ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『トウキョウソナタ』

2008-06-28 17:09:47 | 新作映画
----これって、海外で人気の高い黒沢清監督が
日本人監督初となる
カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の審査員賞を受賞した映画だよね。
「うん。本当によくできた映画というのは、
こういうのを言うんだろうなあ。
家族4人の物語。とてもヘビーなのに、
決して目を背けようという気にはならず、
スクリーンにぐいぐい引き込まれてしまう」

----どういう内容ニャの?
「もう、チラシのコピーそのまま。
リストラされたことを家族に話せない父。
ドーナツをつくっても食べてもらえない母。
アメリカ軍へ入隊する兄。
こっそりピアノを習う弟。
映画は、その中でも父(香川照之)と
母(小泉今日子)にスポットを当てる。
実はプレスには詳しくストーリーが書かれているんだけど、
これは観る前には情報をシャットアウトした方がいい。
普段どおり、会社に通勤する振りをしている父が
昔の友人(津田寛治)と公園で再会する話と、その顛末。
母の身に突然襲いかかる事件と、
その後の非日常的な出来事。
その中で、彼女が吐くいくつかの名セリフ。
これらは、ほんとうは喉まで出かかっているんだけど、
初めて見聞きした方がインパクトがあると思う」

----へぇ~っ。絶賛に近いんだニャあ。
ちょっと意外な気がする。
「ぼく自身もちょっと意外だったね。
黒沢清監督がここまで現実を見据えた映画を作るとは…。
常々、日本の監督はどうして
いまのこの社会を撃つような映画を作らないんだろうと
不満に思っていただけに、
ここまで真っ正面から時代と取り組んだ映画を観ると嬉しくなる」

----そういえば、公園で
ボランティア配給の食事の列に並ぶとかいうシーンもあるよね?
「うん。ちょっと前まではここに並ぶ人って
ジャンパー姿の、
ホームレスに近い感じの人が多かったけど、
ここでは、その中にスーツ姿の男を何人かまぎれさせる。
そのインパクトはすごいよ。
まさに映像で見せる映画だ。
実は、この主人公がリストラになるきっかけというのが、
中国の進出が関係している。
まずここが怖い。
リストラの理由と、その言い渡し方。
これ、マネする会社が出てくるのではないかとヒヤヒヤだ。
それは彼のような総務課長でさえも安泰でないことを意味している。
で、彼は男として、父として、
つまり一家の長として権威を保ち続けようとする。
そこでいろんな歪みが出てくるんだね」

---これがアメリカとかだったらどうニャんだろう?
家族みんなで立ち向かわないのかニャあ?
「そこが、ある意味、日本人的なんだろうね。
やがてそのことを知った母が、
この事実をどう受け止めていくか?
そこにまた、日本の母親、女性論が展開される。
と、いろいろほめたけど、
一ヶ所、いやいくつか疑問点もないわけではないんだ。
(※ここからしばらくは、私の勘違い。抹消線を引いておきます。
hackさん、ご指摘ありがとうございました)

たとえば、次男が父親と喧嘩して階段から落ち、
病院に担ぎ込まれるシーン。
ここで普通なら、会社を辞めていることがバレるはず。
だって保険証はすぐ返却するはずだもの。
夜間の救急でも、
次の日には保険証を持っていかなくちゃならないし。

他にも、トイレ掃除ってゴム手袋しないのかなとか…。
まあ、これは仕事のキツさを目立たせるための演出だろうけど。
(※これも人によるのかもしれませんね。
今日、行ったイオンモールでも手袋をしいない方を見かけました)

---それって重箱の隅つついてニャい?
「そうかもしれない。
でも、リアリティ重視のこの映画は
そのあたりもきちんとやってほしかった。
この保険証から、また新たなドラマが生まれるというのも
映画として一つアリなのじゃないかと…」

----そういえば、ラストに希望の片鱗が---と言われているよね。
「うん。息を飲んで見守ったけど、
それはほんとうに“片鱗”。
兆しというところが
嘘っぽくなくっていい。
そして、ここの香川照之の演技がまたいいんだ。
ロングショットなんだけど、
誇りを持って胸を張っている。
そうそう、演技といえば小泉今日子もよかったね。
父親に対する諦め、あるいは侮蔑ともとれる視線。
あと、詳しくは言えないけど、
海辺で彼女が吐く、ある名セリフ前後のシーンは、
まるで別の俳優かのよう。
キョンキョンという衣を脱ぎ捨てた名演だったね。
しかし“信じられるのは自分だけ”というメッセージを放つ
家族映画というのは初めて観た気がする」


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「これは観るべきだニャ…」おっ、これは

※ここには日本の今がある度

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『蛇にピアス』

2008-06-27 16:12:22 | 新作映画
※【ネタバレ注意報】原作を読んでいない方にとっては少しネタバレチック。
その場合は鑑賞ご予定後に、お読みいただくことをおススメします。



「う~ん。これは苦手なタイプの映画だったなあ。
観ていてとにかく痛い」

----イタい?ヒドいってこと?
「いや、そのイタい、じゃなくて本来の意味の痛い。
舌にピアス開けるなんて---。
そういう内容の映画だってこと、
原作読んでいたのに、まったく忘れていた。
舌が最後、二つに分かれる瞬間まで描かれたら
どうしようかと…」

----そういえばこの映画、
芥川賞を受賞して話題になったんだよね。
「うん。ヒロインのルイ(吉高由里子)が渋谷で
蛇のような舌“スプリットタン”を持つアマ(高良健吾)にナンパされて、
自分も同じような舌を持ちたいと思い始める。
それがきっかけで、サディストの彫り師シバ(ARATA)と知り合った彼女は
彼とも関係を持つようになる。
そんな中、アマが失踪してしまう。
もしかしてこれは、
かつてアマがルイに絡んだヤクザの男を殴り殺したという
過去の出来事と関係があるのではと心配するルイは
シバとともに彼を捜すが…」

----そうそう、そういう内容だったね。
お話自体はシンプルだけど…。
えっ、ニャに。2時間以上もあるの?
「うん。監督が演劇界の重鎮・蜷川幸雄。
一つひとつの描写がかなりねちっこい。
いわゆる、示唆ではなく直接的に見せていくんだね」

---それって、肌に刺青を彫っていくところも?
「そういうこと。
ピアスの穴が次第に大きく変わっていくさまもね。
で、高良健吾もARATAも顔中ピアス。
それでセックスまでされた日には、
もう痛くて痛くて。
いつか、ちぎれるんじゃないかと…」

---う~ん。これは、観る人を選びそうだニャあ。
「うん。でも仕方ないだろうね。
心と体の痛みでしか生きることを実感できない----
この物語のテーマを、
目で見て実感してもらうには、
こういう<直視>しかないとおもう。
原作だと<文字>だから
そこで<想像>が働き、
読む人によってそれは広がりもすればセーブもできる。
だけど、映画だと中途半端なことをやってしまっては
映像化の意味が薄れてしまう。
あくまでも、こういう映画の場合だけどね」

----そういえば、これって
最後の方は意外な展開を見せるお話だったよね。
「実を言うと、
最初に読んだときも、
そのミステリー的な展開と、
意外な真相を暗示する結末は
なんだかな……という気もしたけど、
やはり映画で観てもその印象は変わらなかったね。
話が愛のもつれになっちゃうとねえ」

----あらら、ネタバレチック。
「だから最初にネタバレ注意報を入れたの。
ただこれだけ
有名になった原作だし、
この程度は話してもいいんじゃないかなあ」


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「痛いのはいやニャ…」もう寝る

※確かに吉高由里子のがんばりはスゴい度

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『ドラゴン・キングダム』

2008-06-25 21:21:29 | 新作映画
(原題:功夫之王 /英題:The Forbidden Kingdom)

----ふうん。
アメリカでの公開タイトルは
『The Forbidden Kingdom』。
それが『ドラゴン・キングダム』になっちゃうところが
いかにもって感じだニャあ。
「そう、いかにも。
竜なんてまったく出てこないのに…。
やはりカンフー=ドラゴンのイメージは
日本人には根強いんだろうね」

----主演はジャッキー・チェンとジェット・リーか…。
ジェット・リーは、もうこの手の映画には出ないのかと思っていた。
やはり、ジャッキーが相手ということがきいているのかニャあ。
「そうかもしれないね。
ファンにとっても、これは夢の組み合わせ。
オモシロいのは、それぞれが二役やっていること」

----へぇ~っ。二役?
いったいどんなお話ニャンだろう。
「いやあ。これがいかにもアメリカ的。
現代のボストンに住むアメリカ青年のジェイソン(マイケル・アンガラーノ)が、
ストリートギャングたちに脅されて
チャイナタウンの老主人オールド・ホップ(ジャッキー・チェン)が経営する
質屋を襲う手助けを強制される。
その襲撃によってホップは死亡し、
その死に際にジェイソンに如意棒を手渡す。
逃げるジェイソンはビルから墜落。
そして気がつくと、見たこともない風景が目の前に…」

----つまり中国に来ていたってワケ?
でも如意棒って…。もしかして孫悟空?
「ピンポン。
でもその前に話を先に進めて…。
ジェイソンがたどり着いたその世界は
悪の将軍ジェイド(コリン・チョウ)によって牛耳られていて、
彼は突如現われた黒い兵士たちに
ワケも分からないうちに襲われてしまう。
その時ジェイソンの前に陽気な酔っ払いが出現。
その男こそ、酔拳の達人ルー・ヤン(ジャッキー・チェン)。
彼は世界を救うにはジェイド将軍によって
石に封じ込められてしまった
孫悟空(ジェット・リー)を解放するしかないと話す」

----ニャるほど、それで如意棒が関係してくるわけね。
あれっ、ジェット・リーのもう一つの役は?
「如意棒の秘密を知る謎の僧侶サイレント・モンクの役。
二人の指南の元、旅をしながら
蟷螂拳などカンフーの修行を始めるジェイソン。
そこにジェイド将軍が雇った凄腕の暗殺者、
白髪魔女(リー・ビンビン)が現われる!
ふうっ。ストーリーを語るとキリがないからここまで。
まあ、後はだれもが想像する通りのお話。
とは言え、酔拳のジャッキー、棒術のジェット・リー、
それぞれが過去に出演した映画のイメージを投影したこの役作りは、
それだけで観ていて楽しい。
しかも、見事に呼吸のあった二人の技の応酬。
最大の見どころはやはりここだね」

----そうか。これまでの映画の中ではお互いが
相手に苦労してたってワケか。
実力あるゆえの悩みだね。
「そういうこと。
後は、棚田を始めとする中国の風景、
そして岸壁と一体化したような寺院のセット、
さらには白髪魔女や孫悟空といった
中国伝奇ものの伝統の世界を楽しめば
それで、この映画は十分なんじゃないかな」

-----ニャるほど。
確か監督はアメリカ人だよね?
「うん。ロブ・ミンコフ。
ぼくは彼の作品では『スチュアート・リトル』が好きだったな」

----あれっ。
確か、あの映画は猫さんの扱いがヒドかった気がするけど…。


(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「そうか、難しいこと言わなくてもいいんだニャ」なにこれ?


※よくある構成ではあるけれ度

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『ハプニング』

2008-06-24 23:40:48 | 新作映画
※少しネタバレチック。
カンの鋭い方は鑑賞ご予定後に、
お読みいただくことをおススメします。


(原題:The Happening)

----これってM.ナイト・シャマランの新作だよね。
彼、『シックス・センス』の頃は、
「ヒット作を生む法則が分かった」みたいなこと豪語していなかったっけ?
「うん。あまりにもスゴい自信で、
ファンはビックリしたものだけど、
結果的にそれ以降の作品は二番煎じだったり、
とんでもないオチだったりで、
失笑するファンも…」

----えいもそうニャの?
「実を言うとぼくは『アンブレイカブル』は、
そう嫌いでもないんだ。
ダメだったのが『サイン』、
そして『レディ・イン・ザ・ウォーター』だね」

----でもそれって
どんでん返しがなかったからでは?
「それはそうかも。
だからと言ってブラッドベリの短編を思わせる
どんでん返し系の『ヴィレッジ』も、
やはりガクッと気が抜けたしね」

----ふうん。
それでもファンは観に行くんだ?
「そうだね。
ある意味、ラストでそのガクッとくるのを楽しんでいるような---
そんな自虐的なところがある気がする。
さてこの作品は、
ある日突然、人々がおかしな言動を始めたり、
急にその場に立ち尽くしたり。
そのあげくには次々と自殺してしまう。
そんな中、主人公エリオット(マーク・ウォルバーグ)は
最近、その仲がぎくしゃくしている妻アルマ(ズーイー・デシャネル)や
友人ジュリアン(ジョン・レグイザモ)と
その娘ジェス(アシュリン・サンチェス)らと、
<安全な地>を求めて逃げ惑う----こういうお話だね」

----そのハプニングが
なぜ起こったかは分からないわけ?
「うん。最初はね。
でも主人公は高校の科学の教師。
パニックに陥りながらも
観察と分析で、次第にその謎の正体に迫っていく」

----そのプロットだと、
どんでん返しでもなさそうだニャ?
「そうだね。
それよりも、その異常事態の描写の方に重きが置かれている。
人々が次々と高いビルの上から飛び降りたり、
動物園でトラに自分の腕を噛みちぎらせたり。
そんな中、クライマックスでは 『ミスト』的な展開が待ち構えている」

----つまり、一番怖いのは人間ってこと?
「うん。見どころを教えちゃうことになるから
あんまり詳しくは開かせないけどね。
それまで
シャマラン映画には珍しく
ロードムービー風の流れで攻めていながら、
最後は『サイン』のような
一軒の家の中のお話になってしまう」

----でも最後は助かるんでしょ?
「さあ、どうでしょう。
今回は、どんな風に『アララ』となるエンディングを迎えるのか、
じっと目を凝らしていたんだけど、
まあ、これはこういうもんだろうなという終わり方。
エリオットとアルマ。
共に危機を乗り越えた二人の愛の回復も描かなきゃいけないしね…」

----ハリウッド映画だからニャあ。
「そういうこと。
さらに後日譚が二つもあるし、
シャマラン本人も、
どう終わらせるか迷いがあったんじゃないかな」


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「不気味そうな映画だニャ」小首ニャ

※よくいえばシャマランの新境地だ度


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『ネコナデ』

2008-06-23 23:43:30 | 新作映画
----えっ、大杉漣主演。
あまり合わない気がするニャあ。
彼っていかついし、
猫より犬向き。
「まあ、そこが監督の狙いなんだろうね。
この映画は、冷酷な社長(鶴見辰吾)の下、
容赦なく社員の首を切り続ける
人事部長・鬼塚(大杉漣)が帰り道に拾った猫を
こっそりとウィークリーマンションで飼う。
ただ、それだけのお話。
会社では非情な鬼塚が
子猫の可愛らしさの前に、
くにゃ~っとなってしまう」

----ニャるほど。
でもどうしてお家ではだめニャの?
「うん。彼にはまだ小学生の娘がいて、
普段から彼女に、いい加減な気持ちで生きものを飼うなと諭している。
その手前もあって、鬼塚は家に猫を連れて帰れないんだ」

----ふうん。だからって
ウィークリーマンションてのもニャあ。
「実は時を同じくして、
新入社員の研修合宿が開始。
ところが一部屋空きができた-----。
と、こういうわけだ」

----ニャるほど。
それじゃあ確かに隠密行動しかニャいね。
周囲にバレちゃあ、まずい。
「そういうこと。
この映画、周りには強面の人事部長で通し、
しかしプライベートに戻ったら、
急にゴロニャ~ンとなる。
そこがまずみんなの笑いを誘う。
話題の『グーグーだって猫である』では猫エッセイというよりも
犬童一心監督による大島弓子論。
猫との関係は少し置き去りになっていたけど、
大森美香監督のこの作品は思いっきり猫中心の映画。
その仕草の一つひとつがかわいらしく、
この映画を観たら、だれも猫を捨てようとは思わなくなる----
と、それはちょっと大げさか」

----でも、この猫って
いま大人気のスコティッシュフォールド。
あいつは、もともとがかわいいからニャあ。
「いや、猫はどれもかわいい。
この子猫だって大杉漣は最後まで“ヒラヤマン”と思い込んでいる。
ブランド猫だからかわいがるってワケじゃあないんだ」

----あれっ、それって“ヒマラヤン”のことでは?
「そう。彼の思い込み、勘違い。
でもそこから笑いがいくつも派生してゆく。
そうそう、猫といえばこの人、
もたいまさこも登場。
このヒラヤマンをめぐって
またまた珍優(?)ぶりを発揮してくれる。
あっ忘れていた。
劇中で使われる、
家の人が留守のときに撮影した動画を
同時に携帯に転送するロボット。
もとは介護用という設定になっているこのロボは
ほんとうに欲しかったなあ」

----それはフォーンも欲しいニャあ。
いい遊び相手になりそう。

           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「つじあやのさんの歌は、猫の世界にピッタリニャ」うららかフォーン

※無理に泣かせようとしていないのがいい度

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『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』

2008-06-22 21:20:52 | 映画
(原題:Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull)

----『インディ4』か…。
すでに先週、先行ロードやってたし。
ここで話すの、ちょっと遅すぎニャい。
「う~ん。確かに。
あえてぼくが喋らなくても、この映画はヒット間違いなし。
ということでのんびり構えてたんだけど、
今日覗いたら、思ったより入っていなかったなあ。
ぼくの行った回で20%って感じ」

----それはまた少ないね。
「まあ、郊外のシネコンというのもあるんだろうけど…。
でもやはり多くの観客と一緒に観ないと
盛り上がりには欠けちゃうよね」

----でも前作の公開から19年も経っているし、
それは仕方ニャいんじゃニャいの?
「そこなんだよね。
気になったのが…。
観客の年齢層がとにかく高い。
高校生とかはいなかったんじゃないかなあ。
ぼくらの時代だと、主演のハリソン・フォードはまさにヒーロー。
でも、ここ数年の彼は出演作も少なかったし。
若い人たちにはピンとこないのかもしれないね。
ただ、ほんとうに好きな人は
先週すでに早々と観ているということも考えられるけど…」

----でもそれでも、えいは楽しめたわけだよね。
見どころをいくつか教えてよ。
「うん。まずはパラマウントかな」
----ニャに。それ?
「冒頭のパラマウントのマークのこと。
いつもこれが実写へと変わっていくんだけど、
今回はとんでもない変化球。
このシーンを観て、
あ~、スピルバーグは
オールド・ファンを意識していると思ったね」

----ニャんだろう?
「まあ、それは観てのお楽しみということにしておこう。
そこに矢継ぎ早に
今度はジョージ・ルーカスが被さってくる。
彼は少年時代、熱狂的なカーマニア。
ところが自分で改造した車で交通事故を起こして長期の入院。
結果、レーサーになる夢をあきらめたんだ。
やがて映画の道に進んだルーカスは
その頃の自分を『アメリカン・グラフィティ』に投影。
この『インディ4』の冒頭は、
それこそ『アメグラ』の1バリエーションって感じ。
若者たちが軍を相手にスピード競走。
音楽も『ハウンド・ドッグ』と、ロックンロールの王道」

----ニャンだか、どうでもいいようなことばっかり喋っていない?
「いやいや。
さっきも話したようにこの映画は
かつてのファンをニヤリとさせる作り。
車上でのフェンシング、大地を埋めつくすアリの大群。
これらはいずれも、
かつての名シーンのパワーアップ・バージョン。
あっ、インディ・ジョーンズは
蛇が大の苦手ということを知っていないと、
本当には笑えないシーンもある。
そうそう。
カレン・アレン扮するマリオンの役柄も
第一作でチェックすることをオススメ。
それと『未知との遭遇』そっくりの宇宙人もポイントかな」

----ふうん。そう言えば
スピルバーグのお気に入りとも言われている
シャイア・ラブーフが出演。
彼がインディを引き継ぐのではと言われているけど?
「いやあ。
彼が『インディ・ジョーンズ』をやることはないと断言できるね
たとえシャイア・ラブーフ主演で
新たなシリーズが生まれることがあったとしてもね」

----どうして?
「それはインディ・ジョーンズのアイコンでもある
フェドーラ帽の劇中での描かれ方を観ると分かる。
これをかぶることが許されるのはやはりハリソン・フォードだけ。
スピルバーグは
記者会見の席でどんなに頼まれても
絶対にこの帽子をかぶらなかったとか。
このエピソード一つとっても
インディ・ジョーンズというのはハリソン・フォードあってのもの----。
彼がそう考えていることが分かると思うよ」


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「嘘と分かっていても驚くのニャ」ぱっちり

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『ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発』

2008-06-21 11:11:24 | 新作映画
----ギララって、怪獣の名前だよね。
「うん。東宝がゴジラで怪獣ブームを起こした後、
大映がガメラ、日活がガッパを発表。
そして1967年に松竹が作った唯一の怪獣映画がこのギララだったわけ」

----ということは、今度も松竹作品?
「いや、それがそう簡単じゃないんだな。
製作委員会に名を連ねてはいるけど、
なにせ監督があの『日本以外全部沈没』の河崎実だからね」

----えっ、『いかレスラー』とか『ヅラ刑事』の?
これはバカげた映画になりそうだニャあ。
「うん。そのとおり。
本人も試写会の舞台挨拶で
『バカバカしい映画ですが、命をかけて作りました』と話していた。
でも、彼は一作ごとにしっかりとした作りになってきている。
特にこの映画は、いい方向にその個性が出たんじゃないかな」

----いったいどんなお話ニャってるの?
「北海道の洞爺湖でG8サミット(主要国8カ国首脳会議)開催中に
宇宙から大怪獣が飛来。
子供の発案でギララと名付けられたこの怪獣に、
各国首脳たちは自分の力を誇示する機会と考え、
それぞれの国の個性をいかした攻撃を仕掛ける。
日本は昭和新山のマグマ活性化でギララをおびき寄せる、
イタリアは落とし穴、ロシアは毒殺、ドイツは毒ガス、
イギリスは洗脳電波作戦といった具合にね。
しかしそのどれもが失敗する中、
東京スポーツの記者・隅田川すみれ(加藤夏希)は
湖畔の森で行なわれている村人たちの祈りから
このギララをやっつけるのはタケ魔人しかいないと信じ、
『ネチコマ、ネチコマ、ネチコマ』と祈り踊り始める」

----ぶっ、ニャにその「ネチコマ」って?
「続けて何度も言えば分かるよ。
ネチコマネチコマネチコマネチコマ…」

----あっ、コマネチ----ということは
このタケ魔人を演じるのは……。
「そう、着ぐるみ大好きのビートたけし。
このことでも分かるようにこの映画は、
CGではなく、オールドファッションの着ぐるみ怪獣映画が基本。
しかもテレビで言えば、
ウルトラマンよりも『ウルトラQ』。
現れた怪獣に対して
人間が知恵を振り絞って(?)戦うところはまさにそうだ」

-----ふうん。でもいまのCGを見慣れた目に
それって耐えられるの?
「誤解を承知で言えば十分に堪能できたね。
個人的には後期の“自衛隊活躍ゴジラ映画”よりもよっぽど楽しかった。
いや、逆に自分にとって
あのシリーズが楽しめなかった理由が分かった気がしたね。
怪獣という、もともとありえない設定を
リアルな空間の中に投げ込んだ違和感。
これが『ウルトラQ』や映画『怪獣大戦争』で
怪獣映画に親しんだ自分にとってはつまらなかったんだということがね」

----ニャるほど。
そういえばこの映画、
そっくりさんがたくさん出ているね。
「うん。なかでも伊部総理に大泉元総理。
ザ・ニュースペーパーは痛快。
彼らだけでなく、
たとえばこの危機に、
一人だけ通訳の女性にうつつを抜かしている
フランスの某首脳とか、
現代のエピソードを巧みに取り入れている。
そのオチ(?)も『大日本人』と似ているところがあったし…。
『チーム★アメリカ ワールドポリス』が楽しめる人にはいいかも。
そうそう、役者での中では加藤夏希のなりきりぶりがスゴい。
『ネチコマネチコマ』はもちろんのこと
マジな顔で『タケ魔じんさまあ~!』とやっているのには
ちょっと感動さえしたね」


      (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「バカバカしい映画もたまにはいいのニャ」もう寝る

※なぜか、ノッてしまった度

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『花より男子ファイナル』

2008-06-19 00:09:07 | 新作映画
----おっ、ついに登場だ。
これスゴい話題になっているよね。
前売り券の売れ行きが
東宝実写映画史上最高とか聞いたけど…?
「そうらしいね。
やはりテレビでの人気がものを言ったのかな」

----でも原作は漫画だよね?
「うん。神尾葉子。
台湾のテレビドラマ『流星花園』もそれが基に。
原作の道明寺司・花沢類・西門総二郎・美作あきらのF4を演じた
ジェリー・イェン、ヴァネス・ウー、
ケン・チュウ、ヴィック・チョウ4人のユニット名もF4!」

----ニャんだかややこしいね。
で、これはどんなお話?
どれ読んでも今ひとつピンとこないんだけど…。
やっpりテレビ観ていないと分からないのかニャあ。
「いや、そんなことはないと思うよ。
ストーリーは至って簡単だからね。
テレビのパート2の最終回で牧野つくし(井上真央)に
『このオレ様と結婚しろ!』
『私がアンタを幸せにしてもいいよ?』
『宣戦布告だな』という形のプロポースをした道明寺司(松本潤)。
今回の映画は、その4年後、
全世界に向けて盛大な結婚発表記者会見が
行なわれているところから始まる」

----ちょ、ちょっと待って。
ニャンで世界に向けてそんな派手なことやるの?
「そうか。
まずはそこを説明しないといけないね。
このF4というのは【花の4人組・FlOWER4】の略。
彼らは、全員学園を牛耳る伝説の御曹司。
なかでも道明寺司は
世界のトップを争う道明寺ホールディングスの代表。
まあ、注目も高いというわけだ。
対する牧野つくしは超貧乏だけど明るさは誰にも負けない。
どうやらテレビでは、最初、花沢類(小栗旬)が彼女を好きだったようだ。
ぼくが思うにおそらくテレビ・シリーズは、
つくしは誰と結ばれるかなど、
そのトライアングル・ラブのゆくえで、
ドラマを引っ張っていったんじゃないかな」

----ははあ。ニャるほど。
「さて話を進めると…
つくしの天敵であった
司の母・楓(加賀まりこ)から結納の席で贈られた
道明寺家へ嫁ぐ者に代々受け継がれてきた推定100億円のティアラが
何者かによってホテルから盗まれてしまう。
これを取り戻さなくては二人の結婚は危ういと、
司とつくしはその手がかりを求めて
ラスベガス、香港、そして南の無人島へと、
大冒険の旅を繰り広げる…こういうお話だね。
まあ、学園風景の回想で出てくるだけだし、
これは映画オリジナル版と考えていいのじゃないかな」

----そうか、それで安心した。
テレビを観ていなくても大丈夫というわけだ。
「もちろん、
西門総二郎(松田翔太)を慕う松岡優紀(西原亜希)、
父の仕事を受け継ぎ海外で暗躍する美作あきら(阿部力)など、
小ネタもいくつか出てきて、
テレビでのファンをにやりとさせる作りにはなっているけどね。
でもどちらかというと、
司とつくしの結婚は本当に大丈夫なのか、
新たに登場する鏑木和とつくしの絡みなどの方が、
メインになっている。
この鏑木に最初の映画版『花より男子』では花沢類を演じた
藤木直人が扮しているのも話題かもね。
あと、驚いたのは松本潤のアクション。
奪われたティアラを取り戻すべくホテルの中を
犯人のサニー(AKIRA(EXILE))と追いつ追われつするんだけど、
なんとエスカレーターからエスカレーターへ飛び移るんだ。
細かいところだけど、ここが一番ビックリしたね。
あっ、それと謎の男に北大路欣也。
『銀幕版 スシ王子!~ニューヨークへ行く~』に続いて
ここでも包丁を握っていたよ。
これがまた似合うんだ」


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フォーンは『花よりカリカリ』なのニャ」身を乗り出す

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『この自由な世界で』

2008-06-17 21:51:55 | 新作映画
(原題:It's a Free World)

----これ、ケン・ローチの映画だよね。
以前、誰だったか
ケン・ローチのこと「イギリスの山田洋次」と
言っている人、いなかった?
「う~ん。
確かに、彼の作品は労働者階級に
スポット当てていることが多いからね」

----これもそうニャの?
「うん。さらにつけ加えれば今回は
『ブレッド&ローズ』や『やさしくキスをして』などと同じく
移民問題をも扱っている。
ただ、この映画、
これまでケン・ローチを応援してきた人たちにとっては、
かなり戸惑うかもしれないな」

----どういうところが?
主人公が女性だから?
「確かにそれもあるけど…。
これまでケン・ローチといえば
労働者の立場に寄り添うのが特徴。
そのおかれた状況の悲惨さともあいまって、
観る人の感情を激しく揺さぶってきた。
ところがこの映画のヒロイン、アンジーは同じ労働者階級でも
相当な反感を買う可能性がある。
彼女、アンジーは33歳のシングル・マザー。
ルームメイトのローズと暮らしている。
ところがいま働いている職業紹介所の仕事をクビに。
それまでにも散々辛い目を味わってきた彼女は、
もう人に使われるのはイヤと、
ローズを誘い、自分たちの職業紹介所をスタート。
とはいっても建物はなく広場で…。
そう、そのほとんどが日雇い労働者への斡旋なんだ」

----いまの日本と似ているニャあ。
「そうなんだよね。
イギリスは、日本より早く新自由主義が定着。
しかも、移民労働者へ市場開放したということもあって、
労働者にとっては賃金を安く叩かれる素地ができ上がってしまったわけだ。
そんな“自由主義社会”の中に生きるアンジーは、
他人を踏みつけにしてでも、自分がのし上がっていこうとする。
いままで自分が搾取される側だったわけだけど、
もう、そうはいかないぞというこの決意が、
彼女の上昇志向に拍車をかけていく。
さらに言えば
金持ちが勝ちで貧乏人は負けというこの価値観は政府のお墨付き。
怖い者なしってわけだ。
そしてついに彼女は、ある一線を越えてしまう」

----ニャに。その“一線”って?
「この“一線”というのは実は
プレスに書いてあった言葉。
ぼくは“一線”って何だろう?と思いながらこの映画を観ていた。
最初は、偽造パスポートを使っての不法移民への仕事の世話---
このことかと思ったけど、
彼女は、もっととんでもないことを次々とやってしまう」

----ニャに。それって?
「これはあえて言わないでおこう。
この映画を観ていて、
彼女の行動に対してどこで歯止めをかけたくなり、
どこで怒りを覚えるか、
それによって同じく今の日本=
『この自由な世界』における
自分の立場、距離も分かってくる。
そう、自分が勝ち抜くためなら
どこまで人を蹴落としていいのかということも含めてね」

----そ、そんなシビアな映画ニャんだ。
確かにこれは反発が大きそうだニャあ。
「でも誤解を恐れないで言えば、これは
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』タイプの作品。
あえてモンスター的なヒロインを作り出し、
それが生まれた背景と、その社会を告発とする。
『この自由な世界』では、
彼女のようにタフに生きないと、
いつの間にかおいていかれるのは確か。
でも、そんな世界でほんとうにいいのか?とね」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「この人、顔からしてタフなのニャ」身を乗り出す

※『グロリア』のジーナ・ローランズ、そのワーキング版みたいにタフだ度

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画像はフランス版ポスターです。
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『敵こそ、わが友 戦犯クラウス・バルビーの3つの人生』

2008-06-16 15:30:41 | 新作映画
(原題:Mon Meilleur Ennemi)

----へぇ~っ。これドキュメンタリーだ。
最近続くね。
「そうだね。
ドキュメンタリーは
あまりぼくの得意な分野じゃないんだけど、
ときどき、とんでもなく魅せられてしまう作品が現れる。
これもその一つだね」

----ビジュアルからすると、
ナチス絡みの話のようだけど…。
「うん。このクラウス・バルビーというのは、
フランス、レジスタンスの英雄と謳われた
ジャン・ムーランを逮捕・拷問し、
さまざまな戦争犯罪で罪に問われながらも、
なぜかなかなか捕まらなかった男なんだ」

----ふうん。そういえば
戦後ずいぶんとたってから、
突然、元ナチスの大物が捕まったりしたよね。
「そうだね。
このバルビーの場合は、
大戦後、ドイツとかつての敵国であったアメリカが、
冷戦を勝ち抜くために彼を利用したということのようだ」

----ん。どういうこと?
「第二次世界大戦後、
アメリカの最大の敵は共産主義。
そのボス、ソ連のことをよく知っているのが元ナチス。
つまり諜報活動のためというわけだ」

----でも、そんなこと許されるの?
だってフランスにとっては、
それこそ憎んでも憎みきれない相手ニャんでしょ。
「うん。そこで
このことがフランスに察知されたとたん、
アメリカはバルビーを秘密裏に南米へ逃亡させる。
しかもその裏にはバチカン右派の神父たちが
深く関わっていたというのだから驚きだ。
さて、1964年、ボリビアにクーデターが起こり、
軍事独裁政権が誕生。
そこでもバルビーは関わりを魅せる。
そう、かつて残虐な拷問刑を実行した者として
彼は殺戮の手腕を発揮。
その“知識”と“技術”で民主化弾圧に加担するんだ」

----また、同じことやっちゃうんだ?
「そうなんだ。
この映画は、
人はそう簡単には変わるものではないということを改めて
観る者に教えてくれる。
このバルビーというのは、
映画『オデッサ・ファイル』にも描かれた“ナチスの残党集め”の中心人物。
戦時中には、34名の子供たちを強制移送したというから、
まさに筋金入りだったわけだね」

----ニャるほど。
ナチス時代、
戦後のアメリカの協力者、
そしてボリビアでの暗躍。
それで“3つの人生”ということニャんだね。
「しかも彼は
あのチェ・ゲバラ逮捕にも深く関わっている。
これは監督も映画製作中に初めて知ったことらしいけどね」

----その監督はだれニャの?
『ラストキング・オブ・スコットランド』では劇映画も手がけたケヴィン・マクドナルド。
彼はアメリカ政府が80年d内にタリバン政権や
サダム・フセインに援助していたことなどを例に挙げ、
『戦勝国の指導者たちは
今日の世界を築き上げるためにファシズムを利用し続けた』と言っている」

----そういえば、 『ハンティング・パーティ』でも
似たようなことを感じさせられたニャあ。
人間は変ニャ。


                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「小説以上にスリリングなのニャ」ご不満


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『落語娘』

2008-06-14 22:29:04 | 新作映画
----これって、タイトルだけで想像つくよね。
落語家を目指している女性の話でしょ?
それにしても日本映画は落語をテーマにした作品が続くニャあ。
「うん。
ただ、この映画のユニークなところは
ヒロインの香須美(ミムラ)が
憧れの師匠・三松屋柿紅(益岡徹)のところには弟子入りできずに、
彼とは落語に対する考え方が正反対の
三々亭平三師匠(津川雅彦)に拾われているということ。
しかもこの平三師匠が奇行で知られ、
ある問題をしでかして目下のところ寄席にも出入り禁止状態。
一度も香須美に稽古をつけないばかりか
彼女からソープの遊び代をせしめてしまう始末」

----そりゃ、ひどいや。
「この映画、
実は根底にこの師匠二人の落語観の違いが流れていて、
そこがテーマの一つでもあるんだけどね。
さて話を戻して……。
そんな中、
平三師匠はテレビ局の色もの企画に乗って
演じた者が必ず命を落とすという
禁断の怪談『緋扇長屋』に挑む…まあ、こういうお話だ」

----へぇ~っ。『緋扇長屋』か。
それは興味あるニャあ。
「実は、この演目、
ぼくは実際にあるのかと思ってしまって(汗)。
監督の中原俊は、
この『緋扇長屋』の中身をそのまま劇中劇として再現。
しかも、この落語が生まれた背景や
命を落とした落語家の時代を
時代色豊かに再現してゆく。
こういう手を抜かない演出はそれだけで好感が持てたね。
しかも、このエピソードがかなり怖い」

----『緋扇長屋』が怖いってこと?
「うん。それだけでなく、
その直筆の本が妖気を放っていて、
普段はやんちゃな平三師匠はそれを見ただけでガタガタ、涙まで流してしまう。
いやあ、このあたりの演技の巧さは、さすが津川雅彦だね」

----ふうん。ミムラはどうだったの?
「かなり頑張っていたと言っていいんじゃないかな。
この映画の一番感動的なところは、
お竜さんばりの香須美の啖呵だし。
もちろん落語の方もなかなかのもの。
監修に柳家喬太郎がついていて、
彼女にみっちり稽古をつけたみたい。
なんとミムラは、柳家喬太郎の口調どころか、
つっかえたところまで完コピしたらしい。
あと、隅田川馬石と柳家喬之助も監修に参加。
彼らの協力で楽屋もホンモノそっくりに再現。
そうじゃなきゃ、火鉢など
楽屋における小道具のアリナシや配置までは難しかったかも」

----ニャるほどね。
ところでこれって原作はあるの?
「うん。原作は永田俊也。
でも彼は落語家というわけではないし、
原作には問題の『緋扇長屋』は落語の形では書かれていない。
それを津川雅彦の稽古用にと、
柳家喬太郎が実際に演じてビデオにしたらしい。
つまり脚色したわけだ。
これはちょっと観てみたいね」

----それはお宝って感じするニャあ。
でも映画がDVD化されたときの特典になったりして…。


                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「『緋色長屋』、怖いらしいのニャ」もう寝る


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『赤い風船』『白い馬』

2008-06-13 22:51:11 | 新作映画
(原題:Le Ballon Rouge/Crin Blanc)

----これって、ずいぶん昔の映画だよね。
いわゆるリバイバルってこと?
「う~ん。それはそうなんだけど、
デジタルリマスターというのが今回のポイントかな。
実は、この2本、
『赤い風船』が1956年にカンヌでパルム・ドールを受賞。
それに先立ち『白い馬』が1953年にグランプリを受賞している。
ところが権利問題が難航し、
昨年のカンヌ国際映画祭まで長年日の目を見なかったんだ。
でも、ぼくらの世代にとってはよく知られた映画。
というのも70年代、16ミリの自主上映館には欠かせない
いわば定番の作品だったんだ」

----16ミリ?名画座というのは聞いたことあるけど、
そんな映画館もあったんだ…。
「うん。名前は失念したけど、確か歌舞伎町の西武新宿駅に近いところに常設館が…。
ぼくはそこでジュリアン・デュビビエの『舞踏会の手帖』とか観たなあ」

----で、今回観てみてどうだった?
「いやあ、その美しさには息を飲むしかないね。
フィルムには傷一つないし(あたり前か)、
そのフィルム状態もさることながら、
とにかく映画そのものがアート。
50年代のパリの中に初めて赤い風船が出てきた時なんか、
嘘だろうと思ったね。
それほどまでに、この赤は美しい。
最初に『赤い風船』から話しちゃうけど、
これは少年と赤い風船のわずか36分の物語。
人格を持ったかのように、
少年と戯れる赤い風船。
まだCGが存在しない時代、いったいどうやって写したんだろう。
ある意味、ジョルジュ・メリエスを生んだ国でもあると思ったね」

----だれ、そのメリエスって?
「さまざまな技術を駆使して
実際にはありえない世界を映画で見せてくれた最初の人。
いわゆるSFXの創始者だね。
もともとはマジシャンでもあったらしい」

----ふうん。どんな映画作ってるの?
「代表作は『月世界旅行』。
大砲で月へ行った人間が、月人に出会うというお話。
スチールを観ると、
だれしも『あ~、あれか』と思うはずだよ。
確か作られたのが1902年だから、
それから50年経った時点で製作された『赤い風船』は、
それこそ映画の歩み、その過程を知るのにちょうどいいかもしれない。
ただ、これはもう有名な映画だから仕方がないけど、
ラストについては知らないで観た方がいいね。
チラシには載っていないけど、
プレスには載っちゃっているから気をつけて」

----ということは、パンフレットを買うのも
観たあとがいいということかニャ。
「そういうことだね。
それは『白い馬』にしてもしかり、
あの美しくも悲しい衝撃のラストは
白紙状態で観てこその感動だろうね」



                (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「いい映画は古びないのニャ」いいねぇ

※ほんとうに素敵な映画だ度

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『赤い風船』にインスパイアされたブーケ
コトリ・ロゴ
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『SEX AND THE CITY セックス・アンド・ザ・シティ』

2008-06-12 23:15:50 | 新作映画
(原題:Sex and The City The Movie)


「今日はいつもとは違う、
ちょっと変わった体験をしたね」

----えっ、どういうこと?
これって、アメリカで記録的なヒットをしている映画でしょ。
確か、人気テレビシリーズの劇場版と聞いたけど…。
「うん。主人公は4人の女性。
しかもあまり映画では有名じゃない人ばかり。
ぼくみたいにテレビを観ていない人は
ついていけないんじゃないかと心配しながら
試写会室に足を運んだんだけど…」

----だけど…?
「やはりその人気は高いようで、
なんといつもの試写室が満員。
で、隣の試写室へ。
しかも『こちらではベーカム上映になりますので、
途中でテープ交換がありますがいいですか?』との確認。
まあ、足を運び直すよりはいいかと思ったわけだけど、
やはり画質は少し甘い。
しかも20分ごとにノイズが入る」

----それは仕方ないよ。ベーカムなんだから。
「そうなんだね。
まさか、ほんとうのベーカムとは思わなかった。
もしかして、同じベーカムという言葉でも
違うフォーマットができているのかもなんて、
適当に想像したわけ。
だって、まさか20分ごとのテープチェンジとは思わないじゃない」

----でも、それじゃあ映画に集中できなかったでしょ。
感情が盛り上がるところでブチッとか…。
「いや、それがまったくそんなことないんだ。
で、なぜだろうと後で考えて…」

----分かったの?
「うん。
この映画、約20分ごとにCMが入るテレビと同じような作りとなっている」

----どういうこと?
「つまり、
20分ごとに4つ(4人)のエピソードが
『起』『承』『転』『結』と転がりながら、
次のエピソードへと続いていく。
(※注:この部分migさんから質問が…。
コメント欄も参照していただけると幸いです)

さっきも話したように主人公は4人の女性。
ここではテレビシリーズから4年後の彼女らの人生が描かれるわけだけど、
それが順繰りに語られながら最後ですべて“一応の”完結を見る。
で、それぞれのエモーショナルなクライマックスはその約20分の中で起こる。
だから、とても気楽に観られるんだ。
こういう作りって、今回のターゲット
テレビシリーズのファンということを考えると、
正解なのかもしれないね。
配給・宣伝の人たちもそれを分かった上で
ベーカムによる試写に踏み切ったんじゃないかな」

----ニャるほど。それは珍しい体験だ。
で、どんなお話ニャの?
「う~ん。一人ひとり、説明してもいいけど、
結局はテレビの4年後にすぎないからね。
ただオフィシャルのCASTのところを
チェックしておいた方がいいだろうね。
それも4人の職業と
現在のパートナーとの関係を知ってさえいればOK。
ぼくでも分かったくらいだから大丈夫だよ。
映画でも、彼女らはふたつのL、
肩書き“LABEL”と愛“LOVE”を求めて
ニューヨークにやってきたと、
最初に言っていたしね」

----でもタイトルがショッキングだよね。
セックスなんて言葉が、モロ入っているし…。
「テレビで話題になったのも
そのことが大きいみたいだね。
いわゆる女性の本音が語られるってヤツ。
確かに、映画でもベッドシーンばかりじゃなく、
セックスに関する会話がストレートに登場。
その昔“恋バナ”という言葉があったけど、
この映画、最初から最後まで“恋バナ”ばかり。
それ以外の話、ほとんどしていなかったよ」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「う~。迫力ある女性ばかりだニャ」身を乗り出す

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画像はアメリカ・オフィシャル(ダウンロードサイト)より。
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『庭から昇ったロケット雲』

2008-06-11 10:39:38 | 新作映画
(原題:The Astronaut Farmer)

----これって、ビリー・ボブ・ソーントンが
いつもと違う役をやっているというのが話題になってたよね。
「うん。彼は普段はクセのある役柄が多いんだけど、
ここでは自作のロケットで宇宙に出ることを夢見る、
かつての宇宙飛行士ファーマーの役。
その彼をさせる妻にはヴァージニア・マドセンが扮している」

----マドセンもこれまた個性派という気がするけど…。
「うん。実はこの映画は
デビュー作『ツイン・フォールズ・アイダホ』によって
サンダンス映画祭で注目された双子のポーリッシュ兄弟のうちの
マイケル・ポリッシュが監督。
マークの方も製作と脚本に参加。
インディペンデント・スピリッツという点で、
彼ら兄弟と俳優たちとは意気投合したんじゃないかな。
あくまでぼくの想像だけど…」

----じゃあ、この映画もあまり
エンタメしていないってわけ?
ニャンだか、とっつきにくそう。
「いや、それがとても素直に入ってくる。
いつまでも夢を追いかける父と、
その背中を見て育つ息子と二人の娘。
これは、ファミリームービーとしてもオススメだね。
あっ、二人の娘を
ポリッシュ兄弟それぞれの実の娘が演じているのもチェック」

----で、これって実話じゃないよね。
「よくよく考えるとそうなんだけど、
そのビジュアルといい、
宣伝から受ける印象といい、まるで実際にあったお話のよう。
だって、どこにも成功したとかしなかったとか書いていないし、
ロケットを作ったことくらいしか分からない。
チラシのビジュアルにしても
庭から昇っているロケット雲。
そのロケットが有人か無人か?
これは実を言うと完全なフィクションなんだけど、
もしかしたら、あったのかもしれないと思わせる語り口が好きだね」

----現役引退のパイロットといえば
イーストウッドの『スペースカウボーイ』がなかった?
「うん。この映画は
あきらかにそれを意識していて
冒頭では、なんと宇宙服を着た主人公が馬に乗っている」

----ふうん。それはオモシロそう。
そういえば、ブルース・ウィリスも出ているんだって?
「かつての宇宙飛行士仲間としてね。
でも、ぼくとしては主人公の父親役として
ブルース・ダーンが出ていることの方が嬉しかったな。
ビリー・ボブ・ソーントンとの2ショット。
これは新旧のワル二人が顔を合わせてった感じ。
思わずニヤリだったね」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「夢は見続けるものニャ」いいねぇ

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『シティ・オブ・メン』

2008-06-09 22:54:00 | 新作映画
(原題:Cidade dos Homes)

----この映画って、
あの『シティ・オブ・ゴッド』の続編ニャの?
「いや。
出演者は一部かぶっているけど
その役柄も違う。
監督のフェルナンド・メイレレスは製作に回って
代わりにパウロ・モレッリが監督している。
宣伝サイドでも『続編ではない』ということを強調しているようだ」

----でも、舞台はまたファヴェーラなんでしょ?
「そう。ファヴェーラというのは、
ブラジルの大都市に存在する貧困地区。
犯罪の温床と言われている。
ただし、今回はその<犯罪>よりも
そこに住む二人の少年たちの<友情>に焦点が当てられている」

----友情?
「うん。
今回の主人公は
幼い頃からホンモノの兄弟のように育ったラランジーニャとアセロラの二人。
そんな彼らが18歳になったとき、
長い間行方不明だったラランジーニャの父親の存在が明らかに。
しかし、そのことが折からのギャングの抗争と絡み、
二人の間に大きな亀裂を生んでしまうんだ」

----意外とシンプルな話だニャあ。
「いや、実はもっと複雑。
それぞれの恋人や、またその家族が
ファヴェーラの支配権をめぐる
二つのグループの抗争に巻き込まれていく。
まあ、
主要人物に個性の強い顔を配しているので、
置いてきぼりにされてしまうことはないけどね。
この映画、おそらくは
そのざらざらした質感の映像や
それを際立たせるブラジル音楽のサウンドといった
テクニカルな面が注目を浴びそうだけど、それ以前に
ここまでエネルギッシュでダイナミックな仕上がりとなっているのは、
脚本がしっかりしていることにある気がしたね」

----脚本?どういうところが?
「先ほど話した“父親”というのもその一つ。
実はアセロラは若くして2歳の息子を育てている。
つまりは自分自身が“父親”なんだ。
そのため彼は何らかの行動をとりたくても
いつも子供が足かせとなってしまう。
対するラランジーニャは
まだ見ぬ父親への愛に飢えている。
実はクライマックスでは
この“父親”が映画のキーワードとなって
二人は一触即発状態に。
果たして彼らの友情は
このまま引き裂かれてしまうのか?
ここは冗談じゃなく、
ほんと息を飲んで見守ったよ」

----へぇ~っ。どんな話に発展していくんだろう。
フォーンもちょっと観てみたい気がするニャあ。


                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「怖い映画じゃないのかニャ」小首ニャ

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