかりか、
その裏にいる覆面テロリスト、ペイン(トム・ハーディ―)の野望へと使われていく。
ここに、ブルース・ウェインは
再びケープとマスクをまとうのだが…というお話」




----あいかわらず、よくできているニャあ。
「よくできているのは
何も“ストーリー”ばかりじゃない。
CIA機を巨大なC―130ハーキュリーズ輸送機が追い、
ハイジャックするという、
『スター・ウォーズ』を思わせるオープニングから、
スタジアムの地下爆破、地下の洞窟からの脱出、薄い氷の上の逃走…
矢継ぎ早に、観たこともない
スリリングな悪書シーンが連続してゆく。
バットマンの“乗り物”では、
いま話題のオスプレイの要素を取り入れた
“バット”が登場。
ゴッサムの上を追尾ミサイルを交わしながら飛び回る」




----ちょっと見どころ喋りすぎじゃニャい?
「そうなんだ。
こういう大ヒットが約束されている
ブロックバスター・ムービーは
ちょっと喋っただけで“ネタバレ”となってしまう。
だから喋りにくいんだ。
たとえば、ツイッターで喋ったこのことはどうだろう。
『バットマン ビギンズ』のあの人が出てくる…と
そう言っちゃうだけで、“驚きの楽しみ”を奪っちゃうし、
実は、この映画、その『バットマン ビギンズ』と似たような構図なんだけど、
これ言っていいのかどうかも迷ってしまう。
となると、この映画は封切られるまで喋っちゃいけないのでは?…とね。
でも、この一作だけ観ようとすると、
戸惑ってしまう人もかなり出てくることは間違いない。
そのため、ぼくはあえて
『バットマン ビギンズ』を観てない人には、
まず目を通すように…と言いたいんだ」

----ふうん。
この映画に対してはでも意外と冷静だね。
『ダークナイト』のときほど興奮していないみたい。
「それには、
ふたつの理由がある。
この映画で重要な位置を占めるものの一つに
平和利用のための核エネルギーがあること、
その最終的な処理のされ方…。
もうひとつは、民衆の描き方だね。
実は、これは前作『ダークナイト』でも感じたことだけど、
一般人をあまりにも愚かな者、弱い者として描きすぎている気がする。
今回は、さらにそれは進んで
民衆による問答無用の恐怖裁判が描かれる。
ぼくはここに『キリング・フィールド』を感じたけど、
実はフランス革命後の世界がダブらされているらしい。
そしてもう一つは、
その愚かな描き方をされる民衆に対して
警察があまりにも無垢な善として描かれていること。
その両者の戦いは、肉弾相打つで、
鉄拳と鉄拳の殴り合い。
迫力は凄まじいけど、
その分、善悪がくっきりしすぎていた。
ツイッターに流れてきたタイムラインでも
そういうのが出てきた。
監督のクリストファー・ノーランによると、
『ディケンズの『二都物語』を基にしており、
『ウォール街を占拠せよ運動』よりも前に粗筋はできていた』とのことらしいけど、
一方では
『『ダークナイト ライジング』の右派メッセージ
(億万長者バットマンが反資本主義運動を暴力で潰し、
富裕層のトリクルダウンを推奨)を考察』(英ガーディアン紙)という動きもあるようだ。
やはり、ボク同様に
この映画に違和感を感じる人もいるのかもしれないね」




                    (byえいwithフォーン)


フォーンの一言「でも観ている分には興奮間違いなしのようだニャ」身を乗り出す

※モノが違うのは確かだ度…

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『神弓 KAMIYUMI』

2012-07-21 15:15:59 | Weblog
(原題:最終兵器 弓)


----『神弓』って、神話の話ニャの?
「いやいや、そうじゃないよ。
これは、ある家に伝わるう家宝の弓。
じゃあ、まずストーリーから
かいつまんで話すとしようか。
幼い頃に国家反逆罪で捉えられた父を、
目の前で殺された兄妹ナミパク・ヘイル)とジャイアン(ムン・チェウォン)。
ふたりは、父の友人キムにかくまわれ、
ひっそりと暮らしていた。
13年の月日が流れ、金の息子ソグン(キム・ムヨル)がジャインに結婚を申し込む。
ふたりが幸せを掴むことを確信し町を去るナミ。
だが、結婚式当日、
彼らの村が清の軍隊に攻撃され、
ジャインとソグンは捕虜になってしまう。
ナミは、妹を守れという、
父の最後の願いを全うするために生きてきたナミは、
父の形見である<神弓>を掴み、
妹を助け出すために追跡の旅に出る…。
という、これは追跡と奪還の映画。
映画もこの清の掠奪シーンから
それまでの、いささかのんびりしたトーンが急変。
俄かにオモシロさを増してゆく」

----でも、それって
アクション・オンリーの映画のような気がするけど…。
「うん。それはそのとおり。
でも、そこにアクションが生じるための必然が伴っているため、
どんなムチャがあっても、
その思いがあればありうるよな…と。
そうなると、もう、映画は観客との<勝負>に勝ったも同然。
『ありえない』などと思わせる以前に、
主人公ナミの妹を救いだしたいという思いの方が強く観客に伝わり、
その思いの前には、
普通にはありえないこと、
そう、奇跡さえも起きて当然となってくる」

----奇跡?
「たとえば逃げる途中、
ナミは崖を飛び越え、向こう岸に渡ろうとする。
その<飛び方>が
これまでだれも見たことがない方法。
崖の上から上へと飛ぶのではなく、
向こうの崖の岩肌に体をぶつけてしがみつくんだ。
『おいおい、お前忍者か?』と思ったね。
また、四方八方を囲まれた時に
彼がその場を逃げ去るために呼び寄せるのは!?…
ここは、もしかして?…
とは思ったけど、実際に<それ>を映像で観ると、
ほんとよくやるな!…という感じ。
映画は、このような形で
随所に見どころの<山>を持ってきつつ、
全体では弓を持って走るナミと
それを狙う弓矢のシーンで繋いでいく。
全篇、戦う道具を弓で通した映画なんて
後にも先にも、これしかないんじゃないかな。
それでいて、
人質を取っての弓でのにらみ合い、
あるいは、走る馬を狙って放たれる矢といった
西部劇でおなじみのシーンが次々に登場する」

----ニャるほど。
だからツイッターで
『銃を弓に変えたマカロニ武侠劇』という言葉を使ったんだ。
「そういうこと。
さて、ドラマ的には
1636年に起こった丙氏の乱が背景にある。
これは清が李氏朝鮮に侵入し、制圧したというもの。
清軍は50万お朝鮮人を捕虜として強制連行し、
奴隷市場で売買したらしい。
それに対して朝鮮の王は清の工程の前にひざまずき、
なすすべもなかったのだとか。
つまり、ここに描かれるように民たちは自力で帰っていったというわけだ。
“国家は個人のためには何もしないよ”という痛烈な皮肉の毒。
これもまた、この映画を際立たせているもののひとつだね」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「リュ・スンリョン扮する、清の猛将たちも迫力らしいのニャ」身を乗り出す

※彼らは、妙にホモチックに見えたりもする度…

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『夢売るふたり』

2012-07-19 23:21:11 | 新作映画
※今日、ブログ9年目に突入しました。

----この映画って西川美和監督の新作だよね。
松たか子、阿部サダヲ主演
詐欺師夫婦を描いているんでしょ。
「そう。
いま、その演技力が最も買われているふたりが、
同じく、『蛇いちご』で衝撃のデビューを果たして以来、
これまでの監督3作品、
そのすべてが高い評価を得ている西川美和の
メガホンの下で共演……
とくれば、これは期待しない方がオカシイ」

----ニャるほど。
このキャスティングからすると
コメディのような感じだけど…。
「いや。
個人的には、笑った箇所はせいぜい2、3か所くらい。
ふたりを九州出身にしていることから、
その方言などでにやりとさせてもいいはずなんだけど、
これが、いわゆる
方言がもたらすおかしみといった
テレビ・バラエティ的要素の方へはいかない。
思うに、
方言指導がかなり
しっかりしていたんだろうね。
博多出身のぼくから見ても
まったく違和感なかったもの」

----それがふたりが実力派と言われるゆえんかニャ。
そもそも、このふたり、
どうして詐欺などを思いついたの?
「ふたりは、
狭いながらも常連客でにぎわう
『いちざわ』という小料理屋を営んでいた。
ところがある日、調理場から炎が上がり、
店は、たちまち火に包まれてしまう。
妻の里子(松たか子)はそれでも
ラーメン屋で働くなど健気に頑張っていた。
一方、夫の貫也(阿部サダヲ)は
何もやる気が起きず愚痴ばかり。
そんな中、彼は泥酔した女性に駅のホームで出会う。
彼女はなんと店の客でもあった玲子(鈴木砂羽)。
家まで送って自然の成り行きで結ばれた後、
貫也は彼女に自分の弱音を見せる。
そんな彼に同情した玲子は
愛人からもらった手切れ金を渡す。
だがそのことは、
家で夫の帰りが遅いことを心配して待っていた里子に
あっという間にばれてしまう。
ところが、里子の怒りはすぐに別の方向に向かう」

----それが結婚詐欺ってワケ?
「そうなんだ。
世の中には、玲子のように
男に同乗してお金をつぎ込む女がいっぱいいると気づいた里子は、
自分がシナリオを書き、
それにのっとった形で貫也は行動していく。
さて、
ここからがこの映画の見どころ。
一人ひとりの女性の人生を目にしながら
それを踏みにじらざるを得ない貫也と、
彼女たちからの入金額にしか目に入らない里子。
ふたりのお金はどんどんたまっていくものの、
やがてそこに亀裂が生じ始める…。
もう、このシナリオの巧さ、
そしてその意を解した松たか子、阿部サダヲの演技の巧さ。
これだけの深い話を自ら脚本として仕上げただけでも驚きなのに、
西川美和は、さらにそれを憎たらしいほど見事に
<映画>としてスクリーンに焼きつけていく。
音のタイミング、風の起こし方、包丁やカモメの比喩的使い方…。
アレクサンドル・アストリュックの言葉じゃないけど、
まるで万年筆で書くかのようにカメラを自在に操っている」

----スゴイほめ方だニャあ。
「うん。
少なくともここまで観てきた中では、
今年、もっとも見ごたえのある日本映画だったことは間違いないね。
ぼくの場合、
映画に出てくる人物が自分の理解できる範囲だと、
『そうだよね…』だけで終っちゃうけど、
それを超えた人物が出てくると、
思わず姿勢を正してスクリーンを注視してしまう。
事実、西川美和監督自身もこう言っている。
『人間なんて何を考えて生きているかわからない生きものだし、
わからないからおもしろい。
(中略)
そもそも、人はいろいろな行動に端的な理由づけをおこなおうとするけど、
自分自身の行動原理を理解している人間なんてほとんどいないはずです』
とね。
これって、西川美和監督の映画の根底を流れている共通のものだと思う」

----ニャるほど、
だから『ゆれる』も、
あの時の行動への疑問に
正解というものが出てニャいのか…。


                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「でも、観たくないほどきつい部分も多いらしいのニャ」複雑だニャ

※そこはサラ・ポーリー監督『テイク・ディス・ワルツ』と同じだ度…


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『ニッポンの嘘 ~報道写真家 福島菊次郎90歳~』

2012-07-16 18:58:27 | 新作映画
----これって、ドキュメンタリーだよね。
『ニッポンの嘘 ~報道写真家 福島菊次郎90歳~』
このタイトルからしてスゴいインパクト!
「うん。そうだね。
このタイトルは
映画の内容を全部言っている。
主人公の“福島菊次郎”氏は“90歳”という高齢でありながら
“報道写真家”という激務をこなし、
隠された“ニッポンの嘘”を白日の下に引っ張り出していること。
いまの日本でこの高齢だと、
とっくに第一線を引退して余生を過ごしている人が多い。
そんな中にあって
このような“戦う人生”を選びとる人というのは
果たしてどんな人だろう?
そういう興味がぼくの中に湧いてきたわけだ」

----ニャるほどね。
「しかもそこに、
この福島菊次郎氏の厳しくも澄んだ目がかぶさり、
さらには
『表に出ないものを引っ張り出して、
たたきつけてやりたい。』
『問題自体が法を犯したものであれば、
報道カメラマンは法を犯してもかまわない。』
という
彼の生き方を象徴する
自身の挑発的な言葉が重なってくる。
これは、映画もだけど、
宣材物のアートワークもまた見事の一言」

----ふむふむ。
で、映画については?
「実はこの映画は、
2011年9月19日から始まる。
大江健三郎氏が呼びかけ6万人が集ったと言われる
『9.19 さようなら原発』集会のデモ行進を撮影する菊次郎氏。
つまり映画は、彼がいまなお“戦う”現役であること、
すなわち、
いまも『ニッポンの嘘』が続いていることを
観客に提示する」

----さっきから“戦い”という言葉が
よく出てくるよね?
「うん。
ここから映画は、彼が報道写真家となるきっかけとなった
原爆投下直後のヒロシマへと進んでいく。
これから観る人のためにも
あえて詳しくは語らないけど、
そこに彼の“戦い”の原点はあるんだ。
以後、彼は、学生運動、三里塚闘争、水俣、ウーマンリブ、自衛隊、祝島と、
ニッポンの権力に隠された嘘をカメラで暴き続けていく。
映画はその“真実”を記録した菊次郎氏の作品を紹介しつつ、
その時折の彼の考え、生き方に寄り添っていく。
さっきも言ったように、
この映画を少しでも多くの人に観てもらうためにも
これ以上は喋らないのが礼儀。
でも、ひとつだけ言わせて。
この映画を観た人はおそらくだれもが “人生”について
思いをめぐらさないわけにはいかなくなる。
人がこの世に生を受けて全うするまで…
その“生きる意味”というものを
ここまで考えさせてくれたドキュメンタリーも珍しい。
そう、彼の“戦い”は死ぬまで終わらない。
おそらく、今日(7月16日)、代々木公園で行なわれている
『さようなら原発10万人集会』」にも彼はカメラを持っていっているのではないか?
なぜって、彼の戦いは
あのヒロシマに始まったのだから…」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「これはもう伝説なのニャ」身を乗り出す

※福島菊次郎氏の生きざまを観ていると元気づけられる度…

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『ヘルタースケルター』

2012-07-11 23:21:01 | 新作映画
----おっ。やっとだね。
この夏の超話題作…。
「そうだね。
ただ、話題が主演の沢尻エリカ
映画以外での素行に集まりすぎているのが気になるけどね。
でも、それもやむなしか…。
本作は、やはり彼女なしでは考えられない映画」

----過激なセリフ、
それに大胆なベッドシーンもあると聞くけど…?
「もちろん、それもあるけど、
主人公・りりこと、演じる沢尻エリカが
ピッタリ重なって見えるところ。
一瞬、
沢尻エリカがりりこなのではないかと錯覚を起こしてしまう。
彼女も演じていて
これはかなりつらかったんじゃないかな。
さっきも少し話に出た、沢尻の奇行(?)も分かるような気がする。
ここまで役に入り込むと、
まともな神経ではいられなくなるんじゃないかと…」

----う~ん。言っていることは分かるけれど、
まだ、映画の説明が始まってニャいよ。
「あっ、ゴメンゴメン。
話自体は、そう難しい話ものではなく、
これは、芸能界の頂点に君臨するトップスターりりこを描いたもの。
日本中、どこを見ても、りりこ一色。
しかし、彼女には誰にも言えない秘密があった。
それは、彼女は全身整形ということ。
そしてその<秘密>をめぐって、
物語は思いもかけない方向に転がっていく…。
原作は、第8回手塚治虫文化賞マンガ大賞に輝く
岡崎京子の伝説的コミック。
監督は世界的フォトグラファーの蜷川実花
この映画では、
派手な原色遣いと大胆なカッティングで
観る者を
<あちらの世界=非日常空間>へと
一気に引きずり込んでいく。
しかも、りりこが<現実と悪夢>のはざまを漂い始めるシーンでは、
ダリが映画に関わつていた頃を彷彿とさせるシュールな映像が次々に登場。
映画を求めてスクリーンに対峙したファンをも
きっちり満足させてくれるんだ。
あっ、この<現実と悪夢>では、
少し『ブラック・スワン』を思い出したな。
ヒロインの性格はまったく違うけどね」

----音楽の方は?
「こちらも要注目。
ミュージシャンの上野耕治
日本映画らしからぬ音作りで
この世界観の造形に貢献している。
クライマックスでは戸川純の名曲、
『蛹化の女』
まで使われていて、
これはもう、ファン感涙だろうね」

----そういえば、サブキャストも凄いんだよね。
「うん。
大森南朋、寺島しのぶの『ヴァイブレータ』コンビ、
窪塚洋介、水原希子、哀川翔、鈴木杏、寺島進、新井浩文

ひと癖もふた癖もある個性派ばかり。
でも個人的には
70年代のミューズ、桃井かおり&原田美枝子のツーショット。
これは個人的に嬉しかったね」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「スターの世界は大変なのニャ」身を乗り出す

『何がジェーンに起ったか?』も怖い度…

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『アシュラ』

2012-07-08 19:21:30 | 新作映画

----ちょ、ちょっと…。
これってスゴく怖いんですけど…。
「そりゃ、そうだよ。
この映画は、かのジョージ秋山原作の『アシュラ』を映画化したモノ。
1970年から71年にかけて『少年マガジン』に連載。
その内容と描写が社会的問題になり、
有害図書として発禁にまでなった問題作なんだ」

----えっ、でも掲載されたのって少年誌でしょ?
「あの頃の『少年マガジン』は
表紙に横尾忠則を迎えるなど、
少年誌の枠を遥かに超えていたからね。
読者の中学生、高校生、そして大学生たちは
ある意味、時代の空気をここから感じたりもしていた。
いまだとサブカルなんだろうけど、
全国誌だし、これはカウンターカルチャーのほうかな。
まあ、時代が時代だけに
ちょっとやそっとのことでは驚かなくなっていたぼくだけど、
それでもこ『アシュラ』には、
正直言うと、嫌悪のようなものさえ感じた」

----えっ。それまたどうしてニャ?
「だって一言で言えば、
これはタブー中のタブー、人肉食いの話。
舞台は15世紀中期。
相次ぐ飢饉で人々は飢えている。
そんな中、子どもを気がふれた女性がひとりで出産する。
飢えた野犬が我が子を襲うのを追い返したまではよかったが、
自らも空腹に耐えかねて、
なんと、火の中に投げ入れて食べてしまおうとするんだ。
その時…という形でこの子は奇跡的に助かるワケだけど、
以後、彼自身も人肉を食らうことで生き延びていく…」

----うわあ、観たくない映画だニャあ。
「そうだよね。
実は、この漫画、最後がどうなったのか記憶になくて…。
そこでいま、ググってみたところ、
その中に、こんな一文があった。
“企画意図の釈明文が8月16日号で掲載され
今後の主人公が宗教的世界に目覚め
人生のよりどころを確立することが説明されていた”――。
しかし、マガジンの最終話ではそれは描かれず、
後に『少年ジャンプ』でその結末は実現したらしい。
そのことをぼくは知らなかったものだから、
最後はどうなるんだろう?と息を飲んで見守った。
なかでも、自分に優しくしてくれた少女・若狭の信頼を失ったアシュラが、
飢え細った彼女に肉を差し出すシーンは圧巻。
馬の肉だと言って差し出すアシュラの言を彼女は信じず、
絶対口にしようとはしない。
隣では、人肉でもかまわないと言って肉をむさぼる父親。
ここは、この映画のまさに白眉。
生を選ぶ<本能>と、それを押し留めようとする<理性>のせめぎ合い。
悪魔のささやきと天使のささやきと言っちゃうと、
漫画チックで滑稽になってしまうけど、
そこには確かに宗教的要素がある。
しかも、そのせめぎ合いの中に、
アシュラの言っていることは
<嘘>か<真>か?という疑心まで入れ込む。
このシーンは、まるで金縛りにあった感じだったね」

----絵も変わっているよね?
「そうだね。
水彩画をCGによって動かしたらしい。
監督は、『鴉-KARAS-』など、
知る人ぞ知る、さとうけいいち
主題歌は小南泰葉
昭和の名曲『希望』をカバーしているところがミソだね」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「これ、東映アニメーションらしいのニャ」おっ、これは

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『苦役列車』

2012-07-06 14:53:21 | 新作映画
----この映画、原作は芥川賞受賞だけど、
かなりエグイ内容だよね。
見るからに不潔そうなんだけど…。
「うん。でも作っちゃった。
この映画は、映画とは何かをあらゆる方向から
考えさせてくれる
ぼくにとっては刺激的な作品だったね」

----あらゆる方向からって?

それはね大別すると次の3つ。
(1)なぜ、映画は作られるのか?
(2)なぜ、人は映画を観にいくのか?
(3)映画を論じるとはどういうことか?
まずは最初の、なぜ、映画は作られるのか?
これは次の、なぜ、人は映画を観に行くのか?
と一緒に語っていいのかもしれない。
自主製作映画でない限り、
映画は人が観に来てくれなければ
興行として成立しないし、
作者側も映画を作り続けていくことはできない。
この原作『苦役列車』の場合、
原作が芥川賞であること、
そして受賞のスピーチで原作者・西村賢太
挑発的とも思えるスピーチをしたことなど話題性は十分。
だけど、その内容たるや
19歳の肉体労働者の青年・貫多(森山末來)が
屈折した生活を送る姿を描いたもの。
世はバブルで、周囲は浮かれている。
そんな中にあって主人公は、1万円代の家賃を何ヶ月も滞納。
なのに、風俗には足しげく通っちゃう」

----最低じゃん。
映像で観たら、かなり汚さそう
「そこなんだよ。
おそらくほとんどの人が
この主人公には嫌悪感に近いものを抱くと思われる。
せっかくできた友人・日下部(高良健吾)にも
酔ってその彼女に絡んだりで愛想を突かされちゃう。
“友だち”となってくれた古本屋の女性・康子(前田敦子)にも
青春の悶々をぶつけ、相手の気持ちなどお構いなし」

----イヤなヤツだね。
お近づきになりたくないニャあ。
「だよね。
周りにいたら迷惑なだけ。
なのに、映画になっちゃった。
これはどういうことなのだろう?
ここから社会的な問題の告発に進むわけでもなく、
人間とは何ぞや…を突き詰めるでもない。
まあ、それらが皆無というわけではないけどね。
しかし、映画として観たら、
これがオモシロいのだから困ったもん(?)だ」

----映画としてオモシロい?
「うん。
なかなか、ここまでの人は周囲にはいない。
どこかで、世間と折り合いを付けているのが普通。
だって、生きていかなくてはならないもの。
ところが、この主人公・貫多たるや
外での荷役から倉庫内勤務に昇格(?)したものの、
仲間内が事故に遭ったのを見て、
自ら荷役仕事に逆戻りしてしまう。
と、話していてぼくは
ポール・トーマス・アンダーソンの『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』を思い出したね。
あの映画の主人公と同じ、この貫多は怪物、モンスター。
ただ、前者は上昇志向。後者は今のまま、もしくは下降。
さあ、この映画、そういう風に観れば
ほんとうにオモシロいんだけど、
たとえば、カップルが月に一回映画を観に行くとして
あえて、この映画を選ぶかどうか?」

----そりゃあ、もっと美しい世界を観たいよね。
「(笑)。
さて、そして最後に、
映画を論じるとはどういうことか?について…。
ネットが普及して
映画に対するレビューをけっこう目にしたけど、
なぜか、そこで語られているのは
主人公に対する、自分の好き嫌いだったり、
ストーリーに対する、不満だったりすることが多い。
でも、この映画の場合、原作もの。
しかも、その原作は芥川賞というお墨付き。
そこで、そういうところ(主人公のキャラ、ストーリー)ではない
純粋に<映画>としての見どころで語ることができる。
こういう映画がもっと増えてくると、
日本映画もオモシロくなると思うよ」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「これ、全国のシネコンでかかるらしいのニャ」身を乗り出す
※言い忘れた。監督は『マイ・バック・ページ』の山下敦弘だ度…

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『プロメテウス』

2012-07-02 14:59:07 | 新作映画
※カンの鋭い人は注意。
※ネタバレにはならないようにしましたが
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。





(原題:Prometheus)


----これ、リドリー・スコット監督の映画だよね。
“人類誕生の瞬間”って、
ポスターに書いてあるけど
『エイリアン』の最初の話という噂も…。
「うん。プレスには“エイリアン”の“エ”の字も出てこない。
だけど、これはだれが観たって
間違いなくそうでしょう。
“エイリアン”が出てくる、出てこないとか以前に、
構造がまったくあの映画と同じ。
ある意味、焼き直しと言ってもいい」

----えっ?人類誕生じゃ、
エイリアンとは
話が全然違うように思えるけど…。
「じゃあ。
ネタバレにならない程度に。
プロローグは、とある宇宙人が
太古の地球と思しき場所で
有機生命体を生みだそうとしているところから始まる。
時代は下って、21世紀の地球。
時代も場所もまったく異なる地球上のさまざまな場所から、
共通性を有する壁画が発見される。
それは“人類の創造主”から宇宙への招待状ではないか、
そう考えた科学者たちは、
莫大な富を持つ資本家によって創られた
宇宙船プロメテウス号に乗って地球を旅立つ」

----あれれ、『エイリアン』とは違うよ。
「いやいや、ここからが同じ流れ。
目指す惑星が近づき、
乗組員は長い眠りから目覚める。
惑星に降り立った彼らは、
異星人の遺跡と思われる場所の奥深く侵入。
そこで未知の恐るべき生命体に遭遇。
その生命体は、人間の体内へも入り込み、急速な成長を遂げる…。
乗組員の中には、密命を帯びたアンドロイド(マイケル・ファスベンダー※字幕ではロボット)もいる。
クライマックスで最後に立ち向かうのは、やはりヒロイン」

----あらら、そこまで言っちゃっていいの?
「だから、
これ観ていたら強烈な既視感に捕われるから、
言っても何も問題ないって…。
あっ、でも『エイリアン』を観たことがない人は、
そうはいかないか…。
それと、もうひとつ。
今回はノオミ・ラパス、シャーリーズ・セロンのWヒロイン。
それぞれの役割はここでは伏せているからね…」

----はいはい。
で、その人類起源の謎は解けたの?
「いや、なぜその創造主が
そういう試みをしたのかが分からないまま。
じつは、そこがこの映画のラストとも結びつき、
続編の可能性を匂わせてはいるんだけどね。
ほんとうは、あれに似たこれが出てくるよ…とか、
あれとこれって同じだよねとか、
もっと無責任にワイワイガヤガヤ喋りたいんだけど、
あまり言ってはいけないと釘を刺されているので、
この程度で止めておくけど、
これは観た後に、お互い確認をしあいたくなる映画。
おそらく、この一本だけでオフ会とかも可能なのでは…。
ただ、その前に『エイリアン』シリーズを全部とは言わなくても、
一作目だけでも、もう一回観ておいた方が
10倍は楽しめるだろうね」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「リドリー・スコット、今後、3Dなしでは仕事をしないということらしいのニャ」ご不満
※ぼくは2Dで観たけ度…

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画像はアメリカ・オフィシャル(ダウンロードサイト)より。※ギャラリーにはもっとありますが、ネタバレになるのでwallpaperのみに抑えました。
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