ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『冬の小鳥』

2010-08-29 00:56:08 | 新作映画
----この映画、舞台が韓国だって?
ちょっと意外だったニャあ。
「そういう先入観もどうかとは思うけど…。
でも確かに、このタイトルからは
ヨーロッパ映画を連想しやすいよね。
実はこれは自分自身
韓国から養子としてフランスに渡ったウニー・ルコント監督の
実体験から生まれた映画なんだ」

----実話に基づいているってわけだね。
いったい、どういうお話ニャの?
「じゃあ、チラシから引用するかな。
話自体はシンプル。
1975年のソウル。父親に捨てられ、
よそ行きの服を着せられた9歳の少女ジニ。
旅行のつもりで父に捨てられてきたところは児童養護施設だった。
父は必ず自分を迎えに来ると信じるジニは、
かたくなに周囲となじもうとせず、
反発や抵抗を繰り返すが…」

----うわあ、これはつらい話だニャあ。
ジニを演じる子も大変そう。
この境遇を理解したうえで演技をしなければならないわけだし…。
「そうなんだ。
この映画、最大の驚きはジニ役のキム・セロン。
撮影当時は、まだ10歳にも満たなかった彼女にとって、
これは初めての映画出演だったのだとか。
ぼくはあのヴィクトワール・ティヴィソルを思い出したね」

----誰だっけ、その人?
「ほら。『ポネット』の…」
----あ~あ。ニャるほど。
そういえば、あの映画も
お母さんが亡くなったという、その意味を理解できず、
いつか戻ってくると、ずっと信じているお話だった。
「こちらはあそこまで、幼くはないけどね。
さて、映画は、
子供にとって自分を守ってくれる唯一無二の存在である父への絶対的な愛を軸に、
その裏切りの中、彼女が新たな第一歩を踏み出すまでを
比喩を散りばめつつ描いてゆく。
あまり詳しく明かすわけにはいかないけど、
十字架に架けられたキリスト、
死の儀式などがそうだね。
この映画、いわゆる“泣ける映画”などというのは真逆。
ぼくは、日本で社会問題になっている幼児虐待が頭をよぎってしようがなかった」

----???
「無力な子供たちにとって、
自分の世界のすべてである<家庭>が
安心とやすらぎを約束してくれるどころか修羅の地獄と化す。
でも、だからと言って子供たちは親に抗議の声をあげることはできない…。
なぜか、そういったことを考えてしまったんだ。
この映画のジニも
肉体的暴力こそ受けてはいないものの、
精神的に大きな傷を与えられている。
身勝手な大人たち、その事情によってね…」

----う~ん。
ニャにも言えなくなるニャ。


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「目力の強い子だニャ」おっ、これは

※ヴィッキー・チャオを子供にしたような顔だ度


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『エクスペンダブルズ』

2010-08-23 23:27:16 | 新作映画
※ネタバレでもありませんが、
見どころを少々。
辛口なところもありますので、
ご覧なってからお読みいただいた方がいいかも


(原題:The Expendables)


ジェイソン・ステイサムにジェット・リー、
ミッキー・ロークにブルース・ウィリスにアーノルド・シュワルツェネッガー

あっ、忘れていたシルベスター・スタローン

----ニャに、寝ぼけたこと言っているの。
まるで、映画を覚えたての子供みたいに、
スターの名前を得意げにペラペラ喋ったりして…。
「(笑)。そう見えたか。
でも、これが信じられないことに
一本の映画に集まったアクション・スターたち。
とはいっても、この中にはアクション・シーンは皆無の人もいるけどね」

----そりゃ、そうだよ。
ミッキー・ロークを他の人たちと一緒にしたらかわいそう。
「そう。
監督のスタローンもそこは分かっていて、
彼の役どころは、
ボスニアである悲劇を経験して以来、
一線を退いている昔の仲間という設定。
彼が、その時のことを語るシーンでは、
カメラはアップでその顔をとらえ、
感傷が全篇を包み込む」

----ちょ、ちょっと待ってよ。
いきなり、そんなディテールを喋っちゃってもワケわかんない。
これは、そもそもどういうお話ニャの?
「先日、話した『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』と同じ、
一種の特攻作戦チームもの。
ただ、政府系のものではなくお金で動く傭兵軍団。
しかも、相手がソマリアの武装海賊だったり、
南米で軍事クーデターを起こして政権を掌握している独裁者だったり。
ちょっと『ランボー 最後の戦場』を思いださないでもなかったかな。
もっともスタローン自身は
『特攻大作戦』『戦争の犬たち』『ワイルドバンチ』に
影響を受けたようだけどね。
確かにクライマックスでは『ワイルドバンチ』の
<ブラッド・バレエ>を意識したと思われる派手な銃撃戦が展開される。
ただ、あそこまでの悲壮感はないね」

----分かった。彼らはみんなスターだし、
生き残らざるをえないからでしょ?
「そういうこと。
人数的には圧倒的に不利なのに、
おそらく彼らは犠牲者もなく勝利を収めるだろうことは、
あらかじめ見て取れる。
だから、クライマックスのアクションが
アクションのためのアクションでしかなくなってしまう」

----でも、それでいいんじゃニャい。
スター・ムービーなんだからさ…。
「う~ん。
そのスター・ムービーという意味で、
今回、もっとも印象に残る役を振り与えられたのはジョン・ステイサム。
そしてジェット・リーかな。
片やアルバトロス水陸両用機の先端部分からの機銃掃射、
片や車の荷台の上からの銃撃。
いずれも記憶に残るシーンがフィジカルなものじゃないのが辛いけどね」

----あれっ。スタローンは?
「彼は、まるで西部劇のような
早撃ちを見せてくれる。
その時の銃のかまえは一見の価値あり。
あっ、最後になったけど、
この作品は、過去の映画、
そしてそのスターの現在の立ち位置を知っている人ほどオモシロい。
キーワードは『ジャングル』、そして『大統領』かな」

----ニャんだ。それ?


                    (byえいwithフォーン)


フォーンの一言「それにしてもストーリーはどうなっているのニャ」ご不満

※プロローグは人質救出、本篇は独裁者暗殺のミッションだ度


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『BECK』

2010-08-22 15:02:50 | 新作映画
※この映画にはあっと驚く仕掛けがありますが、
ネタバレになりますので、それについては触れてありません。



----“発行部数1500万部を超える大ヒットコミック”?
出版不況と言いながら、コミックの人気はあいかわらずスゴイね。
「そうなんだよね。
最近は、電車の中でマンガ雑誌を読む人の姿を
あまり見かけなくなったから、それほどの実感はなかったけど、
日本の映画はこのコミックとか、
携帯小説、あるいはテレビのヒットシリーズなど、
あらかじめ、ある程度の集客が予想できる企画に
流れていっている気がするね」

----でも、これは監督が堤幸彦だし、
期待できそうだよね。
「そう。堤監督はロックのイメージ強いよね。
さて、この映画の物語は、こう。
ごく普通の高校生・コユキ(佐藤健)は、
ふとした偶然から、
帰国子女で天才的なギターテクニックを持つ竜介(水嶋ヒロ)と出会う。
竜介の下、最高の音楽を目指して結成されたバンド、
それがBECK
ライブハウス、CDリリースと、めきめき頭角を現してゆく彼らだったが、
日本最大のロックフェスが実現しかけた矢先、
竜介は愛用のギター、ルシールとともに姿を消してしまう。
果たして何が…?
なんて、こんな紹介でいいかな。原作ものだし」

----そういえば、冬にもミュージシャンの映画があったよね。
『BANDAGE バンデイジ』だね。
この映画は、あんなにクールじゃない。
ロック・スピリッツがビシビシと伝わってくるアツい映画。
ぼくは、音楽の細かいところは分からないけど、
巧いとか、巧くないを通り越したところにある
パワフルな演奏と、それを地で行く彼らの生きざまのアツさは
十分に感じられたね。
まあ、しかしこれも堤幸彦監督ならお手のものかも。
『20世紀少年<最終章>ぼくらの旗』のラストシーン(ただし「試写会バージョン」)での
撮影の経験が生かされいるのじゃないかな。
今回のクライマックスは
フジロックフェスティバルが行われた苗場のステージにて撮影。
総勢1500名のエキストラを集めて
そのライブ・パフォーマンスを再現したんだって」

----ふうん。で、そのBECKのメンバーを演じているのは?
「さっきのふたりに加えて
桐谷健太、中村蒼、向井理
竜介の妹には忽那汐里
ついでに喋っちゃうと
オープニングはレッド・ホット・チリ・ペッパーズ
エンディングはオアシス
まあ、贅沢な映画だね」

----確かに。
ところで最初に言っていたネタバレって?
「これは、この映画の根幹に関わること。
かん口令が敷かれているので
喋るわけにはいかないけど、まあ大胆。
おそらく映画史上初。
ちょっとした話題になるだろうね」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「それは気になるニャ」小首ニャ

※水嶋ヒロは『GSワンダーランド』でもバンド組んでいる度


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『カラフル』(2010年・原恵一監督版)

2010-08-16 23:16:14 | 新作映画
----これと同じタイトルの映画って、以前にもなかった?
確か、そのときは実写だったような…。
「うん。中原俊監督版だね。
それを、その年のぼくのベストワンでもある『河童のクゥと夏休み』を監督した原恵一
手掛けるというんだから、
これは期待するなという方が無理」

----でも、期待しすぎてがっかりというのもよくあるよね。
「いやあ、そこを言うなら、
この監督ほど期待を裏切らない監督もいない。
ぼくの原恵一至上主義は、しばらく続きそうだね」

----どういうところがいいの?
「物語について語るのは野暮。
だって、これは最初に森絵都の原作ありきだからね。
でも、簡単に…。
天国と外界のはざま。
死んだ<ぼく>の魂が漂っている。
そこに現れた“プラプラ”という天使(?)。
彼が言うには
『あなたは大きな過ちを犯して死んだ罪な魂ですが、
もう一度外科医に戻って再挑戦するチャンスが与えられました。
そして、自分の犯した罪を思い出さなければいけません』。
こうして、<ぼく>の魂は、
自殺をして息を引き取った“小林真”という名の中学三年生の体に入り込み、
“小林真”として生きることになる…」

----それは、オモシロそうだ。
「でしょ。
でも物語は、まあ、ここまででいいかな。
かくして、<ぼく>の目を通して、
小林真の家族、かつての同級生が描かれてゆく。
ぼくが、この映画でまず感心したのは、
青春ファンタジーからはほど遠い、よどんだ空気。
色もくすんでいて、もやがかかったよう。
死んだ魂の目を通しているとはいえ、これはあまりにも大胆」

----その中を、微かな光を求めて<ぼく>はさまようわけだニャ。
「そう!そういうことなんだ。
やがて、小林真にとっての初めての親友・早乙女が出現。
彼は真を、かつて存在した“多摩川電気鉄道砧線(東急砧線)”を訪ねる旅に誘う。
そこで挿入される過去の点描。
そこだけが、このもやが晴れている。
これは『河童のクゥと夏休み』でいえば、
遠野に旅するシーンに当たるかな。
ただ、あそこまでのぎらぎらした輝きはないけどね。
♪そこにはただ風が吹いているだけ~」

----ニャンダ。それ?
「あっ、ちょっと言いすぎたかな。
しかし、原恵一は音楽の使い方も巧いね。
ラストに流れるTHE BLUE HEARTS『青空』のカヴァーも含めて、
涙腺を刺激する選曲ばかり。
観ている間は、映画の中の世界に没頭して現世を忘れ、
終わってからは、原監督がこの原作に共鳴したわけ、
そう、原作が内包するテーマが鋭いメッセージとなって心に住み着く。
ぼくはテーマ主義ではないけど、
これぞ映画の王道。
あたりまえのはずだけど、
最近は、そんな映画が少なくなってしまった。
だからこそ、余計にうれしかったね」



           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「で、そのメッセージはなんなのニャ?」
小首ニャ

※そんなの、これから観る人のためにも言えるわけない度


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『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』

2010-08-15 01:25:27 | 新作映画
(原題:The A Team)


----これって、人気TV シリーズの映画化だよね?
「うん。その昔、日曜洋画劇場という映画番組の枠があったんだけど、
なぜか、このシリーズのパイロット版は
TVドラマであるにもかかわらず、
繰り返し放映されていたんだ。
ぼくはときたら『映画じゃないし』と、観ていなかったんだけど、
まさか、こういう形でスクリーンでお目にかかることになるとは…」

----どういう設定ニャの?
「奇襲作戦の名人ハンニバル(リーアム・ニーソン)率いる特殊部隊集団<Aチーム>が
次々と不可能なミッションを遂行していく…。
まあ、それだけのお話だね」

----ニャンだか、気乗りしてないみたい。
「そんなことないよ。これがなかなかオモシロい。
お話自体はたわいもないもので、
彼ら4人のAチームが何者かにはめられ、
無実の罪で逮捕されてしまう。
しかし、ハンニバルはありえない方法で脱獄に成功。
部下のフェイス(ブラッドリー・クーパー)、
B.A. (クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン)、
マードック(シャルト・コプリー)と合流。
ハンニバルが編み出す荒唐無稽な作戦のもと、
当局の追跡をかわしながら、
自分たちの名誉を汚した黒幕に迫っていく…
というもの」

----確かにありふれたお話だニャ。
「でもそこが、いいとこなのかも。
お話はありふれているのに、
彼らが立てる“作戦”そのものはムチャクチャ。
どう考えても成功はありえない、いい加減な代物。
何かひとつでも予想外のことが起これば、みんな死んでしまう。
偶然に頼りすぎているんだ。
でも、おそらくテレビを観ているときは
そんなことだれも突っ込まずに、
コトの成り行きをハラハラしながら見守っていた(んだと思う)。
この強引なミッション遂行は
『スパイ大作戦』『ジェリコ』から
脈々と流れるアメリカのTVシリーズの伝統」

----それじゃ、とても映画とは言えないじゃニャい。
「いやいや。
それでもぼくは楽しかったね。
お茶の間で海外ドラマシリーズを楽しんでいた、
あの子供時代が蘇ってきた。
この映画は
つじつまあわせをしようなんてことは、鼻からしていない。
こちらもそのお約束の元、
ありえない世界を前提として、ただ楽しみさえすればいい。
そういう意味では充実した時間だったよ」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「アクションといってもいろいろあるんだニャ」小首ニャ

※マンガチックでも、きちんと見せてくれるとこういう風に楽しめる度


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『恋愛戯曲 私と恋におちてください。』

2010-08-14 00:30:58 | 新作映画
----これって、鴻上尚史の監督作だって…。
懐かしいニャあ、第三舞台。
「おいおい、フォーン。いくらなんでもそれはないだろう。
第三舞台は80年代のお芝居だよ。
まあ、この映画自体、
確かに舞台の映画化ではあるけどね」

----どんな、お話ニャの?
「まあ、これが実に分かりやすい。
1行も書けなくなった女性脚本家・谷山真由美(深田恭子)。
その彼女の担当として、関東テレビ制作ドラマ部長の中川康博(井上順)は、
ダメ社員のレッテルを貼られた
向井正也(椎名拮平)をプロデューサーに任命。
『先生にシナリオを書いてもらうためなら、何でもします』と向井。
『じゃあ、私と恋に落ちて』。
かくして、谷山と向井、
ふたりの共同作業(?)による脚本作りは開始。
しかし、その動きを察知した編成部長・先島昭子(清水美沙)は、
自分が主導権を握るべく、
顔もよく口も巧い部下の柳原恭一郎(塚本高史)を
谷山の元へ送りこむ。
さらに、営業局長の蒲生利夫(西村雅彦)も
スポンサーの化粧品会社の宣伝部長・中村俊正(中村雅俊)にプレッシャーをかけられ、暗躍を始める!」

----スランプの作家か…。
ニャんか、聞いたことあるような…。
あっ、西原理恵子『女の子ものがたり』
「そうなんだよね。
執筆をほったらかして、
プロデューサーを外に遊びに連れだしたりするところもそっくり。
でも、この映画は、
そのベクトルが『女の子ものがたり』のような過去への旅とはならずに、
脚本の中身を映像化して見せてゆく。
その脚本というのが、
生活にくたびれた脚本家志望の主婦が主人公のお話。
でも、もとより、この脚本の設定は“人気女流作家の華麗な恋物語”ということになっている。
つまり、映画では三つの階層が描かれているんだ」

----ニャんだか、頭がこんがらがりそう。
「だよね。
そのため、映像的にそれぞれ異なったアプローチで
その三つを分けてあるんだ。
谷山のいる第一階層を<映画>とすると、
その脚本の中の第二階層は<テレビ>。
あたかも昼メロのように展開してゆく。
で、そこに描かれた第三階層、こちらはお芝居。
セットは<舞台>そのもの。
それもよく見ると、“谷山美術”と書かれた表記もあるなど、
これが脚本家・谷山の頭の中の途中段階の構想であることを強調。
と、おそらくこの段階で想像がついたと思うけど、
この映画は、鴻上にとってもプレッシャーのかかる作品」

----どうして?
「だって、そのクライマックスは
谷山が書いた脚本のオモシロさを誰もが認めるという、
その一点に持ってこなくてはならない。
でも、それを書いているのは
他ならぬ鴻上自身なわけだからね」

----で、どうだったの。
映画そのものは?
「う~ん。
これがオモシロいかどうかは人それぞれだろうね。
でも、これだけは言える。
三つの階層に出てくるフカキョン
まったく別の人間が演じているのかと思うほど違うタイプ。
服装やメイクも含めて、
これは、深田恭子を丸ごと楽しむ映画。
確かにへぇ~っと驚くようなオチも、あるにはあるけれど、
それはそれとして、
スターの多面性を楽しむという、
そういう映画もあってもいい。
ぼくは、そう思うな」




           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フカキョンのファン以外も楽しめるのかニャ?」小首ニャ

※だから、それは人それぞれだ度


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『×ゲーム』

2010-08-10 23:56:42 | 新作映画
----あらら、気がついたら何本もたまってニャい?
「うん。観ていることは観ているんだけどね。
で、今日は簡単に話せるこの映画から。
これは主演が 荒木宏文、三上真史(D-BOYS)、
菊地あやか、小泉智絵(AKB48 /渡り廊下走り隊)

原作は『親指さがし』『リアル鬼ごっこ2』 山田悠介原作」

----ということは、ホラーだニャ。
「うん。
それもこてこての。
ついに、こういう映画が日本にも出てきたかって感じ。
肉が裂け、血が吹き飛ぶ、
そう、目を開けていられないほどの
<痛覚>を刺激する残酷描写が次々に登場。
お話は、もろタイトルのまんま。
小学校時代に、クラスではやったという×ゲーム。
それが、大学生になった彼らの身に再び降りかかるというもの。
それも、おっそろしくパワーアップしてね。
で、その×ゲームというのが、
ひとつの部屋に閉じ込められて、
どこにも逃げられない中で行われるという仕組み。
もし、自分がその×ゲームを一緒に閉じ込められた
他の人に対してきっちり遂行しなければ、
自分自身が別の部屋で×の焼印を体に押されてしまう。
いま、思い出しても、体の末端、
手足の先がじ~んと、変な感触に襲われてしまう」

----もう、嫌だニャあ。
ニャんで、そんな趣味の悪い映画の話をするの?
なのに、こっちを話すわけは?
「この映画を観たら、
おそらく99%の人が、
いじめをやめるのではないかと…。
少し、甘いかもしれないけど、
それほどに徹底した恐ろしい復讐が描かれる。
つまりここには
“人に与えた傷は、受けた方にとっては一生残るもの”という、
強いメッセージが放たれているんだ。
ぼくは、メッセージ映画は好きじゃないけど、
なるほど、こういう手法もあるのかと…。
あと、
×ゲームの復讐を受けている4人の中に、
いかにもいい人そうな主人公がなぜ入っているのかという、
そのミステリー的な要素があったのも大きいかな。
黒幕の存在も含めて、なかなかよくできたお話」

----そうか。こういうホラーだったら
子供たちに見せてもいいのかもニャ。
「う~ん。それはどうだろう。
先日も、小学校の先生たちが子供にアンケートをとって
人気の高いホラーを見せたところ、
気分が悪くなった子供たちが続出。
確かその一本が、『リアル鬼ごっこ』だった。
これは、その比じゃないからなあ」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「こういうの観ると、フォーンは眠れなくなるのニャ」もう寝る

※こんな残酷な映画、あまりない度}


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『十三人の刺客』(2010年・三池崇史監督版)

2010-08-06 23:27:32 | 新作映画
「実はこの映画、
もう少し経ってからじっくりと喋りたかったんだけど、
今日のうちに話すことこそ意味があると思って…」

----ん、どういうこと?
今日は、確か広島に原爆が落とされた日。
「そう。そこなんだ。
これは全くの偶然なんだけど、
そんな日にこの映画を観てしまった。
映画の冒頭、あるテロップが出る。
それは『広島、長崎に原爆が落とされる100年前…』といった内容」

----へぇ~っ。太平洋戦争終結ではなく、
なぜ原爆ニャんだろう?
「ぼくが思うに、この映画で監督の三池崇史は、
自らが深作欣二の後継者と名乗り出たのではないか…」

----えっ。この映画のオリジナルって工藤栄一監督だよね。
「もちろん。
でも、ほら思い出してごらん。
深作の代表作『仁義なき戦い』の冒頭は?」

----あっ、広島への原爆投下だ。
「(ニヤリ)でしょ。
さて、その前提で話すと、
この映画の見どころ、
それはオリジナルの東映時代劇を、
いまや映画界ひとり勝ちの東宝が映画化したことにある。
前半は城内の描写。
それは、色合い、セリフ回しともそれこそ東映時代劇のタッチ。
役者を抜きにすれば、これが今の映画であることを忘れてしまうほど。
いわば、正攻法で堂々と真っ向勝負。
ところが、そんな中、
“残酷かつ過激な描写”では右に並ぶ者がない三池崇史監督は、
“明るい東宝”でここまでやって大丈夫なの?
と、心配になるほどの刺戟的な映像を次々と繰り出してくる。
子供は藩主・斉韶に平然と弓矢で撃ち殺されるし、
『バイオレンス・ジャック』の牧村美樹さながら、
両手両足を切られた女まで出てくる。
ひと時代前ならPTAあたりからクレームがきそう」

----それは、観るのきついニャあ。
その残忍な藩主って?
「明石藩主松平斉韶。
彼は将軍の弟で次期老中が噂されている。
物語は、この最凶の権力者・斉韶を撃つべく、
13人の刺客が中山道落合宿で参勤交代中の一行を待ち伏せし、
300名もの相手に対して死闘を繰り広げるというもの」

----300名!?
「オリジナルは13対53.
このときは約30分の戦いだったわけだけど、
今回は、相手が増えた分、なんと50分もの死闘が続く。
これだけの時間を飽きさせずに見せきるだけでも三池監督はスゴい。
しかもそのスケールの大きさには、ただただ圧倒された。
まるでハリウッド黄金期のスペクタクル映画のように、
CGではなくセットそのもので大作感を打ち出してゆくんだ。
キャストの方も、主人公・島田新佐衛門に扮する役所広司を始め、
山田孝之、伊勢谷友介、伊原剛志 ら、
13人全員が、みんな輝いている。
一方、斉韶に扮した稲垣吾郎もいい。
このクレイジーな役を、心底なりきって演じているんだ。
しかし、久しぶりに見た市村正親には驚いたな。
かつての劇団四季の看板スターも、こんな年配の風貌に。
自分な年取るわけだわ」

----最後はどうでもいい話で締めたニャあ。



           (byえいwithフォーン)

「そんなにすごいニャか?」身を乗り出す


※これは“平成集団チャンバラ”のナンバーワン作品だ度


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『ナイト&デイ』

2010-08-05 22:09:26 | 新作映画
(原題:Knight and Day)


----あれっ。これって今日観てきたばかりの映画だよね。
昨日の『トラブル・イン・ハリウッド』から先に話すのかと思ったけど…。
「うん。とりあえずは喋りやすい方から行こうかと。
この映画、またまた“巻き込まれ型の映画”。
と言っても、物語は、複雑なようでいてシンプル。
キャメロン・ディアス扮する平凡な女性ジューンが、
空港で出会った笑顔が素敵な男性ロイ(トム・クルーズ)と同じ飛行機に乗り合わせる。
ところが、化粧室から出てくると
ロイ以外はパイロットも含め、全員死亡。
かくして彼女の運命はロイの操縦桿にゆだねられることに。
果たして彼は何者なのか?
かくして、世界中を駆け巡る
ロマンチックでスリリングな冒険が始まる…」

----それは楽しそうだ。
「うん。実に楽しい。
ただ、映画にリアリズムや
キービジュアルからイメージされるハードな設定を求める人には
“なんだこれ?”になる可能性は大。
ぼくなんかは、これを観ていて
ショーン・コネリー時代のボンド・ムービーを思い出したけどね。
それと、ハリウッド映画のお家芸、スクリューボール・コメディの併せ技。
そこに、ロードムービー的な要素も加わって、
ふたりの関係が次第に深まってゆくさまが
実に楽しく観ることができる」

----ニャるほど。そういう意味では、
この豪華顔合わせも納得だニャあ。
「そういうこと。
映画は夢を紡ぐ工場という観点に立てば、
このようなゴージャスな作りはありだと思う。
ロケ地に選ばれているのも大西洋のアゾレス諸島だったり、
アルプスを行くオリエント急行だったりと、
こちらもボンド・ムービーのノリ。
思うに、近年の『007』が
よりリアルに、よりハードにという志向になっているのに対して、
これは『もっと映画を楽しもうよ』という、作家たちの異議申し立て」

----えらい褒めようだニャあ。
「だって、鼻からツッコミを拒否してるもの。
ここに出てくるカ―アクションなんて、絶対に不可能。ありえない。
高速道路上を車から車へと
ボンネットやルーフ上を移動。
ロイの超人ぶりときたら、イーサン・ハントなんて目じゃない。
クライマックスのセビリアでは闘牛が大暴走。
悪人たちを車ごと踏みつぶしてゆく」

----ほんと、ありえニャい。
監督は誰?
ジェームズ・マンゴールド
彼は、異色保安官映画『コップランド』の頃から、ほんといいね。
『17歳のカルテ』のような問題作から、
タイムトラベル・ファンタジー『ニューヨークの恋人』
異色スリラー『“アイデンティティー”』
感動の伝記映画『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』
そして傑作ウエスタン『3時10分、決断のとき』と、粒ぞろい。
ジャンル映画を撮ったら右に並ぶ者なし。
監督の名前だけで期待させちゃう、数少ない例だね」



           (byえいwithフォーン)

「とにかくゴージャスらしいのニャ」身を乗り出す


※ナイトは“夜”じゃなく“騎士”。
まあ、ツッコミしないで楽しんでほしい度



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『THE LAST MESSAGE 海猿』

2010-08-04 21:39:37 | 新作映画
※けっこう、辛口です。
ファンの方は、スルーされた方がいいかも。



----『海猿』って、もう3部作で終わっていたんじゃニャいの?
「いやあ。あれだけのヒット作だもの。
周りが許さないって…」

----でも、この前の『LIMIT OF LOVE 海猿』が大型フェリーの事故だよね。
それを超える緊急事態って、想像がつきにくいけど…。
「それが、よく考えたもので、
今回はガスプラントにドリル・シップがぶつかったという設定。
しかもそこに大型台風がやってくる」

----大型台風といえば、同じ伊藤英明主演の
『252-生存者あり-』も、そうだったような…。
「そうなんだよね。
もう、彼が主演の映画は、観ていて
“ごめんなさい”と、謝りたくなる」

----誰に?
「まあ、いろんな人にだね。
だって、彼が演じる主人公は完全無欠のヒーロー。
その体力ばかりでなく、生きざまそのものが
いわゆる男の理想形。
本心は、死の淵にいて、自分も辛いし、怖いだろうに、
でも、いつも周囲の状況を判断し、
努めて明るくふるまい、
みんなを安心させる。
そして、その公(仕事)に対する態度の内には、
家族への深い愛情と責任がある。
もう、立派!
と、まあ、これだけ言えば、この映画はいいかな。
後は、日本のおそらくこれが最前線と思われる
CG&SFX技術に圧倒って感じかな」

----あらら、簡単にまとめちゃったニャ。
「だって、お話はいつも同じようなものだからね。
大事故に取り残された主人公が
最初はバラバラだった一般人の人たちを
励ましながらまとめあげ生還へと導いていく。
そして、二者択一の選択においては
自分が犠牲となる道を選ぶ」

----そう言われてみると、そうだよね。
「でしょ。
まあ、こういう映画は、その約束事にのっとって観るのがいいんだろうね。
映画は楽しんだ者の勝ちだからね。
ただ、今回のタイトルはちょっといただけないな」

----どうして?
主人公・仙崎大輔のメッセージでしょ。
「だってそれって、
いわゆる脚本を書いた人やスタッフからのメッセージなわけじゃない。
なんか、引っかかるんだよね」



           (byえいwithフォーン)

「これはまだ続きそうだニャ」ぱっちり


※今回のおススメは加藤雅也の演技だ度


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※今回の3Dは2Dからの変換だそうです。

『おにいちゃんのハナビ』

2010-08-03 00:20:31 | 新作映画
----これって、タイトルからして“泣ける”映画みたいだけど…?
「まあ、そうだね。
白血病の病に冒されている妹・華( 谷村美月)が
自分の転地療養のため引っ越しを繰り返していることから、
学校に溶け込むことができず、
その結果、引きこもりとなってしまった兄・太郎( 高良健吾)に
元気を取り戻させようとする。
そのキーワードとなるのが…」

----花火ってことだニャ。
「そういうこと。
地方の風物詩を映画に取り入れつつ
青春像を描いた映画は、昨今のブーム。
この作品が公開される9月25日の2週間前には
『君が踊る、夏』という高知を舞台に、
よさこい祭りを取り入れた映画も公開される」

----それって、ずいぶん前に観たはずだよね。
なのに、こっちを話すわけは?
「そうだね。映画そのものは
実話をふくらませていった結果、
あれもこれもという感じで、
正直、いかにも“作りました”という感じがしたのは否めない。
でも、ここに出てくる裏の主人公、花火について
ちょっと喋りたくなって。
舞台は新潟県の小千谷市片貝町。
そこで毎年9月9日・10日に行われる片貝まつり
その起源は江戸時代初期にさかのぼる。
地元の浅源神社へのお賽銭代わりに花火を奉納したらしい。
1891年には三尺玉が4発打ち上げられ、三尺玉発祥の地に。
また、1985年には直径800mの四尺玉が打ち上げられ、
世界一の花火としてギネスに認定されたとか」

----おやおや、今日は映画の話じゃないニャ。
「まあ、先を聞いてよ。
で、この花火、
子供の誕生、成人、結婚、商売繁盛など、
さまざまな願いを込めた町民たち主体の打ち上げになっているんだ。
で、ここがオモシロいんだけど、
それは個人や家族単位だけではない。
地元の片貝中学を卒業するとともに
同級生で結成する“会”単位で花火を打ち上げていく。
その最初の記念的な打ち上げが成人式で、
以後、還暦までそれは毎年続いていくんだ」

----ニャるほど。それはいいニャあ。
毎年、みんなと会えるし…。
「でしょ。
この映画は、その“会”がベースとなっている。
彼らの中に入り込むことができず
うじうじしている太郎。
高良健吾は、こういうおどおどし演技がすっかり板についている。
一方の谷村美月は、和製ナタリー・ポートマン

----ニャんだ。それ?
「まあ、観てみれば分かるよ。
見上げた女優魂だよ」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「脇役の顔ぶれもスゴイのニャ」ぱっちり


※タクシー運転手の父親に扮する大杉漣は、この映画のために免許を取った度


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『ソルト』

2010-08-01 22:07:04 | 映画
(原題:Salt)


「これは、少なくとも観ている間はオモシロい。
まあ、そういう映画だったね」

----えっ、“観ている間は…”。
後で考えるとそうでもないってこと?
「いや、そこまではいかないけど…。
いまこうしてフォーンに喋るために
改めて予告を観て映画を思い出していたら
けっこう、ツッコミどころも多かったなってこと。
ただ観ている間は、映画の“勢い”というか、
その演出のパワーの前に、
そういうことを考える余地もなく
引っ張られていっちゃうんだ」

----分かるような、分からないような…。
確か、これって二重スパイの嫌疑をかけられたCIA職員が、
真犯人を捜し出そうとするお話でしょ?
「そうだね。
その設定でぼくの脳裏に最初に浮かんだのは
ヒッチコックタイプの 巻き込まれ型サスペンス
ところが…」

----えっ、そうじゃニャいの?
「まあ、待ってよ。
で、次に思い出したのが
記憶を失った女スパイ『ロング・キス・グッドバイ』
そして、映画を観ているうちに今度は チャールズ・ブロンソン主演『テレフォン』

----その『テレフォン』って?
「ソ連がアメリカに潜入させたスパイ。
彼らは、ふだんは催眠状態で自分がスパイであることを意識せず、
アメリカ市民として暮らしている。
しかし、その催眠状態を解除するキーワードを電話で吹きこまれ、
破壊工作を始めるって話。
この『ソルト』も、少し似たような感じ。
元ロシアの高官がCIAエージェントのソルト(アンジェリーナ・ジョリー)を覚醒させる…。
まあ、そういう構図かと…。
ただ、この映画は、それはほんとうなのか、
それとも仕組まれた罠なのか…というミステリーの要素があって、
観ている方の気持ちに揺さぶりをかけていくんだ」

----そうだよね。
もし、ほんとうにハメられたのなら
逃げるのは逆効果。
でも、トレーラーだと逃げまくっているし…。
「いや、それどころか、
彼女は大反撃に出て、
ソルトの行くところは血の海。
この映画の巧いところは、
そこに、ソルトの愛する夫の存在を絡ませているところ。
彼女が逃げ出したのは、自分の身が危ないからなのか、
それとも夫を守るためなのか、
観ていてなかなか判断が付かないんだ。
少なくとも、ロシア大統領暗殺シーンまでは…」

----えっ、それって答を言ってしまってニャい?
「いやいや。
まだまだ二転三転するからね。
さて、この映画、その脚本のオモシロさとともに、
アクションも見ごたえ抜群。
ふだんは、すぐに飽きてしまうカ―アクションも、
サスペンスを加味してあるから、ハラハラドキドキ。
まるで、全盛期の007を観ているみたい。
その醍醐味たるや、
続きが観たくなるほどだけど、
最後には彼女の真意も正体とともに分かっちゃうし、
もし続編が作られたとしても、
次回からはミステリーの要素がなくなっちゃうわけで、
やはり、これは無理だろうなあ」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「監督のフィリップ・ノイス、アンジーとは『ボーン・コレクター』以来なのニャ」身を乗り出す


※この監督、大統領がらみのスパイ映画『今そこにある危機』もなかなかだった度



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