ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『エヴァンジェリスタ』(byえいwithフォーン)

2004-10-30 17:45:48 | 新作映画
-----オカルト映画って、えいは苦手だよね。
「そうなんだけど、でも好きなんだよね。
怖いだけに、退屈する余裕がない(笑)」。

-----いままでで最も怖かったのは?
「あたりまえだけど『エクソシスト』『リング』それに『呪怨』かな。
あっ『ローズマリーの赤ちゃん』もだね」。

-----この映画って『ローズマリーの赤ちゃん』と似てるよにゃ。
そうなんだ。そういう意味で期待してたんだけど、
まったく怖くないんだ。
それどころか突っ込みどころ満載で笑ってしまいたくなる。
その一つひとつを説明しようとしたら、
筋を全部話さなくなるからやめるけど、
要は悪魔の赤ちゃんを身ごもった妊婦と夫の話。
『ローズマリーの赤ちゃん』は天井の高い部屋一つとっても怖かった。
しかもヒロインの恐怖は、
周囲からは妊婦ゆえの不安定な精神と思われ、
だれからもまともに取り合ってもらえない」

-----ふうむ、それはつらいにゃ。
「この映画ではヒロインを助けようとする神父が出てくる。
ところが、彼がまともなのか、そうでないのか分からない。
これは演出の計算の失敗だね。
この役にアンディ・サーキスのような怪優は使わない方がいいと思う。
ラストのオチも、子役を恐い顔に演出したというより、
それっぽい顔を盗み撮りしたって感じ(笑)」。

------結局、つまらなかったのかにゃ。
「いや、こういういい加減さは好きだな。
ここまでくるとB級どころかC級D級。
あれでヘザー・グラハムがもう少し脱いでくれたらな」。

------おやおや、すっかりオヤジだ。

※怖い度

『キャロルの初恋」(byえいwithフォーン)

2004-10-27 22:39:35 | 新作映画
「これはちょっと複雑な気分にさせる映画。
主人公のキャロルはアメリカ人の父とスペイン人の母を持つ少女。
時代は1938年。アメリカ人の父親は義勇兵に志願し、
国際旅団のパイロットとして戦っている。
これはその内乱下のスペインで過ごした少女キャロルのお話なんだ。
キャロルは男勝りというか、
父の気性を受け継いでいて、祖父言うところの強情な性格。
で、最初は地元の男の子とケンカしてるんだけど、
やがてほのかな恋が互いに芽生えてくる」。

------そんなにおかしくないじゃない。
「うん、それはそうなんだけど、
たまたま今日イラクで人質の問題が起こったこともあり、
そのことと重ねて観てしまったんだね。
もちろん、こちらは個人単位の参加、
イラクは国単位の参加という違いははあるけども…」。

------わかった。どちらも自分の主義が正しいと思い、
よその国で戦っていることに関しては違いがない。
「そうなんだ、主人公のお父さんはアメリカ人だし、
一般に、あのスペイン内戦では、
反ファシストで戦った義勇兵が称賛されているよね。
もしブッシュやどこかの国の首相もそのつもりだとしたら、どうだろう?
そう考えるとこの映画は複雑な色合いを帯びてくる。
しかもスペインは、イラクから撤兵した。
これはその前の政権の時代に作られてるけど」。

------ううむ。監督がどちらの立場かということだね。
「もちろん、映画は義勇兵側の立場で描いているわけだけど…。
でも、本当言うと、そんなことを省いても
この映画はなかなかよかったよ。
まずヒロインの女の子がいい。
クララ・ラゴ。目線が強い。
その彼女が演じるキャロルが
先ほど言ったように強情なまでに自分を押し曲げない。
それは優柔不断にすべてをやり過ごそうとする祖父の生き方にまで
影響を与えていく。
子供たちは大人をクールに見てるんだ。
よくある、<こんな時代だけど子供たちは…>ではないんだね。
ちゃんと子供のことを分かってる。
同じ視線に立ってる。
あっ、時代の再現、そして風景の捉え方もよかったよ」。






『スーパーサイズ・ミー』(byえいwithフォーン)

2004-10-25 23:07:59 | 新作映画
-----これってマクドナルドばかり食べ続けると
体に悪いという映画だよね。
「そう。最初はオモシロいんだけど、
結局、結論が見えてるもんだから、
だんだん興味が薄れていくのが欠点と言えるかも。
でも確かに被験者の監督の体は信じられないくらい悪くなってたね。
コレステロールはともかくとしても
肝臓の数値なんて10倍近くなるし、
血圧も一気に上昇してた。
それもわずか2週間かそこらで」。

-----ふうん、なんだか「逆あるある大辞典」って感じだね。
「うまいこと言うね。
で、宣伝会社がタイアップしてる。
実はこの監督の彼女が
映画撮影後に『解毒メニュー』を作ってるんだけど、
そのコースメニューを出してくれるお店が青山にできたんだ」。

-----なるほどね。で、公開は?
「来年の初め。正月映画だ。
ゲロ吐くシーンとかあるし。
隣で観ていた女性は顔背けてた。
でも一番不気味だったのは
<マックナゲットは鶏のどの部分で作られているか?>」。

-----正月からそんな映画観たくないニャ。
<>

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『パニッシャー』(byえいwithフォーン)

2004-10-23 00:23:36 | 新作映画
------おっ、今日はニコニコだね。
「そう、思わぬ拾いものというのはあるもの。
この映画、試写状だけ見たらフィルムノワール、
またはハードボイルドを現代風にクールにやったものって感じで、
観る前は、多分ノレないだろうなと思ってたんだ。
ところが意外やこれがストレートなアクション。
お話は
逆恨みを買って家族を皆殺しにされた潜入捜査官が
最初は復習のために、しかし最後は制裁者(パニッシャー)として
悪と戦うというもの」。

------シンプルだなあ。よくある話じゃない。
「そうなんだけどね……。
うん、ちょっと説明したくなってきた。
たとえば彼と妻の家族が皆殺しにされるシーン。
主人公が潜入捜査官の任務を終え、
リゾート地でみんなで休暇を楽しんでいる。
そこにロイ・シャイダー扮する父親の
孫に言及した泣かせコメントが入る。
…と、こういうのが大事なんだ。
家族の楽しさ、絆の深さをたっぷり見せる。
そのことにより、観る側も彼ら家族に感情移入して、
敵がその幸せな時間を無惨にも一瞬にして断つさまを
哀しみと怒りの感情をもって観ることができる。
ところが最近の映画ときたら…」

-----意味もなく、すぐ大銃撃戦---って言いたいんだろ?
「そう、『TUBE』とかがいい例だ。
ただ、最初は主人公のあまりの不死身ぶりにあっけに取られたね。
胸を撃たれてもガソリン爆発で吹き飛ばされても生きている。
でも、すぐに気がついた。
これって原作がマーベル・コミックスなんだ。
それを監督ジョナサン・ヘンズリーが
60~70年代のアクション映画を研究した上で、
そのタッチに乗っ取りながらアクションに仕上げた。
だったら、多少マンガチックに強くても納得いく。
こっちもそのつもりで付き合えるってわけだ。
さらに言えば、彼を狙いにくる殺し屋も個性的で魅力がある。
ギターを抱えてたり、ロシアの大男だったり。
ザ・ロシアンとの家の中の死闘なんて、
同じようにな設定で戦った『マッハ!』のそれより遥かにキレがいい。
たとえばこちらの部屋で、壁を突き抜ける死闘を演じてるのに、
隣の部屋ではオペラが大音量で流れていてだれも気づかない。
ところが観客にはペラの部屋の窓の向こうに
彼らの死闘が見えている…。
うまいなあ(ため息)」。

-----俳優もよさそうだね。
「主演のトム・ジェーンはクリストファー・ランバートを
思いっきりシャープにした感じ。
ジョン・トラボルタの悪もいよいよ堂に入ってきた。
ウィル・パットンも渋いし、
女優陣もレベッカ・ローミン=ステイモスにサマンサ・マシスと、
適材適所だったね」。

-----ほんと手放し(笑)。ほめるときは徹底してほめるにゃあ。
「あ~、早く続編が観たい」。

『理由』(byえいwithフォーン)

2004-10-21 23:45:44 | 新作映画
-----これってwowowでやったヤツだよね。
「そう、難しいことは省くけど、
TVはハイビジョン、こちらはフィルム。
撮影、照明には凄く凝ってたけど、
なんとも疲れたね」。

-----というと?
「2時間40分登場人物が証言、つまり喋りっぱなっし。
かつて大林監督は『映画は行間を読む芸術----』みたいなことを
語っていたけど、これはとてもそうは思えなかった。
原作に敬意を表してのことかもしれないけどね。
ラストなんて字幕テロップで原作の文章を
(だと思う。読んでないので間違ってたらごめんなさい)流す。
気持ちは分かるけど、監督が大林宣彦。
映像の魔術師と言われるくらい、
映像で語ってた人だけに少し複雑だったな」。

-----そういえば、登場人物がみんなノーメイクとか?
「107人。ファンデーションもしてないんだから、
これは話題になるよね」。


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『海猫』(byえいwithフォーン)

2004-10-20 23:47:19 | 新作映画
「いったいどうしちゃったんだろう森田芳光」。
-----うん、荒れてるにゃ。
「あの監督は1作ごとに新しいジャンルに挑戦していて、
その作品にあった話法で語ってくれる。
でも、この映画に限って言えば、
どこかで観たことがあるような映像がダラダラ続くだけ。
いくら内容が古めかしく、北の国の話とはいえ、
これはないだろう。
クライマックスが終わった後もやたらと長いし、
最大の問題は主演の伊東美咲が演技になっていないと言うこと。
脱いだとか脱がないとか言う以前の問題。
第一、声が出ていない。
いい方に考え、ヒロインの父親がロシア人だったから
日本語がうまく話せないからとか、
嫁いだ先で肩身が狭い思いをして、声が小さくなってるからとか
いろいろ考えたけど、どうもそうではないらしい。
あっ、そのヌードシーンもたいしたことないよ」。

-----ふ~ん、さんざんだにゃ。
「また、GLAYのTAKUROが作詞・作曲した音楽が、その演歌性を後押し。
うまかったのはポスターのキャッチコピーくらい。
映画の中のセリフを援用した『俺、いやだよ。兄貴があんたを抱いた。』
これって、原作知らないから全く逆の意味に取ってしまった」。

-----と言うと?
「うん、この<あんた>は実は兄嫁のこと。
となると、夫と妻なわけで、夫が妻を抱くのは自然なこと。
でもその設定を知らなかったものだから、
そこにどんなドラマがあるのかと想像を膨らませたわけさ」。

-----にゃるほど。
確かに兄嫁が弟に迫ってるようにもとれるしにゃ。
で、他にいいところは?
「久々に見る白石加代子の怪演かな(笑)」


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『ハウルの動く城』(byえいwithフォーン)

2004-10-19 23:36:52 | 新作映画
------今日は待望の『ハウルの動く城』だね。
おやっ、なんだかすっきりしない顔してるな。
「うん。終わった後、知り合いに声かけられたけど、
彼もうつむいたまま。
前作『千と千尋の神隠し』のようなカタルシスがない」。

------そういえば、宮崎作品にしては周囲の盛り上がりもイマイチ。
「そうなんだよね。封切り前に余裕で完成したのも
最近の彼としては前例がないこと。
なんだか、映画自体も落ち着きがないと言うか、
何がやりたいのかよく見えない。
あいかわらず、キャラクターも含め、
イメージの奔流は凄まじいんだけど、
それがいたるところからあふれて、
取り留めがつかなくなったって感じかな」。

-----キムタクはどうだったのかにゃ。
「言われてるほどには気にならなかったね。
問題なのは倍賞千恵子の方。
おばあちゃんになったヒロイン、ソフィーはともかく、
少女ソフィーも全て彼女がやってるものだから、演劇的な感じ。
おまけに寅さんの妹さくらが浮かんでしまう。
あれは、無名の人を使った方がよかったんじゃないかな。
それと、イラク戦争と最近の世相が大きく影を落としている気もした。
セリフの端々にそれを意識させる言葉が出てくる。
『敵でも味方でも街を攻撃するのは…』みたいにね」。

-----ふうん。そうなると主人公の設定も難しいだろうにゃ。
「そうなんだ。
ハウルは自分が戦う理由を見い出せずに
それでも戦い続けては傷ついている。
で、ソフィーに出会ったことで
『君を守るため』と気づく。
しかし少女は『ハウルは弱いからいい』と言うんだ。
また、ハウルとソフィーは最初、荒地の魔女と戦ってたのに、
いつしか敵は別のものになっている…。
おそらくあれもこれも言おうとして
収拾がつかなくなったのでは?
でも、物語に整合性を求めず、
天才・宮崎駿のイメージを楽しみたいという向きには、
十分すぎる贅沢な映画だけどね」。


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『雨鱒の川』(byえいwithフォーン)

2004-10-18 23:00:39 | 新作映画
------今日の映画は『雨鱒の川』。おや、あんまり喋りたくなさそう。
「うん。どうにもこうにも古めかしすぎて…。
口と耳が不自由な少女・小百合と、
その子の言葉が分かる絵の才能に恵まれた少年・心平。
ふたりは、雨鱒という魚と出会い、仲良くなる。
で、雨鱒がお嫁さんの鱒を連れて上流に旅立つ日、
小百合は心平と結婚することを約束。
しかし、14年後、小百合の家の酒造に勤めた心平は
やはり絵に夢中で、仕事にミスしてばかり。
小百合の父は、娘に家を継がせるために、
昔から彼女を思っている英蔵と結婚させようと、
心平を東京に追いやる」。

------なるほど、どこかで聞いたような話だ。
「全体の話ばかりでなくデイテールもそう。
父母が小百合と英蔵を結婚させようとしてるのに…」。

------分かった、おばあちゃんだけが反対。
「そう。そして、そりゃないだろうと思うのが、
心平が14年ぶりに東京で偶然再会するかつての同級生の少女。
心平を見て『全然変わらないね』。
冗談じゃない。屈託ないあの少年は、
母親の死やさまざまな体験を経た後に心ならずも上京。
いまは鬱々として覇気がまったくない」。

------もしかして心平を元気づけようとしてのセリフかもよ。
「そんなもんかね。
この映画、ノスタルジックな割には、
物語のキーとなるところにCGを使っている。
雨鱒が、尾ビレで足をたたいたり、水面をジャンプしたりして
少年たちと交流するシーンは、
ワンショットの撮影なんてできるはずないからCG合成。
これはうまくできてはいるんだけど、
実際にはあり得ない“画”だけに違和感が残る。
北海道の大自然を強調した作りだけに
どうしても浮いた感じが否めないんだ。
じゃあ、どういう撮影をしたらいいのかと言われると、
答えに窮してしまうんだけどね」。

-------なんだか、歯切れの悪い喋り方だにゃ。

『ベルヴィル・ランデブー』(byえいwithフォーン)

2004-10-17 22:16:02 | 新作映画
------『ベルヴィル・ランデブー』って、フランスのアニメだよね。
観る前は確か全く期待してなかった…のでは?
「うん。でもやはり映画は観てなんぼ。
ポップでシュールでノスタルジック。
独特の味わいだったね。
絵柄だけ見ていると、ツール・ド・フランスを目指す男の子の
ハートウォーミング・ドラマかと…。
でも、全然違ってた。
ツール・ド・フランスのレース中に、
主人公シャンピオンと他の選手2名が、
謎のマフィアに誘拐されてしまい、
彼を親代わりに育てたおばあちゃんが犬のブルーノと一緒に
孫を探し、助けに行くという冒険物語なんだ」。

-----ベルヴィルというのは?
「摩天楼がそびえ立つ巨大都市の名前。
“ベルヴィルの三つ子”という歌手グループの老婆たちが
このおばあちゃんの手助けをするんだけど、
彼女ら三人の老婆たちはかつての人気歌手。
ところがいまは落ちぶれて古ぼけたアパートで貧乏暮らし。
で、食べるものがダイナマイトを爆発させて取ってきた蛙。
蛙のシチューに、蛙のおつまみ(笑)」。

------そりゃ、確かにシュールだ(笑)。
「そうなんだ。シュール。
おばあちゃんがさらわれた孫のシャンピオンを追うのも
足漕ぎボートを使って…。
ボートで汽船を追いかけ、荒れ狂う嵐の海を行くなんて、
それだけでありえない。
あと、おばあちゃんも、シャンピオンもずっと無言。
最後になって、やっとセリフが出てくるという凝りよう。
この不思議な味わいは、一見の価値ありだね」。



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『いま、会いにゆきます』(byえいwitkフォーン)

2004-10-15 23:17:16 | 新作映画
------『いま、会いにゆきます』って、
社内試写でバンバン予告やってた作品だよね。
「そう、こういうときは自信作ということが多いんだけど、
確かにそのとおりだったね」。

-----竹内結子ってゴーストファンタジーが多いじゃない。
他のとどう違うの?
「うん、一番大きな違いは現世に戻ってきた彼女に
かつての記憶がないということ。
これは最後になって理由が分かるんだけど、
それはさておき、この映画は久しぶりに涙ボロボロの映画。
周囲からも嗚咽が漏れてたね。しかも特に男性に」。

-----物語を少し詳しく説明してくれないかにゃ。
「夫と子供をおいたまま妻が亡くなってしまう。
でも生前、彼女はある絵本を描いていたんだね。
で、そこに描かれたとおり、雨の季節に夫と子供のもとへ戻ってくる。
しかし、その絵本によると雨の季節が終われば、
彼女はまた去っていかなくてはならない。
記憶を失った彼女はそのことを知らないんだけど、
息子が見つけてきた昔の日記を読むうちに、
自分にまつわる大きな秘密を知ってしまう」。

------ふむふむ。それで?
「やがて梅雨があけ、彼女は絵本に描かれたとおりに去っていく。
普通だったら、ここが大きなクライマックスとなるわけだけど、
なんとこの映画ではここからまた新たな物語が生まれてくる。
しかもそちらの方が、より大きな感動を呼ぶ。
実にうまいシナリオだね。
脚本が岡田惠和、監督はこれが劇場デビューとなる土井裕泰。
TVの「夢のカリフォルニア」もよかった、あのコンビだね」。

------でも、その話って原作の貢献度が高いのでは?
「それは原作を読んでないから分からないけどね。
帰りに本買ってきたから後で比べてみるけど…。
でも、照明や美術、撮影、それに雨などの特機と、
すべてが丁寧な仕事で、
この映画をしっとりと仕上げていたよ。
で、なによりも一番感動的なのはラストに
タイトル『いま、会いにゆきます』の意味が分かるところ。
いやあ、テーマと結びついたいいタイトルだわ」。


※追記
夫役の中村獅童を「弱い男」にしたのもよかったです。
パニック障害的な神経症で、人混みや乗り物がダメという設定です。


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『ULTRAMAN』(byえいwithフォーン)

2004-10-14 00:02:10 | 新作映画
----あれっ?『ウルトラマン』が横文字になっている。
「うん、これはタイトルの意味が“超人”だってことを
改めて知らせているんだろうね。
『デビルマン』で知ったかぶりをやって失敗したし、
この映画もあまり詳しく言うとボロが出てしまいそうだけど、
ここしばらくの『VS』シリーズの『ウルトラマン」とは
大分趣が違っていたのは確かだね」。

----というと? 
「ほら『ウルトラマン』といえば、
制服を着た“なんとか隊員”たちが出てくるだろう?
ところがこの映画は防衛庁という実在の組織が出てくる。
しかも自衛隊が撮影協力…」。

-----まるで最近の『ゴジラ』みたいだにゃ。
「そうなんだ。ところが『ゴジラ』は東宝の全国番線。
なのにこちらはシネ・リーブル池袋ほか。
この違いってなんだろうって考えてみたんだけど、
結局、出自が映画かTVかということなんだろうね」。

-----なるほど。出演俳優も
これまであまり他の映画では見ない人が多かった。
「今回は、別所哲也、遠山景織子、裕木奈江、大隅賢也、
永澤俊矢、隆大介、草刈正雄……けっこう豪華だ。
映像も頑張ってたし、
敵役の怪獣ザ・ワンなんて、
最後はデビルマン顔負けの巨大な悪魔の姿になる」。

-----で、どうなの?結局オモシロかったの?
「う~ん、難しいな。
ここまで本格的にやる気があるんなら、
もっと徹底してほしかったという気がする。
たとえば市街戦。
街のセットがいかにも描いているって感じ。
窓は透明度がなく、街には人っけが全くない。
立体書き割りの中で戦っているのが分かった瞬間、
興醒めになってしまう。
一部、新宿副都心の映像なんてCGを使ってるとか。
どうせなら書き割りよりそれでとおせばいいのに…。
お金の問題もあるんだろうけど、惜しいな」。


『ビッグ・バウンス』(byえい)

2004-10-13 01:19:51 | 新作映画
「観た映画全てを紹介するのはけっこうしんどいもの。
たとえば今日の『ビッグ・バウンス』なんて、
エルモア・レナードの初期作品を映画化したというだけで、
だから特別どうということもないわけで…。
でも、何かないかを探すのがこのブログの特徴。
その趣旨に乗っ取るなら、
まあ、よくこれだけ多くの俳優が参加したということかな。
主演のオーウェン・ウィルソン、
共演のモーガン・フリーマンはともかく、
ゲイリー・シニーズ、ヴィニー・ジョーンズ、
ウィリー・ネルソン、ハリー・ディーン・スタントン…。
まあ、渋い渋い。
で、驚くのがチャーリー・シーン。
これがブクブク太ってしまって
『ルーキー』の頃の面影、まったくなし。
あと、そうだな。
ボディラインが見事なサラ・フォスターは
男なら見逃せないってところかな。
さあ、明日の映画に期待だね」。

『でらしね』(byえいwithフォーン)

2004-10-12 00:22:49 | 新作映画
-----“でらしね”って、へんなタイトル?
「フランス語で“根無し草”だったかな。
学生運動華やかなりし頃、
体制内にいながら体制に順応できない人という意味で
よく使われていたよ」。

-----へんなこと知ってるにゃ。
そんなの今の時代に受けるの?
「そう。その話をする前に、まず物語を。
主人公は、かつて絵の才能にあふれていた男。
今はサラリーマンの彼が、
ある名画に衝撃を受けて、
再び絵を描くことに自分の生きる意味を見い出す。
で、サラリーマン生活をやめて、
ホームレスとなり、
段ボールの切れ端に絵を描き、
それを仲間が売るという暮らしを始めるんだ。
それに目を付けたのが野心的な美人画商。
彼女は男に賭けようと私財を投げ打ち、
彼に絵を描くよう持ちかける。
最初は断っていた男も、
生活苦から筆を取らざるを得なくなる---」。

-----なるほどね。で、主役は?
「奥田瑛二。ピッタリだろう。
女画商に『六月の蛇』の黒沢あすか。
この後、最初は筆が運ばなかった主人公が
女画商の裸を描くことで
自分の世界を取り戻すという展開になるんだけど、
これは予想がつきすぎ。
またか、っていう感じ。
裸絡みのシーンが、なんか懐かしい感じと思ったら、
監督が中原俊。
やはりこれは、日活ロマンポルノを知る世代や、
あの熱い政治の時代をかじった人にしか難しいかも。
でも、それもキツイかな。
あまり見たくない、触れられたくない
って感じになるかもしれないしね」。

-----なるほど、“でらしね”の意味も少し分かった気がするにゃ。

『ターミナル』(byフォーン)

2004-10-10 23:19:43 | 新作映画
-----今日はフォーンが喋ります。

えいが言うには
この映画はスピルバーグが作ったハートフル・ドラマで、
飛行場のターミナルを舞台にしているのだそうです。

STORY*
主人公はある東ヨーロッパの男。
彼が飛行機に乗っている間に、男の母国で政変が起きます。
で、アメリカと国交がなくなり、
そのため彼はアメリカに入国させてもらえない。
もちろん帰る飛行機も飛んでない。
パスポートもビザも取り上げられた男は
仕方なくそのターミナルで寝泊まりするのです。
ところが、彼はその間にターミナルの職員たちと親交を持ち、
ターミナルでの左官・大工の仕事もゲットする。
そして、あるスチュワーデスと知り合い、
彼女との間には、愛らしきものが芽生える。
ところが、このスチュワーデスはずっと不倫中。
さて、男はアメリカに入国できるのか?
あるいは母国に帰ることができるのか?
そして、彼とスチュワーデスの愛の行方は?

で、えいがどう思ったかですが
(※ここからはネタバレ注です)。

えいは、ふと気付いたのだそうです。
スピルバーグには『オールウェイズ』のような
ラブファンタジーの例外はあるにしろ、
いわゆる、男と女の愛を真っ向から描いた映画がない。
はて、彼はこの愛にどういう結末をつけるのか?----
と、途中から興味津々だったそうです。
いくらネタバレありと言っても
あからさまに書くわけにはいきませんから、
匂わせる程度にしましょう。
この映画では、あるヒミツが最後に明らかにされます。
といってもシャマラン監督のような
あっと驚くびっくり仰天のエゲツないヒミツではないです。
それは「約束」で、男はその「約束」を実行するために
アメリカに来て、そのときを「待ち続けている」のです。
やはりスピルバーグは人間を信じるタイプの監督。
でも、女性に対してはけっこう厳しい目を持っている---

というのが、えいが感じたことなのだそうです。
これ、やはり喋りすぎかにゃあ。



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『エイリアンvsプレデター』(byえいwithフォーン)

2004-10-09 23:40:12 | 新作映画
-----『エイリアンvsプレデター』、
これは怖そうだにゃ。
「そう思いがちだけど、
心配しなくても大丈夫だよ。
『vs』とついた時点で、これは対決。
対人間でなく、両者のどちらが強いかを競いあう映画になっている。
もちろん、どちら側からも
人間が狙われる設定には作ってあるけどね」。

-----そうか。『フレディvsジェイソン』と同じだね。
「そういうこと。
物語はよく考えてあるんだ。
プレデターはある年令に達すると、
“一人前”と認められるための
エイリアンを狩る儀式を行なう。
その狩りの舞台となるのが地球。
プレデターは古来より人間に文明を与えて、
巨大建造物を作らせ、
その中でエイリアンを育てていたというんだね」。

-----じゃあ、ピラミッドもプレデターが作り方を教えたの?
「そういうこと。
アステカ文明もカンボジアもだって(笑)。
で、また狩りの季節がやってきた。
そこでプレデターは人間に
その遺跡の一つを発見させ、
エイリアンの生育のために必要な
彼ら人間をおびきよせたというわけさ」。

-----なんだか、そこまで聞くと、
どっちが勝つか予想がついちゃうな。
「それはちょっとまずかったかな。
でも、映画のキャッチコピーじゃないけど、
どっちが勝っても人類に未来はないわけで、
この絶望的結末をどう乗り越えるかが、
今回のポイントの一つだね。
第1作のダン・オバノンが
共同脚本にクレジットされていることもあって、
今までのシリーズの引用が
至るところに散りばめられていて、
それだけでもけっこう楽しいよ」。


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